JP6926384B2 - バスダクト配電システム - Google Patents

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Description

本発明は、バスダクト配電システムに関し、例えば、サーバーラック等の什器に載置されるバスダクト幹線を構成する母線導体の接続の信頼性を向上させる構造の接続部を備えたバスダクト配電システムに関する。
バスダクトによる配電システムは建築物の電気幹線として広く利用されている。バスダクトは、建築物に固定して利用されるため、配設される建築物内での配設ルートに沿って直線バスダクトや、L字形状に形成された変形バスダクト等を接続部材によって適宜組み合わせて利用されている。
バスダクトは、主に、母線導体とそれを内包するハウジングとにより構成されており、基本的には変形が起きないように配設されて利用されている。一方で、バスダクトそのものの変形を想定すべき要素もある。例えば、バスダクト自体の温度変化によってバスダクトに伸縮が発生し、特に延設される長手方向にその影響が顕著に現れる。そのため、バスダクトは、単純に所定の長さで施工した場合に、温度変化の影響による伸縮によってバスダクト自体に変形・破壊が起きる虞があるというリスクを抱えている。
上記のリスクに対応できる構造のバスダクトが特許文献1に開示されている。特許文献1には、バスダクトの長さ方向に伸縮可能なジョイント構造が開示されている。この構造によれば、バスダクトがその延設される長さ方向に伸縮しても、一定の長さを限界値として当該伸縮を吸収することができる。
特開2007−295742号公報
ところで、近年ではデータセンターでのバスダクトの活用も広がりを見せている。例えば、バスダクトは、建築物内に設置されたサーバーラックに固定して配設され、サーバーラックに収容されている装置への配電に利用されている。この場合、バスダクトは、サーバーラックを基礎として支持を受けることになる。また、バスダクトの支持基盤となるサーバーラックは、建築物に比して柔軟な構造物である。一方、バスダクトは、可動性を極力排除した構造物である。そのため、例えば、地震等による振動によってサーバーラックが振動し歪みを生ずる場合に、バスダクトにも、その歪みに起因する作用が伝搬してバスダクト自体に傾きが発生する場合があり、バスダクトの構造上相対的に弱い箇所(例えば接続部等)に想定以上の大きさの負荷がかかり、接続不良が発生して不具合を引き起こす虞がある。
また、サーバーラックは地震の際、その本体の底面と天面とでは振動の様子が異なる同一性のない挙動を示す傾向があり、上述した歪みに起因する接続部への負荷は不特定の方向に発生する虞がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ラック等に支持を受けて配設されるバスダクト配電システムであって、より接続信頼性の高いバスダクト配電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、床上に列設されているラックに、複数のバスダクトを接続部で接続したバスダクト幹線が配設されているバスダクト配電システムであって、複数の前記バスダクトには、略水平方向に配設された水平バスダクト及び略鉛直方向に配設された鉛直バスダクトが含まれ、前記水平バスダクトは、前記列設されたラックに上載されて支持され、前記鉛直バスダクトは、前記列設されたラックの側面に沿って配置され、前記バスダクト幹線は、前記水平バスダクトと前記鉛直バスダクトとを電気的に接続する変形部を有し、前記バスダクト幹線のなかの前記変形部または前記変形部の近くの部位に変形可能な導体が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、地震等による振動を受けたラックに歪みが生じてラックの側面が傾き、バスダクトがこれに追従して傾いても、変形部または変形部の近くの部位に設けられた「変形可能な導体」が変形して、傾きに起因する負荷を吸収する。その結果、本発明によれば、バスダクト幹線の接続部に想定以上の大きさの負荷がかかることが防止され、接続部で接続不良が発生する可能性が軽減される。すなわち、本発明によれば、接続部の信頼性がより高いバスダクト配電システムが提供される。
この構成によれば、別途建築物からの支持を得るための工事が不要となるため簡易かつ低コストでのバスダクトの施工が可能となる。
また、前記変形可能な導体が可撓導体であることが望ましい。
この構成によれば、既存の部材によって変形可能な導体を構成可能であるため、低コストでの実施が可能となる。
また、前記変形可能な導体が略平板状の母線導体を長手方向に変形させて所望の角度に変形させた母線導体であることが望ましい。
この構成によれば、変形部の導体を別部材で構成する必要がないため、低コストで変形可能な導体を得ることができる。
また、前記複数のバスダクトは複数の母線導体を内包してなり、複数の前記母線導体のそれぞれに前記変形可能な導体が固定されており、隣り合う前記母線導体に固定されている前記変形可能な導体同士が、前記母線導体の厚さ方向に並列しないで配置されていることが望ましい。
この構成によれば、変形可能な導体を内包するハウジングをコンパクトに設計することが可能となる。
本発明によれば、ラック等に支持を受けて配設されるバスダクト配電システムであって、地震等に起因する振動によってラック等が変形してバスダクトが不特定の方向に傾いても、接続部に傾きに起因する負荷が伝搬しないため、より接続信頼性の高いラック等に配設されるバスダクト配電システムが提供可能となる。
本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムの全体構成を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の鉛直バスダクトと、ラックの天面に配設された水平バスダクトとを接続する変形バスダクトの構造を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の鉛直バスダクトと、床下に配設された水平バスダクトとを接続する変形バスダクトを示した模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の水平バスダクトと、変形バスダクトとを接続する接続部分の構成を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の導体同士を接続する接続部材を説明するための模式図であり、バスダクトの導体間に接続部材が取り付けられる前の状態を示している。