JP6921903B2 - モータ制御装置及びシート搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置及びシート搬送装置におけるモータの制御に関する。
従来、モータを制御する方法として、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御することによってモータを制御するベクトル制御と称される制御方法が知られている。具体的には、回転子の指令位相と回転位相との偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法が知られている。なお、回転子の指令速度と回転速度との偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法も知られている。
ベクトル制御において、モータの巻線に流れる駆動電流は、回転子が回転するためのトルクを発生させる電流成分であるq軸成分(トルク電流成分)と、モータの巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であるd軸成分(励磁電流成分)とにより表される。回転子にかかる負荷トルクの変化に応じてトルク電流成分の値が制御されることによって、回転に必要なトルクが効率的に発生する。この結果、余剰トルクに起因したモータ音の増大や消費電力の増大が抑制される。
ベクトル制御では、回転子の回転位相を決定する構成が必要となる。特許文献1では、巻線のレジスタンスR、巻線のインダクタンスL等のモータに固有の値(以下、制御値と称する)を用いて回転子の回転に起因して巻線に発生する誘起電圧を決定し、当該誘起電圧に基づいて回転子の回転位相を決定する構成が述べられている。
特表2012−509056号公報
前記特許文献1の方法で誘起電圧を決定する際に用いられる制御値はモータに固有の値であり、モータ制御装置に取り付けられるべきモータの巻線のレジスタンスR、巻線のインダクタンスLの値に基づいて予め設定されている。
例えば、モータAに対応する制御値が設定されているモータ制御装置に、モータAとは種類が異なるモータBが取り付けられてベクトル制御が実行されると、モータAの回転子の回転位相を高精度に決定することができなくなってしまう。その結果、モータBの制御が不安定になり、モータBが脱調してしまう可能性がある。
モータBが脱調した後に、ベクトル制御によるモータBの駆動が再開されたとしても、モータ制御装置において設定されている制御値はモータAに対応する値であることに起因してモータBが再び脱調してしまう可能性がある。このように、モータAに対応する制御値が設定されているモータ制御装置にモータBが取り付けられると、モータBには対応していない制御値が設定されていることに起因してモータBの脱調が繰り返し起こってしまう可能性がある。例えば、シートを搬送する画像形成装置において、搬送ローラを駆動するモータの脱調が繰り返し生じるとシートを搬送することができなくなってしまう。
上記課題に鑑み、本発明は、モータの回転の異常が繰り返し生じることを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかるモータ制御装置は、
第1のモータと、前記第1のモータとは種類が異なる第2のモータと、を取り付け可能なモータ制御装置において、
前記モータ制御装置に取り付けられたモータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出される駆動電流と予め設定された制御値とを用いて、前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転子の回転位相を決定する第1決定手段と、
前記第1決定手段によって決定された回転位相と前記モータの回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように前記モータ制御装置に取り付けられた巻線に流れる駆動電流を制御する制御手段と、
前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別する判別手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第1のモータが取り付けられている状態において当該第1のモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転位相を決定する際に用いられる前記制御値に設定し、
前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第2のモータが取り付けられている状態において当該第2のモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転位相を決定する際に用いられる前記制御値に設定することを特徴とする。
本発明によれば、モータの回転の異常が繰り返し生じることを抑制することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。 第1実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。 A相及びB相から成る2相のモータと、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。 第1実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 指令位相θ_refと回転位相θとの偏差Δθを示す図である。 モータ509の種類の判別方法を説明する図である。 第1実施形態におけるモータの種類の判別方法を説明するフローチャートである。 モータ509の温度Tの変化の一例を表す図である。 第2実施形態におけるモータの種類の判別方法を説明するフローチャートである。 モータの温度Tと電流値iqの積算値との関係を表す図である。 第5実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。 第5実施形態におけるモータの種類の判別方法を説明するフローチャートである。 速度フィードバック制御を行うモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲が以下の実施の形態に限定される趣旨のものではない。なお、以下の説明においては、モータ制御装置が画像形成装置に設けられる場合について説明するが、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されるわけではない。例えば、記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置等にも用いられる。
[画像形成装置]
図1は、本実施形態で用いられるシート搬送装置を有するモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置の形式はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
以下に、図1を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、原稿給送装置201、読取装置202及び画像印刷装置301を有する。
原稿給送装置201の原稿積載部203に積載された原稿は、給送ローラ204によって給送され、搬送ガイド206に沿って読取装置202の原稿ガラス台214上に搬送される。更に、原稿は、搬送ベルト208によって搬送されて、排紙ローラ205によって不図示の排紙トレイへ排紙される。読取装置202の読取位置において照明209によって照明された原稿画像からの反射光は、反射ミラー210、211、212からなる光学系によって画像読取部111に導かれ、画像読取部111によって画像信号に変換される。画像読取部111は、レンズ、光電変換素子であるCCD、CCDの駆動回路等で構成される。画像読取部111から出力された画像信号は、ASIC等のハードウェアデバイスで構成される画像処理部112によって各種補正処理が行われた後、画像印刷装置301へ出力される。前述の如くして、原稿の読取が行われる。即ち、原稿給送装置201及び読取装置202は、原稿読取装置として機能する。
また、原稿の読取モードとして、第1読取モードと第2読取モードがある。第1読取モードは、一定速度で搬送される原稿の画像を、所定の位置に固定された照明系209及び光学系によって読み取るモードである。第2読取モードは、読取装置202の原稿ガラス214上に載置された原稿の画像を、一定速度で移動する照明系209及び光学系によって読み取るモードである。通常、シート状の原稿の画像は第1読取モードで読み取られ、本や冊子等の綴じられた原稿の画像は第2読取モードで読み取られる。
