JP6120593B2 - 乾燥設備の運転方法 - Google Patents
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Description
前記木質ペレットを製造するために用いられる乾燥設備としては、乾燥機に対して供給ホッパから原材料としての被乾燥物を投入し、更に熱風炉によって生成された数百度の熱風を乾燥機に供給して被乾燥物との接触を図ることにより、このものを乾燥させて乾燥品を得るものがある(例えば特許文献1参照)。
具体的には、被乾燥物の水分変動を測定し、この値を判断材料として、乾燥機への投入水分量(被乾燥物に含まれる水分量の総和)並びに乾燥機への供給熱量を決定する制御が挙げられる。
しかしながら間伐材の場合、木材の種類が単一ではないことに加え、採取地が異なった場合、あるいは保管期間が異なった場合に水分値が大きく異なったものとなるため、被乾燥物の水分変動幅が大きくなること(例えば30〜60%W.B.)が頻繁にあり、上述の被乾燥物の水分変動を監視する制御では、乾燥品の水分値が目標範囲に納まらなくなってしまうことがあった。
そしてこれら各請求項記載の発明を手段として、前記課題の解決が図られる。
前記ブロワ4は、外気を燃焼空気G0として吸込むものであり、吸込口には吸込量を調節するダンパ4aが具えられており、このダンパ4a内部のダンパ板の角度を、制御ユニット10の信号に基づき制御されるコントロールモータ4bにより変化させることで吸込量が調節される。
前記助燃バーナ34は、重油などを燃料とするバーナであり、その燃油量は図示を略した自動弁の開度により調整されるものであり、この開度は、後述する入口温度設定値に基づき制御ユニット10により制御される。より具体的には次のように行われる。
入口温度設定値が実際の熱風G1の温度と異なるとき、入口温度設定値と実際の熱風G1の温度との温度差に基づいて制御ユニット10に内蔵されるPID制御機能により燃油量が増減するように自動弁の開度が制御され、助燃バーナ34の燃焼状態が変化する。
制御ユニット10により入口温度設定値が所定の設定値に変更されると、モータM31の回転数も所定の回転数になるように、このモータM31を制御しているインバータ(図示省略)の設定値が、制御ユニット10に内蔵されるPID制御機能により変更され、燃焼室30内に供給される乾燥品D1の量が変更される。
なお、乾燥品D1自体を燃料として乾燥に必要な熱風を生成することにより、助燃バーナ34で使用する燃料を削減することができ、乾燥設備1のランニングコストを削減することができる。
また前記炉床31における回転軸32の近傍には、焼却灰の排出口31aが形成され、ここから斜め下方に搬送路が形成されるように排出シュート37が設けられ、その排出端側に、水冷ジャケット(図示省略)を具えた排出コンベヤ38が設けられている。
また前記ドラム50の両端は蓋部材50a、50bによって境界部がシールされた状態で塞がれている。そしてドラム50の中心付近を貫通するように設けられた軸55aをモータM1により回転駆動するように構成されるものであり、この軸55aに複数の攪拌翼55が具えられる。
この攪拌翼55は、ドラム50の回転により被処理物Dを分散攪拌させる効果と共に破砕する効果もあり、これにより乾燥が効率的にわれる。もちろん攪拌翼55の無いリフタ50cのみが具えられた構造などの、単に被処理物Dを掻き上げたり分散させる構造のみの乾燥機5であっても構わない。
そして前記蓋部材50aの上部に具えられた投入装置に投入口51が形成され、蓋部材50aの側面に熱風吹込口53が形成される。一方、蓋部材50bの下部に排出口52が形成され、上部に排気口54が形成される。
そして前記U型トラフの内部に、水分計80及び温度センサT8のプローブが位置するように配される。
なお、必要に応じて、集塵機6、6Aにて捕捉された微細な乾燥品D1と、乾燥機5からの乾燥品D1とが合流され、混合機(図示省略)などにより混合された状態での水分及び温度を測定するように、水分計80及び温度センサT8を設置することも可能である。
