JP6916044B2 - 被移動部材の移動機構及び移動機構を有する乗物用シート - Google Patents

被移動部材の移動機構及び移動機構を有する乗物用シート Download PDF

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Description

本発明は、被移動部材の移動機構及び移動機構を有する乗物用シートに関する。
車両用シートを昇降させるリフトアップ機構は種々提案されている。例えば、特許文献1には、動力源によって回動する回動部材と、一端側が前記回動部材の回動中心から偏心した位置(出力部)に回動自在に接続される第一リンク部材と、前記第一リンク部材の他端側の変位を高さ方向の変位として乗員が着座する着座部に伝達する動力変換機構と、を備える乗物用シートのリフタ装置について提案されている。
かかるリフタ装置は、着座部の昇降が可能であるとともに、第1リンク部材の他端部の変位を、上下の変位として乗員が着座する着座部に伝達する動力変化機構を備えるため、リンク部材の回動が着座部に伝達されて着座部が上下方向だけでなく、横方向にも変位してしまうことがない、という効果を有する。かかるリフタ装置は、できるかぎり同一直線状に昇降させるものである。
特許文献1記載の昇降機構を初め、従来の昇降装置は、昇降機構における動作に対して種々工夫した機構は提案されているが、あくまで昇降装置として独立して構成されている機構である。例えば、車両用シートの前後のスライド、すなわち傾斜レールのスライドの移動と連関して車両用シートの着座部を昇降させたものは存在しなかった。そのため、運転者は、車両用シートの前後移動と着座部の昇降移動とを別々に操作しなければならないという問題点があった。また、電動式である場合には、動力ユニットを2つ用意しなければならないという問題点があった。
特開2017−24608号公報
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、アッパーレールの前後移動に対応して、着座部等の昇降や左右への移動その他の移動が可能な被移動部材の移動機構及びこの移動機構を有する乗物用シートを提供することを主たる目的とする。
本発明は、上述の主目的の少なくとも1つを達成するために以下の手段を採った。
本発明にかかる被移動部材の移動機構は、
ロアレールと、
前記ロアレールにスライド可能に設けられたアッパーレールと、
前記ロアレールに対して角度を有するように配置された傾斜レールと、
被移動部材と、
前記アッパーレールに直接的又は間接的に回転自在に軸支された軸支部と、被移動部材に直接又は間接的に取付けられる被移動部材取付部と、傾斜レールに沿って移動するスライド部を有するリンク部材と、
を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる被移動部材の移動機構は、リンク部材がアッパーレールに回転自在に軸支されており、リンク部材はアッパーレールのスライド移動に伴って被移動部材を可動させる機構を有している。従って、アッパーレールを移動させるだけで、被移動部材の昇降、左右移動等の移動を行うことができる。
また、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、前記リンク部材は、被移動部材が最も低い位置にある状態において、前記被移動部材取付部が前記軸支部に対して移動方向と反対側上方に位置し、前記スライド部が前記軸支部に対して移動方向と反対側後方に位置していることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、アッパーレールが移動した際に、リンク部材が回転することによって被移動部材をリフトアップするリフト機構としての移動機構を提供することができる。
さらに、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、前記リンク部材は、前記被移動部材が最も高い位置にある状態において、被移動部材取付部が軸支部に対して移動方向と同じ側上方に位置し、前記スライド部が前記軸支部に対して移動方向と反対側後方に位置していることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、アッパーレールが移動した際に、リンク部材が回転することによって被移動部材をリフトダウンするリフト機構としての移動機構を提供することができる。
さらに、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、前記リンク部材の被移動部材取付部は、移動途中において前記アッパーレールとの離間方向が逆転することを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、例えば、被移動部材取付部に取付けられた被移動部材が、上昇から途中で下降に転じるような動きをすることができる。
さらに、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、前記傾斜レールは、前記ロアレールに対して直接的又は間接的に取付けられていることを特徴とするものであってもよい。
