JP6929579B2 - ワーク処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワーク処理装置に関するものである。
従来から、ワーク表面の汚れやバリを除去するためのワーク処理装置として、例えば特開2006−334712号に開示されるショットブラスト装置(以下、従来例という。)が提案されている。
この従来例は、ワークに液体と砥粒との混合物であるスラリを羽根車(インペラー)により投射して衝突させるものであり、このスラリの衝突によりワーク表面の汚れやバリが除去される。
特開2006−334712号公報
本発明者は、前述した湿式のショットブラストを行う装置について更なる研究開発を進め、その結果、従来に無い画期的なワーク処理装置を開発した。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
ワーク搬送部7で搬送されるワークWに、ショットブラスト部2において液体50aと砥粒50bとの混合物であるスラリ50を衝突させるワーク処理装置であって、前記ショットブラスト部2は羽根車1の回転により前記スラリ50を投射する構造であり、更に、前記スラリ50を収納するスラリ収納タンク部3と、このスラリ収納タンク部3から前記ショットブラスト部2までスラリ50を搬送するスラリ搬送部4と、前記ショットブラスト部2で使用された使用済みのスラリ50を前記スラリ収納タンク部3へ回収するスラリ回収部5と、前記ショットブラスト部2でのワークWに対するショットブラスト後に該ワークWを洗浄するワーク洗浄部8を有し、前記スラリ搬送部4には、高濃度スラリ50’と低濃度スラリ50”とに分離するスラリ濃度分離部6が設けられ、このスラリ濃度分離部6において分離された前記高濃度スラリ50’は前記ショットブラスト部2へ、また、前記低濃度スラリ50”は前記ワーク洗浄部8へ搬送されるように構成されていることを特徴とするワーク処理装置に係るものである。
また、請求項1記載のワーク処理装置において、前記ワーク洗浄部8よりも搬送下流側位置には、このワーク洗浄部8で洗浄されたワークWを洗浄液収納タンク部9に収納された洗浄液60で洗浄する洗浄部10を有し、前記スラリ収納タンク部3と前記洗浄液収納タンク部9との間には熱交換部11が設けられ、この熱交換部11を介して前記スラリ収納タンク部3に収納されたスラリ50の熱により前記洗浄液収納タンク部9に収納された前記洗浄液60が加温されるように構成されていることを特徴とするワーク処理装置に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載のワーク処理装置において、前記スラリ濃度分離部6は、遠心分離法により高濃度スラリ50’と低濃度スラリ50”とに分離することを特徴とするワーク処理装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、ショットブラストの処理能力が向上し、しかも、ワークの洗浄が効率良く行われるなど、従来に無い画期的なワーク処理装置となる。
本実施例の使用状態説明図である。 本実施例の要部を説明する断面図である。 本実施例の要部を説明する断面図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
ワーク搬送部7で搬送されるワークWに、液体50aと砥粒50bとの混合物であるスラリ50をショットブラスト部2に設けられた羽根車1の回転により投射して衝突させると、例えばワークW表面の汚れやバリやスケールの除去が行われる。
本発明は、ショットブラスト部2までスラリ50を搬送するスラリ搬送部4には、高濃度スラリ50’と低濃度スラリ50”とに分離するスラリ濃度分離部6が設けられ、このスラリ濃度分離部6において分離された高濃度スラリ50’はショットブラスト部2へ搬送されるように構成されており、この構成からショットブラストの処理能力を向上することができる。
即ち、ショットブラストは、スラリ50を圧搾空気と共に噴射するウエットブラストに比し、装置が簡易化できてコスト面において秀れるなどのメリットがあるとされるが、その一方、ワークWに対する衝突力が弱い為、処理能力が低くなる。