また、集塵機6、6Aで分離された微細な乾燥品D1は、この取出コンベヤ8にて移送される乾燥品D1と合流されて次工程に移送されるが、その一部は供給ホッパ3Hに送られ、燃焼室30で燃焼させることができるように構成されている。なお供給ホッパ3Hのホッパ部には、図示しないレベル計が具えられ、ホッパ部に貯留される乾燥品D1の量が所定のレベルを下回れば乾燥品D1が供給され、所定のレベルを上回れば供給が中断されるようになっている。
まず乾燥設備1の運転立ち上げ時の作動態様について説明すると、はじめにブロワ4及び乾燥ファン7を起動し、次いで取出コンベヤ8を起動し、ドラム50及び軸55aを回転させ、助燃バーナ34に点火する。
また炉床31上に供給された乾燥品D1は、撹拌棒32cによって万遍なく掻きならされるため常に表面が更新され、可燃性ガスが炉床31上で均等に発生することとなる。更に旋回ガス吹出孔36aから旋回ガスが吹き込まれるため、燃焼室30内の燃焼炎に旋回流が形成され、この旋回流により可燃性ガスは燃焼室30内で効果的に完全燃焼することとなり、排気口33から熱風G1として排気される。
そして被乾燥物Dは、乾燥機5においてドラム50の回転によるリフタ50cの掻き上げと攪拌翼55の作用とにより破砕、攪拌されながら、熱風炉3から供給された熱風G1と接触し、乾燥処理がなされてやがて乾燥品D1となり、順次排出口52から取出コンベヤ8に排出される。
そして以降、被乾燥物Dの投入、乾燥並びに乾燥品D1の排出は連続的に行われる定常運転状態となるものであり、水分計80によって乾燥品D1の水分値を監視しながら、入口温度設定値、ダンパ4aの開度または助燃バーナ34の燃油量のいずれか一つまたは複数を適宜調整して、所望の水分値の乾燥品D1が得られるものである。
まずこの実施例で示す乾燥設備1の運転方法は、被乾燥物Dの水分値と、乾燥品D1の水分値とを測定し、被乾燥物Dの水分値に応じて被乾燥物Dの湿潤モードを設定し、一方、乾燥品D1の水分値に応じて被乾燥物Dに作用させる熱量モードを設定し、これら湿潤モードと熱量モードとに対応させて予め設定されている、乾燥機5に供給される熱風G1の入口温度設定値及び熱風炉3に供給される燃焼空気G0の量を調節するためのダンパ4aの開度を選択するものである。
なおこの実施例では乾燥設備1によって、間伐材や廃材の木材粉砕物を被乾燥物Dとして乾燥するものであり、乾燥品Dは次工程において適宜成形されて固形燃料等として製品化されるものとする。
なおこれら各湿潤モードに対応した水分値は、木材粉砕物を被乾燥物Dとした場合の一例であり、他の被乾燥物Dを扱う場合には適宜最適化されるものとする。
ここで前記「%W.B.」とは、材料の全重量に対する、その材料に含まれる水分率を百分率で表したものであり、乾燥分野では常用されている単位表現である。
そして供給ホッパ2から乾燥機5に対して、選定された単位時間当たりの投入水分量となるように被乾燥物Dが供給される。
例えば、被乾燥物Dの乾燥機5への投入水分量が4.2t/hとなるように、制御ユニット10を介して被乾燥物Dの投入重量が制御されるのは次のようにして行われる。計量コンベヤ2bにより投入される被乾燥物Dの重量は運転時に常時計測されており、この計測される重量が、投入水分量として4.2t/hとなるように制御ユニット10内で演算されて被乾燥物Dの投入重量が算出され、この投入重量となるようにスクリューコンベヤ2aの回転数を制御しているインバータ2dの設定値が、制御ユニット10に内蔵されるPID制御機能により変更されることで達成される。
なおこれら各モードに対応した水分値は、木材粉砕物を被乾燥物Dとした場合の一例であり、他の被乾燥物Dを扱う場合には適宜最適化されるものとする。
