以下、本発明の一実施形態に係る物品供給装置を備えた計量システムを図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る物品供給装置を備えた計量システムの全体構成を示す斜視図、図2はその平面図、図3はその側面図である。この実施形態の計量システムは、物品供給を行う物品供給装置1と、従来では、物品の供給が人手によって行われていた半自動式の組合せ秤2とを備えている。
この計量システムは、半自動式の組合せ秤2に対して、物品供給装置1によって物品を、自動で供給するものであり、全体として、物品の供給及び排出を自動で行う、自動式の組合せ秤と称することもできる。
この実施形態では、単体重量が比較的大きく不定形で、機械によるハンドリングが難しい粘着性を有するような物品、例えば、ブロイラー(肉用鶏)を解体したモモ肉あるいはムネ肉といったブロック状の肉片を計量対象としている。
すなわち、この実施形態の計量システムは、ブロイラーの解体ラインの計量工程に好適なシステムである。
物品供給装置1は、水平に配備した前段搬送機構3と、その搬送径路の複数箇所、この例では3箇所に配備した物品排出機構4と、各物品排出機構4にそれぞれ対応する3台の分配搬送機構5と、各分配搬送機構5に対応して複数台ずつ、この例では3台ずつ並列配備した後段搬送機構としての振動フィーダ6とを備えている。
前段搬送機構3は、水平に巻回した搬送ベルト7を、図2において、矢符Aで示されるように、右方から左方に一定の速度で回転駆動されるベルトコンベヤで構成されている。前段搬送機構3の搬送ベルト7の右方の始端側において、
解体されたブロイラーの肉片が、物品wとして供給される。
物品排出機構4は、前段搬送機構3における搬送径路を挟む一方側に設置されて縦支点aを中心にして、揺動駆動可能な長板状のガイド部材8を備えている。このガイド部材8は、図2中の実線で示すように、搬送径路の前記一方側に外れて搬送方向に沿った退避姿勢となる許容状態では、前段搬送機構3による搬送径路上の物品wの通過が許容される。ガイド部材8が駆動されて、図2中の仮想線で示すように、前記縦支点aを中心に搬送経路側へ揺動すると、長板状のガイド部材8が、平面視で搬送径路に斜めに交差した排出姿勢の排出状態となる。この排出状態では、搬送径路に沿って搬送される物品wは、搬送経路を斜めに横切るように交差しているガイド部材8の板面に沿って、徐々に搬送径路の他方側の外方へ案内されて、搬送経路から排出され、分配搬送機構5に供給される。
物品排出機構4による物品wの排出側には、下窄まりの傾斜した排出シュート9が固定配備されており、ガイド部材8によって案内排出された物品wは、排出シュート9を介して前記他方側の下方に滑落案内される。
このように物品排出機構4は、長板状のガイド部材8を、前段搬送機構3の搬送経路に対して傾斜するように交差させて、前段搬送機構3によって搬送される物品wを、ガイド部材8の板面に沿って案内して排出するので、粘着性を有するブロイラーの肉片である物品wを確実に所定の箇所で排出することができる。
前記分配搬送機構5は、物品排出機構4によって排出されて供給される物品wを受け取る上拡がり漏斗状の投入ファネル10と、投入ファネル10に投入された物品wを搬送すると共に、所定角度だけ回動駆動可能な旋回コンベヤ14とを備えている。旋回コンベヤ14は、投入ファネル10で滑落案内された物品wを載置して水平に搬送する搬送ベルト11と、搬送ベルト11の両脇に起立配備された左右の側板12と、両側板12の終端部に取付けられた平面形状がU形の排出カバー13とを備えている。
排出カバー13は、搬送ベルト11で載置搬送されてきた物品wを、搬送方向へ飛び出させることなく落下させる落下口を形成するものであり、図4に示されるように、両側板12に対して搬送方向に沿って位置調節可能にボルト締め連結されている。この排出カバー13の位置調節によって物品wの大きさに対応して落下口の搬送方向の開口長さを変更し、物品wが詰まることなく的確に所定位置に落下放出されるようになっている。
旋回コンベヤ14は、投入ファネル10からの物品が滑落する搬送ベルト11の搬送始端側に設定された縦支点bを中心として、サーボモータによって所定角度だけ回動駆動可能である。この旋回コンベヤ14は、回動範囲における中央位置とその両側の回動端位置の3位置において、搬送ベルト11の搬送終端の落下口が、各振動フィーダ6の直上方に位置するようになっている。すなわち、旋回コンベヤ14は、縦支点bを中心として、所定角度だけ旋回して、物品wを、3台の各振動フィーダ6に振分ける。
上記のように旋回コンベヤ14は、投入ファネル10からの物品wが滑落する搬送ベルト11の搬送始端側に設定された縦支点bを中心として回動するので、旋回コンベヤ14がどの回動位置にあっても、前段搬送機構3によって搬送される物品wを、物品排出機構4のガイド部材8によって排出して、旋回コンベヤ14の搬送始端側に供給することができる。したがって、旋回コンベヤ14の搬送始端側へ物品wを供給する必要があるときには、旋回コンベヤ14の回動位置に拘わらず、前段搬送機構3の物品wを物品排出機構4によって排出して、旋回コンベヤ14へ迅速に物品wを供給することができる。
後段搬送機構としての振動フィーダ6は、樋状のトラフ15を、図3に示される加振機16に脱着可能に連結した直進フィーダであり、トラフ15を振動駆動することで載置した物品wを、組合せ秤2に搬送するように構成されている。トラフ15の下面には、該トラフ15を、搬送方向に向かって先下がり傾斜した状態に支持する支持フレーム17が連結されている。この支持フレーム17を加振機16の上端部に備えられた振動ヘッド16aに位置決め係合し、レバー操作されるバックル式の連結機構18を用いて締結固定するようになっている。
また、トラフ15の底面及び左右の側面には、図4などに示されるように、トラフ15の長手方向に沿ったスリット状の透孔19が多数整列形成されている。この透孔19は、ブロイラーを解体した肉片である物品wの表面に浮き出た油脂や油液をトラフ15外に排出し、トラフ15内面にこれら油脂や油液が多量に付着残留して物品wの搬送を妨げるのを阻止する。
このように振動フィーダ6のトラフ15は、搬送方向に向かって先下がり傾斜し、多数の透孔19を有するので、油脂分を含み粘着性を有するブロイラーの肉片である物品wを、円滑に搬送することができる。
1台の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対して、振動フィーダ6が3台ずつ並列に配置され、旋回コンベヤ14の中央位置及びその両側の回動端位置への3位置への切換え回動に応じて、各旋回コンベヤ14から3台の各振動フィーダ6のトラフ15の物品供給位置に物品wをそれぞれ供給することができる。したがって、全体として、直線状に並列に配置された9台の振動フィーダ6によって、9箇所へ物品wを振動搬送することができる。
各振動フィーダ6では、その駆動及び停止によって、物品wを搬送及び停止させることができるので、物品wを、振動フィーダ6のトラフ15の終端部まで搬送して待機させるように制御し、組合せ秤2の物品投入口25への投入要求に応じたタイミングで物品wを、組合せ秤2へ供給することができる。
