JP6913551B2 - モーターサイクルに用いられる制御装置、及び、モーターサイクルに用いられる制御方法 - Google Patents

モーターサイクルに用いられる制御装置、及び、モーターサイクルに用いられる制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、モーターサイクルに用いられる制御装置、モーターサイクルに用いられる制御方法、及び、目標トルク決定方法に関する。
自動二輪車又は自動三輪車であるモーターサイクルは、自動四輪車と比べ、車体重量が軽量である。また、モーターサイクルは、一般的に、後輪が駆動輪となり、前輪が非駆動輪となる。すなわち、モーターサイクルは、後輪によって車体の加速が行われる。このため、モーターサイクルは、急加速をした場合、前輪が浮き上がる場合がある。以下、前輪が浮き上がる現象をウィリーと称する。
ウィリーは車体挙動としては不安定な挙動であり、モーターサイクルが転倒する場合もある。また、過度なウィリーは、モーターサイクルの加速性能を低下させてしまう。このため、従来の自動二輪車においては、エンジンの出力トルクを運転者が要求する値よりも抑制することにより、ウィリーを抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−137416号公報
上述のように、車体挙動を安定化させる観点からすると、ウィリーを抑制することは好ましい。一方で、ウィリーは、運転者にとって魅力的な走行方法でもある。このため、ウィリーを抑制する制御が行われた場合、積極的な運転を好む運転者によっては、モーターサイクルを運転する楽しみが減ってしまうと感じる場合がある。したがって、エンジンの出力トルクを抑制してウィリーを抑制する従来のモーターサイクルは、運転する際の自由度が減少してしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、モーターサイクルに用いられる制御装置であって、モーターサイクルを運転する際の自由度を向上させることができる制御装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、モーターサイクルに用いられる制御方法、あるいは、モーターサイクルのエンジンの出力トルクを制御する際の目標トルクを決定する目標トルク決定方法であって、モーターサイクルを運転する際の自由度を向上させることができる制御方法又は目標トルク決定方法を提供することを第2の目的とする。
本発明に係る制御装置は、モーターサイクルに用いられる制御装置であって、前記モーターサイクルの前輪が浮き上がる現象であるウィリーが発生したか否かを判定するウィリー判定部と、前記モーターサイクルのエンジンの出力トルクが制御される際の目標トルクを決定するトルク決定部と、を備え、更に、前記ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードである第1モード及び第2モードを設定する設定部を備えており、前記トルク決定部は、前記モードが前記第1モードに設定されている状態においては、前記ウィリーが発生したと前記ウィリー判定部が判定したときに、前記目標トルクを、前記ウィリーが発生したと前記ウィリー判定部が判定する前の前記目標トルクよりも減少した値に変更し、前記モードが前記第2モードに設定されている状態においては、前記ウィリーが発生したと前記ウィリー判定部が判定したときに、前記目標トルクを、前記第1モードにおいて前記ウィリーが発生したと前記ウィリー判定部が判定したときに設定される前記目標トルクよりも大きな値に設定する構成である。
また、本発明に係る制御方法は、モーターサイクルに用いられる制御方法であって、前記モーターサイクルの前輪が浮き上がる現象であるウィリーが発生したか否かを判定するウィリー判定ステップと、前記モーターサイクルのエンジンの出力トルクが制御される際の目標トルクを決定するトルク決定ステップと、を有し、更に、前記ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードである第1モード及び第2モードを設定する設定ステップを有しており、前記トルク決定ステップでは、前記モードが前記第1モードに設定されている状態においては、前記ウィリー判定ステップで前記ウィリーが発生したと判定されたときに、前記目標トルクを、前記ウィリー判定ステップで前記ウィリーが発生したと判定される前の前記目標トルクよりも減少した値に変更し、前記モードが前記第2モードに設定されている状態においては、前記ウィリー判定ステップで前記ウィリーが発生したと判定されたときに、前記目標トルクを、前記第1モードにおいて前記ウィリー判定ステップで前記ウィリーが発生したと判定されたときに設定される前記目標トルクよりも大きな値に設定する。
また、本発明に係る目標トルク決定方法は、モーターサイクルのエンジンの出力トルクを制御する際の目標トルクを決定する目標トルク決定方法であって、前記モーターサイクルの前輪が浮き上がる現象であるウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードが第1モードに設定されている状態においては、前記ウィリーが発生したときに、前記目標トルクを、前記ウィリーが発生する前の前記目標トルクよりも減少した値に変更し、前記モードが第2モードに設定されている状態においては、前記ウィリーが発生したときに、前記目標トルクを、前記第1モードにおいて前記ウィリーが発生したときに設定される前記目標トルクよりも大きな値に設定する。
本発明は、第1モードに設定されている場合には、モーターサイクルにウィリーが発生した際、モーターサイクルのエンジンの出力トルクを制御する際の目標トルクを、ウィリーが発生する前の目標トルクよりも減少した値にする。すなわち、本発明が採用されたモーターサイクルにおいては、第1モードに設定されているときにウィリーが発生した際、エンジンの出力トルクは、ウィリーが発生する前の出力トルクよりも減少する。このため、本発明が採用されたモーターサイクルにおいては、第1モードに設定されている場合、ウィリーを抑制でき、車体挙動を安定化させることができる。
一方、本発明は、第2モードに設定されている場合には、モーターサイクルにウィリーが発生した際、モーターサイクルのエンジンの出力トルクを制御する際の目標トルクを、第1モードにおいてウィリーが発生したときに設定される目標トルクよりも大きな値に設定する。すなわち、本発明が採用されたモーターサイクルにおいては、第2モードに設定されているときにウィリーが発生した際、エンジンの出力トルクは、第1モードに設定されている場合よりも抑制されない。このため、本発明が採用されたモーターサイクルにおいては、第2モードに設定されている場合、モーターサイクルを運転する楽しみが減じられてしまうことを抑制できる。
