JP6916094B2 - インクジェットインク - Google Patents

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Description

本発明は、とくに医薬品等として服用される、錠剤などの固形の製剤の表面に、直接に、たとえば、識別のための文字や記号等を印字するのに適したインクジェットインクに関するものである。
医薬品等として服用される錠剤、カプセル剤その他、固形の製剤の表面に、直接に、インクジェットインクを用いて印字をする技術が普及しつつある。
固形の製剤の表面に印字をするためのインクジェットインクとしては、通常、食用色素等の着色剤と、溶剤としての水とを含む水性のインクジェットインクが用いられる。
また、溶剤として、水とともにアルコール等の水溶性有機溶剤を併用すると、インクジェットインクに速乾性を付与して、印字後の加熱等を省略することができる。
また、水性のインクジェットインクに結着剤を配合すると、とくにヒドロキシプロピルセルロース等でコートされたFC(フィルムコーティング)錠の表面や、水溶性のプラスチック等からなるカプセル剤の表面等に対する印字の定着性を向上することができる。
結着剤としては、たとえば、デキストリン等の、食品用等として使用可能な多糖類が用いられる(特許文献1、2)。
特表2006−523751号公報 特開2011−236279号公報
ところが、発明者の検討によると、特許文献1、2に記載のインクジェットインクは、下記のような様々な課題を生じる場合がある。
すなわち、上記インクジェットインクは安定性が不十分で、たとえば、貯蔵時に析出を生じたり、インクジェットプリンタのノズルで目詰まり等して、印字にかすれ等を生じたりしやすい場合がある。
また、上記インクジェットインクは、結着剤を配合しているにも拘らず、FC錠の表面やカプセル剤の表面などの、セミポーラスないしノンポーラスの表面に対する印字の定着性が十分に得られない場合もある。
また、上記インクジェットインクは、印字のデキャップタイムに、インクジェットプリンタのノズルで目詰まり等して、印字の再開時にかすれ等を生じやすい場合もある。
デキャップタイムとは、オンデマンド型のインクジェットプリンタに複数設けられたノズルのうち、間欠印字時に、印字パターンに応じてインク滴が吐出されない待機状態とされたノズル内のインクジェットインクが、外気にさらされている時間を指す。
インクジェットプリンタには、通常、その運転停止時に、ノズル内のインクジェットインクが外気にさらされることで乾燥して、目詰まり等を生じたりしないようにするために、ノズルを閉じる(キャップする)機能が付与されているのが一般的である。
しかし、印字時にはキャップは解除されているため、とくに、間欠印字時に待機状態となるノズルは、次にインク滴が吐出されるまでの間、ノズルが閉じられていない状態(デキャップの状態)が続く。そして、その間、ノズル内のインクジェットインクは外気にさらされ続けることになるため、上記時間、つまりデキャップタイムが長いほど、ノズルの目詰まり等を生じやすくなる傾向がある。
デキャップタイムにノズルの目詰まり等を生じにくい特性を、以下では「間欠印字性」の良否として評価することとする。目詰まり等を生じないデキャップタイムが長ければ長いほど、インクジェットインクは、間欠印字性が良好であると評価することができる。
本発明の目的は、従来のインクジェットインクのような様々な課題を生じることなしに、とくに、固形の製剤の表面等に良好な印字をすることができるインクジェットインクを提供することにある。
本発明は、着色剤、結着剤、水溶性有機溶剤、および水を含み、前記結着剤は、デキストロース当量(DE値)が10以上、37以下のデキストリンを少なくとも含み、前記水溶性有機溶剤は、炭素数1〜4のアルコールを少なくとも含むインクジェットインクである。
本発明によれば、従来のインクジェットインクのような様々な課題を生じることなしに、とくに、固形の製剤の表面等に良好な印字をすることができるインクジェットインクを提供することができる。
上述したように、本発明は、着色剤、結着剤、水溶性有機溶剤、および水を含み、前記結着剤は、DE値が10以上、37以下のデキストリンを少なくとも含み、前記水溶性有機溶剤は、炭素数1〜4のアルコールを少なくとも含むインクジェットインクである。
発明者の検討によると、特許文献1、2等の、従来のインクジェットインクにおいて様々な課題が発生するのは、とくに、結着剤として用いるデキストリンの、DE値によって規定される特性、具体的には、分子量や水に対する溶解性などが不適切であるためである。
すなわち、DE値が10未満であるデキストリンは、水に対する溶解性が弱すぎるため、インクジェットインクの安定性が低下する。そして、デキストリンその他の、インクジェットインク中に含まれる成分が、たとえば、貯蔵時に析出したり、インクジェットプリンタのノズルで目詰まり等して、印字にかすれ等を生じたりしやすくなる。また、デキャップタイムにもノズルの目詰まり等を生じやすいため、間欠印字性も低下する。とくに、インクジェットインクが、デキストリンの貧溶剤であるアルコール等を含む場合に、この傾向が顕著である。