この実施形態の物品供給装置1では、3台の一組の振動フィーダ6群に、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14から物品wを分配供給する場合に、隣接する振動フィーダ6の間に、物品wが跨って残留するのを防止するために、次のように構成している。
すなわち、図4などに示すように、3台一組の振動フィーダ6群のうち、中央のトラフ15とその両側のトラフ15との中間箇所には、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端回動軌跡に臨むように回転体としての遊転ローラ20が、搬送方向に水平に支承されている。
この遊転ローラ20は、並列に配置された3台の各振動フィーダ6の隣接するトラフ15の物品供給位置の間に、物品wが供給された場合に、当該物品wを、隣接するトラフ15の物品供給位置の内のいずれかの物品供給位置に案内する物品案内装置を構成する。
図5〜図7に、この遊転ローラ20付近の詳細な構造が示されている。遊転ローラ20は、立設固定された前後一対の支持ブラケット35に、支軸22を介して水平の軸心pを中心に回動自在に支承されている。この軸心pは、図2の平面図に示されるように、並列に配置された9台の振動フィーダ6のトラフ15の並列方向に対して略直角に交差する方向の軸心であり、トラフ15の搬送方向に沿う方向の軸心である。このように遊転ローラ20は、トラフ15の搬送方向に沿う方向の水平な軸心p周りに回動自在である。
遊転ローラ20の下方には、物品wがトラフ15の側板と遊転ローラ20との間に入り込むのを防止してトラフ15内に落とし込み案内する案内部材23が配備されている。この案内部材23は、正面形状が台形に屈折形成した板材で構成されており、その前後端から起立延出された突片23aが、遊転ローラ20の支軸22に回動可能に遊嵌されている。また、案内部材23からは板材からなる一対の重錘部23bが下方に向けて延出されており、支軸22に対して回動自在な案内部材23が自重によって一定の姿勢に保持されている。
なお、前後一対の支持ブラケット35の上下中間箇所に亘ってステー24が架設され、支持ブラケット35全体の対向間隔が一定に維持されている。このステー24は、案内部材23における重錘部23bに挿通され、案内部材23が支軸22周りに回動する際の回動可能範囲がステー24によって当接規制されている。
また、支持ブラケット35の上端部には、遊転ローラ20の支軸22を上方から係入支持する軸受け凹部35aが形成されており、遊転ローラ20を支持ブラケット35から上方に抜き外すことができるようになっている。
分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が回動作動している途中で、中央のトラフ15と、その両側の一方側、すなわち、左または右のトラフ15との中間箇所に、不所望に落下した物品wは、遊転ローラ20に受け止められるように当接し、物品wの重量バランスの崩れや当接時の力の掛かり具合、等に応じた方向に遊転ローラ20が勝手に回転することによって、中央のトラフ15または左右いずれかのトラフ15に落下する。
また、図8に示すように、特に長い物品wが遊転ローラ20に跨るように乗り掛かったまま残留してしまうこともあるが、回動する旋回コンベヤ14の終端、つまり、排出カバー13の下端部と、遊転ローラ20との上下の間隔を小さく設定しているので、次に分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が逆向き(図8の場合は左方)に回動作動する際に、排出カバー13の下端部で、遊転ローラ20に乗り掛かっている物品wを押し動かして、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が移動する側のトラフ15に物品wを落とし込むことができる。
回動する旋回コンベヤ14の排出カバー13の下端部と遊転ローラ20との上下の間隔は、遊転ローラ20に跨るように乗り掛かったまま残留した物品wに、回動する旋回コンベヤ14の排出カバー13の下端部が当接できる程度の小さい間隔である。
また、3台一組のトラフ15群の内、左右のトラフ15の横外側における搬送始端部には、トラフ15の内方に向けて傾斜する山形の傾斜案内板21が、脚部36を介して固定設置されており、左または右のトラフ15に投入される物品wがトラフ15の外方の側壁に引っ掛かることなくトラフ15内に落とし込み案内されるようになっている。
図1,図2に示すように、半自動式の組合せ秤2の上面には、多数個、この例では9個の物品投入口25が左右に直線状に列設されており、これら物品投入口25が物品供給装置1の分配排出部、すなわち、振動フィーダ6群の終端に臨むよう組合せ秤2が設置される。また、各物品投入口25には、内開き観音扉状に開閉される左右一対の投入ゲート26が駆動開閉可能に備えられている。各投入ゲート26は、物品の投入を要求している期間は開放される。
この実施形態では、半自動式の組合せ秤2の物品の計量処理量が、物品供給装置1の前段搬送機構3への物品の供給量を上回るように、物品の供給量や組合せ秤2の運転速度等が設定される。
なお、物品供給装置1の前段搬送機構3への物品の供給量が、一時的に、組合せ秤2の計量処理量を超えるような場合には、前段搬送機構3によって搬送される物品を、物品排出機構4のガイド部材8で排出させることなく、通過させることで対応することができる。
図9は、半自動式の組合せ秤2の概略側面図である。
この組合せ秤2は、基本的に従来の半自動式の組合せ秤と同様である。組合せ秤2の各物品投入口25の投入ゲート26の直下には、供給ホッパ40が配設され、各々の供給ホッパ40の下方には、2つの収納室41−1、41−2を有する計量部としての計量ホッパ41が配設されている。
各供給ホッパ40は、独立して開閉可能な2つの排出ゲート40a、40bを備え、一方の排出ゲート40aを開放することによって、計量ホッパ41の一方の収納室41−1に物品を排出し、他方の排出ゲート40bを開放することによって、計量ホッパ41の他方の収納室41−2に物品を排出することが可能である。
各計量ホッパ41は、その一方の収納室41−1に排出ゲート41aが設けられると共に、他方の収納室41−2に排出ゲート41bが設けられ、各排出ゲート41a、41bを開放することにより、各収納室41−1,41−2から別々に物品を排出することが可能である。
各計量ホッパ41には、ロードセル等の重量センサ42が取り付けられており、この重量センサ42によって計量ホッパ41内の物品の重量が検出され、その出力が、後述の組合せ秤2の制御部に送られる。これにより組合せ秤2の制御部は、計量ホッパ41内の物品の重量の変化に基づいて、計量ホッパ41の各々の収納室41−1,41−2内の物品の重量を算出し、各計量ホッパ41の各々の収納室41−1,41−2内の物品の重量に基づいて、後述の組合せ演算を行う。
計量ホッパ41の下方には、計量ホッパ41から排出された物品を受けて搬送する集合コンベヤ43が配設されている。この集合コンベヤ43によって搬送された物品は、図示しない包装機へ供給される。包装機では、所定重量範囲となる物品を真空包装する。