一例として被乾燥物湿潤モードが「超湿潤モード」であり、熱量モードが「熱量増モード」のときに、入口温度設定値を800℃とし、ダンパ4aの開度を49%とするものである。また被乾燥物湿潤モードが「中間モード」であり、熱量モードが「熱量基準モード」のときに、入口温度設定値を630℃とし、ダンパ4aの開度を43%とするものである。
そしてこのような設定が行われると、制御ユニット10によって、入口温度設定値の値に熱風G1の温度を近づけるように、助燃バーナ34の燃油量、供給口35への燃料(乾燥品D1)の投入量が制御される。
上述のようなシーケンス制御は、乾燥品D1の水分値が所定の値以上になった場合に、入口温度設定値及びダンパ4aの開度を、熱量増モードに設定された値とし、乾燥品D1の水分値が所定の値以下になった場合に、入口温度設定値及びダンパ4aの開度を、熱量減モードに設定された値とし、乾燥品D1の水分値が所定の範囲の値であれば、入口温度設定値およびダンパ4aの開度を熱量基準モードに設定するものである。これら熱量増モード、熱量減モード、熱量基準モードは、被乾燥物Dの超湿潤モード、湿潤モード、中間モード、乾燥モード、超乾燥モードの各湿潤モード毎に設定されるものである。そして本発明によれば、被乾燥物Dの水分値と乾燥品D1の水分値で場合分けされるマトリクス状のデータシート(図4)に基づいた簡素な制御が行われるため、被乾燥物Dの水分値の変動が、広い範囲で変化する場合での、また設備規模が変わった場合であっても、容易に適用・調整が可能である。
この実施例では、結論部である熱風G1の入口温度設定値の変更の必要性を、被乾燥物Dの水分値と、乾燥品D1の水分値とを条件部としてIf−Then形式の制御規則で表している。なおここでいう水分値とは、水分計20、80によって計測された水分値であって、一例として単位〔%W.B.〕で表されるものである。
図中↓↓は大きく下げる(―2℃/min)、↓は普通に下げる(―1℃/min)、→は変更しない、↑は普通に上げる(+1℃/min)、↑↑は大きく上げる(+2℃/min)を意味するものである。
このような、「非常に低い値」、「低い値」、「通常値」、「高い値」、「非常に高い値」等の言語変数(ラベル)の数、及びこの言語変数に対するメンバーシップ関数は、経験則に基づいて決定されるものであり、被乾燥物Dの性状(丸太等の廃材、都市ごみ、汚泥等)、システムの構成等によって適宜チューニングが行われる。
この実施例では、結論部であるダンパ4aの開度の変更の必要性を、被乾燥物Dの水分値と、乾燥品D1の水分値とを条件部としてIf−Then形式の制御規則で表している。
そしてこの図5(b)に示す実施例では、乾燥機5への被乾燥物Dの投入が3.6t/hで行われているものとし、この場合には、↓は普通に下げる(―0.5%/min)、→は変更しない、↑は普通に上げる(+0.5%/min)、↑↑は大きく上げる(+1%/min)とした。
このような、「非常に低い値」、「低い値」、「通常値」、「高い値」、「非常に高い値」等の言語変数(ラベル)の数、及びこの言語変数に対するメンバーシップ関数は、経験則に基づいて決定されるものであり、被乾燥物Dの性状(丸太等の廃材、都市ごみ、汚泥等)、システムの構成等によって適宜チューニングが行われる。
2 供給ホッパ
2a スクリューコンベヤ
2b 計量コンベヤ
2c 投入コンベヤ
2d インバータ
20 水分計
3 熱風炉
30 燃焼室
31 炉床
31a 排出口
32 回転軸
32a アーム
32b 吹出孔
32c 撹拌棒
33 排気口
34 助燃バーナ
35 供給口
36 旋回ガス案内路
36a 旋回ガス吹出孔
37 排出シュート
38 排出コンベヤ
3a インバータ
3H 供給ホッパ
4 ブロワ
4a ダンパ
4b コントロールモータ
5 乾燥機
50 ドラム
50a 蓋部材
50b 蓋部材
50c リフタ
51 投入口
52 排出口
53 熱風吹込口
54 排気口
55 攪拌翼
55a 軸
57 支持ローラ
59 チェーン
6 集塵機
6A 集塵機
7 乾燥ファン
8 取出コンベヤ
10 制御ユニット
80 水分計
B 基台
