以下、本発明に係る遊技機であるスロットマシン1について、図面を参照して説明する。
<<スロットマシンの構成>>
図1で示すように、スロットマシン1は、正面側に開口した箱形の筐体に、開口を塞ぐ前扉2が開閉自在に取り付けられている。スロットマシン1の前扉2には、正面パネルが取り付けられている。遊技者は、この正面パネル内の透明な3つの表示窓7〜9を通して、スロットマシン1の内部に並設されている3個のリール4〜6の図柄の一部を視認することができる。なお、説明の便宜上、リール4、リール5及びリール6をそれぞれ「左リール」、「中リール」、「右リール」と称する場合がある。
各リール4〜6の外周面には、例えば21個の図柄が等間隔で配列されている。図柄は、例えば、ボーナス図柄(赤セブン,白セブン等)、小役図柄(スイカ,チェリー等)、リプレイ(再遊技)図柄などから構成される。そして、各リール4〜6はそれぞれ異なる図柄配列となっており、遊技者は、表示窓7〜9から各リール4〜6の上段、中段及び下段にそれぞれ描かれた3個、合計9個の図柄を視認可能となっている。つまり、これらの表示窓7〜9は、リール4〜6に表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する。
図1において点線で示すように、表示窓7〜9には、入賞ラインが上下に並んで水平方向に3本(L1,L2,L3)表示される。各リール4〜6が順次停止し、この入賞ライン上のいずれかに特定の図柄が揃った場合に入賞となり、所定枚数分のメダル(遊技媒体)が払い出される。
本実施形態のスロットマシン1は、メダル投入口3から投入されたメダル枚数、あるいは、クレジットメダル表示部20にメダルがクレジット(貯留)されている場合にはBETスイッチ49の操作(押下)によって設定されたメダル投入数に応じて、その入賞ラインの有効本数が異なるように制御する。例えば、1枚のメダルが投入された場合は、入賞ライン表示ランプ10の数字「1」が点灯し、1本の入賞ラインL1が表示される。2枚のメダルが投入された場合は、入賞ライン表示ランプ10の数字「2」が点灯し、2本の入賞ラインL1及びL2が表示される。そして、3枚のメダルが投入された場合は、入賞ライン表示ランプ10の数字「3」が点灯し、3本すべての入賞ラインが表示される。なお、入賞ラインの数は、ここでは3本としたが、2本以下や4本以上であってもよい。
前扉2の両側にはサイドランプ18及びサイドスピーカ11が設けられ、前扉2の上方には上部ランプ16が設けられている。また、表示窓7〜9の上方には液晶表示部17が設けられ、表示窓7〜9の下方にはLED(Light Emitting Diode)表示部23,24や、BET表示ランプ21が設けられている。液晶表示部17は、例えば、遊技中に実行される演出を映像として表示する。LED表示部23,24は、ゲーム回数や入賞回数などを表示する。BET表示ランプ21は、メダルの投入数分点灯表示する。これらは、各駆動回路を介して駆動され、ゲーム中の一般的な入賞報知やマシン動作の効果音、効果サウンドなどを出力する他、様々な入賞の結果を遊技者に報知するための表示手段として機能する。なお、ゲーム中の入賞の報知は、上記表示手段の他に、別途個別の専用の告知表示部を設け、それにより行うようにしてもよい。
液晶表示部17は、遊技中に実行される演出を映像として表示するほか、後述する条件下でリール停止ボタン13〜15の押し順を表示することができる。液晶表示部17は、後述する停止操作検出手段の停止操作に関する情報を報知する報知手段を構成する。
スロットマシン1の正面中央には、各リール4〜6を回転させるときに操作するスタートレバー12が設けられている。スタートレバー12の開始操作は、スタートスイッチ12S(図2参照)によって検出され、遊技の開始を指令する開始信号が後述するCPU100に出力される。スタートスイッチ12SとCPU100は、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段を構成する。
スロットマシン1の正面中央には、各リール4〜6の回転を停止させるためのリール停止ボタン13〜15が各リール4〜6に対応して3個設けられている。リール停止ボタン13〜15の開始操作は、停止スイッチ13S〜15S(図2参照)によって検出され、各リールの回転の停止を指令する停止信号が後述するCPU100に出力される。停止スイッチ13S〜15SとCPU100は、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段を構成する。
また、スロットマシン1の正面下部には、メダル受皿25が設けられている。メダル受皿25は、投入されたメダルを返却する返却口(図示せず)や入賞時にメダルを払い出すメダル払出口(図示せず)から排出されたメダルを蓄える。
リール4〜6は、リールユニットとして構成され、各リール4〜6ごとにステッピングモータ27(図2参照)が連結されている。ステッピングモータ27の駆動は後述するCPU100により制御されている。ステッピングモータ27の駆動によって各リール4〜6は回転し、各表示窓7〜9内に各リール4〜6の外周の一部を表示させる。ステッピングモータ27とCPU100は、上述した開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数のリールを個々に回転させるためのリール駆動手段を構成する。
各リール4〜6の内部には3個のランプケース(図示せず)がそれぞれ設けられている。各ランプケース内には、バックライト29(図2参照)が取り付けられている。各バックライト29はランプ駆動回路(図示せず)を介して個別に点灯制御され、各リール4〜6ごとに3個ずつ図柄を背面(内部)から照らす。
また、リールユニットの下方には、メダルホッパー30(図2参照)と、電力供給用の電源ユニット31(図2参照)が設けられている。電源ユニット31は、設定段階選択スイッチ32(図2参照)、設定キースイッチ33(図2参照)、打ち止め設定スイッチ52(図2参照)、及び自動精算設定スイッチ53(図2参照)を備える。
設定段階選択スイッチ32は、内部抽選の当選確率の設定値を変更するための入力手段である。設定値は、例えば設定1から設定6までの6段階存在する。設定キースイッチ33は、設定段階選択スイッチ32の操作を有効とするための入力手段である。打ち止め設定スイッチ52は、ボーナス終了後を打ち止めの状態、つまり所定の解除操作をするまで遊技停止の状態にするか否かを設定するための入力手段である。自動精算設定スイッチ53は、ボーナス終了後に自動精算、つまりクレジットの払い出しを実行するか否かを設定するための入力手段である。