組合せ秤2の制御部は、物品を保持している計量ホッパ41の各収納室41−1、41−2内の物品の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲内となる収納室41−1、41−2の組合せを1つ選択する組合せ演算を行い、選択された収納室41−1、41−2の物品を、集合コンベヤ43へ排出する。
上記のような構成を有する本実施形態では、前段搬送機構3の搬送方向の上手側である始端部に供給された物品wは、物品排出機構4によって搬送方向の3箇所から排出されて夫々の分配搬送機構5に送り込まれ、各分配搬送機構5に送り込まれた物品wは、更に3箇所に分配されて振動フィーダ6に送り込まれ、都合、9台の振動フィーダ6によって分配搬送された物品wが、組合せ秤2の各物品投入口25に供給される。なお、3台の物品排出機構4を通過して前段搬送機構3の終端に至った物品wは、搬出されて回収容器などに回収され、適時、人手によって再び前段搬送機構3の始端部に供給される。
上記のような物品の供給においては、各箇所における物品wの有無、及び、組合せ秤2の各物品投入口25、各振動フィーダ6、各分配搬送機構5、物品排出機構4での物品の要求状況に応じて、各物品排出機構4、各分配搬送機構5、及び、各振動フィーダ6が制御されることになる。
図10は、物品wを検知する物品検知センサの設置状態の一例を示す図2に対応する概略平面図である。
この実施形態の各物品検知センサSa(1)〜Sa(3),Sb(1)〜Sb(3),Sc(1)〜Sc(3),Sd(1)〜Sd(3),Se(1)〜Se(9),Sf(1)〜Sf(9)は、例えば、投光器と受光器を備える透過形の光電センサであり、対向配置された投光器と受光器の間の検知領域を通過する物品wを検知して検知出力を与える。
前段搬送機構3の搬送経路には、各物品排出機構4の直前における検知領域を通過する物品wをそれぞれ検知する前段物品検知センサSa(1)〜Sa(3)が配置されている。
また、各物品排出機構4によって排出された物品wが通過する各排出シュート9の基部には、排出された物品wを検知する排出物品検知センサSb(1)〜Sb(3)がそれぞれ配置されている。なお、各排出シュート9の基部には、各排出物品検知センサSb(1)〜Sb(3)の光路を遮らないように透孔が形成されている。
各分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の、搬送方向の上手側である始端部及び下手側である終端部には、始端部及び終端部における物品wをそれぞれ検知する分配始端物品検知センサSc(1)〜Sc(3)及び分配終端物品検知センサSd(1)〜Sd(3)がそれぞれ配置されている。なお、旋回コンベヤ14の側板12及び排出カバー13には、分配始端物品検知センサSc(1)〜Sc(3)及び分配終端物品検知センサSd(1)〜Sd(3)の光路を遮らないように透孔が形成されている。
後段搬送機構としての各振動フィーダ6の各トラフ15の搬送方向の上手側である始端部及び下手側である終端部には、始端部及び終端部における物品wをそれぞれ検知する後段始端物品検知センサSe(1)〜Se(9)及び後段終端物品検知センサSf(1)〜Sf(9)が、それぞれ配置されている。なお、振動フィーダ6のトラフ15には、後段始端物品検知センサSe(1)〜Se(9)及び後段終端物品検知センサSf(1)〜Sf(9)の光路を遮らないように、透孔が形成されている。
図11は、この実施形態の制御構成を示すブロック図である。
この実施形態の計量システムは、全体を制御する制御装置として、プログラマブルコントローラ(以下、「PLC」と略記する)27を備えている。
このPLC27には、操作表示端末であるプログラマブル表示器29が接続されており、このプログラマブル表示器29では、前段搬送機構3や旋回コンベヤ14の搬送速度及び振動フィーダ6の振動強度等の各種の設定操作及び各種の表示が行われる。
また、PLC27には、半自動式の組合せ秤2の制御部28から9個の各物品投入口25への物品の投入をそれぞれ要求するときに、投入要求信号(1)〜(9)がそれぞれ入力されると共に、上記の各物品検知センサSa(1)〜Sa(3),Sb(1)〜Sb(3),Sc(1)〜Sc(3),Sd(1)〜Sd(3),Se(1)〜Se(9),Sf(1)〜Sf(9)の検知出力が入力される。
PLC27は、前段搬送機構3を、前段搬送機構駆動制御回路30を介して制御し、物品排出機構4の各ガイド部材8を、ガイド部材駆動回路31を介して制御する。また、PLC27は、各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14を、旋回コンベヤ駆動制御回路32及び旋回コンベヤ旋回駆動制御回路33を介して制御し、各振動フィーダ6を、振動フィーダ駆動回路34を介して制御する。
PLC27は、基本的に、組合せ秤2から各物品投入口25への物品の投入要求があると、投入要求のあった物品投入口25に直ちに物品を投入できるように制御するものであり、各振動フィーダ6のトラフ15の終端部へ物品を搬送して待機できるように制御する。
すなわち、振動フィーダ6では、トラフ15の終端部に物品がないときには、トラフ15の始端部で検知された物品を、トラフ15の終端部まで搬送し、トラフ15の始端部で検知された物品がないときには、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対して物品の投入を要求する。
分配搬送機構5の旋回コンベヤ14では、物品の投入要求のあった振動フィーダ6のトラフ15へ物品を直ちに投入できるように、旋回コンベヤ14の終端部に物品を搬送すると共に、回動位置が制御される。旋回コンベヤ14の終端部に物品がないときには、旋回コンベヤ14の始端部で検知された物品を終端部へ搬送し、旋回コンベヤ14の始端部で検知された物品がないとときには、物品排出機構4に対して物品の投入を要求する。
物品の投入要求があった物品排出機構4では、物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品が検知されると、ガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とし、搬送される物品を、搬送経路外の分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ供給する。
次に、PLC27による制御の一例について更に詳細に説明する。
図12は、この実施形態の物品供給装置1の全体制御の一例を示す概略フローチャートである。
先ず、プログラマブル表示器29の運転スイッチがONされたか否か判断し(ステップS1)、ONされたときには、運転が開始され、半自動式の組合せ秤2から9個の物品投入口25に対応する投入要求信号(1)〜(9)の入力があると(ステップS2)、物品供給装置1における物品の搬送方向の最も下手となる振動フィーダ6の制御を行い(ステップS3)、次に、その上手となる分配搬送機構5の制御を行い(ステップS4)、更に、その上手となる物品排出機構4の制御を行い(ステップS5)、運転スイッチがOFFされたか否かを判断し(ステップS6)、運転スイッチがOFFされたときには、終了する。
図13は、図12の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである振動フィーダ6の制御の一例を示すフローチャートである。
