JP6924693B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑油組成物に関する。
潤滑油は、潤滑のために用いられる油であり、多くの機械装置の潤滑に用いられている。この潤滑油を、機械の可動部分に塗ることで、相接する固体の摩擦が低減し、摩擦熱の発生や摩耗が抑制される。これにより、機械装置を安定に運転し続けることができる。
潤滑油には、ベースオイル(基油)に、様々な添加剤が加えられる。
潤滑油においては、使用中又は保管中に水が混入して、油膜の形成能が低下したり、又は酸化劣化が促進したりするといった不具合がある。このため、潤滑油には、使用時に乳化し難く、また乳化しても水分を分離しやすい抗乳化性(水分離性)が求められる。
これに対し、従来、潤滑油には、添加剤として解乳化剤が加えられている。解乳化剤の添加により、水が混じっている状態の潤滑油からその水を分離できる。
解乳化剤には、いろいろなタイプがある。潤滑油用の解乳化剤には、例えば、エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのブロック共重合体が用いられている(特許文献1参照)。
特開平6−041571号公報
しかしながら、市場で入手できるEOとPOとのブロック共重合体は、一般的に乳化剤として利用されていることもあり、抗乳化性(水分離性)が低いものや、油溶性が低い(親水性が高い)ものが多い。解乳化剤の油溶性が低いと、潤滑油の製造時に、高温に加温して溶解させる必要があるため、作業効率が悪い等の問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、抗乳化性及び油溶性がいずれも優れた潤滑油組成物を提供することを課題とする。
本発明の態様は、基油とポリオキシアルキレン化合物とを含有する潤滑油組成物であって、前記ポリオキシアルキレン化合物は、オキシエチレン基の繰り返し構造及びオキシプロピレン基の繰り返し構造を有し、前記オキシエチレン基の割合は、前記ポリオキシアルキレン化合物が有するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対して、5〜30モル%であり、前記ポリオキシアルキレン化合物の末端に結合するオキシプロピレン基の割合は、当該末端に結合するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対して、40〜100モル%であり、前記ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量(Mn)は、2000以上であることを特徴とする潤滑油組成物である。
本発明の態様に係る潤滑油組成物において、前記ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量(Mw)は、2400以上であることが好ましい。
前記ポリオキシアルキレン化合物は、ブロック共重合体であることが好ましい。
前記基油の40℃における動粘度は、19.8〜506mm/sの範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、抗乳化性及び油溶性がいずれも優れた潤滑油組成物を提供することができる。
(潤滑油組成物)
本実施形態の潤滑油組成物は、基油とポリオキシアルキレン化合物とを少なくとも含有するものであり、必要に応じてその他成分を含有してもよい。当該潤滑油組成物においては、ポリオキシアルキレン化合物に特徴があり、これ以外の構成については公知の種々の潤滑油組成物を適用できる。
<基油>
本実施形態における基油としては、例えば、鉱油もしくは合成油又はこれらの混合油を含むものが挙げられる。当該基油の中でも、鉱油が好ましい。
鉱油としては、原油を、常圧蒸留又は減圧蒸留して得られた留分に対し、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、酸洗浄、白土処理などの1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて得られる、パラフィン系鉱油又はナフテン系鉱油が挙げられ、この中でもパラフィン系鉱油がより好ましい。
本実施形態における基油には、米国石油協会(American Petroleum Institute:API)でのベースオイルの分類における、グループI〜IVのいずれも用いることができる。