図2に示すように、スロットマシン1は、制御手段としてメイン制御部34とサブ制御部35とを備えている。メイン制御部34は、CPU(Central Processing Unit)100、クロック発生回路37、ROM(Read Only Memory:記憶手段)38、RAM(Random Access Memory:記憶手段)39、遊技制御部42、サブ制御部35にデータを送出するための送出タイミング制御回路43、データ送出回路44などから構成されている。
CPU100は、入力ポート45及び出力ポート46を備えており、入力ポート45を介してメダルセンサ47、各停止スイッチ13S〜15S、スタートスイッチ12S、第1,2,3リールインデックス48、BETスイッチ49などと接続されている。また、出力ポート46には、メダルブロックソレノイド50、スタートレバーLED51、入賞ライン表示ランプ10、BET表示ランプ21、LED表示部23,24、ステッピングモータ27などの周辺装置が電気的に接続されている。
遊技制御部42を構成する抽選手段42aは、スタートスイッチ12Sから出力された開始信号を受信すると、予め定められた数値の範囲の乱数から1つの乱数値を抽選し、抽選された乱数値を設定段階選択スイッチ32の設定値や後述する遊技状態に応じてROM38に格納されている入賞判定テーブルと照合して内部当選の当否を決定する。言い換えれば、抽選手段42aは、上述した開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数種類の入賞役の中から抽選により内部当選役を決定する制御を行っている。
CPU100と接続される3つのステッピングモータ27は、リール4〜6と同軸で連結されており、CPU100からステッピングモータ27に対して1回のパルスが出力される毎に一定のステップ角で各リール4〜6を回転する。第1,2,3リールインデックス48は、各リール4〜6が一回転するごとに発生するリセットパルスを検出し、検出したタイミングに基づいて所定の基準位置を決定する。そして、CPU100は、基準位置時点からのパルスの出力回数を計数することによって基準位置からの回転角度を管理することができる。
遊技制御部42は、抽選手段42aの抽選結果と停止操作検出手段により検出された停止操作タイミングとに基づいて、図柄表示手段に表示されているリール4〜6の図柄の変動を停止させる図柄停止制御手段42cを備えており、CPU100はステッピングモータ27を駆動制御して、所定の入賞役が内部当選しているときは、リール停止スイッチ13s〜15sの停止操作タイミングに基づいて、その図柄の組合せが有効ラインな入賞ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール4〜6の回転を停止させる、いわゆる引き込み制御が行われる。その一方で、内部抽選によってその表示が許可された当選役以外の入賞役の図柄の組合せについては、入賞ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール4〜6の回転を停止させる、いわゆる蹴飛ばし制御が実行される。
遊技制御部42を構成する入賞判定手段42dは、リール4〜6の回転が全て停止されると、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、内部当選役に対応して定められた図柄組合せであるか否かの判定を行う。すなわち、図柄停止制御手段42cにより図柄の変動が停止された際に、図柄表示手段7〜9に設けられた入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、内部当選役に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより内部当選役への入賞を判定するものである。
遊技制御部42は、遊技状態における遊技の進行を制御する遊技状態制御手段42eを備えている。遊技状態制御手段42eは、後述する通常遊技状態、後述する待機遊技状態、及び、後述する特別遊技状態が含まれた複数の遊技状態間の移行を制御する。また、各遊技状態中における遊技の進行を制御し、例えば、所定の終了(移行)条件の達成を契機として、他の遊技状態への移行させるために、遊技状態のフラグの切り替えを行う等の制御を含む。
より詳しく説明すると、遊技状態制御手段42eは、後述する通常遊技状態では、第1移行条件が成立(第1実施形態においては、抽選手段42aにより第1の入賞役が内部当選役として決定された場合)した場合に、遊技状態を通常遊技状態から後述する待機遊技状態に移行させる第1移行手段(図4(1)参照)と、待機遊技状態において第2移行条件が成立(第1実施形態においては、抽選手段42aにより第2の入賞役が内部当選役として決定された場合)した場合に、遊技状態を待機遊技状態から後述する特別遊技状態に移行させる第2の移行手段(図4(4)参照)と、第2移行条件が成立しなかった場合に、遊技状態を待機遊技状態から通常遊技状態に移行させる第3移行手段(図4(3)参照)とから主に構成されている。
また、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより所定の入賞役の中から決定された内部当選役と停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミング(及び/又は押し順)とに応じて、図柄停止制御手段42cによって有効な入賞ライン上に該内部当選役に対応して定められた図柄組合せを優先的に停止させ、また、報知決定手段42fによって事前に遊技者に対し押し順の情報を報知手段により報知する状態である報知遊技状態への移行を所定の条件下で決定するように制御する。具体的には、遊技状態制御手段42eは、所定の条件下で抽選手段42aにより所定の内部当選役が決定されるとリール停止ボタン13〜15の押し順を決定し、報知手段である液晶表示部17に決定した押し順を表示させる。遊技制御手段42eは、遊技者が決定された押し順で停止操作を行い、停止操作検出手段13s〜15sにより検出された押し順が適正であると判定できれば、有効な入賞ライン上に内部当選役に対応して定められた図柄組合せを優先的に停止させる。遊技状態制御手段42eは、所定の条件下で抽選手段42aにより所定の内部当選役が決定された際に、報知手段17による報知が実行される報知遊技状態への移行を実行する。
なお、本実施例では、停止操作の押し順の報知を報知手段17による表示で行うようにしたが、報知方法はこれに限られるものではなく、例えば、サイドスピーカ11による音声、リールバックライト29による点灯、点滅、リール停止ボタン13〜15の点灯、点滅等様々な方法が考えられる。