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線を構成する導体同士を接続する接続部材を説明するための模式図であり、バスダクトの導体間に接続部材が取り付けられた状態を示している。 本発明の第1実施形態のサーバーラックが振動を受けた際の変形動作を説明するための模式図であり、(a)が振動を受けていないときのサーバーラックの状態を示した模式図であり、(b)が振動を受けたときのサーバーラックの状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のサーバーラックが振動を受けて変形動作したときの変形バスダクトの内部の導体の状態を説明するための模式図であり、(a)が振動を受けていないときの導体の状態を示した模式図であり、(b)が振動を受けているときの導体の状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第1変形例を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第2変形例を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第3変形例を説明するための模式図である。 図11に示す第3変形例において、可撓導体部と鉛直母線導体部とを締結手段で締結した様態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第4変形例を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第5変形例を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト幹線の導体同士の接続構造の第1変形例を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト幹線の導体同士の接続構造の第2変形例を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクト幹線を構成する導体のなかの変形可能な導体の他の構成例を説明するための模式図であり、(a)が変形可能な導体部が形成される前の平板状の導体を示した模式図であり、(b)が変形可能な導体部が形成された状態を示した模式図である。 本発明の第2実施形態のバスダクト配電システムの全体構成を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線のラック上に設置された水平バスダクトと、変形バスダクトとの接続部分の構造を示した模式図である。 本発明の第2実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の天井裏に設置された水平バスダクトと変形バスダクトとの接続部分の構造を示した模式図である。 従来技術のラックに支持を受けて配設されるバスダクト配電システムを説明するための模式図である。 従来技術のバスダクト配電システムのサーバーラックが振動を受けて変形動作したときの変形バスダクトの内部の導体の状態を説明するための模式図であり、(a)が振動を受けていないときの導体の状態を示した模式図であり、(b)が振動を受けているときの導体の状態を示した模式図である。 従来技術のバスダクト配電システムのサーバーラックが振動を受けて変形動作したときのバスダクト幹線の突き合わせされた導体同士のねじれ状態を説明するための模式図である。 従来技術のバスダクト配電システムのサーバーラックが振動を受けて変形動作したときのバスダクト幹線の変形バスダクトと水平バスダクトとの接続部分の変形動作を説明するための模式図であり、(a)が振動を受けていないときの接続部分の状態を示した模式図であり、(b)が振動を受けているときの導体の接続部分の状態を示した模式図である。
以下、本発明の実施形態(第1、第2実施形態)のバスダクト配電システムについて図面に基づいて説明する。なお、本発明のバスダクト配電システムは、以下の実施形態及びその変形例に限定されるものではない。
《第1実施形態》
先ず、本発明の第1実施形態のバスダクト配電システムの概略構成について図1〜3を参照しながら説明する。
ここで、図1は、第1実施形態のバスダクト配電システムの全体構成を説明するための模式図である。図2は、第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の鉛直バスダクトと、ラックの天面に配設された水平バスダクトとを接続する変形バスダクトの構造を説明するための模式図である。図3は、第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の鉛直バスダクトと、床下に配設された水平バスダクトとを接続する変形バスダクトを示した模式図である。
図1に示すように、バスダクト配電システムWは、建築物の床面FLに列設されているサーバーラック1(以下、単に「ラック1」という)に配設されたバスダクト幹線100を備えている。バスダクト幹線100は、図示しない電源部に接続され、ラック1の内部に収容されているサーバー等の電子機器に対して電力供給を行うようになっている。
上記のバスダクト幹線100は、複数のバスダクト(水平バスダクト110、鉛直バスダクト120、変形バスダクト130)を接続部材50(図2、3参照)で接続することにより構成されている。また、ラック1に配設されるバスダクト幹線100は、少なくとも、「略水平方向に配設されている水平バスダクト110」及び「略鉛直方向に配設されている鉛直バスダクト120」のうちのいずれか一方がラック1に支持・固定されるようになっている。
なお、図示されるバスダクトは空気絶縁型であるが、絶縁密着型のものでも良く、母線導体が各相毎に複数段設けられる多段構成のものでもよい。
また、水平バスダクト110及び鉛直バスダクト120は、いずれも、両端が貫通している矩形筒状(側面視矩形状)のハウジング20aと、ハウジング20aに内包(例えば、ハウジング20aの内部に収容)されている「4線の送電用の導体(母線導体)10」とを有している。4線の導体10は、いずれも、矩形板状に形成されており、相互に離間され且つ並設された状態で、ハウジング20aの内部に支持・固定されている。ハウジング20aに導体10を支持・固定する構成について特に限定されるものではないが、例えば、導体10がハウジング20aに取り付けられた絶縁性支持部材等(図示せず)により支持・固定されていてもよい。
また、変形バスダクト130は、水平バスダクト110と鉛直バスダクト120とを電気的に接続するためのものであり、L字状に屈曲した形状になっている。
