JP6924938B2 - 伝導伝熱乾燥設備の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は泥状・ケーキ状・粉粒状等の材料や液体材料の乾燥・濃縮を行う装置に関するものであって、特に異なる性状の被処理物が供給される伝導伝熱乾燥機の運転方法に係るものである。
泥状・ケーキ状・粉粒状等の材料の乾燥を行う装置の一つである伝導伝熱乾燥機1′を具えて構成された伝導伝熱乾燥設備F′を図6に示す。
前記伝導伝熱乾燥機1′は、本体シェル10′内に加熱装置たる多管式加熱管11′が具えられ、この多管式加熱管11′の伝熱面に被処理物P1を接触させて水分を蒸発させ、蒸発した水分を本体シェル10′内に供給されるキャリアガスCによって本体シェル10′外に排出することにより、本体シェル10′に位置する被処理物P1の乾燥が行われるように構成された装置である。
また前記本体シェル10′内には加熱装置(多管式加熱管11′)が具えられ、この加熱装置の伝熱面に被処理物P1を接触させて、多くの場合では水分を蒸発させる目的で用いられている。
このような伝導伝熱乾燥機1′については本出願人も製造販売を行っており、更にこの伝導伝熱乾燥機1′が適用された乾燥装置等を開発し、既に特許出願に及んでいる(例えば特許文献1、2参照)。
その後も本出願人は、伝導伝熱乾燥機及び乾燥装置等の改良・開発を鋭意行っており、乾燥装置の運転に関し次のような点で改良の余地があることが確認された。
すなわち伝導伝熱乾燥機1′の制御は、本体シェル10′内における被処理物P1のホールドアップ状態の調節、ホッパ20′から本体シェル10′への被処理物P1の投入量(速度)の調節、多管式加熱管11′に供給される熱媒体の調節等によって行われるものであり、汚泥等の性状に合わせてこれら各制御要素の調節を行うことにより、所望の乾燥処理が施されるようにしている。
そして例えば汚泥処理施設の場合、複数の地域から集められる汚泥はいったん集積場に集約された後に、汚泥処理施設に搬入されるものであり、その後汚泥は順次乾燥処理が施されるものであるが、いったん集積場に集約された汚泥の個別管理を行うことは事実上不可能である。
更に性状の異なる汚泥が大型のホッパ20′に投入される場合、ホッパ20′から排出され伝導伝熱乾燥機1′に投入される汚泥の性状変化がいつ起こるのかを把握することは困難である。
このため伝導伝熱乾燥設備F′の稼動にあたっては、伝導伝熱乾燥機1′の運転状況を監視し、被処理物の見た目、あるいは制御盤4′に送られてくる各種測定値に基づいて、各制御要素の調節が行われている。
例えば本体シェル10′内に、処理中の被処理物P11とは含水率の異なる被処理物P12が投入されると、排気ガスG1の温度変化は比較的早い段階で確認されており、この排気ガスG1の温度変化に基づいて各制御要素の調節が行われている。
一方、本体シェル10′内における被処理物P1の温度(滞留品の温度または品温とも呼ばれる)を計測し、この値に基づいての各制御要素の調節も行われているが、伝導伝熱乾燥機1′においては、本体シェル10′内に滞留している被処理物P1の量が多いため、処理中の被処理物P11と新たに投入された被処理物P12とが、ある程度入れ替わるまで温度変化が現れない。
このように被処理物P1の温度は実際の被処理物P1を測定した値であるため、信頼性が高いが即時性に劣り、一方、排気ガスG1の温度は即時性に優れるものの、被処理物P1の性状(蒸発し易さ)の影響を受け易く信頼性が低いといった一長一短の性質があり、これらの温度情報を伝導伝熱乾燥設備F′の運転制御に充分に活用し切れていなかった。
特開2014−006017公報 特開2015−081712公報