一方、DE値が37を超えるデキストリンは、水に対する溶解性が強すぎるため、却って、間欠印字性が低下する。
すなわち、インク滴が吐出されない待機時に、インクジェットプリンタのノズル内では、インクジェットインクと外気との気液界面にメニスカスが形成されて、インクジェットインクは静止状態とされる。
デキストリンは、待機状態に入り、ノズル内のインクジェットインクが静止してメニスカスが形成されると、形成されたメニスカスの液面に析出してごく薄い膜を形成する。これにより、インクジェットインクの乾燥が抑制されるため、膜の内側のインクジェットインクは、待機状態の間、吐出可能な低粘度の状態に維持されて、間欠印字性の向上が期待される。
しかし、間欠印字性を向上するためには、メニスカスの液面に形成されたデキストリンの膜が、次の吐出時にインク滴の吐出を妨げないために、ノズル内のインクジェットインクに加わる吐出圧力によって、簡単に破られる必要がある。
ところが、水に対する溶解性が強すぎるデキストリンは、水や、水とアルコールとの混合溶剤中から析出して膜を形成する際の造膜性が強いため、メニスカスの液面に、連続した、破れにくい強い膜を形成してしまう。そのため、メニスカスの液面に形成された膜が、待機状態の終了直後の吐出時に、全く破られなかったり、破られたとしても破片が残ったりしやすく、結果として、所定体積のインク滴を吐出できなくなって、間欠印字性が低下する場合がある。
また、DE値が37を超えるデキストリンは、分子量が小さく、結着剤としての機能が低いため、とくに、セミポーラスないしノンポーラスの表面に対する印字の定着性が十分に得られない場合もある。
これに対し、本発明で用いている、DE値が10以上、37以下であるデキストリン(以下「特定デキストリン」と記載する場合がある。)は、結着剤として適した分子量を有している。そのため、炭素数1〜4のアルコールが配合されて、インクジェットインクに速乾性が付与されていることと相まって、セミポーラスないしノンポーラスの表面等に対しても、定着性に優れた印字をすることができる。
また、水は特定デキストリンの良溶剤であり、一方、本発明において水と組み合わせている炭素数1〜4のアルコールは、上記特定デキストリンの貧溶剤である。そのため、特定デキストリンは、水と、炭素数1〜4のアルコールとの混合溶剤に対して、強すぎない適度の溶解性を有しており、最初から溶解性に余裕を持たせない状態で、インクジェットインク中に溶解している。
この状態で、ノズルが待機状態に入り、ノズル内のインクジェットインクが静止してメニスカスが形成されると、前述したように、形成されたメニスカスの液面に、特定デキストリンが析出してごく薄い膜を形成する。これにより、インクジェットインクの乾燥が抑制され、膜の内側のインクジェットインクが、待機状態の間、吐出可能な低粘度の状態に維持される。
しかも、特定デキストリンは、それ自体の持つ、水に対して強すぎない溶解性と、貧溶剤である、炭素数1〜4のアルコールの影響によって、混合溶剤中から析出する際の造膜性が適度に抑制された状態とされる。そのため、メニスカスの液面に形成される膜は、次の吐出時に、ノズル内のインクジェットインクに加わる吐出圧力によって簡単に破られる、連続性の低い硬脆い膜となる。したがって、待機状態の終了直後から、所定体積のインク滴を吐出させることができ、間欠印字性を向上することができる。
その上、上述したように、特定デキストリンは、混合溶剤に対して、低すぎない適度の溶解性を有するため、貯蔵時に析出したり、インクジェットプリンタのノズルで目詰まり等して、印字にかすれ等を生じたりすることもない。
したがって、本発明によれば、従来のインクジェットインクのような様々な課題を生じることなしに、とくに、固形の製剤の表面等に良好な印字をすることができるインクジェットインクを提供できる。
〈結着剤〉
結着剤としては、少なくとも特定デキストリンを用いる。
特定デキストリンとしては、デンプンを加水分解して生成される広義のデキストリンのうち、加水分解による低分子量化の指標としてのDE値(デキストロース当量)が10以上、37以下である種々のデキストリンを用いることができる。具体的には、DE値によって分類される狭義のデキストリン(DE≦10)、マルトデキストリン(10<DE<20)、および粉あめ(DE≧20)等の中から、DE値が10以上、37の範囲にあるデキストリンの1種または2種以上を選択して、特定デキストリンとして用いることができる。
特定デキストリンのDE値が上記の範囲に限定される理由は、先に説明したとおりである。
特定デキストリンの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、昭和産業(株)製のM−SPD(登録商標、DE値:18〜22)、K−SPD(登録商標、DE値:25〜29)、三和澱粉工業(株)製のサンデック(登録商標)#70(DE値:10〜11)、#100(DE値:13〜16)、日澱化学(株)製のアミコール(登録商標)3−L(DE値:28〜35)等の1種または2種以上を用いることができる。
