JP6914715B2 - 皮膜 - Google Patents
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Description
本発明は、以下の発明を含む。
[1]ポリジアルキルシロキサン骨格を含み、X線光電子分光法で測定した炭素原子とケイ素原子の比率(C/Si)が、モル基準で、0.93以上、1.38未満である皮膜。
[2]水の初期接触角をθ0、70℃のイオン交換水に24時間浸漬した後の水の接触角をθWとしたとき、下記式で表される接触角変化率dWの大きさが、−10%以上である[1]に記載の皮膜。
接触角変化率dW(%)=(θW−θ0)/θ0×100
[3]初期の水の転落角が30°以下である[1]又は[2]に記載の皮膜。
[4]式(s1−1)で表される基を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の皮膜。
[6]トリアルキルシリル基を含み、該トリアルキルシリル基由来のSi原子の含有率が、皮膜に含まれるSi原子中、5モル%以上である[1]〜[5]のいずれかに記載の皮膜。
本発明の皮膜は、ポリジアルキルシロキサン骨格を含むものであり、炭素原子とケイ素原子との比率(C/Si)が、0.93以上であり、1.00以上であることが好ましく、より好ましくは1.05以上、さらに好ましくは1.10以上である。炭素原子とケイ素原子の比率(C/Si)がこの範囲にあるとき、皮膜表面のポリジアルキルシロキサン骨格の存在量が適切に調整されることにより、水接触角を高めることができる。さらに水転落角が小さく、接触角ヒステリシスも小さい表面を得ることができる。1.38未満であり、1.30以下であってもよく、さらには1.25以下であってもよい。皮膜表面の炭素原子とケイ素原子の比率(C/Si)を高めることで水接触角を高くすることができるが、同時に基板と皮膜との密着性が低下するため、皮膜の耐温水性が低下してしまう。
そのため、炭素原子とケイ素原子の比率(C/Si)は、前述の通り適切な範囲に調整される必要がある。
炭素原子とケイ素原子との比率(C/Si)は、X線光電子分光法(XPS)により測定することができる。
前記接触角は、液量3.0μLの水を用い、θ/2法により測定した値を意味する。
また、本発明の皮膜における初期の水の転落角αwは、30°以下であることが好ましく、より好ましくは25°以下、さらに好ましくは20°以下であり、1°以上であってもよく、さらには5°以上であってもよい。
前記水の接触角ヒステリシスΔθw及び転落角αwは、液量6.0μLの水を用い、滑落法により測定することができる。また、本明細書において、初期とは、皮膜に処理を施す前の状態を意味するものとする。
接触角変化率dW(%)=(θW−θ0)/θ0×100
前記ポリジアルキルシロキサン骨格としては、ポリジメチルシロキサン骨格、ポリジエチルシロキサン骨格が挙げられ、ポリジメチルシロキサン骨格が好ましい。
皮膜に含まれるSi原子の合計中のポリジアルキルシロキサン骨格由来のSi原子の割合(モル基準)は、29Si−NMRにより測定することができる。
皮膜に含まれるSi原子の合計中のトリアルキルシリル基由来のSi原子の割合(モル基準)は、29Si−NMRにより測定することができる。
前記トリアルキルシリル含有基は、式(s)で表される基であることが好ましい。
Rs1で表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。複数のRs1は、同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。3つのRs1のうち少なくとも1つがメチル基であることが好ましく、少なくとも2つがメチル基であることがより好ましく、3つのRs1全てがメチル基であることが特に好ましい。
前記分子鎖は、式(s2)で表される基であることが好ましい。
また、前記2価の炭化水素基は、2価の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、アルカンジイル基であることが好ましい。2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
さらに、*−Si(Rs3)3に含まれるRs3のうち、少なくとも1つがメチル基であることが好ましく、2つ以上のRs3がメチル基であることが好ましく、3つのRs3全てがメチル基であることが特に好ましい。
Zs2又はLs2で表される2価の炭化水素基としては、Zs1で表される2価の炭化水素基と同様の基が挙げられ、炭素数は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。また、Zs2又はLs2で表される2価の炭化水素基は、2価の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルカンジイル基であることがさらに好ましい。
