JP6913463B2 - 裏当フラックス - Google Patents

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    • B23K35/362Selection of compositions of fluxes

Description

本発明は、裏当フラックスに係り、より詳しくは、サブマージアーク溶接に用いられる裏当フラックスに関する。
サブマージアーク溶接法は、被覆アーク溶接及びガスシールドアーク溶接等の溶接法と比較して、高電流及び高速度で溶接を行うことができるという利点を有している。そのため、サブマージアーク溶接法は、造船、鉄骨及び橋梁分野等の大型鋼構造物の製造において、重用されている高能率な溶接法である。
サブマージアーク溶接法においては、広範囲な溶接施工性と、溶接金属(溶接継手)の機械的性能及び外観形状に高い品質が要求されている。このような状況下において、裏ビードの形状及び健全性に対する要求も例外ではなく、裏当フラックスが具備すべき特性は、低入熱から大入熱までの溶接において、良好な裏ビードの形状及び健全性が得られることである。
そこで、例えば、特許文献1には、熱硬化性樹脂の含有量が1.0質量%未満の片面サブマージアーク溶接用裏当フラックスであって、フラックス成分は、MgO:19乃至43質量%、TiO:8乃至32質量%、SiO:8乃至35質量%、Al:3乃至18質量%、CaO:3乃至23質量%、CaF:2乃至14質量%、SiO及びTiO:総量で22乃至58質量%を含有する組成を有し、前記フラックス成分によって形成されるスラグの1400℃における粘度が0.085乃至0.250Pa・秒であり、Feを除くフラックス成分の融点が850乃至1400℃であることを特徴とする片面サブマージアーク溶接用裏当フラックスが開示されている。
特開2007−268548号公報
特許文献1に記載の裏当フラックスは、溶接金属において、良好な裏ビード形状を得ることができる。しかしながら、サブマージアーク溶接において、良好な裏ビード形状や裏ビード高さの安定性等の溶接金属の品質の更なる向上が望まれている。
本発明は、前記問題を解決するものであり、裏ビード形状及び裏ビード高さの安定性に優れる溶接金属を得ることができる裏当フラックスを提供することを課題とする。
本発明の裏当フラックスは、サブマージアーク溶接に用いられる裏当フラックスであって、SiO:20質量%以上50質量%以下、MgO:15質量%以上40質量%以下、CaF質量%以上20質量%以下、TiO:30質量%以下及びAl:40質量%以下から選択される少なくとも一種、樹脂:1.0質量%以上含有し、CaOを含有せず、融点が1650℃以下であることとする。
かかる構成を有することによって、得られる溶接金属は、裏ビード形状及び裏ビード高さの安定性に優れたものとなる。
また、本発明の裏当フラックスは、更に、ZrO:20質量%以下含有することが好ましい。
かかる構成を有することによって、スラグの凝固温度と剥離性がより良好となり易くなる。
また、本発明の裏当フラックスは、更に、MnO:15質量%以下含有することが好ましい。
かかる構成を有することによって、スラグの生成が促進される。
本発明に係る裏当フラックスは、裏ビード形状及び裏ビード高さの安定性に優れる溶接金属を得ることができる。
実施例での溶接における電極配置を示す模式図である。 実施例での溶接における開先形状を示す断面図である。 実施例での裏ビード高さの安定性の評価における供試材の測定位置を示す断面図である。 実施例での裏ビード高さの安定性の評価における供試材の測定範囲を示す上面図である。
以下、本発明の裏当フラックスを実施するための形態について詳細に説明する。
裏当フラックスは、サブマージアーク溶接に用いられるものである。そして、裏当フラックスは、SiO、MgO、CaFを所定量含有し、更に、TiO及びAlから選択される少なくとも一種を所定量含有する。また、裏当フラックスは、ZrO、CaO及びMnOから選択される少なくとも一種を所定量含有してもよい。
また、裏当フラックスは、樹脂を所定量含有する。更に、裏当フラックスは、融点が所定温度以下である。
なお、各成分の含有量は、裏当フラックス全体についての含有量である。
以下、裏当フラックスの各成分及び融点の限定理由について説明する。
[SiO:20質量%以上50質量%以下]
SiOは、その添加により、フラックスの高温における粘度及び融点を変化させる特性有し、スラグの粘度の調整とスラグの形成のため特に重要な成分である。SiOの含有量が20質量%未満では、スラグの粘度が低下することで裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなるため外観が損なわれる。また、裏ビード高さが不安定となる。一方、SiOの含有量が50質量%を超えると、スラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生すると共に、スラグの量が増大し、裏ビードの余盛高さが過小となる。また、裏ビード高さが不安定となる。従って、SiOの含有量は20質量%以上50質量%以下とする。SiOの含有量は、添加の効果をより向上させる観点から、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。また、SiOの含有量は、スラグの粘度及びスラグの量をより調整し易くする観点から、また、裏ビード高さをより安定させる観点から、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
[MgO:15質量%以上40質量%以下]