傾斜レールが、ロアレールに対して相対位置が変化しないように取付けることによって、アッパーレールを移動した際に、リンク部材のスライド部が効果的に傾斜レールに沿って移動して、リンク部材を回動させることができる。
さらに、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、前記リンク部材は、三角形の板で形成されていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、リンク部材の強度を確保することができ、被移動部材に大きな荷重をかけることができる。
さらに、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、
前記傾斜レールは、ローラーが収容可能な断面からなる長尺の部材からなり、
前記スライド部は、車軸がずれた2つのローラーを有しており、一方の前記ローラーが前記傾斜レールの上面に当接し、他方の前記ローラーが前記傾斜レールの底面に当接することを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、ローラーが上面と底面との両面を押圧することによって、スライド部が傾斜レール内でガタつくことを低減することができる。
さらに、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、
一方端部が被移動部材に回転軸を有し、他方端部が前記アッパーレールに直接又は間接的に回転軸を有する第2リンク部を有することを特徴とするものであってもよい。
かかる第2リンク部を設けることによって、リンク部材による昇降に加えて、前又は後方側も昇降させることができ、被移動部材の昇降時の角度を調整することができるようになる。
さらに、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、前記第2リンク部には、一定方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、一定方向への移動に対して、力を補助することができる。
さらに、本発明にかかる被移動部材の移動機構において、前記第2リンク部の長さが、前記リンク部材の前記軸支部と前記被移動部材取付部との間の長さと異なることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、被移動部材を昇降する際に、被移動部材の角度を変更しつつ昇降させることができる。
さらに、本発明は、前述した被移動部材の移動機構を有する乗物用シートを提供する。
さらに、本発明にかかる乗物用シートにおいて、前記被移動部材の移動機構が左右両側のスライドレールに設けられており、
両側の前記移動機構のローラーは、互いに対称に配置されていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、乗物用シートのがたつきを効果的に低減することができる。
図1は、本実施形態にかかる被移動部材の移動機構100及びこの移動機構を有する車両用シート200の構成の概略を示す斜視図である。 図2は、図1のA−A断面図である。 図3は、本実施形態にかかる被移動部材の移動機構100の背面図である。 図4は、本実施形態にかかる被移動部材の移動機構100及びこの移動機構を有する車両用シート200の動きを示す模式図である。 図5は、本実施形態にかかる被移動部材の移動機構100及びこの移動機構を有する車両用シート200の別実施形態の構成の概略を示す図である。 図6は、本実施形態にかかる被移動部材の移動機構100及びこの移動機構を有する車両用シート200の別実施形態の構成の概略を示す図である。
次に、本発明にかかる被移動部材の移動機構及びこの移動機構を有する乗物用シートの実施形態について、自動車の車両用シートを例として、かつ車両用シートを前方へ動作した際に上昇するリフトアップ機構を図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、本実施形態においては、車両用シートに適用した例を代表例として説明するが、その使用場所は車両用シートに限定されるものではない。なお説明の便宜上、図1の矢印に示された方向をそれぞれ「上」、「下」、「前」、「後」、「右」及び「左」として説明する。
被移動部材の移動機構100を利用した車両用シート200の実施形態が、図1〜図3に示されている。図1は、移動機構を利用した車両用シート200(内部構造以外は省略してある)を示す斜視図である。図2は図1のA−A断面図であり、移動機構100を示す図である。図3は、移動機構100を示す背面図である。
実施形態にかかる被移動部材の移動機構100を利用した車両用シート200は、主として、車両用シート200の両側に配置される一対のロアレール10とロアレール10にスライド可能に設けられた一対のアッパーレール20とからなるスライドレールと、ロアレール10に固定された一対の傾斜レール30と、被移動部材40と、アッパーレール20、傾斜レール30及び被移動部材40に係合された一対のリンク部材50と、このリンク部材50の前方側に配置された一対の第2リンク部70と、を有する。