なお、前述した効果をより一層向上することを考慮すると、特定デキストリンのDE値は、上記の範囲でも13以上、とくに18以上であるのが好ましく、30以下であるのが好ましい。
特定デキストリンの含有量は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、とくに0.3質量%以上であるのが好ましく、1質量%以下、とくに0.7質量%以下であるのが好ましい。
特定デキストリンの含有量がこの範囲未満では、前述した、メニスカスの液面に膜を形成して間欠印字性を向上する効果や、セミポーラスないしノンポーラスの表面等に対する印字の定着性を向上する効果が十分に得られない場合がある。
一方、含有量が上記の範囲を超える場合には、特定デキストリンその他の、インクジェットインク中に含まれる成分が、たとえば、貯蔵時に析出したり、インクジェットプリンタのノズルで目詰まり等して、印字にかすれ等を生じたりしやくなる場合がある。また、デキャップタイムにもノズルの目詰まり等を生じやすくなって、間欠印字性が低下する場合もある。
これに対し、特定デキストリンの含有量を上記の範囲とすることにより、上述した種々の課題を生じることなしに、とくに、固形の製剤の表面等に良好な印字をすることが可能となる。
なお、結着剤としては、特定デキストリンに加えて、他の結着剤を併用することもできる。他の結着剤としては、たとえば、DE値が上記の範囲外であるデキストリンや、デンプン、セルロース、ペクチン、カラギーナン等の多糖類、マルトース、スクロース、トレハロース等の二糖類、マンニトール、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、あるいはマルトトリオースを主成分とする直鎖オリゴ糖であるオリゴトースなどの1種または2種以上が挙げられる。
ただし、前述した本発明の効果をより一層向上することを考慮すると、結着剤としては、特定デキストリンのみ(2種以上の特定デキストリンを併用する場合を含む)を用いるのが好ましい。
〈着色剤〉
着色剤としては、食品添加物もしくは医薬品添加物として使用が認められた各種の着色剤を用いることができる。着色剤としては、たとえば、合成あるいは天然の食用色素等の1種または2種以上が挙げられる。
このうち、合成食用色素としては、たとえば、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色1号、食用青色1号、食用青色2号、食用赤色40号、食用赤色40号アルミニウムレーキ、食用赤色3号アルミニウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウムレーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ等が挙げられる。
また、天然食用色素としては、たとえば、カラメル色素、トマト色素、ウコン色素、クチナシ色素、β‐カロテン色素、パーム油カロテン、マリーゴールド色素、ベニバナ色素、トウガラシ色素、モナスカス色素、アナトー色素、ラック色素、コチニール色素、ベニコウジ色素、ビートレッド色素、アカキャベツ色素、ムラサキイモ色素、アカダイコン色素、ブドウ果皮色素、アントシアニン色素、シソ色素、エルダーベリー色素、紫トウモロコシ色素、クチナシ色素、カカオ色素、カキ色素、コウリャン色素、スピルリナ色素、パプリカ色素、イカスミ色素、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンリン酸エステルナトリウム、クロロフィル、銅クロロフィルおよびその金属塩(ナトリウム塩等)、鉄クロロフィルおよびその金属塩(ナトリウム塩等)等が挙げられる。
着色剤の種類および含有量は、色味や色濃度等に応じて適宜設定することができる。
〈水溶性有機溶剤〉
水溶性有機溶剤を配合することで、前述したように、特定デキストリンの溶解性、および特定デキストリンが混合溶剤中から析出する際の造膜性を調整して、インクジェットインクの間欠印字性を向上することができる。
また、インクジェットインクに速乾性を付与して、印字後の加熱等を省略することができる。また、とくに、セミポーラスないしノンポーラスの表面に対して、滲みや、あるいは印字直後の未乾燥の状態で他の錠剤と接触することによるインクジェットインクの転移等のない鮮明な印字をすることもできる。
水溶性有機溶剤としては、少なくとも炭素数1〜4のアルコールを用いる。
炭素数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールの1種または2種以上が挙げられる。
とくに、エタノールが好ましい。
