JP6920224B2 - コーディエライト質セラミックスおよび望遠鏡用部材 - Google Patents

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本開示は、コーディエライト質セラミックスと、これを用いた望遠鏡用部材に関する。
近年、低膨張性を有するセラミック部材が種々の分野の機器に適用されている。このような低熱膨張性のセラミックスとして、近年、コーディエライト質セラミックスが注目されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016−204198号公報
本開示のコーディエライト質セラミックスは、コーディエライト結晶相を主結晶相とし、組成式をMgAlSiTiGe18+δと表したときに、a=1.95〜2.05、b=3.95〜4.05、c=3.4〜3.6、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8を満足するとともに、吸水率が1.2%以下である。
本開示の望遠鏡用部材は、上記のコーディエライト質セラミックスによって構成される。
コーディエライト質セラミックスの熱膨張の変化を示すグラフである。
本実施形態のコーディエライト質セラミックスは、コーディエライトを主結晶相とし、組成式をMgAlSiTiGe18+δと表したときに、a=1.95〜2.05、b=3.95〜4.05、c=3.4〜3.6、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8を満足するものである。この組成で吸水率が1.2%以下である場合に、高い剛性を有しつつ、0℃〜50℃の温度範囲における熱膨張率が3×10−7/℃以下を示すコーディエライト質セラミックスを得ることができる。
本開示によれば、広い温度幅においても熱膨張率の小さいコーディエライト質セラミックスを得ることができる。
ここで、コーディエライトを主結晶相とするとは、コーディエライト質セラミックス中にコーディエライトが80質量%以上含まれるものを言う。また、上記組成式MgAlSiTiGe18+δにおいて、酸素量を18+δと表したのは、Mg、Al、Si、TiおよびGeの各元素のモル量を表しているa、b、c、dおよびeの変化に対応して変化する酸素量を表したものである。δは正の場合もあり、負の場合もある。
図1は、コーディエライト質セラミックスの熱膨張の変化を示すグラフである。グラフの横軸は温度を表している。縦軸は25℃における長さを基準にしたときのコーディエライト質セラミックスの伸び率を表している。
曲線Aは、本実施形態のコーディエライト質セラミックスの熱膨張の変化を示すものである。組成はMgAlSi3.5Ti0.75Ge0.7518である。曲線Aは
後述する実施例のNo.3の試料に相当する。曲線Aのコーディエライト質セラミックスは、0℃〜50℃の温度範囲において、室温付近(15〜25℃)の温度領域に、伸び率が最低となる温度(以下、NPO温度という。)を有し、NPO温度から低温側および高温側に向かうにつれて伸び率が次第に大きくなる挙動を示している。言い換えると、曲線Aは、NPO温度よりも低い温度域において、温度上昇にともなって伸び率が次第に小さくなる負の傾き(符号N)を示している。一方、NPO温度よりも温度の高い温度域においては、温度上昇にともなって伸び率が次第に大きくなる正の傾き(符号P)を示すものとなっている。つまり、曲線Aのコーディエライト質セラミックスは、室温付近にNPO温度を有し、このNPO温度を境にして熱膨張曲線の傾きが正反対の向きとなる挙動を示すものである。以下、曲線Aの熱膨張の挙動を略称でU字型と呼ぶことにする。
ここで、熱膨張挙動が上述のU字型を示す場合も考慮した熱膨張率の指標である疑似熱膨張率について説明する。疑似熱膨張率は、対象の温度範囲の伸び率の最大値Lmaxと最小値Lminとの差(Lmax−Lmin)を対象の温度範囲で割った値である。なお、(平均)熱膨張率は、対象の温度範囲内の最高温度であるT2における伸び率LT2から、最低温度であるT1における伸び率LT1を引いた値を、対象の温度範囲で割った値である。
疑似熱膨張率は、対象の温度範囲内で伸び率が単調増加の場合は、熱膨張率と同じ値になり、単調減少の場合は、熱膨張率と正負が逆の値になる。また、疑似熱膨張率は、対象の温度範囲内で熱膨張の挙動が上述のU字型を示す場合には、U字型の底が深ければ、大きい値になり、U字型の底が浅ければ、小さい値になる。
曲線Aについて、疑似熱膨張率を求めてみる。曲線Aの0〜50℃における伸び率の最大値(L=0.075×10−4)と最小値(L=−0.01×10−4)との差(L−L)を温度範囲(50℃)で除すと、曲線Aの疑似熱膨張率は1.7×10−7/℃となる。この場合、NPO温度は18℃付近となる。