ロアレール10は、特に限定するものではなく、車両用として使用されている既知の種々のタイプのものを採用することができる。本実施形態においては、図1に示すように、底面部11と、この底面部11の両側から上方に立設されている立設側面部12と、この立設側面部12から内側方向へ略水平に形成される水平部13と、この水平部13から下方方向へ形成される内側垂直部14とを有する長尺の部材を使用している。
アッパーレール20は、ロアレール10に沿ってスライド移動する部材であり、本実施形態においては、図3に示すように、ロアレール10の内側垂直部14に跨るように外側延設部21が形成されており、長手方向には自由に移動可能であるが、上方には取り外せないようにされている。アッパーレール20は、上方に立設して取付けられたアッパーレールブラケット25が設けられており、リンク部材50及び第2リンク部70が取付けられる。
傾斜レール30は、図1又は図3に示すように、上面の中央が開放された断面略四角形の長尺の部材からなり、前方側が高い位置となり、後方側が低い位置となるようにロアレール10に直接又は間接的に斜めに取付けられる。本実施形態においては、いわゆるZ型曲げブラケット35を介して取付けられている。
被移動部材40は、車両用シート200の両側に配置される一対のシートフレーム41とこれらを連結する連結パイプ42とを備えている。連結パイプ42は、シートフレーム41に対して軸回転可能に設けられる。シートフレーム41には、車両用の座席が取付けられ、このシートフレーム41の動きに対応して車両用の座席が移動することになる。
リンク部材50は、図2に示すように、アッパーレールブラケット25の後方側に回転可能に取付けられた軸支部51(軸支点)と、被移動部材40の連結パイプ42に固定された被移動部材取付部52(作用点)と、傾斜レール30内にスライド自在に配置されたスライド部53(力点)と、を有する三角形の板部材からなる。軸支部51は、リベット等によって回転自在に取付けられている。被移動部材取付部52は、連結パイプ42に溶接により固定されている。スライド部53は、傾斜レール30内を移動可能なローラー58が設けられている。本実施形態においては、図3に示すように、リンク部材50の両側にそれぞれ1つずつ計2つのローラー58a、58bが設けられている。それぞれのローラー58a、58bは、車軸がズレて配置されており、一方のローラー58が傾斜レール30の上面側を押圧する位置に配置され、他方のローラーは傾斜レール30の底面を押圧するように配置されている。このように配置することによって、それぞれのローラー58a、58bで傾斜レール30の上面及び底面を押圧するため、傾斜レール30内でのリンク部材50がガタつくことを防止することができる。より好ましくは、リンク部材50は傾斜レール30内の移動に伴って、リンク部材50と傾斜レール30との角度が変化するので、図4の左上拡大図に示すように、傾斜レール30の底面の垂直方向に対して斜め方向に車軸をずらして配置するとよい。このように配置することによって、リンク部材50が傾斜レール30のどの位置にある場合であっても傾斜レール30の上面及び底面を押圧する状態になるため、リンク部材50がどの位置にあってもガタつきを防止することができる。また、より好ましくは、左右の両側の傾斜レール30に設けられる一対のローラー58は、対称となるように配置するとよい。例えば、両方の内側のローラー58はいずれも傾斜レール30の上面を押圧し、両側の外側のローラー58は傾斜レール30の底面を押圧するといった具合である。このようにローラー58を配置することによって、被移動部材40全体のガタつきを防止することができる。アッパーレール20が最も後方に配置されている状態、すなわち被移動部材40が最も低い位置にある状態において、被移動部材取付部52は、軸支部51に対して後方側かつ上方に位置しており、スライド部53は、軸支部51に対して後方側かつ下方に配置されている。好ましくは、リンク部材50がどの位置にある場合においてもこの位置関係を有するように設定するとよい。なお、リンク部材50は、軸支点と、作用点、力点を有するように形成されていれば、必ずしも三角形の板材である必要はなく、特に限定するものではない。例えば、棒状部材の組み合わせ等で作製しても構わない。
第2リンク部70は、上述した主たるリンク部材50の前方側又は後方側に取付けられるリンク部である。本実施形態においては前方側に設けられている。第2リンク部70は、図1に示すように、一方側端部71が被移動部材40の連結パイプ42の軸と同一の軸となるように回転自在に設けられた回転軸と、他方側端部72がアッパーレールブラケット25に回転自在に設けられた回転軸を有している。また、第2リンク部70は、連結パイプ42を前方方向に付勢する付勢部材80が取付けられている。