すなわち、本発明は、ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードを切り替えることにより、モーターサイクルを運転する際の自由度を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る出力トルク制御装置の構成を示す図である。 モーターサイクルの挙動の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る出力トルク制御装置における、エンジンの出力トルクの制御方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る出力トルク制御装置において、第1モードで制御された場合のエンジンの出力トルクの変遷の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る出力トルク制御装置において、第2モードで制御された場合のエンジンの出力トルクの変遷の一例を示す図である。
本発明に係る制御装置は、モーターサイクルのエンジンの出力トルクを制御する出力トルク制御装置の少なくとも一部である。本発明に係る制御方法は、出力トルク制御装置がモーターサイクルのエンジンの出力トルクを制御する際の制御方法のうちの、少なくとも一部である。本発明に係る目標トルク決定方法は、出力トルク制御装置がモーターサイクルのエンジンの出力トルクを制御する際の目標トルクを決定する方法である。以下の実施の形態では、本発明を用いた出力トルク制御装置の一例について説明する。なお、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一例であり、本発明を限定するものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る出力トルク制御装置の構成を示す図である。
本実施の形態に係る出力トルク制御装置1は、モーターサイクル100のエンジン32の出力トルクを制御するものである。モーターサイクル100は、自動二輪車又は自動三輪車である。
本実施の形態に係る出力トルク制御装置1は、第1制御装置10及び第2制御装置20を備えている。第1制御装置10は、エンジン32の出力トルクが目標トルクとなるように、エンジン32の出力トルクを制御するものである。第2制御装置20は、第1制御装置10がエンジン32の出力トルクを制御する際の目標トルクを決定するものである。第1制御装置10及び第2制御装置20のそれぞれは、例えばECU(Electronic Control Unit)である。
ここで、第2制御装置20が、本発明の制御装置に相当する。
第1制御装置10は、演算部11及び制御部12を備えている。
演算部11は、モーターサイクル100の運転者が要求するエンジン32の出力トルクである運転者要求トルクを演算する機能部である。なお、本実施の形態に係るモーターサイクル100は、運転者が運転者要求トルクを入力する手段として、スロットルグリップ31を有している。そして、演算部11は、スロットルグリップ31の位置(運転手によって回転させられたスロットルグリップ31の回転量)等に基づいて、運転者要求トルクを演算している。また、演算部11は、演算した運転者要求トルクを、制御部12及び第2制御装置20に送信する。
制御部12は、エンジン32の出力トルクが目標トルクとなるように、エンジン32の出力トルクを制御する機能部である。詳しくは、通常走行時、制御部12は、演算部11で演算された運転者要求トルクを目標値として、エンジン32の出力トルクを制御する。例えば、制御部12は、スロットルバルブの開度、エンジン32の各気筒の燃焼室への燃料供給量、及び燃焼室内への空気供給量等を調節することにより、エンジン32の出力トルクを運転者要求トルクとなるように制御する。
ここで、後述のように、モーターサイクル100の車体挙動が不安定になった場合等には、第2制御装置20から制御部12へ、運転者要求トルクよりも値の小さな目標トルクが送信される。すなわち、モーターサイクル100の車体挙動が不安定になった場合等には、制御部12は、第2制御装置20から、エンジン32の出力トルクを抑制するように指令される。このように第2制御装置20から制御部12へ目標トルクが送信された場合、制御部12は、第2制御装置20から送信された目標トルクを目標値として、エンジン32の出力トルクを制御する。例えば、制御部12は、スロットルバルブの開度を変更して、エンジン32の出力トルクを、第2制御装置20から送信された目標トルクとなるように抑制する。なお、第2制御装置20から目標トルクが送信された際の制御部12の制御方法は、当該方法に限定されるものではない。エンジン32の出力トルクを第2制御装置20から送信された目標トルクにできれば、制御部12の制御方法は任意である。
なお、モーターサイクル100は、後輪34が駆動輪となっており、前輪35が非駆動輪となっている。このため、エンジン32の出力トルクは、伝達機構33を介して、後輪34に伝達される。
第2制御装置20は、ウィリー判定部21、スリップ判定部22、取得部23、トルク決定部24、及び設定部25を備えている。
ウィリー判定部21は、モーターサイクル100の前輪35が浮き上がる現象であるウィリーが発生したか否かを判定する機能部である。例えば、ウィリー判定部21は、モーターサイクル100が有する少なくとも1つのセンサー40の検出値に基づいて、ウィリーが発生したか否かを判定する。なお、ウィリー判定部21におけるウィリーが発生したか否かの判定方法は、特定の方法に限定されるものではなく、種々の方法を採用することができる。このため、ウィリー判定部21に採用されたウィリー判定方法に必要なセンサーを、センサー40としてモーターサイクル100に設ければよい。
図2は、モーターサイクルの挙動の一例を示す図である。図2の横軸は時間となっており、図2の縦軸は速度となっている。また、図2に示す二点鎖線は、モーターサイクル100の推定車体速度101である。図2に示す一点鎖線は、前輪35の車輪速度101Fである。図2に示す実線は、後輪34の車輪速度101Rである。図2に示すモーターサイクル100の挙動では、時間T1で走り出したモーターサイクル100は、時間T3でウィリーが発生している。