一方、曲線Bは組成がMgAlSi3.5Ti0.5Ge1.018のコーディエライト質セラミックスの場合である。曲線Bは後述する実施例のNo.19の試料に相当する。曲線Bは0℃から50℃に向かって伸び率が単調に減少するものとなっている。以下、曲線Bの熱膨張の挙動を略称で減少型と呼ぶことにする。
ここで、曲線Bについても疑似熱膨張率を求めると、曲線Bの0〜50℃における伸び率の最大値(L=0.17×10−4)と最小値(L=−0.07×10−4)との差(L−L)を温度範囲(50℃)で除すため、曲線Bの疑似熱膨張率は4.8×10−7/℃となる。
なお、図1には示していないが、曲線Bとは逆の挙動で、0℃から50℃に向かって伸び率が次第に大きくなる変化を示す熱膨張挙動については増加型と呼ぶことにする。
図1から分かるように、コーディエライト質セラミックスの熱膨張の挙動が0℃から50℃の温度範囲においてU字型となるものは、熱膨張の挙動が減少型および増加型であるものに比べて疑似熱膨張率を小さくすることが可能になる。
上述のように、コーディエライト質セラミックスはTiおよびGeのわずかな組成の変化によって熱膨張の挙動が減少型からU字型に変化する。これはコーディエライト(MgAlSi18)を基本組成としたときに、Tiを単独で含ませた場合には、熱膨張の挙動が増加型となり、一方、Geを単独で含ませた場合には減少型となることに起因している。こうして、コーディエライト質セラミックス中にTiとGeとを共存させて組
成を限定することにより熱膨張の挙動がU字型を示し、低熱膨張率のコーディエライト質セラミックスを得ることができる。
また、本実施形態のコーディエライト質セラミックスにおいては、コーディエライト(MgAlSi18)を基本組成としたときに、SiのサイトをTiおよびGeによって置換する組成とするのが良い。コーディエライト質セラミックスの組成をこのように調整することによりコーディエライト質セラミックス中に含まれるコーディエライトの割合を90質量%以上に高めることができる。この場合、置換するTiおよびGeのモル数を等量としたものがさらに良い。
また、本実施形態のコーディエライト質セラミックスの組成を限定すると、0℃〜50℃の温度範囲における熱膨張率をさらに小さくすることができる。例えば、組成式MgAlSiTiGe18(a=1.99〜2.01、b=3.99〜4.01、c=3.48〜3.52、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8)で表される組成にすると、コーディエライト質セラミックス中に含まれるコーディエライトの割合が94質量%以上、吸水率が1.02%以下となり、剛性をさらに高めることができるとともに、疑似熱膨張率が1.87×10−7/℃以下のコーディエライト質セラミックスを得ることができる。
この場合、コーディエライト質セラミックスとしては、熱膨張を測定したときに、伸び率の最低値(NPO温度)が16〜20℃であるのが良い。
また、コーディエライト質セラミックスについてX線回折を行ったときに、コーディエライト以外に同定可能な結晶相としては、チタン酸アルミニウムおよびチタン酸マグネシウムアルミニウムに止まっているのが良い。
本実施形態のコーディエライト質セラミックスは、剛性が高く、広い温度範囲で熱膨張率が小さいことから、環境の温度が変化しても、寸法変化が少ないことを要求される機器に対して好適なものとなる。例えば、天体望遠鏡等に用いられる高精度反射ミラー部材あるいは光学装置の固定部材を挙げることができる。この場合、光軸調整の高速化が可能になる。また、機器全体において制振性を高めることができる。また、機械的強度が高いことから長期信頼性にすぐれたものとなる。
次に、本実施形態のコーディエライト質セラミックスを具体的に作製し、特性の評価を行った。まず、Mg、Al、Si、TiおよびGeの各原料粉末として、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、アルミナ、二酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化ゲルマニウムの各粉末を準備した。
次に、これらの原料粉末を組成式MgAlSiTiGe18(a=1.95〜2.05、b=3.95〜4.05、c=3.4〜3.6、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8)となるように混合し、これに粘結剤(パラフィンワックス)を加えて造粒粉末を調製した。
次に、調製した造粒粉末からプレス成形により成形体を作製し、大気中にて焼成することによりコーディエライト質セラミックスの試料を作製した。焼成時、最高温度での保持時間は2時間とした。作製した各試料についてICP発光分光分析によって組成を求めたところ、いずれの試料も調合組成に一致した組成となっていた。