画像印刷装置301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4サイズの普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4サイズの厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等は記録媒体に含まれる。
シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、ピックアップローラ303によって給送されて、搬送ローラ306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。また、シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、ピックアップローラ305によって給送されて、搬送ローラ307、306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。
読取装置202から出力された画像信号は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含む光走査装置311に入力される。また、感光ドラム309は、帯電器310によって外周面が帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、読取装置202から光走査装置311に入力された画像信号に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。
続いて、静電潜像が現像器314内のトナーによって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位置(転写位置)に設けられた転写帯電器315によって記録媒体に転写される。この転写タイミングに合わせて、レジストレーションローラ308は記録媒体を転写位置へ送り込む。
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。
片面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジストレーションローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は、排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。
また、第1面に画像形成された記録媒体がフェースダウンで画像形成装置100の外部へ排紙される場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送される。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に搬送ローラ320の回転が反転することによって、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体が排紙ローラ324を経由して、画像形成装置100の外部へ排出される。
以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。なお、本実施形態における負荷とはモータによって駆動される対象物である。例えば、給送ローラ204、ピックアップローラ303、305、レジストレーションローラ308及び排紙ローラ319等の搬送部としての各種ローラ(搬送ローラ)は本実施形態における負荷に対応する。また、例えば、感光ドラム309、現像器314等も本実施形態における負荷に対応する。本実施形態のモータ制御装置は、これら負荷を駆動するモータに適用することができる。
図2は、画像形成装置100の制御構成の例を示すブロック図である。システムコントローラ151は、図2に示すように、CPU151a、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、画像処理部112、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置157、センサ類159、ACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置157に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが記憶される。
システムコントローラ151は、画像処理部112における画像処理に必要となる、画像形成装置100の内部に設けられた各種装置の設定値データを画像処理部112に送信する。更に、システムコントローラ151は、センサ類159からの信号を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。
高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写帯電器315等)に必要な電圧を供給する。
モータ制御装置157は、CPU151aから出力された指令に応じてモータ509を制御する。なお、図2においては、画像形成装置のモータとしてモータ509のみが記載されているが、実際には、画像形成装置には2個以上のモータが設けられている。また、1個のモータ制御装置が複数個のモータを制御する構成であっても良い。更に、図2においては、モータ制御装置が1個しか設けられていないが、2個以上のモータ制御装置が画像形成装置に設けられていてもよい。
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいてACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。
システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類(以下、紙種と称する)等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、ユーザが設定した情報を操作部152から受信し、ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数、画像形成動作の進行状況、原稿読取装置201及び画像印刷装置301におけるシートのジャムや重送等に関する情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
前述の如くして、システムコントローラ151は画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。
[モータ制御装置]
次に、本実施形態におけるモータ制御装置157について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置157は、ベクトル制御を用いてモータ509を制御する。なお、本実施形態では、モータ509として、モータA又はモータAとは種類が異なるモータBが画像形成装置100に取り付けられ得るが、以下の説明では、モータ509としてモータAが画像形成装置100に取り付けられた構成について説明する。
<ベクトル制御>
まず、図3及び図4を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置157がベクトル制御を行う方法について説明する。なお、以下の説明におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていない。
図3は、A相(第1相)とB相(第2相)との2相から成るステッピングモータ(以下、モータと称する)509と、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。図3では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義されている。また、図3では、回転子402に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向に沿ってd軸が定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)に沿ってq軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度はθと定義され、回転子402の回転位相は角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。具体的には、ベクトル制御では、巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの、回転座標系における電流成分であって、回転子にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)と巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)とが用いられる。