基本的な制御は、後段終端物品検知センサSf(1)〜Sf(9)で物品が検知されていない、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15の終端部に、物品がないときには、振動フィーダ6を一定時間駆動して、トラフ15の始端部にある物品をトラフ15の終端部へ搬送する。なお、一定時間の駆動に代えて、後段終端物品検知センサSf(1)〜Sf(9)によってトラフ15の終端部の物品が検知されるまで駆動するようにしてもよい。
後段始端物品検知センサSe(1)〜Se(9)で物品が検知されていないとき、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がないときには、振動フィーダ6のトラフ15へ物品を投入することを命令する物品投入命令フラグをONにして、分配搬送機構5から物品を振動フィーダ6へ投入させる。
後段終端物品検知センサSf(1)〜Sf(9)で物品が検知され、振動フィーダ6のトラフ15の終端部に物品があるときに、半自動式の組合せ秤2から物品の投入要求信号の入力があると、振動フィーダ6を一定時間駆動して、振動フィーダ6のトラフ15の終端部にある物品を半自動式の組合せ秤2の物品投入口25へ供給する。なお、一定時間の駆動に代えて、後段終端物品検知センサSf(1)〜Sf(9)でトラフ15の終端部の物品が検知されなくなった時点で、物品が組合せ秤2の物品投入口25へ供給されたとして、振動フィーダ6の駆動を停止するようにしてもよい。
この例では、図13に示すように、先ず振動フィーダ6の1台を指定する番号kを「1」とし(ステップS301)、番号kの振動フィーダ6が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS302)、駆動中フラグがONしているときには、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動時間計測用の駆動タイマーを減じ(ステップS303)、駆動タイマーがタイムアップしたか否かを判断する(ステップS304)。
ステップS304で番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーがタイムアップしたときには、一定時間の駆動が終了したとして、番号kの振動フィーダ6の駆動を停止し(ステップS305)、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをOFFし(ステップS306)、番号kをインクリメントし(ステップS307)、番号kが「10」になったか否か、すなわち、9台の振動フィーダ6についての処理が終了したか否かを判断し(ステップS308)、番号kが「10」になっていないときには、ステップS302に戻り、番号kが「10」になったときには、サブルーチンから復帰する。
上記ステップS302において、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグがONしていないときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の終端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの振動フィーダ6に対応する後段終端物品検知センサSf(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS309)、物品を検知したときには、半自動式の組合せ秤2から番号kに対応する投入要求信号(k)の入力があったか否かを判断し(ステップS310)、投入要求信号の入力があったときには、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをONし(ステップS311)、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS312)、番号kの振動フィーダ6の駆動を開始してステップS307に移る(ステップS313)。
上記ステップS309において、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の終端部で物品を検知しなかったときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の始端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの振動フィーダ6に対応する後段始端物品検知センサSe(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS314)、物品を検知したときには、番号kの振動フィーダ6の駆動中フラグをONし(ステップS315)、番号kの振動フィーダ6に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS316)、番号kの振動フィーダ6の駆動を開始してステップS307に移る(ステップS317)。
上記ステップS314において、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の始端部で物品を検知しなかったときには、番号kに対応する分配搬送機構5に対して、番号kの振動フィーダ6のトラフ15へ物品の投入を命令する投入命令フラグをONしてステップS307に移る(ステップS318)。
図14は、図12の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである分配搬送機構5の制御の一例を示すフローチャートである。
基本的な制御は、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなくなれば、すなわち、後段始端物品検知センサSe(1)〜Se(9)で物品が検知されなくなると、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品を投入できるように、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品を搬送しておくものである。
分配終端物品検知センサSd(1)〜Sd(3)で物品が検知されていない、すなわち、物品が分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部になければ、旋回コンベヤ14を一定時間駆動して、旋回コンベヤ14の始端部の物品を、旋回コンベヤ14の終端部に搬送する。なお、一定時間の駆動に代えて、分配終端物品検知センサSd(1)〜Sd(3)で物品が検知された時点で、物品が旋回コンベヤ14の終端部に搬送されたとして、旋回コンベヤ14の駆動を停止するようにしてもよい。
分配始端物品検知センサSc(1)〜Sc(3)で物品が検知されていない、すなわち、旋回コンベヤ14の始端部に物品がなければ、物品排出機構4に対して旋回コンベヤ14への物品の排出を命令する排出命令フラグをONにする。