非駆動輪である前輪35は、接地している状態においては、モーターサイクル100の走行に追従して回転する。一方、ウィリーが発生して前輪35が浮き上がると、前輪35は、接地できない状態になるため、車輪速度101Fが低下していく。すなわち、ウィリーが発生すると、推定車体速度101及び後輪34の車輪速度101Rに対する前輪35の車輪速度101Fの速度差が大きくなる。このため、ウィリー判定部21は、例えば、推定車体速度101又は後輪34の車輪速度101Rに対する前輪35の車輪速度101Fの速度差が大きくなった際、ウィリーが発生したと判定できる。なお、推定車体速度の算出方法は、特定の方法に限定されるものではなく、種々の方法を採用することができる。また例えば、ウィリーが発生して前輪35が浮き上がると、モーターサイクル100には、ピッチ角が大きくなる、加速度の重力成分が増加する等の挙動変化が現れる。ウィリー判定部21は、例えば、このような挙動変化に基づいて、ウィリーが発生したと判定してもよい。
スリップ判定部22は、モーターサイクル100の後輪34がスリップしたか否かを判定する機能部である。例えば、スリップ判定部22は、モーターサイクル100が有する少なくとも1つのセンサー40の検出値に基づいて、スリップが発生したか否かを判定する。なお、スリップ判定部22におけるスリップが発生したか否かの判定方法は、特定の方法に限定されるものではなく、種々の方法を採用することができる。このため、スリップ判定部22に採用されたスリップ判定方法に必要なセンサーを、センサー40としてモーターサイクル100に設ければよい。
図2に示すモーターサイクル100の挙動では、時間T5でスリップが発生している。スリップが発生すると、駆動輪である後輪34が空転する。このため、図2に示すように、スリップが発生すると、後輪34の車輪速度101Rは、推定車体速度101及び前輪35の車輪速度101Fと比べ、大きくなる。このため、スリップ判定部22は、例えば、後輪34の車輪速度101Rが推定車体速度101又は前輪35の車輪速度101Fに対して大きくなった際、スリップが発生したと判定できる。
ここで、スリップ判定部22は、ウィリー発生中においても、後輪34がスリップしたか否かを判定する。ウィリー発生中にスリップが発生した場合、後輪34の車輪速度101Rは、推定車体速度101と比べ、大きくなる。このため、スリップ判定部22は、例えば、後輪34の車輪速度101Rが推定車体速度101に対して大きくなった際、スリップが発生したと判定できる。なお、後輪34がスリップして空転した際、該後輪34の加速度は、モーターサイクル100の想定される加速度よりも大きくなる。このため、スリップ判定部22は、例えば、後輪34の加速度が規定加速度よりも大きくなった際、スリップが発生したと判断してもよい。
取得部23は、第1制御装置10の演算部11で演算された運転者要求トルクを取得する機能部である。すなわち、第1制御装置10の演算部11から取得部23へ、該演算部11で演算された運転者要求トルクが送信される。
トルク決定部24は、第1制御装置10がエンジン32の出力トルクを制御する際の目標トルクを決定する機能部である。詳しくは、ウィリーが発生しているとウィリー判定部21が判定した場合、トルク決定部24は、ウィリーという不安定挙動を抑制するため、目標トルクを、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定する前の目標トルクよりも減少した値に変更する。例えば、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定する前、目標トルクが運転者要求トルクであった場合、トルク決定部24は、運転者要求トルクよりも値の小さな目標トルクを決定する。そして、トルク決定部24は、この決定した目標トルクを、第1制御装置10の制御部12に送信する。制御部12がこの目標トルクとなるようにエンジン32の出力トルクを制御することにより、ウィリーを抑制することができる。換言すると、早期にウィリーを終了させることができる。
また、本実施の形態に係るトルク決定部24は、運転者要求トルクの単位時間当たりの増加量が閾値以上の場合、目標トルクの単位時間当たりの増加量が運転者要求トルクの単位時間当たりの増加量よりも減少するように、目標トルクを決定する。そして、トルク決定部24は、この決定した目標トルクを、第1制御装置10の制御部12に送信する。モーターサイクル100の加速が大きくなるほど、ウィリーが発生しやすくなる。このように決定された目標トルクとなるように制御部12がエンジン32の出力トルクを制御することにより、モーターサイクル100の加速を抑制でき、ウィリーの発生を抑制できる。
また、本実施の形態に係るトルク決定部24は、スリップが発生しているとスリップ判定部22が判定した場合、目標トルクを、スリップしたとスリップ判定部22が判定する前の目標トルクをよりも減少した値に変更する。例えば、スリップしたとスリップ判定部22が判定する前、目標トルクが運転者要求トルクであった場合、トルク決定部24は、運転者要求トルクよりも値の小さな目標トルクを決定する。そして、トルク決定部24は、この決定した目標トルクを、第1制御装置10の制御部12に送信する。制御部12がこの目標トルクとなるようにエンジン32の出力トルクを制御することにより、スリップを抑制することができる。換言すると、早期にスリップを終了させることができる。
なお、モーターサイクル100の車体挙動が安定している通常走行時、トルク決定部24は、目標トルクを第1制御装置10の制御部12に送信しない。この状態においては、上述のように、制御部12は、演算部11で演算された運転者要求トルクを目標値として、エンジン32の出力トルクを制御する。すなわち、トルク決定部24は、目標トルクを制御部12に送信しないという手段により、目標トルクを運転者要求トルクに設定している。
設定部25は、ウィリーの抑制度合いを切り替えるモードである第1モード及び第2モードを設定する機能部である。設定部25が第1モードに設定している場合、トルク決定部24は、ウィリーが発生しているとウィリー判定部21が判定した場合、目標トルクを、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定する前の目標トルクよりも減少した値に変更する。例えば、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定する前、目標トルクが運転者要求トルクであった場合、トルク決定部24は、運転者要求トルクよりも値の小さな目標トルクを決定する。このため、ウィリーという不安定挙動を早期に終了でき、モーターサイクル100を早期に安定化させることができる。
