JP6923893B2 - 合成皮革及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車の座席シート用表皮材として好適に使用できる合成皮革及びその製造方法に関する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「ベース樹脂」の語は、シリコーンアクリル樹脂を含まない意味で用いている。
従来、防汚性合成皮革としては、繊維布帛基材の少なくとも片面に、アクリルシリコン系化合物を主成分とする膜及び水系ポリウレタン樹脂膜を有し、アクリルシリコン系化合物を主成分とする膜、水系ポリウレタン樹脂膜、繊維布帛基材の順に積層されてなる防汚性合成皮革が知られている(特許文献1参照)。
また、近年、自動車の座席シート用表皮材としては、薄い色合いのものが好まれており、このために薄い色の合成皮革シートが用いられるようになってきている。
特許第4726636号公報
しかるに、上記従来の防汚性合成皮革を自動車の座席シート用表皮材として使用する場合、特に薄い色合いにて使用する場合には、合成皮革の表面(接触面)に汚れが付きやすいという問題があった。即ち、合成皮革が薄い色合いである場合には、その表面に付着した汚れが目立つという問題があった。
また、従来の防汚性合成皮革では、合成皮革と防汚層との一体化強度が十分ではなく、十分な耐久性が得られなかった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、表面に汚れが付きにくい上に、表面に汚れが付いたとしてもその汚れが取りやすく、かつマット感があり、優れた強度を備えた合成皮革及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]合成皮革シート層と、
前記合成皮革シート層の少なくとも一方の面に積層された、又は前記少なくとも一方の面に1ないし複数の樹脂層を介して積層された最外層としての防汚層と、を含み、
前記防汚層は、ベース樹脂とシリコーンアクリル樹脂が有機溶剤に溶解されてなる処理液を塗布した後、乾燥させることによって形成された層であることを特徴とする合成皮革。
[2]前記ベース樹脂がウレタン樹脂である前項1に記載の合成皮革。
[3]前記処理液は、前記ベース樹脂100質量部に対して前記シリコーンアクリル樹脂を100質量部〜300質量部含有する前項1または2に記載の合成皮革。
[4]前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる1種または2種の有機溶剤を含む前項1〜3のいずれか1項に記載の合成皮革。
[5]前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドを含む混合有機溶剤である前項1〜3のいずれか1項に記載の合成皮革。
[6]合成皮革シートの少なくとも一方の面に、又は、合成皮革シートの少なくとも一方の面に積層された1ないし複数の樹脂層の最外面に、ベース樹脂とシリコーンアクリル樹脂が有機溶剤に溶解されてなる処理液を塗布した後、乾燥させることを特徴とする合成皮革の製造方法。
[7]前記ベース樹脂はウレタン樹脂である前項6に記載の合成皮革の製造方法。
[8]前記処理液は、前記ベース樹脂100質量部に対して前記シリコーンアクリル樹脂を100質量部〜300質量部含有する前項6または7に記載の合成皮革の製造方法。
[9]前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる1種または2種の有機溶剤を含む前項6〜8のいずれか1項に記載の合成皮革の製造方法。
[10]前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドを含む混合有機溶剤である前項6〜8のいずれか1項に記載の合成皮革の製造方法。
[1]の発明では、上記特定組成の処理液を塗布し、乾燥することによって、合成皮革シート層の表面に防汚層が形成されたものであるから、表面に汚れが付きにくい上に、表面に汚れが付いたとしてもその汚れが取りやすく、かつマット感のある(質感として皮革感のある)合成皮革が提供される。更に、上記処理液は、有機溶剤を含有するので、処理液の塗布により有機溶剤が合成皮革シート層の表面に接触することで、合成皮革シート層の表面が僅かに溶けて該表面に凹凸が形成されて、いわゆるアンカー効果によって、合成皮革シート層と防汚層とが強固に一体化され、優れた強度を備えた合成皮革が提供される。
[2]の発明では、ベース樹脂がウレタン樹脂であるので、合成皮革シート層との接着強度を向上させることができる。
[3]の発明では、処理液は、ベース樹脂100質量部に対してシリコーンアクリル樹脂を100質量部〜300質量部含有する構成であるので、防汚層の強靱性を向上させることができると共に、防汚層表面の防汚性も向上させることができる。