また、振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなく、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品がある場合に、旋回コンベヤ14の回動位置が、前記振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入位置ないときには、旋回コンベヤ14を、前記振動フィーダ6のトラフ15の投入位置に回動して、旋回コンベヤ14を一定時間駆動し、旋回コンベヤ14から前記振動フィーダ6の始端部へ物品を投入する。振動フィーダ6のトラフ15の始端部に物品がなく、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部に物品がある場合に、旋回コンベヤ14の回動位置が、前記振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入位置にあるときには、旋回コンベヤ14を一定時間駆動し、旋回コンベヤ14から前記振動フィーダ6の始端部へ投入する。なお、一定時間の駆動に代えて、分配終端物品検知センサSd(1)〜Sd(3)で旋回コンベヤ14の終端部の物品が検知されなくなった時点で、物品が振動フィーダ6のトラフ15の始端部に投入されたとして、旋回コンベヤ14の駆動を停止するようにしてもよい。
1つの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14を回動して3台の振動フィーダ6のトラフ15に物品を供給するが、サーボモータで旋回コンベヤ14を回動するので、投入位置制御は容易である。
この例では、図14に示すように、先ず分配搬送機構5の1台を指定する番号j、振動フィーダ6の1台を指定する番号k、及び、1台の分配搬送機構5が分配する振動フィーダ6の台数を規定する台数aを、それぞれ「1」とし(ステップS401)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS402)、駆動中フラグがONしているときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動時間計測用の駆動タイマーを減じ(ステップS403)、駆動タイマーがタイムアップしたか否かを判断する(ステップS404)。
ステップS404で番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーがタイムアップしたときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を停止し(ステップS405)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをOFFし(ステップS406)、振動フィーダ6を指定する番号k及び振動フィーダ6の台数aをインクリメントし(ステップS407)、台数aが「4」になったか否か、すなわち、3台の振動フィーダ6に対する分配処理を終了したか否かを判断し(ステップS408)、台数aが「4」になっていないときには、3台の振動フィーダ6に対する分配処理が終了していないとしてステップS402に戻る。
ステップS408で台数aが「4」になったときには、番号jの分配搬送機構5による3台の振動フィーダ6に対する分配処理が終了したとして、番号jをインクリメントすると共に、台数sを「1」に戻し(ステップS409)、番号jが「4」になったか否か、すなわち、3台の分配搬送機構5に対する処理が終了したか否かを判断し(ステップS410)、「4」になっていないときには、ステップS402に戻り、「4」になったときには、サブルーチンから復帰する。
上記ステップS402において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグがONしていないときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの分配搬送機構5に対応する分配終端物品検知センサSd(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS411)、物品を検知したときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入命令フラグがONしているか否か、すなわち、振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入要求があるか否かを判断し(ステップS412)、物品投入命令フラグがONしているときには、ステップS413に移り、物品投入命令フラグがONしていないときには、ステップS407に移る。
ステップS413では、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14は、その回動位置が番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置にあるか否か、すなわち、旋回コンベヤ14の搬送ベルト11の終端が、番号kの振動フィーダ6のトラフ15の直上位置にあるか否かを判断し、投入位置にあるときには、番号kの振動フィーダ6のトラフ15への物品の投入命令フラグをOFFし(ステップS414)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをONし(ステップS415)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS416)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を開始してステップS407に移る(ステップS417)。ステップS413で、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14が、番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置にないときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14を、番号kの振動フィーダ6のトラフ15に対する物品の投入位置へ回動、すなわち、旋回させてステップS407に移る(ステップS418)。
上記ステップS411において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の終端部で物品を検知しなかったときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の始端部で物品を検知したか否か、すなわち、番号kの分配搬送機構5に対応する分配始端物品検知センサSc(k)によって物品を検知したか否かを判断し(ステップS419)、物品を検知したときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動中フラグをONし(ステップS420)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14に対応する駆動タイマーをセットし(ステップS421)、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の駆動を開始してステップS407に移る(ステップS422)。
