以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)〜図1(E)を用いて本実施形態のゲームシステムの構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(ゲームシステム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1〜TMnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態のゲームシステム及びその処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、ゲームシステム及びその処理の全部又は一部を、端末装置TM1〜TMnにより実現してもよい。また、以下では、TM1〜TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、プレーヤ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームなどのプレイが可能になる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM(プレーヤ端末、ユーザ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは図1(E)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。或いは、端末装置TMとして、プレーヤの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(ゲームシステム)の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。またサーバシステム500の処理部600の各処理は、後述する図3の端末装置TMの処理部100により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600と端末装置TMの処理部100の分散処理により実現してもよい。
処理部600(プロセッサ)は、記憶部670(データベース)に記憶される各種の情報や、プログラムや、操作情報等に基づいて、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、音処理、サーバに必要な各種の制御処理、或いは管理処理などを行う。
処理部600(処理部100)の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部670、170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部600(処理部100)の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部600は、入力処理部602、演算処理部610、出力処理部640を含む。演算処理部610は、位置情報取得部611、設定部612、ゲーム処理部613、認証処理部617、課金処理部618、管理処理部619、表示処理部620、音処理部630を含む。ゲーム処理部613はイベント制御部614を含む。上述したように、これらの各部により実行される本実施形態の各処理は、プロセッサ(或いはプロセッサ及びメモリー)により実現できる。
入力処理部602は、操作部660により入力された操作情報を受け付ける処理や、記憶部670から情報を読み出す処理や、通信部696を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。例えば入力処理部602は、操作部660で検出された操作情報を取得する処理や、読み出し命令で指定された情報を、記憶部670から読み出す処理や、サーバシステム500の外部装置(端末装置、他のサーバシステム等)からネットワーク510を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。ここで受信処理は、通信部696に情報の受信を指示したり、通信部696が受信した情報を取得して記憶部670に書き込む処理などである。
演算処理部610は、各種の演算処理を行う。例えば位置情報取得処理、設定処理、ゲーム処理、管理処理、表示処理、或いは音処理などの演算処理を行う。
位置情報取得部611、設定部612(位置情報取得処理、設定処理のプログラムモジュール)は、各々、位置情報取得処理、ポイント又は経路等の設定処理を行う。これらの処理の詳細については後述する。
ゲーム処理部613(ゲーム処理のプログラムモジュール)はゲーム処理を行う。ゲーム処理は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などである。或いはゲーム処理として、オブジェクト空間に複数のオブジェクトを配置設定するオブジェクト空間設定処理、オブジェクト空間において移動体を移動(又は動作)させる移動体処理、オブジェクト空間において所与の視点から見える画像を生成するための仮想カメラを制御する仮想カメラ制御処理、プレーヤのゲーム成績を演算するゲーム成績演算処理などを行うようにしてもよい。
認証処理部617はプレーヤの認証処理を行う。例えば端末装置TMを用いてログインしたプレーヤの認証処理を行う。この認証処理は、例えばプレーヤが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。課金処理部618は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部618の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。管理処理部619は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
例えばプレーヤは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドプレーヤの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理処理部619は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部620(表示処理のプログラムモジュール)は、端末装置TMなどの表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの表示部に画像を表示する制御を行ってもよい。音処理部630(音処理のプログラムモジュール)は、端末装置TMなどの音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの音出力部から音を出力する制御を行ってもよい。ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を端末装置TM等において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、端末装置TMが画像を生成するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ等)であってもよい。音処理部630が生成する音生成用データについても同様である。
出力処理部640は各種の情報の出力処理を行う。例えば出力処理部640は、記憶部670に情報を書き込む処理や、通信部696を介して情報を送信する処理を、出力処理として行う。例えば出力処理部640は、書き込み命令で指定された情報を、記憶部670に書き込む処理や、サーバシステム500の外部装置(端末装置、他のサーバシステム等)に対してネットワーク510を介して情報を送信する処理を行う。送信処理は、通信部696に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部696に指示する処理などである。
操作部660は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。また記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域として機能する。記憶部670の機能は、半導体メモリー、HDD、SDD、光ディスク装置などにより実現できる。
記憶部670は、ポイント情報記憶部672、経路情報記憶部673、ゲーム情報記憶部674、マップ情報記憶部675、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。ポイント情報記憶部672は、地域に設定される複数のポイントの情報を記憶する。例えばポイント情報記憶部672は、ポイントIDに対して、ポイントの位置や検出範囲情報や各種のフラグが関連づけられた情報を、ポイント情報として記憶する。経路情報記憶部673は、複数のポイントを巡るための経路の情報を記憶する。例えば経路情報記憶部673は、経路を構成する複数のポイントのリスト情報などを記憶する。ゲーム情報記憶部674は、ゲーム処理に使用するゲームパラメータ、キャラクタ又はアイテムの情報などを含むゲーム情報を記憶する。ゲーム情報記憶部674は、ゲームにおいて発生するイベントの情報についても記憶する。マップ情報記憶部675は、地図情報であるマップ情報を記憶する。即ち、ポイントや経路が設定される地域のマップ情報を記憶する。課金情報記憶部676は、課金処理部618により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報(プレーヤ情報)として記憶する。例えば、前述したプレーヤのアカウント情報もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報(ユーザID)に対応づけられる。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD、BD)、HDD、半導体メモリー(ROM)などにより実現できる。
通信部696は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の端末装置TM(プレーヤ端末、クライアント装置、ゲーム装置)の構成例を示す。なお、端末装置TMの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
端末装置TMは、処理部100、操作部160、撮像部162、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作情報やプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、或いは音処理などを行う。処理部100は、前述した図2の処理部600と同様に、プロセッサ、或いはプロセッサ及びメモリーにより実現できる。
処理部100は、入力処理部102、演算処理部110、出力処理部140を含む。演算処理部110は、位置情報検出部111、設定部112、ゲーム処理部113、表示処理部120、音処理部130を含む。
