[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るエンコーダ装置ECを示す図である。このエンコーダ装置ECは、移動部の位置情報(移動位置情報)を検出する。エンコーダ装置ECは、例えばロータリーエンコーダである。移動部は、例えばモータM(動力供給部)の回転軸SFであり、移動部の移動は、例えば所定の軸まわりの回転である。また、移動部の位置情報は、例えば、回転軸SFの回転位置情報である。
回転軸SFは、例えばモータMのシャフト(回転子)であるが、モータMのシャフトに変速機などの動力伝達部を介して接続されるとともに負荷に接続される作用軸(出力軸)であってもよい。エンコーダ装置ECが検出した回転位置情報は、モータ制御部MCに供給される。モータ制御部MCは、エンコーダ装置ECから供給された回転位置情報を使って、モータMの回転を制御する。モータ制御部MCは、回転軸SFの回転を制御する。なお、エンコーダ装置ECは、例えばリニアエンコーダでもよく、リニアモータ、平面モータなどの動力駆動部の移動部(移動軸)の位置情報(移動位置情報)を検出してもよい。
エンコーダ装置ECは、位置検出部1と、電力供給部2と、残量情報生成部3とを備える。位置検出部1は、回転軸SFの回転位置情報(例、多回転情報を含む情報)を検出する。位置検出部1は、例えば、検出部4(測定部、センサ部)および処理基板部5を備える。検出部4は、回転軸SFの回転位置情報を検出(例、測定)する。例えば、検出部4は、センサによって回転軸SFの回転を検出する。処理基板部5は、検出部4の検出結果を処理する。例えば、処理基板部5は、検出部4の検出結果を用いて、回転軸SFの回転位置情報を算出する。電力供給部2(例、後述のバッテリー8)は、例えば位置検出部1の動作の有無(例、動作の開始又は終了)を設定する所定のイネーブル信号(例、後述の検出信号に基づくトリガー信号)によって位置検出部1へ電力を供給する。例えば、残量情報生成部3は、イネーブル信号に応じてバッテリー8から供給される電力を用いて位置検出部1(例、検出部、処理部)が動作する回数(動作状態)に基づいて、バッテリー8の残量情報を生成する。
以下、エンコーダ装置ECの各部について説明する。位置検出部1は、回転軸SFの回転位置情報を検出する。本実施形態におけるエンコーダ装置ECは、多回転アブソリュートエンコーダであり、回転軸SFの回転の数を示す多回転情報、および1回転未満の角度位置(回転角)を示す角度位置情報を含む回転位置情報を検出する。位置検出部1は、回転軸SFの多回転情報を検出する多回転情報検出部1A、及び回転軸SFの角度位置を検出する角度検出部1Bを備える。
位置検出部1の少なくとも一部(例、角度検出部1B)は、例えば、第1電源9から供給される通常状態において、第1電源9から供給される電力によって回転軸SFの回転位置情報を検出する。第1電源9は、例えば、エンコーダ装置ECが搭載される装置(例、駆動装置、ステージ装置、ロボット装置)の主電源であり、通常状態において回転軸SFの駆動に消費される電力を供給する。例えば、モータ制御部MCは、エンコーダ装置ECの検出結果に基づいて、第1電源9からの電力を調整してモータMに供給することで、回転軸SFの回転を制御する。
位置検出部1は、第1電源9の電力が投入されている状態(第1電源9がオンになっている状態、通常状態)で、第1電源9から電力供給を受けて動作する。また、第1電源9の電力が位置検出部1に投入されている状態において、角度検出部1B(又はその回路)は動作できる。例えば、第1電源9の電力が位置検出部1に投入された通常状態になった場合に、角度検出部1Bは角度位置情報の検出(例、演算)を開始し、同様に多回転情報検出部1Aも多回転情報の検出(例、センサによる検出、検出結果の処理、演算)を開始する。
また、位置検出部1の少なくとも一部(例、多回転情報検出部1A)は、例えば、第1電源9からの電力供給が遮断された状態(例、第1電源9の電力が投入されていない状態、第1電源9がオフになっている状態、バックアップ状態)において、第1電源9とは異なる第2電源(例、バッテリー8)から供給される電力によって動作する。例えば、位置検出部1に対して第1電源9からの電力供給が断たれた状態において、電力供給部2は、位置検出部1の少なくとも一部(例、多回転情報検出部1A)に対して検出信号をもとに断続的に電力を供給し、位置検出部1は、電力供給部2から電力が供給された際に回転軸SFの回転位置情報の少なくとも一部(例、多回転情報)を検出する。
また、第1電源9の電力が投入されていない状態において、多回転情報検出部1A(又はその回路)は動作できる。例えば、第1電源9の電力が投入されていなく第2電源(例、バッテリー8)から電力が供給されたバックアップ状態になった場合に、多回転情報検出部1Aは多回転情報の検出(算出)を継続するが、角度検出部1Bは角度位置情報の検出(算出)を停止する。このように、多回転情報検出部1Aは、検出信号に基づき、電源(第1電源9、バッテリー8等の第2電源など)のオンオフ状態(通常状態およびバックアップ状態)に関係なく、多回転情報の検出を行う。
多回転情報検出部1Aは、例えば、磁気式の検出部であり、磁気によって多回転情報を検出する。多回転情報検出部1Aは、例えば、磁石11、磁気センサ12、処理部13、及び記憶部14を備える。位置検出部1は、例えば、検出部4が磁気センサ12を含み、処理基板部5が処理部13を含むように構成される。処理基板部5は、記憶部14を含んでもよいし、記憶部14を含まなくてもよい。例えば、記憶部14は、処理基板部5以外の部分に設けられてもよい。
磁石11は、例えば、回転軸SFに固定されたスケールSに設けられる。スケール(この場合、円板)Sは回転軸SFとともに回転するため、磁石11は回転軸SFと連動して回転(移動)する。磁気センサ12は回転軸SFの外部に固定され、磁石11および磁気センサ12は、回転軸SFの回転によって互いの相対位置が変化する。磁石11が形成する磁気センサ12上の磁界の強さおよび向きは、回転軸SFの回転によって変化する。
磁気センサ12は、磁石11が形成する磁界を検出し、処理部13は、磁石が形成する磁界を磁気センサ12が検出した結果に基づいて、回転軸SFの位置情報(例、多回転情報)を検出(算出)する。処理部13は、例えば、多回転情報を処理する多回転処理部である。記憶部14は、処理部13からの位置情報(例、多回転情報)の記憶指示(データの書き込み指令)に基づいて、処理部13が検出して処理した位置情報を記憶する。なお、磁石11は磁気センサ12又は信号発生部6に対して相対的な移動が可能であればよく、例えば、磁気センサ12がスケールSに設けられ、磁石11がスケールSの外部に設けられてもよい。
角度検出部1Bは、光学式または磁気式のエンコーダであり、スケールSの一回転内の位置情報(角度位置情報、絶対又は相対位置情報)を検出する。例えば、角度検出部1Bは、光学式のエンコーダである場合、スケール(この場合、円板)Sのパターンニング情報を受光素子で読み取ることにより、回転軸SFの1回転以内の角度位置情報を検出する。スケールSのパターンニング情報は、例えばスケールS上のスリット(透過パターン)又は反射パターン等による明暗のパターンである。角度検出部1Bは、多回転情報検出部1Aの検出対象と同じ回転軸SFの角度位置情報を検出する。