本実施形態における基油の動粘度は、19.8〜506mm/sが好ましく、19.8〜352mm/sがより好ましく、28.8〜242mm/sがさらに好ましく、28.8〜165mm/sが特に好ましく、28.8〜110mm/sが最も好ましい。
当該基油の動粘度が、前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、油膜の形成能が高められやすくなり、一方、前記の好ましい範囲の上限値以下であれば、低温での粘度上昇が抑えられやすくなる。
本発明において「基油の動粘度」は、JIS K 2283(2000)に準拠した方法により測定される、温度40℃における動粘度を示す。
本実施形態における基油の粘度指数は、95以上150以下が好ましく、100以上140以下がより好ましい。
当該基油の粘度指数が、前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、温度による粘度変化が抑えられやすくなり、一方、前記の好ましい範囲の上限値以下であれば、基油入手の選択性の幅が広がり、製造が容易になる。
本発明において「基油の粘度指数」は、JIS K 2283(2000)に準拠した方法により測定できる。
潤滑油組成物中の基油の含有量は、潤滑油組成物の総量(100質量%)に対して、90質量%以上が好ましく、95〜99.9質量%がより好ましく、97〜99.5質量%がさらに好ましい。
<ポリオキシアルキレン化合物>
本実施形態におけるポリオキシアルキレン化合物は、オキシアルキレン基の繰り返し構造を有する化合物であって、オキシエチレン基の繰り返し構造及びオキシプロピレン基の繰り返し構造を少なくとも有する。
本実施形態の潤滑油組成物において、当該ポリオキシアルキレン化合物は、解乳化剤として働く成分である。
本実施形態におけるポリオキシアルキレン化合物は、オキシエチレン基(OE)が長く連続したオキシエチレン基ブロック(OEブロック)と、オキシプロピレン基(OP)が長く連続したオキシプロピレン基ブロック(OPブロック)と、のブロック共重合体でもよいし、OEとOPとの配列に秩序のないランダム共重合体でもよい。この中でも、抗乳化性が高められやすいことから、ブロック共重合体が好ましい。
当該ポリオキシアルキレン化合物は、ブロック共重合体の中でも、抗乳化性及び油溶性がより高められやすいことから、分子の一部又は全部の末端にOPブロックが結合していることがより好ましい。
当該ポリオキシアルキレン化合物は、OE及びOP以外のオキシアルキレン基を有していてもよく、例えばオキシブチレン基が挙げられる。
当該ポリオキシアルキレン化合物の末端に結合するオキシプロピレン基の割合は、当該末端に結合するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対して、40〜100モル%であり、油溶性が特に高められやすいことから、当該末端に結合するOPの割合は高いほど好ましい。OPが結合することで、ポリオキシアルキレン化合物の全体としての疎水性が高くなり、また、当該末端に結合することで、基油との接触頻度も増加するため、油溶性が高められやすくなる。
当該ポリオキシアルキレン化合物の末端に結合するオキシエチレン基の割合は、当該末端に結合するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対して、60モル%以下であり、油溶性が特に高められやすいことから、当該末端に結合するOEの割合は低いほど好ましい。
当該ポリオキシアルキレン化合物の全体におけるオキシエチレン基の割合は、当該ポリオキシアルキレン化合物が有するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対して、5〜30モル%であり、5〜25モル%が好ましく、6〜20モル%がさらに好ましい。当該全体におけるOEの割合が、前記の範囲の下限値以上であれば、抗乳化性がより向上しやすくなり、一方、前記の範囲の上限値以下であれば、油溶性がより向上しやすくなる。前記の範囲の上限値を超えると、ポリオキシアルキレン化合物の全体としての極性が高くなり、油溶性が低くなりやすい。
当該ポリオキシアルキレン化合物を構成するオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の割合は、それぞれ、NMR測定により求めることができる(後述の実施例を参照)。
当該ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量(Mn)は、2000以上であり、2000〜5000が好ましく、2500〜4000がより好ましく、2800〜3800がさらに好ましい。