[4]の発明では、有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる1種または2種の有機溶剤を含む構成であるので、ベース樹脂とシリコーンアクリル樹脂との相互の均一分散性を向上させることができる。
[5]の発明では、有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドを含む混合有機溶剤であるから、主にメチルエチルケトンによって乾燥性を向上させることができると共に、主にジメチルホルムアミドによって溶解性(樹脂成分の溶解性)を向上させることができて、均一な防汚層が形成される。
[6]の発明では、上記特定組成の処理液を塗布した後、乾燥させることによって、合成皮革シート層の表面に防汚層を形成するので、表面に汚れが付きにくい上に、表面に汚れが付いたとしてもその汚れが取りやすく、かつマット感のある(質感として皮革感のある)合成皮革を製造できる。更に、上記処理液は、有機溶剤を含有するので、処理液を塗布することにより有機溶剤が合成皮革シート層の表面に接触して、合成皮革シート層の表面が僅かに溶けて該表面に凹凸が形成されて、いわゆるアンカー効果によって、合成皮革シート層と防汚層とが強固に一体化され、優れた強度を備えた合成皮革が得られる。
[7]の発明では、ベース樹脂がウレタン樹脂であるので、合成皮革シート層との接着強度を向上させた合成皮革を製造できる。
[8]の発明では、処理液は、ベース樹脂100質量部に対してシリコーンアクリル樹脂を100質量部〜300質量部含有する構成であるので、防汚層の強靱性が向上すると共に防汚層表面の防汚性も向上した合成皮革を製造できる。
[9]の発明では、有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる1種または2種の有機溶剤を含む構成であるので、ベース樹脂とシリコーンアクリル樹脂との相互の均一分散性を向上させることができる。
[10]の発明では、有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドを含む混合有機溶剤であるから、主にメチルエチルケトンによって乾燥性を向上させることができると共に、主にジメチルホルムアミドによって溶解性(樹脂成分の溶解性)を向上させることができて、均一な防汚層が形成される。
なお、本願の特許請求の範囲において、物の発明についての請求項にその物の製造方法が記載されている。本願発明のうち物の発明は、表面に汚れが付きにくい上に、マット感があり、且つ優れた強度を備えた合成皮革の発明である。この従来技術にはない本願発明の特徴を特定するために、物の発明についての請求項では、「防汚層は、ベース樹脂とシリコーンアクリル樹脂が有機溶剤に溶解されてなる処理液を塗布した後、乾燥させることによって形成された層である」という発明特定事項を記載している。この発明特定事項を備えることにより、従来技術の問題点を解決した合成皮革が得られる。即ち、本願発明において奏される、従来技術と比較して優れた強度(合成皮革シート層と防汚層との一体化強度)は、処理液中に有機溶剤を含有していることにより、処理液が接触した表面(前記合成皮革シートの表面又は前記樹脂層の表面)が少し溶解して凹凸様の表面形状を呈することで、いわゆるアンカー効果等によって得られているものと推定される(推定であり、定かではない)。
しかしながら、上述した本願発明の特徴を、物の構造又は特性により直接特定することは、不可能である。即ち、本願は、出願時において物の構造又は特性を解析することが技術的に不可能であり、「不可能・非実際的事情」が存在しており、従って本願の特許請求の範囲の記載は、明確性要件を満たしている。
本発明に係る合成皮革の一実施形態を示す断面図である。
本発明に係る合成皮革1は、合成皮革シート層2と、前記合成皮革シート層2の少なくとも一方の面に積層された、又は前記少なくとも一方の面に1ないし複数の樹脂層を介して積層された最外層としての防汚層3と、を含み、前記防汚層3は、ベース樹脂、シリコーンアクリル樹脂及び有機溶剤を含有してなる処理液を、前記合成皮革シート層2の少なくとも一方の面に、又は前記樹脂層の最外面に、塗布した後、乾燥させることによって形成された層であることを特徴とする(図1参照)。なお、図1の構成では、前記合成皮革シート層2の片面に直接に防汚層3が積層された構成になっている。
上記本発明に係る合成皮革1では、上記特定組成の処理液を塗布し、乾燥することによって、合成皮革シート層の表面に防汚層が形成されているから、表面に汚れが付きにくい上に、表面に汚れが付いたとしてもその汚れが取りやすく、かつマット感のある(質感として皮革感のある)合成皮革が提供される。更に、上記処理液は、有機溶剤を含有するので、処理液の塗布により有機溶剤が合成皮革シート層の表面に接触することで、合成皮革シート層の表面が僅かに溶けて該表面に凹凸が形成されて、いわゆるアンカー効果によって、合成皮革シート層と防汚層とが強固に一体化され、優れた強度を備えた合成皮革が提供される。