角度検出部1Bは、スケールS、発光素子21、受光センサ22、及び処理部23を備える。位置検出部1において、例えば、検出部4は受光センサ22を含み、処理基板部5は処理部23を含む。処理部23は、例えば、スケールSの一回転内の位置情報を処理する角度位置処理部である。
スケールSは、回転軸SFに固定されて設けられている。スケールSは、インクリメンタルパターンINC及びアブソリュートパターンABSを含む。なお、インクリメンタルパターンINC及びアブソリュートパターンABSの一方または双方は、スケールSにおいて磁石11と同じ側の面又は反対側の面に設けられていてもよい。また、インクリメンタルパターンINC及びアブソリュートパターンABSの一方または双方は、磁石11の位置に対して内側と外側との少なくとも一方に設けられていてもよい。また、磁石11は、スケールSと別の部材に設けられてもよい。例えば、スケールSは、移動体(例、回転軸SF)に固定された第1の移動体(例、第1の回転体)であって、磁石11は、移動体(例、回転軸SF)に固定された第2の移動体(例、第2の回転体)に設けられてもよい。上記の第1の移動体は、第2の移動体と一体化(ユニット化)されてもよい。
発光素子21(照射部、発光部)は、スケールSのインクリメンタルパターンINC及びアブソリュートパターンABSに光を照射する。受光センサ22(光検出部)は、発光素子21から照射されインクリメンタルパターンINCを経由した光、及び発光素子21から照射されアブソリュートパターンABSを経由した光を検出する。図1において、角度検出部1Bは反射型であり、受光センサ22は、スケールSで反射した光を検出する。角度検出部1Bは透過型であってもよく、この場合、受光センサ22は、スケールSを透過した光を検出する。
受光センサ22は、検出結果を示す信号を処理部23へ供給する。処理部23は、受光センサ22の検出結果を使って、回転軸SFの角度位置を検出する。例えば、処理部23は、アブソリュートパターンABSからの光を検出した結果を使って第1分解能の角度位置情報を検出する。また、処理部23は、インクリメンタルパターンINCからの光を検出した結果を使って、第1分解能の角度位置情報に内挿演算を行うことにより、第1分解能よりも高い第2分解能の角度位置情報を検出する。
本実施形態において、エンコーダ装置ECは、信号処理部25を備える。信号処理部25は、処理部13から出力される信号、及び処理部23から出力される信号を処理する。信号処理部25は、合成部26および通信部27を備える。信号処理部25は、例えば、その少なくとも一部が処理基板部5に設けられる。信号処理部25の少なくとも一部は、処理基板部5と別の部分に設けられてもよい。
合成部26は、処理部23が検出した第2分解能の角度位置情報を取得する。また、合成部26は、多回転情報検出部1Aの記憶部14から回転軸SFの多回転情報を取得する。合成部26は、処理部23からの角度位置情報、及び多回転情報検出部1Aからの多回転情報を合成し、回転軸SFの回転位置情報を算出する。例えば、処理部23の検出結果がθ[rad]であり、多回転情報検出部1Aの検出結果がn回転である場合に、合成部26は、回転位置情報として(2π×n+θ)[rad]を算出する。回転位置情報は、多回転情報と、1回転未満の角度位置情報とを組にした情報でもよい。
そして、合成部26は、算出した回転位置情報を通信部27に送信する。通信部27(外部通信部、外部接続インターフェース)は、有線または無線によって、モータ制御部MCの通信部MC1と通信可能に接続されている。通信部27は、デジタル形式の回転位置情報を、モータ制御部MCの通信部MC1に供給する。モータ制御部MCは、角度検出部1Bの通信部27からの回転位置情報を適宜復号する。モータ制御部MCは、回転位置情報を使ってモータMへ供給される電力(駆動電力)を制御することにより、モータMの回転を制御する。
電力供給部2は、少なくとも第1電源9からの電力供給が遮断された状態(例、第1電源9が投入されていない状態、第1電源9がオフになっている状態、バックアップ状態)において、位置検出部1の少なくとも一部(例、検出部4、処理部13など)へ電力を供給する。電力供給部2は、信号発生部6、切替部7、及びバッテリー8(電池)を備える。
信号発生部6は、移動部(例、回転軸SF)の移動(例、回転)によって電気信号(検出信号)が発生する。この電気信号は、例えば、電力(電流、電圧)が時間変化する波形を含む。信号発生部6は、例えば、回転軸SFの回転に伴って変化する磁界によって、電気信号として検出信号が発生する。例えば、信号発生部6には、多回転情報検出部1Aが回転軸SFの多回転情報の検出に用いる磁石11が形成する磁界の変化によって、検出信号が発生する。信号発生部6は、回転軸SFの回転によって、磁石11との相対的な角度位置が変化するように、配置される。信号発生部6には、例えば、信号発生部6と磁石11との相対位置が所定の位置になった際に、パルス状の電気信号が発生する。なお、信号発生部6は、磁界の変化以外によって検出信号(例、パルス状の電気信号)が発生するものでもよい。
バッテリー8は、バックアップ状態において、信号発生部6で発生する検出信号に応じて、位置検出部1で消費される電力の少なくとも一部を供給する。バッテリー8は、例えばボタン型電池、乾電池などの一次電池であるが、リチウムイオン二次電池などの二次電池でもよい。本実施形態のバッテリー8は、例えばボタン型電池である。
切替部7は、信号発生部6で発生した検出信号を制御信号に用いてバッテリー8から位置検出部1への電力供給の有無を切り替える。例えば、切替部7は、信号発生部6で発生する電気信号のレベルが閾値以上になることでバッテリー8から位置検出部1への電力供給を開始させる。例えば、切替部7は、信号発生部6で閾値以上の検出信号が発生することでバッテリー8から位置検出部1への電力供給を開始させる。
また、切替部7は、信号発生部6で発生する電気信号のレベルが閾値未満になることでバッテリー8から位置検出部1への電力供給を停止させる。例えば、切替部7は、信号発生部6で発生する検出信号が閾値未満になることでバッテリー8から位置検出部1への電力供給を停止させる。例えば、第1電源9からの電力供給が遮断された状態(バックアップ状態)において、信号発生部6にパルス状の電気信号が発生する場合、切替部7は、この電気信号のレベル(電位)がローレベルからハイレベルに立ち上がった際に、バッテリー8から位置検出部1への電力供給を開始させ、この電気信号のレベル(電位)がローレベルへ変化してから所定の時間経過後に、バッテリー8から位置検出部1への電力供給を停止させる。
なお、電力供給部2は、検出信号の電圧をレギュレータなどで調整した電力を位置検出部1に供給してもよい。例えば、電力供給部2は、検出信号の電圧をレギュレータなどで調整した電力と、バッテリー8からの電力とを併用してあるいは切り替えて、位置検出部1に供給してもよい。