この点、例えば羽根車1の回転速度を高速にすればそれだけワークWに対する衝突力が強くなり処理能力が向上することになるが、高性能な駆動源が必要になるなどショットブラスト本来のメリットが無くなってしまう。
そこで、本発明は、前述したスラリ濃度分離部6でショットブラスト部2に搬送されるスラリ50中の砥粒濃度を高くする(砥粒50aの量を多くする)ことで、ワークWに対して同じ衝突力でも砥粒50aの衝突量を増やすことができることになり、前述した高性能な駆動源を使用しなくても処理能力を向上することができる。
また、本発明は、スラリ濃度分離部6において分離された低濃度スラリ50”は、ショットブラスト部2でのワークWに対するショットブラスト後に該ワークWを洗浄するワーク洗浄部8へ搬送されるように構成されている。即ち、スラリ50を衝突させた後に必須となるワークWの洗浄(ワークW表面に付着した砥粒50aなどの不要物)を、スラリ濃度分離部6において分離された低濃度スラリ50”を洗浄液として利用することができるから、極めて効率良い構造となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、ワーク搬送部7で搬送されるワークWに、ショットブラスト部2において液体50aと砥粒50bとの混合物であるスラリ50を衝突させるワーク処理装置Mである。
尚、本実施例では、ワークWとして、例えば工作機械や搬送機械に使用されるボールネジを構成するネジ軸を採用しているが、この他にも例えば線材や棒材や形材なども採用し得るものである。
具体的には、ワーク処理装置Mは、図1に図示したようにワーク搬送部7により搬送されるワークWにショットブラスト処理及びその他の処理を行うように構成されている。
ワーク搬送部7は、図1に図示したようにボックス状の基体12内にワークWを架設状態に載置する複数のローラー送り部7aを間隔を介して並設して構成されており、処理対象となるワークWを、基体12の一側(上流側)に設けられるワーク導入部12aから、基体12の他側(下流側)に設けられるワーク導出部12bまで連続的に水平方向へ直線搬送するものである。
また、基体12には、ショットブラスト部2と、ワーク洗浄部8(粗洗浄部)と、洗浄部10(本洗浄)と、洗浄液除去部13を有している。
ショットブラスト部2は、図1に図示したようにワークWを通過せしめる基体12に羽根車1(インペラー)を設けて構成されており、この羽根車1を基体12の上方位置に2個、基体12の下方位置に2個設けている。
羽根車1は、図2,3に図示したように駆動モーター19の駆動により回転する回転軸1aの周囲に複数の羽根板1bを放射状に設けて構成されており、スラリ導入部14a及びスラリ導出部14bを有する収納本体14内に回転自在に設けられ、スラリ導入部14aから導入されるスラリ50を投射してスラリ導出部14bから導出するように構成されている。
また、各羽根車1へは後述する高濃度スラリ50’が供給される。
符号15はショットブラスト部2(処理空間内)を洗浄するための後述する低濃度スラリ50”を噴射する洗浄ノズルである。
ワーク洗浄部8は、図1に図示したように基体12内にしてショットブラスト部2と仕切られた下流側位置に洗浄ノズル8aを設けて構成されており、この洗浄ノズル8aには後述する低濃度スラリ50”が供給される。
また、本実施例では、スラリ50を装置内で循環させるスラリ循環構造を具備している。
このスラリ循環構造は、基体12の下方位置に設けられスラリ50を収納するスラリ収納タンク部3と、このスラリ収納タンク部3からショットブラスト部2までスラリ50を搬送するスラリ搬送部4と、ショットブラスト部2で使用された使用済みのスラリ50をスラリ収納タンク部3へ回収するスラリ回収部5とで構成され、羽根車1から投射されたスラリ50はスラリ回収部5で回収された後、スラリ収納タンク部3へ送られて再利用される構成である。
また、スラリ搬送部4は、図1に図示したように適宜な金属製の管状体で構成されており、スラリ収納タンク部3と後述するスラリ濃度分離部6におけるスラリ導入部6aとの間に設けられポンプ装置4aが設けられる第一搬送部4bと、後述するスラリ濃度分離部6における高濃度スラリ導出部6bと収納本体14におけるスラリ導入部14aとの間に設けられる第二搬送部4cと、後述するスラリ濃度分離部6における低濃度スラリ導出部6cとワーク洗浄部8における洗浄ノズル8aとの間に設けられる第三搬送部4dとで構成されている。