当該ポリオキシアルキレン化合物のMnが、前記の範囲の下限値以上であれば、抗乳化性及び油溶性の効果が充分に発現される。一方、前記の好ましい範囲の上限値以下であれば、油溶性がより向上しやすくなる。
当該ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量(Mw)は、2400以上が好ましく、2600〜6000が好ましく、2800〜5000がより好ましく、3000〜4500がさらに好ましい。
当該ポリオキシアルキレン化合物のMwが、前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、抗乳化性及び油溶性の効果が充分に発現される。一方、前記の好ましい範囲の上限値以下であれば、油溶性がより向上しやすくなる。
当該ポリオキシアルキレン化合物の分子量分散度(Mw/Mn)は、1.00〜1.50が好ましく、1.05〜1.40がより好ましく、1.06〜1.25がさらに好ましい。
当該ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量、重量平均分子量は、それぞれ、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる(後述の実施例を参照)。
本実施形態の潤滑油組成物において、ポリオキシアルキレン化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が組み合わされ用いられてもよい。
本実施形態におけるポリオキシアルキレン化合物は、基油への溶解性がいっそう向上しやすいことから、分子の末端に結合していることがより好ましい。この中でも、OPブロック−OEブロック−OPブロック型のブロック共重合体、OPブロック−OEブロック型のブロック共重合体が特に好ましく、OPブロック−OEブロック−OPブロック型のブロック共重合体が最も好ましい。
当該ポリオキシアルキレン化合物の含有量(質量基準)は、基油の種類又は用途等に応じて適宜決定され、例えば、基油とその他成分との総量(100質量部)に対して、0.002質量部(20質量ppm)以上が好ましく、0.003〜0.03質量部(30〜300質量ppm)がより好ましく、0.0035〜0.015質量部(35〜150質量ppm)がさらに好ましい。
当該ポリオキシアルキレン化合物の含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、抗乳化性及び油溶性の効果が充分に発現されるようになり、一方、前記の好ましい範囲の上限値を超えても、その添加量に見合う向上効果が得られにくくなる。
<その他成分>
本実施形態の潤滑油組成物が含有してもよい、その他成分としては、例えば、酸化防止剤、さび止め剤(防錆剤)、極圧剤・摩耗防止剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、泡消し剤(消泡剤)、摩擦調整剤、流動点降下剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、腐食防止剤などが挙げられる。
以上説明した本実施形態の潤滑油組成物には、基油に、特定の構造を有する解乳化剤(すなわち、オキシエチレン基の繰り返し構造及びオキシプロピレン基の繰り返し構造を有するポリオキシアルキレン化合物)が添加されている。かかる解乳化剤は、性能発現に充分な数平均分子量を有し、かつ、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とをバランス良く含む構造をもつ。このため、かかる解乳化剤を含有する潤滑油組成物においては、抗乳化性(水分離性)に優れて、より安定な稼働が維持され、また、水混入による酸化劣化が抑制される。加えて、当該潤滑油組成物においては、ポリオキシアルキレン化合物の油溶性が高いため、作業効率等も向上する。
本実施形態の潤滑油組成物によれば、使用中又は保管中に水が混入しても、水分離性が良いため、ドレン切り等を行うことにより、油膜の形成能が低下したり、又は酸化劣化が促進したりするといった不具合を生じにくくなり、本来の潤滑油の性能が発揮されやすくなる。当該潤滑油組成物は、循環系工業用潤滑油として有用なものである。例えば、当該潤滑油組成物は、工場等にある機械に使用される潤滑油であって循環使用するもの(具体的には、油圧作動油、タービン油、空気圧縮機油、摺動面油、ギヤ油など)に好適である。
以下、本発明の効果を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