遊技制御部42は、後述する待機遊技状態における遊技の進行を制御する待機遊技状態制御手段42gを備えている。待機遊技状態制御手段42gは、遊技数計数手段42bにより所定の入賞役が内部当選役として決定された回数を計数し、計数された回数に応じて遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段42hを有し、例えば、待機遊技状態において、第2の入賞役が内部当選役として決定された回数応じて遊技者に有利な特典(例えばARTストック)を付与する。
また、待機遊技状態制御手段42gは、ゲーム数設定手段42iを備え、例えば後述する通常遊技状態において所定の条件(例えば第1の入賞役が内部当選役として決定された場合)が成立したことに基づいて、後述する待機遊技状態において遊技可能なゲーム数である設定ゲーム数を設定することができる。
また、待機遊技状態制御手段42gは、ゲーム数加算手段42jを備え、例えば後述する待機遊技状態において所定の条件(例えば加算入賞役が内部当選役として決定された場合)が成立したことに基づいて、設定ゲーム数に加算されるゲーム数である加算ゲーム数を設定することができる。
なお、本実施形態においては、ゲーム数加算手段42jは、待機遊技状態において所定の条件が成立したことに基づいて、設定ゲーム数に加算されるゲーム数である加算ゲーム数を設定するようにしているが、加算ゲーム数の加算方法はこれに限定されるものではなく、例えば、待機遊技状態において所定の内部当選役が決定したことに基づいて、継続抽選つまり設定ゲーム数をもう一度最初から開始するための権利を得るための抽選を行い、当選した場合のみ設定ゲーム数を継続(この場合、設定ゲーム数と同数の加算ゲーム数を加算することになる)する構成であってもよい。また、抽選手段42aにより所定の内部当選役が決定されるとリール停止ボタン13〜15の押し順を決定し、その決定された押し順で遊技者が停止操作を行った場合、つまり押し順が適正であると判定できれば、所定の加算ゲーム数が設定される構成であってもよい。
遊技数計数手段42bは、遊技状態制御手段42eからの指令により、メダル枚数、ゲーム数等を計数する。遊技数計数手段42bにより計数される数には、各遊技状態の設定ゲーム数・加算ゲーム数・消化ゲーム数等や、待機遊技状態において第2移行条件が成立(抽選手段42aにより第2の入賞役が内部当選役として決定された場合)した回数も含まれる。
ROM38には、スロットマシン1で実行されるゲームシーケンスプログラム(メインプログラム)の他、図柄テーブル(図柄停止制御用のテーブルなど)、入賞判定テーブルなど、CPU100が各制御(処理)を行うための固定データが格納されている。RAM39は、CPU100が実行するプログラムの一時的なデータ記憶領域として使用される。
サブ制御部35は、CPU54、音声LSI(Large Scale Integration)55、データ入力回路56、クロック発生回路57、制御用ROM(記憶手段)58、RAM59、音声用ROM(記憶手段)60、アンプ回路61などを備える。また、サブ制御部35は、上部ランプ16、液晶表示部17、サイドランプ18、バックライト29、サイドスピーカ11などと接続されている。制御用ROM58には、接続されたこれらの装置に入賞役の内部当選や入賞などの告知を含む演出を実行させる演出用データが格納されている。
メイン制御部34のCPU100は、ゲームの状況に応じて、データ送出回路44に出力タイミング情報信号を出力する。データ送出回路44は、この出力タイミング情報信号を、一時的に蓄えた後、送出タイミング制御回路43からの出力信号に基づいて、サブ制御部35のデータ入力回路56に出力する。
さらに、CPU100は、ゲームの進行状況に応じて、ROM38に記憶されている固定データの中から必要なデータを読み出してスロットマシン1の動作を制御する。また、CPU100は、入力ポート45及び出力ポート46と接続されている各周辺機器からの入出力信号に基づいてスロットマシン1の動作を制御する。
≪遊技方法の概要≫
次に、本実施形態のスロットマシン1に関する遊技方法の概要について説明する。まず、遊技者は、メダル投入口3からメダルを投入するか、クレジットメダル表示部20にクレジットされたメダルがある場合にはBETスイッチ49を操作して、投入するメダル枚数(例えば3枚)を任意に決定する。すると、その投入されたメダル枚数に応じて入賞ラインが有効化され、スタートレバー12の操作によってゲームが開始する。なお、有効化された入賞ラインを「有効ライン」と称する場合がある。
遊技者によりスタートレバー12が操作されるとリール4〜6が回転する。スタートレバー12の操作直後に、CPU100は、予め定められた数値の範囲の乱数から1つの乱数値を抽選し、抽選された乱数値と入賞判定テーブルと照合して内部当選の当否を決定する。
次いで、遊技者は各リール4〜6に対応するリール停止ボタン13〜15を操作してリール4〜6の回転を停止させる。CPU100は、抽選手段42aの抽選結果と停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、リール4〜6の回転を停止させる。CPU100は、図柄の変動が停止された際に、図柄表示手段に設けられた入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、内部当選役に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより内部当選役への入賞を判定する。入賞役の入賞が確定すると入賞役に応じてメダルの払い出しが行われる。
<<遊技内容>>
次に、図3,4を参照しながら、スロットマシン1の遊技内容について説明する。
<入賞役の詳細>
図3は、入賞役の詳細を示す図である。図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1で用いられる入賞役には、役、図柄組み合わせ、当選確率(内部当選確率)、配当、設定ゲーム数、及び、加算ゲーム数といった欄が設定されている。「図柄組み合わせ」の欄には、左リール4,中リール5、及び、右リール6上に現れる図柄の組み合わせが入賞役として記載されている。「役」の欄には、入賞役の名称が記載されている。「配当」の欄には、入賞役が入賞することで、遊技者に与える利益(払い出しメダル数)が記載されている。