具体的には、図2、3に示すように、変形バスダクト(変形部)130は、両端が貫通しているL字筒状(側面視L字状)のハウジング20bと、ハウジング20bに内包(例えば、ハウジング20aの内部に収容)されている「4線の接続用の導体(母線導体)11」とを有している。4線の導体11は、いずれも、L字形板状に形成されており、相互に離間し且つ並設された状態で、ハウジング20bの内部に支持・固定されている。ハウジング20bに導体11を支持・固定する構成について特に限定されるものではないが、例えば、導体11がハウジング20bの内部に取り付けられた絶縁性支持部材等(図示せず)により支持・固定されていてもよい。
また、変形バスダクト130の導体11は、その一端部が接続部材50を介して水平バスダクト110の導体10の一端部と電気的に接続され、その他端部が接続部材50を介して鉛直バスダクト120の一端部と電気的に接続されるようになっている。なお、4線の導体11は、それぞれ、水平バスダクト110(或いは鉛直バスダクト120)の接続対象となる導体10に接続されている。
また、変形バスダクト130のハウジング20bは、その一端部が水平バスダクト110のハウジング20aの一端部に固定され、その他端部が鉛直バスダクト120のハウジング20aの一端部に固定されている。
また、変形バスダクト130の導体11には、可撓導体部(変形可能な導体)30が設けられている(図2、3参照)。具体的には、導体11は、水平方向(図中のY方向)を長手に延設された水平母線導体部11aと、鉛直方向(図中のZ方向)を長手に延設された鉛直母線導体部11bと、可撓導体部30とを有している。図2に示す例では、可撓導体部30は、その一端部が水平母線導体部11aの一端部に接続され、その他端部が鉛直母線導体部11bの一端部に接続されている。また、図3に示す例では、可撓導体部30は、2つの鉛直母線導体部11bの間に設けられている。
また、可撓導体部30は、例えば、平編組線を1枚または数枚重ね合わせて形成された可撓導体により形成されている。また、図2、3に示すように、第1実施形態では、可撓導体部30は、L字形板状に形成され導体11の角部近傍に形成されている。なお、変形バスダクト130の構成は、後段で詳細に説明する。
このように、第1実施形態の構成によれば、地震等によりラック1が振動を受けて歪みが生じてラック1が傾き、バスダクト幹線100がこれに追従して傾いても、可撓導体部30が変形するため、傾きに起因する負荷が吸収される。その結果、第1実施形態によれば、バスダクト幹線100のなかの接続部(接続部材50により接続されている接続部分)に想定以上の大きさの負荷がかかることが防止され、接続部で接続不良が発生する可能性が軽減される。すなわち、第1実施形態によれば、接続部の信頼性がより高いバスダクト配電システムWが提供される。
次に、第1実施形態のラック1の構成と、ラック1に配設されるバスダクト幹線100の配置について、図1〜3を参照しながら説明する。
ラック1は、底面1aと、底面1aから立設する4つの側面1bと、底面1aと相対向する天面1cとを備えた略方体の中空箱状に形成されている。例えば、データセンター等の建築物・内部の床面(設置面)FLに複数のラック1が隣接して列設されている。また、隣接して列設されているラック1同士の天面1cの端部は、取付部材3によって固定されている。
取付部材3は、ラック1の奥行方向(図中のX方向)に長手のチャネル部材(断面視ハット状に形成された略凸状のチャネル部材等)で構成されている。
具体的には、取付部材3は、矩形板状の取付面(上面)3aと、取付面3aの左右両側から一方(下方)に向けて直角に折れまがって延設されている1対の側部3bとを有している。また、一対の側部3bは、それぞれ、その一端部(下端部)に、相互に離間する方向に延びる(側部3bに対して直角に折れ曲がって延設される)載置面3cが形成されている。
上記の取付部材3は、一対の載置面3cが隣接するラック1の各々の天面1cに載置されて架け渡され、載置面3cと各ラック1の天面1cがボルト等の締結手段によって固定されている。また、取付部材3が天面1cに取付けられると、取付面3aが載置面3cよりも上方の位置(図中のZ方向の相対的に高い位置)に配置される。また、取付面3aは、ラック1の幅方向(図中のY方向)に延びる幅寸法を有して形成されており、バスダクト幹線100が載置される。
図1に示す例では、取付部材3の取付面3aに、バスダクト幹線100を構成する水平バスダクト110が略水平に載置され、固定金具7によって固定されている。固定金具7は、上記のチャネル部材を長手方向に輪切りにした形状の部材(凸型金具等の部材)であり、凸形状を形成する空間部分に水平バスダクト110が収まる寸法となっている。また、固定金具7は、両端部の面が取付部材3の頂部である取付面3aに相対して接し、ボルト締めされている。
固定金具7は取付面3aへの取り付け部分となる両端部の面を一体として構成した部材を例示しているが、これに限るものではなく、例えば、バスダクト端部に係る係止構造と取付面3aへの取付面を有する部材を1対用意し、バスダクトの両端部を各々係止して固定する構成としてもよい。
また、図1では取付面3aのY方向奥側で固定金具7の両端部の面を固定しているが、取付面3aのY方向中心付近または手前側で固定してもよい。
なお、複数のラック1を列設して構成されるラック列の端部(図1に示す最右端のラック1の右端部)には、断面視コの字状のチャネル部材で構成された取付部材3が設置されている。
また、水平バスダクト110が固定される取付部材3は、図中のY方向所定寸法を有するラック1の端部に設けられる。そのため、水平バスダクト110は、ラック1の天面1cを基礎とした固定を所定寸法で得ることになり、ラック1の天面1cに一体となって固定され配設される。
なお、水平バスダクト110は、ラック1の天面1cに直接載置されてもよく、天面1cから支持を得ていれば天面1cよりも上下方向(図中のZ方向)で低い位置に配置されてもよく、また、天面1cの面上からはみ出して支持されていてもよい。 また、前述の取付部材3は略凸状のチャネル部材、コの字状のチャネル部材を例示しているが、ラックを支持する機能を果たすものであればどのような形状のものでもよく、例えばロの字状のチャネル部材であってもよい。
また、チャネル部材の配置は自在であり、例えばラック列の端部に限らない任意の位置にコの字状のチャネル部材を設けてもよい。
複数のラック1を列設して構成されるラック列の端部には水平バスダクト110の端部が配置されている。また、上記のラック列の端部のラック1の側面1bには、鉛直方向(図中のZ方向)に延びる鉛直バスダクト120が配設されている。
この鉛直バスダクト120は、ラック列の端部のラック1の側面1bに対して、図示しない取付金具によって固定され、当該ラック1に支持されている。なお、鉛直バスダクト120は、ラック1の側面1bに支持を受けることなく、床面FL等に固定され立設されてもよい。