一方、設定部25が第2モードに設定している場合、トルク決定部24は、ウィリーが発生しているとウィリー判定部21が判定した場合でも、目標トルクを制御部12に送信しない。このため、制御部12は、演算部11で演算された運転者要求トルクを目標値として、エンジン32の出力トルクを制御する。すなわち、設定部25が第2モードに設定している場合、エンジン32の出力トルクの抑制は行われず、ウィリーは抑制されない。したがって、ウィリーを抑制することよって積極的な運転を好む運転者がモーターサイクル100を運転する楽しみが減ってしまうと感じることを抑制できる。換言すると、トルク決定部24は、モードが第2モードに設定されている状態においては、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定したときに、目標トルクを、第1モードにおいてウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定したときに設定される目標トルクよりも大きな値に設定する。
つまり、設定部25が設定するモードを切り替えることによって、モーターサイクル100を運転する際の自由度を向上させることができる。なお、ウィリーの抑制度合いが2段階で切り替えられる場合を説明したが、ウィリーの抑制度合いが3段階以上で切り替えられてもよい。つまり、モードが3つ以上であってもよい。
また、本実施の形態においては、設定部25が第1モードに設定している場合、トルク決定部24は、運転者要求トルクの単位時間当たりの増加量が閾値以上の場合、目標トルクの単位時間当たりの増加量が運転者要求トルクの単位時間当たりの増加量よりも減少するように、目標トルクを決定する。このため、ウィリーが発生すること自体を抑制でき、モーターサイクル100をより安定化させることができる。一方、設定部25が第2モードに設定している場合、トルク決定部24は、運転者要求トルクの単位時間当たりの増加量が閾値以上となっている場合でも、目標トルクを制御部12に送信しない。ウィリーの発生を抑制しないため、積極的な運転を好む運転者がモーターサイクル100を運転する楽しみが減ってしまうと感じることをさらに抑制できる。なお、トルク決定部24には、例えば、取得部23から運転者要求トルクが送信されている。
すなわち、トルク決定部24は、モードが第1モードに設定されている状態においては、運転者要求トルクの単位時間当たりの増加量が閾値以上の場合、目標トルクの単位時間当たりの増加量が第2モードに設定されている状態における目標トルクの単位時間当たりの増加量よりも減少するように、目標トルクを決定する。
なお、本実施の形態においては、トルク決定部24は、設定部25が第1モードに設定している場合及び設定部25が第2モードに設定している場合の双方において、スリップが発生しているとスリップ判定部22が判定した場合、目標トルクを、スリップしたとスリップ判定部22が判定する前の目標トルクをよりも減少した値に変更する。
ここで、上述のように、本実施の形態に係るスリップ判定部22は、ウィリー発生中においても、後輪34がスリップしたか否かを判定する。そして、トルク決定部24は、ウィリーが発生しているとウィリー判定部21が判定しているときに後輪34がスリップしたとスリップ判定部22が判定した場合、目標トルクを、ウィリーが発生しているとウィリー判定部21が判定している状態において後輪34がスリップしたとスリップ判定部22が判定していないときの目標トルクよりも減少した値に変更する。ウィリー発生時におけるスリップの発生は、ウィリーを抑制しない第2モードで主に発生する。このため、当該制御は、少なくとも第2モードで行われる。
上述のように、本実施の形態に係るトルク決定部24は、ウィリーを抑制しない第2モードにおいても、スリップ発生時には、目標トルクを抑制する制御を行う。すなわち、スリップという不安定挙動を抑制する制御を行う。このため、本実施の形態に係る出力トルク制御装置1は、積極的な運転を好む運転者がモーターサイクル100を運転する楽しみが減ってしまうと感じることを抑制しつつ、モーターサイクル100の安全性も確保することができる。
なお、本実施の形態に係るモーターサイクル100は、例えばダッシュボード上等、運転者が操作容易な箇所にスイッチ30を備えている。このスイッチ30は、モードを第1モード又は第2モードに切り替えるスイッチである。そして、スイッチ30は、第2制御装置20の設定部25と電気的に接続されている。このため、本実施の形態に係る設定部25は、スイッチ30の状態に基づいて、モードを第1モード又は第2モードに設定する構成となっている。具体的には、スイッチ30によって第1モードが選択されている場合、設定部25は、モードを第1モードに設定する。スイッチ30によって第2モードが選択されている場合、設定部25は、モードを第2モードに設定する。
ただし、モードの設定方法は、当該方法に限定されるものではない。例えば、前記設定部は、運転者の運転傾向に基づいて、モードを第1モード又は第2モードに自動で設定してもよい。
なお、上述した出力トルク制御装置1の構成は、あくまでも一例である。例えば、第1制御装置10の演算部11を第2制御装置20に設け、演算部11と取得部23とを1つの機能部として構成してもよい。すなわち、取得部23に、演算部11の機能を持たせてもよい。このように取得部23を構成した場合、取得部23は、演算することによって運転者要求トルクを取得することとなる。また例えば、トルク決定部24から制御部12へ常に目標トルクを送信する構成としてもよい。この場合、通常運転時には、トルク決定部24は、運転者要求トルクを目標トルクとして制御部12へ送信する。また例えば、第1制御装置10及び第2制御装置20を1つのECUで構成する等、第1制御装置10及び第2制御装置20を一体で構成してもよい。
続いて、本実施の形態に係る出力トルク制御装置1における、エンジン32の出力トルクの制御方法につて説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る出力トルク制御装置における、エンジンの出力トルクの制御方法を示すフローチャートである。図4は、本発明の実施の形態に係る出力トルク制御装置において、第1モードで制御された場合のエンジンの出力トルクの変遷の一例を示す図である。また、図5は、本発明の実施の形態に係る出力トルク制御装置において、第2モードで制御された場合のエンジンの出力トルクの変遷の一例を示す図である。