「設定ゲーム数」の欄には、通常遊技状態(ノーマルモード(Nモード:後述にて詳細に説明))において第1の入賞役「スイカ」、「ベルA〜C」、「チェリー」が内部当選役として決定されることで、その後移行する待機遊技状態(チャンスゾーンモード(CZモード:後述にて詳細に説明))で遊技できるゲーム数が記載されている。「設定ゲーム数」は、上述したゲーム数設定手段42iによって設定されるCZモード中に遊技可能なゲーム数である。入賞役「リプレイ」,「チャンス目」及び「特殊役」については内部当選役として決定されても設定ゲーム数は設定されない。
「加算ゲーム数」の欄には、CZモードにおいて加算入賞役である「スイカ」、「チャンス目」が内部当選役として決定されることで、「設定ゲーム数」に新たに加算されるゲーム数が記載されている。「加算ゲーム数」は、上述したゲーム数加算手段42jによって、CZモード中に遊技可能なゲーム数である設定ゲーム数に加算されるゲーム数であり、当初の設定ゲーム数からCZモードに遊技により消化したゲーム数を引いた「残りの設定ゲーム数」に「加算ゲーム数」を加算し、CZモード中のゲーム数を増加することができる。CZモードにおいて「加算ゲーム数」を消化中に加算入賞役「スイカ」、「チャンス目」が内部当選役として決定されれば、更に「加算ゲーム数」が設定される。入賞役「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」及び「特殊役」については内部当選役として決定されても加算ゲーム数の設定はされない。
入賞役「スイカ」(第1の入賞役,加算入賞役)は、入賞すると9枚の払い出しを行う小役である。Nモードにおいて内部当選役として決定されたときには、10回の設定ゲーム数が設定され、CZモードに移行することができる。CZモードにおいて内部当選役として決定されたときには、10回の加算ゲーム数が設定される。
入賞役「ベルA」〜「ベルC」(第1の入賞役)は、入賞すると12枚の払い出しを行う小役である。3種類のベルは、いずれも1/100の当選確率であり、それぞれ異なる押し順が対応付けられている。従って、Nモード中に「ベル」が内部当選役として決定されても、遊技者は3種類のうちいずれのベルが内部当選役として決定されているか分からないため、入賞させることができる確率も1/100(1/100×1/3)+(1/100×1/3)+(1/100×1/3)である(1/3は3択正解率を示す。)。Nモードにおいて内部当選役として決定されたときには、CZモードにおけるゲーム数として20回のゲーム数が設定され、CZモードに移行することができる。また、CZモード中に内部当選役として決定されると、押し順が報知されるため、入賞させることができる確率は、3種類の「ベル」の合成確率である1/33(1/100×3/3)+(1/100×3/3)+(1/100×3/3)となり、高確率で入賞させることができる。
入賞役「チェリー」(第1の入賞役)は、入賞すると2枚の払い出しを行う小役である。Nモードにおいて内部当選役として決定されたときには、20回の設定ゲーム数が設定され、CZモードに移行することができる。
入賞役「チャンス目」(加算入賞役)は、1枚役であり入賞すると2枚の払い出しを行う小役である。CZモードにおいて内部当選役として決定されたときには、20回の加算ゲーム数が設定される。
入賞役「リプレイ」は、入賞すると、遊技者がメダルを投入することなく次の遊技を行うことができる再遊技を行うリプレイ役である。入賞したときの払い出しは0枚である。
入賞役「特殊役」(第2の入賞役)は、入賞すると15枚の払い出しを行う小役である。CZモードにおいて内部当選役として決定されたときには、設定ゲーム数と加算ゲーム数の全てが消化された後に、遊技状態がCZモードから特別遊技状態(アシストリプレイタイムモード(ARTモード:後述にて詳細に説明))に移行される。
なお、本実施例では全てのCZモードにおけるゲーム数を消化した後にARTモードに移行させるようにしたが、ARTモードへの移行条件をこれに限定されるものではなく、特殊役の入賞後CZモードを途中で解除してARTモードに移行させるようにしても良い。
図3に示す各入賞役には、抽選手段42aの抽選により内部当選役として決定される確率が、設定段階選択スイッチ32の設定値や後述するする遊技状態に応じて設定されている。例えば、Nモードにおいて、入賞役「ベル」、「リプレイ」の当選確率は、入賞役「スイカ」、「チェリー」、「チャンス目」の確率よりも大きくされてもよい。また、ARTモードにおける入賞役「リプレイ」の当選確率は、Nモードにおける入賞役「リプレイ」の確率より大きくされてもよい。
また、スロットマシン1が備える入賞役として、遊技者にとって通常よりも有利なボーナスを実現する特別役(例:一種BB1「左リール4,中リール5、及び、右リール6に赤セブン」,一種BB2「左リール4,中リール5、及び、右リール6に白セブン」)があってもよい。一種BB1に入賞したときの払い出しは300枚であってもよい。一種BB2に入賞したときの払い出しは100枚であってもよい。
<遊技状態移行の詳細>
図4は、遊技状態の移行経路を示す図である。図4に示すように、本実施形態のスロットマシン1で用いられる遊技状態は、通常遊技状態(ノーマルモード、以下Nモードと記す。)、Nモードより遊技者にとって有利な特別遊技状態(アシストリプレイタイムモード、以下ARTモードと記す。)、及び、Nモードと比較してARTモードへ移行する確率が高い待機遊技状態(チャンスゾーンモード、以下CZモードと記す。)の計3種類である。遊技状態のそれぞれには、当該遊技状態を示すフラグが設定されており、遊技が進行中の遊技状態については、対応するフラグを立てる。遊技状態を示すフラグは、例えば、RAM39に記憶して管理される。
本実施例においては、上述した抽選手段42a及び図柄停止制御手段42cの制御により、入賞役「特殊役」(第2の入賞役)はCZモードにおいてのみ内部当選役として決定可能に設定されている。なお、ARTモードへの移行条件は、上述した条件に限定されるものではなく、Nモードからも移行可能な条件を設定しても良い。例えば、「特殊役」をNモードでも内部当選役として決定可能に設定することも可能である。この場合、「特殊役」の当選確率はCZモードにおける当選確率よりも低く設定されることが好ましい。また、Nモード中に他の移行条件達成を契機としてARTモードに移行させても良い。他の移行条件としては、例えば、所定の入賞役の入賞回数、所定のゲーム数、液晶表示部による遊技(対戦遊技、推理遊技等)の達成を条件とすることも考えられる。