以上のように、作製された車両用シート200は、以下のように作動する。図4Aに示すように、アッパーレール20が最も後方に位置している場合、すなわち被移動部材40が最も後方に配置されている場合は、リンク部材50の被移動部材取付部52は最も低い位置にあり、被移動部材40も最も低い位置に配置されている。この状態から、操作レバー90を操作し、図4Bに示すように、アッパーレール20を前方へスライドさせる。すなわち車両用シート200を前方へ移動させる。これにより、スライド部53は傾斜レール30内を前方側に移動するとともに、この移動により傾斜レール30の底面からの反力によりスライド部53が後方側かつ上方側へ押圧される。これにより、リンク部材50は被移動部材取付部52を上方かつ前方へ移動する方向へ回転(本実施形態においては、左回転)移動する。これにより、被移動部材40の後方側は、軸支部51を中心とした円弧状に移動することになる。すなわち、上方かつ前方へ移動することになる。さらに、この移動に伴い、車両用シート200の前方側の第2リンク部70も回転し、前方側も第2リンク部70とアッパーレールブラケット25との回転軸72を中心に円弧状に移動することになる。この際に付勢部材80によって、被移動部材40が上方へリフトアップする方向へ付勢されているので、アッパーレール20を前方へ移動する際のアシストとして機能する。こうして、被移動部材40は、車両用シート200の前方方向への移動にともなって上昇する。この際に、第2リンク部70の長さを調整することにより、前方側の上昇具合を調整することができる。すなわち、第2リンク部70のアッパーレールブラケット25との回転軸72と連結パイプ42との回転軸71との距離を、リンク部材50の軸支部51と被移動部材取付部52との距離より長く設定すれば、車両用シート200の前方側が後方側の上昇率に対してより高く上昇するようになる。一方、第2リンク部70のアッパーレールブラケット25との回転軸72と連結パイプ42との回転軸71との距離を、リンク部材50の軸支部51と被移動部材取付部52との距離より短く設定すれば、前方側が後方側に対して低くなるように上昇していくことになる。第2リンク部70のアッパーレールブラケット25との回転軸72と連結パイプ42との回転軸71との距離を、リンク部材50の軸支部51と被移動部材取付部52との距離と同様に設定すれば、平行に上昇していくことになる。このように、本発明にかかる車両用シート200によれば、第2リンク部70の長さを調整することによって、車両用シート200の移動に伴う座面の角度を変更させることができる。なお、被移動部材40を下降させる場合には、アッパーレール20を上昇させる場合と反対の方向、すなわち後方へスライド移動させることによって、前述した上昇の動作と反対の動作によって下降する。
車両用シートは、運転者の身長に合わせて、運転者自らが着座位置を調整する。この際に、運転者が快適かつ安全な着座位置、すなわちヒップポイントは、統計学的及び人間工学的に身長に応じて一定の範囲内に収まることがわかっている。本発明によれば、その軌跡に適合させた状態で車両用シートの前後位置に応じてヒップポイントを設定することができるので、運転者が車両用シートの前後位置を調整するだけで最適な高さの座面に調整することができる。また、この最適な座面の高さは、車種に応じて異なるものとなる。例えば、セダンタイプとバンタイプ等によって異なる。しかし、本発明による車両用シートは、第2リンク部70の長さを調整することによって、この車種による違いを調整することができる。
このように、本発明にかかる被移動部材の移動機構100によれば、アッパーレール20を前後にスライド移動させるという入力手段のみによって、被移動部材40の上昇及び下降を制御することができる。そのため、座席の前後位置を調整した後、さらに高さ位置をあらためて調整する必要がない。また、電動式である場合には、車両用シートの前後移動によって自動的に高さ調整がされるので、高さ調整用の電動ユニットを必要とせず、従来と比較してコスト削減に資する。
なお、本発明は、実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
上述した実施形態においては、主たるリンク部材50を車両用シート200の後方側に配置し、第2リンク部70を前方側に設置したが、主たるリンク部材50を車両用シート200の前方側に配置し、第2リンク部70を後方側に設置してもよい。
また、上述した実施形態においては、アッパーレール20が最も後方に位置して、かつ被移動部材取付部52が最も低い位置にある状態において、被移動部材取付部52が軸支部51に対して移動方向と反対側上方に位置し、スライド部53が軸支部51に対して移動方向と反対側後方に位置しており、アッパーレール20が前方にスライド移動するに伴って、被移動部材取付部52がリフトアップするように形成したが、図5に示すように、アッパーレール20が最も後方に位置して、かつ被移動部材取付部52が最も高い位置にある状態において、被移動部材取付部52が軸支部51に対して移動方向と同じ側上方に位置し、スライド部53が軸支部51に対して移動方向と反対側後方に位置しており、アッパーレール20が前方にスライド移動するに伴って、矢印に示すように、被移動部材取付部52がリフトダウンするように形成してもよい。また、図6に示すように、リンク部材50の被移動部材取付部52が移動途中で最も上方に移動し、その後、下降するように離間方向が逆転するように形成してもよい。このような構成を採用することによって、被移動部材40は一端リフトアップした後、リフトダウンするような移動をすることができる。このように、本願発明にかかるリフト機構100は、アッパーレール20に対して直接又は間接的に軸支部51(軸支点)、被移動部材40に被移動部材取付部52(作用点)、傾斜レール30にスライド部53(力点)が設けられていれば、それらの互いの位置関係は自由に設定することができる。これらの設定により、被移動部材取付部52に様々な動きを与えることができる。