本実施例で用いた基油、ポリオキシアルキレン化合物及びその他成分は、それぞれ以下の通りである。
・基油
基油1:40℃動粘度36mm/s、粘度指数130の水素化分解基油
基油2:40℃動粘度85mm/s、粘度指数106の水素化分解基油
基油3:40℃動粘度500mm/s、粘度指数97の溶剤精製基油
・ポリオキシアルキレン化合物
D1−1:BASF社製、商品名「Pluronic RPE3110」、OPブロック−OEブロック−OPブロック型、分子量3500、オキシエチレン基の割合10質量%
D1−2:日油株式会社製、商品名「プロノン♯201」、OEブロック−OPブロック−OEブロック型、分子量2220、オキシエチレン基の割合10質量%
D1−3:BASF社製、商品名「Pluronic RPE2520」、OPブロック−OEブロック−OPブロック型、分子量3100、オキシエチレン基の割合20質量%
D1−4:青木油脂工業式会社製、商品名「ブラウノンP−201」、OEブロック−OPブロック−OEブロック型、分子量2200、オキシエチレン基の割合10質量%
D2−1:BASF社製、商品名「Pluronic PE10100」、OEブロック−OPブロック−OEブロック型、分子量3500、オキシエチレン基の割合10質量%
D2−2:BASF社製、商品名「Pluronic RPE1740」、OPブロック−OEブロック−OPブロック型、分子量2650、オキシエチレン基の割合40質量%
D2−3:青木油脂工業式会社製、商品名「ブラウノンP−101M」、OEブロック−OPブロック−OEブロック型、分子量1100、オキシエチレン基の割合10質量%
D2−4:日油株式会社製、商品名「プロノン♯104」、OEブロック−OPブロック−OEブロック型、分子量1670、オキシエチレン基の割合40質量%
D2−5:日油株式会社製、商品名「プロノン♯202B」、OEブロック−OPブロック−OEブロック型、分子量2400、オキシエチレン基の割合20質量%
D2−6:BASF社製、商品名「Pluronic PE6400」、OEブロック−OPブロック−OEブロック型、分子量2900、オキシエチレン基の割合40質量%
D2−7:日油株式会社製、商品名「プロノン♯208」、OEブロック−OPブロック−OEブロック型、分子量10000、オキシエチレン基の割合80質量%
D2−8:青木油脂工業式会社製、商品名「ブラウノンSA30/70」、OE−OPランダム型、分子量2000、オキシエチレン基の割合30質量%、末端はステアリル基
D2−9:日油株式会社製、商品名「ポリセリンDC―3000E」、OE−OB(オキシブチレン基)ランダム型、分子量3000、オキシエチレン基の割合37質量%
D2−10:日油株式会社製、商品名「ポリセリンDCB―2000」、OP−OBランダム型、分子量2000、オキシプロピレン基の割合40質量%
D2−11:BASF社製、商品名「Breox 50A 140」、OE−OPランダム型、分子量3500、オキシエチレン基の割合40質量%、末端はブチル基
・その他成分
酸化防止剤:住友化学株式会社製、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)
さび止め剤:BASF社製、商品名「IRGACOR NPA」
極圧剤・摩耗防止剤:BASF社製、商品名「IRGALUBE TPPT」
金属不活性剤:BASF社製、商品名「IRGAMET39」
粘度指数向上剤:三洋化成工業株式会社製、商品名「アクルーブ160」
本実施例で用いるポリオキシアルキレン化合物について、その構造(オキシエチレン基の割合、オキシプロピレン基の割合)、数平均分子量、重量平均分子量を、それぞれ以下に示す方法により測定した。
[ポリオキシアルキレン化合物の構造]
ポリオキシアルキレン化合物の構造は、核種を13CとしたNMR測定で分析した。
・NMR測定の条件
測定装置:Agilent製、製品名「DD2」
マグネット:600MHz
核種:13C
分析手法:1Hインバースゲーテッドデカップリング及びDEPT135
待ち時間:10〜20秒間
溶媒:CDCl
・オキシエチレン基の割合
オキシエチレン基の割合は、ポリオキシアルキレン化合物が有するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対する、オキシエチレン基の割合、を計算することにより求めた。
オキシプロピレン基(OP)は、[プロピレンオキシド(PO)由来のCH3末端(17ppm付近の積分値)+PO由来のCH(75ppm付近の積分値)]/2により定量した。