ベクトル制御とは、回転子の目標位相を表す指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法である。また、回転子の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する方法もある。
図4は、モータ509を制御するモータ制御装置157の構成の例を示すブロック図である。なお、モータ制御装置157は、少なくとも1つのASICで構成されており、以下に説明する各機能を実行する。
図4に示すように、モータ制御装置157は、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511、モータの巻線に駆動電流を供給するPWMインバータ506等を有する。座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系からq軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、巻線に流れる駆動電流は、回転座標系における電流値であるq軸成分の電流値(q軸電流)とd軸成分の電流値(d軸電流)とによって表される。なお、q軸電流は、モータ509の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータ509の巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流に相当する。モータ制御装置157は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。この結果、モータ制御装置157は、回転子402にかかる負荷トルクに応じてq軸電流を制御することによって、回転子402が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。即ち、ベクトル制御においては、図3に示す電流ベクトルの大きさは、回転子402にかかる負荷トルクに応じて変化する。
モータ制御装置157は、モータ509の回転子402の回転位相θを後述する方法により決定し、その決定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU151aは、モータ509の回転子402の目標位相を表す指令位相θ_refを生成し、指令位相θ_refをモータ制御装置157へ出力する。なお、実際には、CPU151aはモータ制御装置157に対してパルス信号を出力しており、パルスの数が指令位相に対応し、パルスの周波数が目標速度に対応する。指令位相θ_refは、例えば、モータ509の目標速度に基づいて生成される。
減算器101は、位相決定器513から出力された、モータ509の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差Δθを演算して出力する。
位相制御器502は、偏差Δθを周期T(例えば、200μs)で取得する。位相制御器502は、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)に基づいて、減算器101から取得する偏差Δθが小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、P制御、I制御、D制御に基づいて減算器101から取得する偏差Δθが0になるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。なお、P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。本実施形態における位相制御器502は、PID制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成するが、これに限定されるものではない。例えば、位相制御器502は、PI制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しても良い。なお、本実施形態においては、巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸電流指令値id_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。
モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507、508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。なお、電流検出器507、508が電流を検出する周期は、例えば、位相制御器502が偏差Δθを取得する周期T以下の周期(例えば、25μs)である。
A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換された駆動電流の電流値は、静止座標系における電流値iα及びiβとして、図3に示す電流ベクトルの位相θeを用いて次式によって表される。なお、電流ベクトルの位相θeは、α軸と電流ベクトルとの成す角度と定義される。また、Iは電流ベクトルの大きさを示す。
iα=I*cosθe (1)
iβ=I*sinθe (2)
これらの電流値iα及びiβは、座標変換器511と誘起電圧決定器512とに入力される。
座標変換器511は、次式によって、静止座標系における電流値iα及びiβを回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに変換する。
id= cosθ*iα+sinθ*iβ (3)
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (4)
座標変換器511は、変換された電流値iqを減算器102に出力する。また、座標変換器511は、変換された電流値idを減算器103に出力する。
減算器102は、q軸電流指令値iq_refと電流値iqとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
また、減算器103は、d軸電流指令値id_refと電流値idとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、PID制御に基づいて、入力される偏差がそれぞれ小さくなるように駆動電圧Vq及びVdを生成する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差がそれぞれ0になるように駆動電圧Vq及びVdを生成して座標逆変換器505に出力する。なお、本実施形態における電流制御器503は、PID制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、電流制御器503は、PI制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しても良い。
座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに逆変換する。
Vα=cosθ*Vd−sinθ*Vq (5)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq (6)
座標逆変換器505は、逆変換されたVα及びVβを誘起電圧決定器512及びPWMインバータ506に出力する。
PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有する。フルブリッジ回路は座標逆変換器505から入力された駆動電圧Vα及びVβに基づくPWM(パルス幅変調)信号によって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータ509の各相の巻線に供給することによって、モータ509を駆動させる。なお、本実施形態においては、PWMインバータはフルブリッジ回路を有しているが、PWMインバータはハーフブリッジ回路等であっても良い。