残量情報生成部3は、バッテリー8から供給される電力を用いて位置検出部1の少なくとも一部(例、検出部4、処理基板部5)が動作する動作状態(動作する回数)に基づいて、バッテリー8の残量情報を生成する。バッテリー8の残量情報は、例えば、放電終止電圧に達する時間、バッテリー8の寿命、位置検出部1への電力供給に使用可能な時間、及び位置検出部1への電力供給に使用可能な回数の少なくとも一つを含む。また、バッテリー8の残量情報は、例えば、バッテリー8の使用量(例、消耗)に関する情報(例、使用量情報、消耗情報)を含んでもよい。バッテリー8の使用量に関する情報は、例えば、バッテリー8の残量の減少量、バッテリー8から位置検出部1へ供給された電力(供給電力)の積算量、バッテリー8から位置検出部1へ電力が供給された回数の積算数、位置検出部1の少なくとも一つを含んでもよい。バッテリー8の残量情報は、ミリアンペアアワー(mAh)などで表されてもよいし、総容量に対する比率(例、パーセント)あるいはレベル(例、階調値)で表されてもよく、使用済回数あるいは使用可能回数などの指標値で表されてもよい。
残量情報生成部3は、例えば、イネーブル信号(制御信号)に応じてバッテリー8から供給される電力を用いて処理基板部5の少なくとも一部(例、処理部13)が回転位置情報(例、多回転情報)を算出する回数(動作回数)に基づいて、バッテリー8の残量情報を生成する。また、残量情報生成部3は、バッテリーから供給される電力を用いて検出部4の少なくとも一部(例、磁気センサ12)が回転軸SFの回転を検出する回数(動作回数)に基づいて、残量情報を生成してもよい。また、残量情報生成部3は、バッテリー8から供給される電力を用いて記憶部14が回転位置情報(例、多回転情報)を記憶する回数(動作回数)に基づいて、バッテリー8の残量情報を生成してもよい。
また、位置検出部1の少なくとも一部の動作回数は、例えば、信号発生部6の検出信号の発生回数に相当する。残量情報生成部3は、例えば、検出信号の発生(発生回数、動作回数)に基づいて残量情報を生成してもよい。残量情報生成部3は、検出信号などの定期的な信号の発生タイミングに基づいて残量情報を生成してもよい。また、位置検出部1の少なくとも一部の動作回数は、バッテリー8から位置検出部1へ電力が供給された回数に相当する。残量情報生成部3は、例えば、バッテリー8から位置検出部1へ電力が供給された回数に基づいて残量情報を生成してもよい。
残量情報生成部3は、例えば、残量情報としてバッテリー8の残量を示す指標値を生成する。この指標値は、例えば、上記の検出信号の発生回数(積算数)、バッテリー8が位置検出部1へ電力を供給した回数(積算数)、又は位置検出部1の動作回数(積算数)を含む。ここで、例えば、位置検出部1の1回の動作(例、回転位置情報の算出)に必要とされる電力(1回の検出動作の消費電力)は、予め求めておくことができる。例えば、バッテリー8の容量と一回の検出動作の消費電力とを用いると、バッテリー8の電力によって位置検出部1が動作可能な回数(動作可能回数)の概算値を求めることができる。例えば、動作可能回数がN1であり、位置検出部1の動作回数がN2である場合、バッテリー8の容量に対する残量の比率の概算値は、(N1−N2)/N1と算出されてもよい。そして、例えば、上記のN1は、バッテリー8の容量などに応じて予め求まるので、上記のN2は、バッテリー8の残量を示す指標値として利用可能である。
また、残量情報生成部3は、上記の指標値と閾値とを比較してもよい。例えば、残量情報生成部3は、イネーブル信号をもとにバッテリー8から位置検出部1へ電力が供給された回数の積算値(電力供給の総回数、積算回数)、あるいは位置検出部1が動作した回数の積算値(動作総回数、積算回数)を指標値として生成し、この積算値と閾値とを比較してもよい。例えば残量情報生成部3は、上記の積算値が閾値以上である場合、バッテリーの残量が所定値以下であることを示す残量情報を生成してもよい。また、残量情報生成部3は、このようなバッテリー8の残量情報を報知情報として出力してもよい。なお、このよう残量情報生成部3は、エンコーダ装置ECの外部装置(例、上位制御装置、駆動装置、ステージ装置、ロボット装置)に設けられてもよい。例えば、エンコーダ装置ECは、上記の指標値(電力供給の総回数あるいは動作総回数)を外部装置へ出力し、外部装置に設けられた残量情報生成部3は、エンコーダ装置ECから取得した指標値に基づいて上記の報知情報を生成してもよい。
そして、バッテリー8の残量情報を生成した後、残量情報生成部3は、例えば、生成した残量情報を位置検出部1(例、処理基板部5)に出力する。エンコーダ装置ECは、例えば、記憶部14あるいは他の記憶部(図示せず)に残量情報を記憶する。残量情報生成部3は、例えば、外部装置(例、上位制御装置、駆動装置、ステージ装置、ロボット装置)からの指令に応じて、生成した残量情報を通信部27を介して外部装置へ出力する。例えば、モータ制御部MC(例、通信部MC1)は、エンコーダ装置EC(例、通信部27)に対して、バッテリー8の残量情報を要求する指令を送信する。そして、エンコーダ装置ECは、残量情報生成部3から取得した残量情報をモータ制御部MCへ出力する。モータ制御部MCは、例えば、音あるいは光などによって、バッテリー8の残量情報をユーザ(例、オペレータ等)に報知してもよい。
図2は、本実施形態に係る磁石11、磁気センサ12、及び信号発生部6を示す図である。図2(A)には磁石11、磁気センサ12、及び信号発生部6の斜視図を示し、図2(B)には回転軸SFの方向から見た磁石11、磁気センサ12、及び信号発生部6の平面図を示した。また、図2(C)には、第1磁気センサ12aの回路構成を示した。
磁石11は、回転によって回転軸SFに対する放射方向(径方向)における磁界の向きおよび強さが変化するように構成される。磁石11は、例えば回転軸SFと同軸の円環状の部材である。磁石11の主面(表面および裏面)は、それぞれ、回転軸SFとほぼ垂直である。図2(B)に示すように、磁石11は、4極に着磁した永久磁石である。磁石11は、その内周側と外周側のそれぞれにおいて周方向にN極とS極が並んでおり、内周側と外周側とで位相が180°ずれている。磁石11において、内周側におけるN極とS極との境界は、外周側におけるN極とS極との境界と、周方向の位置(角度位置)がほぼ一致している。
以下の説明において、回転軸SFの先端側(図1のモータMと反対側)から見た場合の、反時計回りの回転を順回転、時計回りの回転を逆回転という。また、順回転の角度を正の値で表し、逆回転の角度を負の値で表す。なお、回転軸SFの基端側(図1のモータM側)から見た場合の、反時計回りの回転を順回転、時計回りの回転を逆回転と定義してもよい。
ここで、磁石11に固定した座標系において、周方向におけるN極とS極との1つの境界の角度位置を位置11aで表し、位置11aから90°回転した角度位置を位置11bで表す。また、位置11bから90°回転した角度位置を位置11cで表し、位置11cから90°回転した位置を位置11dで表す。位置11cは、周方向におけるN極とS極とのもう一つの境界の角度位置である。
位置11aから反時計回りに180°の第1区間において、磁石11の外周側にN極が配置されており、磁石11の内周側にS極が配置されている。この第1区間において、磁界の径方向の向きは、概ね磁石11の外周側から内周側へ向かう向きである。第1区間において、磁界の強さは、位置11bにおいて最大となり、位置11aの近傍および位置11cの近傍で最小となる。
