JP6928615B2 - 3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル及びその類縁体の製造方法 - Google Patents

3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル及びその類縁体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬品、農薬品等の合成中間体として用いられる3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル及びその類縁体の製造方法等に関する。
引用文献1及び2において、メソイオン性化合物は多くの害虫に対し殺虫効果を示し、優れた防除効果を示すことが知られている。引用文献1において置換基をシアノエチル基とするメソイオン性化合物について記載されている。3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル及びその類縁体は、引用文献1に記載のメソイオン性化合物の合成中間体に該当し、その具体的な合成方法については特許文献1、3及び非特許文献1〜2に記載されている。しかしながら、その合成方法は、工程が多い、収率が低い、置換基が限定的な反応である等課題が多い。
WO2015/104822号 特表2013−501061号公報 特表2001−519351号公報
Bulletin de la Societe Chimique de France (1957), 718-721, 721-723. Chimica Therapeutica (1973), 8 (2), 239-241.
本発明は、3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル、及びその類縁体の効率的な製造方法を提供することに関する。
本発明者らは、3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル、及びその類縁体の製造方法について鋭意検討した結果、前記課題を解決することを見出し本発明に至った。本発明においては、3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル、及びその類縁体の重要な中間体、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミドの製造方法も含む。
即ち本発明は、以下の通りである。
[発明1]
式(1)
Figure 0006928615

(式中、各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4ハロアルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基、C1〜C4ハロアルキルスルホニル基、C1〜C4アルキルスルホン基、C1〜C4ハロアルキルスルホン基、又はペンタフルオロスルファニル基であり、
は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4アルコキシ基であり、
は、水素原子又はホルミル基であり、
nは0〜4である)で表される化合物の製造方法であって、
式(2)
Figure 0006928615

(式中、各Rは、式(1)で定義した通りである)で表される化合物と
式(3)
Figure 0006928615

(式中、Rは、式(1)で定義した通りである)で表される化合物とを塩基存在下において混合して反応させる工程を含む方法。
[発明2]
各Rが独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4ハロアルコキシ基であり、
が、水素原子基又はC1〜C4アルキル基である、発明1に記載の方法。
[発明3]
塩基が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、カリウムtert−ペントキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラアミルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘプチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア、n−ブチルリチウム、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、N、N−ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンから選ばれる1種以上であり、
溶媒が有機溶媒、水、又はそれらの組合せである、発明1又は2に記載の方法。
[発明4]
塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上である、発明3に記載の方法。
[発明5]
塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上である、発明3に記載の方法。
[発明6]
式(2)の化合物1モルに対して塩基が0.001〜3.0モルの範囲である、発明5に記載の方法。
[発明7]
溶媒が2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水、化合物(3)から選ばれる1種以上である、発明1〜6のいずれか一項に記載の方法。
[発明8]
溶媒が2−プロパノール、アセトン、メタノール、エタノール、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、水から選ばれる1種以上である、発明7に記載の方法。
[発明9]
反応温度が10℃〜110℃である、発明1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[発明10]
nが1である、発明1〜9のいずれか一項に記載の方法。
[発明11]
全Rが水素原子であり、
が水素原子であり、
塩基が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上であり、
溶媒が2−プロパノール、アセトン、メタノール、エタノール、水から選ばれる1種以上であり、
式(2)の化合物1モルに対して、塩基が0.05〜2.0モルの範囲であり、
反応温度が10℃〜90℃である、
発明1に記載の方法。
[発明12]
がホルミル基である、発明1〜11のいずれか一項に記載の方法。
[発明13]
が水素原子である、発明1〜11のいずれか一項に記載の方法。
[発明14]
式(4)
Figure 0006928615

(式中、
各Rは、式(1)で定義した通りであり、
は、式(1)で定義した通りであり、
nは、式(1)で定義した通りである)で表される化合物を塩基、もしくは塩化水素、塩化水素酸、臭化水素、臭化水素酸から選ばれる酸と混合する工程を含む、発明13に記載の方法。
[発明15]
式(4)
Figure 0006928615