なお、図4(a)及び図5(a)は、モーターサイクル100の挙動の一例として、図2と同様の挙動を示している。詳しくは、図4(a)及び図5(a)の横軸は時間となっており、図4(a)及び図5(a)の縦軸は速度となっている。また、図4(a)及び図5(a)に示す二点鎖線は、モーターサイクル100の推定車体速度101である。図4(a)及び図5(a)に示す一点鎖線は、前輪35の車輪速度101Fである。図4(a)及び図5(a)に示す実線は、後輪34の車輪速度101Rである。図4(a)及び図5(a)に示すモーターサイクル100の挙動では、時間T1で走り出したモーターサイクル100は、時間T3でウィリーが発生し、時間T4でウィリーが終了している。また、時間T5で後輪34のスリップが発生し、時間T6で後輪34のスリップが終了している。
また、図4(b)は、図4(a)に示す挙動のモーターサイクル100が第1モードで制御された際の、エンジン32の出力トルクの変遷を示している。詳しくは、図4(b)の横軸は時間となっており、図4(b)の縦軸はトルクとなっている。また、図4(b)に示す二点鎖線は、演算部11で演算された運転者要求トルク102である。図4(b)に示す実線は、第1モードで制御された際のエンジン32の出力トルク1021である。
また、図5(b)は、図5(a)に示す挙動のモーターサイクル100が第2モードで制御された際の、エンジン32の出力トルクの変遷を示している。詳しくは、図5(b)の横軸は時間となっており、図5(b)の縦軸はトルクとなっている。また、図5(b)に示す二点鎖線は、演算部11で演算された運転者要求トルク102である。図5(b)に示す実線は、第2モードで制御された際のエンジン32の出力トルク1022である。
ステップS1においてエンジン32が駆動されると、制御部12は、演算部11で演算された運転者要求トルク102を目標値として、エンジン32の出力トルクを制御する。そして、設定ステップであるステップS2において設定部25がモードを第1モードに設定している場合(ステップS2のYes)、ステップS3に進む。ステップS3は、運転者要求トルク増加量判定ステップである。ステップS3では、トルク決定部24は、運転者要求トルク102の単位時間当たりの増加量が閾値以上であるか否かを判定する。運転者要求トルク102の単位時間当たりの増加量が閾値以上である場合(ステップS3のYes)、出力トルク制御装置1は、ステップS4及びステップS5において、出力トルク勾配制限制御を行う。
詳しくは、ステップS4は、出力トルク勾配制限制御におけるトルク決定ステップである。ステップS4においてトルク決定部24は、目標トルクの単位時間当たりの増加量が運転者要求トルク102の単位時間当たりの増加量よりも減少するように、目標トルクを決定する。そして、ステップS5において制御部12は、ステップS4で決定された目標トルクとなるように、エンジン32の出力トルク1021を制御する。その後、ステップS6に進む。このようにエンジン32の出力トルク1021を制御することにより、モーターサイクル100の急加速を抑制できる。このため、このようにエンジン32の出力トルク1021を制御することにより、ウィリーが発生すること自体を抑制でき、モーターサイクル100を安定化させることができる。
なお、目標トルクを減少させる量は、任意である。目標トルクを一定の値だけ減少させてもよいし、運転者要求トルク102の単位時間当たりの増加量の大きさ(前輪35の上昇量)に応じて目標トルクの減少量を変更してもよい。また、ウィリーの発生しやすさは、運転者要求トルク102の単位時間当たりの増加量だけでなく、運転者要求トルク102の絶対値も影響する。このため、図4(b)に示すように、運転者要求トルク102の単位時間当たりの増加量が閾値以上であり、且つ運転者要求トルク102の絶対値が規定値以上となった場合(時間T2)、出力トルク勾配制限制御を行ってもよい。また、ステップS5のエンジン32の出力トルク制御は、例えば、図4(b)に示すように、エンジン32の出力トルク1021が運転者要求トルク102となるまで続けられる。一方、ステップS3において運転者要求トルク102の単位時間当たりの増加量が閾値よりも小さかった場合(ステップS3のNo)、ステップS4及びステップS5を飛ばして、ステップS6に進む。
ステップS6は、ウィリー判定ステップである。ステップS6では、ウィリー判定部21は、ウィリーが発生したか否かを判定する。ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定した場合(ステップS6のYes)、出力トルク制御装置1は、ステップS7及びステップS8において、ウィリー時出力トルク抑制制御を行う。
詳しくは、ステップS7は、ウィリー時出力トルク抑制制御におけるトルク決定ステップである。ステップS7においてトルク決定部24は、目標トルクを、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定する前の目標トルクよりも減少した値に変更する。図4(b)の場合、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定する前の出力トルク1021は、運転者要求トルク102となっている。すなわち、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定する前の目標トルクは、運転者要求トルク102となっている。このため、図4(b)の場合、トルク決定部24は、目標トルクを、運転者要求トルク102よりも減少した値に変更する。なお、目標トルクを減少させる量は、任意である。目標トルクを一定の値だけ減少させてもよいし、ウィリーの大きさ(前輪35の上昇量)等に応じて目標トルクの減少量を変更してもよい。
ステップS7の後、ステップS8において制御部12は、ステップS7で決定された目標トルクとなるように、エンジン32の出力トルク1021を制御する。このようにエンジン32の出力トルク1021を制御することにより、ウィリーを早期に終了でき、モーターサイクル100を早期に安定化させることができる。
一方、ウィリーが発生していないとウィリー判定部21が判定した場合(ステップS6のNo)、ステップS9に進む。ステップS9は、ウィリー時出力トルク抑制制御を解除するステップである。詳しくは、後述のように、図3に示すエンジン32の出力トルクの制御は、ステップS1でエンジン32が駆動されてからエンジン32が停止するまでの間、ステップS2からステップS14までを1サイクルとし、当該サイクルが繰り返される。ステップS9では、前回のサイクルでウィリーが発生していなかった場合、ウィリー時出力トルク抑制制御は行われていないため、トルク決定部24は、目標トルクを変更しない。