MgOは、スラグの形成のための主要な成分であり、その添加により、スラグの粘度を低下させる。MgOの含有量が15質量%未満では、適正なスラグの量が確保できず裏ビードが過大になる。また、裏ビード高さが不安定となる。一方、MgOの含有量が40質量%を超えると、スラグの量が増大し、裏ビードの余盛高さが過小となると共に、スラグの粘度が低下することで裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなり外観が損なわれる。また、アンダーカットやビードの凹み等の溶接欠陥が生じる。また、裏ビード高さが不安定となる。従って、MgOの含有量は15質量%以上40質量%以下とする。MgOの含有量は、添加の効果をより向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。また、MgOの含有量は、スラグの量及びスラグの粘度をより調整し易くする観点から、また、裏ビード高さをより安定させる観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
[CaF:3質量%以上20質量%以下]
CaFは、スラグの粘度を調整しスラグの生成を促進させるために有効な成分である。CaFの含有量が3質量%未満では、スラグの量が不足するため、裏ビードの余盛が過大となる。また、裏ビード高さが不安定となる。一方、CaFの含有量が20質量%を超えると、スラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生する。従って、CaFの含有量は3質量%以上20質量%以下とする。CaFの含有量は、添加の効果をより向上させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上である。また、CaFの含有量は、スラグの粘度をより調整し易くする観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
[TiO:30質量%以下]
TiOは、その添加により、フラックスの融点及び高温での粘度を変化させる特性を有し、フラックスの融点、スラグの粘度及びスラグの剥離性を調整するのに有効な成分である。しかし、TiOの含有量が30質量%を超えると、スラグの粘度が増加するため、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットやポックマークが発生する。また、スラグの剥離性が劣化する。従って、TiOを含有させる場合は、TiOの含有量は30質量%以下とする。TiOの含有量は、スラグの粘度及びスラグの剥離性をより調整し易くする観点から、好ましくは15質量%以下である。また、Alが所定量含有されていれば、TiOの含有量は、0質量%でもよい。しかし、TiOは、添加の効果をより向上させる観点から、1質量%以上含有することが好ましく、3質量%以上含有することがより好ましい。なお、TiO及びAlのいずれも含有しない場合、裏ビード高さが不安定となる。
[Al:40質量%以下]
Alは、その添加により、フラックスの融点及び高温での粘度を変化させる特性を有し、フラックスの融点、スラグの粘度及びスラグの剥離性を調整するのに有効な成分である。しかし、Alの含有量が40質量%を超えると、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さが不安定となる。従って、Alを含有させる場合は、Alの含有量は40質量%以下とする。Alの含有量は、フラックス融点をより調整し易くする観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。また、TiOが所定量含有されていれば、Alの含有量は、0質量%でもよい。しかし、Alは、添加の効果をより向上させる観点から、5質量%以上含有することが好ましく、8質量%以上含有することがより好ましい。
TiOの含有量とAlの含有量の合計は、40質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。また、TiOの含有量とAlの含有量の合計は、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましい。
[ZrO:20質量%以下]
ZrOは、スラグの凝固温度と剥離性を調整するために有効な成分である。しかし、ZrOの含有量が20質量%を超えると、スラグの凝固温度が高くなり、スラグの焼き付きが増加し、部分的にスラグの剥離性が劣化する可能性がある。また、裏ビード高さが不安定となる。従って、ZrOを含有させる場合は、ZrOの含有量は20質量%以下とする。ZrOの含有量は、スラグの剥離性をより調整し易くする観点から、また、裏ビード高さをより安定させる観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。また、ZrOの含有量は、0質量%でもよい。しかし、ZrOは、スラグの凝固温度を調整する効果をより向上させる観点から、1質量%以上含有することが好ましく、4質量%以上含有することがより好ましい。
[CaO:20質量%以下]
CaOは、スラグの粘度を調整しビードの形状を整えるために重要な成分であり、またスラグの剥離性を調整するのに有効な成分である。しかし、CaOの含有量が20質量%を超えると、スラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生すると共に、スラグが焼付き、スラグの剥離性が劣化する。また、裏ビード高さが不安定となる。従って、CaOを含有させる場合は、CaOの含有量は20質量%以下とする。CaOの含有量は、スラグの粘度及びスラグの剥離性をより調整し易くする観点から、また、裏ビード高さをより安定させる観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。また、CaOの含有量は、0質量%でもよい。しかし、CaOは、添加の効果をより向上させる観点から、1質量%以上含有することが好ましく、3質量%以上含有することがより好ましい。