次に、回転位相θの決定方法について説明する。回転子402の回転位相θの決定には、回転子402の回転によってモータ509のA相及びB相の巻線に誘起される誘起電圧Eα及びEβの値が用いられる。誘起電圧の値は誘起電圧決定器512によって決定(算出)される。具体的には、誘起電圧Eα及びEβは、A/D変換器510から誘起電圧決定器512に入力された電流値iα及びiβと、座標逆変換器505から誘起電圧決定器512に入力された駆動電圧Vα及びVβとから、次式によって決定される。
Eα=Vα−R*iα−L*diα/dt (7)
Eβ=Vβ−R*iβ−L*diβ/dt (8)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。巻線レジスタンスR及び巻線インダクタンスLの値(以下、制御値と称する)は使用されているモータ509としてのモータAに固有の値であり、ROM151bに予め格納されている。なお、モータBについての制御値もROM151bに予め格納されている。CPU151aは、取り付けられたモータの種類に基づいて、モータAについての制御値、又は、モータBについての制御値、のいずれかを制御値として設定する。なお、本実施形態における制御値には、例えば、q軸電流指令値iq_ref等の電流指令値を決定する際のゲイン値等も含まれる。
誘起電圧決定器512によって決定された誘起電圧Eα及びEβは位相決定器513に出力される。
位相決定器513は、誘起電圧決定器512から出力された誘起電圧Eαと誘起電圧Eβとの比に基づいて、次式によってモータ509の回転子402の回転位相θを決定する。
θ=tan^−1(−Eβ/Eα) (9)
なお、本実施形態においては、位相決定器513は、式(9)に基づく演算を行うことによって回転位相θを決定したが、この限りではない。例えば、位相決定器513は、ROM151b等に記憶されている、誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβと誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβとに対応する回転位相θとの関係を示すテーブルを参照することによって回転位相θを決定してもよい。
前述の如くして得られた回転子402の回転位相θは、減算器101、座標逆変換器505、座標変換器511に入力される。
モータ制御装置157は、上述の制御を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態におけるモータ制御装置157は、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御するベクトル制御を行う。ベクトル制御を行うことによって、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。
[モータの脱調]
上述したように、本実施形態では、モータ509の回転子402の回転位相θは、モータに固有の値である制御値に基づいて決定される。例えば、モータAが制御される際に、回転位相θを決定するための制御値にモータBについての制御値が設定されている場合、以下のことが生じる可能性がある。具体的には、モータ制御装置157に取り付けられたモータAとは異なるモータBに対応する制御値が設定されていることに起因してモータAの回転子の回転位相θを高精度に決定することができなくなってしまう可能性がある。その結果、回転子の実際の回転位相とは異なる回転位相θに基づいてベクトル制御が行われてしまい、モータの制御が不安定になり、モータが脱調してしまう可能性がある。
図5は、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差Δθの一例を示す図である。図5(A)は、回転位相θを決定するための制御値として、制御されるモータに対応する制御値が設定されている場合における偏差Δθを示す図である。図5(B)は、回転位相θを決定するための制御値として、制御されるモータとは異なる種類のモータに対応する制御値が設定されている場合における偏差Δθを示す図である。
図5(A)に示すように、回転位相θを決定するための制御値として、制御されるモータに対応する制御値が設定されている場合、モータ制御中の偏差Δθは所定範囲内の値になる。なお、前記所定範囲は、制御されるモータに対応する制御値が設定されている場合に、当該モータが正常に駆動されている状態において回転子にかかる負荷トルクの増大に起因して変動する偏差Δθが当該所定範囲を超えないように設定される。
一方、図5(B)に示すように、回転位相θを決定するための制御値として、制御されるモータとは異なる種類のモータに対応する制御値が設定されている場合、モータ制御中に偏差Δθが所定範囲外の値になってしまう。これは、以下のような理由で生じる。具体的には、例えば、決定された回転位相θが回転子の実際の回転位相よりも進んだ位相である場合、モータは、回転子にかかっている負荷トルクよりも小さいトルクが与えられた状態で回転する。この結果、回転子の回転速度は減少してモータの巻線に発生する誘起電圧が徐々に小さくなり、回転位相θを決定する精度が低下する(回転位相θの値がばらつく)。その結果、モータの制御が不安定になり、モータが脱調してしまう。
モータの脱調後に再度ベクトル制御を行っても、モータが再び脱調してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、以下の構成が適用されることによって、モータの回転の異常が繰り返し生じることを抑制する。
本実施形態では、図4に示すように、偏差ΔθがCPU151aに入力される。CPU151aは、偏差Δθが所定範囲外の値になるとモータの回転が異常であると判定し、モータの回転が異常であることをRAM151cに記憶する(異常フラグを‘0’から‘1’に設定する)。その後、CPU151aは、モータの駆動を停止するようにモータ制御装置157を制御する。なお、モータの回転が異常である状態にはモータの脱調だけでなく、外力等による回転子のロックや回転速度の低下等の状態も含まれる。
CPU151aは、異常フラグを‘0’から‘1’に設定すると、即ち、モータの回転が異常であることが判定されると、モータ制御装置157に取り付けられているモータの種類を判別する処理を実行する。
[モータの種類を判別する方法]
以下に、モータの種類を判別する方法について説明する。
図6は、モータの種類を判別する方法を説明する図である。モータの種類を判別する処理が開始されると、CPU151aは、モータ509の巻線に所定電圧Eを印加するようにモータ制御装置157を制御する。そして、所定時間tRL経過後に、CPU151aは、巻線に流れる電流I_Aをサンプリングする。なお、所定時間tRLは、所定電圧Eが巻線に印加されてから、当該所定電圧Eに起因して上昇する電流の過渡応答の影響が比較的小さくなり略一定の電流が巻線に流れるようになるまでに要する時間よりも長い時間に設定される。
電流I_Aをサンプリングすると、CPU151aは、所定電圧Eの巻線への印加を停止するようにモータ制御装置157を制御する。そして、所定時間tINT経過後に、モータ509の巻線に所定電圧Eを印加するようにモータ制御装置157を制御する。なお、所定時間tINTは、所定電圧Eに起因して巻線に流れる電流が略0Aになるまでに要する時間よりも長い時間に設定される。
そして、CPU151aは、所定時間tINT経過後に巻線に所定電圧Eが印加されてから、巻線に流れる電流が所定電流I3になるまでの時間tL1を計測する。また、CPU151aは、所定時間tINT経過後に巻線に所定電圧Eが印加されてから、所定時間tRL経過後に、電流I_Bをサンプリングする。
CPU151aは、検出した電流I_A、I_B、時間tL1に基づいて、巻線のインダクタンスLを推定する。具体的には、CPU151aは、以下の式(10)〜(15)に基づいて、インダクタンスLを推定する。
R_A=E/I_A (10)
R_B=E/I_B (11)
R=(R_A+R_B)/2 (12)
L_A=R_A*tL1*K (13)
L_B=R_B*tL1*K (14)
L=(L_A+L_B)/2 (15)
なお、係数Kは、抵抗値とインダクタンス値との関係を表す係数である。
CPU151aは、インダクタンスLが閾値Lth以下である場合は、モータ制御装置157に取り付けられたモータがモータAであると判定し、モータ制御装置157における制御値を、モータAに対応する制御値に設定する。また、CPU151aは、インダクタンスLが閾値Lthより大きい場合は、モータ制御装置157に取り付けられたモータがモータBであると判定し、モータ制御装置157における制御値を、モータBに対応する制御値に設定する。