炭化水素鎖含有基は、炭化水素基(炭化水素鎖)のみから構成されていてもよく、炭化水素鎖に含まれる−CH2−は−O−に置き換わっていてもよく、炭化水素基(炭化水素鎖)のみから構成されていることが好ましい。ただしSi原子に隣接する−CH2−は−O−に置き換わることはなく、また連続する2つの−CH2−が同時に−O−に置き換わることもない。
なお、炭化水素鎖部分の炭素数とは、酸素非置換型の炭化水素鎖含有基では炭化水素基(炭化水素鎖)を構成する炭素原子の数を意味し、酸素置換型の炭化水素鎖含有基では、−O−を−CH2−と読み替えて数えた炭素原子の数を意味するものとする。以下、特に断りがない限り、酸素非置換型の炭化水素鎖含有基(すなわち1価の炭化水素基)を例にとって炭化水素鎖含有基について説明するが、いずれの説明でも、その−CH2−のうち一部を−O−に置き換えることが可能である。
Rb2は、シロキサン骨格含有基、炭化水素鎖含有基、ヒドロキシ基又は−O−基を表す。
kは、Mの価数に応じて、1又は2の整数を表す。]
また、Mが3価金属の場合、kは1を表し、Mが4価金属の場合、kは2を表す。
Rb2で表されるシロキサン骨格含有基、及び炭化水素鎖含有基としては、Za1で表されるシロキサン骨格含有基、及び炭化水素鎖含有基とそれぞれ同様の基が挙げられる。
前記組成物は、上記成分を含むものであるため、従来から知られる撥水処理剤と異なって余剰分を拭き取る必要がなく、簡便に使用可能である。
第二の合成方法としては、ジアルキルシロキサン鎖の両末端にハロゲン原子が結合した化合物(以下、「ジハロゲン化ジアルキルシロキサン」)と、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基と、M1O−基(M1は、アルカリ金属を表す。)が結合した化合物(以下、「アルカリ金属シリルオキシド」)及びケイ素原子にメトキシ基が少なくとも3つとアルコキシ基1つ結合した化合物を反応させることにより製造することができる。これらの化合物の反応順序は限定されないが、まずジハロゲン化ジアルキルシロキサンとアルカリ金属シリルオキシドを反応させ、次いで、ケイ素原子にメトキシ基が少なくとも3つとアルコキシ基1つ結合した化合物を反応させることが好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。また、前記アルカリ金属としては、リチウムが好ましい。
アルカリ金属シリルオキシドは、例えば、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基とヒドロキシ基が結合した化合物に、アルキルアルカリ金属を反応させることにより製造することができる。有機アルカリ金属化合物としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウムが挙げられ、特に好ましくはn−ブチルリチウムである。
なお、組成物の固形分とは、組成物に含まれる成分のうち、溶剤(c)を除いた成分を意味する。
金属化合物(b)において、加水分解性基の個数は1以上であることが好ましく、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上であり、4以下であることが好ましい。
なおシロキサン骨格含有基もまたトリアルキルシリル基を有することとなる場合があるものの、上記トリアルキルシリル基含有分子鎖よりもシロキサン骨格含有基の原子数が少なければ、得られる皮膜において、金属化合物(b)に由来する構造(構造(B))がスペーサーとしての機能を発揮しうる。
加水分解性基のみを有する化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等のトリアルコキシアルミニウム;トリエトキシ鉄等のトリアルコキシ鉄;トリメトキシインジウム、トリエトキシインジウム、トリプロポキシインジウム、トリブトキシインジウム等のトリアルコキシインジウム;テトラメトキシハフニウム、テトラエトキシハフニウム、テトラプロポキシハフニウム、テトラブトキシハフニウム等のテトラアルコキシハフニウム;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン;テトラメトキシスズ、テトラエトキシスズ、テトラプロポキシスズ、テトラブトキシスズ等のテトラアルコキシスズ;テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のテトラアルコキシジルコニウム;等が挙げられる。