ARTモードにおいては、Nモードと比較して入賞役「リプレイ」の当選確率が高く設定されている。また、抽選手段42aが決定した所定の内部当選役(例えば入賞役「スイカ」、「ベル」、「チェリー」)と停止操作検出手段42cにより停止操作が検出されたタイミング(及び/又は押し順)とに応じて、有効な入賞ライン上に内部当選役に対応して定められた図柄組合せを優先的に停止させ、かつ、事前に遊技者に対し押し順の情報を報知手段(液晶表示部17)により報知する状態である報知遊技状態(ARTモード)となる。このため、ARTモードはNモードより遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、本実施形態においては、特別遊技状態としてARTモードを採用したが、Nモードと比較して入賞役「リプレイ」の入賞確率が変化しないが、報知遊技状態となる「アシストタイムモード(ATモード)」であってもよい。
Nモードは、入賞役に対し、所定の当選確率及び配当が定められた遊技状態である。Nモードにおいて、第1移行条件が成立(抽選手段42aにより第1の入賞役が内部当選役として決定された場合)した場合にCZモードに移行する(図4(1)参照)。第1の入賞役は、すでに説明したように、入賞役「スイカ」、「ベル」、「チェリー」である。
CZモードは、入賞役に対し、所定の当選確率及び配当が定められた遊技状態であって、ARTモードへ移行することが可能な遊技状態である。遊技者は、第1の入賞役の内部当選(図4(1)参照)により獲得した設定ゲーム数(図3参照)でCZモードの遊技を行うことができる。CZモードにおいて、加算入賞役が内部当選役として決定されれば加算ゲーム数(図3参照)が加算され、設定ゲーム数を消化しても加算ゲーム数が遊技可能となる(図4(2)参照)。加算入賞役は、すでに説明したように入賞役「スイカ」、「チャンス目」である。CZモードにおいて、第2移行条件が成立(抽選手段42aにより第2の入賞役が内部当選役として決定された場合)せずに設定ゲーム数と加算ゲーム数を消化するとNモードに移行する(図4(3)参照)。
CZモードにおいて、抽選手段42aの抽選により内部当選役として「ベル」が決定されると、待機遊技状態制御手段42gは、報知決定手段42fを制御して、遊技者に対し押し順の情報を液晶表示部17により報知する。遊技者が報知された押し順で停止操作をすると、有効な入賞ライン上にベルの図柄が優先的に停止され、入賞役「ベル」を入賞させることができる。
CZモードにおいて、第2移行条件が成立(抽選手段42aにより第2の入賞役が内部当選役として決定された場合)すればARTモードに移行する(図4(4)参照)。第2の入賞役は、すでに説明したように入賞役「特殊役」である。CZモードからARTモードへの移行は設定ゲーム数と加算ゲーム数の全てが消化された後に行われる。上述したように、第2の入賞役が内部当選役として決定された回数に応じて遊技者に有利な特典を付与されるので、遊技者は1回のCZモードにおいて複数回の第2の入賞役の内部当選を目指す遊技ができる。本実施形態において、遊技者に有利な特典は、1回の第2の入賞役の内部当選毎にARTストックを1個付与することである。ARTストックは、1個のARTストック毎に、ARTモードにおいて所定数例えば50ゲーム数の遊技ができる権利が設定される。遊技者は1回のCZモードで複数個のARTストックを貯めることができ、例えば、遊技者が1回のCZモードにおいて5回の第2の入賞役に内部当選し5個のARTストックが付与されると、ARTストックが発動されることにより50ゲーム数のARTモードを5回繰り返して行うことができる(図4(5)参照)。ARTモードにおいて、全てのゲーム数が消化されるとNモードに移行する(図4(6)参照)。
<<処理>>
次に、図5〜9を参照しながら、スロットマシン1の処理について説明する。スロットマシン1の処理の主体は、メイン制御部34のCPU100である。なお、これらのフローチャートで示す処理には、サブ制御部35のCPU54が主体となって実行する処理が含まれてもよい。しかし、CPU54はCPU100の指令に基づいてそのような処理を実行するので、実質的には、CPU100がすべての処理の主体となる。
図5を参照して、本実施例におけるメイン遊技動作について説明する。尚、メイン遊技とは、スロットマシン1を操作して行う1ゲームを示し、スタートレバー12の操作から3個のリール4〜6が停止するまでを1ゲームとし、さらには、そのゲームを実行する上で行われるメダルの投入操作、メダルの賭け数の設定、入賞判定、及びメダルの払出し処理等、及び一つの遊技状態から他の遊技状態に移行するまでの付属的な動作、処理が含まれるものとする。
スロットマシン1に電源が投入されると、再遊技自動投入処理が実行され(ステップ101)、割り込み処理を1回許可(ステップ102)した後、遊技メダルの投入チェック(ステップ103)、クレジットの投入ボタン(BETスイッチ)チェック(ステップ104)、精算ボタンチェック(ステップ105)、設定キーチェック(ステップ106)、スタートレバーチェック(ステップ107)がそれぞれ実行される。次に、スタートレバー12が遊技者によって操作されたかを判定(ステップ108)し、Noの場合は、ステップ102に戻り、Yesの場合は、メダル投入信号をメイン制御部34に送信(ステップ109)し、遊技開始時の設定処理が実行される(ステップ110)。その後、抽選手段42aによって内部抽選処理が行われ(ステップ111)、入賞役に内部当選した場合はその入賞役の内部当選フラグをRAM39上の所定の領域に記憶し、次いで、リール4〜6の回転処理が実行され(ステップ112)、入賞処理(ステップ113)に移行する。入賞処理では、リール4〜6が回転を開始してから一定の時間が経過すると、遊技者はリール停止ボタン13〜15操作が可能となり、遊技者によってリール停止ボタン13〜15が操作されると、遊技機は、リールを停止処させる。より具体的には、リール停止ボタン13〜15操作が行われるまでリール回転処理を続行し、一方、リール4〜6の回転開始から所定時間経過してもリール停止ボタン13〜15が操作されない場合には、自動停止処理が実行される。その後、停止した図柄の組合わせに応じて入賞判定が行われる。
次いで、Nモードにおける処理に関する説明をする。図6は、Nモードにおける処理を示すフローチャートである。図6の処理は、スロットマシン1のNモードでの遊技中、遊技者からスタートレバー12の操作があって、抽選手段42aが複数種類の入賞役の中から抽選により内部当選役が決定された後の処理である。この処理は、まずステップS1から開始する。
ステップS1において、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「所定の入賞役」(スイカ、ベル,チェリー以外の全ての入賞役であって、例えば特別役(一種BB1等)やリプレイ)か否かを判定する。内部当選役が「所定の入賞役」であれば(ステップS1でYES)、ステップS8に進み、そうでなければ(ステップS1でNO)、ステップS2に進む。
