JP2007047102A - 電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 負荷側の状態に応じた残容量検知の補正を行なうことで、省エネかつ高信頼性の残容量検知を実現すること。
【解決手段】 電源に電池を使用して、機構を駆動する電気機器であって、前記機構の動作回数をカウントするカウンタと、前記カウンタによってカウントされた前記機構の動作回数を記憶するメモリと、前記メモリに記憶される前記機構の動作回数に基づいて、前記電池の残り容量を演算する演算手段とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電源に電池を使用して、機構を駆動する電気機器に関する。
近年、小型化によって携帯が可能となる電子機器が増加している。これら携帯電子機器とって、電源である電池は欠かすことのできない要素であり、電池が消耗してしまえば、機器は動作することができなくなってしまう。
単純な機械的動作のみをする電子機器では、電池が無くなり動作をしなくなっても、内部回路や構成部品等を破損してしまう恐れも少ないが、携帯電話や携帯音響機器等メモリを内蔵するものやメモリ内のデータを処理するものの場合、電池が消耗して突然機器が停止してしまうことによって、揮発性メモリ内のデータが損なわれてしまったり、処理の途中で動作できなくなった為に処理中のデータが損なわれてしまうこともある。
とりわけ、上記のディジタル回路と共に、大電流を消費する機械的負荷を有する携帯電子機器においては、データ処理中に大電流が流れることで、電池端子間電圧が急激に低下し、ディジタル回路の動作電圧を下回ってしまうことが起こる可能性があり、突然電子機器の動作が停止してしまうという危険がある。具体的な例としてデジタルカメラを挙げると、
撮影画像の処理中にシャッター等の大きな負荷が動作することがあり、これによって機器が突然停止してしまうと撮影した画像が損なわれてしまいユーザーの被害は非常に甚大なものである。
このような危険を回避する手法として、電池の残容量を事前に検知し、実負荷がかかった時に突然の動作不良を起こさせない様、ユーザーに告知するもしくは機器を停止する残容量検知・残容量表示技術が考案されている。残容量検知・残容量表示機能はユーザビリティの観点や、電子機器の信頼性の観点からも重要な機能となっている。
これまで考案されている残容量検知手法の代表的なものには電流積算式や電圧測定式といった手法がある。
電流積算式は負荷によって電池から取り出された電荷量を積分し、予め測定された完全充電状態での電池容量と比較して、電池の残容量が所定の値を下回った場合に機器を停止するという手法である。残容量の判定が単純な引き算によって可能であったり、他の手法より比較的正確な残容量検知が可能であるが、電流量の積算の為の回路構成が複雑である為にコストがかかってしまう。また、充電池の場合、充放電を繰り返すことで完全充電状態での電池容量が減少してしまう為に正確な残容量検知ができないという課題もある。
電圧測定式は、電池の端子間電圧を測定し、その値と経験的に得られた電圧しきい値と比較することで電池残容量を予測する手法である。回路構成が簡単で低コストであるが、電池によっては出力電圧がほとんど変化しない状態が長い電池などでは予測が困難である等の課題がある。
いずれの手法においても、しきい値は事前にサンプルを使用して経験的に測定された値であり、電池の個体バラツキ、温度条件による電池の特性変化等を考慮して、電子機器の動作条件内においてバランスよく残容量検知が行なえる様に設定する必要がある。
特開2004−138588号公報
電流積算式も電圧測定式も、測定された積算電荷量や電圧値を、メモリ内に保存してある経験的に得られたしきい値(しきい値電荷量、しきい値電圧量)と比較して電池の消耗の程度を判断するという点では共通しており、正確な残容量検知の為には適切なしきい値の決定が必要となる。
しきい値の設定が不適切であると、残容量の検知に誤差が生じてしまい、電池の有効残容量がまだあると思っているうちに突然の電池切れを起こしてしまうことがある。この危険を避ける為には、電池残容量測定の誤差を吸収する為の誤差許容幅を測定値に設ける方法もあるが、条件によっては誤差許容幅に基づく早めの警告により、電池を有効に利用できず、また、電池交換の頻度が増す為にユーザーの経済的な負担が増えてしまう。