これに対し、前回のサイクルでウィリーが発生していた場合、ステップS9に到達した時点では、ウィリー時出力トルク抑制制御は行われている。この場合、ステップS9では、トルク決定部24は、目標トルクを、ウィリー時出力トルク抑制制御によって減少していた分だけ増加させる。例えば、前回のサイクルにおいて出力トルク勾配制限制御及び後述のスリップ時出力トルク抑制制御(ステップS11及びステップS12)の双方が行われていない場合、ステップS9においてトルク決定部24は、目標トルクを運転者要求トルク102とする。また例えば、前回のサイクルにおいて出力トルク勾配制限制御及びスリップ時出力トルク抑制制御のうちの少なくとも一方が行われていた場合、ステップS9においてトルク決定部24は、目標トルクを増加させるものの、運転者要求トルク102よりも小さな値の目標トルクに決定する。また、ステップS9において制御部12は、当該ステップS9で決定された目標トルクとなるように、エンジン32の出力トルク1021を制御する。
設定部25がモードを第1モードに設定している場合(ステップS2のYes)、ステップS8又はステップS9の後、スリップ判定を行う後述のステップS10に進む。
一方、設定部25がモードを第2モードに設定している場合(ステップS2のNo)には、出力トルク勾配制限制御及びウィリー時出力トルク抑制制御を行わず、スリップ判定を行う後述のステップS10に進む。すなわち、設定部25がモードを第2モードに設定している場合、モーターサイクル100の急加速を抑制せず、ウィリーも抑制しない。したがって、図5(b)に示すように、制御部12は、運転者要求トルク102の単位時間当たりの増加量が閾値以上となっている場合でも、演算部11で演算された運転者要求トルク102を目標値として、エンジン32の出力トルク1022を制御する。また、図5(b)に示すように、制御部12は、ウィリーが発生している場合でも、演算部11で演算された運転者要求トルク102を目標値として、エンジン32の出力トルク1022を制御する。このようにエンジン32の出力トルク1022を制御することにより、積極的な運転を好む運転者がモーターサイクル100を運転する楽しみが減ってしまうと感じることを抑制できる。
なお、設定部25がモードを第2モードに設定している場合においても、出力トルク勾配制限制御を行ってもよい。この際、第2モードにおける出力トルク勾配制限制御時の目標トルクを、第1モードにおける出力トルク勾配制限制御時の目標トルクよりも大きくすればよい。第2モードにおいてこのように出力トルク勾配制限制御を行うことにより、モーターサイクル100の急加速を抑制する度合いは、第1モードと比べて小さくなる。したがって、積極的な運転を好む運転者がモーターサイクル100を運転する楽しみが減ってしまうと感じることを抑制できる。
また、設定部25がモードを第2モードに設定している場合においても、ウィリー時出力トルク抑制制御を行ってもよい。この際、第2モードにおけるウィリー時出力トルク抑制制御時の目標トルクを、第1モードにおけるウィリー時出力トルク抑制制御時の目標トルクよりも大きくすればよい。第2モードにおいてこのようにウィリー時出力トルク抑制制御を行うことにより、ウィリーを抑制する度合いは、第1モードと比べて小さくなる。したがって、積極的な運転を好む運転者がモーターサイクル100を運転する楽しみが減ってしまうと感じることを抑制できる。
ステップS10は、スリップ判定ステップである。ステップS10では、スリップ判定部22は、スリップが発生したか否かを判定する。スリップが発生したとスリップ判定部22が判定した場合(ステップS10のYes)、出力トルク制御装置1は、ステップS11及びステップS12において、スリップ時出力トルク抑制制御を行う。
詳しくは、ステップS11は、スリップ時出力トルク抑制制御におけるトルク決定ステップである。ステップS11においてトルク決定部24は、目標トルクを、スリップしたとスリップ判定部22が判定する前の目標トルクよりも減少した値に変更する。例えば、図4(b)及び図5(b)の場合、スリップしたとスリップ判定部22が判定する前の出力トルク1021,1022は、運転者要求トルク102となっている。すなわち、スリップしたとスリップ判定部22が判定する前の目標トルクは、運転者要求トルク102となっている。このため、図4(b)及び図5(b)の場合、トルク決定部24は、目標トルクを、運転者要求トルク102よりも減少した値に変更する。また例えば、スリップしたとスリップ判定部22が判定した時点でウィリーが発生しているとウィリー判定部21が判定している場合、トルク決定部24は、目標トルクを、ウィリーが発生しているとウィリー判定部21が判定している状態においてスリップしたとスリップ判定部22が判定していないときの目標トルクよりも減少した値に変更する。なお、目標トルクを減少させる量は、任意である。目標トルクを一定の値だけ減少させてもよいし、スリップの度合い(例えば推定車体速度101と後輪34の車輪速度101Rとの差)等に応じて目標トルクの減少量を変更してもよい。
ステップS11の後、ステップS12において制御部12は、ステップS11で決定された目標トルクとなるように、エンジン32の出力トルクを制御する。このようにエンジン32の出力トルクを制御することにより、スリップを早期に終了でき、モーターサイクル100を早期に安定化させることができる。
このように、本実施の形態では、ウィリーを抑制しない第2モードにおいても、スリップ発生時には、目標トルクを抑制する制御を行う。すなわち、スリップという不安定挙動を抑制する制御を行う。このため、本実施の形態に係る出力トルク制御装置1は、積極的な運転を好む運転者がモーターサイクル100を運転する楽しみが減ってしまうと感じることを抑制しつつ、モーターサイクル100の安全性も確保することができる。
一方、スリップが発生していないとスリップ判定部22が判定した場合(ステップS10のNo)、ステップS13に進む。ステップS13は、スリップ時出力トルク抑制制御を解除するステップである。例えば、ステップS2からステップS14までの前回サイクルでスリップが発生していなかった場合、前回のサイクルではスリップ時出力トルク抑制制御は行われていない。このため、ステップS13では、トルク決定部24は、目標トルクを変更しない。