本発明はこのような背景からなされたものであって、伝導伝熱乾燥機が具えられた伝導伝熱乾燥設備において、充分に活用し切れていなかった被処理物の温度情報及び排気ガスの温度情報を有効活用し、特に処理中の被処理物とは性状の異なる被処理物が投入された直後の伝導伝熱乾燥設備の運転条件を好適なものとすることができる、新規な伝導伝熱乾燥設備の運転方法の開発を技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の伝導伝熱乾燥設備の運転方法は、本体シェル内に加熱装置が具えられ、回転速度が可変であるモータを駆動源とする投入装置によって本体シェル内に投入される被処理物を、加熱装置の伝熱面に接触させて水分を蒸発させ、この蒸発した水分を、本体シェル内に供給されるキャリアガスによって外部に排出するように構成された伝導伝熱乾燥機において、伝導伝熱乾燥機の定常運転状態における被処理物温度−乾燥品水分値曲線と、排気ガス温度−乾燥品水分値曲線とを用い、排気ガスtgと被処理物温度tmを一定時間ごとに測定し、この被処理物温度tmと排気ガス温度−乾燥品水分値曲線とを用いて標準排気ガス温度tsを求め、これら排気ガス温度tg、標準排気ガス温度ts及び被処理物温度tmのうちの複数を用いてモータの回転速度に関する補正値ΔFを導出し、この補正値を用いてモータの回転速度を補正することを特徴として成るものである。
また請求項2記載の伝導伝熱乾燥設備の運転方法は、前記要件に加え、前記モータは、インバータを用いることにより回転速度を可変とするものであり、前記補正値ΔFは、インバータ周波数補正値であり、このインバータ周波数補正値ΔFを、式:ΔF=f2 (Δt)=a(tg−ts) (aは定数)を用いて導出することを特徴として成るものである。
更にまた請求項3記載の伝導伝熱乾燥設備の運転方法は、前記請求項1記載の要件に加え、前記モータは、インバータを用いることにより回転速度を可変とするものであり、
前記補正値ΔFは、インバータ周波数補正値であり、このインバータ周波数補正値ΔFを、式:ΔF=f2 (tm,Δt)=f3 (tm)×Δtを用いて導出することを特徴として成るものである。
また請求項4記載の伝導伝熱乾燥設備の運転方法は、前記請求項1記載の要件に加え、前記補正値ΔFを、予め作成されたマトリックスデータシートに、排気ガス温度tg、標準排気ガス温度ts及び被処理物温度tmのうちの複数を当てはめて導出することを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、処理中の被処理物の品温及び排気ガスの温度を測定し、これらの温度情報を伝導伝熱乾燥機の運転制御に有効活用することができる。具体的には、伝導伝熱乾燥機に投入される被処理物の性状が変化したことを、排気ガス温度がtgになったことにより検知するとともに、被処理物温度tmと排気ガス温度−乾燥品水分値曲線とから標準排気ガス温度tsを求め、これら排気ガス温度tgと標準排気ガス温度tsとを用いて、例えば回転数が可変であるモータとしてインバータモータを用いる場合、インバータモータの駆動周波数の補正値ΔFを導出し、投入装置のインバータモータの駆動周波数を補正することにより、伝導伝熱乾燥機への被処理物の投入速度を好適なものとすることができる。
また請求項2記載の発明によれば、被処理物温度tmがどのような値であっても、インバータモータの駆動周波数の適切な補正値を導出することができる。
更にまた請求項3記載の発明によれば、被処理物温度tmの変化が大きい場合であっても、インバータモータの駆動周波数の適切な補正値を導出することができる。
また請求項4記載の発明によれば、例えば回転数が可変であるモータとしてインバータモータを用いる場合、インバータモータの駆動周波数の適切な補正値を容易に導出することができる。
本発明の適用対象である伝導伝熱乾燥設備を示すブロック図である。 伝導伝熱乾燥機を一部透視して示す正面図である。 伝導伝熱乾燥機を一部透視して示す左側面図及び右側面図である。 本発明の伝導伝熱乾燥設備の運転方法を示すフローチャートである。 被処理物温度−乾燥品水分値曲線を示すグラフおよび排気ガス温度−乾燥品水分値曲線を示すグラフである。 インバータ周波数補正値ΔFを求めるマトリックスデータシートである。 既存の伝導伝熱乾燥設備を示すブロック図である。