ここで、いずれの残容量検知手法においても、しきい値の設定の際に課題となっているのが、電池の特性のばらつきや、使用環境条件による電池の特性の変化などに大きく影響を受けるということである。
具体的な例として、温度条件を挙げると、機械的な負荷は低温環境下においてその負荷が増加する為、その駆動にモーターを使用している場合にはより大きな電流を流す必要がある。また、電池としても、低温環境下では電池の内部インピーダンスが増加する為、同じ出力電流を取り出している時の電池端子間電圧は、低温環境下の電池端子間電圧の方が常温環境下での電池端子間より電圧が低くなる。
また、別の具体例として耐久条件を挙げれば、機械的な負荷を持つ電子機器の場合、動作部の磨耗や劣化によって動作に必要な負荷が増加する為に負荷印加時の出力電流が増加する。
上記の様に負荷電流が増加する場合、残容量検知の時点では残容量ありと判定されてしまう一方で、実際に負荷が印加されると想定以上の電流が流れる為に電池端子間電圧が想定以上に低下し、最悪の場合、突然機器が停止してしまうことがある。このような突然の動作停止を回避するためには、しきい値を早めに有効残容量なしと判断する方向に変更(電流積算方式では積算電荷量のしきい値を小さめに、電圧測定式においては、しきい値電圧を高めに)する必要があるが、それでは常温環境下や機器が新しくて機械的負荷が増加していない場合に、まだ使用可能な電池が、有効残容量無しと判断されるようになってしまう。
従来では、残容量の誤検知に大きな影響を与えるような極低温環境下や多使用後については、電子機器の動作範囲外とする場合もあったが、機械的部材に関する技術の進歩や電池単体の性能向上により電子機器の動作範囲が拡大している為に、残容量検知についても極低温環境下や多使用後といった正確な残容量検知が困難な領域についての対応が要求される様になってきた。
上記の様に、携帯電子機器において正確な残容量検知をする上での適切なしきい値設定の必要性が高まっているのに対して、従来の全環境条件・全耐久条件に対し、しきい値を1値しか用意しない手法では対応することができない。
そこで、本発明の課題は、負荷側の状態に応じた残容量検知の補正を行なうことで、省エネかつ高信頼性の残容量検知を実現することを目的とする。
本発明は、電源に電池を使用して、機構を駆動する電気機器であって、前記機構の動作回数をカウントするカウンタと、前記カウンタによってカウントされた前記機構の動作回数を記憶するメモリと、前記メモリに記憶される前記機構の動作回数に基づいて、前記電池の残り容量を演算する演算手段とを有することを特徴としている。
本発明によれば、温度条件や使用回数などによる負荷電流の増加等の影響がある場合にも、それぞれの条件に適した補正を施すことによって正確な残量検知を実行することが可能となり、これにより突然の電子機器の停止の危険を回避でき、また、残量検知の誤検知によってまだしよう可能な電池を使用不可能と判断してしまうこともなくなるため、省エネかつ高信頼性の残量検知を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は一実施の形態における補正を考慮した電池残容量検知回路を含むデジタルカメラのブロック図である。この実施形態は予測式・電圧測定型の残容量検知手法に補正を加える構成になっているが、当該補正の手法は電流積算式にも適用できる。
同図に示すように、このデジタルカメラは電源(電池)101を備え、電源101から定電圧回路102によって制御装置104、A/D変換装置105、116、記憶装置106、演算回路107、比較回路108、表示回路109、カウンタ115、温度計117に定電圧が供給される。また、電源101の電圧はSW1(111)、SW2(112)を介してダミー負荷113、モーター110にも供給される。分圧抵抗114は電源101に直列に接続され、分圧比率に応じて電源101の端子間電圧を分圧した電圧をA/D変換装置105に供給する。
記憶領域106には残容量検知時の算出過程や残容量判定過程にて使用するパラメータや、補正を施す際の補正値が予め用意されている。詳細については後述する。