ステップS8において、図柄停止手段42cは、「所定の入賞役」の図柄の組合せが有効ラインとしての入賞ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール4〜6の回転を停止し、次いで、ステップS9において、入賞判定手段42dは入賞ライン上に停止した図柄の組合せが「所定の入賞役」に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより「所定の入賞役」への入賞を判定する。入賞役が「所定の入賞役」であれば(ステップS9でYES)、ステップS10に進み、そうでなければ(ステップS9でNO)、ステップS5に進む。
ステップS10において、遊技状態制御手段42eは、「所定の入賞役」に対応する利益処理(例えば配当の払い出し,再遊技)を決定し、ステップS5に進む。
ステップS2において、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「スイカ」か否かを判定する。内部当選役が「スイカ」であれば(ステップS2でYES)、ステップS6に進み、そうでなければ(ステップS2でNO)、ステップS3に進む。
ステップS3において、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「ベル」か否かを判定する。内部当選役が「ベル」であれば(ステップS3でYES)、ステップS6に進み、そうでなければ(ステップS3でNO)、ステップS4に進む。
ステップS4において、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「チェリー」か否かを判定する。内部当選役が「チェリー」であれば(ステップS4でYES)、ステップS6に進み、そうでなければ(ステップS4でNO)、ステップS5に進む。
ステップS6において、ゲーム数設定手段42iは、内部当選役が「スイカ」の場合は10回の設定ゲーム数付与を決定し、内部当選役が「ベル」の場合は20回の設定ゲーム数付与を決定し、内部当選役が「チェリー」の場合は20回の設定ゲーム数付与を決定する。また、遊技数計数手段42bに設定ゲーム(10,20回)が計数される。次いで、ステップS8に進む。
ステップS8において、図柄停止手段42cは、「スイカ」、「ベル」、又は「チェリー」の図柄の組合せが有効ラインとしての入賞ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール4〜6の回転を停止し、次いで、ステップS9において、入賞判定手段42dは入賞ライン上に停止した図柄の組合せが「スイカ」、「ベル」、又は「チェリー」に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより「スイカ」、「ベル」、又は「チェリー」への入賞を判定する。入賞役が「スイカ」、「ベル」、又は「チェリー」であれば(ステップS9でYES)、ステップS10に進み、そうでなければ(ステップS9でNO)、ステップS5に進む。
ステップS10において、遊技状態制御手段42eは、入賞役が「スイカ」の場合は9枚の払出処理を実行し、入賞役が「ベル」の場合は12枚の払出処理を実行し、入賞役が「チェリー」の場合は2枚の払出処理を実行した後ステップS5に進む。
次いで、ステップS5において、遊技状態制御手段42eは、第1の入賞役である「スイカ」、「ベル」、又は「チェリー」にいずれかに内部当選ありか否かを確認して、内部当選していれば(ステップS5でYES)、ステップS7に進み、そうでなければ(ステップS5でNO)処理全体を終了する。
ステップS7において、遊技状態制御手段42eは、遊技状態をNモードからCZモード1へ移行する。具体的には、Nモードのフラグを下ろし、CZモード1のフラグを立てる。ステップS7の後、処理全体を終了する。
次に、CZモード1における処理に関する説明をする。図7は、CZモードにおける処理を示すフローチャートである。図7の処理は、CZモード1での遊技中、遊技者からスタートレバー12の操作があって、抽選手段42aが複数種類の入賞役の中から抽選により内部当選役を決定した後の処理である。この処理は、まずステップP1から開始する。
ステップP1において、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「加算入賞役」(スイカ、チャンス目)か否かを判定する。内部当選役が「加算入賞役」であれば(ステップP1でYES)、ステップP7に進み、そうでなければ(ステップP1でNO)、ステップP2に進む。
ステップP7において、ゲーム数加算手段42jは、内部当選役が「スイカ」の場合は10回の加算ゲーム数付与を決定し、内部当選役が「チャンス目」の場合は20回の加算ゲーム数付与を決定する。また、遊技数計数手段42bに加算ゲーム数(10,20回)が計数される。次いで、ステップP11に進む。
ステップP11において、図柄停止手段42cは、「加算入賞役」の図柄の組合せが有効ラインとしての入賞ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール4〜6の回転を停止し、次いで、ステップP12において、入賞判定手段42dは入賞ライン上に停止した図柄の組合せが「加算入賞役」に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより「加算入賞役」への入賞を判定する。入賞役が「加算入賞役」であれば(ステップP12でYES)、ステップP13に進み、そうでなければ(ステップP12でNO)、ステップP4に進む。
ステップP13において、遊技状態制御手段42eは、「加算入賞役」に対応する利益処理(所定の払い出し処理(「スイカ」9枚,「チャンス目」2枚)を実行し、ステップP4に進む。
ステップP2において、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「特殊役」(第2の入賞役)か否かを判定する。内部当選役が「特殊役」であれば(ステップP2でYES)、ステップP8に進み、そうでなければ(ステップP2でNO)、ステップP3に進む。
ステップP8において、特典付与手段42hは、ARTストック1個の付与を実行する。また、遊技数計数手段42bによってCZモード1において「特殊役」(第2の入賞役)が内部当選役として決定された回数が計数される。次いで、ステップP11に進む。