上記ステップS419において、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14の始端部で物品を検知しなかったときには、番号jの分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ物品を排出するように、番号jに対応する物品排出機構4への排出命令フラグをONしてステップS407に移る(ステップS423)。
図15は、図12の全体制御フローチャートにおけるサブルーチンである物品排出機構4の制御の一例を示すフローチャートである。
基本的な制御は、上記分配搬送機構5の制御において、物品排出機構4への物品の排出命令フラグがONになると、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14へ物品を排出するために、前段物品検知センサSa(1)〜Sa(3)で物品を検知すると、物品排出機構4のガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とする。これによって、物品は、排出姿勢のガイド部材8に案内されて前段搬送機構3の搬送ベルト7から排出シュート9側へ落下し、この落下する物品が、排出物品検知センサSb(1)〜Sb(3)で検知される。
物品排出機構4の制御プログラムは、一定時間毎にONされるので、例えば、10ms毎にONされるとすると、排出物品検知センサSb(1)〜Sb(3)の検知出力が10回継続すれば、排出物品検知センサSb(1)〜Sb(3)の光路を、10ms×10=100msの期間に亘って物品が遮ったことになり、物品の大体の排出量を把握できる。したがって、排出物品検知センサSb(1)〜Sb(3)によって排出される物品が検知されている物品検知時間が、所定時間継続すると、物品排出機構4のガイド部材8を搬送経路から退避する退避姿勢に復帰させることで、適量の物品を、分配搬送機構5へ排出することができる。
また、物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品を検知する前段物品検知センサSa(1)〜(3)で物品を検知してガイド部材8を駆動すると、上記のように物品は、排出姿勢のガイド部材8に案内されて、前段搬送機構3の搬送ベルト7から排出シュート9側に排出され、排出物品検知センサSb(1)〜Sb(3)で物品を検知するはずであるが、所定時間内に物品を排出物品検知センサSb(1)〜(3)が検知できなければ、何らかの不具合が生じていると判断できる。例えば、物品がガイド部材8と搬送ベルト7との間に挟まっているといった不具合を検出することができる。
この例では、図15に示されるように、先ず物品排出機構4の1台を指定する番号kを「1」とし(ステップS501)、番号kの物品排出機構4から排出される物品を、対応する排出物品検知センサSb(k)が検知中であることを示す排出検知中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS502)、排出検知中フラグがONであるときには、排出物品検知センサSb(k)がONしているか、すなわち、物品を継続して検知しているか否かを判断し(ステップS503)、継続して検知しているときには、番号kの物品排出機構4の物品排出の検知時間(k)を増やし(ステップS504)、物品排出の検知時間kが、所定時間になったか否かを判断し(ステップS505)、所定時間になったときには、適量の物品が排出されたとして、ガイド部材8をOFFする、すなわち、ガイド部材8を搬送経路から退避させる退避姿勢とし(ステップS506)、番号kの物品排出機構4から排出される物品を検知中であることを示す排出検知中フラグをOFFし(ステップS507)、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグをOFFし(ステップS508)、番号kをインクリメントし(ステップS509)、番号kが「4」になったか否か、すなわち、3台の物品排出機構4の排出処理が終了したか否かを判断し(ステップS510)、「4」になっていないときには、ステップS502に戻り、「4」になったときには、サブルーチンから復帰する。
上記ステップS502において、番号kの物品排出機構4から排出される物品を、対応する排出物品検知センサSb(k)が検知中であることを示す排出検知中フラグがONでないときには、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしているか否かを判断し(ステップS511)、駆動中フラグがONしているときには、排出物品検知センサSb(k)がONしたか否か、すなわち、物品を検知したか否かを判断し(ステップS512)、排出物品検知センサSb(k)がONしたときには、番号kの物品排出機構4から排出される物品を検知中であることを示す排出検知中フラグをONしてステップS509に移る(ステップS513)。
上記ステップS512で、排出物品検知センサSb(k)がONしないときには、番号kの物品排出機構4の排出不良を検知するための排出不良検知時間を増やし(ステップS514)、排出不良検知時間が所定時間になったか否かを判断し(ステップS515)、所定時間になったときには、番号kの物品排出機構4の排出不良を、例えば、プログラマブル表示器29に表示して報知し、ステップS509に移る(ステップS516)。
上記ステップS511において、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグがONしていないときには、番号kの物品排出機構4に対する物品の排出命令フラグがONしているか否かを判断し(ステップS517)、排出命令フラグがONしているときには、番号kの物品排出機構4の直前の検知領域を通過する物品を検知する前段物品検知センサSa(k)がONしたか否か、すなわち、物品を検知したか否かを判断し(ステップS518)、物品を検知したときには、番号kの物品排出機構4のガイド部材8を駆動して搬送経路に進出する排出姿勢とし(ステップS519)、番号kの物品排出機構4のガイド部材8が駆動中であることを示す駆動中フラグをONし(ステップS520)、番号kの物品排出機構4に対する物品の排出命令フラグをOFFし(ステップS521)、番号kの物品排出機構4の排出不良検知時間を「0」にセットしてステップS509に移る(ステップS522)。
上記のように、前段搬送機構3の搬送方向の上手側において物品wを供給すると、その搬送径路の3箇所において、物品排出機構4のガイド部材8によって搬送経路外の3台の各分配搬送機構5の各旋回コンベヤ14へ排出され、各旋回コンベヤ14によって、3台の振動フィーダ6の各トラフ15にそれぞれ振分け搬送される。すなわち、前段搬送機構3の搬送方向の上手側1箇所で供給した物品wを、9台の振動フィーダ6の各トラフ15に振分け搬送し、各振動フィーダ6の各トラフ15によって、組合せ秤2の9個の物品投入口25へ供給することができる。