また、水溶性有機溶剤としては、炭素数1〜4のアルコールに加えて、他の水溶性有機溶剤を併用することもできる。他の水溶性有機溶剤としては、たとえば、炭素数5以上のアルコールや、2−エトキシエタノール(エチレングリコールモノエチルエーテル)、2−メトキシエタノール(エチレングリコールモノメチルエーテル)等のエチレングリコールエーテルなどの1種または2種以上が挙げられる。
ただし、前述した本発明の効果をより一層向上することを考慮すると、水溶性有機溶剤としては、炭素数1〜4のアルコールのみ(2種以上を併用する場合を含む)を用いるのが好ましく、とくに、前述したエタノールを用いるのが好ましい。
水溶性有機溶剤としてエタノールを用いる場合、水とエタノールの含有比率は、水の含有量をW、エタノールの含有量をEとしたとき、質量比W/Eで表して3以上、6以下であるのが好ましい。
この範囲より、特定デキストリンの貧溶剤であるエタノールが多い場合には、水とエタノールの混合溶剤に対する特定デキストリンの溶解性が弱くなりすぎる。そのため、インクの安定性が低下して、たとえば、貯蔵時に析出を生じたり、インクジェットプリンタのノズルで目詰まり等して、印字にかすれ等を生じたりしやすくなる傾向がある。
一方、上記の範囲より、特定デキストリンの良溶剤である水が多い場合には、水とエタノールの混合溶剤に対する特定デキストリンの溶解性が強くなりすぎる。そのため、特定デキストリンが混合溶剤中から析出する際の造膜性が強くなりすぎて、前述したメカニズムによって、間欠印字性が低下する場合がある。
これに対し、質量比W/Eを上記の範囲として、混合溶剤に対する特定デキストリンの溶解性を適度の範囲に調整することにより、前述した種々の課題を生じることなしに、とくに、固形の製剤の表面等に良好な印字をすることが可能となる。
〈界面活性剤〉
本発明のインクジェットインクは、その表面張力や濡れ性等を調整するために、さらに界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、たとえば、ソルビタン脂肪酸エステルなどの、食品用等として使用可能な脂肪酸エステルを用いることができる。
とくに、界面活性剤としては、
(A) ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、および
(B) ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
の2種を併用するのが好ましい。
上記(A)(B)の2種の界面活性剤は、いずれも、食品用等として使用可能な界面活性剤として知られているものである。
発明者の検討によると、このうち界面活性剤Bは、インクジェットインクの間欠印字性を向上する機能に優れている。
すなわち、前述したデキャップタイムが長くなると、乾燥によってインクジェットインクの濃度が上昇し、表面張力が変化して、ノズルの内面に対するインクジェットインクの濡れ性と、それに伴うメニスカスの接触角が変化する。その結果、ノズル内で安定したメニスカスを維持することができなくなる場合がある。また、濃度の上昇に伴って、インクジェットインクの粘度が上昇したり、析出物を生じたりしやすくなる場合もある。
そして、これらのことが、デキャップタイムにノズルの目詰まり等を生じて、印字の再開時にかすれ等を生じる原因となる。
また、デキャップタイムにインクジェットインクの乾燥が進行し、ノズル内で、メニスカスが形成される位置が徐々に後退して、印字の再開時にインクジェットインクの吐出が遅れることも、かすれ等を生じる原因となる。
これに対し、界面活性剤Bは、表面張力が低く、濡れ性が高いため、メニスカスを形成する気液界面で配向して、インクジェットインクの乾燥を抑制したり、インクジェットインクの濡れ性を安定化したりするために機能する。そのため、ノズル内で、所定の位置に安定したメニスカスを維持することができる。
しかも、界面活性剤Bは、食用色素等の着色剤や、インクジェットインクの吐出を繰り返した際に発生するヘッドカス等の、インクジェットインク中に含まれる固形分の周囲を囲んでミセルを形成して、これらの固形分がインクジェットインク中に析出するのを抑制する働きもする。
したがって、界面活性剤として界面活性剤Bを用いることによって、インクジェットインクの間欠印字性を向上することができる。
しかし、界面活性剤Bは、上述したように濡れ性が高いため、これを単独で使用した場合には、インクジェットインクが、ノズルプレートの、ノズルの出口の周囲に濡れ拡がってパドリングを生じやすくなる。
パドリングとは、ノズルを通してインク滴が吐出される際に、当該インク滴から分離してノズル側に残ったインクジェットインクが、ノズルが形成されたノズルプレートの、ノズルの出口の周囲に濡れ拡がってインク溜まり(パドル)を形成する現象である。
ノズルの出口の周囲にパドリングが発生すると、ノズルからのインク滴の吐出が妨げられて、吐出されたインク滴の軌道が変化したり、吐出されるべき所定の体積のインク滴が吐出されなかったり、インク滴が全く吐出されなかったりする吐出不良を生じやすい。そして、これらの吐出不良を生じる結果、良好な印字をすることができなくなる場合がある。