本発明の伝導伝熱乾燥設備の運転方法の最良の形態は以下の実施例に示すとおりであるが、これらの実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
本発明の「伝導伝熱乾燥設備の運転方法」の適用対象である伝導伝熱乾燥設備Fは図1に示すように、伝導伝熱乾燥機1(以下、乾燥機1とも呼ぶ)を主要部材として具えて成るものである。この乾燥機1は一例として図2〜3に示すように、機枠1F上に具えられた処理室たる本体シェル10と、この本体シェル10の内部に加熱装置の一例である多管式加熱管11を具えて成るものである。そして前記多管式加熱管11を、その内部に熱媒体たる加熱蒸気Vを流すとともに回転させ、本体シェル10内に投入される被処理物P1を多管式加熱管11の管外面(伝熱面)に接触させることにより熱を伝導させて乾燥させ、乾燥品P3とするものである。
以下、乾燥機1の構成要素について詳しく説明する。
まず前記本体シェル10は、一例として図3に示すように楕円状の横断面を有する中空部材であり、図1〜3に示すように投入口101、排出口102、キャリアガス口103、排気口104が形成されている。
なお投入口101は、本体シェル10の片側端部付近に形成されるものであり、この投入口101付近に排気口104が形成される。
更に本体シェル10における前記排気口104よりも中央寄りの部分に分散投入口101aが形成されるものであり、更にこの実施例ではその隣に分散投入口101bも形成するようにした。もちろん、後述する多管式加熱管11の長手方向に沿って更に複数の個所に分散投入口を形成するようにしてもよい。
また本体シェル10及び多管式加熱管11は、水平または投入口101側が排出口102側よりも幾分か高くなるように傾斜して機枠1Fに設置される。
なお前記排出口102は図3(b)に示すように、本体シェル10に形成された開口部(方形)を、下部から上部に向かって順に、幅十数cm程度の複数の板材102aで塞ぐことにより、所望の高さ寸法で形成することができるものである。
このような構成が採られることから、板材102aを高く積み上げれば、排出口102の開口は上部に狭くしか開かないため、後述するように本体シェル10内の被処理物P1の滞留量が大きくなる。逆に板材102aが少なければ開口は広くなり、後述するように本体シェル10内の被処理物P1の滞留量は少なくなる。
また前記排出口102を覆うようにダクト102bが外装されるものであり、このダクト102bの下部に形成される排出口109の前段にロータリーバルブ105を具えるようにした。もちろんこのロータリーバルブ105に替えて二重ダンパ排出装置等を具えるようにしてもよい。
更に前記排気口104付近に排気ガス温度センサ121が具えられ、また排出口102付近に品温センサ122が具えられる。
更にまた前記本体シェル10は一例として二重ジャケット構造とされ、蒸気供給口106からドレン口107に至る加熱媒体の通過経路が形成され、本体シェル10内を昇温することができるような構成が採られている。なお、このような二重ジャケット構造に替えてトレース配管等を設置することもできる。また本体シェル10に形成される側面開口108は、本体シェル10の内部の観察等を行う際に利用されるものであり、定常時には点検蓋によって塞がれている。
また前記本体シェル10は常圧下あるいは僅かな負圧下での使用を前提に構成されるものであり、このため厳密な気密性が求められることがなく、複雑な投入・排出機構、給・排気機構を要しないものである。このため、乾燥機1を低コストで構築することができる。