(式中、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4ハロアルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基、C1〜C4ハロアルキルスルホニル基、C1〜C4アルキルスルホン基、C1〜C4ハロアルキルスルホン基、又はペンタフルオロスルファニル基であり、
は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4アルコキシ基であり、
nは0〜4である)で表される化合物。
[発明16]
各Rが独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4ハロアルコキシ基であり、
が、水素原子又はC1〜C4アルキル基である、発明15に記載の化合物。
[発明17]
nが1である、発明15又は16に記載の化合物。
[発明18]
全Rが水素原子であり、Rが水素原子である、発明14に記載の化合物。
本発明によれば、3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル、及びその類縁体を工業的に入手可能な原料を用いて合成することができ、高収率、短工程、そして基質一般性高く目的とする化合物が得られることから、本発明の製造方法は、環境への負荷も少ない工業化に適した方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル、及びその類縁体:式(1)の化合物(以下、化合物(1)と記すことがある。他も同様)の製造方法は、化合物(2)と、
Figure 0006928615

Figure 0006928615

化合物(3)
Figure 0006928615

とを、塩基の存在下において混合して反応させる工程(以下、本工程を、シアノエチル化工程と記すことがある。)を含む。
上記塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、カリウムtert−ペントキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラアミルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘプチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア、n−ブチルリチウム、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、N、N−ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンから選ばれる1種以上を用いることができる。本発明においては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましく、さらに好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドである。塩基の量は、化合物(2)1モルに対して、0.001〜3.0モルの範囲、より好ましくは0.05〜2.0モルの範囲である。前記塩基は、反応途中で替えることができる。
化合物(2)、化合物(3)、及び塩基の混合順序は特に限定されず、化合物(2)に化合物(3)及び塩基を混合してもよいし、化合物(3)に化合物(2)及び塩基を混合してもよいが、好ましくは化合物(2)及び塩基を混合し、得られた混合物に化合物(3)を混合する。上記混合は溶媒中で行ってもよい。
本反応では溶媒を用いてもよい。溶媒としては、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、水、を挙げることができ、好ましくは2−プロパノール、アセトン、メタノール、エタノール、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、水である。前記溶媒は、反応途中で替えることができる。化合物(2)又は化合物(3)を過剰量用いて、溶媒としての役割を兼ねてもよい。
シアノエチル化工程における温度は、例えば0〜120℃、好ましくは40〜100℃の範囲である。シアノエチル化工程の時間は、例えば5分〜48時間、好ましくは30分〜5時間の範囲である。
シアノエチル化工程で得られた反応混合物(反応溶液等)は、水等を加え有機溶剤等で抽出、水洗等の後処理を行ってもよいし、濾過、結晶化、抽出、蒸留、活性炭、シリカアルミナ等の吸着法、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法等の精製を行ってもよい。有機溶剤は特に限定しないが、トルエン、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−へプタン、酢酸エチル、塩化メチレン、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル等が挙げられる。加えて酸を用いて塩として取り出すことが可能である。酸としては塩化水素、塩化水素酸、臭化水素、臭化水素酸、硫酸、硝酸、ピクリン酸等が挙げられる。
化合物(1)及び(2)におけるRとしては、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4ハロアルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基、C1〜C4ハロアルキルスルホニル基、C1〜C4アルキルスルホン基、C1〜C4ハロアルキルスルホン基、ペンタフルオロスルファニル基等が挙げられ、好ましくは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基が挙げられ、より好ましくは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、トリフルオロメチル基が挙げられる。各Rは独立して選択される。
化合物(1)及び(3)におけるRとしては、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メチルオキシ基、エチルオキシ基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
化合物(1)におけるRは、水素原子又はホルミル基である。
化合物(1)及び(2)におけるnは、0〜4である。
化合物(1)の具体例として、3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル、3−((4−トリフルオロメチルピリジル)−2−アミノ)プロピオニトリル、3−((5−ブロモピリジル)−2−アミノ)プロピオニトリル、3−((6−メチルピリジル)−2−アミノ)プロピオニトリル、2−メチル−3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル、3−((3−メチルピリジル)−2−アミノ)プロピオニトリル等が挙げられる。本発明は、これら化合物の合成のみに限定されるものではなく、上で定義するR、R、R、n、及び置換位置に関して全ての組合せを含む。