印字を繰り返した際に、パドリングによるインク滴の吐出不良を生じにくい特性を、以下では「連続印字性」の良否として評価することとする。パドリングによる吐出不良を生じることなく、連続して印字し続けることができる印字回数が多ければ多いほど、インクジェットインクは、連続印字性が良好であると評価することができる。
界面活性剤Bのみを用いた場合には、インクジェットインクの連続印字性が低下する場合がある。
一方、界面活性剤Aは、表面張力が高く、濡れ性が低いため、上述した間欠印字性を向上する機能は有しない。しかし、界面活性剤Aは、表面張力が高く、濡れ性が低いため、インク滴から分離してノズル側に残ったインクジェットインクがノズルプレートの表面で濡れ拡がってパドリングを生じるのを抑制する機能に優れている。
しかも、界面活性剤Aは、界面活性剤Bとの相溶性にも優れている。
併用する2種の界面活性剤の相溶性が低いと、インクジェットインクの濃度上昇を生じたり、前述した固形分が析出したりしやすくなるため、インクジェットインクの間欠印字性が低下したり、安定性が低下したりする場合がある。
しかし、上述したように、界面活性剤Aは、界面活性剤Bとの相溶性に優れている。そのため、この両者を界面活性剤として併用することにより、安定性を低下させることなく、また良好な間欠印字性を維持しながら、濡れ性を適度の範囲に調整し、表面張力によるパドリングの拡がりを調整して、連続印字性を向上することができる。
また、界面活性剤Bは、起泡性が高く、泡立ちやすい。そのため、とくに、インクジェットインクを加熱して気泡を発生させることで、その体積増加分のインクジェットインクをノズルからインク滴として吐出させる、いわゆるサーマル方式のインクジェットプリンタに使用した際に、泡噛みによる吐出不良を生じやすい。これに対し、界面活性剤Aは消泡性を有しているため、界面活性剤Aを界面活性剤Bと併用することにより、泡噛みによる吐出不良が発生するのを抑制することもできる。
〈界面活性剤A〉
界面活性剤Aとしては、たとえば、式(1):
HO(CO)−(CO)−(CO)H (1)
で表されるポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの縮合物であって、前述した機能を有する種々の、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
中でも、インクジェットインクの連続印字性を向上する効果の点で、たとえば、15〜25℃で液状を呈するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが好ましい。
上記の温度範囲で液状を呈するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、たとえば、
・ 式(1)中のa+cで表されるE.O.(エチレンオキサイド)の繰り返し単位数が3以上、200以下、とくに170以下で、かつ
・ 式(1)中のbで表されるP.O.(プロピレンオキサイド)の繰り返し単位数が15以上、70以下、とくに40以下、
である化合物が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
三洋化成工業(株)製のニューポール(登録商標)PEシリーズのうちPE−61〔a+c=5、b=30、a+b+c=35、曇点(1質量%水希釈液):24℃〕、PE−62〔a+c=10、b=30、a+b+c=40、曇点(1質量%水希釈液):30℃〕、PE−71〔a+c=5、b=35、a+b+c=40、曇点(1質量%水希釈液):20℃〕、PE−74〔a+c=30、b=35、a+b+c=65、曇点(1質量%水希釈液):56℃〕、PE−75〔a+c=48、b=35、a+b+c=83、曇点(1質量%水希釈液):69℃〕。
(株)ADEKA製のアデカ(登録商標)プルロニックLシリーズのうちL−31〔a+c=3、b=17、a+b+c=20、曇点:39℃〕、プルロニックFシリーズのうちF−68〔a+c=160、b=30、a+b+c=190、曇点:100℃超〕、F−87〔a+c=120、b=40、a+b+c=160、曇点:100℃超〕、F−127〔a+c=196、b=67、a+b+c=263、曇点:100℃超〕、プルロニックPシリーズのうちP−85〔a+c=54、b=39、a+b+c=93、曇点:75℃〕、P−123〔a+c=42、b=67、a+b+c=109〕。
BASFジャパン(株)製のコリフォールシリーズのうちP188〔a+c=160、b=30、a+b+c=190〕、P407〔a+c=196、b=67、a+b+c=263〕、ルトロールシリーズのうちF68〔a+c=160、b=30、a+b+c=190、曇点:100℃超〕、F127〔a+c=196、b=67、a+b+c=263〕。
中でも、連続印字性を向上する効果の点で、式(1)中のa+b+cが40以下、とくに35以下である化合物が好ましい。
〈界面活性剤B〉
