JP6919844B1 - 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、印画物の製造方法、及び印画物 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、熱溶融転写型着色層を備える熱転写シートと、被転写体とを重ね合わせ、次いで、熱転写プリンタが備えるサーマルヘッドにより熱転写シートを加熱することで、着色層を被転写体上に転写して画像を形成し、印画物を製造する、熱溶融転写方式が知られている。
第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備える熱転写シート、並びに、第2基材と、転写層とを備える中間転写媒体の組合せを準備する工程と、
中間転写媒体が備える転写層上に、画像を形成する工程と、
中間転写媒体が備える転写層の一部と、熱転写シートが備えるピールオフ層の少なくとも一部とを加熱圧着した後、加熱圧着された部分の転写層を、中間転写媒体からピールオフする工程と、
中間転写媒体の転写層がピールオフされなかった領域、及び中間転写媒体の転写層がピールオフされた領域に、熱転写シートからヒートシール層を転写する工程と、
中間転写媒体の転写層がピールオフされなかった領域における、少なくとも一部に画像が形成された転写層及び転写されたヒートシール層と、中間転写媒体の転写層がピールオフされた領域における転写されたヒートシール層とを、被転写体上に転写する工程と
を含む。
第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備える熱転写シート、並びに、第2基材と、転写層とを備える中間転写媒体の組合せを用いて製造した印画物であって、ピールオフ層が、中間転写媒体における転写層の一部を除去するための層であり、
被転写体と、
被転写体上に設けられたヒートシール層と、
ヒートシール層上の一部に設けられた、画像が形成された転写層と、
を備える。
本開示の組合せは、熱転写シート10と、中間転写媒体20とを備える。
一実施形態において、熱転写シート10は、第1基材11とヒートシール層14との間に、離型層を備える(図示せず)。
一実施形態において、中間転写媒体20が備える転写層22は、図1(b)に示すように、剥離層23と受容層24との間に、保護層25を備える。
一実施形態において、ΔL* HSは、10以上60以下、好ましくは20以上50以下である。一実施形態において、ΔL* Tは、10以上60以下、好ましくは20以上50以下である。これらのΔL* HS及びΔL* Tの範囲から、ΔL* HSとΔL* Tとの差の絶対値が上記範囲内となるように、ΔL* HS及びΔL* Tが設定される。
一実施形態において、RHSは、5%以上80%以下、好ましくは10%以上70%以下である。一実施形態において、RTは、5%以上80%以下、好ましくは10%以上70%以下である。これらのRHS及びRTの範囲から、RHSとRTとの差の絶対値が上記範囲内となるように、RHS及びRTが設定される。
一実施形態において、RaHSは、0.5μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm以下である。一実施形態において、RaTは、0.5μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm以下である。これらのRaHS及びRaTの範囲から、RaHSとRaTとの差の絶対値が上記範囲内となるように、RaHS及びRaTが設定される。
熱転写シートは、第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備える。一実施形態において、熱転写シートは、第1基材の着色層等が設けられた面とは反対の面に、背面層を備える。一実施形態において、熱転写シートは、第1基材と着色層との間、及び第1基材とピールオフ層との間に、プライマー層を備える。一実施形態において、熱転写シートは、第1基材とヒートシール層との間に、離型層を備える。
第1基材は、熱転写時に加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、第1基材上に設けられる着色層等を支持できる機械的強度及び耐溶剤性を有するものであれば、特に制限なく使用できる。
上記樹脂の中でも、耐熱性及び機械的強度という観点から、PET及びPEN等のポリエステルが好ましく、PETが特に好ましい。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」との両方を包含することを意味する。「(メタ)アクリレート」とは「アクレート」と「メタクレート」との両方を包含することを意味する。
熱転写シートは、第1基材上に、着色層を備える。着色層は、図1に示すように、相互に面順次となるように複数設けられていてもよい。
着色層は、着色層に含まれる昇華性染料が転写される昇華転写型着色層であってもよく、着色層自体が転写される溶融転写型着色層であってもよい。熱転写シートは、昇華転写型着色層及び溶融転写型着色層を共に備えていてもよい。