また、分配搬送機構5の旋回コンベヤ14は、3位置に回動して並列に配置された3台の振動フィーダ6の各トラフ15の物品供給位置に物品を分配供給するので、回動作動中の旋回コンベヤ14から、隣接するトラフ15の間に物品wが不所望に落下供給されることがある。この場合、隣接するトラフ15の間には、回動自在な遊転ローラ20が設けられているので、不所望に落下した物品は、遊転ローラ20に受け止められるように当接し、物品の重量バランスの崩れや当接時の力の掛かり具合、等に応じた方向に遊転ローラ20が勝手に回転し、前記隣接するトラフ15のいずれか一方のトラフ15に供給される。これによって、特別な駆動手段を要することなく、隣接するトラフ15間に物品wが残留するのを防止することができる。
更に、物品wが遊転ローラ20に跨って残留したとしても、次に旋回コンベヤ41が回動移動する時に、旋回コンベヤ14の終端部で残留した物品wを旋回コンベヤ41の移動方向に押し動かし、遊転ローラ20を回転させて排除することができる。
本実施形態によれば、粘着性を有するブロイラーの肉片である物品wを、組合せ秤2の9個の物品投入口25へ自動で供給することができ、従来のように、作業者が、物品を一々掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口へ投入する作業を行う必要がなく、大幅に作業者の労力を軽減することができる。
因みに、半自動式の組合せ秤の後段の包装機で、例えば、ブロイラーの肉片の2kgの真空パックを製造する場合に、組合せ秤の計量能力を、例えば20回/分と想定すると、作業者は1時間に、2kg×20×60=2.4tに相当する量の肉片を掴んで半自動式の組合せ秤の物品投入口に投入することになる。しかも、作業者は立ったままで作業を行うので、長時間の作業を行えば、
体力を過大に消耗することになる。
本実施形態よれば、物品供給装置1によって、組合せ秤2の物品投入口25へ物品wを自動で分配供給するので、作業者が、肉片を掴んで組合せ秤2の物品投入口25へ投入する必要はなく、多大な労力を削減することができる。
図16は本発明の別実施形態における計量システムの全体斜視図であり、図17はその平面図であり、図18はその側面図である。なお、図16には、所定角度に亘って往復回動される旋回コンベヤ14を覆う安全カバー80が示されている。この安全カバー80は、内部が透視可能であって、左右に分割されており、それぞれを各別に上方に揺動開放することができるようになっている
この別実施形態は、基本的には先に示した計量システムと同様に構成されており、先の実施形態における同一の部品及び同一の機能部位については同一の記号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施形態の物品供給装置1では、前段搬送機構3によって搬送される物品wを、物品排出機構4によって、搬送経路に沿って並列に配置された3つの排出シュート9へ円滑に排出供給できるように、物品案内装置としての第1回転ガイドユニットU1を備えている。この第1回転ガイドユニットU1は、排出シュート9の入口側の隣接する排出シュート9間に設けられており、物品排出機構4によって排出された物品wが、隣接する排出シュート9間で引っ掛かって残留するのを防止するものである。
図19は第1回転ガイドユニットU1の取付け方法を示す斜視図であり、図20は第1回転ガイドユニットU1の縦断側面図であり、図21は物品排出箇所を示す概略正面図である。
第1回転ガイドユニットU1は、縦断面形状が正六角形の筒形に形成された回転体としての遊転ローラ50と、これを水平な軸心q周りに回動自在に軸支する支持ブラケット51とを備えている。
この軸心qは、図17の平面図に示されるように、物品wが前段搬送機構3によって搬送される搬送経路に沿って並列に配置された3つの排出シュート9の並列方向に対して略直角に交差する方向の軸心であり、前段搬送機構3の物品wの搬送方向に直交する方向の軸心である。遊転ローラ50は、この軸心qに直交する断面形状が、上記のように正六角形である。
遊転ローラ50は、両端部の転がり軸受52を介して支軸53が挿通支持され、この支軸53の両端部が、支持ブラケット51における両端の支持壁51a,51bにボルト締め固定されている。
前段搬送機構3のコンベヤフレーム3aの側面には、電気配線を中継する中継ボックス55が、取付け金具54を介して連結固定されている。第1回転ガイドユニットU1は、この中継ボックス55に脱着可能に装着されている。
すなわち、支持ブラケット51における、コンベヤフレーム3aから離反する側の支持壁51bは上方に高く延出されている。この支持壁51bの上端部は、下向きに開放された角形の連結フック部51cに形成されると共に、連結フック部51cの下向き端辺には、左右一対の下向き凹部56が形成されている。
他方、中継ボックス55には、コンベヤフレーム3aに近接する側に、上方に延出された支持壁55aが形成されている。この支持壁55aには、左右一対の連結ボルト57が突設されている。この連結ボルト57に、支持ブラケット51の連結フック部51cの下向き凹部56を上方から係合し、連結ボルト57に装着した蝶ナット58を締め込むことで、第1回転ガイドユニットU1を中継ボックス55に片持ち状に取付けることができる。また、蝶ナット58を少し緩めることで、第1回転ガイドユニットU1を中継ボックス55から上方に抜き外して洗浄等を容易に行うことができるようになっている。
支持ブラケット51は、図19に示すように隣接する排出シュート9と遊転ローラ50との間に、物品wが入り込むのを防止して、物品wを隣接する排出シュート9へ落とし込み案内する傾斜した傾斜案内部51dを備えている。
第1回転ガイドユニットU1は、前段搬送機構3の搬送コンベヤ7との間隙に、物品wが挟まることがないように、前段搬送機構3のコンベヤフレーム3aに極力近づけて設置することが望ましい。このために、支軸53のコンベヤフレーム3a側の端部を、図20に示すように、皿ネジ59によって支持ブラケット51における支持壁51aに連結することで、ネジ頭部の前方への突出を無くしている。
物品排出機構4は、図17に示すよう、揺動可能な長板状のガイド部材8を、前段搬送機構3の搬送径路の一方側に退避させて物品wの通過を許容し、搬送経路側へ揺動させて搬送経路を斜めに横切るように交差させて、物品wを、ガイド部材8の板面に沿って搬送経路外へ排出する。
前段搬送機構3によって搬送される物品wの間隔が狭くなったり、複数の物品wの一部が上下に重なったり、あるいは、複数の物品wが並んで搬送されたりした場合には、物品wが、隣接する排出シュート9の間の第1回転ガイドユニットU1に排出されることがある。
このとき、物品wは、第1回転ガイドユニットU1の遊転ローラ50に乗り掛かることになるが、遊転ローラ50は極めて軽く回動でき、かつ、遊転ローラ50の六角外周面への物品wの引っ掛かりが良いので、乗り掛かった物品wの重量によって簡単に遊転ローラ50が回動する。これによって、物品wは、遊転ローラ50に残留することなく、円滑に排出シュート9に流下案内され、排出シュート9を介して分配配送機構5へ供給される。
また、物品wが、遊転ローラ50に跨っても、物品wの重量バランスの崩れや力の掛かり具合、等に応じた方向に遊転ローラ50が勝手に回動し、物品wは隣接する排出シュート9のいずれかの排出シュート9に導かれ、排出シュート9を介して分配配送機構5へ供給される。