[MnO:15質量%以下]
MnOは、スラグの生成を促進させるために有効な成分である。しかし、MnOの含有量が15質量%を超えると、スラグの量が増加し、裏ビードが過小となる。また、アンダーカット等の溶接欠陥が生じる。従って、MnOを含有させる場合は、MnOの含有量は15質量%以下とする。MnOの含有量は、スラグの量をより調整し易くする観点から、また、溶接金属の状態をより良好にし易くする観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。また、MnOの含有量は、0質量%でもよい。しかし、MnOは、添加の効果をより向上させる観点から、1質量%以上含有することが好ましく、2質量%以上含有することがより好ましい。
[残部:微量成分及び不可避的不純物]
溶接中の大気からのシールド性及び溶接作業性等を適正に保つため、Mo、CO、BaO、Fe、及びFe酸化物等を添加することができる。また、不可避的不純物としては、例えば、P、S等が挙げられる。微量成分及び不可避的不純物の総量は5質量%以下に規制する。なお、Mo、CO、BaO、Fe、及びFe酸化物等は、積極添加してもよいが、不可避的不純物として含まれていてもよい。
[樹脂:1.0質量%以上]
樹脂は、裏ビード形状を良好にするため、及び、裏ビード高さを安定させるために添加する。樹脂の含有量が1.0質量%未満では、裏当フラックスをRF(Resin Flux)(登録商標)方式のサブマージアーク溶接に用いた場合に、余盛が過大となり、裏ビード形状が悪くなる。また、裏ビード高さが不安定となる。従って、樹脂の含有量は1.0質量%以上とする。樹脂の含有量は、添加の効果をより向上させる観点から、好ましくは1.2質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上である。また、樹脂の含有量は、鋼板への樹脂のこびりつきを防止する観点から、10.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
[融点:1650℃以下]
裏当フラックスの融点は、裏当フラックスの溶融と凝固のバランスを適正化し、裏ビードの高さを安定化させるための重要なパラメータである。すなわち、本発明者らは、後述する変動係数に着目して種々検討した結果、裏当フラックスの融点が所定の温度以下である場合に、変動係数を低下させ、裏ビードの高さを安定させることができることを見出し、本実施形態に係る裏当フラックスを開発するに至った。裏当フラックスの融点が1650℃を超えると、スラグ生成量が少なく裏ビード高さが不安定となる。従って、裏当フラックスの融点は1650℃以下とする。裏当フラックスの融点は、裏ビード高さをより安定させる観点から、好ましくは1600℃以下、より好ましくは1550℃以下である。
なお、裏当フラックスの融点は、SiO、TiO、MgO、CaF、ZrO、CaO、Alの含有量により制御する。
裏当フラックスの融点の測定は、例えば、以下の方法で行うことができる。
裏当フラックスを高純度のアルミナ坩堝に入れ炉内に投入し、常温から加熱速度10℃/minで所定の温度まで昇温し1時間待機する。その後、空冷させて炉から取り出し、フラックスが融解したかどうか目視で確認する。前記の所定の温度は、1400℃から、50℃単位で高くし、フラックスが融解した温度を融点とする。
本発明の裏当フラックスは、RF方式のサブマージアーク溶接に好適に用いることができる。しかしながら、FCB(Flux Copper Backing)(登録商標)方式のサブマージアーク溶接に用いてもよい。
<裏当フラックスの製造方法>
裏当フラックスは、前記説明した成分を含有する種々の原料を電気炉等で、例えば1200℃以上の高温度で溶解し、冷却して固化した後、更に粉末状に粉砕することにより製造することができる。
以上のような構成とされた本実施形態に係る裏当フラックスによれば、前述の成分に規定することにより、例えば片面サブマージアーク溶接の裏当フラックスに用いた際に、良好な裏ビード形状を得ることができる。また、融点が1650℃以下とされていることで、後述する変動係数を低下させ、裏ビード高さを安定化させることができる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
表1に示す鋼板、表2に示すワイヤ、表3に示す裏当フラックスを使用し、表4に示す条件で3電極RF片面サブマージアーク溶接を行った。なお、ワイヤとしては、JIS Z 3351:2012 YS−S6相当のワイヤを用いた。また、表フラックスとしては、JIS Z 3352:2010 SACI1相当の表フラックスを使用した。なお、裏当フラックスの樹脂としてはフェノール樹脂を用いた。また、表3中の残部は、前述した微量成分及び不可避的不純物である。
図1に電極配置を示し、図2に開先形状を示す。なお、図1の矢印は溶接方向であり、図2の開先充填材2は、溶接部の溶融金属量を増加させる目的で添加したFe粉である。また、符号T1,T2,Lは電極であり、符号1は鋼板である。
なお、表1〜4に示す条件以外の条件は従来公知の条件であり、すべて同一条件とした。また、本発明の範囲を満たさないものは数値に下線を引いて示す。
裏当フラックスの融点は、以下に示す方法により算出した。また、得られた溶接金属について、以下の評価を行った。
Figure 0006913463
Figure 0006913463
Figure 0006913463
Figure 0006913463
<融点>