以下に本発明の反応スキームを示す。化合物(2)と化合物(3)を作用させることで化合物(1)が得られる。所定の条件下で、Rが水素原子である化合物(1)(化合物(1’)と記すこともある)が得られる。所定の条件下で、Rがホルミル基である化合物(1)、すなわち化合物(4)が選択的に得られる。化合物(4)から化合物(1’)を合成することも可能である。化合物(4)は実施例1−1のガスクロマトグラフィー分析によって生成が確認されており反応初期段階では主生成物となっている。実施例1−2、ステップ1では化合物(4)を選択的に得る方法を示している。シアノ基は酸、塩基性条件下で加水分解することが一般的に知られているが、本発明では適切な条件を用いていることにより脱保護(脱ホルミル化)反応のみが速やかに進行する。
<スキーム>
Figure 0006928615
化合物(4)を得るための所定の条件とは、例えば、ガスクロマトフィー等でモニタリングしながら化合物(2)及び(3)を反応させ、適切なタイミングで反応を終了する方法が挙げられる。また、塩基や溶媒を適切に選択することによっても可能である。例えば、炭酸カリウム等の無機塩基、及び、溶媒としてアセトン又はアセトニトリルを用いることにより化合物(4)を得ることが可能である。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩基、及び、溶媒として2−プロパノール、アセトン、メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、塩化メチレン、又はアセトニトリルを用いることにより化合物(4)を得ることが可能である。具体的な合成例は実施例1−1、実施例1−2のステップ1、実施例1−3の前段に記載している。酸を用いた脱保護反応については、塩基を用いて中和し抽出を行って目的物を得る、或いは溶媒を留去して塩として取り出すことが可能である。
化合物(4)としては、各Rが独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4ハロアルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基、C1〜C4ハロアルキルスルホニル基、C1〜C4アルキルスルホン基、C1〜C4ハロアルキルスルホン基、又はペンタフルオロスルファニル基であり、Rが、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4アルコキシ基である化合物が挙げられる。好ましくは、各Rが独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4ハロアルコキシ基であり、Rが、水素原子又はC1〜C4アルキル基である化合物が挙げられる。さらに好ましくは、全Rが水素原子でありRが水素原子である、化合物(4’)が挙げられる。
Figure 0006928615
化合物(4)は、化合物(1’)の合成中間体として有用な化合物であるが、加えてダニの殺虫活性を有しており、農業用薬剤としても有用な化合物である。化合物(1’)においてもトビイロウンカに対して殺虫活性を有しており、農業用薬剤としても有用な化合物である。具体的な試験例は生物試験例に記載している。
ホルムアミドは、酸、塩基を用いることで脱保護が可能である(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis Fifth Edition,Peter G. M. Wuts,John Wiley & Sons Inc,2014)本反応では室温から還流条件下で脱保護を行うことが可能である。酸として、好ましくは塩酸、臭化水素酸等が挙げられ、塩基として、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。反応温度としては0℃〜80℃であり、より好ましくは20〜60℃である。酸を用いた場合には中和、もしくは塩として目的物を取り出すことができる。塩基を用いた場合には中和を行い、目的物を抽出等で取り出すことができる。反応時間は5分〜12時間であり、より好ましくは1時間〜6時間である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限られるものではない。
<実施例1−1>
3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリルの合成
N−2−ピリジルホルムアミドを244mg(2.0mmol)、炭酸カリウムを304mg(2.2mmol)、2−プロパノール20mLを容器に入れ、そこにアクリロニトリル0.39mL(6.0mmol)を室温で滴下した。その後75℃まで昇温し、1時間撹拌した。1時間経過した時のガスクロマトグラフィーの面積比(3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル:N−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミド)は24:76であった。2時間経過した時点では面積比(3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル:N−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミド)は53:47であった。さらに3時間75℃で撹拌した。その後室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄して溶媒を減圧留去した。目的物を401mg(純度70.3%、純収率95.8%)得た。
1H NMR (CDCl3) δ = 8.09 (1H, dd, J = 4.8, 0.9Hz), 7.35~7.47 (1H, m), 6.62 (1H, ddd, J = 6.3, 5.1, 0.9Hz), 6.44 (1H, d, J = 8.4Hz), 4.73 (1H, broad), 3.70 (2H, q, J = 6.3Hz), 2.74 (2H, t, J = 6.3Hz)
<実施例1−2>
3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリルの合成
N−2−ピリジルホルムアミドを244mg(2.0mmol)、炭酸カリウムを82.8mg(0.6mmol)、2−プロパノール20mLを容器に入れ、そこにアクリロニトリル0.39mL(6.0mmol)を室温で滴下し5時間加熱還流した。その後室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄して溶媒を減圧留去した。目的物を465mg(純度62.3%、純収率98%)得た。
3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリルの合成(別法1)
<実施例2、ステップ1>
N−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミドの合成