着色層は、例えば、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して得られた塗工液を、公知の手段により、第1基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。公知の手段としては、例えば、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法が挙げられる。
ピールオフ層は、中間転写媒体が備える転写層を部分的にピールオフするための層である。
ピールオフ層は、上記添加材を1種又は2種以上含んでいてもよい。
ヒートシール層は、熱転写シートから中間転写媒体上へ転写される層である。ヒートシール層は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。
本開示において、平均粒子径は、体積平均粒子径を意味し、JIS Z 8819−2に準拠して測定する。
ヒートシール層の厚さは、0.3μm以上20μm以下が好ましく、0.5μm以上10μm以下がより好ましい。
一実施形態において、本開示の熱転写シートは、第1基材と着色層との間及び/又は第1基材とピールオフ層との間に、プライマー層を備える。これにより、これら層間の密着性を向上できる。
プライマー層は、例えば、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して得られた塗工液を、上記公知の手段により、第1基材上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
一実施形態において、本開示の熱転写シートは、第1基材とヒートシール層との間に離型層を備える。これにより、ヒートシール層の転写性を向上できる。離型層は、転写時に基材側に留まる。
離型層は、例えば、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して得られた塗工液を、上記公知の手段により、第1基材上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
一実施形態において、本開示の熱転写シートは、第1基材の着色層等が設けられた面とは反対の面に、背面層を備える。これにより、熱転写時の加熱によるスティッキング及びシワの発生を抑制できる。
背面層は、例えば、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して得られた塗工液を、上記公知の手段により、第1基材上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
中間転写媒体は、第2基材と、転写層とを備える。一実施形態において、転写層は、剥離層及び受容層を備える。一実施形態において、転写層は、剥離層と受容層との間に、保護層を備える。
第2基材としては、第1基材に使用できる材料を適宜選択して使用できる。
剥離層は、中間転写媒体から被転写体上へ転写される層であり、印画物の最表面に位置することとなる層である。
一実施形態において、剥離層は、上記パール顔料を1種又は2種以上含む。
一実施形態において、剥離層は、上記金属顔料を1種又は2種以上含む。
剥離層は、上記添加材を1種又は2種以上含むことができる。
剥離層は、例えば、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解して得られた塗工液を、上記公知の手段により、第2基材上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
一実施形態において、受容層は、樹脂材料を1種又は2種以上含む。樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂及びアイオノマー樹脂が挙げられる。
一実施形態において、受容層は、上記パール顔料を1種又は2種以上含む。
一実施形態において、受容層は、上記金属顔料を1種又は2種以上含む。
一実施形態において、受容層は、上記発泡粒子を1種又は2種以上含む。
受容層は、上記添加材を1種又は2種以上含むことができる。
一実施形態において、中間転写媒体が備える転写層は、剥離層と受容層との間に、保護層を備える。
一実施形態において、保護層は、(ヒートシール層)欄で説明した上記粒子を1種又は2種以上含む。
一実施形態において、保護層は、上記パール顔料を1種又は2種以上含む。
一実施形態において、保護層は、上記金属顔料を1種又は2種以上含む。
一実施形態において、保護層は、上記発泡粒子を1種又は2種以上含む。
保護層は、上記添加材を1種又は2種以上含むことができる。
以下、本開示の印画物の製造方法に含まれる工程を説明する。
本開示の印画物の製造方法は、第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備える熱転写シート、並びに、第2基材と、転写層とを備える中間転写媒体の組合せを準備する工程を含む(図2(a)参照)。
本開示の印画物の製造方法は、中間転写媒体が備える転写層上に、画像を形成する工程を含む(図2(b)参照)。画像形成には、上記熱転写シートを使用してもよく、異なる熱転写シートを使用してもよい。