次に、作製した試料について以下の評価を行った。吸水率はアルキメデス法により測定
した。試料数は各試料3個とし平均値を求めた。結晶相の同定および結晶相の割合の測定はX線回折およびリートベルト法により行った。この測定は各試料1個とした。熱膨張は、25℃の寸法を基準にして、レーザー式熱膨張計(真空理工(株)製)を用いて、0℃から50℃の温度範囲で測定した。測定したデータから熱膨張の挙動のタイプを決定した。また、0℃から50℃において試料の伸び率が最低となる温度を決定した。なお、熱膨張挙動がU字型の試料では、この温度がNPO温度である。疑似熱膨張率は0℃から50℃において試料の伸び率が最大となる点(例えば、図1におけるL、L)と最低となる点(例えば、図1におけるL、L)との差(例えば、図1におけるL−L、L−L)を測定した範囲の温度(50℃)で除して求めた。試料数は各試料1個とした。各試料の熱膨張の挙動を評価し、U字型、減少型および増加型に分けて表1に示した。また、作製した各試料の剛性を、オートグラフを用いて評価した。作製した試料のうち、吸水率が1.2%以下であった試料は室温(25℃)下、ナノインデンタ法によって求めたヤング率がいずれも120GPa以上であり、高い剛性を有していた。
Figure 0006920224
表1の結果から明らかなように、組成式をMgAlSiTiGe18と表したときに、a=1.95〜2.05、b=3.95〜4.05、c=3.4〜3.6、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8を満足し、吸水率が1.2%以下であるコーディエライト質セラミックスの試料(試料No.2〜18)は、熱膨張の挙動がU字型であり、NPO温度が16〜20℃であり、疑似熱膨張率が2.43×10−7/℃以下であった。これらの試料に対してX線回折を行って結晶相の同定を行ったところ、いずれの試料もコーディエライト結晶相とともにチタン酸アルミニウムおよびチタン酸マグネシウムアルミニウムが含まれていることを確認した。
これらの試料の中で、組成式をMgAlSiTiGe18と表したときに、a=1.99〜2.01、b=3.99〜4.01、c=3.48〜3.52、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8を満足する試料(試料No.3、5〜10、15および16)は、コーディエライト質セラミックス中に含まれるコーディエライトの割合が9
4〜95質量%、吸水率が1.02%以下となり、剛性が高くなり、疑似熱膨張率が1.87×10−7/℃以下であった。
これに対し、コーディエライト質セラミックス中に、TiおよびGeを含ませなかった試料(試料No.1)、組成式をMgAlSiTiGe18と表したときに、a=1.95〜2.05、b=3.95〜4.05、c=3.4〜3.6、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8の組成から外れた試料(試料No.19)およびコーディエライト質セラミックスの組成が組成式MgAlSiTiGe18(a=1.95〜2.05、b=3.95〜4.05、c=3.4〜3.6、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8)を満たしていても、吸水率が1.2%を超えていた試料(試料No.20)は、いずれも疑似熱膨張率が4.37×10−7/℃以上であった。

Claims (5)

  1. コーディエライト結晶相を主結晶相とし、組成式をMgAlSiTiGe18+δと表したときに、a=1.95〜2.05、b=3.95〜4.05、c=3.4〜3.6、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8を満足するとともに、吸水率が1.2%以下である、コーディエライト質セラミックス。
  2. 前記組成式において、a=1.99〜2.01、b=3.99〜4.01、c=3.48〜3.52、d=0.7〜0.8、e=0.7〜0.8である、請求項1に記載のコーディエライト質セラミックス。
  3. 前記コーディエライト結晶相の割合が94〜95質量%、前記吸水率が1.02%以下である、請求項1または2に記載のコーディエライト質セラミックス。
  4. 0℃〜50℃の温度範囲における熱膨張の挙動が、低温側で負の傾きを示し、高温側で正の傾きを示す、請求項1乃至3のうちいずれかに記載のコーディエライト質セラミックス。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれかに記載のコーディエライト質セラミックスによって構成される、望遠鏡用部材。
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