本実施例では、二つのスラリ濃度分離部6を具備し、前述したように一方の濃度分離部6における低濃度スラリ導出部6cから延設される第三搬送部4dは、ワーク洗浄部8における洗浄ノズル8aに接続され、他方のスラリ濃度分離部6の低濃度スラリ導出部6cから延設される第三搬送部4dは、ショットブラスト部2における洗浄ノズル15に接続される。
各スラリ濃度分離部6は、図1に図示したようにスラリ搬送部4に設けられる遠心分離機であり、スラリ50を渦巻き状に流動させて高濃度スラリ50’(砥粒50a含有量の多いスラリ)と、低濃度スラリ50”(砥粒50a含有量の少ないスラリ)とに分離するものである。
具体的には、このスラリ濃度分離部6は、スラリ搬送部4からスラリ50が導入される処理容体で構成されている。
この処理容体は、縦長の筒状体であり、この処理容体の上部側方位置に設けられたスラリ導入部6aから導入されたスラリ50が上方から下方へ渦巻き流を発生しながら通過する構成であり、該処理容体の下端部に高濃度スラリ50’を導出する高濃度スラリ導出部6bが設けられ、一方、上端部に遠心分離作用により作出された低濃度スラリ50”を導出する低濃度スラリ導出部6cが設けられている。
この2つのスラリ濃度分離部6のうち、一方のスラリ濃度分離部6で作出された高濃度スラリ50’は第二搬送部4cを介して上方へ配する羽根車1へ供給されるとともに、低濃度スラリ50”は第三搬送部4dを介してワーク洗浄部8(洗浄ノズル8a)へ供給され、他方のスラリ濃度分離部6で作出された高濃度スラリ50’は第二搬送部4cを介して下方へ配する羽根車1へ供給されるとともに、低濃度スラリ50”は第三搬送部4dを介して洗浄ノズル15へ供給される。
スラリ回収部5は、基体12の底部に設けられるスラリ溜め部5aと、このスラリ溜め部5aから垂設されるスラリ回収管5bとで構成されている。
洗浄部10は、図1に図示したように基体12内にしてワーク洗浄部8と仕切られた下流側位置に洗浄ノズル10aを設けて構成されており、この洗浄ノズル10aには、洗浄液収納タンク部9に収納された洗浄液60(洗浄水)が供給される。
従って、この洗浄部10によりショットブラスト部2でワークWに噴出されたスラリ50(砥粒50a)等の不要物を完全に落とす洗浄処理が行われる。
符号17は洗浄液収納タンク部9と洗浄ノズル10aとの間に設けられる洗浄液搬送部、17aはポンプ装置、18は基体12の底部に設けられる洗浄液溜め部18aと、この洗浄液溜め部18aから垂設される洗浄液回収管18bとから成る洗浄液回収部18である。
また、本実施例では、ショットブラストの際に生じる熱(ワークWにスラリ50が衝突した際の熱)を持ったスラリ50が回収されることで温度上昇するスラリ収納タンク部3内のスラリ50の熱を有効利用する。
即ち、スラリ収納タンク部3と洗浄液収納タンク部9との間には熱交換部11が設けられ、この熱交換部11を介してスラリ収納タンク部3に収納されたスラリ50の熱により洗浄液収納タンク部9に収納された洗浄液60が加温されるように構成されている。
従って、この温度の高い洗浄液60で洗浄することでワークWは加温されることになり、後述する洗浄液除去部13で除去する際に乾きが良好に行われる。
また、本実施例では、基体12(ショットブラスト部2)に送風機20aを備えた排気部20が設けられている。
従って、ショットブラストの際に生じる熱のうち、洗浄液60の加温に利用される熱量を超える熱(ショットブラスト部2内に籠る熱)は、この排気部20からショットブラスト部2の空気やミストを排出することで除去される。
洗浄液除去部13は、図1に図示したように基体12内にして洗浄部10と仕切られた下流側位置に圧搾空気噴射ノズル13aを設けて構成されており、この圧搾空気噴射ノズル13aには、圧縮空気供給部16(圧縮空気搬送部16a)から供給される圧縮空気が供給される。
従って、この洗浄液除去部13でワークWに付着した洗浄液60を吹き飛ばす等の洗浄液除去処理が行われる。
本実施例は上述のように構成したから、ワーク搬送部7で搬送されるワークWに、液体50aと砥粒50bとの混合物であるスラリ50をショットブラスト部2に設けられた羽根車1の回転により投射して衝突させると、ショットブラスト処理(例えばワークW表面の汚れやバリやスケールの除去)が行われる。