次に前記多管式加熱管11は、円筒状のチューブ束116の両側部に鏡板112を具えるとともに、この鏡板112の中心に中空の軸体113を具えて成り、前記機枠1Fに具えた軸受ブロック114によって軸体113を回転可能に支持して成るものである。なお多管式加熱管11を回転させるための動力源として機枠1F上にモータ(図示省略)が具えられる。
そして前記軸体113の両端にはロータリージョイント115a、115bが取り付けられ、チューブ束116と接続される。また軸体113の外面と本体シェル10との間には、外気との遮断のためのシール機構が設けられている。
またチューブ束116の側周部には、複数のリフタ117及び適宜の角度を持たせた送り羽根118が取り付けられたアングル111(例えばアングル鋼)が多数(この実施例では12本)具えられるものであり、これらよって被処理物P1は図3に示すように掻き上げられて、前記チューブ束116に接触するとともに投入口101側から排出口102側に進むこととなる。
更に伝導伝熱乾燥設備Fを構成する機器として、投入装置2、集塵装置3、制御盤4、脱臭炉5、熱交換器6、減圧弁7、流量調整弁8及び熱交換器9が具えられるものであり、以下これら機器について説明する。
まず前記投入装置2について説明すると、このものは図1に示すように一例としてホッパ20の底部にスクリューコンベヤ20aを具えて構成されるものであり、その排出口は前記乾燥機1における投入口101、分散投入口101a、101bに接続される。なお分散投入口101a、101bと投入装置2との間にはバルブ21、22が設けられる。
また前記スクリューコンベヤ20aはインバータモータMを駆動源とするものである。
またこのスクリューコンベヤ20aに代えて、モーノポンプ(登録商標)等の一軸偏心ねじポンプ等を適用することもできる。
また本体シェル10における排気口104から排出される排気ガスG1中に含まれる粉塵を除去するための集塵装置3が具えられるものであり、サイクロン式、バグフィルタ式等適宜の機器が採用される。
更にこの集塵装置3の次段に、排気ガスG1を燃焼させることにより脱臭処理を施すための脱臭炉5が具えられる。この脱臭炉5は、炉本体50内に、バーナ51によって燃料を燃焼させることにより生成された高温の燃焼ガスを供給し、給気口52から炉本体50内に供給される排気ガスG1を加熱・燃焼させて脱臭処理を行い、脱臭処理の施された排気ガスG2として排気口53から排出する機器である。そして排気口53付近の炉本体50の内部温度を測定するための温度センサ54が具えられている。また前記バーナ51への燃料供給ラインに調量弁55が設けられる。
更に脱臭炉5の次段には熱交換器6が具えられ、排気口53から排出された排気ガスG2中の熱を、給気口52に供給される前の排気ガスG1中に採り込むことができるように構成されている。
また前記ロータリージョイント115aには多管式加熱管11を加熱するための加熱蒸気Vが供給されるものであり、この加熱蒸気Vは、減圧弁7と流量調整弁8とが具えられた蒸気配管経路から供給される。
なお加熱蒸気Vの圧力は、被処理物P1に応じて0.1から0.7MPaG(温度としては120〜170℃に相当)程度に調整される。
また加熱蒸気Vの蒸気配管経路は減圧弁7の前段で分岐しており、この分岐路は熱交換器9に接続され、昇温した外気をキャリアガスCとしてキャリアガス口103に供給できるように構成されている。
本発明の適用対象である伝導伝熱乾燥設備Fは、一例として上述のように構成されるものであり、以下、本発明の「伝導伝熱乾燥設備の運転方法」の基本となる実施例について説明する。なおこの実施例は、図1に示す伝導伝熱乾燥設備Fを用いて図4に示すフローチャートに従って実施されるものである。
(1)脱臭炉の起動
まず始めに、乾燥機1から排気される排気ガスG1は、被処理物P1(一例として有機汚泥)から蒸発する水分や臭気成分等を含むものとなるため、バーナ51に着火して脱臭炉5を起動しておく。
(2)乾燥機の準備