入力処理部102は、操作部160により入力された操作情報を受け付ける処理や、記憶部170から情報を読み出す処理や、通信部196を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。例えば入力処理部102は、操作部160で検出された操作情報を取得する処理や、読み出し命令で指定された情報を記憶部170から読み出す処理や、端末装置TMの外部装置(サーバシステム、他の端末装置等)からネットワーク510を介して情報を受信する処理を、入力処理として行う。位置情報検出部111、設定部112、ゲーム処理部113は、各々、位置情報検出処理、ポイント又は経路等の設定処理、ゲーム処理を行う。表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、処理部100で行われる種々の処理(アプリケーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。サーバ側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部190に表示する処理を行う。音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音制御を行う。これにより、BGM、効果音、又は音声などが音出力部192から出力されるようになる。なお、本実施形態の位置情報取得処理、設定処理、ゲーム処理、管理処理、表示処理、音処理等は、サーバシステム500と端末装置TMのいずれか一方の処理により実現してもよいし、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。例えばネットワークを利用しないスタンドアローンのゲームシステムの場合には、ゲームシステムである端末装置TMにより本実施形態の各処理が行われる。
操作部160は、プレーヤが、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部162(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SDD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、ポイント情報記憶部172、経路情報記憶部173、ゲーム情報記憶部174を含む。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、プレーヤが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部196は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の端末装置等の外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
そして本実施形態では図2に示すように、ゲームシステムであるサーバシステム500(或いは端末装置TM)が、位置情報取得部611(位置情報検出部111)、設定部612(設定部112)、ゲーム処理部613(ゲーム処理部113)を含む。なお以下では、本実施形態のゲームシステムがサーバシステム500により実現される場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、ゲームシステムを端末装置TMにより実現したり、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
位置情報取得部611は、プレーヤ(ユーザ)の位置情報を取得する。例えば本実施形態では、端末装置(TM)が位置情報の検出が可能な装置になっている。例えば図3の位置情報検出部111が位置情報を検出する。そしてサーバシステム500は、各端末装置で検出された位置情報を受信する。これにより位置情報取得部611は、各端末装置のプレーヤの位置情報を取得できる。ここで端末装置は、例えばプレーヤが所持可能な携帯型の情報端末装置である。携帯型の情報端末装置は、例えば携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、携帯型ゲーム装置又はタブレット型PC等である。或いは端末装置はウェアラブル機器であってもよい。
ここで位置情報の検出手法としては、GPS測位、アクセスポイント測位、セルベース測位、或いはビーコン測位などの種々の測位手法を想定できる。GPS測位は、GPSを用いる測位手法であり、複数のGPS衛星から送信されている電波を受信することで位置を特定する。アクセスポイント測位は、ワイファイ(Wi−Fi(登録商標))などの無線LANのアクセスポイントを用いる測位手法であり、アクセスポイントのMACアドレスと位置情報のデータベースを使用して、現在の位置を特定する。セルベース測位(基地局測位)では、スマートフォン、携帯電話機等の携帯型通信端末の周囲にある基地局等を利用して位置を特定する。ビーコン測位は、ブルートゥース(BLE(登録商標))のビーコン(iBeacon(登録商標))などを用いる測位手法であり、店舗、施設等に設置された発信側のビーコン端末から送信されたアドバタイズメントのパケットを、端末装置が受信し、当該パケットに含まれるID情報を利用して位置を特定する。端末装置の位置情報検出部111は、これらの手法により端末装置の位置情報を検出する。そしてサーバシステム500の位置情報取得部611はこのように検出された端末装置の位置情報を、プレーヤの位置情報として取得する。なおサーバシステム500の位置情報取得部611が直接にプレーヤの位置情報を取得するようにしてもよい。
設定部612(設定部112。以下、同様)は、各種の設定処理を行う。例えば設定部612は、複数のポイントの設定処理及び複数のポイントを巡るための経路の設定処理の少なくとも一方の設定処理を行う。具体的には設定部612は、所与の地域への複数のポイントの設定処理や、所与の地域の複数のポイントを巡るための経路の設定処理を行う。ここで、地域は現実世界のエリアである。ポイントは、例えば位置情報により特定される地域のスポット(場所)である。経路は、例えばプレーヤが移動することを想定されるルートである。例えば地域に設定された複数のポイントを巡るルートが経路であり、経路は複数のポイントにより構成される。ポイント又は経路の設定は、ゲームシステムの運営側が行ってもよい。或いはポイント又は経路の設定をプレーヤの入力情報に基づき行ってもよい。ポイントの位置情報などのポイント情報は、例えばポイント情報記憶部672に記憶される。プレーヤが巡る複数のポイントにより構成される経路の情報は、例えば経路情報記憶部673に記憶される。なおポイントの情報と経路の情報が一体となったデータ構造の形式で記憶部670に記憶するようにしてもよい。また経路の情報を必ずしも作成する必要はなく、複数のポイントの情報だけを用いて経路の設定を行ってもよい。例えば経路は、経路そのもののデータとしては実在しないような仮想的な経路であってもよい。
ゲーム処理部613(ゲーム処理部113。以下、同様)は、各種のイベントを発生するイベント制御を行う。具体的には、ゲーム処理部613は、所与の地域に設定された複数のポイントを移動するプレーヤに対して、取得されたプレーヤの位置情報に応じて、ポイントに対応するイベントを発生するイベント制御を行う。
例えばプレーヤが、ポイント巡りのゲームをプレイするために、複数のポイント(経路)を移動すると、ゲーム処理部613は、プレーヤの位置に対応するポイント(経路のポイント)において、当該ポイントに関連づけられたイベントの制御を行う。例えばゲーム処理部613は、プレーヤが、ポイントに対応する場所に位置することが検出された場合に、当該ポイントに関連づけられたイベントを発生させるなどのイベント制御を行う。プレーヤがポイントに対応する場所に位置するか否かは、ポイントに対して設定された検出範囲内に、プレーヤが位置するか否かを、プレーヤの位置情報に基づき検出すればよい。この検出範囲は、ポイントを内包するように設定された所与の大きさの範囲である。例えばポイントを中心点(基準点)とするような範囲である。この検出範囲の大きさ(広さ)は、固定であってもよいし、可変であってもよい。例えばプレーヤが屋外で移動する場合には、検出範囲を広い範囲に設定し、プレーヤが屋内で移動する場合には、屋外の場合に比べて検出範囲を狭い範囲に設定すればよい。またプレーヤのゲームレベル(初級、上級)やゲームの進行度合い(ゲームの進捗状況。ゲームが序盤か終盤か)などのゲーム状況に応じて、検出範囲を可変に設定してもよい。例えばプレーヤのゲームレベルが低い場合には、例えば検出範囲を広くし、プレーヤのゲームレベルが高い場合には、例えば検出範囲を狭くする。またプレーヤのゲーム状況を有利な状況に設定する場合には、例えば検出範囲を広くし、不利な設定にする場合には、例えば検出範囲を狭くする。またゲーム処理において発生するイベントは、イベントが発生する各ポイント(ポイントID)に対応づけて、記憶部670(ゲーム情報記憶部674)に記憶すればよい。なお、イベント発生等のイベント制御は、ゲーム処理部613のイベント制御部614が行う。イベント制御は、例えばイベントの発生の制御であってもよいし、イベントの削除、イベント内容の変更、或いは挿入イベントの発生の制御などであってもよい。
そして本実施形態では、ゲーム処理部613は、位置情報の信頼度に応じたイベント制御を行う。例えばゲーム処理部613は、取得されたプレーヤの位置情報の信頼度に応じたイベント発生、イベント削除、イベント内容の変更又はイベント挿入などのイベント制御を行う。例えば位置情報の信頼度が第1の信頼度レベルである場合と第2の信頼度レベルである場合とで、異なるイベント制御を行う。例えば第1の信頼度レベル(例えば高信頼度レベル)である場合には、ポイントに対応するイベントを発生する一方で、第2の信頼度レベル(例えば低信頼度レベル)である場合には、ポイントに対応するイベントを発生しない。或いは、信頼度レベルに応じてイベントを削除したり、イベントを非削除にする。或いは、信頼度レベルに応じてイベント内容を変更する。或いは、信頼度レベルに応じて、イベントを挿入したり、非挿入にする。位置情報の信頼度(信用度)は、位置情報の確からしさを表す指標である。この信頼度は、後述するようにGPSデータでの受信衛星数やDOPやクオリティ、位置情報を検出するデバイスの受信電波の電波強度、位置情報が複数のデバイスにより検出された情報かどうか、或いは位置情報を検出するデバイスの数などにより特定される。
またゲーム処理部613は、位置情報の信頼度が、所与のしきい値レベル以上(所与の信頼度レベル以上)である場合に、ポイントに対応するイベントを発生する。例えば位置情報の信頼度がしきい値レベル以上の場合には、プレーヤがそのポイントに来た場合(ポイントの検出範囲内にプレーヤが入った場合)に、そのポイントに対応づけられたイベントを発生する。一方、位置情報の信頼度がしきい値レベルよりも小さい場合には、ポイントでのイベントを非発生にしたり、本来のイベントとは異なる別のイベントを発生する。この位置情報の信頼度のしきい値レベルは、ポイントやイベントなどに対応づけて記憶部670に記憶できる。
また本実施形態では、ポイントに対して、高信頼度レベル(第1の信頼度レベル)に対応する第1のイベントと、低信頼度レベル(第1の信頼度レベルよりも信頼度が低い第2の信頼度レベル)に対応する第2のイベントとが対応づけられている。そしてゲーム処理部613は、ポイントに対応するイベントとして第1のイベントと第2のイベントのいずれを発生するかを、位置情報の信頼度に基づいて判断する。例えば位置情報の信頼度が所与のしきい値レベル以上であり、高い場合には、高信頼度レベルであると判断して、第1のイベントを発生する。一方、位置情報の信頼度が所与のしきい値レベルよりも小さく、低い場合には、低信頼度レベルであると判断して、第2のイベントを発生する。