なお、上述したモータの種類を判別する方法は本実施形態における一例であり、これに限定されるわけではない。例えば、CPU151aは、所定電圧Eが印加されてから所定時間後に検出された電流値に基づいてモータの種類を判別してもよい。
図7は、本実施形態におけるモータの制御方法を説明するフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU151aによって実行される。
S1001において、CPU151aは、enable信号=‘H’をモータ制御装置157に出力する。その結果、モータ制御装置157は、モータ509の制御を開始する。
次に、S1002において、偏差Δθが所定範囲内の値でない場合は、S1003において、CPU151aはenable信号=‘L’をモータ制御装置157に出力する。その結果、モータ制御装置157は、モータ509の制御を停止する。
その後、S1004において、CPU151aはモータの種類を判別する。
次に、S1005において、CPU151aは、モータの種類の判別結果に基づいて制御値の設定を行う。具体的には、例えば、S1005において、モータ制御装置157に取り付けられているモータがモータAであると判定された場合は、制御値をモータAに対応する制御値に設定する。また、S1005において、モータ制御装置157に取り付けられているモータがモータBであると判定された場合は、制御値をモータBに対応する制御値に設定する。
その後、処理はS1001に戻る。
一方、S1002において、偏差Δθが所定範囲内の値である場合は、処理はS1006に進む。
S1006において、画像形成装置の印刷ジョブが終了されない場合は、処理は再びS1002に戻る。
また、S1006において、印刷ジョブが終了される場合は、S1007において、CPU151aは、enable信号=‘L’をモータ制御装置157に出力する。その結果、モータ制御装置157は、モータ509の制御を停止する。
以上のように、本実施形態では、モータが脱調すると、CPU151aは、モータの駆動を停止する。そして、CPU151aは、モータ制御装置157に取り付けられているモータのインダクタンスを推定し、当該インダクタンスに基づいて、モータ制御装置157に取り付けられているモータの種類を判別する。更に、CPU151aは、判別結果に基づいて制御値を設定する。この結果、モータ制御装置157は、モータ制御装置157に取り付けられているモータに対応する制御値を用いて、ベクトル制御を実行することができる。この結果、モータの回転の異常が繰り返し生じることを抑制することができる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態の構成と同様の構成である部分については、説明を省略する。
第1実施形態においては、CPU151aは、インダクタンスLが閾値Lth以下である場合は、モータ制御装置157に取り付けられたモータがモータAであると判定した。また、CPU151aは、インダクタンスLが閾値Lthより大きい場合は、モータ制御装置157に取り付けられたモータがモータBであると判定した。本実施形態では、以下のようにして、モータの種類の判別が行われる。
具体的には、CPU151aは、推定された抵抗値R及びインダクタンスLが以下の式(16)を満たす場合は、モータ制御装置157に取り付けられたモータがモータAであると判定し、モータ制御装置157における制御値を、モータAに対応する制御値に設定する。
R1≦R≦R2、L1≦L≦L2 (16)
また、CPU151aは、推定された抵抗値R及びインダクタンスLが以下の式(17)を満たす場合は、モータ制御装置157に取り付けられたモータがモータBであると判定し、モータ制御装置157における制御値を、モータBに対応する制御値に設定する。
R3≦R≦R4、L3≦L≦L4 (17)
また、CPU151aは、推定された抵抗値R及びインダクタンスLが上記の式(16)及び(17)のいずれも満たさない場合は、モータ制御装置157に取り付けられたモータがモータA及びモータBとは異なるモータCであると判定する。そして、CPU151aは、モータCがモータ制御装置157に取り付けられたことを示す情報を操作部152に設けられた表示部に表示してユーザに通知し、モータを取り換えることをユーザに促す。
このように、本実施形態では、モータA及びモータBとは異なるモータCがモータ制御装置157に取り付けられていることがモータ判別処理によって判別されると、CPU151aは、モータCがモータ制御装置157に取り付けられたことを示す情報を表示部に表示し、モータを取り換えることをユーザに促す。この結果、モータA及びモータBとは異なるモータCがベクトル制御によって駆動されることを抑制することができる。即ち、モータ制御装置157に取り付けられているモータに対応する制御値と、モータ制御装置157において設定されている制御値と、が異なる状態でベクトル制御が実行されることに起因してモータの脱調が起こってしまうことを抑制することができる。
なお、第1実施形態、第2実施形態では、図6に示す方法によりモータの巻線の抵抗値R及びインダクタンス値Lを測定し、測定結果に基づいてモータの種類を判別したが、この限りではない、例えば、モータにバーコードが設けられ、モータ制御装置157が当該バーコードを読みとることによってモータの種類を判別する構成であってもよい。
〔第3実施形態〕
第1実施形態の構成と同様の構成である部分については、説明を省略する。第1実施形態において、モータの種類は、検出されたインダクタンスの値と閾値Lthとを比較することによって判別された。なお、閾値Lthは、所定の環境下(例えば、所定の温度T0)におけるモータのインダクタンスの値に基づいて設定される。
ここで、モータの駆動が実行されるとモータの温度は上昇する。また、モータのインダクタンスの値は巻線の温度の変化に応じて変化する。モータが脱調した後にモータの種類が判別される場合、所定の温度T0とは異なる温度においてインダクタンスが検出される可能性があり、モータの種類を正確に判別することができなくなってしまう可能性がある。この結果、取り付けられているモータとは異なるモータの制御値が設定され、再びモータが脱調してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、以下の構成が適用されることによって、モータの異常が繰り返し生じることが抑制される。
<モータの種類の判別を開始するタイミング>
CPU151aは、図2に示すように、モータ制御装置157によるモータ509の駆動が開始されるタイミングからの経過時間を測定するタイマA及びモータ制御装置157によるモータ509の駆動が停止されるタイミングからの経過時間を測定するタイマBを有する。なお、モータ制御装置157によるモータ509の駆動が開始されるタイミングとは、例えば、CPU151aがenable信号=‘H’を出力するタイミングである。また、モータ制御装置157によるモータの駆動が停止されるタイミングとは、例えば、CPU151aがenable信号=‘L’を出力するタイミングである。enable信号とは、モータ制御装置157の稼働を許可又は禁止する信号である。enable信号が‘L’である場合は、CPU151aはモータ制御装置157の稼働を禁止する。即ち、モータ制御装置157によるモータ509の制御は終了される。また、enable信号が‘H’である場合は、CPU151aはモータ制御装置157の稼働を許可して、モータ制御装置157はCPU151aから出力される指令に基づいてモータ509の制御を行う。
図8は、モータの温度Tの変化の一例を表す図である。図8(a)はモータの駆動中のモータの温度変化を表す図であり、モータの駆動が停止されたときのタイマAの計測結果としての時刻t1における温度TがT1である場合の例が示されている。図8(b)はモータが停止された後のモータの温度変化を表す図である。なお、図8に示す温度Tの変化は、実験により予め測定されたものであり、ROM151bに記憶されている。
CPU151aは、モータの駆動が開始されると、タイマAによる時間の計測を開始する。そして、モータの駆動が停止されると、モータの駆動が停止されたときのタイマAの計測結果と図8(a)に示す温度Tのデータとに基づいて、モータの温度Tを推定する。具体的には、例えば、図8(a)に示すように、CPU151aはモータの温度TがT1であると決定する。