次いで被処理物P1の投入に先立って、乾燥機1における多管式加熱管11及び本体シェル10を昇温しておくものであり、多管式加熱管11を回転させた状態で、ロータリージョイント115a及び蒸気供給口106に加熱蒸気Vを供給する。
また上記乾燥機1の準備に際しては、ロータリージョイント115bの下流側に具えられたポンプ(図示省略)を動作させ、多管式加熱管11内に生じたドレンDの排出や、リークにより入り込んだ空気などの非凝縮性ガスを排出させる。
(3)キャリアガスの供給
続いて一例としてキャリアガスCとしての外気を、フィルタ(図示省略)を用いて除塵等を施した後、更に熱交換器9により約100℃に加熱してキャリアガス口103から本体シェル10内に供給する。
(4)被処理物の乾燥
次いで投入装置2から投入口101を通じて本体シェル10内に被処理物P1を投入するものであり、この投入装置2は、回転速度が可変可能である例えばインバータモータを駆動源とするものであり、回転速度の調整は駆動周波数Fを変化させることにより行われる。
なお起動時から定常運転状態になるまでの運転では、P2の温度の上昇に合わせて予め対応して設定されたインバータ周波数を用い、被処理物P1の供給が行われる。このため起動時から定常運転状態になるまでの間は、例えば被処理物P2の温度tmの上昇に単純比例する形で周波数が増加していくような制御だけが実行されることとなる。
そして定常運転状態になった後には、投入装置2におけるインバータモータMの駆動周波数Fは、品温センサ122によって測定された被処理物P2の温度tmの関数F=f1 (tm)により設定される(図4ステップS1)。
なお本体シェル10内に投入された被処理物P1は、送り羽根118やリフタ117の作用によって投入口101側から排出口102側に移動するとともに、更にリフタ117等によってカスケードしながら掻き上げられることによりチューブ束116と効果的に接触し、この際、熱を受けて水分が蒸発して含水率が低下するものである。
このとき、本体シェル10内における被処理物P1の分布状態は、図2の横断面図に示すように多管式加熱管11の回転に伴って回転方向に盛り上がって偏在した状態となるものであり、このような状態を含めて被処理物P1は本体シェル10の下部に位置していると呼ぶ。
そして上述のような乾燥機1の運転において、多管式加熱管11のチューブ束116は、本体シェル10の下部に位置する被処理物P1の中に潜り込むようにしてこれと接触し、被処理物P1を加熱して水分の蒸発を促すものである。
更に被処理物P1は多管式加熱管11の側周部に具えられた複数のリフタ117等によってカスケードしながら掻き上げられ、本体シェル10内の上部に至るとともに、ここから落下する際にチューブ束116の内側に位置するチューブに接触し、ここでも乾燥が促されるものである。
また加熱蒸気Vがチューブ束116内において顕熱及び潜熱を失い凝縮して生じたドレンDは、排出口102側の鏡板112内に具えられた適宜のドレン排出管(図示省略)から押し出され、軸体113、ロータリージョイント115bを経由して乾燥機1の外部に排出され、セパレータ(図示省略)により概ねドレンDと気体に分離されてそれぞれの経路を通じて排出される。なお乾燥機1の運転中は、加熱蒸気Vの供給が継続されるとともに、加熱蒸気Vの圧力(温度)が一定となるように減圧弁7が制御される。
一方、排出口102に達した乾燥の進んだ被処理物P2は、適宜のタイミングでロータリーバルブ105を起動することにより乾燥品P3として排出される。
(5)排気ガスの処理
また被処理物P1から蒸発した水分や揮発性有機物は、キャリアガス口103から本体シェル10内に流入したキャリアガスCに同伴されるようにして、速やかに排気口104から排気ガスG1として外部に排出される。そして排気口104から排出される排気ガスG1に含まれる微粉等は、集塵装置3において分離される。