位置11cから反時計回りに180°の第2区間において、磁石11の内周側にN極が配置されており、磁石11の外周側にS極が配置されている。この第2区間において、磁界の径方向の向きは、磁石11の内周側から外周側へ向かう向きである。第2区間において、磁界の強さは、位置11dにおいて最大となり、位置11aの近傍および位置11cの近傍で最小となる。
このように、磁石11が形成する磁界の径方向の向きは、位置11aにおいて反転し、位置11cにおいて反転する。磁石11は、磁石11の外部に固定された座標系に対し、磁石11の回転に伴って径方向の磁界の向きが反転する交流磁界を形成する。信号発生部6は、磁石11の主面の法線方向から見て磁石11と重なる位置に配置されている。
本実施形態において、信号発生部6は、第1信号発生部6aおよび第2信号発生部6bを備える。第1信号発生部6aおよび第2信号発生部6bは、それぞれ、電気信号を発生するユニットであり、磁石11と非接触に設けられる。第1信号発生部6aは、第1感磁性部41および第1発電部42を備える。第1感磁性部41および第1発電部42は、磁石11の外部に固定されており、磁石11の回転に伴って磁石11上の各位置との相対位置が変化する。例えば、図2(B)では、第1信号発生部6aから反時計回りに45°の位置に、磁石11の位置11bが配置されており、この状態から磁石11が順方向(反時計回り)に1回転すると、信号発生部6の近傍を位置11b、位置11c、位置11d、位置11aが、この順に通過する。
第1感磁性部41は、ウィーガントワイヤなどの感磁性ワイヤ(磁性体)である。第1感磁性部41には、磁石11の回転に伴う磁界の変化によって大バルクハウゼンジャンプ(ウィーガンド効果)が生じる。第1感磁性部41は、円柱状の部材であり、その軸方向が磁石11の径方向に設定されている。第1感磁性部41は、その軸方向に交流磁界が印加され磁界が反転する際に、軸方向の一端から他端に向かう磁壁が発生する。
第1発電部42は、第1感磁性部41に巻き付けられて配置される高密度コイルなどである。第1発電部42には、第1感磁性部41における磁壁の発生に伴って電磁誘導が生じ、誘導電流が流れる。図2(B)に示した磁石11の位置11aまたは位置11cが信号発生部6の近傍を通過する際に、第1発電部42にパルス状の電流(電気信号)が発生する。また、第1発電部42は、大バルクハウゼンジャンプを利用して正パルスや負パルス等の検出パルスを含む検出信号を出力可能であり、外部(例、図1の第1電源9)からの電力供給がなくても動作可能である。
第1発電部42に発生する電流の向きは、磁界の反転前後の向きに応じて変化する。例えば、磁石11の外側を向く磁界から内側を向く磁界へ反転時に発生する電流の向きは、磁石11の内側を向く磁界から外側を向く磁界へ反転時に発生する電流の向きの反対になる。第1発電部42に発生する電力(誘導電流)は、例えば高密度コイルの巻き数により設定できる。
図2(A)に示すように、第1感磁性部41および第1発電部42は、ケース43に収納されている。ケース43には端子43aおよび端子43bが設けられている。第1発電部42の高密度コイルは、その一端が端子43aと接続され、その他端が端子43bと接続されている。第1発電部42で発生した電力は、端子43aおよび端子43bを介して、第1信号発生部6aの外部へ取り出し可能である。
第2信号発生部6bは、第1信号発生部6aが配置される角度位置から0°より大きく180°よりも小さい角度をなす角度位置に、配置される。第1信号発生部6aの角度位置と第2信号発生部6bの角度位置との角度は、45°以上135°以下の範囲から選択され、図2(B)では約90°である。第2信号発生部6bは、第1信号発生部6aと同様の構成である。第2信号発生部6bは、第2感磁性部45および第2発電部46を備える。第2感磁性部45および第2発電部46は、それぞれ、第1感磁性部41および第1発電部42と同様であり、その説明を省略する。第2感磁性部45および第2発電部46は、ケース47に収納されている。ケース47には端子47aおよび端子47bが設けられている。第2発電部46で発生した電力は、端子47aおよび端子47bを介して、第2信号発生部6bの外部へ取り出し可能である。
なお、上述の信号発生部6の構成は一例であり、その構成は適宜変更可能である。例えば、信号発生部6は、大バルクハウゼンジャンプ(ウィーガンド効果)を利用しない電磁誘導によって電力を発生してもよい。また、信号発生部6が備える発電ユニットの数は、適宜変更可能であり、例えば、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、信号発生部6の配置についても適宜変更可能である。
磁気センサ12は、第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bを含む。第1磁気センサ12aは、回転軸SFの回転方向において、第1感磁性部41(第1信号発生部6a)に対して0°より大きく90°未満の角度位置で配置される。第2磁気センサ12bは、回転軸SFの回転方向において、第1感磁性部41(第1信号発生部6a)に対して90°より大きく180°未満の角度位置で配置される。
図2(C)に示すように、第1磁気センサ12aは、磁気抵抗素子48と、磁気抵抗素子48に一定の強さの磁界を与えるバイアス磁石(図示せず)と、磁気抵抗素子48からの波形を整形する波形整形回路(図示せず)とを備える。磁気抵抗素子48は、エレメント49a、エレメント49b、エレメント49c、及びエレメント49dを直列に結線したフルブリッジ形状である。エレメント49aとエレメント49cとの間の信号線は、電源端子48pに接続されている。エレメント49bとエレメント49dとの間の信号線は、接地端子48gに接続されている。エレメント49aとエレメント49bとの間の信号線は、第1出力端子48aに接続されている。エレメント49cとエレメント49dとの間の信号線は、第2出力端子48bに接続されている。第2磁気センサ12bは、第1磁気センサ12aと同様の構成である。
次に、実施形態に係るエンコーダ装置ECの回路構成について説明する。図3は、本実施形態に係る位置検出部(多回転情報検出部)、電力供給部、及び残量情報生成部の回路構成を示す図である。電力供給部2は、第1信号発生部6a、整流スタック61、第2信号発生部6b、整流スタック62、及びバッテリー8を備える。また、電力供給部2は、図1の切替部7としてレギュレータ63を備える。
整流スタック61は、第1信号発生部6aから流れる電流を整流する整流器である。整流スタック61の第1入力端子61aは、第1信号発生部6aの端子43aと接続されている。整流スタック61の第2入力端子61bは、第1信号発生部6aの端子43bと接続されている。整流スタック61の接地端子61gは、シグナルグランドSGと同電位が供給される接地線GLに接続されている。多回転情報検出部1Aの動作時に、接地線GLの電位は、回路60の基準電位になる。整流スタック61の出力端子61cは、レギュレータ63の制御端子63cに接続されている。
整流スタック62は、第2信号発生部6bから流れる電流を整流する整流器である。整流スタック62の第1入力端子62aは、第2信号発生部6bの端子47aと接続されている。整流スタック62の第2入力端子62bは、第2信号発生部6bの端子47bと接続されている。整流スタック62の接地端子62gは、接地線GLに接続されている。整流スタック62の出力端子62cは、レギュレータ63の制御端子63cに接続されている。