第1のイベントは、例えばポイント又は経路に対応(関連)づけられているイベントである。或いは第1のイベントは、例えば第2のイベントよりも重要度が高いイベントであったり、プレーヤにとって特典となるイベントである。特典となるイベントは、例えばプレーヤをゲームにおいて有利にしたり、優遇するイベントである。第2のイベントは、例えばポイント又は経路に対応(関連)づけられていないイベントである。或いは第2のイベントは、例えば第1のイベントよりも重要度が低いイベントであったり、プレーヤにとって特典とならないイベントである。例えば第2のイベントは、デフォルト使用のために用意された複数のイベントの中から選択(例えばランダム選択)されるようなイベントであってもよい。
なお、信頼度レベルとイベントの対応づけは、例えば記憶部670に、イベントとそのイベントに対応する信頼度レベル(信頼度のしきい値レベル)を対応づけて記憶することなどで実現できる。また、高信頼度レベルと低信頼度レベルの間の中信頼度レベルに対応する第3のイベントを設けるなど、信頼度レベルやそれに対応するイベントの区分け手法としては、種々の変形実施が可能である。
またゲーム処理部613は、位置情報の信頼度の変化の予測処理を行う。そして信頼度が、低信頼度レベル(第2の信頼度レベル)から高信頼度レベル(第1の信頼度レベル)に変化することが予測される場合には、信頼度が高信頼度レベル(第1の信頼度レベル)に変化したことを条件に、ポイントに対応するイベントを発生する。例えばプレーヤの現在位置、移動方向又は移動速度等から、位置情報の信頼度が高信頼度レベル側に変化するのか、低信頼度レベル側に変化するのかを予測する。そして高信頼度レベル側に変化することが予測される場合には、直ぐにはイベントは発生せずに、信頼度が高信頼度レベルに達するのを例えば所与の期間だけウェイトする。そして位置情報の信頼度が高信頼度レベルに達した場合に、ポイントに対応するイベント(高信頼度レベルに対応するイベント)を発生する。
またゲーム処理部613は、位置情報の信頼度が高信頼度レベル(第1の信頼度レベル)である場合には、ポイントに対応づけられたゲーム要素のイベントを発生し、信頼度が低信頼度レベル(第1の信頼度レベルよりも低い第2の信頼度レベル)である場合には、ポイントに対応づけられていないゲーム要素のイベントを発生する。例えば信頼度が高信頼度レベルである場合には、ポイントに対応づけられたゲーム要素が出現するイベントを発生する。例えばゲームにおいてプレーヤがより有利になったり、プレーヤの特典となるような特定のゲーム要素が出現するイベントを発生する。
一方、信頼度が低信頼度レベルである場合には、ポイントに対応づけられたゲーム要素とは異なるゲーム要素が出現するイベントを発生する。例えばポイントに対応づけられた特定のゲーム要素に比べると、プレーヤを有利にする要素が少なかったり、それほど特典とはならないようなゲーム要素が出現するイベントを発生する。或いは、信頼度が低信頼度レベルである場合には、デフォルト使用のために用意された複数のゲーム要素の中から選択(例えばランダム選択)されたゲーム要素が出現するイベントを発生する。
ここでゲーム要素は、ゲームを構成する要素であり、例えばゲームにおいて表示されるゲーム表示物である。或いはゲーム要素は、音声等を出力する音源(例えば会話音源、セリフ音源、ゲーム効果音の音源等)であってもよい。例えばゲーム要素の1つはキャラクタである。キャラクタは、人、モンスター、動物、ロボット、車、電車、飛行機又は船等を表象するものである。キャラクタは、ゲーム表示物であってもよいし、音声だけを出力する音源(音出力物)であってもよい。またキャラクタは、キャラクタ性を有するようなアイテムであってもよい。またゲーム要素は、ゲームのアイテム、仮想抽選器(ガチャ等)、ゲームに用いられる楽器、又はゲームカードなどであってもよい。
またゲーム処理部613は、ポイントに対応するイベントに用いられるゲーム要素の種類及び出現確率の少なくとも一方を、位置情報の信頼度に応じて変化させる。例えばゲーム処理部613は、信頼度が高信頼度レベル(第1の信頼度レベル)である場合には、第1の種類のゲーム要素が出現するイベントを発生し、信頼度が低信頼度レベル(第2の信頼度レベル)である場合には、第1の種類とは異なる第2の種類のゲーム要素が出現するイベントを発生する。ゲーム要素の種類は、ゲーム要素の属性、ゲーム要素のカテゴリー、或いはゲーム要素を表す表示物の種類などであり、例えばゲーム要素のゲームパラメータなどにより特定される。またゲーム処理部613は、信頼度が高信頼度レベルである場合には、ゲーム要素の出現確率を例えば高くし、信頼度が低信頼度レベルである場合には、ゲーム要素の出現確率を例えば低くする。ゲーム要素の出現確率は、ポイントに対応するイベントでのゲーム要素の出現確率自体であってもよいし、ゲーム要素である仮想抽選器の抽選確率に対応するものであってもよい。
またプレーヤの端末装置(TM)は、電波を受信するデバイスを有する。このデバイスは、例えば無線通信を行うIC(回路装置)やICが実装された回路基板などである。そしてプレーヤの位置情報は、デバイスの受信電波の電波強度に基づき検出される。例えば電波強度を用いた三角測量(三辺測量)などによりプレーヤの位置情報が検出される。この場合にゲーム処理部613は、受信電波の電波強度に基づく位置情報の信頼度に応じて、イベント制御を行う。例えば電波強度が強いほど、位置情報の信頼度のレベルが高いと判断して、イベント制御を行う。ゲーム処理部613は、例えば電波強度が高い場合(電波強度が第1の強度である場合)には、信頼度が高信頼度レベル(第1の信頼レベル)であると判断し、高信頼度レベルに対応するイベントを発生する。一方、ゲーム処理部613は、電波強度が低い場合(電波強度が第1の強度よりも低い第2の強度である場合)には、信頼度が低信頼度レベル(第2の信頼度レベル)であると判断し、ポイントに対応するイベントを非発生にしたり、高信頼度レベルの場合とは異なるイベントを発生する。例えば低信頼度レベルに対応するイベントを発生したり、デフォルト使用として用意されたイベントを発生する。
またプレーヤの端末装置は、位置情報の検出が可能な複数のデバイスを有しており、プレーヤの位置情報は、これらの複数のデバイスを用いて検出される。例えばGPS用のデバイス(IC)、無線LAN用(ワイファイ等)のデバイス(IC)、モバイル通信用(3G/LTE等)のデバイス(IC)、或いはブルートゥース用のデバイス(IC)の少なくとも2つのデバイスを用いて、プレーヤの位置情報を検出する。そしてゲーム処理部613は、複数のデバイスを用いて検出された位置情報の信頼度に応じて、イベント制御を行う。例えばゲーム処理部613は、位置情報が検出されたデバイスの数が多い場合(例えば第1の個数である場合)には、位置情報の信頼度レベルは高いと判断する。一方、位置情報が検出されたデバイスの数が少ない場合(例えば第1の個数よりも少ない第2の個数である場合)には、位置情報の信頼度レベルは低いと判断する。或いはゲーム処理部613は、位置情報が検出された複数のデバイスの中に、信頼度の高い位置情報の検出が可能なデバイスが含まれていた場合には、位置情報の信頼度レベルは高いと判断する。一方、位置情報が検出された複数のデバイスの中に、信頼度の高い位置情報の検出が可能なデバイスが含まれていなかった場合には、位置情報の信頼度レベルは低いと判断する。
また表示処理部620は、プレーヤに対して位置情報の信頼度の信頼度レベルを識別可能に表示するための処理を行う。例えば表示処理部620は、位置情報の信頼度レベルがプレーヤにとって識別可能になるような画像を端末装置の表示部に表示するための処理を行う。例えば位置情報の信頼度レベルが高信頼度レベルなのか、低信頼度レベルなのか(或いは中信頼度レベルなのか)を、プレーヤが識別可能になるような表示態様の画像を表示部に表示する処理を行う。なお、信頼度レベルの連続的な変化が識別可能になるように表示処理を行ってもよい。例えば端末装置の表示部の画面上の少なくとも1つの表示物(例えば後述するゲージ等の表示物、アイコン)を用いて、位置情報の信頼度レベルを識別可能に表示する表示処理を行う。
この場合にゲーム処理部613は、信頼度が所与の信頼度レベル(低信頼度レベル、高信頼度レベル又は中信頼度レベル等)である場合のイベントを発生させるか否かを、プレーヤに選択させるための処理を行う。例えば、位置情報の信頼度の信頼度レベルが低信頼度レベル等の所与の信頼度レベルである場合に、その位置に対応するイベントを発生するか否かを、プレーヤに選択させるための処理を行う。信頼度が高信頼度レベル等であることを発生条件とするイベントを発生させるか否かを、プレーヤに選択させるための処理を行う。例えば、プレーヤの選択入力を受け付けて、当該イベントを発生させるか否かをプレーヤに選択させる。
また設定部612は、複数のポイントの設定処理及び複数のポイントを巡るための経路の設定処理の少なくとも一方の設定処理を行う。例えば所与の地域への複数のポイントの設定処理や、或いは所与の地域の複数のポイントを巡るための経路の設定処理を行う。
そしてゲーム処理部613は、経路に対して少なくとも1つのゲーム要素を設定する。例えば経路やポイントの情報にゲーム要素の情報を関連づける。そして経路のポイントに対応するイベントとして、経路に設定されたゲーム要素のイベントを発生する。経路へのゲーム要素の設定手法としては、種々の手法を想定できる。例えば1つの経路に複数のゲーム要素を設定してもよい。この場合は、経路の各ポイントで出現するゲーム要素を異ならせてもよい。即ち、複数のゲーム要素の中から選択されたゲーム要素を、各ポイントにおいて出現させてもよい。或いは、第1の経路と第2の経路に設定されるゲーム要素を互いに異ならせてもよい。例えば第1の経路には第1のゲーム要素又は第1のゲーム要素群を設定し、第2の経路には、第1のゲーム要素とは異なる第2のゲーム要素、或いは第1のゲーム要素群とは異なる第2のゲーム要素群を設定してもよい。経路の数が3以上である場合も同様である。
例えばゲーム要素がキャラクタである場合に、ゲーム処理部613は、経路に対して、少なくとも1つのキャラクタを設定する。そして経路のポイントに対応するイベントとして、経路に設定されたキャラクタのイベントを発生する。このイベントは、キャラクタの表示物によるイベントであってもよいし、キャラクタの音声の音源によるイベントであってもよい。
また本実施形態では、プレーヤの移動に対して制限時間が設定されている。この制限時間は、経路の全体に対する制限時間であってもよいし、経路の前半経路、後半経路などに対する制限時間であってもよいし、経路のポイント間での制限時間であってもよい。そしてゲーム処理部613は、制限時間内での時間経過に応じたイベント制御を行う。例えば制限時間内での時間経過に応じた、イベント発生、イベント削除、イベント内容の変更又はイベント挿入を行う。例えば制限時間に間に合ったか否かに応じた、イベント発生、イベント削除、イベント内容の変更、又はイベント挿入を行う。