ステップP11において、図柄停止手段42cは、「特殊役」の図柄の組合せが有効ラインとしての入賞ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール4〜6の回転を停止し、次いで、ステップP12において、入賞判定手段42dは入賞ライン上に停止した図柄の組合せが「特殊役」に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより「特殊役」への入賞を判定する。入賞役が「特殊役」であれば(ステップP12でYES)、ステップP13に進み、そうでなければ(ステップP12でNO)、ステップP4に進む。
ステップP13において、遊技状態制御手段42eは、「特殊役」に対応する利益処理(15枚の払い出し処理)を実行し、ステップP4に進む。
ステップP3において、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「ベル」か否かを判定する。内部当選役が「ベル」であれば(ステップP3でYES)、ステップP9に進み、そうでなければ(ステップP3でNO)、ステップP4に進む。
ステップP9において、報知決定手段42fは、遊技者に対し押し順の情報を液晶表示部17により報知する。図柄停止制御手段42cは、遊技者が報知された押し順で停止操作をすると、有効な入賞ライン上に「ベル」の図柄が優先的に停止させ(ステップP11)、ステップP12に進む。
ステップP12において、入賞判定手段42dは、入賞ライン上に停止した図柄の組合せが「ベル」に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより「ベル」への入賞を判定する。入賞役が「ベル」であれば(ステップP12でYES)、ステップP13に進み、そうでなければ(ステップP12でNO)、ステップP4に進む。
ステップP13において、遊技状態制御手段42eは、「ベル」に対応する利益処理(12枚の払い出し処理)を決定し、ステップP4に進む。
ステップP4において、待機遊技状態制御手段42gは、遊技数計数手段42bに設定された設定ゲーム数と加算ゲーム数の和と、遊技数計数手段42bに計数された消化ゲーム数とを比較して、設定ゲーム数と加算ゲーム数の全てを消化したか否か判定する。残りゲーム数が存在するときは(ステップP4でYES)、処理全体を終了する。残りゲーム数が存在しないときは(ステップP4でNO)、ステップP5に進む。
ステップP5において、待機遊技状態制御手段42gは、遊技数計数手段42bが計数した「特殊役」(第2の入賞役)が内部当選役として決定された回数の情報を参照し、ARTストックが存在するか否か判定する。ARTストックが存在するときは(ステップP5でYES)、ステップP10に進み、そうでなければ(ステップP5でNO)、ステップP6に進む。なお、上述したようにARTストックは、ステップP2,P8のフローにて付与される。
ステップP6において、遊技状態制御手段42eは、遊技状態をCZモード1からNモードへ移行する。具体的には、CZモード1のフラグを下ろし、Nモードのフラグを立てる。ステップP6の後、処理全体を終了する。また遊技状態制御手段42eは、遊技数計数手段42bを制御して、設定ゲーム数、加算ゲーム数、消化ゲーム数の情報をリセットする(例えばカウントを0にする。)。
ステップP10において、遊技状態制御手段42eは、遊技状態をCZモード1からARTモードへ移行する。具体的には、CZモード1のフラグを下ろし、ARTモードのフラグを立てる。また、遊技状態制御手段42eは、遊技数計数手段42bを制御して、設定ゲーム数、加算ゲーム数、消化ゲーム数の情報をリセットする(例えばカウントを0にする。)。ステップP10の後、処理全体を終了する。以上で、CZモード1における処理に関する説明を終了する。
なお、ARTモードにおいて、遊技状態制御手段42eは、遊技数計数手段42bの計数した第2の入賞役が内部当選役として決定された回数の情報を受け、ARTストックが複数存在するか否か判定する(図示せず)。ARTストックが複数あれば、その回数分ARTモードを繰り返して行うことができる。ARTモード消化後、遊技状態制御手段42eは、遊技数計数手段42bを制御して、第2の入賞役が内部当選役として決定された回数をリセットする(例えばカウントを0にする。)。
このスロットマシン1によれば、CZモード1において所定の条件が成立したことに基づいて、CZモード1において遊技可能なゲーム数である設定ゲーム数に加算ゲーム数を加算することができ、また、CZモード1において、第2の入賞役が内部当選役として決定された場合であっても、設定ゲーム数と加算ゲーム数の全てが消化された後に遊技状態をCZモード1からARTモードに移行することができ、更に、CZモード1において液晶表示部17による報知が実行することができる。このため、CZモード1における遊技性を多彩にして、遊技の興趣の向上を図ることできる。
また、CZモード1において第2の入賞役が内部当選役として決定された回数を計数する遊技数計数手段42bを備え、遊技数計数手段42bにより計数され回数に応じて遊技者に有利な特典であるARTストックを回数分付与するので、遊技者は1回のCZモード1において複数回の第2の入賞役の内部当選を目指す遊技ができるので、更にCZモード1における遊技性を多彩にして、遊技の興趣の向上を図ることできる。
<<第2実施形態>>
上述した第1実施形態では、ステップP3において内部当選役が「ベル」と判定されれば(ステップP3でYES)、ステップP9に進み、ステップP9において、遊技者に対し押し順の情報を液晶表示部17により報知する報知遊技状態に移行したが、報知決定手段42fは、CZモードにおいて、第2移行条件が成立(抽選手段42aにより第2の入賞役が内部当選役として決定された場合)していることを条件として、報知手段(液晶表示部17)による報知が実行される報知遊技状態への移行を決定してもよい。
図8に示すように、第2実施形態に係るスロットマシンのチャンスゾーンモード(CZモード2)における処理は、第1実施形態と同様に、ステップP3において、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「ベル」か否かを判定する。内部当選役が「ベル」であれば(ステップP3でYES)、ステップTに進み、そうでなければ(ステップP3でNO)、ステップP4に進む。
ステップTにおいて、待機遊技状態制御手段42gは、遊技数計数手段42bが計数した第2の入賞役が内部当選役として決定された回数の情報を参照し、ARTストックが存在するか否か判定する。ARTストックが存在するときは(ステップTでYES)、ステップP9に進み、そうでなければ(ステップTでNO)、遊技者に対し押し順の情報を液晶表示部17で報知しない状態で停止操作させた後、ステップP11〜ステップP13の処理を実行する。