界面活性剤Bとしては、ソルビタンエステル・エチレンオキシド付加型の構造を有し、前述した機能を有する種々の、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いることができる。中でも、インクジェットインクの間欠印字性を向上する効果の点で、HLBが10以上、20以下であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
花王(株)製のエマゾール(登録商標)シリーズのうちL−120V〔ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、HLB:16.7〕、O−120V〔ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB:15〕、S−120V〔ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、HLB:14.9〕。
日油(株)製のノニオン(商品名)シリーズのうちLT−221〔ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、HLB:16.7〕、LT−280〔ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、HLB:19.0〕、ST−221〔ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、HLB:15.7〕、OT−221〔ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB:15.7〕、OT−521〔ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、HLB:10.8〕。
日油(株)製のウィルサーフ(登録商標)シリーズのうちTF−20〔ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、HLB:16.7〕、TF−60〔ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、HLB:15.7〕、TF−80〔ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB:15.7〕。
中でも、間欠印字性を向上する効果の点で、HLBが14以上、とくに15以上である化合物が好ましい。
界面活性剤としては、上記界面活性剤Aおよび界面活性剤Bの2種のみ(それぞれの界面活性剤について、2種以上を併用する場合を含む)を用いるのが好ましい。
〈含有量、含有比率〉
界面活性剤Aの含有量は、インクジェットインクの総量の0.01質量%以上、とくに0.08質量%以上であるのが好ましく、2質量%以下、中でも1.6質量%以下、とくに0.12質量%以下であるのが好ましい。
界面活性剤Aの含有量がこの範囲未満では、前述した、界面活性剤Bと併用することで、インクジェットインクの濡れ性を適度の範囲に調整して、連続印字性を向上する効果や、泡噛みによる吐出不良が発生するのを抑制する効果が十分に得られない場合がある。
一方、界面活性剤Aの含有量が上記の範囲を超える場合には、インクジェットインクの表面張力が高く、濡れ性が低くなりすぎるため、インクジェットインクがインクジェットプリンタのノズルにスムースに供給されなくなって、吐出不良を生じる場合がある。
これに対し、界面活性剤Aの含有量を上記の範囲とすることにより、インクジェットインクの濡れ性を適度の範囲に調整して、供給不良や泡噛みによる吐出不良を生じることなしに、連続印字性を向上することができる。
界面活性剤Bの含有量は、インクジェットインクの総量の0.01質量%以上、とくに0.08質量%以上であるのが好ましく、2質量%以下、中でも1.6質量%以下、とくに0.12質量%以下であるのが好ましい。
界面活性剤Bの含有量がこの範囲未満では、前述した、間欠印字性を向上する効果が十分に得られない場合がある。
一方、界面活性剤Bの含有量が上記の範囲を超える場合には、インクジェットインクの表面張力が低く、濡れ性が高くなりすぎて、前述したように連続印字性が低下する場合がある。また、ノズル内にメニスカスが形成されずに、インクジェットインクがノズルの先端から漏れたりする場合もある。さらに、泡噛みによる吐出不良を生じやすくなる場合もある。
これに対し、界面活性剤Bの含有量を上記の範囲とすることにより、インクジェットインクの濡れ性を適度の範囲に調整して、泡噛みによる吐出不良や漏れを生じることなく、また連続印字性の低下を生じることなしに、間欠印字性を向上することができる。
上記の各成分に、さらに水(たとえば、超純水)を加えて総量を100質量%とすることで、本発明のインクジェットインクが調製される。
