JP6918525B2 - 眼科診療情報処理システム及び眼科診療情報処理方法 - Google Patents
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Description
即ち、表示された各検査画像に係る各画像データの夫々の取得時点の間において病変が急激に成長したような場合には、その病変の変化の過程を確実に表示することは不可能であった。
本実施形態に係る眼科診療情報処理システムは、たとえば、単一のコンピュータ、互いに通信可能な複数のコンピュータ、医療機関内に構築された情報システム、医療機関外に構築された情報システム、または、これらのうちの2以上の組み合わせにより実現される。また、実施形態に係る眼科情報処理方法は、たとえば、これらのうちいずれかの形態を有する眼科診療情報処理システムにより実現される。
眼科診療情報処理システム100は、テンプレート格納部10と、検査データ格納部20と、情報受付部30と、テンプレート取得部40と、検査データ取得部50と、レポート作成部60と、表示制御部70と、表示部80と、解析部90とを備えている。なお、表示手段は眼科診療情報処理システムの外部に設置されていてもよい。
テンプレート格納部10は、診療種別ごとのレポートテンプレートを格納する。診療種別とは、診療行為(医療行為)の種別を表し、特に眼科における診療行為の種別を表す。
診療種別は、疾患の種別であってもよい。また、診療種別は、階層的に構成されてもよい。
たとえば、単一の疾患種別に対して複数の診療種別を設けることや、単一の診療形態に対して複数の疾患種別を設けることが可能である。診療種別は予め設定される。また、診療種別の追加や削除や編集を行うことも可能である。診療種別の例として、「加齢黄斑変性症(の経過観察)」、「緑内障(の経過観察)」、「手術」および「投薬」などがある。
たとえば、診療種別「加齢黄斑変性症」に関連付けられたレポートテンプレートと、「緑内障(の経過観察)」に関連付けられたレポートテンプレートと、「手術」に関連付けられたレポートテンプレートと、「投薬」に関連付けられたレポートテンプレートとが少なくとも格納される。
検査データ格納部20は、過去に取得された検査データを患者ごとに格納する。検査データ格納部20には、たとえば、患者ごとの記憶領域(ファイル)が設けられている。各ファイルは、予め設定された患者識別子によって識別される。また、各検査データには、その種別(検査種別)を表す識別子が付されている。典型的な例として、視力検査により取得された視力値には識別子「視力値」が付され、OCTにより取得された画像データには識別子「OCT画像」が付され、この画像データを所定の解析処理を施して得られたデータには「OCT(解析種別)」が付される。
情報受付部30は、次の情報を受け付ける:(1)患者に対して新たに実施された診療行為の種別(新規診療種別);(2)当該診療行為により取得された1以上の検査データ(新規検査データ);(3)当該患者に付与された患者識別子。
さらに、コンピュータ端末には、検査装置から直接に新規検査データが入力される。或いは、検査装置により取得された新規検査データは、他の装置や記録媒体を介してコンピュータ端末に入力される。他の装置としては、たとえば、電子カルテシステムや医療用画像管理システム(PACS)などがある。
テンプレート取得部40は、情報受付部30により受け付けられた新規診療種別に対応するレポートテンプレートをテンプレート格納部10から取得する。上記のように、テンプレート格納部10には、診療種別ごとのレポートテンプレートが格納されている。すなわち、各診療種別に対してレポートテンプレートが関連付けられている。テンプレート取得部40は、情報受付部30から入力された新規診療種別に関連付けられたレポートテンプレートをテンプレート格納部10から選択的に読み出す。
検査データ取得部50は、情報受付部30により受け付けられた患者識別子に基づいて、検査データ格納部20から過去の検査データを取得する。このとき、新規検査データを参照してもよい。また、異なる種別の疾患の診療が並行して行われている患者が対象である場合などには、新規診療種別を参照してもよい。
検査データ取得部50は、まず、情報受付部30から入力された患者識別子に関連付けられたファイルを特定する。さらに、検査データ取得部50は、特定されたファイルに格納されている検査データのうち、情報受付部30から入力された新規検査データに関連する検査データを読み出す。この処理は、たとえば、新規検査データの種別(検査種別)を特定する処理と、特定された検査種別と同種の検査データを検索する処理と、それにより検索された検査データを読み出す処理とを含む。
本実施の形態に係る眼科診療情報処理システム100は解析部90を備えている。解析部90は、たとえば、各種の解析アプリケーションが搭載された1以上のコンピュータを含んで構成される。
解析アプリケーションは、眼科診療において使用される任意の解析処理を実行するためのソフトウェアである。解析アプリケーションの典型例として、OCTデータを解析して評価値やデータ分布を生成するアプリケーション、眼底画像を解析して評価値やデータ分布を生成するアプリケーション、評価値やデータ分布の時系列変化を解析してトレンドや診療支援情報を生成するアプリケーションなどがある。