N−2−ピリジルホルムアミドを244mg(2.0mmol)、炭酸カリウムを304mg(2.2mmol)、アセトン20mLを容器に入れ、そこにアクリロニトリル0.39mL(6.0mmol)を室温で滴下した。その後加熱還流し、2時間撹拌した。室温まで冷却し、反応溶液を濾過して溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。目的物を329mg(収率94%、白色固体)得た。
本反応では、アセトン20mLの代わりにアセトニトリル20mLを用いた場合でも目的物を348mg(収率99%)得られた。
1H NMR (CDCl3) δ = 9.01 (1H, s), 8.44~8.46 (1H, m), 7.73~7.79 (1H, m), 7.14~7.21 (2H, m), 4.31 (2H, t, J = 7.0Hz), 2.82 (2H, t, J = 7.0Hz)
GCMS; 174.91 (Exact Mass: 175.07), mp; 43~46℃
<実施例2、ステップ2>
N−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミドを350mg(2.0mmol)、炭酸カリウムを304mg(2.2mmol)、2−プロパノール20mLを容器に入れ75℃まで昇温した。5時間後室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄して溶媒を減圧留去した。目的物を289mg(収率98%)得た。
本反応では、2−プロパノール20mLを用いる代わりにメタノール20mLを用いて1時間加熱還流した場合でも目的物を260mg(収率88%)得られた。
3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリルの合成(別法2)
<実施例3>
N−2−ピリジルホルムアミドを244mg(2.0mmol)、炭酸カリウムを27.6mg(0.2mmol)、アセトン2.0mLを容器に入れ、そこにアクリロニトリル0.195mL(3.0mmol)を室温で滴下した。その後加熱還流し、2時間撹拌した。室温まで冷却し、溶媒、アクリロニトリルを減圧留去した。粗生成物としてN−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミドを得た。
そこに水酸化ナトリウムを88mg(2.2mmol)、水道水10mLを入れ40℃まで昇温し、1時間撹拌した。その後室温まで冷却し、トルエンで抽出し、ブラインで洗浄して溶媒を減圧留去した。目的物を265mg(収率90%)得た。
3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリルの合成(別法3)
<実施例4>
N−2−ピリジルホルムアミドを244mg(2.0mmol)、アセトン2.0mL、アクリロニトリル0.195mL(3.0mmol)を容器に入れ、そこにテトラブチルアンモニウムヒドロキシド10%水溶液0.7mLを室温で滴下した。その後60℃まで昇温し3時間撹拌した。その後室温まで冷却し溶媒、アクリロニトリルを減圧留去した。粗生成物としてN−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミドを得た。
そこに水酸化ナトリウムを88mg(2.2mmol)、水道水10mLを入れ40℃まで昇温し、1時間撹拌した。その後室温まで冷却し、トルエンで抽出し、水、ブラインで洗浄して溶媒を減圧留去した。目的物を238mg(収率81%)得た。
3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリルの合成(別法4)
<実施例5>
N−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミドを156mg(0.89mmol)、テトラヒドロフラン10mLを容器に入れ、6N−HClを2.0mL加え、室温にて5時間撹拌した。原料の消失をTLCで確認後、炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてクエンチした。酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄して溶媒を減圧留去した。目的物を130mg(収率99%)得た。
<実施例6>
3−((4−トリフルオロメチルピリジル)−2−アミノ)プロピオニトリルの合成
N−2−ピリジルホルムアミドをN−((4−トリフルオロメチル)2−ピリジル)ホルムアミド(2.0mmol)に替えた以外は、実施例1−1の方法と同様に反応を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物を333mg(収率74%、白色固体)得た。
1H NMR (CDCl3) δ =(1H, d, J = 5.1Hz), 6.81 (1H, d, J = 5.1Hz), 6.64 (1H, s), 5.00 (1H, broad), 3.75 (2H, q, J = 6.3Hz), 2.76 (2H, t, J = 6.2Hz)
mp; 59~62℃
<実施例7>
3−((5−ブロモピリジル)−2−アミノ)プロピオニトリルの合成
N−2−ピリジルホルムアミドをN−(5−ブロモ−2−ピリジル)ホルムアミド(2.0mmol)に替えた以外は、実施例1−1の方法と同様に反応を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物を304mg(収率71%、白色固体)得た。
1H NMR (CDCl3) δ =(1H, d, J = 2.4Hz), 7.48 (1H, dd, J = 8.7, 2.7Hz), 6.37 (1H, d, J = 9.0Hz), 4.79 (1H, broad), 3.68 (2H, q, J = 6.3Hz), 2.73 (2H, t, J = 6.3Hz)
mp; 72~74℃
<実施例8>
3−((6−メチルピリジル)−2−アミノ)プロピオニトリルの合成
N−2−ピリジルホルムアミドをN−(6−メチル−2−ピリジル)ホルムアミド(2.0mmol)に替えた以外は、実施例1−1の方法と同様に反応を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物を238mg(収率74%、透明な液体)得た。
1H NMR (CDCl3) NMR δ =(1H, t, J = 7.8Hz), 6.49 (1H, d, J = 7.2Hz), 6.23 (1H, d, J = 8.1Hz), 4.67 (1H, broad), 3.68 (2H, q, J = 6.4Hz), 2.74 (2H, t, J = 6.4Hz), 2.37 (3H, s)
<実施例9>
2−メチル−3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリルの合成
アクリロニトリルをメタクリロニトリル(6.0mmol)に替えた以外は、実施例1−1の方法と同様に反応を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物を28.9mg(収率9%、透明な液体)得た。