次いで排気ガスG1は熱交換器6において、脱臭炉5における排気口53から排出された排気ガスG2中の熱を採り込んで昇温された後、脱臭炉5における給気口52から炉本体50内に供給される。そして炉本体50内において排気ガスG1は、バーナ51によって燃料を燃焼させることにより生成された高温の燃焼ガスにより加熱・燃焼されて脱臭処理が施され、排気ガスG2として排気口53から排出され、前出の熱交換器6を経由して外部に排出される。
(6)被処理物投入速度制御
そして本発明では、乾燥機1における排気口104付近に具えられた排気ガス温度センサ121を用いて排気ガスG1の温度を監視し、例えば投入口101に投入される被処理物P11が性状の異なる被処理物P12に変わり、水分値が変化することにより排気ガスG1の温度が変動したときに、排出口102付近に具えられた品温センサ122を用いて被処理物の温度を測定し、これらの温度情報を用いて前記投入装置2の送出速度を調整するものである。
具体的には以下に示す手法によって、投入装置2のインバータモータMの駆動周波数が制御される。
まず乾燥機1において、品温センサ122によって測定された被処理物P2の温度(品温)と、乾燥品P3の水分値との間には、被処理物Pの性状が変わったとしても一定の関係性があることが確認されており、この関係性は図5(a)に示すような被処理物温度−乾燥品水分値曲線として表すことができる。このため、本体シェル10内における被処理物P2の温度を測定することにより、乾燥品P3と概ね同程度の水分値を知ることができる。なお品温センサ122によって測定されるのは、本体シェル10内における排出口102付近に位置する被処理物P2の温度であるが、この温度は排出口102から排出されたばかりの乾燥品P3の温度と略同じ値となる。
またこのとき、排気ガス温度センサ121によって測定された排気ガスG1の温度と、乾燥品P3の水分値との間には、一定の関係性があることも確認されており、この関係性は図5(b)に示すような排気ガス温度−乾燥品水分値曲線として表すことができる(縦軸を図5(a)に示す被処理物温度−乾燥品水分値曲線と同じ乾燥品水分値としたもの)。
このため、排気ガスG1の温度を測定することにより、乾燥品P3の水分値を知ることができるものであり、図5(b)に示した排気ガス温度−乾燥品水分値曲線を標準曲線とするものである。
このように図5(a)及び(b)に示すグラフは、被処理物温度、乾燥品水分値、排気ガス温度の関係を一例としての数値を用いて説明しているもので、図示されている曲線は事前にこれらの関係性を調べて作成されたものである。
具体的には、被処理物P1のうち、例えば最も平均的な性状である被処理物P1を用い(すなわち被処理物P11を用い)、この関係性を調べる間の運転は、投入する被処理物P1の性状が変化しないように運用される。このような条件の下で、加熱蒸気Vの圧力を一定に維持しつつ、被処理物P11の投入量を変更しての運転を行い、各投入量における定常状態での被処理物温度、乾燥品水分値、排気ガス温度における曲線で表される関係性を求めたものである。
そしてホッパ20から排出される被処理物P1が、それまで排出されていた被処理物P11から異なった性状の被処理物P12(被処理物P11よりも水分が蒸発し易い)となったときには、排気ガスG1の温度は急激に低下することとなる(一例としてtg=96℃ 図5参照)。
このように本体シェル10内に投入される被処理物P1が異なった性状のものに入れ替わる際には、排気ガスG1の温度は短時間の間に変化する一方、被処理物P2の温度、すなわち排出口102付近に設けられた品温センサ122の検出値が変化するまでにはある程度の時間がかかることになる。
このため本体シェル10内に位置する被処理物P11が被処理物P12に完全に入れ替わるまでの間は、ステップS1で設定された被処理物P2の温度tmの関数F=f1 (tm)により設定される投入装置20のインバータモータMの駆動周波数Fは被処理物の性状の過渡を反映しての調整がなされていないことになる。