またゲーム処理部613は、ポイントに対応するイベントとして、ゲーム要素(キャラクタ、アイテム、ゲームカード、楽器又は仮想抽選器等。以下、同様)の出現イベント、ゲーム要素の獲得イベント、ゲーム要素のパラメータ情報の変更イベント、仮想抽選器の抽選イベント、又は仮想抽選器のパラメータ情報の変更イベントを発生する。ゲーム要素の出現イベントは、例えばプレーヤがポイントに対応する場所(例えばポイントの検出範囲内の場所)に位置する場合に、ゲーム要素を出現させるイベントである。出現するゲーム要素は、ゲーム要素に対応する表示物であってもよいし、ゲーム要素に対応する声源であってもよい。また、ゲーム要素の獲得イベントは、例えばプレーヤがポイントに対応する場所に位置する場合に、プレーヤにゲーム要素を獲得させるためのゲームイベントである。この獲得イベントは、例えばプレーヤのキャラクタ等のゲーム要素と、出現した敵キャラクタ等のゲーム要素の対戦イベントであってもよい。或いは所与の獲得条件が満たされた場合に、ゲーム要素をプレーヤの所持物として獲得させるようなイベントであってもよい。またゲーム要素のパラメータ情報の変更イベントは、キャラクタ又はアイテム等のゲーム要素の各種のパラメータの値や態様等を変更するイベントである。またゲーム要素のパラメータは、キャラクタ又はアイテム等のゲーム要素の能力(攻撃力、守備力、魔法力等)、ステータス(体力、ヒットポイント、耐久値等)、属性又は状態等を表すパラメータである。またアイテムとしては、武器、防具等の装備品や、体力回復や装飾用等の道具などの種々のゲームアイテムを想定できる。また仮想抽選器の抽選イベントは、例えばプレーヤがポイントに対応する場所に位置する場合に、ポイントに対応する仮想抽選器の抽選処理を行って、プレーヤにレアアイテム等のアイテムを獲得させるイベントである。また仮想抽選器のパラメータ情報の変更イベントは、仮想抽選器の各種パラメータの値や態様等を変更するイベントである。より具体的には、仮想抽選器の当たり確率等を変更するイベントである。
また設定部612は、地図情報(地図画面)に基づき選択された地域に対して、複数のポイントを設定する。例えば、過去のプレーヤ情報に基づき複数のポイントを設定する。なお、ゲームシステムの運営側の入力情報やプレーヤの入力情報に基づき、複数のポイントを設定したり、コンピュータによる自動設定により複数のポイントを設定してもよい。設定されたポイントの情報はポイント情報記憶部672に記憶される。また設定部612は、設定された複数のポイントに基づいて、複数のポイントを巡るための経路を設定する。例えば設定部612は、ポイント情報記憶部672にその情報が記憶される複数のポイントの中から、経路を構成するポイントを選択する。そして、選択された複数のポイントに基づいて、当該複数のポイントを巡るための経路を設定する。
また設定部612は、経路に沿ったメインのポイントと、サブのポイントを設定する。サブのポイントとしては、例えばメインのポイント以外のポイント(例えばメインのポイント以外のポイントのうちの一部又は全部のポイント)を用いることができる。サブのポイントは、経路に沿わないポイント(経路から所与の距離以上離れたポイント)であってもよいし、経路に沿ったポイント(経路上のポイント)であってもよい。例えば設定部612は、ポイント情報記憶部672に記憶される複数のポイントのうち、経路に沿ったメインのイベントを発生させるポイントを、メインのポイントとして設定する。そしてメインのポイントに設定されていないポイントを、サブのポイントに設定することができる。例えば設定部612は、複数のポイントの中から選択したポイントをメインのポイントに設定して、経路を設定し、メインのポイント以外のポイントをサブのポイントに設定する。
なお、ゲーム処理部613は、プレーヤの位置情報に応じて、サブのポイントに対応するサブポイントイベントを発生するイベント制御を行う。例えばイベント発生、イベント削除、イベント内容の変更、又は挿入イベントの発生のイベント制御を行う。例えばゲーム処理部613は、プレーヤが、サブのポイントに対応する場所に位置することが検出された場合に、サブのポイントに関連づけられたサブポイントイベントを発生させるなどのイベント制御を行う。プレーヤがサブのポイントに対応する場所に位置するか否かは、サブのポイントに対して設定された検出範囲内に、プレーヤが位置するか否かを、プレーヤの位置情報に基づいて検出すればよい。この検出範囲は、サブのポイントを内包するように設定された所与の大きさの範囲である。
またゲーム処理部613は、サブポイントイベントとして、プレーヤを経路側又は所与のポイント(所与のポイント側)に誘導するためのイベントを発生する。ここで、所与のポイントは、例えばメインのポイント又はサブのポイントである。但し、所与のポイントは、これには限定されず、メインのポイントやサブのポイント以外であってもよい。また所与のポイントは、経路以外の地点であってもよい。例えば、所与のポイントとしては、プレーヤを誘導するためのポイントとしてシステム側で用意されるポイント(誘導ポイント)を採用できる。プレーヤを経路側又は所与のポイントに誘導するためのサブポイントイベントは、例えば経路側又は所与のポイント側に移動することをプレーヤに指示(促す)する指示情報(警告情報)を出力(発生)するイベントである。この指示情報は、画像情報又は音声情報である。例えば指示情報は、キャラクタ等のゲーム要素の画像情報又は音声情報である。例えば経路側又は所与のポイント側に移動するように、キャラクタの画像や音声を用いて指示(促す、警告)する。またプレーヤを経路側又は所与のポイントに誘導するためのサブポイントイベントは、例えば端末装置を振動させたり、端末装置の画面を光らせるイベントであってもよい。例えば端末装置を振動させる情報や画面を光らせる情報を指示情報(警告情報)として当該イベントにおいて出力する。
なお以上では、本実施形態の位置情報取得処理、設定処理、ゲーム処理、イベント制御処理、表示処理、音処理等を、図2のサーバシステム500が行う場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、上記に説明した本実施形態の位置情報取得処理、設定処理、ゲーム処理、イベント制御処理、表示処理、音処理等の一部又は全部を図3の端末装置TMが行うようにしてもよい。この場合には、端末装置TM(或いは端末装置とサーバシステムが連携したシステム)が本実施形態のゲームシステムとして機能することになる。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について説明する。なお、以下では、ポイントで発生するイベントが、キャラクタの出現イベント(キャラクタの音声出力イベント、画像出力イベント)である場合を主に例にとり説明するが、本実施形態のイベントはこれに限定されない。ポイントに対応するイベントは、キャラクタ以外のゲーム要素(アイテム、ゲームカード、仮想抽選器又は楽器等)が出現するイベント、ゲーム要素の獲得イベント、ゲーム要素のパラメータ情報の変更イベント、仮想抽選器の抽選イベント、又は仮想抽選器のパラメータ情報の変更イベントなどであってもよい。
2.1 ポイント、経路の設定、イベント制御
図4(A)、図4(B)はポイント、経路の設定手法の一例の説明図である。例えば本実施形態では、地図情報(地図画面)に基づき地域が選択される。例えば図4(A)の地図情報(例えば首都圏の地図情報)には複数の地域AR1〜AR20が設定されている。図4(A)では、例えば電車(例えば山手線)の駅に対応するエリア(現実世界のエリア)が地域AR1〜AR20として設定されている。本実施形態では、図4(A)のような地図情報に基づき、プレーヤがゲームプレイ(例えばポイント巡りのゲームプレイ)を行う地域が選択される。この地域の選択は、プレーヤの入力情報に基づく選択であってもよいし、コンピュータによる自動選択であってもよい。或いはプレーヤがゲームプレイを行う地域は予め選択されているものであってもよい。
そして本実施形態では、地図情報に基づき選択された地域に対して、複数のポイントが設定される。例えばプレーヤの入力情報や過去のプレーヤ情報に基づき、複数のポイントが設定される。また複数のポイントを巡るための経路が設定される。例えば図4(B)では、地域の駅の近くに複数のポイントが設定され、これらの複数のポイントを巡るための経路RT1、RT2、RT3が設定されている。図4(B)の地域は、図4(A)の地図情報(地図画面)に設定された複数の地域AR1〜AR20の中から選択された地域である。なお複数のポイントは、例えばゲームシステムの運営者等により予め地域に対して設定されていてもよい。またプレーヤ情報はプレーヤのゲーム状況又は行動履歴の情報であり、プレーヤのユーザIDに対応づけられた情報である。
図4(A)の経路RT1は、ポイントPSTをスタートポイントとして、ポイントPA1、PA2、PA3、PA4、PA5、PA6の順で巡って、ポイントPGLをゴールポイントとする経路である。経路RT2は、ポイントPSTをスタートポイントとして、ポイントPB1、PB2、PB3、PB4、PB5、PB6の順で巡って、ポイントPGLをゴールポインとする経路である。経路RT3も同様である。
なお図4(B)では、経路RT1、RT2、RT3のスタートポイントやゴールポイントが同じポイントに設定されているが、スタートポイントやゴールポイントが互いに異なるポイントに設定されていてもよい。
本実施形態では、RT1、RT2、RT3の各経路のポイントにおいてイベントが発生する。経路に沿って移動するプレーヤは、このように各ポイントで発生するイベントを楽しむゲーム(ポイント巡りゲーム)をプレイする。
具体的には本実施形態では、複数のポイントを移動するプレーヤに対して、プレーヤの位置情報に応じて、ポイント(PST、PA1〜PA6、PGL等)に対応するイベントを発生する。例えば、プレーヤは、携帯型情報端末装置(スマートフォン、携帯型ゲーム装置等)などの端末装置を所持して、複数のポイント(経路)を移動する。そして移動するプレーヤが、ポイントに対応する場所に位置することが検出されると、そのポイントに関連づけられたイベントが発生する。例えばイベントに対応する音声が端末装置から出力されたり、イベントに対応する画像が端末装置の表示部に表示される。例えばポイントに対して、ポイント(ポイント位置)を内包する検出範囲が設定されており、プレーヤの位置情報に基づいて、プレーヤが検出範囲に入ったことが検出されると、そのポイントに対応するイベントが発生する。検出範囲は、ポイントを中心とした例えば円形状等の範囲である。なお検出範囲の形状は円形状には限定されず、矩形等の他の形状であってもよい。
プレーヤの位置情報は、例えば、プレーヤが所持する、位置情報の検出が可能な端末装置により取得される。プレーヤの位置情報は、例えばGPS測位、アクセスポイント測位、セルベース測位(基地局測位)、或いはビーコン測位などにより検出できる。例えば屋外の経路である場合には、GPS測位等が望ましい。一方、屋内の経路の場合には、ビーコン測位等を採用できる。例えば屋内の店舗や施設にビーコン端末を設置し、そのビーコン端末からのパケットに含まれる、店舗や施設を特定するためのID情報を用いて、プレーヤの位置情報を特定する。
なお、経路が屋外である場合のポイントの検出範囲である屋外用検出範囲と、経路が屋内である場合のポイントの検出範囲である屋内用検出範囲は、その大きさ等を異ならせることが望ましい。例えば屋外用検出範囲は、屋内用検出範囲よりも広くすることが望ましい。屋外用検出範囲は直径が例えば10m以上となるような範囲に設定する。一方、屋内用検出範囲は直径が例えば5m以下となるような範囲に設定する。