ステップP9において、報知決定手段42fは、遊技者に対し押し順の情報を液晶表示部17により報知する。遊技者が報知された押し順で停止操作をすると、ステップP11において、図柄停止制御手段42cは、有効な入賞ライン上に「ベル」の図柄を優先的に停止させ、ステップP12に進む。
ステップP12において、入賞判定手段42dは、入賞ライン上に停止した図柄の組合せが「ベル」に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより「ベル」への入賞を判定する。入賞役が「ベル」であれば(ステップP12でYES)、ステップP13に進み、そうでなければ(ステップP12でNO)、ステップP4に進む。
ステップP13において、遊技状態制御手段42eは、「ベル」に対応する利益処理(12枚の払い出し処理)を実行し、ステップP4に進む。
なお、第2実施形態において、その他の処理は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
第2実施形態に係るスロットマシンによれば、遊技者がCZモード2における遊技性を多彩に感じることができる。
<<第3実施形態>>
上述した第1,2実施形態では、1回のCZモードにおける第2の入賞役の内部当選役として決定された回数に応じた有利な特典として、回数分のARTストックを付与するものであったが、他の有利な特典であってもよい。例えば、付与したARTモードの継続率を上昇させてもよい。なお、ARTモードの継続とは、遊技が終わったARTモードをもう一度最初から開始する権利のことであり、ARTモードの継続率とは、この権利を抽選し当選する確率のことである。
図9に示すように、第3実施形態に係るスロットマシン1のチャンスゾーンモード(CZモード3)における処理は、第1実施形態と同様に、ステップP2において、遊技状態制御手段42eは、抽選手段42aにより決定された内部当選役が「特殊役」(第2の入賞役)か否かを判定する。内部当選役が「特殊役」であれば(ステップP2でYES)、ステップE1に進み、そうでなければ(ステップP2でNO)、ステップP3に進む。
ステップE1において、特典付与手段42hは、遊技数計数手段42bが計数した第2の入賞役が内部当選役として決定された回数の情報を参照し、「特殊役」が1回目の入賞か否かを判定する。1回目の入賞であれば(ステップE1でYES)、ステップE2に進み、そうでなければ(ステップE1でNO)、ステップE3に進む。
ステップE2において、特典付与手段42hは、ARTモード移行権利付与を決定する。ステップE2の後、ステップP11に進む。
ステップE3において、特典付与手段42hは、1回目で付与されたARTモード移行権利の継続率の上昇を決定する。例えば、1回目の入賞で付与されたARTモードの継続率は50%であって、2回目以降の入賞からはARTモードの継続抽選率を1回の入賞毎に10%上昇させてもよい。この場合、1回のCZモード3において「特殊役」に5回当選すればARTモードの継続抽選率90%となる。ステップE3の後、ステップP11に進む。
ステップP11からステップP13、及びステップP4の制御は、実施形態1及び実施形態2と同様であるため説明を省略する。
ステップE4において、待機遊技状態制御手段42gは、遊技数計数手段42bの計数した第2の入賞役が内部当選役として決定された回数の情報を参照し、ARTモード移行権利が存在するか否か判定する。ARTモード移行権利が存在するときは(ステップP5でYES)、ステップP10に進み、そうでなければ(ステップP5でNO)、ステップP6に進む。なお、上述したようにARTモード移行権利は、ステップP2,E1,E2のフローにて付与される。
ステップP10において、遊技状態制御手段42eは、遊技状態をCZモード3からARTモードへ移行する。具体的には、CZモード3のフラグを下ろし、ARTモードのフラグを立てると共に、遊技数計数手段42bを制御して、設定ゲーム数、加算ゲーム数、消化ゲーム数の情報をリセットする(例えばカウントを0にする。)。ステップP10の後、処理全体を終了する。以上で、CZモード3における処理に関する説明を終了する。
なお、ARTモードにおいて、待機遊技状態制御手段42gは、CZモード3で決定されたARTモード継続率で抽選を行い、ARTモードが継続するか否か判定するステップを備える(図示せず)。抽選の結果、継続が決定されれば、ARTモードを消化した後に、ARTモードをもう一度最初から開始することができる。ARTモード消化後、遊技状態制御手段42eは、遊技数計数手段42bを制御して、第2の入賞役が内部当選役として決定された回数をリセットする(例えばカウントを0にする。)。
なお、第3実施形態において、その他の処理は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
第3実施形態に係るスロットマシンによれば、CZモード3において第2の入賞役が内部当選役として決定された回数を計数する遊技数計数手段42bを備え、遊技数計数手段42bにより計数された回数に応じて遊技者に有利な特典であるARTモードの継続率の上昇を付与するので、遊技者は1回のCZモード3において複数回の第2の入賞役の内部当選を目指す遊技ができるので、更にCZモード3における遊技性を多彩にして、遊技の興趣の向上を図ることできる。
なお、上述した第1〜3実施形態においては、所定の入賞役が内部当選役として決定されることによりCZモード1〜3における遊技性を向上させるようにしたが、所定の入賞役の入賞を契機として制御することも可能である。その場合、上述した第1移行条件の成立は、入賞判定手段42dにより第1の入賞役が入賞したと判定された場合であって、上述した第2移行条件の成立は、入賞判定手段42dにより第2の入賞役が入賞したと判定された場合としてもよい。また、Nモードにおける設定ゲーム数の付与、CZモードにおける加算ゲーム数の付与及びARTスットクの付与、ARTモードの継続率上昇等の特典付与は、所定の内部当選役を入賞させることが出来た場合のみ実行されてもよい。また、入賞を契機とした上記制御に加え、各遊技状態において、ベル以外の所定の入賞役(例えば、加算入賞役や特殊役等)が入賞した場合にも報知手段に押し順を報知させるようにしても良い。
本発明は上記の実施形態及び実施例の例示に限定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。