この構成においての残容量検知の動作について説明する。まず電源101がデジタルカメラに接続されてデジタルカメラが起動している状態では、定電圧回路102より定電圧が電子機器内の各電子回路(制御回路104、表示回路109等)に供給されている為に電源101からは軽い負荷が引き出されている。この負荷電流をICC1と定義する。この時、電池の端子間電圧は電源の内部抵抗での電圧降下により開放時の電圧より低い電圧が測定される。このとき分圧抵抗114、A/D変換回路105の測定結果から求めた電池101の端子間電圧をVBC1とする。
次にSW1(111)を所定の時間だけ閉じてダミー負荷113に通電させ、その時の電源101の端子間電圧をA/D変換回路105により測定する。SW1(111)が閉じている間に電源101から引き出される電流をICC2、A/D変換回路105の測定結果から求めた電池101の端子間電圧をVBC2と定義する。ダミー負荷113に通電する電流はデジタルカメラの最大負荷電流よりも小さくて良くそのように抵抗値を設定する。
上記によって得た各値VBC1、VBC2、ICC1、ICC2より、デジタルカメラが最大負荷電流を引き出している間の電池101の端子間電圧を算出する。その算出手法をグラフ化したものを図2に示す。軽負荷時のVBC1とICC1、ダミー負荷113通電時のVBC2とICC2より電源101の起電力と内部抵抗値がわかる。電源101のある状態における起電力をV0、内部抵抗をr0と定義すると、デジタルカメラが最大負荷電流(ILOADと定義する。ここで当該負荷電流は事前に測定されたものとする。)を引き出している時の電源101の端子間電圧VBC3は起電力V0から内部抵抗r0での電圧降下を差し引いた値として求められる。当該演算は記憶装置106内のデータから演算回路107にて算出される。
上記の手順によって算出されたデジタルカメラが最大負荷電流を引き出している時の電源101の端子間電圧VBC3と、記憶装置106内に保存されたしきい値とを、比較回路108にて比較することにより電池の消耗の程度を判断する。比較の結果によって、電池の残容量を表示装置109に表示したり、動作禁止のしきい値を下回っている場合にはデジタルカメラの動作を停止する。
上記のしきい値については当該各種電池の特性を事前に測定することによって得た特性データから決めた値とする。以上が予測型・電圧測定式の残量検知手法の典型的な残量検知手順である。
次に補正の手順について説明する。補正に関して説明するにあたり、記憶装置106に用意されているデータについて定義する。当該実施例では温度補正と耐久補正についての補正値が用意されている。
まず、記憶装置106のa1領域とa2領域には常温・使用回数0回時の最大負荷電流値としきい値が用意されている。a1,a2には電池の種類ごとに最大負荷電流としきい値が用意されている。
b1領域とb2領域には最大負荷電流としきい値に対する使用回数に応じた補正値が複数用意されている。c1領域とc2領域には同様に各温度条件に応じた補正値が複数用意されている。このb1,b2,c1,c2領域内の補正データはa1,a2領域内に用意された各種の電池に対してそれぞれに適当な補正値が用意されている。
また、領域d、領域eが用意され、それぞれシャッタ119の使用回数と、シャッタ119の周辺の温度条件が随時記憶される。
当該実施例では温度、耐久についての補正値について述べているが、電池の負荷電流に影響を及ぼす他の条件についても、事前の測定に基づいての補正が可能であれば補正値を予め記憶装置106内に用意することで対応が可能である。
まず、耐久補正についての手順を説明する。本実施形態のデジタルカメラではシャッタ119の動作をセンサ108によって検知し、動作回数をカウンタ115がカウントして、記憶装置106の領域dに初期始動からの総動作回数を記憶・加算していく。
残容量検知を行なう際、前述の算出過程において記憶装置106内のILOADとしきい値を読み出すが、その前に記憶装置106の領域dの総動作回数を確認し、その回数に応じた補正量ΔILOADを記憶装置106の領域b1から読み出してILOADに加算してから前述の様なVBC3の算出を行なう。
次に温度補正についての手順を説明する。本実施形態のデジタルカメラでは、温度計117をシャッタ119の近くに配してシャッタ119の周辺温度を測定し、A/D変換装置116によって数値化した後に記憶装置106の領域eに記憶させる。残容量検知を行なう際は前述の耐久補正と同様に、まず、領域eに記憶されたシャッタ119の周辺温度値に応じた補正量ΔILOADを領域c1から読み出してILOADに加算してから前述の様なVBC3の算出を行なう。