本開示の印画物の製造方法は、中間転写媒体が備える転写層の一部と、熱転写シートが備えるピールオフ層の少なくとも一部とを加熱圧着した後、加熱圧着された部分の転写層を、中間転写媒体からピールオフする工程を含む(図2(c)参照)。
本開示の印画物の製造方法は、中間転写媒体の転写層がピールオフされなかった領域(以下「非除去領域」ともいう。)、及び中間転写媒体の転写層がピールオフされた領域(以下「除去領域」ともいう。)に、熱転写シートからヒートシール層を転写する工程(図2(d)参照)を含む。該転写は、市販される熱転写プリンタを用い、従来公知の方法により行うことができる。
本開示の印画物の製造方法は、中間転写媒体の非除去領域における、少なくとも一部に画像が形成された転写層及び転写されたヒートシール層と、中間転写媒体の除去領域における転写されたヒートシール層とを、被転写体上に転写する工程を含む(図2(e)参照)。該転写は、市販される熱転写プリンタを用い、従来公知の方法により行うことができる。
上記したように、中間転写媒体が備える転写層は、選択的にピールオフされており、本開示の印画物30(図3参照)は、中間転写媒体から転写層が転写された領域と、転写層が転写されていない領域とを有する。この転写層が転写された領域は、凸部となり、印画物に立体感を付与できる。
[1]熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、
熱転写シートが、第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備え、
中間転写媒体が、第2基材と、転写層とを備え、
ピールオフ層が、中間転写媒体における転写層の一部を除去するための層であり、
ヒートシール層と、転写層との45度鏡面光沢度差の絶対値が、20%以上である、
熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
[2]熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、
熱転写シートが、第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備え、
中間転写媒体が、第2基材と、転写層とを備え、
ピールオフ層が、中間転写媒体における転写層の一部を除去するための層であり、
ΔL* HSとΔL* Tとの差の絶対値が、5以上30以下である
[ΔL* HSは、ヒートシール層に入射角45度で光を入射したときの、光の入射角の正反射角に対する受光角110度及び15度におけるL*値の差の絶対値であり、
ΔL* Tは、転写層に入射角45度で光を入射したときの、光の入射角の正反射角に対する受光角110度及び15度におけるL*値の差の絶対値である。]、
熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
[3]ヒートシール層及び転写層から選択される少なくとも1つの層が、パール顔料を含有し、ヒートシール層におけるパール顔料の含有量と、転写層におけるパール顔料の含有量との差の絶対値が、10質量%以上である、上記[2]に記載の熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
[4]熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、
熱転写シートが、第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備え、
中間転写媒体が、第2基材と、転写層とを備え、
ピールオフ層が、中間転写媒体における転写層の一部を除去するための層であり、
RHSとRTとの差の絶対値が、20%以上50%以下である
[RHSは、入射角5度、測定波長範囲400nm以上700nm以下の条件でヒートシール層に光を入射したときの平均正反射率であり、
RTは、上記条件で転写層に光を入射したときの平均正反射率である。]、
熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
[5]ヒートシール層及び転写層から選択される少なくとも1つの層が、金属顔料を含有し、ヒートシール層における金属顔料の含有量と、転写層における金属顔料の含有量との差の絶対値が、10質量%以上である、上記[4]に記載の熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
[6]熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、
熱転写シートが、第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備え、
中間転写媒体が、第2基材と、転写層とを備え、
ピールオフ層が、中間転写媒体における転写層の一部を除去するための層であり、
ヒートシール層の表面粗さ(RaHS)と、転写層の表面粗さ(RaT)との差の絶対値が、0.5μm以上3.0μm以下である、
熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
[7]ヒートシール層及び転写層から選択される少なくとも1つの層が、発泡粒子を含有し、ヒートシール層における発泡粒子の含有量と、転写層における発泡粒子の含有量との差の絶対値が、10質量%以上である、上記[6]に記載の熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
[8]第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備える熱転写シート、並びに、第2基材と、転写層とを備える中間転写媒体の組合せを準備する工程と、
中間転写媒体が備える転写層上に、画像を形成する工程と、
中間転写媒体が備える転写層の一部と、熱転写シートが備えるピールオフ層の少なくとも一部とを加熱圧着した後、加熱圧着された部分の転写層を、中間転写媒体からピールオフする工程と、
中間転写媒体の転写層がピールオフされなかった領域、及び中間転写媒体の転写層がピールオフされた領域に、熱転写シートからヒートシール層を転写する工程と、
中間転写媒体の転写層がピールオフされなかった領域における、少なくとも一部に画像が形成された転写層及び転写されたヒートシール層と、中間転写媒体の転写層がピールオフされた領域における転写されたヒートシール層とを、被転写体上に転写する工程と
を含む、印画物の製造方法。
[9]熱転写シートと中間転写媒体との組合せが、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の熱転写シートと中間転写媒体との組合せである、上記[8]に記載の印画物の製造方法。
[10]第1基材と、第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備える熱転写シート、並びに、第2基材と、転写層とを備える中間転写媒体の組合せを用いて製造した印画物であって、ピールオフ層が、中間転写媒体における転写層の一部を除去するための層であり、
被転写体と、
被転写体上に設けられたヒートシール層と、
ヒートシール層上の一部に設けられた、画像が形成された転写層と、
を備える、印画物。
樹脂材料及び粒子の屈折率は、屈折率測定器((株)島津製作所製、KPR−30)により測定した。
45度鏡面光沢度は、JIS Z8741に記載の45度鏡面光沢度測定方法に準拠して、光沢度計(日本電色工業(株)製、VG 7000)を用いて測定した。
受光角110度及び15度のΔL*は、JIS−Z−8781−4(2013)に準拠し、変角測色計にて測定算出される、受光角110度のL*と、受光角15度のL*との差の絶対値を意味する。変角測色計として、GC−2000(日本電色工業(株))を使用した。入射光は、白色標準板に入射角45度で光を入射したときの、正反射角のL*が79以上81以下となるように設定している。白色標準板は、上記変角測色計(GC−2000 日本電色工業(株))に付属の純正標準板を使用した。波長はD65光源(視野角2°)である。
正反射率は、ヒートシール層及び転写層に対し、分光光度計(Solid Spec 3700DUV、(株)島津製作所)を用いて測定した。測定条件は、入射角5度において、波長400nm以上700nm以下の範囲で、1nm刻みで、正反射率(絶対反射率)を測定し、この波長範囲における平均正反射率を算出した。
表面粗さRaとは、算術平均粗さであり、JIS B 0601に準拠して、表面粗さ測定機能付きレーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:VK−X150)を用いて測定した。
[熱転写シートの作製]
第1基材として、厚さ6μmのPETフィルムを準備した。第1基材の一方の面に、下記組成のプライマー層形成用塗工液Aを塗布、乾燥し、厚さ0.15μmのプライマー層Aを形成した。次いで、プライマー層A上に下記組成の昇華転写型の着色層形成用塗工液A、B及びCを面順次に塗布、乾燥し、それぞれ厚さ0.7μmの昇華転写型着色層A〜Cを形成した。
・アルミナゾル 50質量部
(日産化学工業(株)製、アルミナゾル200、固形分10.5%)
・ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体 4質量部
(アイエスピー・ジャパン(株)製、PVP/VA E−335、固形分50%)
・イエロー昇華性染料 6質量部
・ポリビニルアセタール 4質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−6)
・メチルエチルケトン(MEK) 45質量部
・トルエン 45質量部
・マゼンタ昇華性染料 6質量部
・ポリビニルアセタール 4質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−6)
・MEK 45質量部
・トルエン 45質量部
・シアン昇華性染料 6質量部
・ポリビニルアセタール 4質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS−6)
・MEK 45質量部
・トルエン 45質量部