モータの温度Tを推定すると、CPU151aは、推定された温度T(本実施形態では温度T1)が、モータの種類を高精度に判別可能な温度T0になるまでの時間Tcを、モータの駆動が停止されたときのタイマAの計測結果と図8(b)に示す温度Tのデータとに基づいて決定する。また、モータの温度Tを推定すると、CPU151aはタイマBによる時間の計測を開始する。
CPU151aは、タイマBの計測時間が時間Tcになると、モータの種類の判別を開始する。
図9は、モータ制御装置157に取り付けられているモータ509の種類の判別方法を説明するフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU151aによって実行される。
印刷ジョブが開始されると、S1001において、CPU151aは、enable信号=‘H’をモータ制御装置157に出力する。その結果、モータ制御装置157は、モータ509の制御を開始する。
次に、S1002において、CPU151aはタイマAをスタートさせる。
S1003において、偏差Δθが所定範囲内の値である場合は、CPU151aは処理をS1004に進める。
S1004において、印刷ジョブが終了されない場合は、処理は再びS1003に戻る。
一方、S1004において、印刷ジョブが終了される場合は、S1005において、CPU151aは、enable信号=‘L’をモータ制御装置157に出力する。その結果、モータ制御装置157は、モータ509の制御を停止する。
その後、S1006において、CPU151aはタイマAをストップさせ、S1007において、CPU151aはタイマAをリセットする。そして、CPU151aはこのフローチャートの処理を終了する。
また、S1003において、偏差Δθが所定範囲外の値である場合は、S1008において、CPU151aはenable信号=‘L’をモータ制御装置157に出力する。その結果、モータ制御装置157は、モータ509の制御を停止する。
その後、S1009において、CPU151aはタイマAをストップさせ、S1010において、CPU151aは、タイマAの計測時間とROM151bに記憶されている温度Tのデータとに基づいてモータの温度Tを推定(決定)する。
そして、S1011において、CPU151aは、推定された温度Tが温度T0になるまでの時間Tcを、モータの駆動が停止されたときのタイマAの計測結果とROM151bに記憶されている温度Tのデータとに基づいて決定する。
S1012において、CPU151aはタイマAをリセットし、S1013において、CPU151aはタイマBによる時間の計測を開始する。
S1014において、タイマBによる計測時間が時間Tcになると、S1015において、CPU151aはモータの種類を判別する。
次に、S1016において、CPU151aは、モータの種類の判別結果に基づいて制御値の設定を行う。具体的には、例えば、S1015において、モータ制御装置157に取り付けられているモータがモータAであると判定された場合は、制御値をモータAに対応する制御値に設定する。また、S1015において、モータ制御装置157に取り付けられているモータがモータBであると判定された場合は、制御値をモータBに対応する制御値に設定する。
その後、S1017において、CPU151aはタイマBをストップして、S1018において、CPU151aはタイマBをリセットする。その後、処理はS1001に戻り、印刷ジョブが再開される。
以上のように、本実施形態では、モータが脱調すると、CPU151aは、モータの駆動を停止する。そして、CPU151aは、モータの駆動時間に基づいてモータの温度Tを推定し、当該温度TがT0になるまでの時間Tcを決定する。そして、モータの駆動が停止されてから時間Tcが経過すると、CPU151aは、モータ制御装置157に取り付けられているモータのインダクタンスを推定し、当該インダクタンスに基づいて、モータ制御装置157に取り付けられているモータの種類を判別する。この結果、モータの温度が比較的高い状態におけるインダクタンスに基づいてモータの種類が判別されることを防止することができる。即ち、取り付けられたモータの種類を高精度に判別することができる。この結果、モータの回転の異常が繰り返し生じることを抑制することができる。
〔第4実施形態〕
次に、本実施形態における画像形成装置100について説明する。なお、以下の説明において、画像形成装置の構成が第1実施形態と同様である部分については説明を省略する。
第1実施形態において説明したように、モータ509がベクトル制御によって制御される際には、回転子402にかかる負荷トルクに応じて電流値iqの大きさが調整される。即ち、ベクトル制御では、回転子402にかかる負荷トルクに応じて、巻線に流れる電流の大きさが変化する。モータの駆動中において、所定時間内にモータの温度Tが上昇する大きさは、巻線に流れる電流の大きさが大きいほど大きくなる。そこで、本実施形態では、電流値iqに基づいてモータの温度Tが推定される。
図10は、モータの温度Tと電流値iqの積算値との関係を表す図である。図10に示すように、電流値iqの積算値が大きくなるほど、モータの温度Tは上昇する。
CPU151aは、ベクトル制御が開始されると、電流値iqの積算を開始する。電流値iqの積算値と図10に示す温度Tのデータとに基づいて、モータの温度Tを推定する。
モータの温度Tを推定した後のCPU151aによる処理は、第1実施形態におけるCPU151aの処理と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本実施形態では、モータが脱調すると、CPU151aは、モータの駆動を停止する。そして、CPU151aは、モータの駆動中に用いられた電流値iqの積算値に基づいてモータの温度Tを推定し、当該温度TがT0になるまでの時間Tcを決定する。そして、モータの駆動が停止されてから時間Tcが経過すると、CPU151aは、モータ制御装置157に取り付けられているモータのインダクタンスを推定し、当該インダクタンスに基づいて、モータ制御装置157に取り付けられているモータの種類を判別する。この結果、モータの温度が比較的高い状態におけるインダクタンスに基づいてモータの種類が判別されることを防止することができる。即ち、取り付けられたモータの種類を高精度に判別することができる。この結果、モータの回転の異常が繰り返し生じることを抑制することができる。
〔第5実施形態〕
第1実施形態の構成と同様の構成である部分については、説明を省略する。図11は、本実施形態における画像形成装置100の構成を示す断面図である。図11に示すように、本実施形態における画像形成装置100には、シートの有無を検知するシートセンサ327、328が設けられている。また、画像形成装置100には、搬送路に残留したシートをユーザが取り除くための扉329が設けられている。ユーザは、扉329を開くことによって搬送路に残留したシートを取り除くことができる。また、本実施形態における画像形成装置100には、扉329の開閉を検知する扉センサ330が設けられている。シートセンサ327、328及び扉センサ330は、CPU151aと接続されている。
本実施形態では、シートの搬送に異常(例えば、ジャム)が生じた場合に、CPU151aは、モータの種類を判別する処理を実行する。
図12は、本実施形態におけるモータの制御方法を説明するフローチャートである。このフローチャートの処理は、CPU151aによって実行される。
S1001において、CPU151aはシートの搬送を開始する。
次に、S1002において、シートのジャムが発生した場合は、S1003において、CPU151aは、シートの搬送を停止する。なお、CPU151aは、シートのジャムが発生したか否かを以下のようにして判定する。具体的には、例えば、CPU151aは、シートセンサ327がシートの先端を検知してから所定時間が経過してもシートセンサ328によってシートの先端が検知されない場合に、シートのジャム(遅延ジャム)が発生したと判定する。また、CPU151aは、例えば、シートセンサ327がシートを検知している状態が第2所定時間継続すると、シートのジャム(滞留ジャム)が発生したと判定する。このように、CPU151aは、搬送路に設けられているシートセンサの検知結果に基づいて、シートのジャムが発生したか否かを判定する。
一方、S1002において、シートのジャムが発生していない場合は、処理はS1009に進む。
S1004において、扉329が開いたことが扉センサ330によって検知されると、CPU151aは処理をS1005に進める。