これに対し、前回のサイクルでスリップが発生していた場合、ステップS13に到達した時点では、スリップ時出力トルク抑制制御は行われている。この場合、ステップS13では、トルク決定部24は、目標トルクを、スリップ時出力トルク抑制制御によって減少していた分だけ増加させる。例えば、前回のサイクルにおいて出力トルク勾配制限制御及びウィリー時出力トルク抑制制御の双方が行われていない場合、ステップS13においてトルク決定部24は、目標トルクを運転者要求トルク102とする。また例えば、前回のサイクルにおいて出力トルク勾配制限制御及びウィリー時出力トルク抑制制御のうちの少なくとも一方が行われていた場合、ステップS13においてトルク決定部24は、目標トルクを増加させるものの、運転者要求トルク102よりも小さな値の目標トルクに決定する。また、ステップS13において制御部12は、当該ステップS13で決定された目標トルクとなるように、エンジン32の出力トルクを制御する。
ステップS12又はステップS13の後、エンジン32が停止していなければ(ステップS14のNo)、ステップS2に戻って上述の制御が繰り返される。また、ステップS12又はステップS13の後、エンジン32が停止してれば(ステップS14のYes)、制御部12はエンジン32の出力トルクの制御を終了する(ステップS15)。
以上、モーターサイクル100に用いられる本実施の形態に係る第2制御装置20は、ウィリー判定部21と、トルク決定部24と、設定部25とを備える。ウィリー判定部21は、モーターサイクル100の前輪35が浮き上がる現象であるウィリーが発生したか否かを判定する。トルク決定部24は、モーターサイクル100のエンジン32の出力トルクが制御される際の目標トルクを決定する。設定部25は、ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードを第1モード又は第2モードに設定する。そして、トルク決定部24は、第1モードに設定されている状態においては、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定したときに、目標トルクを、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定する前の目標トルクよりも減少した値に変更する。また、トルク決定部24は、第2モードに設定されている状態においては、ウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定したときに、目標トルクを、第1モードにおいてウィリーが発生したとウィリー判定部21が判定したときに設定される目標トルクよりも大きな値に設定する。
また、本実施の形態に係る第2制御装置20が行う制御方法は、モーターサイクル100に用いられる制御方法であって、ウィリー判定ステップと、トルク決定ステップと、設定ステップとを有する。ウィリー判定ステップは、モーターサイクル100の前輪35が浮き上がる現象であるウィリーが発生したか否かを判定する。トルク決定ステップは、モーターサイクル100のエンジン32の出力トルクが制御される際の目標トルクを決定する。設定ステップは、ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードを第1モード又は第2モードに設定する。そして、トルク決定ステップでは、第1モードに設定されている状態においては、ウィリー判定ステップでウィリーが発生したと判定されたときに、目標トルクを、ウィリー判定ステップでウィリーが発生したと判定される前の目標トルクよりも減少した値に変更する。また、トルク決定ステップでは、第2モードに設定されている状態においては、ウィリー判定ステップでウィリーが発生したと判定されたときに、目標トルクを、第1モードにおいてウィリー判定ステップでウィリーが発生したと判定されたときに設定される目標トルクよりも大きな値に設定する。
また、本実施の形態に係る第2制御装置20が行う目標トルク決定方法は、モーターサイクル100のエンジン32の出力トルクを制御する際の目標トルクを決定する目標トルク決定方法である。この目標トルク決定方法は、ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードが第1モードに設定されている状態においては、ウィリーが発生したときに、目標トルクを、ウィリーが発生する前の目標トルクよりも減少した値に変更する。また、この目標トルク決定方法は、ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードが第2モードに設定されている状態においては、ウィリーが発生したときに、目標トルクを、第1モードにおいてウィリーが発生したときに設定される目標トルクよりも大きな値に設定する。
本実施の形態に係る第2制御装置20は、第1モードに設定されている場合には、モーターサイクル100にウィリーが発生した際、モーターサイクル100のエンジン32の出力トルクを制御する際の目標トルクを、ウィリーが発生する前の目標トルクよりも減少した値にする。すなわち、本実施の形態に係る第2制御装置20が採用されたモーターサイクル100においては、第1モードに設定されているときにウィリーが発生した際、エンジン32の出力トルクは、ウィリーが発生する前の出力トルクよりも減少する。このため、本実施の形態に係る第2制御装置20が採用されたモーターサイクル100においては、第1モードに設定されている場合、ウィリーを抑制でき、車体挙動を安定化させることができる。
一方、本実施の形態に係る第2制御装置20は、第2モードに設定されている場合には、モーターサイクル100にウィリーが発生した際、モーターサイクル100のエンジン32の出力トルクを制御する際の目標トルクを、第1モードにおいてウィリーが発生したときに設定される目標トルクよりも大きな値に設定する。すなわち、本実施の形態に係る第2制御装置20が採用されたモーターサイクル100においては、第2モードに設定されているときにウィリーが発生した際、エンジン32の出力トルクは、第1モードに設定されている場合よりも抑制されない。このため、本実施の形態に係る第2制御装置20が採用されたモーターサイクル100においては、第2モードに設定されている場合、モーターサイクル100を運転する楽しみが減じられてしまうことを抑制できる。
すなわち、本実施の形態に係る第2制御装置20は、ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードを切り替えることにより、モーターサイクル100を運転する際の自由度を向上させることができる。