レギュレータ63は、バックアップ状態において、該レギュレータのオン状態及びオフ状態に応じて、バッテリー8から位置検出部1へ供給される電力を調整する。レギュレータ63は、バッテリー8と位置検出部1との間の電力供給経路に設けられる第1スイッチング素子64を含む。レギュレータ63は、信号発生部6で発生する電気信号(検出信号)を制御信号(例、イネーブル信号)に用いて第1スイッチング素子64の動作を制御する。
バッテリー8の正極8bは、レギュレータ63の入力端子63aに接続されている。バッテリー8の負極8aは、接地線GLに接続されている。レギュレータ63の出力端子63bは、電源線PLに接続されている。レギュレータ63の接地端子63gは、接地線GLに接続されている。レギュレータ63の制御端子63cはイネーブル端子であり、レギュレータ63は、制御端子63cに閾値以上の電圧が印加された状態で、出力端子63bの電位を所定電圧に維持する。レギュレータ63の出力電圧(上記の所定電圧)は、計数部67がCMOSなどで構成される場合に例えば3Vである。記憶部14の動作電圧は、例えば、所定電圧と同じ電圧に設定される。なお、所定電圧は、電力供給に必要な電圧であり、一定の電圧値でもよいし、段階的に変化する電圧でもよい。
第1スイッチング素子(第1スイッチ)64は、位置検出部1に電力を供給する回路60の導通と遮断とを切替える。回路60は、例えば、第2電源(例、バッテリー8)の第1電極(正極)と第2電極(負極)とを結ぶ電力供給経路を構成し、電源線PLおよび接地線GLを含む。接地線GLは、例えば、バッテリー8の負極と接続され、その電位が回路60の基準電位となる。第1スイッチング素子64は、例えば、バッテリー8から回路60を介した位置検出部1への電力供給の有無を切替える。
レギュレータ63は、信号発生部6から制御端子63cに供給される電気信号を制御信号(イネーブル信号)に用いて、第1スイッチング素子64の第1端子64aと第2端子64bとの間の導通状態(オン状態)と絶縁状態(オフ状態)とを切り替える。例えば、第1スイッチング素子64は、MOS、TFTなどを含み、第1端子64aと第2端子64bとはソース電極とドレイン電極であり、第1制御端子64cがゲート電極である。
第1制御端子64cは、信号発生部6で発生する電気信号(検出信号)によって充電される。第1スイッチング素子64は、第1制御端子64cの電圧に応じて回路60を導通へ切替える。例えば、第1スイッチング素子64は、第1制御端子64cの電位が回路60の基準電位である状態で回路60を遮断している。また、第1スイッチング素子64は、第1制御端子64cの電圧が所定値以上になることで、第1端子64aと第2端子64bとの間が導通状態(オン状態)になる。回路60を導通へ切替える。第1端子64aと第2端子64bとの間がオン状態になると、バッテリー8から、電源線PLおよび接地線GLを介して回路60に電力が供給される。なお、電力供給部2は、レギュレータ63のオン状態及びオフ状態を取得する手段を備えてもよい。
また、多回転情報検出部1Aは、第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bを含む。例えば、多回転情報検出部1Aは、図1に示した処理部13として、アナログコンパレータ65、アナログコンパレータ66、及び計数部67を含む。第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bは、それぞれ、回転軸SFを検出するセンサである。第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bは、回転軸SFに取り付けられた磁石11が形成する磁界を検出することで、回転軸SFを検出する。バックアップ状態において、第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bは、それぞれ、バッテリー8から供給される電力を用いて、磁石11が形成する磁界を検出する。
第1磁気センサ12aの電源端子55pは、電源線PLに接続されている。第1磁気センサ12aの接地端子55gは、接地線GLに接続されている。第1磁気センサ12aの出力端子55cは、アナログコンパレータ65の入力端子65aに接続されている。出力端子55cは、例えば、図2(C)に示した第2出力端子48bの電位と基準電位との差に相当する電圧を出力する。
アナログコンパレータ65は、第1磁気センサ12aから出力される電圧を二値化する二値化部である。アナログコンパレータ65は、例えば比較器であり、第1磁気センサ12aから出力される電圧を所定電圧と比較する。アナログコンパレータ65の電源端子65pは、電源線PLに接続されている。アナログコンパレータ65の接地端子65gは、接地線GLに接続されている。アナログコンパレータ65の出力端子65bは、計数部67の第1入力端子67aに接続されている。アナログコンパレータ65は、第1磁気センサ12aの出力電圧が閾値以上である場合に出力端子からHレベルの信号を出力し、閾値未満である場合に出力端子からLレベルの信号を出力する。
第2磁気センサ12bおよびアナログコンパレータ66は、第1磁気センサ12aおよびアナログコンパレータ65と同様の構成である。第2磁気センサ12bの電源端子56pは、電源線PLに接続されている。第2磁気センサ12bの接地端子56gは、接地線GLに接続されている。第2磁気センサ12bの出力端子56cは、アナログコンパレータ66の入力端子66aに接続されている。アナログコンパレータ66の電源端子66pは、電源線PLに接続されている。アナログコンパレータ66の接地端子66gは、接地線GLに接続されている。アナログコンパレータ66の出力端子66bは、計数部67の第2入力端子67bに接続されている。アナログコンパレータ66は、第2磁気センサ12bの出力電圧が閾値以上である場合に出力端子からHレベルの信号を出力し、閾値未満である場合に出力端子66bからLレベルの信号を出力する。
計数部67は、回転軸SFの多回転情報を、バッテリー8から供給される電力を用いて計数する。計数部67は、例えばCMOS論理回路などを含む。計数部67は、電源端子67pおよび接地端子67gを介して供給される電力を用いて動作する。計数部67の電源端子67pは、電源線PLに接続されている。計数部67の接地端子67gは、接地線GLに接続されている。計数部67は、第1入力端子67aを介して供給される電圧、及び第2入力端子67bを介して供給される電圧を制御信号として、計数処理を行う。
記憶部14は、処理部13が検出した回転位置情報の少なくとも一部(例、多回転情報)を、バッテリー8から供給される電力を用いて記憶する(書き込み動作を行う)。記憶部14は、処理部13が検出した回転位置情報として、計数部67による計数の結果(多回転情報)を記憶する。記憶部14の電源端子14pは、電源線PLに接続されている。記憶部14の接地端子14gは、接地線GLに接続されている。記憶部14は、例えば不揮発性メモリを含み、電力が供給されている間に書き込まれた情報を、電力が供給されない状態においても保持可能である。