次に、S1005において、扉329が閉じられたことが扉センサ330によって検知されると、CPU151aは処理をS1006に進める。
S1006において、シートが搬送される搬送路にシートが残留している場合は、S1007において、CPU151aは搬送路にシートが残留していることを操作部152の表示部に表示してユーザに通知し、処理はS1005に戻る。なお、残留紙の検出は、例えば、搬送路に設けられたシートセンサの検知結果に基づいて行われる。
一方、S1006において、シートが搬送される搬送路にシートが残留していない場合は、処理はS1008に進む。
S1008において、CPU151aはモータの種類を判別する。具体的には、CPU151aは、ジャムの発生が検知された位置に対応する搬送ローラを駆動するモータの種類を判別する。例えば、CPU151aは、シートセンサ328によって遅延ジャムが検知された場合は、搬送ローラ307を駆動するモータの種類を判別する。また、例えば、CPU151aは、シートセンサ327によって滞留ジャムが検知された場合は、搬送ローラ307を駆動するモータの種類を判別する。
次に、S1009において、CPU151aは、モータの種類の判別結果に基づいて制御値の設定を行う。具体的には、例えば、S1008において、モータ制御装置157に取り付けられているモータがモータAであると判定された場合は、制御値をモータAに対応する制御値に設定する。また、S1008において、モータ制御装置157に取り付けられているモータがモータBであると判定された場合は、制御値をモータBに対応する制御値に設定する。
その後、S1010において、印刷ジョブが終了しない場合は、処理はS1001に戻る。
一方、S1010において、印刷ジョブが終了する場合は、CPU151aは、このフローチャートの処理を終了する。
このように、本実施形態では、シートの搬送における異常(例えば、ジャム)が検出されると、CPU151aは、当該ジャムが生じた位置に対応する搬送ローラを駆動するモータの種類を判別する処理を実行する。CPU151aは、判別結果に基づいて制御値を設定する。この結果、モータ制御装置157は、モータ制御装置157に取り付けられているモータに対応する制御値を用いて、ベクトル制御を実行することができる。この結果、モータの回転の異常が繰り返し生じることを抑制することができる。
なお、本実施形態におけるモータ種類を判別する方法は、第1実施形態乃至第4実施形態のいずれか一つの実施形態に記載された方法を適用することができる。
また、第1実施形態乃至第5実施形態では、例えば、工場出荷時において画像形成装置100にはモータAが取り付けられており、モータ制御装置157における制御値はモータAに対応する制御値に設定されている。
また、第1実施形態乃至第5実施形態におけるベクトル制御では、位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、回転子402の回転速度ωをフィードバックしてモータを制御する構成であっても良い。具体的には、図13に示すように、モータ制御装置内部に速度決定器514を設け、速度決定器514が位相決定器513から出力された回転位相θの時間変化に基づいて回転速度ωを決定する。なお、速度の決定には、以下の式(18)が用いられるものとする。
ω=dθ/dt (18)
そして、CPU151aは回転子の目標速度を表す指令速度ω_refを出力する。更に、モータ制御装置内部に速度制御器500を設け、速度制御器500が回転速度ωと指令速度ω_refとの偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する構成とする。このような速度フィードバック制御を行うことによって、モータを制御する構成であっても良い。このような構成の場合、モータの回転の異常検知は、例えば、回転速度ωと指令速度ω_refとの偏差Δωに基づいて行われてもよい。また、電流値idに基づいて異常判定が行われても良い。
第1実施形態乃至第5実施形態が適用されるのは、ベクトル制御によるモータ制御に限らない。例えば、回転位相や回転速度をフィードバックする構成を有するモータ制御装置であれば第1実施形態乃至第5実施形態は適用される。
なお、第1実施形態乃至第5実施形態においては、負荷を駆動するモータとしてステッピングモータが用いられているが、DCモータ等の他のモータであっても良い。また、モータは2相モータである場合に限らず、3相モータ等の他のモータであっても本実施形態を適用することができる。
また、第1実施形態乃至第5実施形態においては、回転子として永久磁石が用いられているが、これに限定されるものではない。
151a CPU
157 モータ制御装置
402 回転子
502 位相制御器
507,508 電流検出器
509 ステッピングモータ
513 位相決定器

Claims (15)

  1. 第1のモータと、前記第1のモータとは種類が異なる第2のモータと、を取り付け可能なモータ制御装置において、
    前記モータ制御装置に取り付けられたモータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出される駆動電流と予め設定された制御値とを用いて、前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転子の回転位相を決定する第1決定手段と、
    前記第1決定手段によって決定された回転位相と前記モータの回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように前記モータ制御装置に取り付けられた巻線に流れる駆動電流を制御する制御手段と、
    前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
    前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別する判別手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第1のモータが取り付けられている状態において当該第1のモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転位相を決定する際に用いられる前記制御値に設定し、
    前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第2のモータが取り付けられている状態において当該第2のモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転位相を決定する際に用いられる前記制御値に設定することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記偏差が小さくなるように、前記第1決定手段によって決定される回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて前記駆動電流を制御することを特徴とする請求項1に記載にモータ制御装置。
  3. 第1のモータと、前記第1のモータとは種類が異なる第2のモータと、を取り付け可能なモータ制御装置において、
    前記モータ制御装置に取り付けられたモータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出される駆動電流と予め設定された制御値とを用いて、前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転子の回転速度を決定する第1決定手段と、
    前記第1決定手段によって決定された回転速度と前記モータの回転子の目標速度を表す指令速度との偏差が小さくなるように前記モータ制御装置に取り付けられた巻線に流れる駆動電流を制御する制御手段と、
    前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
    前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別する判別手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第1のモータが取り付けられている状態において当該第1のモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転速度を決定する際に用いられる前記制御値に設定し、