また、上記のラック列の端部のラック1に配設されている水平バスダクト110は、変形バスダクト130を介して、ラック列の端部のラック1の側面1bに配設されている鉛直バスダクト120と接続されている(図1、2参照)。
また、鉛直バスダクト120は、床面FLに設けられた貫通孔THに挿通されている変形バスダクト130を介して、床面FLよりも下方の床下(床面よりもZ方向で低い位置)に配設される水平バスダクト110に接続されている(図1、3参照)。この床下のバスダクト110は電源(図示せず)へと接続されている。
なお、床下に配設されているバスダクト110は、電源(図示せず)に接続されるように配設されていれば良く、床面FLより相対的に上方の位置(Z方向上部の位置)に設けられていてもよい。
また、各ラック1に収納されているサーバー等の電子機器への負荷分岐は、例えば、分岐装置5(図1参照)によって行うことができる。分岐装置5は、箱体部5aと、箱体部5aに支持されている分岐導体5bと、分岐導体5bに接続されている引き込み線(電線)5cとを有している。なお、箱体部5aの下端部から分岐導体5bの一端部が突出している。
また、水平バスダクト120には、所定間隔でプラグインホール20a1が設けられている。このプラグインホール20a1に対して、分岐装置5から突出している分岐導体5bの一端を挿入し、水平バスダクト110のハウジング20a1に内包される導体(母線導体)10と接触させて電気的に接続する。
また、分岐導体5bに接続された引き込み線5cを各ラック1の天面1cに設けられた図示しない孔に挿通し、各ラック1内に収容された電子機器の端子に接続することにより、当該電子機器に対する給電がなされる。
次に、水平バスダト110(及び鉛直バスダクト120)に接続される変形バスダクト130の構成について、上述した図2と、図4を参照しながら説明する。
なお、図4は、第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の水平バスダクトと、変形バスダクトとを接続する接続部分の構成示した模式図である。
図示するように、水平バスダクト110の導体10は、接続部材50を介して変形バスダクト(変形部)130の導体11の水平母線導体部11aに電気的に接続される。また、図中ではハウジング20a、20bに覆われていて見えないが、鉛直バスダクト120の導体10についても、水平バスダクト110と同様、接続部材50を介して変形バスダクト(変形部)130の導体11の鉛直母線導体部11bに電気的に接続される。これにより、水平バスダクト10と、鉛直バスダクト120とが変形バスダクト(変形部)130を介して電気的に接続される。なお、接続部材50の構成は後述する。
また、上記の変形バスダクト130は、水平部分と鉛直部分とを有する略L字状に構成された中空筒状のハウジング20bを備えている。ハウジング20bの水平部分の内部には、水平方向(図中のY方向)を長手に延設された導体で形成された水平母線導体部11aが収容されている(4線の水平母線導体部11aが収容されている)。また、ハウジング20bの鉛直部分の内部には、鉛直方向(図中のZ方向)を長手に延設された導体で形成された鉛直母線導体部11bが収容されている(4線の鉛直母線導体部11bが収容されている)。この水平母線導体部11a及び鉛直母線導体部11bを構成する導体は、水平バスダクト110及び鉛直バスダクト120の導体10と同じものである。
また、4線の水平母線導体部11aは、それぞれ、その端部近傍に対して可撓導体部(変形可能な導体)30が下方向(図中のZ方向下向き)に垂らす形で取り付けられている。また、4線の鉛直母線導体部11bは、それぞれ、その端部(上端部)近傍に対して、水平母線導体部11aに取り付けられた可撓導体部(変形可能な導体)30の下端部が取り付けられている。
第1実施形態では、水平母線導体部11a(及び鉛直母線導体部11b)に可撓導体部30を取り付ける構成について特に限定しない。例えば、可撓導体部30の長手方向の両端部に板状の端子部(図示せず)を設けておき、可撓導体部30の一方の端子部と水平母線導体部11aとをボルト等で締結することにより、水平母線導体部11aの端部近傍に可撓導体部30を取り付けるようにしてもよい。この場合、可撓導体部30の他方の端子部と鉛直母線導体部11bとをボルト等で締結することにより、鉛直母線導体部11bの端部近傍に可撓導体部30を取り付ける。
なお、水平母線導体部11a(及び鉛直母線導体部11b)と可撓導体部30との接続はボルト等による締結手段以外の手段(リベット等によるかしめ、溶接、熱圧着等の手段)によって固定されてもよい。
また、可撓導体部30のバスダクト長さ方向の寸法について、各図では同一のものを例示しているがこれに限るものではなく、各線について任意の長さの可撓導体部30を設けてもよい。
また、可撓導体部30と水平母線導体部11a(及び鉛直母線導体部11b)との固定部分の近傍では絶縁性の部材(図2、4には示さず)によって隣接する導体同士の十分な絶縁が確保されている。すなわち、可撓導体部30が変形しても、隣接して配置されている導体11(水平母線導体部11a、可撓導体部30及び鉛直母線導体部11bを備えた導体11)に電気的接続がなされないように絶縁が確保されている。
絶縁性の部材については、可撓性のある部材を可撓導体部30に巻き付けてもよいし、略平板状の板を各線の可撓導体部30間に挿し込んで保持した形でもよく、十分な各導体間の絶縁が取れる構造であればどのようなものでもよい。
次に、バスダクト(水平バスダクト110、鉛直バスダクト120、変形バスダクト130)同士を接続するための接続部材50について、上述した図2及び図4と、図5及び図6とを用いて説明する。
ここで、図5、6は、第1実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の導体同士を接続する接続部材を説明するための模式図である。なお、図5、6では、接続部材50の内部の構造を判りやすくするため、手前側(X方向手前側)に配置されるカバー部材51及び接続導体52を省略している。
接続部材50は、母線導体同士(「母線導体10と母線導体10」、或いは「母線導体10と母線導体11」)を電気的に接続するための接続導体52と、接続導体52に設けられた母線導体(導体10、11)との接触部52a1と、接続導体52を2枚一組として互いに引き合う方向に付勢して挟着する挟着手段53と、母線導体の各線ごとに挟着した接続導体52を収納して互いに絶縁するカバー部材51とを有している。