そこで本発明では、以下に示す手法によってインバータモータMの駆動周波数が補正される。
まず一例として排気ガス温度センサ121によって測定された排気ガスG1の温度がtg=96℃であり、品温センサ122により測定された被処理物P2の温度がtm=93℃であるとする(図4ステップS2)。
次にこの被処理物P2の温度tmを図5(a)に示す被処理物温度−乾燥品水分値曲線に当てはめてこのときの水分値Wmを求める(一例として7.5%W.B.)。
次にこの水分値Wmを図5(b)に示す排気ガス温度−乾燥品水分値曲線(標準曲線)に当てはめて標準排気ガス温度tsを求める(一例として103℃)。
更に排気ガス温度tgと標準排気ガス温度tsとを用いてインバータ周波数補正値ΔFを導出する(ΔF=f2 (tm,Δt) 図4 ステップS3)。
次いで前記投入装置2におけるインバータモータMの駆動周波数Fを駆動周波数F′に補正する(F′=F+ΔF 図4 ステップS4)。
なお排気ガス温度tg(96℃)と標準排気ガス温度ts(一例として103℃)とを用いてインバータ周波数補正値ΔFを導出するにあたっては、一例として下記のような算出が行われるものであり、一例として定数a=0.6とした。

ΔF=f2 (Δt)
=a×Δt
=a(tg−ts)
=0.6×(96−103)
=−4.2〔Hz〕

この場合、インバータモータMの駆動周波数はF′=F−4.2〔Hz〕とされるため、投入装置2の送出速度は減ることとなり、水分が蒸発し易い被処理物P12の本体シェル10への供給速度を好適なものとすることができる。
そしてインバータモータMの駆動周波数をF′とした運転を一定時間維持した後(図4ステップS5、6)、F=f1 (tm)とする運転に移行して運転が継続される(図4ステップS1)。
〔他の実施例〕
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示すような実施例を採ることもできる。
まずインバータ周波数補正値ΔFを導出するにあたっては、特にtmの変化が大きい場合等に、下記関数を用いるようにしてもよい。

ΔF=f2 (tm,Δt)
=f3 (tm)×Δt
またモータの回転速度に関する補正値ΔFを導出するにあたっては、上記関数の他、予め作成されたマトリックスデータシートに、排出品水分値tm、排気ガス温度tgおよび標準排気ガス温度tsのうちのいずれか一つまたは複数を当てはめることにより、モータの回転速度に関する補正値ΔFを導出するようにしてもよい。例えば図6に示す表は、インバータモータを用いる場合の、インバータ周波数補正値ΔFを求めるマトリックスデータシートの一例である。
なお、投入装置2におけるモータの回転速度が可変であることは、被処理物P1の投入重量が可変であることを意味するものでもあり、時間当りに投入する被処理物P1の重量の設定値とインバータ周波数とモータの回転速度は対応関係にあるといえる。例えば、投入装置2が被処理物P1を貯留するホッパ部と、被処理物P1の貯留重量が測定可能なロードセルを具えている場合、時間当りの被処理物P1の投入重量の設定値及び投入重量の補正値という形でモータの回転数の制御が可能となる。
つまり、先に述べた基本となる実施例では、主にインバータ周波数という形で説明しているが、排気ガス温度tg、標準ガス温度ts及び被処理物温度tmのうちの複数を用いて、投入する時間当りの被処理物P1の投入重量の設定値に関する補正値を導出し、この補正値を用いてモータの回転速度を補正するような実施例を採るようにしてもよい。
また、被処理物P1の投入重量の設定値に関する補正値を、予め作成されたマトリックスデータシートに、排気ガス温度tg、標準ガス温度ts及び被処理物温度tmのうちの複数を当てはめて導出し、この補正値を用いてモータの回転速度を補正するような実施例を採るようにしてもよい。