本実施形態において、整流スタック61、整流スタック62とレギュレータ63との間には、キャパシタ69が設けられている。キャパシタ69の第1電極69aは、整流スタック61、整流スタック62とレギュレータ63の制御端子63aとを接続する信号線に接続されている。キャパシタ69の第2電極69bは、接地線GLに接続されている。このキャパシタ69は、例えば平滑キャパシタであり、脈動を低減してレギュレータの負荷を低減する。キャパシタ69の定数は、例えば、処理部13により回転位置情報を検出して記憶部14に回転位置情報を書き込むまでの期間に、バッテリー8から処理部13および記憶部14への電力供給が維持されるように設定される。
本実施形態において、残量情報生成部3は、信号発生部6で定期的又は不定期的に生じる検出信号の発生に基づいてバッテリー8の残量情報を生成する。残量情報生成部3は、例えば、検出信号の発生回数を計数し、発生回数を含む残量情報を生成する。例えば、検出信号が発生するたびに、バッテリー8は、位置検出部1(多回転情報検出部1A)へ電力を供給し、位置検出部1(多回転情報検出部1A)は、電力が供給されるたびに動作する(回転位置情報の検出を行う)。位置検出部1(多回転情報検出部1A)が動作する回数(動作回数)は、例えば、上記検出信号の発生回数に相当する。
残量情報生成部3は、例えば、コンパレータ31および計数器32を含む。コンパレータ31は、例えばアナログコンパレータ(比較器)であり、受信した検出信号を二値化する。コンパレータ31の入力端子31aは、信号発生部6とレギュレータ63との間の信号線71に接続される。これによって、残量情報生成部3のコンパレータ31は、信号発生部6又は切替部7のレギュレータ63に信号線71を介して接続される。信号線71は、残量情報生成部3と切替部7とを接続する。コンパレータ31の接地端子31gは、接地線GLに接続される。コンパレータ31の出力端子31bは、計数器32の入力端子32aに接続される。コンパレータ31は、接地端子31gの電位(回路60の基準電位)に対する入力端子31aの電位(検出信号のレベル)と、閾値とを比較する。コンパレータ31は、接地端子31gの電位に対する入力端子31aの電位が閾値以上である場合に、出力端子31bの電位をハイレベル(H)に保持する。また、コンパレータ31は、接地端子31gの電位に対する入力端子31aの電位が閾値未満である場合に、出力端子31bの電位をローレベル(L)に保持する。計数器32は、例えばパルスカウンタであり、入力端子32aがハイレベルに立ち上がる回数を計数する。計数器32の計数結果は、検出信号の発生回数に相当し、位置検出部1の動作回数に相当する。残量情報生成部3は、残量情報として、計数器32の計数結果を出力する。
残量情報生成部3は、制御信号(例、レギュレータ63のイネーブル信号)のレベルに基づいて検出信号の発生を検出する。図4は、本実施形態に係るイネーブル信号、供給電力、コンパレータの出力のレベルを示す図である。図4において縦軸は、信号、供給電力、出力のレベル(例、電圧)であり、横軸は時間である。イネーブル信号は、検出信号などの定期的又は不定期的な信号(例、トリガー信号、パルス状の信号)の発生によって立ち上がり、信号のレベルがピークになった後、時間経過とともにレベルが低下する。バッテリー8からの供給電力(例、電力供給部2の出力電圧)は、イネーブル信号のレベルが閾値以上となることで立ち上がり、ほぼ一定のレベルに達する。バッテリー8からの供給電力は、時間Tにわたってほぼ一定のレベルを保持し、イネーブル信号のレベルが閾値未満となることで、ほぼ0まで低下する。また、コンパレータ31の出力は、イネーブル信号のレベルが閾値VTまで上昇した際にハイレベルに立ち上がる。また、コンパレータ31の出力は、イネーブル信号のレベルがピークになった後に閾値VTまで低下した際にローレベルに立ち下がる。計数器32は、コンパレータ31の出力が立ち上がった回数、又は立ち下がった回数を計数することで、検出信号又はイネーブル信号の発生回数を計数する。なお、上記した検出信号などの定期的又は不定期的な信号(例、トリガー信号、パルス状の信号)は、イネーブル信号として用いてもよい(例、検出信号はイネーブル信号であってもよい)。
次に、電力供給部2および多回転情報検出部1Aの動作について、回転軸SFが反時計回りに回転(順回転)するときの多回転情報検出部1Aの動作を代表的に説明する。図5は、回転軸SFが反時計回りに回転(順回転)するときの多回転情報検出部1Aの動作を示すタイミングチャートである。
図5の「磁界」において、実線は第1信号発生部6aの位置での磁界を示し、破線は第2信号発生部6bの位置での磁界を示す。「第1信号発生部」、「第2信号発生部」は、ぞれぞれ、第1信号発生部6aの出力、第2信号発生部6bの出力を示し、1方向に流れる電流の出力を正(+)とし、その逆方向に流れる電流の出力を負(−)とした。「イネーブル信号」は、信号発生部6で発生する電気信号によりレギュレータ63の制御端子63aに印加される電位を示し、ハイレベルを「H」で表し、ローレベルを「L」で表した。「レギュレータ」は、レギュレータ63の出力を示し、ハイレベルを「H」で表し、ローレベルを「L」で表した。
図5の「第1磁気センサ」、「第2磁気センサ」は、それぞれ、第1磁気センサ12a、第2磁気センサ12bの出力を実線で示す。「第1磁気センサ」、「第2磁気センサ」において点線は、常時駆動された場合の出力である。「第1アナログコンパレータ」、「第2アナログコンパレータ」は、それぞれ、アナログコンパレータ65、アナログコンパレータ66からの出力を示す。
第1信号発生部6aは、角度位置135°において、逆方向に流れる電流パルス(「第1信号発生部」の負)を出力する。また、第1信号発生部6aは、角度位置315°において、順方向に流れる電流パルス(「第1信号発生部」の正)を出力する。第2信号発生部6bは、角度位置45°において、順方向に流れる電流パルス(「第2信号発生部」の正)を出力する。また、第2信号発生部6bは、角度位置225°において、逆方向に流れる電流パルス(「第2信号発生部」の負)を出力する。そのため、イネーブル信号は、角度位置45°、角度位置135°、角度位置225°、角度位置315°のそれぞれにおいて、ハイレベルに切り替わる。また、レギュレータ63は、イネーブル信号がハイレベルに維持された状態に対応して、角度位置45°、角度位置135°、角度位置225°、角度位置315°のそれぞれにおいて、電源線PLに所定電圧を供給する。
本実施形態において、第1磁気センサ12aの出力と第2磁気センサ12bの出力は、90°の位相差を有しており、処理部13は、この位相差を利用して回転位置情報を検出する。第1磁気センサ12aの出力は、角度位置0°から角度位置180°の範囲において、正のサイン波状である。この角度範囲において、レギュレータ63は角度位置45°、角度位置135°において電力を出力する。第1磁気センサ12aおよびアナログコンパレータ65は、角度位置45°と角度位置135°のそれぞれにおいて供給される電力により駆動される。アナログコンパレータ65から出力される信号(以下、A相信号という)は、電力供給を受けていない状態でLレベルに維持されており、角度位置45°と角度位置135°のそれぞれにおいてHレベルになる。