裏当フラックスを高純度のアルミナ坩堝に入れ炉内に投入し、常温から加熱速度10℃/minで所定の温度まで昇温し1時間待機した。その後、空冷させて炉から取り出し、フラックスが融解しているかどうか目視で確認した。前記の所定の温度は、1400℃から、50℃単位で高くし、フラックスが融解した温度を融点とした。
<裏ビード形状>
裏ビード形状は、裏ビードを目視にて観察して評価した。
溶接欠陥がなく、手直しが不要であり、目視による外観が極めて良好であったものを裏ビード形状が極めて良好(◎)、溶接欠陥がなく、一部手直しが必要であったものの、目視による外観が良好であったものを裏ビード形状が良好(○)、溶接欠陥があったもの、又は、目視による外観が不良であったものを裏ビード形状が不良(×)とした。そして、◎、○であったものを合格とした。なお、ここでの溶接欠陥とは、0.5mm以上のアンダーカット、ブローホール、ポックマーク、及び、割れのうちの一つ以上が生じたものをいう。また、ここでの目視による外観が不良とは、裏ビードの高さや幅の不揃い(不安定)と、裏ビードの高さや幅の過大又は過小が含まれる。
<裏ビード高さの安定性>
裏ビード高さの安定性は、裏ビード高さの変動係数により評価した。
溶接後の鋼板(供試材)を反転し、台車に積載した2次元レーザ変位計で裏ビード高さT(図3参照)を測定した。図3に供試材の測定位置を示し、図4に供試材の測定範囲を示す。なお、符号1は鋼板、符号3は溶接金属である。
裏ビード高さTは、図4に示すように、スタート側200mmとエンド側400mmを除いた定常部約600mmを測定範囲とし、1cm間隔で60点を測定した。そして、この60点の平均値(実測データの平均値)を算出するとともに、標準偏差を算出した。
ここで、本願での標準偏差は、公知の式である以下の式(1)により算出されたものである。式(1)において、「n:実測個数、X:i個目の実測データ、m:実測データの平均値」である。
Figure 0006913463
そして、下記式(2)より、変動係数を導出した。式(2)において、「CV:変動係数、σ:標準偏差、m:実測データの平均値」である。
Figure 0006913463
式(2)より導出された変動係数において、0.3以下であったものを合格とした。
これらの結果を表5に示す。
Figure 0006913463
表5に示すように、No.1〜30は、本発明の要件を満たすため、又は参考例のため、全ての評価項目において優れていた。
一方、No.31〜43は、本発明の要件を満たさないため、以下の結果となった。
No.31は、SiO含有量が多いため、裏ビード形状が不良であり、また、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
No.32は、SiO含有量が少ないため、裏ビード形状が不良であり、また、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
No.33は、TiO含有量が多いため、裏ビード形状が不良であった。
No.34は、ZrO含有量が多いため、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
No.35は、CaO含有量が多いため、裏ビード形状が不良であり、また、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
No.36は、MgO含有量が多いため、裏ビード形状が不良であり、また、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
No.37は、MgO含有量が少ないため、裏ビード形状が不良であり、また、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
No.38は、MnO含有量が多いため、裏ビード形状が不良であった。
No.39は、Al含有量が多いため、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
No.40は、CaF含有量が多いため、裏ビード形状が不良であった。
No.41は、CaF含有量が少ないため、裏ビード形状が不良であり、また、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
No.42は、樹脂含有量が少ないため、裏ビード形状が不良であり、また、裏ビード高さの安定性が劣った。
No.43は、TiO、Alのいずれも含有していないため、フラックスの融点が高くなり、裏ビード高さの安定性に劣った。
以上、本発明について実施の形態及び実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変・変更等することができることはいうまでもない。
1 鋼板
2 開先充填材
3 溶接金属
T 裏ビード高さ
T1,T2,L 電極

Claims (3)

  1. サブマージアーク溶接に用いられる裏当フラックスであって、
    SiO:20質量%以上50質量%以下、
    MgO:15質量%以上40質量%以下、
    CaF質量%以上20質量%以下、
    TiO:30質量%以下及びAl:40質量%以下から選択される少なくとも一種、
    樹脂:1.0質量%以上含有し、
    CaOを含有せず、
    融点が1650℃以下であることを特徴とする裏当フラックス。
  2. 更に、ZrO:20質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の裏当フラックス。
  3. 更に、MnO:15質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の裏当フラックス。
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