また本実施形態では、経路に対して少なくとも1つのゲーム要素が設定される。そして経路のポイントに対応するイベントとして、経路に設定されたゲーム要素のイベントを発生させる。ここでゲーム要素は例えばキャラクタである。
図5(A)、図5(B)は経路へのキャラクタ(広義にはゲーム要素)の設定手法の説明図である。例えば図5(A)では1つの経路に対して複数のキャラクタCH1、CH2、CH3が設定されている。これらのキャラクタCH1、CH2、CH3は例えば現実世界やアニメでのアイドルを表象したキャラクタである。例えば前述の図4(B)でプレーヤが経路RT1を移動した場合には、経路RT1の各ポイントにおいて、キャラクタCH1、CH2、CH3の中から選択された1又は複数のキャラクタが出現するイベントが発生する。例えば選択されたキャラクタの音声が、プレーヤが所持する端末装置のスピーカやヘッドフォン端子から出力されるイベントが発生する。或いは、選択されたキャラクタの画像が、端末装置の表示部に表示されるイベントが発生する。
第1のプレーヤはキャラクタCH1を好み、第2のプレーヤはキャラクタCH2を好むというように、プレーヤごとに好み、嗜好が異なる。このため、1人のキャラクタだけしか登場しないと、そのキャラクタがプレーヤの好みではなかった場合(そのキャラクタのファンではなかった場合)に、プレーヤのゲームプレイ意欲が減退してしまう。
この点、図5(A)の手法によれば、経路の各ポイントにおいて、ポイントに応じて異なるキャラクタが出現するようになる。従って、様々な好み、嗜好のプレーヤに対応することができ、プレーヤのゲームプレイ意欲が減退してしまうような事態を防止できる。
なお図5(A)では、ゲームの達成度、イベント発生数、ゲームの制限時間などが表示されている。達成度は、経路のポイントを巡るゲームの達成度である。例えば経路の各ポイントで適正にイベントを発生させることで、達成度が上昇する。イベント発生数は、経路で発生したイベントの数である。イベント発生数が多いほど、達成度も上昇する。またこのゲームでは、例えばスタートポイントからゴールポイントに到着するまでの時間に、制限時間が設定されている。プレーヤは制限時間内にゴールポイントに到着することが要求される。
一方、図5(B)では、経路RT1、RT2、RT3に対して異なるキャラクタが設定されている。例えば経路RT1にはキャラクタCH1が設定され、経路RT2にはキャラクタCH2が設定され、経路RT3にはキャラクタCH3が設定されている。
そしてプレーヤが図5(B)の経路選択画面において経路RT1を選択すると、プレーヤのエスコート・キャラクタとしてキャラクタCH1が選択される。これにより、プレーヤが図4(B)の経路RT1を移動した場合に、経路RT1の各ポイントにおいて、キャラクタCH1が出現するイベントが発生する。例えば各ポイントにおいてキャラクタCH1の音声が出力されたり、キャラクタCH1の画像が表示されるイベントが発生する。
一方、プレーヤが図5(B)の経路選択画面において経路RT2を選択すると、プレーヤのエスコート・キャラクタとしてキャラクタCH2が選択される。これにより、プレーヤが図4(B)の経路RT2を移動した場合に、経路RT2の各ポイントにおいて、キャラクタCH2が出現するイベントが発生する。例えば各ポイントにおいてキャラクタCH2の音声が出力されたり、キャラクタCH2の画像が表示されるイベントが発生する。同様にプレーヤが経路RT3を選択した場合には経路RT3の各ポイントにおいてキャラクタCH3の音声が出力されたり画像が表示される。
このようにすれば、各プレーヤは、自身が好むキャラクタが設定された経路を選択することで、経路の各ポイントで、自身の好みのキャラクタが出現するようになり、当該プレーヤの好み、嗜好に応えることが可能になる。
図6(A)、図6(B)は、複数のポイントや経路の設定手法の一例についての説明図である。例えば図6(A)のポイントP11〜P55の情報は、図2のポイント情報記憶部672に記憶されている。これらのポイントP11〜P55は、図4(B)で説明したように地域の各地点に設定される。一例としては、店舗、施設、名所、観光地、公園、駅、バス停、交差点、トイレ、駐車場、交番、電柱又は木などの種々の地点にこれらのポイントが設定される。そして、本実施形態ではこれらのポイントP11〜P55の中から選択されたポイントが、プレーヤが移動する経路になる。例えばポイントP11、P21、P31、P41、P51、P52、P53、P54、P55を選択することで、プレーヤが移動する経路RT1が設定される。この場合にポイントP11がスタートポイントになり、ポイントP55がゴールポイントになる。またポイントP11、P12、P13、P14、P15、P25、P35、P45、P55を選択することで、プレーヤが移動する経路RT2が設定される。この場合にもポイントP11がスタートポイントになり、ポイントP55がゴールポイントになる。経路RT3についても同様である。なおスタートポイントやゴールポイントは経路毎に異ならせてもよい。
ここで図6(A)では、経路上のポイントの全てを、経路のポイントに設定して、イベントを発生させているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば図6(B)において、ポイントP21、P41、P52、P54は経路RT4上のポイントであるが、経路RT4のポイントには設定されていない。即ち、図6(B)では、ポイントP11、P31、P51、P53、P55が経路のポイントとして設定され、これらの各ポイントにおいてイベントが発生する。
なお、図6(B)において、ポイントP11、P31、P51、P53、P55をメインのポイントに設定し、ポイントP21、P41、P52、P54をサブのポイントに設定してもよい。メインのポイントでは、メインのイベントであるメインポイントイベントが発生する。一方、サブのポイントでは、サブのイベントであるサブポイントイベントが発生する。サブのポイントは、例えばメインのポイント以外のポイントの中から選択されるポイントである。例えば図6(A)では、ポイントP24、P32、P42、P43などをサブのポイントとして設定できる。
図7(A)はポイント情報の一例である。このポイント情報は例えば図2のポイント情報記憶部672に記憶される。図7(A)のポイント情報では、例えばポイントID(ポイント識別情報)に対して、ポイントの名称、位置、検出範囲情報、メイン/サブフラグ、種別、又は各種属性情報などが対応づけられている。ポイントの名称は、例えばポイントが設定されている地点の名称等を表す情報(例えば店舗名、施設名等)である。ポイントの位置は、GPS測位、アクセスポイント測位、セルベース測位等の種々の測位手法により検出される情報である。検出範囲情報は、ポイントに設定される検出範囲を規定するための情報(例えば大きさ)である。メイン/サブフラグは、ポイントをメインのポイントとして使用するか、サブのポイントとして使用するかを切り替えるためのフラグである。ポイントの種別はポイントの種類(例えば屋外のポイント、屋内のポイント等)を指定する情報である。属性情報は、これら以外の各種の情報である。
図7(B)は経路情報の一例である。この経路情報は例えば図2の経路情報記憶部673に記憶される。この経路情報では、例えば経路ID(経路識別情報)に対して、その経路のポイントのリスト情報などが対応づけられている。この経路情報を用いることで、当該経路を構成するポイントやポイントの順番を特定できる。
図8(A)は、イベント情報の一例である。このイベント情報では、イベントID(イベント識別情報)に対して、イベント内容(音声、画像情報等)、そのイベントが発生するポイントのポイントIDなどが対応づけられている。
なお、ポイント情報、経路情報、イベント情報のデータ構造は図7(A)、図7(B)、図8(A)に例示されたものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
図8(B)は経路の選択画面の一例である。例えば図8(B)のA1に示すように、システム側(運営者側)により、予め複数の経路が用意されている。例えばラーメン店めぐりの経路、アニメ聖地めぐりの経路、スイーツ店めぐりの経路などである。例えばラーメン店めぐりの経路では、地域にある各ラーメン店にポイントが設定される。アニメ聖地めぐりの経路では、地域の各アニメ聖地にポイントが設定される。スイーツ店めぐりの経路では、地域の各スイーツ店にポイントが設定される。例えば図8(B)のA1でユーザがアニメ聖地めぐりの経路を選択して、A2のゲーム開始のアイコンを選択すると、アニメ聖地めぐりのゲームが開始する。プレーヤは、経路のポイントである各アニメ聖地を探しながら経路を移動する。各アニメ聖地のポイントでは、そのアニメ聖地に対応するようなイベントが発生する。例えばそのアニメ聖地に対応するキャラクタなどが出現するイベントが発生する。
この場合に、経路に設定された店舗、施設とゲームシステムの運営側とで広告契約等を結んでおく。そして、プレーヤが経路のポイントの店舗、施設を訪れて、食事をしたり、商品を購入するなどすると、プレーヤが店舗、施設で支払った額の一部を、広告料等として、ゲームシステムの運営側にペイバックしてもよい。
図9は、経路のポイントでのイベント制御手法についての説明図である。図9では、ポイントP1、P2、P3による経路RTが設定されている。プレーヤは、ポイントP1の次にポイントP2、ポイントP2の次にポイントP3というように、ポイント順に移動する。そしてポイントP1ではキャラクタCH1が出現するイベントが発生し、ポイントP2ではキャラクタCH2が出現するイベントが発生し、ポイントP3ではキャラクタCH3が出現するイベントが発生する。即ち図9では、図5(A)で説明したように1つの経路RTに対して複数のキャラクタCH1、CH2、CH3が設定されており、これらのキャラクタから選択されたキャラクタが、各ポイントにおいて出現する。
具体的にはポイントP1では、「大通りの方へ行こう」というキャラクタCH1のセリフが出力されるイベントが発生する。このセリフの出力は、セリフの音声の出力であってもよいし、セリフのテキスト等の画像の出力であってもよい。例えば音声の出力の場合には、プレーヤが所持する端末装置のスピーカやヘッドフォン端子から、キャラクタCH1の「大通りの方へ行こう」という音声が出力される。画像の出力の場合には、端末装置の表示部に、「大通りの方へ行こう」というテキストやキャラクタCH1の画像などが表示される。なお、この際に、セリフの内容に応じてキャラクタCH1のモーションが変化するような画像を表示してもよい。
プレーヤが経路RTを移動して、ポイントP2に到着すると、「大通りに到着。右の方に行ったはず」というキャラクタCH2のセリフが出力されるイベントが発生する。このゲームでは、例えば特定のペットや人を、プレーヤとゲーム空間のキャラクタとで追いかけるというシナリオ要素が盛り込まれている。ここでは、特定のペットや人が右の方に行ったことが、セリフによりプレーヤに知らされている。そしてプレーヤが経路RTを更に移動して、ポイントP3に到着すると、「あっちに行ったみたい。大きな木がめじるしだよ」というキャラクタCH3のセルフが出力されるイベントが発生する。このようにプレーヤは、キャラクタのセリフの指示等にしたがって、経路を移動する。