以上が温度条件・耐久条件に対して最大負荷電流ILOADに補正を施した場合の手順であるが、補正としてはしきい値に対する補正を行なってもよい。また、当該実施例では補正はILOADかしきい値かのいずれかに対してのみ行なうものとした。
本発明の効果を図2を用いて説明する。図2には累計使用回数が多くて負荷電流が増加した場合についての補正手法が記されている。当該条件の場合、ダミー負荷の抵抗値には変化がない為に、デジタルカメラが新品でシャッタの動作負荷が軽い場合も、使用回数が多くてシャッタの動作負荷が大きい場合も、VBC1、VBC2については同じ電池に対しては同じ測定結果となる。ここで、補正を考慮しない未使用時の想定最大負荷電流値ILOADaを用いてVBC3を算出してしまった値が図2中のVBC3aである。
この残容量検知過程での算出結果VBC3aに対し、累計使用回数が多くてシャッタの動作負荷が大きくなったデジタルカメラに実際の負荷がかかった場合では、所定の動作をする為には前述の未使用時での想定最大負荷ILOADa以上の電流を引き出す必要があり、その結果、電池の端子間電圧は図2のVBC3bに示すように、未使用時での想定最大負荷電流ILOADaから算出したVBC3aより低い電圧となってしまう。
この時、場合によってはVBC3bは、デジタルカメラ内の電子回路が動作するために必要な電圧を下回る可能性があり、突然停止してしまう危険がある。
ここで前述の様にVBC3算出過程において使用回数に応じた補正量ΔILOADを想定最大負荷電流ILOADaに加算してILOADbに近づけることで、実負荷に見合ったVBC3を算出することが可能となり、突然の停止の危険を回避することができる。
また、シャッタの動作負荷などの機械的負荷の条件に応じて随時・適切な補正を加えていく為に、予め補正値を考慮して想定最大負荷電流を設定した場合に発生する、まだ使用可能な電池を使用不可と判断してしまう様な誤検知も回避することができる。
表1に使用回数に応じた最大負荷電流に対する補正の例を示す。
Figure 2007047102
一実施の形態における補正を考慮した電池残容量検知回路を含む携帯電子回路である。 一実施の形態における補正の効果をグラフ化したものである。
符号の説明
101 電源(電池)
102 定電圧回路
103 残量検知回路
104 制御回路
105 A/D変換回路
106 記憶装置
107 演算回路
108 比較回路
109 表示回路
110 モーター
111 スイッチ1
112 スイッチ2
113 ダミー負荷
114 分圧抵抗
115 カウンタ
116 A/D変換回路
117 温度計
118 センサ
119 シャッタ

Claims (2)

  1. 電源に電池を使用して、機構を駆動する電気機器であって、
    前記機構の動作回数をカウントするカウンタと、
    前記カウンタによってカウントされた前記機構の動作回数を記憶するメモリと、
    前記メモリに記憶される前記機構の動作回数に基づいて、前記電池の残り容量を演算する演算手段とを有することを特徴とする電気機器。
  2. 前記機構の周辺温度を計測する温度計測手段を有し、前記演算手段は前記温度計測手段の計測結果に基づいて、前記電池の残り容量を演算することを特徴とする請求項1に記載の電気機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112007001546T5 (de) 2006-06-29 2009-05-07 Nsk Ltd. Stufenlose Toroid-Getriebeeinheit
JP2018054574A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社ニコン エンコーダ装置、駆動装置、ステージ装置、及びロボット装置
JP2018109532A (ja) * 2016-12-28 2018-07-12 富士通株式会社 電流積算量計測装置、電池残量計測装置、電子機器制御システム及び電流積算量計測方法

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