ショットブラスト部2までスラリ50を搬送するスラリ搬送部4には、高濃度スラリ50’と低濃度スラリ50”とに分離するスラリ濃度分離部6が設けられ、このスラリ濃度分離部6において分離された高濃度スラリ50’はショットブラスト部2へ搬送されるように構成されており、この構成からショットブラストの処理能力を向上することができる。
即ち、前述したスラリ濃度分離部6でショットブラスト部2に搬送されるスラリ50中の砥粒濃度を高くする(砥粒50aの量を多くする)ことで、ワークWに対して同じ衝突力でも砥粒50aの衝突量を増やすことができることになり、高性能な駆動源を使用しなくても処理能力を向上することができる。
また、本実施例は、スラリ濃度分離部6において分離された低濃度スラリ50”は、ショットブラスト部2でのワークWに対するショットブラスト後に該ワークWを洗浄するワーク洗浄部8へ搬送されるように構成されており、つまり、スラリ50を衝突させた後に必須となるワークWの洗浄(ワークW表面に付着した砥粒50aなどの不要物)を、スラリ濃度分離部6において分離された低濃度スラリ50”を洗浄液として利用することができるから、極めて効率良い構造となる。
また、本実施例は、ワーク洗浄部8よりも搬送下流側位置には、該ワーク洗浄部8で洗浄されたワークWに洗浄液収納タンク部9に収納された洗浄液60により洗浄する洗浄部10を有し、スラリ収納タンク部3と洗浄液収納タンク部9との間には熱交換部11が設けられ、この熱交換部11を介してスラリ収納タンク部3に収納されたスラリ50の熱により洗浄液収納タンク部9に収納された洗浄液60が加温されるように構成されているから、ショットブラストにより生じる熱の有効利用が達成される。
また、本実施例は、スラリ濃度分離部6は、遠心分離法により高濃度スラリ50’と低濃度スラリ50”とに分離するから、簡易且つ確実に得たい濃度のスラリ50が得られることになる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
W ワーク
1 羽根車
2 ショットブラスト部
3 スラリ収納タンク部
4 スラリ搬送部
5 スラリ回収部
6 スラリ濃度分離部
7 ワーク搬送部
8 ワーク洗浄部
9 洗浄液収納タンク部
10 洗浄部
11 熱交換部
50 スラリ
50’ 高濃度スラリ
50” 低濃度スラリ
50a 液体
50b 砥粒
60 洗浄液

Claims (3)

  1. ワーク搬送部で搬送されるワークに、ショットブラスト部において液体と砥粒との混合物であるスラリを衝突させるワーク処理装置であって、前記ショットブラスト部は羽根車の回転により前記スラリを投射する構造であり、更に、前記スラリを収納するスラリ収納タンク部と、このスラリ収納タンク部から前記ショットブラスト部までスラリを搬送するスラリ搬送部と、前記ショットブラスト部で使用された使用済みのスラリを前記スラリ収納タンク部へ回収するスラリ回収部と、前記ショットブラスト部でのワークに対するショットブラスト後に該ワークを洗浄するワーク洗浄部を有し、前記スラリ搬送部には、高濃度スラリと低濃度スラリとに分離するスラリ濃度分離部が設けられ、このスラリ濃度分離部において分離された前記高濃度スラリは前記ショットブラスト部へ、また、前記低濃度スラリは前記ワーク洗浄部へ搬送されるように構成されていることを特徴とするワーク処理装置。
  2. 請求項1記載のワーク処理装置において、前記ワーク洗浄部よりも搬送下流側位置には、このワーク洗浄部で洗浄されたワークを洗浄液収納タンク部に収納された洗浄液で洗浄する洗浄部を有し、前記スラリ収納タンク部と前記洗浄液収納タンク部との間には熱交換部が設けられ、この熱交換部を介して前記スラリ収納タンク部に収納されたスラリの熱により前記洗浄液収納タンク部に収納された前記洗浄液が加温されるように構成されていることを特徴とするワーク処理装置。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載のワーク処理装置において、前記スラリ濃度分離部は、遠心分離法により高濃度スラリと低濃度スラリとに分離することを特徴とするワーク処理装置。
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