上記各成分を含む本発明のインクジェットインクは、先述したオンデマンド型のインクジェットプリンタに、好適に使用することができる。とくに、オンデマンド型のサーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、錠剤、カプセル剤その他、固形の製剤の表面に、直接に、印字をすることが可能である。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらの実施例、比較例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
下記の各成分を配合したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを調製した。
Figure 0006916094
表中の各成分は下記の通り。
着色剤:食用赤色102号
結着剤:特定デキストリン〔三和澱粉工業(株)製のサンデック(登録商標)#70、DE値:10〜11〕
界面活性剤A:式(1)中のa+c=5、b=30、a+b+c=35であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール〔前出の、三洋化成工業(株)製のニューポールPE−61、曇点(1質量%水希釈液):24℃〕
界面活性剤B:ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート〔前出の、花王(株)製のエマゾールL−120V、HLB:16.7〕
水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈実施例2〉
結着剤として、DE値が13〜16である特定デキストリン〔三和澱粉工業(株)製のサンデック(登録商標)#100〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈実施例3〉
結着剤として、DE値が18〜22である特定デキストリン〔昭和産業(株)製のM−SPD(登録商標)〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈実施例4〉
結着剤として、DE値が25〜29である特定デキストリン〔昭和産業(株)製のK−SPD(登録商標)〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈実施例5〉
結着剤として、DE値が28〜35である特定デキストリン〔日澱化学(株)製のアミコール(登録商標)3−L〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈実施例6〉
エタノールの含有量を24.3質量%、超純水の含有量を73.0質量%としたこと以外は実施例3と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=3.0であった。
〈実施例7〉
エタノールの含有量を14.0質量%、超純水の含有量を83.3質量%としたこと以外は実施例3と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=6.0であった。
〈実施例8〉
エタノールの含有量を27.3質量%、超純水の含有量を70.0質量%としたこと以外は実施例3と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=2.6であった。
〈実施例9〉
エタノールの含有量を11.0質量%、超純水の含有量を86.3質量%としたこと以外は実施例3と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=7.8であった。
〈実施例10〉
界面活性剤Aを配合せず、界面活性剤Bの含有量を0.2質量%としたこと以外は実施例3と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈実施例11〉
界面活性剤Bを配合せず、界面活性剤Aの含有量を0.2質量%としたこと以外は実施例3と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈実施例12〉
界面活性剤Aおよび界面活性剤Bに代えて、ソルビタン脂肪酸エステルであるソルビタンモノラウレート〔花王(株)製のエマゾールL−10V、HLB:8.6、界面活性剤C〕を配合したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを調製した。ソルビタンモノラウレートの含有量は、0.2質量%とした。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈比較例1〉
結着剤として、DE値が5〜7であるデキストリン〔日澱化学(株)製のペノン(登録商標)JE−66〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈比較例2〉
結着剤として、DE値が38〜43であるデキストリン〔松谷化学工業(株)製のパインデックス#6〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを調製した。水とエタノールの質量比W/E=4.4であった。