2個のシロキサン骨格含有基と加水分解性基を有する化合物としては、ジ(トリメチルシリルオキシ)ジメトキシシラン、ジ(トリメチルシリルオキシ)ジエトキシシラン、ジ(トリメチルシリルオキシ)ジプロポキシシラン等のジ(トリメチルシリルオキシ)ジアルコキシシラン;等が挙げられる。
2個の炭化水素鎖含有基と加水分解性基を有する化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン;等が挙げられる。
前記アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、前記エーテル系溶剤としては、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられ、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、アミド系溶剤としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、芳香族炭化水素系溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、飽和炭化水素系溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
アルコール系溶剤、ケトン系溶剤が好ましく、水を含んでいてもよい。
水を含む場合、溶剤(c)中、水の含有率は、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
触媒(d)としては、有機金属化合物、酸性化合物が好ましく、有機アルミニウム化合物、塩酸がより好ましい。
前記基材には、予め易接着処理を施しておいてもよい。易接着処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の親水化処理が挙げられる。また、樹脂、シランカップリング剤、テトラアルコキシシラン等によるプライマー処理を用いてもよい。
Si(XP2)4 …(Pa)
[式(Pa)中、XP2は、ハロゲン原子、アルコキシ基又はイソシアナト基を示す。]
(XP3)3Si−(CH2)p−Si(XP3)3 …(Pb)
[ただし、式(Pb)中、XP3はそれぞれ独立して加水分解性基又は水酸基を示し、pは1〜8の整数である。]
またプライマー層形成用組成物には、成分(P)として化合物(Pb)と化合物(Pa)との共加水分解による共加水分解縮合物が含まれていてもよく、各種ポリシラザンが含まれていてもよい。
プライマー層形成用組成物は、部分加水分解縮合物や部分加水分解共縮合物を含有する場合、これらを製造するために使用した溶媒を含んでもよい。
X線光電子分光分析装置(日本電子株式会社製「JPS−9010MC」)を用いて、O(1s)、Ca (2p3/2),C(1s)及び、Si(2p3/2)のピークの面積強度比を測定した。測定条件は、以下の通りであった。
X線:MgKα
電流:10kV
電圧:10mA
Pass energy:10eV
中和銃:2.0mA/2.0V
step:0.1eV
Dwell time:50ms
帯電補正:C1sのピークを285eVとして補正
協和界面科学社製DM700を使用し、液滴法(解析方法:θ/2法)で、皮膜表面の水の接触角を測定した。水滴量は3.0μLである。
70℃のイオン交換水にサンプルを24時間浸漬し、浸漬前後の水接触角を測定した。
協和界面科学社製DM700を使用し、滑落法(解析方法:接触法、水滴量:6.0μL、油滴量:4.0μL、傾斜方法:連続傾斜、滑落検出:滑落後、移動判定:前進角、滑落判定距離:0.125mm)により、皮膜表面の動的撥水(接触角ヒステリシス、転落角)を測定した。
三ツ口フラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シラノールを4.69g、THFを21.0g仕込み、撹拌した。−40℃に冷却し、n−BuLiヘキサン溶液(1.6mol/L)を9.38mL滴下した。0℃まで昇温し、21gのTHFに溶解したヘキサメチルシクロトリシロキサン10.01gを滴下し、17時間撹拌した。−40℃に冷却し、反応液にTHF(テトラヒドロフラン)、イオン交換水、ヘキサンを順次加え、分液して、有機層を取り分けた。イオン交換水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、無色透明の中間体1を得た。
三ツ口フラスコに、トリス(トリメチルシロキシ)シラノールを1.56g、THFを7.0g仕込み、撹拌した。−40℃に冷却し、n−BuLiヘキサン溶液(1.6mol/L)を3.13mL滴下した。0℃まで昇温し、7gのTHFに溶解したヘキサメチルシクロトリシロキサン8.90gを滴下し、17時間撹拌した。−40℃に冷却し、反応液にTHF、イオン交換水、ヘキサンを順次加え、分液して、有機層を取り分けた。イオン交換水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、無色透明の中間体2を得た。