さらに、上述した実施形態においては、傾斜レール30が上下方向に傾いて配置した例を説明したが、傾斜レール30の配置方向はこれに限定されるものではなく、例えば、水平方向に傾斜して取付け、リンク部材50の軸支部51(軸支点)、被移動部材取付部52(作用点)、スライド部53(力点)が水平に位置するように設けることによって、被移動部材は、左右に移動することが可能になる。
さらに、上述した実施形態においては、リフト機構100をそれぞれ左右のスライドレールに対応するように2箇所設けたが、いずれか一方に、傾斜レール30、リンク部材50を設け、他方側は、自ら作用点を有することなく、一方側の動きに追従するリンクのみを設けても良い。例えば、他方側には、第2リンク部70と同様のリンク部材50を前方に取付け、軸支部51と被移動部材取付部52とのみを有するリンク部材50を後方側に取付けてもよい。
また、上述した実施形態においては、車両用シートについて説明したが、勿論、車両用シートに限定するものではなく、本発明にかかる移動機構は、電車、飛行機、車椅子等の乗物用のシート全般に適用することができる。
上述した実施の形態で示すように、車両用シートの昇降装置として利用することができる。
10…ロアレール、11…底面部、12…立設側面部、13…水平部、14…内側垂直部、20…アッパーレール、21…外側延設部、25…アッパーレールブラケット、30…傾斜レール、35…Z型曲げブラケット、40…被移動部材、41…シートフレーム、42…連結パイプ、50…リンク部材、51…軸支部、52…被移動部材取付部、53…スライド部、58…ローラー、58a、58b…ローラー、70…第2リンク部、71…一方側端部、72…他方側端部、80…付勢部材、90…操作レバー、100…移動機構、200…車両用シート

Claims (11)

  1. ロアレールと、
    前記ロアレールにスライド可能に設けられたアッパーレールと、
    前記ロアレールに対して角度を有するように配置された傾斜レールと、
    被移動部材と、
    前記アッパーレールに直接的又は間接的に回転自在に軸支された軸支部と、前記被移動部材に直接又は間接的に取付けられる被移動部材取付部と、前記傾斜レールに沿って移動するスライド部を有するリンク部材と、
    を備え、
    前記傾斜レールは、ローラーが収容可能な断面からなる長尺の部材からなり、
    前記スライド部は、車軸がずれた2つのローラーを有しており、一方の前記ローラーが前記傾斜レールの上面に当接し、他方の前記ローラーが前記傾斜レールの底面に当接することを特徴とする移動機構。
  2. 前記リンク部材は、前記被移動部材が最も後方に位置している状態において、前記被移動部材取付部が前記軸支部に対して移動方向と反対側上方に位置し、前記スライド部が前記軸支部に対して移動方向と反対側下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の移動機構。
  3. 前記リンク部材は、前記被移動部材が最も後方に位置している状態において、前記被移動部材取付部が前記軸支部に対して移動方向と同じ側上方に位置し、前記スライド部が前記軸支部に対して移動方向と反対側下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の移動機構。
  4. 前記リンク部材の前記被移動部材取付部は、移動途中で最も上方に移動し、その後、下降するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動機構。
  5. 前記傾斜レールは、前記ロアレールに対して直接的又は間接的に取付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の移動機構。
  6. 前記リンク部材は、三角形の板で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の移動機構。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の移動機構において、
    一方端部が前記被移動部材に回転軸を有し、他方端部が前記アッパーレールに直接又は間接的に回転軸を有する第2リンク部を有することを特徴とする移動機構。
  8. 前記第2リンク部には、一定方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項7に記載の移動機構。
  9. 前記第2リンク部の長さが、前記リンク部材の前記軸支部と前記被移動部材取付部との間の長さと異なることを特徴とする請求項7又は8に記載の移動機構。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の移動機構を有することを特徴とする乗物用シート。
  11. 前記移動機構が左右両側のスライドレールに設けられており、
    両側の前記移動機構のローラーは、互いに対称に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の乗物用シート。
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