1H NMR (CDCl3) δ = 8.08 (1H, dd, J = 5.1, 1.2Hz), 7.37~7.43 (1H, m), 6.58~6.63 (1H, m), 6.44 (1H, d, J = 8.4Hz), 4.87 (1H, broad), 3.65~3.75 (1H, m), 3.38~3.48 (1H, m), 3.10~3.22 (1H, m), 1.35 (3H, d, J = 7.2Hz)
<実施例10>
3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル塩酸塩の合成
N−2−ピリジルホルムアミドを244mg(2.0mmol)、炭酸カリウムを304mg(2.2mmol)、2−プロパノール20mLを容器に入れ、そこにアクリロニトリル0.39mL(6.0mmol)を室温で滴下した。その後80℃まで昇温し、5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄して溶媒を減圧留去して、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミドと最終物の混合物である粗生成物を得た。
得られた粗生成物をジエチルエーテル10mLに溶解させ、塩化水素5.0mL(ジエチルエーテル溶液、1mol/L)を加え、室温にて1時間撹拌した。沈殿した白色固体を濾別し、濾取した固体を60℃で温風乾燥した。目的物を340mg(収率92%)得た。
1H NMR (d6 DMSO) δ = 14.37 (1H, broad), 9.22 (1H, broad), 7.91~7.96 (2H, m), 7.17 (1H, d, J = 9.0Hz), 6.92 (1H, t, J = 6.6Hz), 3.76 (2H, q, J = 6.0Hz), 2.89 (2H, t, J = 6.6Hz)
mp; 125~128℃
<参照例1>
2−ヒドロキシ−4−オキソ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1−(2−シアノ基エチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩の合成
トルエン(10mL)中に3−ピリジル−2−アミノプロピオニトリル(未精製、147mg、実施例1−1で合成)、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)2−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロパンジオエート(607mg、1.0mmol)を添加した。反応混合物を110℃で2時間加熱したところ、黄色の固体が溶液から析出した。反応混合物を室温まで冷却後、濾別し、濾取した結晶を60℃で温風乾燥した。目的物を227mg(収率63%、黄色固体、純度90%、HPLC area%)得た。
1H NMR (d6 DMSO) δ = 9.60 (1H, ddd, J = 6.9, 1.8, 0.6Hz), 8.28~8.19 (1H, m), 8.15~8.10 (1H, m), 8.05~7.97 (1H, m), 7.75 (1H, d, J = 8.7Hz), 7.56~7.49 (2H, m), 7.47 (1H, td, J = 7.2, 0.9Hz), 4.66 (2H, t, J = 6.3Hz), 3.02 (2H, t, J = 6.6Hz)
<参照例2>
2−ヒドロキシ−4−オキソ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1−(2−シアノ基エチル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジニウム分子内塩の合成
トルエン(10mL)中に3−ピリジル−2−アミノプロピオニトリル(未精製、147mg、実施例3で合成)、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)2−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロパンジオエート(607mg、1.0mmol)を添加した。反応混合物を110℃で2時間加熱したところ、黄色の固体が溶液から析出した。反応混合物を室温まで冷却後、濾別し、濾取した結晶を60℃で温風乾燥した。目的物を267mg(収率74%、黄色固体、純度98.5%、HPLC area%)得た。
生物試験例
生物試験例1:ナミハダニ(Tetranychus urticae)防除試験(葉片浸漬処理)
インゲン葉を直径3.5cmに切り、水で湿らせた脱脂綿の上に置いた。ここにナミハダニ雌成虫5頭を放虫し、24時間産卵させた後、成虫を除去した。800ppmになるように希釈した供試化合物の希釈液20mLにこのインゲン葉片を約30秒間浸漬した。風乾後、インゲン葉片を脱脂綿とともにプラスチックカップに入れ、蓋をして25 ℃の定温室にて飼育した。処理7日後に生死を観察し、殺卵率を算出した。
供試化合物としてN−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミド(すなわち化合物(4’))を用いたところ、100%の防除効果を示した。
生物試験例2:トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)防除試験(茎葉浸漬処理)
800ppmになるように希釈した供試化合物の薬液20mLに10本のイネ幼苗を浸漬し、風乾した。風乾後、ガラス円筒(内径4.5cm×14cm)内にウレタンを用いて保持し、水40mLを入れたプラスチックカップに立てた。これにトビイロウンカ3令幼虫を放飼し、薬包紙にて蓋をし、25℃の定温室にて飼育した。処理5日後に生死を観察し、死虫率を算出した。
供試化合物として3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル(すなわち化合物(1’))を用いたところ、50%の防除効果を示した。
3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル及びその類縁体は、医薬品、農薬品等の合成中間体として用いられており、本発明の製造方法により、3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル及びその類縁体を効率的、高収率に合成することができる。また、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミド及びその類縁体は本発明の反応中間体として重要であり、この化合物を経由することにより、3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル及びその類縁体を効率的、高収率に合成することができる。そして、3−(ピリジル−2−アミノ)プロピオニトリル及びその類縁体並びにN−(2−シアノエチル)−N−(2−ピリジル)ホルムアミド及びその類縁体は殺虫、殺卵活性を有しており、農用薬剤としても有用である。