オキシエチレン基(OE)は、[全てのCH2の積分値総和(DEPT135で測定されるDEPTスペクトルにおいて下向きであるピーク群)−{PO由来のCH3末端(17ppm付近の積分値)+PO由来のCH(75ppm付近の積分値)}/2]/2により定量した。
ポリオキシアルキレン化合物が有するオキシアルキレン基がオキシプロピレン基及びオキシエチレン基のみからなる場合、オキシエチレン基の割合(モル%)は、OE/(OE+OP)×100により求めた。
・ポリオキシアルキレン化合物の末端に結合するオキシプロピレン基の割合
ポリオキシアルキレン化合物の末端に結合するオキシプロピレン基の割合は、当該末端に結合するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対する、当該末端に結合するオキシプロピレン基の割合、を計算することにより求めた。
・ポリオキシアルキレン化合物の末端に結合するオキシエチレン基の割合
ポリオキシアルキレン化合物の末端に結合するオキシエチレン基の割合は、当該末端に結合するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対する、当該末端に結合するオキシエチレン基の割合、を計算することにより求めた。
末端に結合するオキシプロピレン基(OP末端)は、上記のNMR測定において65ppm及び67ppm付近の積分値により定量した。
末端に結合するオキシエチレン基(OE末端)は、上記のNMR測定において61ppm付近の積分値により定量した。
ポリオキシアルキレン化合物が有するオキシアルキレン基がオキシプロピレン基及びオキシエチレン基のみからなる場合、末端に結合するオキシプロピレン基の割合(モル%)は、OP末端/(OE末端+OP末端)×100により求めた。末端に結合するオキシエチレン基の割合(モル%)は、OE末端/(OE末端+OP末端)×100により求めた。
[数平均分子量、重量平均分子量]
ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量、重量平均分子量は、それぞれゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した。
・GPC測定の条件
測定装置:Waters製、製品名「Alliance2695」
カラム:東ソー株式会社製、製品名「TSK−GEL GMHHR−M」×2本(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:RI
測定条件:カラム温度25℃、展開溶媒テトラヒドロフラン、流速1.0mL/分
試料:2.0質量%のテトラヒドロフラン溶液
注入量:100μL
標準試料:ポリスチレン
<潤滑油組成物の製造>
基油に、その他成分(共通添加剤)を添加して混合した後、ポリオキシアルキレン化合物を加えて混合することにより、各例の潤滑油組成物をそれぞれ製造した。
共通添加剤の組成を以下に示す。各成分の添加量(質量%)は、潤滑油組成物中の割合を意味する。
共通添加剤の組成:酸化防止剤0.5質量%、さび止め剤0.05質量%、極圧添加剤・摩耗防止剤0.4質量%、金属不活性剤0.02質量%、粘度指数向上剤0.5質量%
(実施例1〜4、比較例1〜11)
各例の潤滑油組成物を、以下に示す調製方法(1)〜(5)により得た。
調製方法(1):基油1に、共通添加剤を添加して混合することにより、混合液を得た。この混合液100質量部に対し、各ポリオキシアルキレン化合物80ppm(質量基準)をそれぞれ添加することにより、潤滑油組成物を調製した。
調製方法(2):基油1に、共通添加剤を添加して混合することにより、混合液を得た。この混合液100質量部に対し、各ポリオキシアルキレン化合物100ppm(質量基準)をそれぞれ添加することにより、潤滑油組成物を調製した。
調製方法(3):基油2に、共通添加剤を添加して混合することにより、混合液を得た。この混合液100質量部に対し、各ポリオキシアルキレン化合物75ppm(質量基準)をそれぞれ添加することにより、潤滑油組成物を調製した。
調製方法(4):基油2に、共通添加剤を添加して混合することにより、混合液を得た。この混合液100質量部に対し、各ポリオキシアルキレン化合物100ppm(質量基準)をそれぞれ添加することにより、潤滑油組成物を調製した。
調製方法(5):基油3に、共通添加剤を添加して混合することにより、混合液を得た。この混合液100質量部に対し、各ポリオキシアルキレン化合物35ppm(質量基準)をそれぞれ添加することにより、潤滑油組成物を調製した。