・カーボンブラック 50質量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 50質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL)
・MEK 200質量部
・トルエン 200質量部
・ポリエステル 10質量部
(モートンケミカル社製、Mor−Ester49000)
・ジメチルカーボネート 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)A)
・MEK 47.5質量部
・トルエン 47.5質量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL)
・MEK 40質量部
・トルエン 40質量部
・ポリビニルブチラール 2質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BX−1)
・ポリイソシアネート 9.2質量部
(DIC(株)製、バーノック(登録商標)D750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・タルク 0.3質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエース(登録商標)P−3)
・MEK 43.6質量部
・トルエン 43.6質量部
第2基材として、厚さ12μmのPETを準備した。第2基材の一方の面に、下記組成の剥離層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1.6μmの剥離層を形成した。
・(メタ)アクリル樹脂 95質量部
(三菱ケミカル(株)製、ダイヤナール(登録商標)BR−87)
・ポリエステル 5質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・メラミン樹脂粒子 50質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)M30)
・MEK 300質量部
・トルエン 300質量部
・ポリエステル 20質量部
(ユニチカ(株)製、エリーテル(登録商標)UE−9885)
・MEK 40質量部
・トルエン 40質量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL)
・エポキシ変性シリコーンオイル 5質量部
(信越化学工業(株)製、KP−1800U)
・MEK 200質量部
・トルエン 200質量部
上記熱転写シート、中間転写媒体及び熱転写プリンタを準備した。
中間転写媒体の受容層と熱転写シートの着色層とを重ね合わせ、下記熱転写プリンタが備えるサーマルヘッドにより背面層側から熱転写シートを加熱し、中間転写媒体が備える受容層上に、画像を形成した。
サーマルヘッド:京セラ(株)製、KEE−57−12GAN2−STA
発熱体平均抵抗値:3303Ω
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印画電圧:18.5V
1ライン周期:3msec.
印字開始温度:35℃
パルスDuty比:85%
剥離層形成用塗工液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、印画物を作製した。このようにして得られた印画物は、転写層が転写された領域は凸部であり、かつ該領域にはマット調の画像が形成されており、高い意匠性を有していることが確認できた。
得られた印画物における転写層及びヒートシール層の45度鏡面光沢度は、それぞれ、43.1%、85.0%であった。
・(メタ)アクリル樹脂 67質量部
(三菱ケミカル(株)製、ダイヤナール(登録商標)BR−113)
・(メタ)アクリル樹脂 28質量部
(三菱ケミカル(株)製、ダイヤナール(登録商標)BR−52)
・ポリエステル 5質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・メラミン樹脂粒子 50質量部
((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)M30)
・MEK 300質量部
・トルエン 300質量部
剥離層形成用塗工液におけるメラミン樹脂粒子を、(メタ)アクリル樹脂粒子((株)日本触媒製、エポスター(登録商標)MA1002)に変更した以外は、実施例1と同様にして、印画物を作製した。このようにして得られた印画物は、転写層が転写された領域は凸部であり、かつ該領域にはマット調の画像が形成されており、高い意匠性を有していることが確認できた。
得られた印画物における転写層及びヒートシール層の45度鏡面光沢度は、それぞれ、50.3%、85.0%であった。
剥離層形成用塗工液におけるメラミン樹脂粒子を、シリカ粒子((株)日本触媒製、シーホスター(登録商標)KE−P250)に変更した以外は、実施例1と同様にして、印画物を作製した。このようにして得られた印画物は、転写層が転写された領域は凸部であり、かつ該領域にはマット調の画像が形成されており、高い意匠性を有していることが確認できた。