また、第2磁気センサ12bの出力は、角度位置270°(−90°)から角度位置90°の範囲において、正のサイン波状である。この角度範囲において、レギュレータ63は、角度位置315°(−45°)、角度位置45°において電力を出力する。第2磁気センサ12bおよびアナログコンパレータ66は、角度位置315°と角度位置45°のそれぞれにおいて供給される電力により駆動される。アナログコンパレータ66から出力される信号(以下、B相信号という)は、電力供給を受けていない状態でLレベルに維持されており、角度位置315°と角度位置45°のそれぞれにおいてHレベルになる。
ここで、計数部67に供給されるA相信号がHレベル(H)であり、計数部67に供給されるB相信号がLレベルである場合に、これら信号レベルの組を(H,L)のように表す。図5では、角度位置315°において信号レベルの組が(L,H)であり、角度位置45°において信号レベルの組が(H,H)、角度位置135°において信号レベルの組が(H,L)である。
計数部67は、磁気センサ12が検出したA相信号とB相信号の一方または双方がHレベルである場合に、記憶部14に信号レベルの組を記憶させる。計数部67は、次に検出したA相信号とB相信号の一方または双方がHレベルである場合に、前回のレベルの組を記憶部14から読み出し、前回のレベルの組と今回のレベルの組と比較して回転方向を判定する。
例えば、前回の信号レベルの組が(H,H)であって、今回の信号レベルが(H,L)である場合には、前回の検出において角度位置45°であり、今回の検出において角度位置135°であるので、反時計回り(順回転)であることがわかる。計数部67は、今回のレベルの組が(H,L)であって、かつ前回のレベルの組が(H,H)である場合、カウンタをアップすることを示すアップ信号を記憶部14に供給する。記憶部14は、計数部67からのアップ信号を検出した場合に、記憶している多回転情報を1増加した値に更新する。本実施形態に係る多回転情報検出部1Aは、回転軸SFの回転方向を判定しながら、多回転情報を検出できる。
本実施形態に係るエンコーダ装置ECは、残量情報生成部3がバッテリー8の残量情報を生成する。例えば、ユーザは、残量情報に基づいてバッテリー8の監視及び交換を行うことができ、エンコーダ装置ECは、バッテリー8の残量不足による動作不良の発生が抑制されるので、信頼性が高い。また、残量情報生成部3は、バッテリー8から供給される電力を用いて位置検出部1が動作する回数に基づいてバッテリー8の残量情報を生成するので、例えば、残量情報を簡易に取得可能である。
本実施形態に係るエンコーダ装置ECは、信号発生部6に電気信号が発生してから短時間(例、検出信号が発生された時)又は上位コントローラにて予め設定された周期(又は不定期)で上位コントローラやエンコーダ装置ECから出力せるトリガー信号が発生してから短時間のうちに、バッテリー8から多回転情報検出部1Aに電力が供給され、多回転情報検出部1Aがダイナミック駆動(間欠駆動)する。多回転情報の検出および書き込みの終了後は、多回転情報検出部1Aへの電源供給は絶たれるが、計数値は、記憶部14に格納されているので保持される。このようなシーケンスは、外部からの電力供給が絶たれた状態においても、磁石11上の所定位置が信号発生部6の近傍を通過するたびに繰り返される。
記憶部14に記憶されている多回転情報は、例えば、次にモータMが起動される際にモータ制御部MCなどに読み出され、回転軸SFの初期位置などの算出に利用される。このようなエンコーダ装置ECは、信号発生部6で発生する電気信号に応じて、位置検出部1(例、多回転情報検出部1A)で消費される電力の少なくとも一部をバッテリー8が供給するので、バッテリー8を長寿命にすることができる。バッテリー8のメンテナンス(例、交換)をなくしたり、メンテナンスの頻度を減らしたりすることができる。例えば、バッテリー8の寿命がエンコーダ装置ECの他の部分の寿命よりも長い場合、バッテリー8の交換を不要にすることもできる。
また、ウィーガントワイヤ等の感磁性ワイヤを利用すると、磁石11の回転が極めて低速であっても、信号発生部6からパルス電流の出力が得られる。そのため、例えばモータMへ電力供給がなされていない状態などにおいて、回転軸SF(磁石11)の回転が極めて低速な場合にも、信号発生部6の出力を電気信号として利用できる。
なお、多回転情報検出部1Aは、上記の実施形態において磁気式の検出部であるが、透過型又は反射型の光学式の検出部(例、スケールを介した透過光又は反射光を受光する光学センサ)であってもよい。なお、この場合、多回転情報検出部1Aの一部は、角度検出部1Bと共用であってもよい。また、電力供給部2は、信号発生部6で発生する検出信号の電力を電源に用いてもよい。例えば、電力供給部2は、検出信号の電圧をレギュレータなどで所定電圧に調整し、検出信号の電力を位置検出部1に供給してもよい。また、上述の実施形態において、信号発生部6は、磁石11に対して所定の位置関係になった際に検出信号が発生する。エンコーダ装置EC(多回転情報検出部1A)は、信号発生部6を、回転軸SF(磁石11)の位置情報を検出するセンサとして備えてもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図6は、本実施形態に係るエンコーダ装置を示す図である。本実施形態において、残量情報生成部3は、記憶部14が回転位置情報(例、多回転情報を含む回転位置情報)を記憶した回数に基づいて、バッテリー8の残量情報を生成する。記憶部14は、例えば、書込回数格納部35と、位置情報格納部36とを含む。イネーブル信号(例、トリガー信号、検出信号を含む)に応じてバッテリー8から位置検出部1に電力が供給されると、磁気センサ12は、回転軸SFの回転を検出し、その検出結果を処理部13に出力する。
処理部13は、磁気センサ12の検出結果に基づいて回転位置情報を算出し、算出した回転位置情報を記憶部14に出力する。記憶部14は、処理部13から出力された回転位置情報を位置情報格納部36に格納する(書き込む)。記憶部14は、位置情報格納部36に回転位置情報が書き込まれた際に、書込回数のカウンタ値をインクリメントする。記憶部14は、位置情報格納部36の書込回数(上記のカウンタ値)を書込回数格納部35に格納する(書き込む)。残量情報生成部3は、書込回数格納部35から書込回数(動作回数)を取得し、書込回数に基づいてバッテリー8の残量情報を生成する。なお、上記の書込回数を計数する計数器32(計数部)は、記憶部14の外部に設けられてもよく、残量情報生成部3は、この計数器32から書込回数を取得してもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図7は、本実施形態に係るエンコーダ装置を示す図である。本実施形態において、残量情報生成部3は、イネーブル信号(例、トリガー信号、検出信号などを含む)に応じてバッテリー8から電力が供給される時間(動作時間)に基づいて、バッテリー8の残量情報を生成する。