D 被乾燥物
D1 乾燥品
G0 燃焼空気
G1 熱風
M モータ
M1 モータ
M3 モータ
M31 モータ
T1 温度センサ
T3 温度センサ
T8 温度センサ
Claims (6)
- 乾燥室内において被乾燥物と熱風との接触を図ることによって乾燥品を得ることができるように構成された乾燥機と、前記乾燥室内に熱風を供給するための熱風炉と、この熱風炉内に燃料を供給するための手段とが具えられて成る乾燥設備の運転において、
前記熱風炉は、燃焼室の内部に、燃料としての被焼却物を供給するとともに、燃焼室外部に設けられたブロワから燃焼空気を供給するものであり、且つ、助燃バーナを具えて成るものであり、
前記被乾燥物の水分値と、乾燥品の水分値とを測定し、被乾燥物の水分値に応じて被乾燥物湿潤モードを設定し、
一方、乾燥品の水分値に応じて被乾燥物に作用させる熱量モードを設定し、
これら被乾燥物湿潤モードと熱量モードとに対応させて、被乾燥物の水分値と乾燥品の水分値で場合分けされるマトリクス状のデータシートに予め設定されている、乾燥機に供給される熱風の入口温度設定値及び熱風炉に供給される燃焼空気量を調節するためのダンパ開度を選択することにより、
乾燥機における熱風吹込口と、熱風炉における排気口との間に設けられる温度センサによる検出値を、熱風の入口温度設定値に近づけるために、助燃バーナの燃油量を制御することを特徴とする乾燥設備の運転方法。
- 前記被乾燥物湿潤モードは、超湿潤モード、湿潤モード、中間モード、乾燥モード及び超乾燥モードであることを特徴とする請求項1記載の乾燥設備の運転方法。
- 前記熱量モードは、熱量増モード、熱量基準モード及び熱量減モードであることを特徴とする請求項1または2記載の乾燥設備の運転方法。
- 乾燥室内において被乾燥物と熱風との接触を図ることによって乾燥品を得ることができるように構成された乾燥機と、前記乾燥室内に熱風を供給するための熱風炉と、この熱風炉内に燃料を供給するための手段とが具えられて成る乾燥設備の運転において、
前記熱風炉は、燃焼室の内部に、燃料としての被焼却物を供給するとともに、燃焼室外部に設けられたブロワから燃焼空気を供給するものであり、且つ、助燃バーナを具えて成るものであり、
前記被乾燥物の水分値と、乾燥品の水分値とを測定し、これらの測定値を条件部とし、乾燥機に供給される熱風の入口温度設定値を結論部とするファジィ推論を行う工程を具え、
乾燥機における熱風吹込口と、熱風炉における排気口との間に設けられる温度センサによる検出値を、熱風の入口温度設定値に近づけるために、助燃バーナの燃油量を制御することを特徴とする乾燥設備の運転方法。
- 乾燥室内において被乾燥物と熱風との接触を図ることによって乾燥品を得ることができるように構成された乾燥機と、前記乾燥室内に熱風を供給するための熱風炉と、この熱風炉内に燃料を供給するための手段とが具えられて成る乾燥設備の運転において、
前記熱風炉は、燃焼室の内部に、燃料としての被焼却物を供給するとともに、燃焼室外部に設けられたブロワから燃焼空気を供給するものであり、且つ、助燃バーナを具えて成るものであり、
前記被乾燥物の水分値と、乾燥品の水分値とを測定し、これらの測定値を条件部とし、熱風炉に供給される燃焼空気量を調節するためのダンパ開度を結論部とするファジィ推論を行う工程を具え、
乾燥機における熱風吹込口と、熱風炉における排気口との間に設けられる温度センサによる検出値を、熱風の入口温度設定値に近づけるために、助燃バーナの燃油量を制御することを特徴とする乾燥設備の運転方法。
- 前記熱風を生成するための熱風炉に、乾燥品を燃料として供給し、この乾燥品の供給量を調節することにより、乾燥機における熱風の入口温度を所望の値とすることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の乾燥設備の運転方法。
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