得られた印画物における転写層及びヒートシール層の45度鏡面光沢度は、それぞれ、58.9%、85.0%であった。
剥離層形成用塗工液におけるメラミン樹脂粒子を、パール顔料(メルク社製、イリオジン(登録商標)111WNT)に変更した以外は、実施例1と同様にして、印画物を作製した。転写層のΔL* Tは37であり、ヒートシール層のΔL* HSは23であった。このようにして得られた印画物は、転写層が転写された領域は凸部であり、かつ該領域にはパール調の画像が形成されており、高い意匠性を有していることが確認できた。
剥離層形成用塗工液におけるメラミン樹脂粒子を、発泡粒子(松本油脂製薬(株)製、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)FN−100M)に変更すると共に、転写層の転写後に、被転写体を170℃に加熱した以外は、実施例1と同様にして、印画物を作製した。転写層の表面粗さ(RaT)は2.4μmであり、ヒートシール層の表面粗さ(RaHS)は1.1μmであった。このようにして得られた印画物は、転写層が転写された領域は凸部であり、かつ該領域には画像が形成されており、極めて高い立体感を有していることが確認できた。
熱転写シートの作製において使用したヒートシール層形成用塗工液を下記組成のものに変更すると共に、中間転写媒体の作製に使用した剥離層形成用塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、印画物を作製した。転写層の平均正反射率(RT)は25%であり、ヒートシール層の平均正反射率(RHS)は54%であった。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL)
・アルミニウム顔料 20質量部
・MEK 40質量部
・トルエン 40質量部
・(メタ)アクリル樹脂 95質量部
(三菱ケミカル(株)製、ダイヤナール(登録商標)BR−87)
・ポリエステル 5質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・MEK 300質量部
・トルエン 300質量部
剥離層形成用塗工液にメラミン樹脂粒子を含有させなかった以外は、実施例1と同様にして、印画物を作製した。このようにして得られた印画物は、転写層が転写された領域は凸部であり、かつ該領域には画像が形成されていたが、凸部と、その他の部分とのコントラストが小さかった。
剥離層形成用塗工液におけるメラミン樹脂粒子を、フッ素樹脂粒子(旭硝子(株)製、フルオンPFA)に変更した以外は、実施例1と同様にして、印画物を作製した。このようにして得られた印画物は、転写層が転写された領域は凸部であり、かつ該領域には画像が形成されていたが、凸部と、その他の部分とのコントラストが小さかった。
印画物の製造において、熱転写シートからのヒートシール層の転写を行わなかった以外は、実施例8と同様にして、印画物を作製した。しかしながら、ピールオフされた領域の近傍の転写層の被転写体への転写が不安定になり、転写不良が生じた。これに対して、実施例1〜9では、転写不良は生じなかった。
11:第1基材
12:着色層
13:ピールオフ層
14:ヒートシール層
15:背面層
20:中間転写媒体
21:第2基材
22:転写層
23:剥離層
24:受容層
25:保護層
30:印画物
Claims (10)
- 熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、
前記熱転写シートが、第1基材と、前記第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備え、
前記中間転写媒体が、第2基材と、転写層とを備え、
前記ピールオフ層が、前記中間転写媒体における前記転写層の一部を除去するための層であり、
前記ヒートシール層が、前記中間転写媒体の前記転写層が除去されなかった領域、及び前記中間転写媒体の前記転写層が除去された領域に転写される層であり、
前記ヒートシール層と、前記転写層との45度鏡面光沢度差の絶対値が、20%以上である、
熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。 - 熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、
前記熱転写シートが、第1基材と、前記第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備え、
前記中間転写媒体が、第2基材と、転写層とを備え、
前記ピールオフ層が、前記中間転写媒体における前記転写層の一部を除去するための層であり、
前記ヒートシール層が、前記中間転写媒体の前記転写層が除去されなかった領域、及び前記中間転写媒体の前記転写層が除去された領域に転写される層であり、
ΔL* HSとΔL* Tとの差の絶対値が、5以上30以下である
[ΔL* HSは、前記ヒートシール層に入射角45度で光を入射したときの、前記光の入射角の正反射角に対する受光角110度及び15度におけるL*値の差の絶対値であり、