また先に述べた基本となる実施例では、インバータとモータの組合せによる場合を主に述べているが、無断変速機構を具え、この無断変速機構部には遠隔操作が可能なアクチュエータが具えられたモータを用いることでも可能である。つまりこの場合、制御盤4からはアクチュエータの動作を設定する設定値と本発明における補正値がアクチュエータに制御信号として送られ、この制御信号によりアクチュエータが一定量動作され、アクチュエータの動作に追従する無断変速機構部を介してモータが変速される。
1 乾燥機(伝導伝熱乾燥機)
1F 機枠
10 本体シェル
101 投入口
101a 分散投入口
101b 分散投入口
102 排出口
102a 板材
102b ダクト
103 キャリアガス口
104 排気口
105 ロータリーバルブ
106 蒸気供給口
107 ドレン口
108 側面開口
109 排出口
11 多管式加熱管(加熱管)
111 アングル
112 鏡板
113 軸体
114 軸受ブロック
115a ロータリージョイント
115b ロータリージョイント
116 チューブ束
117 リフタ
118 送り羽根
121 排気ガス温度センサ
122 品温センサ
2 投入装置
20 ホッパ
20a スクリューコンベヤ
21 バルブ
22 バルブ
3 集塵装置
4 制御盤
5 脱臭炉
50 炉本体
51 バーナ
52 給気口
53 排気口
54 温度センサ
55 調量弁
6 熱交換器
7 減圧弁
8 流量調整弁
9 熱交換器
C キャリアガス
D ドレン
F 伝導伝熱乾燥設備
G1 排気ガス
G2 排気ガス
M インバータモータ
P1 被処理物
P11 被処理物
P12 被処理物
P2 被処理物(乾燥の進んだ)
P3 乾燥品
V 加熱蒸気

Claims (4)

  1. 本体シェル内に加熱装置が具えられ、回転速度が可変であるモータを駆動源とする投入装置によって本体シェル内に投入される被処理物を、加熱装置の伝熱面に接触させて水分を蒸発させ、この蒸発した水分を、本体シェル内に供給されるキャリアガスによって外部に排出するように構成された伝導伝熱乾燥機において、
    伝導伝熱乾燥機の定常運転状態における被処理物温度−乾燥品水分値曲線と、排気ガス温度−乾燥品水分値曲線とを用い、
    排気ガスtgと被処理物温度tmを一定時間ごとに測定し、
    この被処理物温度tmと排気ガス温度−乾燥品水分値曲線とを用いて標準排気ガス温度tsを求め、
    これら排気ガス温度tg、標準排気ガス温度ts及び被処理物温度tmのうちの複数を用いてモータの回転速度に関する補正値ΔFを導出し、
    この補正値を用いてモータの回転速度を補正することを特徴とする伝導伝熱乾燥設備の運転方法。
  2. 前記モータは、インバータを用いることにより回転速度を可変とするものであり、
    前記補正値ΔFは、インバータ周波数補正値であり、
    このインバータ周波数補正値ΔFを、
    式:ΔF=f2 (Δt)=a(tg−ts)
    (aは定数)
    を用いて導出することを特徴とする請求項1記載の伝導伝熱乾燥設備の運転方法。
  3. 前記モータは、インバータを用いることにより回転速度を可変とするものであり、
    前記補正値ΔFは、インバータ周波数補正値であり、
    このインバータ周波数補正値ΔFを、
    式:ΔF=f2 (tm,Δt)=f3 (tm)×Δt
    を用いて導出することを特徴とする請求項1記載の伝導伝熱乾燥機の運転方法。
  4. 前記補正値ΔFを、予め作成されたマトリックスデータシートに、
    排気ガス温度tg、標準排気ガス温度ts及び被処理物温度tmのうちの複数を当てはめて導出することを特徴とする請求項1記載の伝導伝熱乾燥設備の運転方法。
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