上記の接続部材50は、各線(母線導体(導体10、11))ごとに絶縁性樹脂材料の成形品による「カバー部材51」と、図示されない支持部材によって支持される「接続導体52」及び「挟着手段53」とを有する構造を1単位のユニットとしている。接続部材50は、バスダクト(水平バスダクト110、鉛直バスダクト120、変形バスダクト130)の母線導体(導体10、導体11)の線数に対応して1線当たり2つの接続手段(2枚の接続導体52と1つの挟着手段53とで構成された接続手段)をカバー部材51に内包し、4単位のユニットを一体として1つの接続部材50を構成している。カバー部材51は、樹脂成形品に限らず絶縁性を有するものであればどのような材質によって構成されてもよい。
また、上記の接続導体52は、矩形板状の本体部52aと、本体部52aの長手方向の両側から略直角方向に屈曲し延設された「1対の脚片52b」とを備えた断面視で略コの字状に形成されている。本体部52aの上面には、2つの接触部52a1(矩形板状の接触部52a1)が設けられている。
また、各線(母線導体(導体10、11))ごとに設けられるカバー部材51は、互いに相対向して配置されている「1対の側壁部(矩形平板状の側壁部)51a」を備えている。また、カバー部材51には、一方の側壁部51aの一方面(他方の側壁部51aとの対向面)から他方の側壁部51の一方面(一方の側壁部51aとの対向面)まで、側壁部51aの一方面を基準にして直角に延びる「3片の絶縁片部51b1、51b2、51b3」が所定寸法離間した状態で並設して形成されている。
側壁部51aは絶縁片部51b1との交点より外方に端部が延設され、かつ絶縁片部51b3との交点より外方に端部が延設されているため、ハウジング(20a、20b)から所定距離が保たれるようになっている。
第1実施形態では、側壁部51aの上端部近傍部(図中のZ方向における上方側)に絶縁片部51b1が形成され、側壁部51aの中心部(図中のZ方向の中心部)に絶縁片部51b2が形成され、側壁部51aの下端部近傍部(図中のZ方向における下方側)に絶縁片部51b3が形成されている。
そして、側壁部51aの一方面のなかの、絶縁片部51b1及び絶縁片部51b2により仕切られている部位と、絶縁片部51b3及び絶縁片部51b2により仕切られている部位とに、それぞれ、接続導体52が配置されている。
また、絶縁片部51b2、51b3は、その両端部に長方形に切欠いた「差込みスリット51c」が設けられており、平面視で略H形平板状に形成さている。この差込みスリット51cに、接続対象となる母線導体(導体10、11)の端部が挿入される。絶縁片部51b1は差込みスリット51cよりも浅いスリット51d(図5、6参照)を両端部に有し、絶縁片部51b3側から挿入された母線導体の端部が絶縁片部51b1に当接して、それ以上の差込を妨げるようになっている。縁片部51b1はスリット51dを設けない略方形としてもよい。
また、挟着手段53は、締結するためのボルト・ナットと、ボルトに接続導体52とともに挿通されて接続導体52を付勢する板バネ部材によって構成されている。挟着手段53は、ボルト・ナットによる固定に限定するものではなく、対となる接続導体53を互いに引き合う方向に付勢して保持する構造であればどのような構造であってもよい。
なお、第1本実施形態では、バスダクトが4線であるため、接続部材50が4単位のユニットを一体としているが、3線、5線、或いはその他の線数のバスダクトに対しても、その線数に応じたユニットを一体とした構成でもよく、また、各ユニットを一体とせずに、各線の母線導体各々に対して接続箇所を設けて1単位のユニットにより接続する構成でもよい。
次に、上記のように形成された接続部材50により、バスダクト(水平バスダクト110、鉛直バスダクト120、変形バスダクト130)同士を接続する手順について説明する。
具体的には、接続するバスダクト同士の端部の図示しないハウジング20a、20bを固定手段によって連結すると、母線導体(10、11)同士はその端部を突き合わせてY方向所定間隔を隔てた状態となり、ちょうど図5に示すように配置される。
そして、接続部材50を所定位置に配置された母線導体(10、11)に対して下方(Z方向下側)に移動させ、差込みスリット51cに母線導体(10、11)を通して接続部材50内部に差し込み、図6に示すように配置して挟着手段53のボルトを締めて締結することで、母線導体(10、11)と接続導体52の接触部52a1とが接触して電気的な接続が得られ、対となる母線導体同士の電気的な接続が実現される。
次に、地震等の振動によりラック1が傾いたときのバスダクト配電システムWの動作について、図7、8と、従来技術の構成を示した図21〜24とを用いて説明する。
ここで、図7は、第1実施形態のラック1が振動を受けた際の変形動作を説明するための模式図である。図8は、第1実施形態のラック1が振動を受けて変形動作したときの変形バスダクト130及び水平バスダクト110の内部の導体の状態を説明するための模式図である。
また、図21は、従来技術のラック1に支持を受けて配設されるバスダクト配電システムを説明するための模式図である。図22は、従来技術のバスダクト配電システムのラック1が振動を受けて変形動作したときの変形バスダクト及び水平バスダクトの内部の導体の状態を説明するための模式図である。図23は、従来技術のバスダクト配電システムのラック1が振動を受けて変形動作したときのバスダクト幹線の突き合わせされた導体同士のねじれ状態を説明するための模式図である。図24は、従来技術のバスダクト配電システムのラック1が振動を受けて変形動作したときのバスダクト幹線の変形バスダクトと水平バスダクトとの接続部分の変形動作を説明するための模式図である。
第1実施形態のラック1は、図7(a)に示すように、底面1aと側面1bと天面1cによって構成される略方体の構造物であり、通常、床面FLにその底面1aを配置し、側面1bが底面1aから鉛直方向に立ち上がって天面1cを支持している。
地震等の要因によってラック1に振動が生じると、その底面1aは概ね床面FLと同様の振動の挙動を示すが、天面1cは床面FLとは異なる振動の挙動を示す場合がある。そのような場合、図7(b)に示す歪みがラック1本体に生じることになる。この歪みが発生した場合にラック1の側面1bは傾く動作を取る。また、振動は不特定の方向に発生し得るものであるからラック1の側面1bが不特定の方向に傾き得るが、ラック1の幅方向(図中のY方向)にはラック1同士が隣合わせで列設されているため、ラック1の奥行き方向(図中のX方向)の傾き量が最も大きくなる可能性が高い。第1実施形態の説明においては、説明を判りやすくするためX方向の傾きを前提にする。
そして、ラック1に上述の歪みが発生した場合、ラック1に支持を得ているバスダクト幹線100も歪みに起因する作用を受けるが、水平バスダクト110と鉛直バスダクト120とで、歪みに起因して受ける作用の影響が異なってくる。