ここで各ポイントP1、P2、P3にはイベントのクリアの条件がCD1、CD2、CD3が設定されている。キャラクタの指示に従って、ポイントに無事に到着することなどにより、各条件がクリアされる。そして条件がクリアされることで、図5(A)で説明した達成度が上昇して行く。この場合にCD1、CD2、CD3の各条件がクリアされる毎に、達成度を上昇させてもよいし、例えばCD1とCD2、CD2とCD3というように2つの条件がクリアされる毎に、達成度を上昇させてもよい。
またキャラクタのセリフ出力などの少ない情報だけで、プレーヤが正確に経路RTを辿ることは難しいと考えられる。このため図9に示すように、例えばポイントP3に加えてP3’というような補助のポイントを、ポイントP3の周辺に設定してもよい。この補助のポイントP3’には、ポイントP3の条件CD3と同一又は類似の条件CD3’が設定されている。このようにすれば、プレーヤが経路RTを少しだけ外れてしまい、ポイントP3ではなくポイントP3’を通った場合にも、ゲームのシナリオを適切に進めることが可能になる。
なお本実施形態において各ポイントで発生するイベントとしては種々のイベントを想定できる。例えば、各ポイントでのイベントとしては、ゲーム要素の出現イベント、ゲーム要素の獲得イベント、ゲーム要素のパラメータ情報の変更イベント、仮想抽選器の抽選イベント、又は仮想抽選器のパラメータ情報の変更イベント等がある。
例えば図10(A)では、ポイントP1、P2、P3、P4にキャラクタCM1、CM2、CM3、CM4が配置されている。プレーヤが経路RTを移動して、P1、P2、P3、P4の各ポイントに到着すると、各ポイントに配置されたキャラクタCM1、CM2、CM3、CM4が出現する。即ち、ゲーム要素であるキャラクタの出現イベントが発生する。また、これらのキャラクタCM1、CM2、CM3、CM4と、例えばプレーヤの所持キャラクタとの対戦のイベントも発生する。そしてプレーヤが勝利することで、キャラクタCM1、CM2、CM3、CM4やその所持アイテムなどを、プレーヤが獲得できるようになる。即ち、ゲーム要素であるキャラクタやアイテムの獲得イベントが発生する。また対戦に勝利すると、プレーヤの所持キャラクタのパラメータ情報が変更される。例えばプレーヤの所持キャラクタの経験値などのパラメータ値が上昇する。このように、ゲーム要素である所持キャラクタのパラメータ情報の変更イベントも発生する。
また図10(B)では、ポイントP1、P2、P3、P4にアイテムIT1、IT2、IT3、IT4が配置されている。プレーヤが、経路を間違わずに各ポイントP1、P2、P3、P4に無事に到着すると、これらのアイテムIT1、IT2、IT3、IT4が出現し、プレーヤはこれらのアイテムを獲得できるようになる。即ち、ゲーム要素であるアイテムの出現イベントや獲得イベントが発生する。この場合に、各ポイントでのミッションをクリアしたことなどを条件に、アイテムIT1、IT2、IT3、IT4を獲得できるようにしてもよい。或いは、当該ミッションをクリアしたか否かや、そのクリア度合いに応じて、アイテムIT1、IT2、IT3、IT4のパラメータ情報を変更してもよい。即ち、ゲーム要素であるアイテムのパラメータ情報の変更イベントが発生する。
また図10(C)では、ポイントP1、P2、P3、P4にゲーム要素であるガチャ等の仮想抽選器GA1、GA2、GA3、GA4が配置されている。プレーヤが各ポイントP1、P2、P3、P4に到着すると、これらの仮想抽選器GA1、GA2、GA3、GA4の抽選プレイが可能になる。即ち、仮想抽選器の抽選イベントが発生する。この場合に、各ポイントでのミッションをクリアしたことなどを条件に、仮想抽選器のパラメータ情報を変更してもよい。具体的には仮想抽選器でのレアアイテムの当たり確率を変更する。或いは、仮想抽選器で当たるレアアイテムの種類などを変更してもよい。即ち、仮想抽選器のパラメータ情報の変更イベントが発生する。
また本実施形態では、図11に示すように、経路として前半経路RTF(例えば往路)と後半経路RTL(例えば復路)を設定してもよい。例えばスタートのポイントPSTとゴールのポイントPGLを設定したり、PSTとPGLの間の中間ポイントPFMを設定する。中間ポイントPFMは中間ゴールでもある。そして、スタートのポイントPSTと中間ポイントPFMの間が、前半経路RTFであり、中間ポイントPFMとゴールのポイントPGLの間が、後半経路RTLである。
例えばスタートのポイントPSTでは、「行くわよ」というキャラクタCH1のセリフが出力(音声出力及び画像出力の少なくとも一方。以下、同様)されるイベントESが発生する。これによりプレーヤは経路での移動を開始する。
そして本実施形態ではプレーヤの移動に対して制限時間が設定されており、制限時間内での時間経過に応じたイベント制御が行われる。
例えば図11では、前半経路RTFに対して制限時間TLFが設定され、後半経路RTLに対して制限時間TLLが設定されている。例えば前半経路RTFでのプレーヤの移動が遅く、制限時間TLFを越えそうな状況になると、例えばポイントPF2で「遅れてるわよ。がんばって」というキャラクタCH2のセリフが出力されるイベントEF2が発生する。またプレーヤが、制限時間TLF内に中間ポイントPFMに到着できないと、「残念。前半戦タイムアップ」というキャラクタCH3のセリフが出力されるイベントETFが発生する。
このように本実施形態では、制限時間TLF内での時間経過に応じたイベント制御が行われている。即ち、制限時間TLFに間に合わなくなりそうな時間の経過になると、イベントEF2が発生する。また制限時間TLFに実際に間に合わないと、イベントETFが発生する。また後半経路RTLにおいても、制限時間TLLに間に合わないような状況になると、例えば「ライブがはじまるから急いで」というような仮想的な電話がプレーヤの端末装置にかかってくるイベントETLが発生する。この仮想的な電話のイベントは、現実に電話がかかってくるのではなく、擬似的な電話音が端末装置から出力されるイベントである。このように後半経路RTLにおいても、制限時間TLL内での時間経過に応じたイベント制御が行われている。このようにすれば、制限時間内での時間経過に応じた適切なイベント制御を実現できるようになる。
また本実施形態では、前半経路RTFでのプレーヤのポイント巡りのゲームの状況に応じて、後半経路RTLでのイベント制御を行う。例えば図11において、プレーヤが前半経路RTFの制限時間TLFに間に合わなかったようなゲーム状況(達成状況)の場合には、前述したイベントETFが発生する。そして、このような前半経路RTFのゲーム状況(達成状況)の場合には、後半経路RTLのポイントPL1において、「後半戦ファイト」というキャラクタCH3のセリフが出力されるイベントEL1が発生する。このイベントEL1は、前半経路RTFの制限時間TLFに間に合わなかったプレーヤを励まして元気づけるイベントである。このようにすることで、前半経路RTFのゲーム状況を反映させた後半経路RTLでのイベント制御を実現できるようになる。
図12は本実施形態の全体的な処理例を示すフローチャートである。まず地域選択画面を表示する(ステップS1)。例えば図4(A)に示すような地域選択画面(地図情報)をプレーヤの端末装置に表示する。そしてプレーヤが地域を選択したか否かを判断し(ステップS2)、選択した場合には選択された地域に対応するポイント情報を読み出す(ステップS3)。例えば図4(A)において、プレーヤが地域AR1〜AR20の中から所望の地域を選択すると、その地域に設定されたポイントの情報を、図2のポイント情報記憶部672から読み出す。そしてプレーヤの入力情報やプレーヤ情報(プレーヤのゲーム状況、行動履歴)に基づき、複数のポイントと複数のポイントを巡る経路を設定する(ステップS4)。例えば図4(B)に示すような経路RT1、RT2、RT3を設定する。
次に、プレーヤがゲームを開始したか否かを判断する(ステップS5)。例えば図5(B)において、プレーヤが自身が好むキャラクタ(例えばCH1)に対応する経路(例えばRT1)を選択して、ゲームの開始を指示すると、ゲームが開始する。
ゲームが開始すると、プレーヤの位置情報が取得される(ステップS6)。例えば位置情報の検出が可能なプレーヤの端末装置により、GPS測位、アクセスポイント測位、セルベース測位又はビーコン測位などを利用することで、プレーヤの位置情報が取得される。そしてプレーヤの位置が、ポイントの検出範囲内か否かを判断する(ステップS7)。即ち、取得された位置情報に基づいて、ポイントの検出範囲内にプレーヤが位置するか否かを判断する。そして、ポイントの検出範囲内にプレーヤが位置する場合には、当該ポイントに対応するイベントを発生する(ステップS8)。例えば図9で説明したようなイベントを発生する。そして、ゲーム終了か否かを判断し(ステップS9)、例えばプレーヤがゴールポイントに到着したり、制限時間を過ぎてしまった場合には、ゲーム終了と判断して、処理を終了する。
2.2 位置情報の信頼度に応じたイベント制御
前述した従来技術であるスタンプラリーのシステムでは、参加者は、運営者により予め決められたスタンプラリーのポイントを巡るだけであり、ポイント巡りとゲームのイベントを融合させるような手法については提案されていなかった。
また、近年、脚光を浴びている位置情報ゲームでは、現実世界でのプレーヤの位置に対応する場所に、仮想空間のキャラクタが出現し、プレーヤは、当該キャラクタを獲得することでゲームを楽しむ。しかしながら、GPS等で検出される位置情報の信頼度が低く、不正確であると、キャラクタ等の出現による適正なゲーム演出を実現できないという課題がある。
そこで本実施形態では、プレーヤの位置情報を取得し、取得されたプレーヤの位置情報に基づきポイントに対応するイベントを発生するイベント制御を行う際に、位置情報の信頼度に応じたイベント制御を行う手法を採用する。
例えばスマートフォン等の端末装置での位置情報検出においては、検出される位置情報の信頼度(信用度)が、通信状況等に応じて様々に変化する。例えば位置情報の信頼度は、GPS測位における衛星数、無線LAN等における電波強度などに応じて変化する。また前述したように、位置情報の検出手法としては、GPS測位、アクセスポイント測位、セルベース測位、或いはビーコン測位などの複数の測位手法がある。そして、これらの複数の測位手法のいずれにより位置情報が検出されたかに応じて、位置情報の信頼度は変化する。例えば、1つの測位手法だけにより位置情報が検出された場合には、複数の測位手法の組合わせにより位置情報が検出された場合に比べて、位置情報の信頼度は低くなる。
そして本実施形態のように、地域に設定された各ポイントにおいてイベントを発生するゲームシステムにおいては、ゲームの演出の種類などに応じて、要求される位置情報の正確さが異なる。例えば、信頼度が低い不正確な位置情報に基づいてイベント制御を行うと、システム側で意図したゲーム演出を適切に実現できなくなるおそれがある。そこで本実施形態では、現在、取得されている位置情報が、最寄りに指定されたポイントに紐付く位置情報の信頼度の条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合に所与のイベントを発生するイベント制御を行う。また信頼度に応じた内容等のイベントを発生させるイベント制御を行う。これにより、地域に設定された各ポイントでイベントを発生するゲームシステムにおいて、最適なイベント制御を実現できる。