他の例として、レポート作成部60は、診療種別と解析処理の種別とが関連付けられたテーブル情報を予め記憶しており、新規診療種別に関連付けられた解析処理の種別をこのテーブル情報から特定し、特定された解析処理の種別を表す情報と、この解析処理に供される検査データとを解析部90に送る場合もある。
図1に示すように、レポート作成部60は、テンプレート取得部40により取得されたレポートテンプレートと、検査データ取得部50により取得された検査データと、情報受付部30により受け付けられた新規検査データ及び解析部90からの解析結果とに基づいて、この患者の検査レポートを作成する。レポートテンプレートには、情報の種別ごとに領域が設定されている。
図1に示すように、表示部80は、眼科診療情報処理システム1の内部または外部に設けられた表示デバイスを含む。表示制御部70は、表示部80に情報を表示させる。特に、表示制御部70は、レポート作成部60により作成された検査レポートを表示部80に表示させる。
所定の患者に関する緑内障の経過観察のための検査が実施される。今回の検査では、眼圧計による眼圧測定と、OCTによる網膜厚測定と、眼底カメラによる眼底撮影が実施されたとする。これらにより取得された検査データ(新規検査データ:眼圧値、網膜厚および眼底画像)は、別途に入力された患者識別子(および新規診療種別)とともに管理される。
検査の終了後または医師による診察時に、ステップS1で患者識別子、新規検査種別および新規検査データが、患者識別子および新規検査種別とともに、情報受付部30からテンプレート取得部40と検査データ取得部50とレポート作成部60とに送られる。ここで、情報受付部30からレポート作成部60に直接にデータを送信する代わりに、テンプレート取得部40や検査データ取得部50を経由してレポート作成部60にデータを送信するように構成してもよい。
テンプレート取得部40は、ステップS2において入力された新規診療種別に対応するレポートテンプレートをテンプレート格納部10から取得する。この処理において、テンプレート取得部40は、入力された新規診療種別に対応するレポートテンプレートを、適宜のレポートテンプレートリストを参照することにより特定し、特定されたレポートテンプレートをテンプレート格納部10から読み出す。レポートテンプレートリストは、テンプレート格納部10またはテンプレート取得部40に予め格納されている。
検査データ取得部50は、ステップS2において入力された患者識別子に基づいて、検査データ格納部20から過去の検査データを取得する。この処理において、検査データ取得部50は、入力された患者識別子が記録されているファイルを検索し、検索されたファイルに格納されている検査データの一部または全部み出す。取得された過去の検査データは、たとえば、患者識別子とともにレポート作成部60に送られる。
その後、本実施の形態にあっては、ユーザーが情報受付部30に対して解析処理を行う旨の指示を入力した場合には、当該指示入力に基づき、情報受付部30はレポート作成部60を介して解析部90へ検査データの解析処理の指示を出し、この指示に基づき解析部90は検査データの解析を行う。
次に、解析部90は、病変発生時点の検査データと当該病変の最新の検査データとの間の病変の数値的変化量である網膜の網膜厚寸法の差又は病変の面積の差を検出し、当該差分を等分して、ベース画像に対応する検査データと最新画像に対応する検査データとの間で、病変の変化量が均等となるような数値を算出し、当該数値データに対応又は近似する検査画像を2つ選択して2つの検査画像を特定する(ステップS5−3)。
レポート作成部60は、ステップS3で取得されたレポートテンプレートと、ステップS4で取得された過去の検査データと、ステップS2で入力された新規検査データと、ステップS5において取得された解析結果に基づいて、当該患者の検査レポートを作成する。
表示制御部70は、ステップS5で作成された検査レポートを表示部80に表示させ、医師は、表示された検査レポートを参照して今回の診察を行う。本実施の形態にあっては、前記のように、病変の発生時の検査画像と最新の検査画像、及びその間の病変の量的変化を均等に示す検査画像が、単一のレポートテンプレートにより同一の表示画面上に経時的順序に従って表示される。
その結果、眼科医等のユーザーは、表示部において、経時的順序に従って、病変の発生時の検査画像から最新の検査画像、及びその間の病変の量的変化を均等に示す検査画像を同一の表示画面上において一目して視認することができる。
なお、検査レポートにサムネイルが提示されている場合、このサムネイルが指定されると(たとえばクリックされると)、表示制御部70は、指定されたサムネイルの元の画像(眼底画像、視野分布画像等)を付帯情報から読み出して表示部80に表示させる。
20 検査データ格納部
30 情報受付部
40 テンプレート取得部
50 検査データ取得部
60 レポート作成部
70 表示制御部
80 表示部
90 解析部
100 眼科診療情報処理システム
110 断層画像
120 眼底画像
151 画像表示エリア
152 オーバーレイコントロール
153 データ変更ボタン
154 レジストレーション
155 傾向解析結果グラフ
156 RNFL Thicknessグラフ