また、本発明に係る合成皮革の製造方法は、合成皮革シートの少なくとも一方の面に、又は、合成皮革シートの少なくとも一方の面に積層された1ないし複数の樹脂層の最外面に、ベース樹脂、シリコーンアクリル樹脂及び有機溶剤を含有してなる処理液を塗布した後、乾燥させることを特徴とする。本製造方法によれば、上記特定組成の処理液を塗布した後、乾燥させることによって、合成皮革シート層の表面に防汚層を形成するので、表面に汚れが付きにくい上に、表面に汚れが付いたとしてもその汚れが取りやすく、かつマット感のある(質感として皮革感のある)合成皮革を製造できる。更に、上記処理液は、有機溶剤を含有するので、処理液を塗布することにより有機溶剤が合成皮革シート層の表面に接触して、合成皮革シート層の表面が僅かに溶けて該表面に凹凸が形成されて、いわゆるアンカー効果によって、合成皮革シート層と防汚層とが強固に一体化され、優れた強度を備えた合成皮革が得られる。
本発明に係る合成皮革および本発明に係る合成皮革の製造方法について、以下、詳細に説明する。
前記合成皮革シート層(合成皮革シート)2としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)シート、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)シート、ポリウレタン合皮シート等が挙げられる。
前記合成皮革シート層2の厚さは、特に限定されないものの、0.1mm〜1.5mmに設定されるのが好ましい。
前記防汚層3は、ベース樹脂、シリコーンアクリル樹脂及び有機溶剤を含有してなる処理液を前記合成皮革シート層2の少なくとも一方の面に塗布した後、乾燥させることによって形成された層である。
前記ベース樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。中でも、前記ベース樹脂としてはウレタン樹脂を用いるのが好ましく、この場合には合成皮革シート層との接着強度を向上させることができる。
前記シリコーンアクリル樹脂としては、特に限定されるものではないが、シリコーンアクリルグラフト共重合体樹脂を用いるのが好ましい。前記シリコーンアクリルグラフト共重合体樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、日信化学工業株式会社製「シャリーヌ」(CHALINE)等を例示できる。前記日信化学工業株式会社製「シャリーヌ」としては、例えば、シャリーヌR170、シャリーヌR170S等が挙げられる。
前記有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)等が挙げられる。中でも、前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる1種または2種の有機溶剤を含む構成であるのが好ましく、この場合にはベース樹脂とシリコーンアクリル樹脂との相互の均一分散性を向上させることができる。さらに、前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドを含む混合有機溶剤であるのが特に好ましく、この場合には、主にメチルエチルケトンによって乾燥性を向上させることができると共に、主にジメチルホルムアミドによって溶解性(樹脂成分の溶解性)を向上させることができて、均一な防汚層3を形成できる。
前記処理液は、前記ベース樹脂100質量部(乾燥後質量)に対して前記シリコーンアクリル樹脂(乾燥後質量)を100質量部〜300質量部含有する構成であるのが好ましい。100質量部以上であることで防汚性を十分に発現させることができると共に、300質量部以下であることで防汚層の強靱性の低下を防止できる。中でも、前記処理液は、前記ベース樹脂100質量部に対して前記シリコーンアクリル樹脂を150質量部〜200質量部含有する構成であるのが特に好ましい。
前記処理液中、前記シリコーンアクリル樹脂100質量部に対して前記有機溶剤を300質量部〜600質量部含有する構成であるのが好ましい。300質量部以上であることでシリコーンアクリル樹脂を十分に溶解できる利点があり、600質量部以下であることで乾燥時間を短縮できる利点がある。中でも、前記処理液中、前記シリコーンアクリル樹脂100質量部に対して前記有機溶剤を400質量部〜500質量部含有する構成であるのが特に好ましい。
なお、前記処理液は、ベース樹脂、シリコーンアクリル樹脂および有機溶剤の必須成分以外に、他の成分を含有してもよい。前記他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、艶消剤、摩擦抵抗低下剤等が挙げられる。
前記防汚層3の厚さ(乾燥後の厚さ)は、特に限定されないものの、3μm〜50μmに設定されるのが好ましい。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