図13は、本実施形態の手法の基本的な処理例を示すフローチャートである。まずプレーヤの位置情報と、位置情報の信頼度を取得する(ステップS11)。例えばプレーヤの端末装置で検出された位置情報とその信頼度(信頼度情報)を取得する。位置情報の信頼度は端末装置側で検出(評価)してもよいし、サーバ側で検出してもよい。次に、プレーヤの位置が、ポイントの検出範囲内か否かを判断する(ステップS12)。そして、プレーヤの位置が検出範囲内である場合には、位置情報の信頼度に応じたイベント制御を実行する(ステップS13)。
例えば図14(A)、図14(B)に示すように、ポイントPに対して検出範囲ADPが設定されている。この検出範囲ADPは、ポイントPを内包する所与の距離範囲のエリアである。そしてプレーヤの位置PPS(信頼度RL)が、この検出範囲ADP内か否かが判断され、図14(B)に示すように、プレーヤの位置PPSが検出範囲ADP内に入った場合には、位置PPSの情報の信頼度RLに応じたイベント制御を実行する。例えば信頼度RLが高信頼度レベルである場合には、ポイントPに対応するイベントを発生する。一方、信頼度RLが低信頼度レベルである場合には、ポイントPのイベントを非発生にしたり、ポイントPに対応づけられたイベントとは別のイベントを発生するなどのイベント制御を実行する。
このようにすれば、プレーヤの位置情報に対応するポイントでのイベント制御を行う際に、その位置情報の信頼度に応じたイベント制御を実行できるようになる。例えば位置情報の信頼度に応じたイベント発生、イベント削除、イベント内容の変更又はイベント挿入などのイベント制御を実現できるようになる。
図15は、本実施形態の手法の詳細な処理の一例を示すフローチャートである。まずプレーヤの位置情報と信頼度を取得し、プレーヤの位置が、ポイントの検出範囲内か否かを判断する(ステップS21、S22)。プレーヤの位置が検出範囲内である場合には、位置情報の信頼度が、所与のしきい値レベル以上か否かを判断する(ステップS23)。そして信頼度がしきい値レベル以上である場合には、ポイントに対応するイベントを発生する(ステップS24)。信頼度がしきい値レベルよりも小さい場合には、例えば検出範囲のポイントに対応するイベントは非発生となる。
このようにすれば、プレーヤがポイントの検出範囲内に入るなどしてイベントの発生条件が満たされた場合に、位置情報の信頼度がしきい値レベル以上であることを条件に、位置情報に対応するポイントでのイベントが発生するようになる。例えばプレーヤがポイントの検出範囲内に入るなどしてイベントの発生条件が満たされても、位置情報の信頼度がしきい値レベルよりも小さい場合には、位置情報に対応するポイントでのイベントは例えば発生しないようになる。従って、位置情報の信頼度が高く、正確な位置情報であることが保証される場合に、ポイントでのイベントが発生するようになるため、不正確な位置情報に基づいて不適切にイベントが発生してしまうなどの事態の発生を防止できる。
図16は、本実施形態の手法の詳細な処理の他の例を示すフローチャートである。まずプレーヤの位置情報と信頼度を取得し、プレーヤの位置が、ポイントの検出範囲内か否かを判断する(ステップS31、S32)。プレーヤの位置が検出範囲内である場合には、位置情報の信頼度が高信頼度レベルか否かを判断する(ステップS33)。例えば信頼度が、高信頼度レベルに対応する第1のしきい値レベル以上か否かを判断する。そして位置情報の信頼度が高信頼度レベルである場合には、高信頼度レベルに対応するイベント(第1のイベント)を発生する(ステップS34)。例えば図2の記憶部670(ゲーム情報記憶部674)には、信頼度レベルに対応づけて各ポイントのイベントの情報が記憶されており、これらのイベントの中から、高信頼度レベルに対応づけられたイベントを発生するイベント制御を行う。
次に、位置情報の信頼度が低信頼度レベルか否かを判断する(ステップS35)。例えば信頼度が、低信頼度レベルに対応する第2のしきい値レベル以下か否かを判断する。そして位置情報の信頼度が低信頼度レベルである場合には、低信頼度レベルに対応するイベントを発生する(ステップS36)。例えば図2の記憶部670には、信頼度レベルに対応づけて各ポイントのイベントの情報が記憶されており、これらのイベントの中から、低信頼度レベルに対応づけられたイベントを発生するイベント制御を行う。
このように本実施形態では、ポイントに対して、高信頼度レベルに対応する第1のイベントと、低信頼度レベルに対応する第2のイベントとが対応づけられており、ポイントに対応するイベントとして第1のイベントと第2のイベントのいずれを発生するかを、位置情報の前記信頼度に基づいて判断している。このようにすれば、位置情報の信頼度レベルが高信頼度レベルであれば、高信頼度レベルに対応する第1のイベントを発生し、低信頼度レベルであれば、低信頼度レベルに対応する第2のイベントを発生できるようになる。例えば高信頼度レベルである場合には、重要度が高い第1のイベントを発生し、低信頼度レベルである場合には、第1のイベントに比べて重要度が低い第2のイベントを発生するというようなイベント制御を実現できるようになる。従って、位置情報の信頼度に応じて、ポイントに対応するイベントとして、重要度等が高いイベントを発生するか否かを切り替えることなどが可能になる。
2.3 信頼度
次に位置情報の信頼度について詳細に説明する。図17はGPS測位による測位情報の例である。この測位情報は、GPSの測位時刻、緯度、経度、クオリティ、受信衛星数、DOP(dilution of precision)などの情報を含む。図17の緯度、経度がGPS測位により検出される位置情報に相当する。また図17の受信衛星数やDOP(HDOP、VDOP)やクオリティに基づき、GPS測位で検出される位置情報の信頼度を決定できる。例えばDOPが高いほど、或いは受信衛星数が多いほど、位置情報の信頼度は高くなる。またクオリティに基づいて、受信可能なのか、単独測位なのか、DGPSなのかが特定されて信頼度を判断できる。
またスマートフォンなどのプレーヤの端末装置は、図18に示すようにGPS測位、アクセスポイント測位、セルベース測位、ビーコン測位などの複数の測位手法により位置情報を検出できる。この場合に図18に示すように、例えばGPS測位を含む2つ以上の測位手法により位置情報を検出できる場合には、信頼度が高いと判断できる。またブルートゥースなどのビーコン測位により位置情報を検出できる場合にも、信頼度が高いと判断できる。一方、GPS測位のみでしか位置情報を検出できない場合や、アクセスポイント測位及びセルベース測位により位置情報を検出できる場合には、信頼度が例えば中ぐらいであると判断できる。またアクセスポイント測位のみでしか位置情報を検出できない場合やセルベース測位のみでしか位置情報を検出できない場合には、信頼度が例えば低いと判断できる。なお図18は複数の測位手法を用いる場合の信頼度の判定手法の一例であり、本実施形態の信頼度の判定手法は図18に限定されるものではない。
このようにプレーヤの端末装置が、位置情報の検出が可能な複数のデバイスを有する場合に、プレーヤの位置情報は、これらの複数のデバイスを用いて検出することができる。例えば端末装置は、GPS測位用のデバイス(GPSの通信IC)、アクセスポイント測位用のデバイス(無線LANの通信IC)、セルベース測位用のデバイス(モバイル通信の通信IC)、或いはビーコン測位用のデバイス(ブルートゥースの通信IC)などを有し、これらの複数のデバイスを用いて、プレーヤの位置情報を検出できる。この場合に本実施形態では、これらの複数のデバイスを用いて検出された位置情報の信頼度に応じて、イベント制御を行う。例えば図18において位置情報の信頼度が高いと判断された場合には、ポイントに対応するイベントを発生する。一方、位置情報の信頼度が高くないと判断された場合には、ポイントに対応するイベントを非発生にする。或いは、図18において位置情報の信頼度が高いと判断された場合には、高信頼度レベルに対応するイベントを発生し、信頼度が低いと判断された場合には、低信頼度レベルに対応するイベントを発生する。このようにすることで、端末装置が有する複数の位置情報検出デバイスを用いる測位手法において最適なイベント制御を実現できるようになる。
またプレーヤの端末装置が、電波を受信するデバイス(例えばワイファイ用の通信ICや3G/LTE等のモバイル通信用の通信IC等)を有する場合に、このデバイスの受信電波の電波強度に基づき、プレーヤの位置情報を検出できる。例えば複数のアクセスポイントや複数の基地局からの受信電波の電波強度を用いた三角測量などの測位手法で、位置情報を検出できる。そして図19(A)に示すように、電波発信源EQ(アクセスポイント、基地局等)からの距離が近いほど受信電波の電波強度は強くなり、位置情報の信頼度は高くなる。そして例えば図19(A)の範囲AFI内に端末装置が位置しないと、位置情報の信頼度は低信頼度になってしまう。また図19(B)のC1に示すように、複数の電波発信源EQ1、EQ2から近い距離の範囲に、プレーヤの端末装置が位置する場合には、位置情報の信頼度は高くなる。このように端末装置の受信電波の電波強度に基づく位置情報の信頼度は、電波発信源からの距離や、端末装置が電波を受信している電波発信源の数などに応じて判断できる。
そして本実施形態では、このように受信電波の電波強度に基づく位置情報の信頼度に応じて、イベント制御を行う。例えば電波発信源からの距離が近かったり、電波を受信している電波発信源の数が多い等により、位置情報の信頼度が高いと判断される場合には、ポイントに対応するイベントを発生したり、高信頼度レベルに対応するイベントを発生する。一方、電波発信源からの距離が遠かったり、電波を受信している電波発信源の数が少ない等により、位置情報の信頼度が低いと判断される場合には、ポイントに対応するイベントを非発生にしたり、低信頼度レベルに対応するイベントを発生する。このようにすれば、受信電波の電波強度に基づきプレーヤの位置情報が検出される測位手法において最適なイベント制御を実現できるようになる。
2.4 予測処理
本実施形態では、位置情報の信頼度の変化の予測処理を行い、信頼度が高信頼度レベルに変化することが予測される場合には、高信頼度レベルに変化したことを条件にポイントに対応するイベントを発生するイベント制御を行う。例えば端末装置が最初に、信頼度が低い位置情報を検出した場合に、その場所の付近において、信頼度が高い位置情報を検出できる可能性がある場合には、直ぐにはイベントを発生せずに、高信頼度レベルに変化するまでウェイトしてから、その場所のポイントに対応するイベントを発生する。
例えば図20において、プレーヤPLの位置PPSは、アクセスポイントAPから遠く、電波強度が弱いため、受信電波の電波強度に基づく位置情報の信頼度は低くなっている。また衛星SATのGPS測位による位置情報の信頼度も低くなっている。
一方、プレーヤPLの位置PPSの近くには店舗SHPがあり、店舗SHPにはブルートゥースのビーコン端末EQBが設置されている。そしてプレーヤPLの移動方向DRは店舗SHPの方を向いており、店舗SHPの方に移動している。プレーヤPLが店舗SHPに到着し、プレーヤPLの端末装置がビーコン端末EQBからのアドバタイズメントのパケットを受信すれば、図18に示すように高い信頼度の位置情報を取得することが可能になる。