160 ベース画像
161 経過画像
162 経過画像
163 最新画像
A、E ベース画像
B、F 経過検査画像
C、G 経過検査画像
D、H 最新画像
X 病変
Claims (8)
- 診療種別ごとのレポートテンプレートを格納するテンプレート格納部と、
過去に取得された検査データを患者ごとに格納する検査データ格納部と、
患者に対して新たに実施された診療行為の種別を表す新規診療種別と、当該診療行為により取得された新規検査データと、当該患者に付与された患者識別子とを受け付ける情報受付部と、
前記情報受付部により受け付けられた前記新規診療種別に対応するレポートテンプレートを前記テンプレート格納部から取得するテンプレート取得部と、
前記情報受付部により受け付けられた前記患者識別子に基づいて、前記検査データ格納部から過去の検査データを取得する検査データ取得部と、
前記検査データ取得部により取得された前記検査データ及び前記情報受付部により受け付けられた前記新規検査データを解析する解析部と、
前記テンプレート取得部により取得された前記レポートテンプレートと、前記検査データ取得部により取得された前記検査データ、前記情報受付部により受け付けられた前記新規検査データ及び前記解析部による解析結果に基づいて、当該患者の検査レポートを作成するレポート作成部と、
前記レポート作成部により作成された前記検査レポートを表示手段に表示させる表示制御部とを備え、
前記解析部は、前記検査データを解析して病変発生時の検査データと前記病変の最新の検査データとを抽出してその間の病変の数値的変化量を求め、前記数値的変化量を等分割して、対応する病変発生画像、最新画像及び、病変発生画像と最新画像との間において病変の経過を示す複数の経過検査画像を抽出し、
前記レポート作成部は前記解析部により抽出された病変発生時画像、最新画像及び、前記経過検査画像を経時的に前記表示制御部を介して表示させることを特徴とする眼科診療情報処理システム。 - 前記検査データは網膜の厚さ寸法データであると共に、
前記検査画像は網膜の断層画像であることを特徴とする請求項1に記載の眼科診療情報処理システム。 - 前記検査データは眼底画像上に表示された病変の面積データであると共に、前記検査画像は眼底画像であることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科診療情報処理システム。
- 前記検査データは網膜の断層画像に表示された網膜の厚さ寸法データであると共に、前記検査画像は、網膜の断層画像と、前記断層画像に基づき眼底断面を構成する各層に分割して抽出し、各層を斜視方向から平面的に示す複数層マップ表示画像とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼科診療情報処理システム。
- 前記レポート作成部は、前記病変の数値的データ及び前記検査画像が取得された日時データを含めて表示制御部を介して表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼科診療情報処理システム。
- 前記検査画像は、表示画面上において横方向に4つ経時的順序で連続して表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼科診療情報システム。
- 前記検査データはOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)により取得されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼科診療情報処理システム。
- 眼科診療において取得された情報を、一又は互いに通信可能に接続された複数のコンピュータを有するシステムにより処理する方法であって、
前記システムが、
診療種別ごとのレポートテンプレートを格納し、
過去に取得された検査データを患者ごとに格納し、
患者に対して新たに実施された診療行為の種別を表す新規診療種別と、当該診療行為により取得された新規検査データと、当該患者に付与された患者識別子とを受け付け、
受け付けられた前記新規診療種別に対応するレポートテンプレートを、格納されたレポートテンプレートのうちから取得し、
受け付けられた前記患者識別子に基づいて、格納された検査データのうちから過去の検査データを取得し、
取得された前記検査データの少なくとも一部と、受け付けられた前記新規検査データの少なくとも一部とを解析し、
取得された前記レポートテンプレートと、取得された前記検査データ、受けつけ付けられた前記新規検査データ及び取得された解析結果に基づいて、当該患者の検査レポートを作成し、
作成された前記検査レポートを表示するとともに、
前記検査データを解析して病変発生時の検査データと前記病変の最新の検査データとを抽出してその間の病変の数値的変化量を求め、前記数値的変化量を等分割して、対応又は近似する病変発生画像、最新画像及び、病変発生画像と最新画像との間において経過を示す複数の経過検査画像を抽出し、
解析抽出された病変発生時画像、最新画像及び、前記経過検査画像を経時的順序で表示させることを特徴とする眼科診療情報処理方法。
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