水平バスダクト110は、ラック1の天面1cに載置されて固定されているため、その振動の挙動は天面に追従したものとなる。具体的には、床面FLの平行をなす平面内(図中の略XY平面内)の任意の方向について並行移動する挙動であり、水平バスダクト110がこれに追従しても歪みの作用を受けることはない。
一方、鉛直バスダクト120は、ラック1の側面1bに固定されて支持を得ているため、その振動の挙動はラック1の側面1bの傾き動作に追従したものとなる。具体的には略鉛直に設けられた側面1bが、図7(b)に示す傾きを生じ、この傾きに追従して鉛直バスダクト120自体も傾く。
そして、バスダクト(水平バスダクト110、鉛直バスダクト120)内部の母線導体10は、所定の厚さを保った1枚の金属板であるから、その剛性は非常に高く、工作機械等で意図的な負荷をかけない限りは、通常発生しうる応力等で変形することはまずない。そのため、バスダクト(水平バスダクト110、鉛直バスダクト120)自体の傾きに対して、母線導体自体も追従して傾きを生ずることになる。
尚、鉛直バスダクト120は側面1bから固定を得ていなくともよく、例えば、床面FLから支持を受ける構成としてもよい。この場合、ラック1の天面1cから固定を受けた水平バスダクト110と鉛直バスダクト120の一端とが変形バスダクト130を介して接続されているから、この鉛直バスダクト120の端部はラック1の天面1cの動作に追従するが、他端では鉛直バスダクト120は床面FLに支持されているから、床面FLの動きに追従する。従って、側面1bから固定を得ていない場合も、鉛直バスダクト120は前述のラック1の側面1bの傾きと同様に傾く。
ここで、図21〜24に示す従来技術と対比して、第1実施形態のバスダクト配電システムの作用効果を説明する。
図21に示すように、従来技術のバスダクト配電システムは、ラック1の天面1cに配設された水平バスダクト110と、ラック1の側面1bに配設された鉛直バスダクト120(図中では省略)と、水平バスダクト110及び鉛直バスダクト120(図中では省略)を接続する変形バスダクト330とを備えている。この変形バスダクト330は、導体11に可撓導体部30が設けられていない点以外の構成は、第1実施形態の変形バスダクト130と同じである。すなわち、変形バスダクト330の導体(母線導体)11は、水平母線導体部11aと、水平母線導体部11aの一端部から鉛直方向に延設される鉛直母線導体部11bとを有する構成になっている。
この従来技術の構成では、ラック1が振動を受けてバスダクト幹線100が傾いた場合、図22(a)に示す状態から図22(b)に示す状態に遷移し、すなわち、ラック1の奥行き方向(X方向)に母線導体11が傾いて倒れる挙動をとる。
具体的には、図21の従来技術では、水平バスダクト110の導体(母線導体)10の端部と、変形バスダクト330の導体11の端部は、接続部材50によって固定されているが、振動時には水平バスダクト110の導体10がラック1の奥行き方向(X方向)の傾きを生じない。一方で、この従来技術は、鉛直バスダクト120の導体10に傾きが生じるから、接続部材50の挟持する対となる導体同士の位置関係に捻じれが生じる。図23に示すように、水平バスダクト110と変形バスダクト330との接続部分では、水平バスダクト110の導体10に対して、変形バスダクト330の導体11の水平母線導体部11aの端部が捩れた状態になる。
上記のように捻じれ状態になった変形バスダクト330の導体11の水平母線導体部11aは、接続部材50の挟持手段53による挟持力に抗して対となる接続導体52を離間させる方向に力を作用させる。その結果、接続部材50により接続されている接続部分が、図24(a)に示す状態から図24(b)に示す状態に遷移して、接続導体52の接触部52a1と導体11の水平母線導体部11a(鉛直母線導体部11bからの歪みの伝播を受けた水平母線導体部11a)とが十分に接触しない、または完全に離間して接触が得られない状況が生じ得る。すなわち、従来技術のバスダクト幹線では、バスダクトの構造上相対的に弱い箇所(例えば接続部等)に想定以上の大きさの負荷がかかり、接続不良が発生する虞がある。
図21に示す従来技術に対して、第1実施形態のバスダクト配電システムでは、変形バスダクト130の導体11に可撓導体部30が形成されている。この構成によれば、地震等によりラック1が振動を受けて歪みが生じてラック1の側面1bが傾き、バスダクト幹線100がこれに追従して傾いても、可撓導体部30が変形するため、傾きに起因する負荷が吸収される。その結果、図8に示すように、変形バスダクト(変形部)130の水平方向の水平母線導体部11aは、鉛直方向の鉛直母線導体部11bからの歪みの伝播を受けないから、水平バスダクト110と、変形バスダクト(変形部)130の接続部分は、通常状態に保たれて接続不良を回避することが可能となる。
なお、変形バスダクト(変形部)130のハウジング20bについては鋼板による通常のハウジング構造としても良いし、可撓性のある被覆物によって覆う構造としても良い。特にデータセンターでは、不測の事態においても電子機器に対して給電可能であることが重要であり、バスダクトの母線導体(導体10、11)相互の接続不良を可能な限り回避することが肝要であるから、ハウジング20b自体は母線導体の接続を悪化させないものであればどのような設計を適用してもよく、従来の変形部と同一の設計によるハウジングによってもよく、構造的に可動域のあるハウジングを用意してもよいし、可撓性のある部材で覆う形でもよい。
また、ラック1の側面1bの傾きの方向は、ラック1の幅方向(図中のY方向)にも同ように発生し得て、これについても可撓導体部30がその作用を吸収可能である。また、鉛直方向(図中のZ方向)に変位が発生しても同様であり、第1実施形態によって任意の方向のラック1の歪みに起因するバスダクト幹線100の傾きに対して、可撓導体部30で傾きを吸収することが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第1実施形態によれば、ラック1等に支持を受けて配設されるバスダクト配電システムWであって、より接続信頼性の高いバスダクト配電システムWを提供することができる。
なお、本発明は、上述した第1実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、上述した第1実施形態では、変形バスダクト130の導体11の角部近傍に可撓導体部(変形可能な導体)30を設けたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、可撓導体部30の配置は、変形バスダクト(変形部)130、または変形バスダクト(変形部)130の近くであればどのような配置関係に設計してもよい。特に変形部の近くであり、本発明の効果を奏するものであれば、可撓導体部30をどのような配置にしてもよい。例えば、可撓導体部30が水平バスダクト110(或いは鉛直バスダクト120)の導体10に設けられていてもよい。