大日精化工業株式会社製「Lu377sp」800質量部(メチルエチルケトン490質量部、ジメチルホルムアミド210質量部、固形分としてウレタン樹脂100質量部含有)、シリコーンアクリル樹脂として日信化学工業株式会社製「シャリーヌR170S」200質量部、混合有機溶剤200質量部(メチルエチルケトン100質量部およびジメチルホルムアミド100質量部)を混合して、処理液を得た。
前記処理液を、厚さ0.7mmのポリ塩化ビニルシートからなる合成皮革シートの片面に30g/m2で塗布した後、乾燥させることによって、厚さ8μmの防汚層(最外層である防汚層)3を形成して、図1に示す合成皮革1を得た。
<実施例2>
合成皮革シートとして、ポリ塩化ビニルシートに代えて、 厚さ0.7mmの熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、図1に示す合成皮革1を得た。
<実施例3>
合成皮革シートとして、ポリ塩化ビニルシートに代えて、 厚さ0.3mmのポリウレタン合皮シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、図1に示す合成皮革1を得た。
<実施例4>
シリコーンアクリル樹脂の配合量を120質量部に変更し、混合有機溶剤の配合量を120質量部(メチルエチルケトン60質量部およびジメチルホルムアミド60質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す合成皮革1を得た。
<実施例5>
シリコーンアクリル樹脂の配合量を250質量部に変更し、混合有機溶剤の配合量を250質量部(メチルエチルケトン125質量部およびジメチルホルムアミド125質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す合成皮革1を得た。
<実施例6>
混合有機溶剤200質量部に代えて、メチルエチルケトン(MEK)200質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、図1に示す合成皮革1を得た。
<実施例7>
混合有機溶剤200質量部に代えて、ジメチルホルムアミド(DMF)200質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、図1に示す合成皮革1を得た。
<実施例8>
シリコーンアクリル樹脂として、日信化学工業株式会社製「シャリーヌR170S」200質量部に代えて、日信化学工業株式会社製「シャリーヌR170」200質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、図1に示す合成皮革1を得た。
<比較例1>
オランダのスタール社製「WF3681」350質量部(水250質量部、固形分としてウレタン樹脂100質量部含有)、日信化学工業株式会社製「シャリーヌLC190」476質量部(水276質量部、固形分としてシリコーンアクリル樹脂200質量部含有)を混合して水系エマルション処理液を得た。
前記処理液を、厚さ0.7mmのポリ塩化ビニルシートからなる合成皮革シートの片面に30g/m2で塗布した後、乾燥させることによって、厚さ11μmの防汚層を形成して、合成皮革を得た。
Figure 0006923893
上記のようにして得られた各合成皮革について下記評価法に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
<ジーンズ色移り防止性評価法>
得られた合成皮革を幅30mm×長さ250mmの大きさに切り出して試験片を得た。この試験片(合成皮革)の防汚層の表面について積分球型測色器を用いて測色を行い、この際の測色値をL1値、a1値、b1値とする。
次に、前記試験片の防汚層の表面について学振摩耗試験機を用いて試験する。学振摩耗試験機の稼働条件は、往復距離200mm、30往復/分、荷重200gに設定する。蒸留水400μLを染み込ませたジーンズ布(Testfabrics社製Denim2550Y)を汚染布として用いて、試験片(合成皮革)の防汚層の表面に対して200往復の摩耗試験を行う。この摩耗試験後の試験片の表面(ジーンズ布との接触面)について積分球型測色器を用いて測色を行い、この際の測色値をL2値、a2値、b2値とする。
次に、前記測色後の試験片(ジーンズの色移り後の試験片)の表面(ジーンズ布との接触面)を、蒸留水300μLを染み込ませた拭き取り布(JIS L4105 3aに記載の白色布)で1.25kg荷重で10往復の摩耗試験を行う。この拭き取り布での摩耗試験後の試験片の表面(拭き取り布との接触面)について積分球型測色器を用いて測色を行い、この際の測色値をL3値、a3値、b3値とする。
下記判定基準に基づいてジーンズ色移り防止性を評価する。
(判定基準)
「◎」…ジーンズ布を用いた摩耗試験後(拭き取り布による摩耗試験を行う前の段階)において(b2−b1)値が、−2.0以上である(0を含む)
「○」…拭き取り布による摩耗試験後において(b3−b1)値が、−2.0以上である(0を含む)