    前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第2のモータが取り付けられている状態において当該第2のモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転速度を決定する際に用いられる前記制御値に設定することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 前記モータ制御装置は、前記回転子の回転位相を決定する第2決定手段を有し、
    前記制御手段は、前記偏差が小さくなるように、前記第2決定手段によって決定される回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて前記駆動電流を制御することを特徴とする請求項3に記載にモータ制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転が異常であることが前記異常判定手段によって判定されると、前記モータ制御装置に取り付けられたモータの駆動を停止し、その後、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別する判別処理を実行し、
    前記判別手段は、前記判別処理において前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記モータの駆動が停止されてから、前記モータの駆動が開始されてから前記モータの駆動が停止されるまでの時間に基づいて決定される第1の時間が経過すると、前記判別処理を開始することを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記モータの駆動が停止されてから、前記モータが駆動されている期間における前記駆動電流に基づいて決定される第2の時間が経過すると、前記判別処理を開始することを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。
  8. シートを搬送する搬送部と、
    前記搬送部を駆動するモータと、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、前記搬送ローラを駆動するモータの駆動を制御することを特徴とするシート搬送装置。
  9. シートを搬送する搬送部と、
    前記搬送部を駆動するモータを制御するモータ制御装置であって、第1のモータと前記第1のモータとは種類が異なる第2のモータとを取り付け可能なモータ制御装置と、
    前記シートの搬送が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、
    前記モータ制御装置に取り付けられたモータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出される駆動電流と予め設定された制御値とを用いて、前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転子の回転位相を決定する第1決定手段と、
    前記第1決定手段によって決定された回転位相と前記モータの回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように前記モータ制御装置に取り付けられた巻線に流れる駆動電流を制御する制御手段と、
    前記シートの搬送が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別する判別手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第1のモータが取り付けられている状態において前記シートの搬送が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転位相を決定する際に用いられる前記制御値に設定し、
    前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第2のモータが取り付けられている状態において前記シートの搬送が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転位相を決定する際に用いられる前記制御値に設定することを特徴とするシート搬送装置。
  10. 前記制御手段は、前記偏差が小さくなるように、前記第1決定手段によって決定される回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて前記駆動電流を制御することを特徴とする請求項9に記載にシート搬送装置。
  11. シートを搬送する搬送部と、
    前記搬送部を駆動するモータを制御するモータ制御装置であって、第1のモータと前記第1のモータとは種類が異なる第2のモータとを取り付け可能なモータ制御装置と、
    前記シートの搬送が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、
    前記モータ制御装置に取り付けられたモータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出される駆動電流と予め設定された制御値とを用いて、前記モータ制御装置に取り付けられたモータの回転子の回転速度を決定する第1決定手段と、
    前記第1決定手段によって決定された回転速度と前記モータの回転子の目標速度を表す指令速度との偏差が小さくなるように前記モータ制御装置に取り付けられた巻線に流れる駆動電流を制御する制御手段と、
    前記シートの搬送が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別する判別手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第1のモータが取り付けられている状態において前記シートの搬送が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転速度を決定する際に用いられる前記制御値に設定し、
    前記制御手段は、前記モータ制御装置に前記第2のモータが取り付けられている状態において前記シートの搬送が異常であることが前記異常判定手段によって判定された場合に前記判別手段によって判別された種類に対応する制御値を、前記第1決定手段が前記回転速度を決定する際に用いられる前記制御値に設定することを特徴とするシート搬送装置。
  12. 前記モータ制御装置は、前記回転子の回転位相を決定する第2決定手段を有し、
    前記制御手段は、前記偏差が小さくなるように、前記第2決定手段によって決定される回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて前記駆動電流を制御することを特徴とする請求項11に記載にシート搬送装置。
  13. 前記シート搬送装置は、前記シートの有無を検知するシートセンサを有し、
    前記異常判定手段は、前記シートセンサが前記シートを検知している状態が所定時間継続されると、前記シートの搬送が異常であると判定することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
  14. 前記シート搬送装置は、
    前記シートの有無を検知する第1シートセンサと、
    前記シートが搬送される搬送方向において、前記第1シートセンサよりも下流に設けられ、前記シートの有無を検知する第2シートセンサと、
    を有し、
    前記異常判定手段は、前記第1シートセンサが前記シートを検知してから所定時間が経過しても前記第2シートセンサが前記シートを検知しない場合は、前記シートの搬送が異常であると判定することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
  15. 前記シートの搬送が異常であることが前記異常判定手段によって判定されて前記シートの搬送が停止されると、前記制御手段は、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別する判別処理を実行し、
    前記判別手段は、前記判別処理において前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記モータ制御装置に取り付けられているモータの種類を判別することを特徴とする請求項9乃至14のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
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