Claims (18)

  1. 式(1)
    Figure 0006928615

    (式中、各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4ハロアルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基、C1〜C4ハロアルキルスルホニル基、C1〜C4アルキルスルホン基、C1〜C4ハロアルキルスルホン基、又はペンタフルオロスルファニル基であり、
    は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4アルコキシ基であり、
    は、水素原子又はホルミル基であり、
    nは0〜4である)で表される化合物の製造方法であって、
    式(2)
    Figure 0006928615

    (式中、各Rは、式(1)で定義した通りである)で表される化合物と
    式(3)
    Figure 0006928615

    (式中、Rは、式(1)で定義した通りである)で表される化合物とを塩基存在下において混合して反応させる工程を含む方法。
  2. 各Rが独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4ハロアルコキシ基であり、
    が、水素原子基又はC1〜C4アルキル基である、請求項1に記載の方法。
  3. 塩基が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、カリウムtert−ペントキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラアミルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘプチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア、n−ブチルリチウム、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、N、N−ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンから選ばれる1種以上であり、
    溶媒が有機溶媒、水、又はそれらの組合せである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上である、請求項3に記載の方法。
  5. 塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上である、請求項3に記載の方法。
  6. 式(2)の化合物1モルに対して塩基が0.001〜3.0モルの範囲である、請求項5に記載の方法。
  7. 溶媒が2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水、化合物(3)から選ばれる1種以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 溶媒が2−プロパノール、アセトン、メタノール、エタノール、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、水から選ばれる1種以上である、請求項7に記載の方法。
  9. 反応温度が10℃〜110℃である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. nが1である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 全Rが水素原子であり、
    が水素原子であり、
    塩基が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる1種以上であり、
    溶媒が2−プロパノール、アセトン、メタノール、エタノール、水から選ばれる1種以上であり、
    式(2)の化合物1モルに対して、塩基が0.05〜2.0モルの範囲であり、
    反応温度が10℃〜90℃である、
    請求項1に記載の方法。
  12. がホルミル基である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. が水素原子である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 式(4)
    Figure 0006928615

    (式中、
    各Rは、式(1)で定義した通りであり、
    は、式(1)で定義した通りであり、
    nは、式(1)で定義した通りである)で表される化合物を塩基、もしくは塩化水素、塩化水素酸、臭化水素、臭化水素酸から選ばれる酸と混合する工程を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 式(4)
    Figure 0006928615

    (式中、
    各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4ハロアルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基、C1〜C4ハロアルキルスルホニル基、C1〜C4アルキルスルホン基、C1〜C4ハロアルキルスルホン基、又はペンタフルオロスルファニル基であり、
    は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4アルコキシ基であり、
    nは0〜4である)で表される化合物。
  16. 各Rが独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、又はC1〜C4ハロアルコキシ基であり、
    が、水素原子又はC1〜C4アルキル基である、請求項15に記載の化合物。
  17. nが1である、請求項15又は16に記載の化合物。
  18. 全Rが水素原子であり、Rが水素原子である、請求項15に記載の化合物。
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