「×」…拭き取り布による摩耗試験後において(b3−b1)値が、−2.0未満である。
<防汚性評価法>
得られた合成皮革を幅50mm×長さ200mmの大きさに切り出して試験片を得た。この試験片(合成皮革)の防汚層の表面について積分球型測色器を用いて測色を行い、この際の測色値をL1値、a1値、b1値とする。
次に、前記試験片の防汚層の表面について平面状の摩耗試験機を用いて試験する。平面状摩耗試験機の稼働条件は、往復距離200mm、60往復/分、荷重2100gに設定する。蒸留水300μLを染み込ませたEMPA社製のEMPA104布を汚染布として用いて、試験片(合成皮革)の防汚層の表面に対して1000往復の摩耗試験を行う。その後、新しいEMPA104布に替えて再度1000往復の摩耗試験を行った後、更に新しいEMPA104布に替えて再度1000往復の摩耗試験を行う。この摩耗試験後の試験片の表面(EMPA104布との接触面)について積分球型測色器を用いて測色を行い、この際の測色値をL4値、a4値、b4値とする。
次に、前記測色後の試験片の表面(EMPA104布との接触面)を、蒸留水300μLを染み込ませた拭き取り布(JIS L4105 3aに記載の白色布)で1.25kg荷重で10往復の摩耗試験を行う。この拭き取り布での摩耗試験後の試験片の表面(拭き取り布との接触面)について積分球型測色器を用いて測色を行い、この際の測色値をL5値、a5値、b5値とする。
下記判定基準に基づいて防汚性を評価する。
(判定基準)
「◎」…EMPA104布を用いた摩耗試験後(拭き取り布による摩耗試験を行う前の段階)において下記△Eの値が4.0以下である
△E={(L4−L12+(a4−a12+(b4−b12}の平方根値
「○」…拭き取り布による摩耗試験後において下記△E*の値が4.0以下である
△E*={(L5−L12+(a5−a12+(b5−b12}の平方根値
「×」…拭き取り布による摩耗試験後において上記△E*の値が4.0を超える。
<グロス値測定法>
日本電色社製のHANDY GLOSSMETERで合成皮革の表面(防汚層側の表面)のグロス値を測定した。
なお、上記実施例では、上記グロス値が2.6以下であれば、表面に良好なマット感(表面に皮革感)があると判断しているが、本発明は、このようなグロス値が2.6以下であるものに特に限定されるものではない。
表から明らかなように、本発明に係る実施例1〜8の合成皮革は、表面に汚れが付きにくく防汚性に優れていると共に、表面に良好なマット感(表面に皮革感)がある。これに対し、比較例1の合成皮革は、表面に汚れが付きやすくて防汚性に劣っていたし、グロス値が高くなり過ぎていた。
本発明に係る合成皮革および本発明の製造方法で得られた合成皮革は、自動車の座席シート用表皮材として好適に使用できるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
1…合成皮革
2…合成皮革シート層
3…防汚層

Claims (6)

  1. 合成皮革シート層と、
    前記合成皮革シート層の少なくとも一方の面に積層された、又は前記少なくとも一方の面に1ないし複数の樹脂層を介して積層された最外層としての防汚層と、を含み、
    前記防汚層は、ベース樹脂とシリコーンアクリル樹脂が有機溶剤に溶解されてなる処理液を塗布した後、乾燥させることによって形成された層であり、
    前記処理液は、前記ベース樹脂100質量部に対して前記シリコーンアクリル樹脂を100質量部〜300質量部含有し、
    前記ベース樹脂がウレタン樹脂であることを特徴とする合成皮革。
  2. 前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる1種または2種の有機溶剤を含む請求項1に記載の合成皮革。
  3. 前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドを含む混合有機溶剤である請求項1に記載の合成皮革。
  4. 合成皮革シートの少なくとも一方の面に、又は、合成皮革シートの少なくとも一方の面に積層された1ないし複数の樹脂層の最外面に、ベース樹脂とシリコーンアクリル樹脂が有機溶剤に溶解されてなる処理液を塗布した後、乾燥させ、
    前記処理液は、前記ベース樹脂100質量部に対して前記シリコーンアクリル樹脂を100質量部〜300質量部含有し、
    前記ベース樹脂はウレタン樹脂であることを特徴とする合成皮革の製造方法。
  5. 前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる1種または2種の有機溶剤を含む請求項4に記載の合成皮革の製造方法。
  6. 前記有機溶剤は、メチルエチルケトンおよびジメチルホルムアミドを含む混合有機溶剤である請求項4に記載の合成皮革の製造方法。
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