ΔL* Tは、前記転写層に入射角45度で光を入射したときの、前記光の入射角の正反射角に対する受光角110度及び15度におけるL*値の差の絶対値である。]、
熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。 - 前記ヒートシール層及び前記転写層から選択される少なくとも1つの層が、パール顔料を含有し、前記ヒートシール層におけるパール顔料の含有量と、前記転写層におけるパール顔料の含有量との差の絶対値が、10質量%以上である、請求項2に記載の熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
- 熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、
前記熱転写シートが、第1基材と、前記第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備え、
前記中間転写媒体が、第2基材と、転写層とを備え、
前記ピールオフ層が、前記中間転写媒体における前記転写層の一部を除去するための層であり、
前記ヒートシール層が、前記中間転写媒体の前記転写層が除去されなかった領域、及び前記中間転写媒体の前記転写層が除去された領域に転写される層であり、
RHSとRTとの差の絶対値が、20%以上50%以下である
[RHSは、入射角5度、測定波長範囲400nm以上700nm以下の条件で前記ヒートシール層に光を入射したときの平均正反射率であり、
RTは、前記条件で前記転写層に光を入射したときの平均正反射率である。]、
熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。 - 前記ヒートシール層及び前記転写層から選択される少なくとも1つの層が、金属顔料を含有し、前記ヒートシール層における金属顔料の含有量と、前記転写層における金属顔料の含有量との差の絶対値が、10質量%以上である、請求項4に記載の熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
- 熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、
前記熱転写シートが、第1基材と、前記第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備え、
前記中間転写媒体が、第2基材と、転写層とを備え、
前記ピールオフ層が、前記中間転写媒体における前記転写層の一部を除去するための層であり、
前記ヒートシール層の表面粗さ(RaHS)と、前記転写層の表面粗さ(RaT)との差の絶対値が、0.5μm以上3.0μm以下である、
熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。 - 前記ヒートシール層及び前記転写層から選択される少なくとも1つの層が、発泡粒子を含有し、前記ヒートシール層における発泡粒子の含有量と、前記転写層における発泡粒子の含有量との差の絶対値が、10質量%以上である、請求項6に記載の熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。
- 第1基材と、前記第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備える熱転写シート、並びに、第2基材と、転写層とを備える中間転写媒体の組合せを準備する工程と、
前記中間転写媒体が備える前記転写層上に、画像を形成する工程と、
前記中間転写媒体が備える前記転写層の一部と、前記熱転写シートが備える前記ピールオフ層の少なくとも一部とを加熱圧着した後、加熱圧着された部分の転写層を、前記中間転写媒体からピールオフする工程と、
前記中間転写媒体の転写層がピールオフされなかった領域、及び前記中間転写媒体の転写層がピールオフされた領域に、前記熱転写シートから前記ヒートシール層を転写する工程と、
前記中間転写媒体の転写層がピールオフされなかった領域における、少なくとも一部に画像が形成された前記転写層及び転写された前記ヒートシール層と、前記中間転写媒体の転写層がピールオフされた領域における転写された前記ヒートシール層とを、被転写体上に転写する工程と
を含む、印画物の製造方法。 - 熱転写シートと中間転写媒体との前記組合せが、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱転写シートと中間転写媒体との組合せである、請求項8に記載の印画物の製造方法。
- 第1基材と、前記第1基材上に設けられた、着色層、ピールオフ層及びヒートシール層とを備える熱転写シート、並びに、第2基材と、転写層とを備える中間転写媒体の組合せを用いて製造した印画物であって、前記ピールオフ層が、前記中間転写媒体における前記転写層の一部を除去するための層であり、
被転写体と、
前記被転写体上に設けられた前記ヒートシール層と、
前記ヒートシール層上の一部に設けられた、画像が形成された前記転写層と、
を備える、印画物。
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