トリメチルシラノール0.45g、THF5.1mLを四つ口フラスコに仕込み、撹拌した。−40℃に冷却し、n−BuLiヘキサン溶液(1.6mol/L)を3.13mL滴下した。0℃まで昇温し、11.9mLのTHFに溶解したヘキサメチルシクロトリシロキサン16.68gを滴下し、室温に昇温して17時間撹拌した。−40℃に冷却し、クロロトリエトキシシラン0.99gを滴下した。ヘキサンを加えて濾過した。濾液を130hPa, 25℃で濃縮し、化合物3を16.33g得た。式中、括弧でくくられた単位の平均繰り返し数をNMRスペクトルから算出したところ、15であった。
トリメチルシラノール1.6g、THF8mLを四つ口フラスコに仕込み、撹拌した。
−40℃に冷却し、n−BuLiヘキサン溶液(1.6mol/L)を11.1mL滴下した。0℃まで昇温し、28mLのTHFに溶解したヘキサメチルシクロトリシロキサン31.68gを滴下し、室温に昇温して17時間撹拌した。反応液にTHF、イオン交換水、ヘキサンを順次加え、分液して、有機層を取り分けた。イオン交換水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、無色透明の中間体4を32g得た。
有機ケイ素化合物(a)としての化合物1〜4、金属化合物(b)としてのテトラエトキシシラン(TEOS)、0.01M塩酸、メチルエチルケトン(MEK)を表7に示す通りの組成で混合し、24時間撹拌して試料溶液を作製した。得られた試料溶液をさらにメチルエチルケトン(MEK)で20倍に希釈し、塗布溶液1〜6とした。
アルカリ洗浄したガラス基板(EAGLE XG、Corning社製)にスピンコーター(MIKASA社製)を用いて前記塗布溶液1〜6を3000rpmで20秒間コーティングし、室温で静置した。なお、製膜にあたり拭き取り工程は要さず、簡便に皮膜を得ることができた。得られた皮膜について、初期の接触角、耐摩耗性、液滴すべり性を評価した。また、温水浸漬試験を実施した後、接触角、耐摩耗性、液滴すべり性を評価した。結果を表8に示す。なお表8の”−”は、測定不可であったことを表す。
測定時に、膜厚が薄すぎる、あるいはX線の入射角が大きすぎる場合には、皮膜だけでなく基板の信号も検出してしまう可能性がある。基板と皮膜の信号がどちらも含まれるような分析を行った場合、皮膜表面の分析を行ったとは言い難く、分析条件を適切に調整する必要がある。分析条件が適切かどうかは、例えば基板の元素(今回はガラス基板中のカルシウム原子)の検出の有無で確認することが出来る。今回の分析結果では、カルシウム原子が検出されていないため、皮膜のみの分析を正しく実施できたと考えて良い。
Claims (5)
- ポリジアルキルシロキサン骨格を含み、X線光電子分光法で測定した炭素原子とケイ素原子の比率(C/Si)が、モル基準で、0.93以上、1.38未満であり、さらに式(s1−1)で表される基を含む皮膜。
[式(s1−1)中、R s2 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R s3 は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Z s1 は、−O−又は2価の炭化水素基を表し、該2価の炭化水素基に含まれる−CH 2 −は、−O−に置き換わっていてもよい。Y s1 は、単結合又は−Si(R s2 ) 2 −L s1 −を表す。L s1 は、2価の炭化水素基を表し、該2価の炭化水素基に含まれる−CH 2 −は、−O−に置き換わっていてもよい。n1は、1〜50の整数を表す。] - 水の初期接触角をθ0、70℃のイオン交換水に24時間浸漬した後の水の接触角をθWとしたとき、下記式で表される接触角変化率dWの大きさが、−10%以上である請求項1に記載の皮膜。
接触角変化率dW(%)=(θW−θ0)/θ0×100 - 初期の水の転落角が30°以下である請求項1又は2に記載の皮膜。
- ポリジアルキルシロキサン骨格由来のケイ素原子の含有率が、皮膜に含まれるケイ素原子中、70モル%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の皮膜。
- トリアルキルシリル基を含み、該トリアルキルシリル基由来のケイ素原子の含有率が、皮膜に含まれるケイ素原子中、5モル%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の皮膜。
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