物品wがバランス良く遊転ローラ50に跨って残留する場合もあるが、物品排出機構4によって排出される後続の物品wが、残留した物品wに当接して押し動かそうとすると、遊転ローラ50が、その断面が六角形であって、物品wとの間での摩擦が大きいので、残留した物品wに作用する外力が、遊転ローラ50に確実に伝わる。その結果、遊転ローラ50が回動し、残留した物品wが、排出シュート9に排出される。
このように遊転ローラ50が、物品wとの間の摩擦を大きくする六角形の断面を有しているので、バランス良く遊転ローラ50に跨って残留した物品wに外力が作用したときに、その外力が、遊転ローラ50に伝達されて遊転ローラ50が回動して残留した物品wを、排出シュート9へ案内排出することができる。
この遊転ローラ50が、先の実施形態の遊転ローラ20のように断面円形である場合には、物品wがバランス良く遊転ローラ20に跨って残留したときには、後続の物品wによって残留した物品wが押し動かされても、円形の遊転ローラ20と物品wとの間の摩擦力が小さく、滑り易いので、遊転ローラにその力が伝達されず、その結果、遊転ローラ20が回動できず、残留した物品wを排出シュート9へ案内排出するのが困難となることがある。
特に、物品wが、その表面に油脂や油液が浮き出た肉片であるので、時間の経過に伴なって、遊転ローラ20の表面に、油脂や油液が付着して滑り易くなり、残留した物品wを、排出シュート9へ案内排出するのが一層困難となる。
これに対して、この実施形態では、遊転ローラ50は六角ローラであるので、円形ローラのような不具合がない。
また、この実施形態では、先の実施形態にも装備されている遊転ローラ20及び傾斜案内板21に代えて以下に示す第2回転ガイドユニットU2及び滑りガイドユニットU3が配備されている。
図22は一組の物品分配箇所を示す斜視図であり、図23は第2回転ガイドユニットU2及び滑りガイドユニットU3の斜視図であり、図24は第2回転ガイドユニットU2の取付け状態を示す一部切欠き側面図であり、図25は第2回転ガイドユニットU2及び滑りガイドユニットU3の取外し状態を下方から見た斜視図である。
第2回転ガイドユニットU2は、縦断面形状が正六角形の筒形に形成された回転体としての遊転ローラ60と、これを水平な軸心p周りに回動自在に軸支する支持ブラケット61とを備えている。この軸心pは、図17の平面図に示されるように、並列に配置された9台の振動フィーダ6のトラフ15の並列方向に対して略直角に交差する方向の軸心であり、トラフ15の物品wの搬送方向に沿う方向の軸心である。遊転ローラ60は、この軸心pに直交する断面形状が、上記のように正六角形である。
遊転ローラ60は、両端部の転がり軸受62を介して支軸63が挿通支持され、この支軸63の両端部が、支持ブラケット61における両端の支持壁61a,61bにボルト締め固定されている。
また、支持ブラケット61の下部からは二股状の対向する連結部61cが下方に向けて延出され、この対向する連結部61cに上下一対の連結軸64が水平に固定支持されている。
他方、振動フィーダ6の搬送始端部には、長い固定支持枠65が配備されており、この固定支持枠65には、二股状の取付け金具66が連結されている。この取付け金具66に、第2回転ガイドユニットU2が、以下のように脱着可能に装着されている。
すなわち、取付け金具66には、上下一対の係合溝67が形成されており、第2回転ガイドユニットU2における支持ブラケット61の連結部61cを、取付け金具66に外嵌すると共に、上下の連結軸64を上下の係合溝67にそれぞれ係入する。これによって、第2回転ガイドユニットU2を取付け金具66に対して水平片持ち状に支持する。また、第2回転ガイドユニットU2を係合溝67に沿って上方に持ち上げることで取付け金具66から取り外すことができ、洗浄及びそれに伴う脱着を容易に行うことができるようになっている。
この実施形態では、遊転ローラ60を、断面が正六角形の六角ローラにしているので、断面が円形の円形ローラに比べて、物品wとの間の摩擦力が高まる。
これによって、物品wが、遊転ローラ60のバランス良く跨って残留した場合に、図26に示すように、回動する分配搬送機構5の搬出カバー13に引っ掛けられて横方向に押し動かされる際に、遊転ローラ60の外表面に油脂や油液が付着していても、六角外形の遊転ローラ60と物品wとの摩擦が大きくなり、物品wに作用する外力が、確実に遊転ローラ60に伝達される。これによって、遊転ローラ60が回動し、残留した物品wが、分配搬送機構5の移動方向へ案内されて振動フィーダ6のトラフ5へ供給される。
また、滑りガイドユニットU3は、2枚の傾斜案内板71を山形に接合して支持ブラケット72に連結した構造となっており、上記第2回転ガイドユニットU2と同様の仕様で固定支持枠65に装着されている。
つまり、支持ブラケット72から二股状の対向する連結部72aが下方に向けて延出され、この対向する連結部72aに上下一対の連結軸73が水平に固定支持されている。他方、固定支持枠65に連結した取付け金具74には上下一対の係合溝75が形成されており、滑りガイドユニットU3における支持ブラケット72の連結部72aを取付け金具74に外嵌すると共に、上下の連結軸73を上下の係合溝75にそれぞれ係入する。これによって、滑りガイドユニットU3を取付け金具74に対して水平片持ち状に支持することができる。また、滑りガイドニットU3を係合溝75に沿って上方に持ち上げることで取付け金具74から取り外すことができ、洗浄及びそれに伴う脱着を容易に行うことができるようになっている。
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
(1)回転体(遊転ローラ20、50、60)の材質は、樹脂あるいは金属のいずれを用いてもよい。また、必要に応じて適宜表面処理を施してもよい。
(2)第1及び第2回転ガイドユニットU1,U2の回転体(遊転ローラ50、60)が物品wとの当接によって円滑に回動するために、その外周面は、当接した物品wとの間に大きい摩擦が生じる構造であることが望ましく、そのための手段としては、回転体の外周面に凸部や凹部を形成することが有効である。上記した別実施形態は、周方向に複数の凸部を形成するために六角断面形状のローラとしているが、これ以外にも、断面形状が三角、四角、五角、あるいは、六角以上の多角形のローラに構成してもよく、星形やその他の形状としてもよい。また、円形断面形状のローラにおける外周面の周方向複数個所に、ローラ軸心方向に沿った突条を設けてもよい。また、円形断面形状のローラにおける外周面の周方向複数個所に、ローラ軸心方向に沿った凹溝を形成することでも、物品wとの摩擦が大きい外周面とすることができる。また、ローラ外周面に独立した多数の小突起(凸部)や小穴(凹部)を設けることで物品wとの摩擦が大きい外周面とすることもでき、物品wの性状や大きさ、等に適応して回転体の外周面に凸部や凹部を形成すればよい。
(3)遊転ローラ20の下方に設ける案内部材23は、対向する支持ブラケット35に亘って固定してもよい。
(4)回転体を、半自動式の組合せ秤における数の物品投入口の間に配設し、人手によって投入される物品が、隣合う物品投入口の間で残留するのを防止するようにしてもよい。