〈間欠印字性試験〉
オンデマンド型のサーマル方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array〕を使用して、実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、錠剤の表面に、2ポイントの半濁音「゜」を印字し、所定の時間、デキャップの状態で静置した後に再び印字した。そして、かすれ等のない明瞭な印字が可能であった静置時間を記録して、下記の基準で間欠印字性を評価した。
◎:100分間以上。
○:65分間以上、100分間未満。
△:30分間以上、65分間未満。
×:30分間未満。
〈定着性評価〉
オンデマンド型のサーマル方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array〕を使用して、実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、錠剤の表面に印字した。そして、ラードをつけた指で、1kgfの荷重をかけて錠剤の表面を30回擦過したのち、印字を目視にて観察して、下記の基準で定着性を評価した。
○:擦過する前と印字に変化は見られなかった。
△:僅かに印字が滲んだが、読むことはできた。
×:印字が滲んでしまい、読むことができなかった。
〈安定性評価〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを、0℃で1週間、貯蔵したのち観察して、下記の基準で安定性を評価した。
○:インクジェットインクは透明性を失わず、沈殿物も見られなかった。
△:若干、透明性が低下したが、沈殿物は見られなかった。
×:インクジェットインクが濁り、沈殿物も見られた。
〈連続印字性試験〉
間欠印字性評価で使用したのと同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、錠剤の表面に、2ポイントの半濁音「゜」を連続して印字した。
そして、印字を目視にて観察して、インクジェットインクの吐出不良による印字の欠け、潰れ、飛び散り等を生じなかった印字回数を記録して、下記の基準で連続印字性を評価した。
○:100万回以上。
△:40万回以上、100万回未満。
×:40万回未満。
また、インクジェットインクの吐出不良が発生した場合はその原因を確認して、下記のように分類した。
P:パドリングによる吐出不良。
C:目詰まりによる吐出不良。
以上の結果を表2〜表4に示す。
Figure 0006916094
Figure 0006916094
Figure 0006916094
表2〜表4の実施例1〜12、比較例1、2の結果より、結着剤として、DE値が10〜37のデキストリンを用い、水溶性有機溶剤としてのエタノールと組み合わせることにより、間欠印字性、印字の定着性、安定性、および連続印字性の各特性に優れたインクジェットインクを提供できることが判った。
実施例1〜5の結果より、間欠印字性や安定性をさらに向上することを考慮すると、デキストリンとしては、DE値が、上記の範囲でも13以上、とくに18以上で、かつ30以下であるデキストリンを用いるのが好ましいことが判った。また、実施例3、6〜9の結果より、同じ効果の点で、水とエタノールの質量比W/Eは3〜6とするのが好ましいことが判った。
さらに実施例3、10〜12の結果より、間欠印字性と連続印字性とをともに向上することを考慮すると、界面活性剤としては、界面活性剤Aと界面活性剤Bとを併用するのが好ましいことが判った。

Claims (4)

  1. 着色剤、結着剤、水溶性有機溶剤、および水を含み、前記結着剤は、デキストロース当量が10以上、37以下のデキストリンを少なくとも含み、前記水溶性有機溶剤は、炭素数1〜4のアルコールを少なくとも含むインクジェットインク。
  2. 前記デキストリンは、デキストロース当量が13以上、30以下である請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記水溶性有機溶剤はエタノールであり、前記水と前記エタノールの含有比率は、前記水の含有量をW、前記エタノールの含有量をEとしたとき、質量比W/Eで表して3以上、6以下である請求項1または2に記載のインクジェットインク。
  4. さらに界面活性剤を含み、前記界面活性剤は、
    (A) ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、および
    (B) ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
    の2種である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
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