また、例えば、可撓導体部30は、図9に示すように、変形バスダクト130の導体11の水平母線導体部11aに、ラック1の幅方向(図中のY方向)同位置となるように、並べて配置されていてもよい。
なお、図9は、第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第1変形例を説明するための模式図である。
また、例えば、可撓導体部30は、図10に示すように、変形バスダクト130の導体11のうち水平母線導体部11aおよび鉛直母線導体部11bに交互に設けられていてもよいし、複数線の母線導体のうち少なくとも1線の可撓導体部30が他の線とは水平・鉛直の別で異なって配置されてもよい。また、例えば、可撓導体部30は、図11に示すように、隣接する導体11の可撓導体部30に対して、鉛直方向(図中のZ方向)に所定距離をずらした千鳥状に配置されていてもよい。また、複数線の導体のうち少なくとも1線の可撓導体部30がずれて設けられていてもよく、すなわち、可撓導体部30が導体11の厚さ方向に並列しないで配置されていてもよい。
なお、図10は、第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第2変形例を説明するための模式図である。また、図11は、第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第3変形例を説明するための模式図である。
特に、上述した図11のように構成すると、以下で説明するように、既存のハウジング20bで確保される空間内に可撓導体部30を収めることが可能となる。
具体的には、可撓導体部30と、鉛直母線導体部11b(又は水平母線導体部11a)とは、ボルト等の締結手段70によって一体とされて固定される。そのため、締結手段70たるボルト分の空間と可撓導体部30を配置した部分の絶縁性確保のための絶縁性部材60が必要となるが、図11に示すように千鳥状に可撓導体部30を配置することでボルトに占められる空間がZ方向でずれるため、図12に示すように、既存のハウジング20bで確保される空間内に可撓導体部30を収めることが可能となり、その結果、簡易かつ低コストに可撓導体部30が導入可能となる。
なお、図12は、図11に示す第3変形例において、可撓導体部30と鉛直母線導体部11bとを締結手段70で締結した様態を示した模式図である。
また、可撓導体部30を接続部材50に接続して一体としてもよい。例えば、図13に示すように、可撓導体部30の一方の端部を接続部材50と接続させて他方の端部を鉛直母線導体部11bと接続させてもよい。
なお、図13は、第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第4変形例を説明するための模式図である。
また、図14に示すように、可撓導体部(変形可能な導体)30の両端部を接続部材50と接続してもよい。このような構成を取ると簡易に可撓部材を取り付けることができるため、施工性が向上する。この場合、変形バスダクト130を設ける必要がなく、可撓導体部(変形可能な導体)30自体が変形部を構成する。
なお、図14は、第1実施形態のバスダクト配電システムの変形部の第5変形例を説明するための模式図である。
また、例えば、図15に示す接続装置によって接続を得るバスダクト幹線に適用しても良い。なお、図15は、第1実施形態のバスダクト幹線の導体同士の接続構造の第1変形例を示した模式図である。
図示する接続装置150は、接続すべき導体同士(「導体10と導体10」、或いは「導体10と導体11」)の同相導体間を接続する接続部材としての導電性接続部材151と、絶縁セパレータ152と、これらを外方から狭持する接続側板153と、接続側板153の外方に配置された押圧部材154とを有し、これらを絶縁スリーブ(図示せず)に挿通してなる締着具156で緊締して接続すべき導体10(或いは導体11)同士を相互に接続する構成になっている。また、符号157は、上下の開放面を覆うカバー部材である。
ここで、絶縁セパレータ152は、導電性接続部材151を含む異相の導体10(或いは導体11)間及び導電性接続部材151を含む最外側の導体10(或いは導体11)と接続側板153間を絶縁する位置に設置されている。
また、第1実施形態は、図16に示すような母線導体(導体10、導体11)同士を直接接触させてボトル等の締結手段80で締結し固定する構造のバスダクトにも適用可能である。
なお、図16は、第1実施形態のバスダクト幹線の導体同士の接続構造の第2変形例を示した模式図である。
また、上述した第1実施形態では、「変形可能な導体」が、平編組線を1枚または数枚重ね合わせて形成された可撓導体部30により形成されている場合を示したが、特にこれに限定されるものではなく、電導性の箔状の素材を積層して端部を他の導体と接続可能に形成したものでもよいし、導体(母線導体)11が略平板の1枚板の形状の場合に有する強度より劣る導体部分を導体11に設けてもよい。
例えば、図17に示すような、1枚板の母線導体11c1(図17(a)参照)を折り返して略L字形状を形成された曲げ部31を有するL字状導体11c2(図17(b)参照)を変形部に適用してもよい。これは1枚板状の場合と比べて曲げ部31は曲げ加工によって展延している分強度的に劣るため相対的に変形し易い部分となるためである。なお、図17は、本発明の第1実施形態のバスダクト幹線を構成する導体のなかの変形可能な導体部の他の構成例を説明するための模式図である。
また、例えば、可撓導体部30が、水平母線導体部11a(及び鉛直母線導体部11b)と比べて、薄肉な板状に形成されることにより、変形可能になっていてもよい。
また、第1実施の形態では、ラック1の振動による影響について主に母線導体間の接続に係る内容を説明しているが、母線導体と電気的に接触するその他の構造についても同様の効果を奏するものであり、例えば分岐装置5の分岐導体5bと母線導体10との接触部分も含む。
また、バスダクト幹線100を載置するラック1は、盤やその他の什器等でもよく、建築物内部に設けられていてバスダクト幹線100を支持可能な構造物であればどのようなものでもよい。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態のバスダクト配電システムの概略構成について図18〜20を参照しながら説明する。