従って、このような状況では、信頼度の変化の予測処理において、信頼度が高信頼度レベルに変化することが予測される。即ち、プレーヤPLの移動方向DRに基づく信頼度の予測処理を行うことで、所与の時間経過後にプレーヤPLの端末装置が、店舗SHPのビーコン端末EQBにより高い信頼度の位置情報を取得できることが予測される。従って、この場合には、図20の位置PPSにおいてはイベントを発生せずに、プレーヤPLが店舗SHPに到着し、ビーコン端末EQBにより高い信頼度の位置情報が取得された時に、例えば店舗SHPのポイントに設定されたイベントを発生する。こうすることで、重要なポイントである店舗SHPにおいて、重要なイベントを確実に発生することが可能になり、より適切なイベント制御を実現できるようになる。例えば店舗SHPが広告料を支払っていたり、広告契約等を結んでいる場合には、このような手法を採用することで、プレーヤPLを店舗SHPに呼び寄せることが可能になり、有効な手法となる。
図21は、信頼度の変化の予測処理に基づくイベント制御処理のフローチャートである。低信頼度レベルの位置情報が取得された場合には、位置情報の信頼度が、低信頼度レベルから高信頼度レベルに変化することが予測されるか否かを判断する(ステップS41、S42)。例えば図20では、アクセスポイントAPから遠いため低信頼度レベルの位置情報が取得されているが、プレーヤPLの移動方向DR等に基づき、低信頼度レベルから高信頼度レベルに変化すると予測できることになる。
そして位置情報の信頼度が高信頼度レベルに変化することが予測されない場合には、低信頼度レベルに対応するイベントを発生する(ステップS43)。一方、高信頼度レベルに変化することが予測される場合には、イベント発生のウェイト処理を行う(ステップS44)。例えば、イベント発生を所与の期間、ウェイトする。そして位置情報の信頼度が低信頼度レベルから高信頼度レベルに変化したことを条件に、高信頼度レベルに対応するイベントを発生する(ステップS45、S46)。例えば図20で、プレーヤPLが店舗SHPに到着し、ビーコン端末EQBにより高信頼レベルの位置情報を取得したことを条件に、高信頼度レベルに対応するイベントとして、店舗SHPに対応するイベントを発生する。例えば当該店舗SHPでしか獲得できないキャラクタ、アイテムが出現したり、当該店舗SHPに対応するレアアイテムの獲得が可能な仮想抽選器が出現するイベントなどを発生する。こうすることで、位置情報の信頼度レベルを予測することによる最適なイベント制御を実現できるようになる。
2.5 イベント発生
次に本実施形態のイベント発生の種々の手法について説明する。本実施形態では、経路に対して少なくとも1つのゲーム要素を設定し、経路のポイントに対応するイベントとして、経路に設定されたゲーム要素のイベントを発生する。また位置情報の信頼度が高信頼度レベルである場合には、ポイントに対応づけられたゲーム要素のイベントを発生し、信頼度が低信頼度レベルである場合には、ポイントに対応づけられていないゲーム要素のイベントを発生する。
例えば図22(A)では、プレーヤは、経路選択画面において経路RT1を選択しているため、プレーヤのエスコート・キャラクタとして、経路RT1に設定されたキャラクタCH1が選択される。そしてプレーヤが経路RT1を移動すると、経路RT1に対応するイベントとして、経路RT1に設定されたゲーム要素であるキャラクタCH1のイベントが発生する。例えば図22(B)では、ポイントP3において、キャラクタCH3の「この店に入ろう」というセリフが出力されるイベントEV3Aが発生する。
この場合に図22(B)では、プレーヤ(PL)の位置情報(PPS)の信頼度が高信頼度レベルであることを条件に、経路RT1に設定されたキャラクタCH1のイベントEV3Aが発生している。即ち図17〜図19(B)で説明したように、複数のデバイスを用いて位置情報が検出されたり、受信電波の電波強度が高いなどにより位置情報が高信頼度レベルである場合に、図22(A)で経路RT1に設定されたキャラクタCH1が適正に出現するイベントEV3Aが発生する。
一方、図22(C)では、プレーヤの位置情報の信頼度は低信頼レベルになっている。この場合には、経路RT1に設定されていないキャラクタCH2が出現して、「この店に入ろう」というセリフが出力されるイベントEV3Bが発生する。
このように図22(B)、図22(C)では、位置情報の信頼度が高信頼度レベルである場合には、ポイント(経路)に対応づけられたキャラクタCH1(ゲーム要素)のイベントEV3Aを発生し、信頼度が低信頼度レベルである場合には、ポイント(経路)に対応づけられていないキャラクタCH2のイベントが発生している。例えば信頼度が低信頼度レベルである場合には、ポイントに対応づけられないキャラクタをランダムに選択して出現させる。
このようにすれば、位置情報が高信頼度レベルであることを条件に、そのポイントに対応づけられたキャラクタ等のゲーム要素のイベントが発生するようになる。これにより、システム側が意図したゲーム要素のイベントを発生させることができる適正なイベント制御を実現できる。一方、位置情報が低信頼度レベルである場合にも、低信頼度レベルに対応するイベントを発生することで、ポイントにおいてイベントが何も発生しないような事態を防止でき、適切なゲーム進行を実現できる。
また本実施形態では、ポイントに対応するイベントに用いられるゲーム要素の種類や出現確率を、位置情報の信頼度に応じて変化させる。
例えば図23(A)では、プレーヤ(PL)の位置情報(PPS)の信頼度は低信頼度レベルであり、この場合には、いわゆる雑魚キャラクタCMSが出現するイベントEV3Cが発生する。一方、図23(B)では、プレーヤの位置情報の信頼度は高信頼度レベルであり、この場合には、いわゆるボスキャラクタCMBが出現するイベントEV3Dが発生する。即ち、ポイントに対応するイベントに用いられるゲーム要素の種類が、位置情報の信頼度に応じて変化している。例えば本実施形態では、位置情報の信頼度が高信頼度レベルである場合には、特典のイベントを発生したり、通常とは異なるイベントを発生する。一方、位置情報の信頼度が低信頼度レベルである場合には、通常のイベントを発生する。特典のイベントは、例えばプレーヤを有利にしたり優遇するイベントである。例えば特典のイベントは、例えばアイテムの獲得が可能なイベントや、ボスキャラクタが出現し、そのボスキャラクタを倒すと所持アイテム等の獲得が可能なイベントである。通常とは異なるイベントは、例えばレア度が高いアイテムやキャラクタ等のゲーム要素が出現したり、複数のキャラクタが連動するようなイベントである。
また図24(A)では、プレーヤ(PL)の位置情報(PPS)の信頼度は低信頼度レベルであり、この場合には、当たり確率が低かったりレア度が低いアイテムが当たる仮想抽選器GA1が出現するイベントEV3Eが発生する。一方、図24(B)では、プレーヤの位置情報の信頼度は高信頼度レベルであり、この場合には、当たり確率が高かったりレア度が高いアイテムが当たる仮想抽選器GA2が出現するイベントEV3Fが発生する。プレーヤは、ポイントP3で発生したイベントEV3Fにおいて、仮想抽選器GA2を用いた抽選処理を行うことで、レア度が高いアイテムを高い確率で獲得できるようになる。
このように本実施形態では、ポイントに対応するイベントに用いられるゲーム要素の種類やその出現確率が、位置情報の信頼度に応じて変化する。これにより、位置情報の信頼度に応じてゲーム要素の種類(イベントの種類)や出現確率(イベントでのパラメータ)が様々に変化するようになり、多様なゲーム演出等を実現できるようになる。また、位置情報の信頼度が高い場合には、レアキャラクタやレアアイテムを獲得できたり、キャラクタやアイテムの出現確率が高くなり、プレーヤにとって、より特典となるイベントが発生するようになる。従って、プレーヤに対して、信頼度が高い位置情報が取得できるような行動を促すことができ、結果的に、高い信頼度の位置情報に基づくイベント制御を実現できるようになる。
2.6 信頼度情報の表示処理
本実施形態では、プレーヤに対して位置情報の信頼度レベルを識別可能に表示するための処理を行う。また信頼度が所与の信頼度レベルである場合のイベントを発生させるか否かを、プレーヤに選択させるための処理も行う。
例えば図25(A)、図25(B)では、ゲーム画面上に位置信頼度のゲージGAR(表示物)が表示される。このゲージGARにより、プレーヤは、位置情報の信頼度レベルを識別可能になる。例えば図25(A)では、ゲージGARのゲージ値が低いため、位置情報が低信頼度レベルであることをプレーヤは認識できる。一方、図25(B)では、ゲージGARのゲージ値が高いため、位置情報が高信頼度レベルであることをプレーヤは認識できる。このようにすれば、プレーヤは、現在の位置情報の信頼度レベルを視覚的に認識できるようになり、位置情報の信頼度レベルに応じた様々な行動をとることが可能になる。
そして図25(A)では、ゲージGARより表される位置情報の信頼度が低信頼レベルであり、低信頼度ベルに対応する雑魚キャラクタCMSがシルエット表示されている。そしてプレーヤが図25(A)のE1において当該雑魚キャラクタCMSとの対戦を選択すると、シルエット表示されていた雑魚キャラクタCMSが対戦相手としてゲーム画面上に現れ、プレーヤは当該雑魚キャラクタCMSと対戦できるようになる。
一方、図25(B)では、ゲージGARより表される信頼度が高信頼度レベルであり、高信頼度ベルに対応するボスキャラクタCMBがシルエット表示されている。そしてプレーヤが図25(B)のE2において当該ボスキャラクタCMBとの対戦を選択すると、シルエット表示されていたボスキャラクタCMBが対戦相手としてゲーム画面上に現れ、プレーヤは当該ボスキャラクタCMBと対戦できるようになる。
このように本実施形態では、信頼度が所与の信頼度レベルである場合のイベントを発生させるか否かを、プレーヤに選択させる処理を行っている。例えば図25(A)のE1では、信頼度が低信頼度レベルである場合のイベントである雑魚キャラクタCMSの出現イベントを発生させるか否かを、プレーヤに選択させている。また図25(B)のE2では、信頼度が高信頼度レベルである場合のイベントであるボスキャラクタCMBの出現イベントを発生させるか否かを、プレーヤに選択させている。即ち、現状の位置情報の信頼度レベルをゲーム画面中に表示して、イベント発生時に、プレーヤが納得しないイベントが発生しないような場合にはキャンセルできるようにする。例えば図25(A)において、プレーヤが、低信頼度レベルに対応する雑魚キャラクタCMSとの対戦を望まない場合には、対戦をキャンセルできる。そして図25(B)のように、高信頼度レベルに対応するボスキャラクタCMBが出現した時だけ、当該ボスキャラクタCMBと対戦するというような選択を、プレーヤができるようになる。従って、プレーヤの意思等をより反映させたイベント制御を実現することが可能になる。なお信頼度が所与の信頼度レベルである場合のイベントを発生させるか否かを、例えばゲームのオプション設定画面等において事前に設定できるようにしてもよい。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(ゲーム要素等)と共に記載された用語(キャラクタ・アイテム・ゲームカード・仮想抽選器等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、位置情報取得処理、信頼度の決定処理、信頼度に応じたイベント制御処理、ゲーム処理、ポイントや経路の設定処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。