残量情報生成部3は、例えば、コンパレータ37、計時部38、及び積算器39を備える。コンパレータ37の入力端子37aは、電源線(信号線)PLに接続される。これによって、残量情報生成部3のコンパレータ37は、切替部7のレギュレータ63に電源線(信号線)PLを介して接続される。信号線PLは、残量情報生成部3と切替部7とを接続する。コンパレータ37の接地端子37gは、接地線GLに接続される。コンパレータ37の出力端子37bは、計時部38の入力端子38aに接続される。コンパレータ37は、接地端子37gの電位に対する入力端子37aの電位(供給電力のレベル)と、閾値とを比較する。コンパレータ37は、接地端子37gの電位に対する入力端子37aの電位が閾値以上である場合に、出力端子37bの電位をハイレベル(H)に保持する。また、コンパレータ37は、接地端子37gの電位に対する入力端子37aの電位が閾値未満である場合に、出力端子37bの電位をローレベル(L)に保持する。
計時部38は、コンパレータ37の出力が上記のハイレベル(H)に保持される時間を計測する。例えば、計時部38の入力端子38aの電位は、コンパレータ37の出力端子37bとほぼ同じ電位であり、計時部38は、入力端子38aの電位がハイレベルに立ち上がってからローレベルに立ち下がるまでの時間(図4の時間T参照、動作時間)を計測する。計時部38は、計測結果を積算器39に出力する。計時部38の測定結果は、例えば、位置検出部1(例、検出部、処理部)の1回の動作時間に相当する。計時部38は、位置検出部1が動作するたびに、計測結果を積算器39に出力する。積算器39は、計時部38から出力された測定結果を積算する。残量情報生成部3は、積算器39が動作時間を積算した値(積算時間)に基づいてバッテリー8の残量情報を生成する。なお、残量情報生成部3は、より高精度な情報の生成(算出)のために、位置検出部1が動作する回数(動作回数)と位置検出部1が動作する時間(動作時間)とに基づいてバッテリー8の残量情報を生成してもよい。
[駆動装置]
次に、実施形態に係る駆動装置について説明する。図8は、駆動装置MTRの一例を示す図である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。この駆動装置MTRは、電動モータを含むモータ装置である。駆動装置MTRは、回転軸SFと、回転軸SFを回転駆動する本体部(駆動部)BDと、回転軸SFの回転位置情報を検出するエンコーダ装置ECとを有している。
回転軸SFは、負荷側端部SFaと、反負荷側端部SFbとを有している。負荷側端部SFaは、減速機など他の動力伝達機構に接続される。反負荷側端部SFbには、固定部を介してスケールSが固定される。このスケールSの固定とともに、エンコーダ装置ECが取り付けられている。エンコーダ装置ECは、上述した実施形態、変形例、あるいはその組み合わせに係るエンコーダ装置である。
この駆動装置MTRは、エンコーダ装置ECの検出結果を使って、図1などに示したモータ制御部MCが本体部BDを制御する。駆動装置MTRは、エンコーダ装置ECのバッテリー交換の必要性が無いもしくは低いので、メンテナンスコストを減らすことができる。また、駆動装置MTRは、エンコーダ装置ECの信頼性が高いので、安定的に動作可能である。なお、駆動装置MTRは、モータ装置に限定されず、油圧や空圧を利用して回転する軸部を有する他の駆動装置であってもよい。
[ステージ装置]
次に、ステージ装置について説明する。図9は、ステージ装置STGを示す図である。このステージ装置STGは、図8に示した駆動装置MTRの回転軸SFのうち負荷側端部SFaに、ステージ(回転テーブルTB、移動物体)を取り付けた構成である。ステージ装置STGは、例えば、1次元のリニアモータによって、ステージを1方向に直線的に移動させる構成でもよい。また、ステージ装置STGは、複数の1次元のリニアモータあるいは2次元のリニアモータ(例、平面モータ)によって、ステージを2方向に移動させる構成でもよい。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
ステージ装置STGは、駆動装置MTRを駆動して回転軸SFを回転させる。この回転は、回転テーブルTBに伝達され、その際にエンコーダ装置ECは、回転軸SFの角度位置等を検出する。エンコーダ装置ECからの出力を用いることにより、回転テーブルTBの角度位置を検出することができる。なお、駆動装置MTRの負荷側端部SFaと回転テーブルTBとの間に減速機等が配置されてもよい。
ステージ装置STGは、エンコーダ装置ECのバッテリー交換の必要性が低い又は無いので、メンテナンスコストを減らすことができる。また、ステージ装置STGは、エンコーダ装置ECの信頼性が高いので、安定的に動作可能である。なお、ステージ装置STGは、例えば、旋盤等の工作機械に備える回転テーブル等に適用できる。
[ロボット装置]
次に、ロボット装置について説明する。図10は、ロボット装置RBTを示す斜視図である。なお、図10には、ロボット装置RBTの一部(関節部分)を模式的に示した。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。このロボット装置RBTは、第1アームAR1と、第2アームAR2と、関節部JTとを有している。第1アームAR1は、関節部JTを介して、第2アームAR2と接続されている。
第1アームAR1は、腕部101、軸受101a、及び軸受101bを備えている。第2アームAR2は、腕部102および接続部102aを有する。接続部102aは、関節部JTにおいて、軸受101aと軸受101bの間に配置されている。接続部102aは、回転軸SF2と一体的に設けられている。回転軸SF2は、関節部JTにおいて、軸受101aと軸受101bの両方に挿入されている。回転軸SF2のうち軸受101bに挿入される側の端部は、軸受101bを貫通して減速機RGに接続されている。
減速機RGは、駆動装置MTRに接続されており、駆動装置MTRの回転を例えば100分の1等に減速して回転軸SF2に伝達する。図10に図示しないが、駆動装置MTRの回転軸SFのうち負荷側端部SFaは、減速機RGに接続されている。また、駆動装置MTRの回転軸SFのうち反負荷側端部SFbには、エンコーダ装置ECのスケールSが取り付けられている。
ロボット装置RBTは、駆動装置MTRを駆動して回転軸SFを回転させると、この回転が減速機RGを介して回転軸SF2に伝達される。回転軸SF2の回転により接続部102aが一体的に回転し、これにより第2アームAR2が、第1アームAR1に対して回転する。その際、エンコーダ装置ECは、回転軸SFの角度位置等を検出する。従って、エンコーダ装置ECからの出力を用いることにより、第2アームAR2の角度位置を検出することができる。ロボット装置RBTは、エンコーダ装置ECのバッテリー交換の必要性が無いもしくは低いので、メンテナンスコストを減らすことができる。また、ロボット装置RBTは、エンコーダ装置ECの信頼性が高いので、安定的に動作可能である。なお、ロボット装置RBTは、上記の構成に限定されず、駆動装置MTRは、複数の関節を備える各種ロボット装置(例、双腕多軸型ロボット)に適用できる。複数の関節を備えるロボット装置の場合、そのロボット装置は各関節(各軸)又は一部の関節に本実施形態のエンコーダ装置ECが配置される。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。