ここで、図18は、第2実施形態のバスダクト配電システムの全体構成を説明するための模式図である。図19は、第2実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線のラック1上に設置された水平バスダクトと、変形バスダクトとの接続部分の構造を示した模式図である。図20は、第2実施形態のバスダクト配電システムを構成するバスダクト幹線の天井裏に設置された水平バスダクトと変形バスダクトとの接続部分の構造を示した模式図である。
なお、第2実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態と同じ構成(及び相当する構成)には同じ符号を付している。また、以下では、第1実施形態と異なる部分だけを説明する。
図18に示すように、第2実施形態のバスダクト配電システムW′は、第1実施形態と同様、床面FLに列設されているラック1に配設されたバスダクト幹線100を備えている。
また、第2実施形態のバスダクト配電システムW′は、第1実施形態と同様、列設されているラック1の天面1cに取付部材3を介して水平バスダクト110が配設されている。また、ラック列の一端部(図中の右端部)のラック1に配設されている水平バスダクト110は、変形バスダクト130を介して、鉛直バスダクト120に接続されている(図18参照)。この鉛直バスダクト120は、天井CLを貫通する変形バスダクト130を介して、天井裏(天井CLよりもZ方向で高い位置)に配設される水平バスダクト110に接続されている。このように、第2実施形態では、ラック1に支持されているバスダクト幹線100が、天井裏まで延設されている。
なお、図示していないが、ラック列の他端部のラック1に配設されている水平バスダクト110に、上述した第1実施形態と同様、変形バスダクト130を介して、ラック1の側面1bに配設された鉛直バスダクト120が接続されていてもよい。
そして、第2実施形態においても、図19、20に示すように、変形バスダクト(変形部)130の導体11には、可撓導体部(変形可能な導体)30が設けられている。すなわち、導体11は、水平方向(図中のY方向)を長手に延設された水平母線導体部11aと、鉛直方向(図中のZ方向)を長手に延設された鉛直母線導体部11bと、可撓導体部30とを有している。
なお、図19に示す例では、可撓導体部30は、その一端部が水平母線導体部11aの一端部に接続され、その他端部が鉛直母線導体部11bの一端部に接続されている。また、図20に示す例では、可撓導体部30は、2つの鉛直母線導体部11bの間に設けられている。
このように、第2実施形態においても、バスダクト幹線100の変形バスダクト130に可撓導体部(変形可能な導体)30が設けられている。この構成によれば、地震等による振動を受けたラック1に歪みが生じてラック1の側面1bが傾き、バスダクト幹線100がこれに追従して傾いても、変形バスダクト130の可撓導体部(変形可能な導体)30が変形して、傾きに起因する負荷を吸収することができる。すなわち、第2実施形態においても第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
なお、本発明は、上述した各実施形態(第1実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態)に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、本発明は、上述した各実施形態の各構成や部分的な構成を組み合わせて特定したもの、各実施形態の部分的な構成を変更して特定したもの、各実施形態の構成に本明細書記載例の部分的な構成を追加して特定したもの、各実施形態の部分的な構成を削除して特定したものを包含し、更に、バスダクト導体以外のサーバーラックに配電するための母線導体相互を接続する変形部に変形可能な導体を設ける構成も包含し、又、その他の拡張及び変形の例示も包含するものである。
FL…床面
CL…天井
1…サーバーラック
1a…底面
1b…側面
1c…天面

3…取付部材
3a…取付面
3b…側部
3c…載置面

5…分岐装置
5a…箱体部
5b…分岐導体
5c…引き込み線

7…固定金具

W、W′…バスダクト配電システム
10…導体
11…導体
11a…水平母線導体部
11b…鉛直母線導体部
11c1…母線導体
11c2…L字状導体
30…可撓導体部
31…曲げ部
20a、20b…ハウジング
20a1…プラグインホール

50…接続部材
51…カバー部材
51a…側壁部
51b1、51b2、51b3…絶縁片部
51c…差込みスリット
51d…スリット
52…接続導体
52a…本体部
52a1…接触部
52b…脚片
53…挟着手段

60…絶縁性部材
70…締結手段
80…締結手段

100…バスダクト幹線
110…水平バスダクト
120…鉛直バスダクト
130…変形バスダクト

150…接続装置
151…導電性接続部材
152…絶縁セパレータ
153…接続側板
154…押圧部材
156…締着具
157…カバー部材

Claims (4)

  1. 床上に列設されているラックに、複数のバスダクトを接続部で接続したバスダクト幹線が配設されているバスダクト配電システムであって、
    複数の前記バスダクトには、略水平方向に配設された水平バスダクト及び略鉛直方向に配設された鉛直バスダクトが含まれ、
    前記水平バスダクトは、前記列設されたラックに上載されて支持され、
    前記鉛直バスダクトは、前記列設されたラックの側面に沿って配置され、
    前記バスダクト幹線は、前記水平バスダクトと前記鉛直バスダクトとを電気的に接続する変形部を有し、
    前記バスダクト幹線のなかの前記変形部または前記変形部の近くの部位に変形可能な導体が設けられていることを特徴とするバスダクト配電システム。
  2. 前記変形可能な導体が可撓導体であることを特徴とする請求項1に記載のバスダクト配電システム。
  3. 前記変形可能な導体が略平板状の母線導体を長手方向に変形させて所望の角度に変形させた母線導体であることを特徴とする請求項1に記載のバスダクト配電システム。
  4. 前記複数のバスダクトは複数の母線導体を内包してなり、
    複数の前記母線導体のそれぞれに前記変形可能な導体が固定されており、
    隣り合う前記母線導体に固定されている前記変形可能な導体同士が、前記母線導体の厚さ方向に並列しないで配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のバスダクト配電システム。
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