<評価>
調製された各潤滑油組成物について、以下に示す方法により、抗乳化性及び油溶性をそれぞれ評価した。これらの評価結果を表1〜2に示した。
[抗乳化性]
上記の調製方法(1)〜(5)により得た、各例について5種類それぞれの潤滑油組成物の抗乳化性を、抗乳化試験法JIS K2520に準拠した方法により評価した。使用した測定装置及び水を以下に示す。
測定装置:吉田科学器械株式会社製の潤滑油抗乳化性試験器、型番DS−M6ST
水:JIS K0557に規定するA3のもの
具体的には、試験温度(40℃動粘度≦90mm/sで54±1℃,40℃動粘度>90mm/sで82±1℃)で、水及び試料(潤滑油組成物)をそれぞれ40mLとなるように試験管に採り、内容物が前記の試験温度に達するまで保った。その後、かき混ぜ板を毎分1500回転で5分間回転させて、潤滑油組成物と水とをかき混ぜた。5分間回転の後、生じた乳化層が水層と油層とに分離するまでの時間(分)、各層の体積(mL)をそれぞれ測定した。
本評価では、前記の5分間回転の後に生じた乳化層の体積が3mL以下にまで減少したものを合格とした。乳化層の体積は、5分間回転の後から1分間経過毎に記録した。
また、前記の5分間回転の後に生じた乳化層の体積が3mL以下にまで減少しない場合には、前記の5分間回転の後から40分間経過した時点で試験を打ち切った。
以下に示す評価基準に従い、5種類それぞれの潤滑油組成物の抗乳化性を評価した。
評価基準
◎:5種類全ての潤滑油組成物が合格であった。
○:4種類の潤滑油組成物が合格であった。
△:2又は3種類の潤滑油組成物が合格であった。
×:潤滑油組成物の1種類のみが合格であった、又は合格無し。
[油溶性]
HR80(ナフテン系溶剤であり留分として灯油に近いもの)(100質量部)に、ポリオキシアルキレン化合物(1質量部)を添加し、撹拌しながら加温して昇温させた。その際、昇温させながら、目視で、HR80にポリオキシアルキレン化合物が溶解した温度を測定した。
以下に示す評価基準に従い、ポリオキシアルキレン化合物の油溶性を評価した。
評価基準
○:HR80とポリオキシアルキレン化合物との混合液(乳濁状態)の外観が、60℃未満で透明となった。
×:当該混合液(乳濁状態)の外観が、60℃以上で透明となった。
Figure 0006924693
Figure 0006924693
表1〜2の結果から、本発明を適用した実施例1〜4の潤滑油組成物は、抗乳化性及び油溶性がいずれも優れていることが確認できる。
本発明の範囲外のポリオキシアルキレン化合物を含有する比較例1〜11の潤滑油組成物は、抗乳化性又は油溶性の少なくとも一方が劣っていた。

Claims (4)

  1. 基油とポリオキシアルキレン化合物とを含有する潤滑油組成物であって、
    前記ポリオキシアルキレン化合物は、オキシエチレン基の繰り返し構造及びオキシプロピレン基の繰り返し構造を有し、
    前記オキシエチレン基の割合は、前記ポリオキシアルキレン化合物が有するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対して、5〜30モル%であり、
    前記ポリオキシアルキレン化合物の末端に結合するオキシプロピレン基の割合は、当該末端に結合するオキシアルキレン基の総量(100モル%)に対して、40〜100モル%であり、
    前記ポリオキシアルキレン化合物の数平均分子量(Mn)は、2000以上であり、
    前記ポリオキシアルキレン化合物の含有量は、前記基油と、前記基油及び前記ポリオキシアルキレン化合物以外との総量(100質量部)に対して、0.003〜0.03質量部である、潤滑油組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量(Mw)は、2400以上である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記ポリオキシアルキレン化合物は、ブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. 前記基油の40℃における動粘度は、19.8〜506mm/sの範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
JP2017250087A 2017-12-26 2017-12-26 潤滑油組成物 Active JP6924693B2 (ja)

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