1 出力トルク制御装置、10 第1制御装置、11 演算部、12 制御部、20 第2制御装置、21 ウィリー判定部、22 スリップ判定部、23 取得部、24 トルク決定部、25 設定部、30 スイッチ、31 スロットルグリップ、32 エンジン、33 伝達機構、34 後輪、35 前輪、40 センサー、100 モーターサイクル、101 推定車体速度、101F 車輪速度(前輪35)、101R 車輪速度(後輪34)、102 運転者要求トルク、1021 出力トルク(第1モード)、1022 出力トルク(第2モード)。

Claims (7)

  1. モーターサイクルに用いられる制御装置であって、
    前記モーターサイクルの前輪が浮き上がる現象であるウィリーが発生したか否かを判定するウィリー判定部と、
    前記モーターサイクルのエンジンの出力トルクが制御される際の目標トルクを決定するトルク決定部と、
    を備え、
    更に、
    前記ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードである第1モード及び第2モードを設定する設定部と、
    運転者が要求する前記エンジンの出力トルクである運転者要求トルクを取得する取得部と、
    を備えており、
    前記トルク決定部は、
    前記モードが前記第1モードに設定されている状態においては、前記ウィリーが発生したと前記ウィリー判定部が判定したときに、前記目標トルクを、前記ウィリーが発生したと前記ウィリー判定部が判定する前の前記目標トルクよりも減少した値に変更し、
    前記モードが前記第2モードに設定されている状態においては、前記ウィリーが発生したと前記ウィリー判定部が判定したときに、前記目標トルクを、前記第1モードにおいて前記ウィリーが発生したと前記ウィリー判定部が判定したときに設定される前記目標トルクよりも大きな値に設定し、
    前記モードが前記第1モードに設定されている状態においては、前記運転者要求トルクの単位時間当たりの増加量が閾値以上の場合、前記目標トルクの単位時間当たりの増加量が、前記第2モードに設定されている状態における前記目標トルクの単位時間当たりの増加量よりも減少するように、前記目標トルクを決定する構成である、
    制御装置。
  2. 前記モーターサイクルの後輪がスリップしたか否かを判定するスリップ判定部を備え、
    前記トルク決定部は、
    前記モードが前記第1モードに設定されている状態及び前記モードが前記第2モードに設定されている状態の双方の状態において、前記後輪がスリップしたと前記スリップ判定部が判定したときに、前記目標トルクを、前記後輪がスリップしたと前記スリップ判定部が判定する前の前記目標トルクよりも減少した値に変更する構成である、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記トルク決定部は、
    前記モードが前記第2モードに設定されている状態において、前記ウィリーが発生していると前記ウィリー判定部が判定しているときに前記後輪がスリップしたと前記スリップ判定部が判定した場合、前記目標トルクを、前記ウィリーが発生していると前記ウィリー判定部が判定している状態において前記後輪がスリップしたと前記スリップ判定部が判定していないときの前記目標トルクよりも減少した値に変更する構成である、
    請求項に記載の制御装置。
  4. 前記モーターサイクルの後輪がスリップしたか否かを判定するスリップ判定部を備え、
    前記トルク決定部は、
    前記モードが前記第2モードに設定されている状態において、前記ウィリーが発生していると前記ウィリー判定部が判定しているときに前記後輪がスリップしたと前記スリップ判定部が判定した場合、前記目標トルクを、前記ウィリーが発生していると前記ウィリー判定部が判定している状態において前記後輪がスリップしたと前記スリップ判定部が判定していないときの前記目標トルクよりも減少した値に変更する構成である、
    請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記設定部は、前記モードを前記第1モード又は前記第2モードに切り替えるスイッチの状態に基づいて、前記モードを前記第1モード又は前記第2モードに設定する構成である、
    請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 前記設定部は、運転者の運転傾向に基づいて、前記モードを前記第1モード又は前記第2モードに設定する構成である、
    請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. モーターサイクルに用いられる制御方法であって、
    前記モーターサイクルの前輪が浮き上がる現象であるウィリーが発生したか否かを判定するウィリー判定ステップと、
    前記モーターサイクルのエンジンの出力トルクが制御される際の目標トルクを決定するトルク決定ステップと、
    を有し、
    更に、
    前記ウィリーの抑制度合いを切り替えるためのモードである第1モード及び第2モードを設定する設定ステップと、
    運転者が要求する前記エンジンの出力トルクである運転者要求トルクを取得する取得ステップと、
    を有しており、
    前記トルク決定ステップでは、
    前記モードが前記第1モードに設定されている状態においては、前記ウィリー判定ステップで前記ウィリーが発生したと判定されたときに、前記目標トルクを、前記ウィリー判定ステップで前記ウィリーが発生したと判定される前の前記目標トルクよりも減少した値に変更し、
    前記モードが前記第2モードに設定されている状態においては、前記ウィリー判定ステップで前記ウィリーが発生したと判定されたときに、前記目標トルクを、前記第1モードにおいて前記ウィリー判定ステップで前記ウィリーが発生したと判定されたときに設定される前記目標トルクよりも大きな値に設定し、
    前記モードが前記第1モードに設定されている状態においては、前記運転者要求トルクの単位時間当たりの増加量が閾値以上の場合、前記目標トルクの単位時間当たりの増加量が、前記第2モードに設定されている状態における前記目標トルクの単位時間当たりの増加量よりも減少するように、前記目標トルクを決定する、
    制御方法。
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