JP6837420B2 - サブマージアーク溶接用フラックス - Google Patents

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Description

本発明は、サブマージアーク溶接用フラックスに関する。
片面サブマージアーク溶接では、例えば、特許文献1、2に記載されているように、通常、溶着量を確保し、大入熱溶接においても安定したビード形成を実現させるために、鉄粉が添加されたフラックスが使用されている。しかしながら、特許文献1に記載されているような鉄粉を含有する従来の片面サブマージアーク溶接用フラックスには、表ビードの表面に微小な鉄粒突起物が発生し易いという問題があった。また、特許文献2に記載されているフラックス組成にした場合でも、鉄粒突起物を十分に抑制することはできないという問題があった。なお、本明細書において、「鉄粒突起物」とは、鉄を主成分とする微小な突起物をいう。また、「主成分」とは、該当物の中で占める割合が高い成分をいう。
このような表ビード表面の鉄粒突起物は、塗装工程で障害となる。例えば、造船分野においては、国際海事機関により、船体の長寿命化や保守の容易化を目的に、全船舶のバラストタンクおよびバルクキャリアの二重船側部を対象とする塗装基準が規定されている。当該塗装基準には、例えば、溶接時に発生するスパッタやビード表面汚れといった塗装性を阻害するものを除去することが定められている。従って、船舶の建造工程では、鉄粒突起物除去のために、ビード全線にわたるグラインダー処理を余儀なくされている。
そこで、例えば、特許文献3に記載されているように、従来、片面サブマージアーク溶接用フラックスにおいて、鉄粒突起物の発生を抑制するための技術が提案されている。当該特許文献3に記載の片面サブマージアーク溶接用フラックスでは、粒子の粒径や見掛密度を特定の範囲にすることで、表ビード形状、外観、アンダカットおよび裏ビードの安定性などに優れたものとしている。
特開平11−267883号公報 特開2000−107885号公報 特開平6−277878号公報
しかしながら、特許文献3に記載の技術のように、粒子の粒径や見掛密度を規制するだけでは、鉄粒突起物の発生を抑制する効果が小さく、十分ではない。つまり、従来の技術では、片面サブマージアーク溶接において、フラックスへの鉄粉添加の効果を維持しつつ、鉄粒突起物の発生を抑制して、ビード外観を健全なものとするには至っていない。ここで、本明細書において、「ビード外観が健全である」とは、ビード表面に鉄粒突起物が発生していないことに加え、ビード形状が良好であること、およびビード欠陥が発生していないことが含まれる。また、「ビード欠陥」としては、ビード幅が狭いこと、ポックマークが発生すること、アンダカットが発生することなどが該当する。
また、従来の技術については、ビード表面へのスラグ焼付き防止および耐吹上げ性の向上について改善の余地があった。
本発明は前記状況に鑑みてなされたものであり、溶接した場合に鉄粒突起物の発生とスラグ焼付きとを抑制し、ビード外観が健全であり、耐吹上げ性が良好であるサブマージアーク溶接用フラックスを提供することを課題とする。
前述した課題を解決するため、本発明者は、サブマージアーク溶接において、ビード外観を健全なものとすべく、鋭意実験検討を行った。その結果、鉄粒突起物の発生およびビード表面へのスラグ焼付きの抑制には、フラックス全体におけるFe含有量、TiO含有量、Al含有量、およびMgO含有量を特定の範囲にすることが有効であることが分かった。また、これらの成分はそれぞれ、特定の粒子径以上の粒子にそれぞれの成分の全成分のうち40%以上含有することが有効であることが分かった。本発明は、これらの知見を見出したことにより完成するに至ったものである。
前記課題を解決した本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、Fe:1.0〜30.0質量%、TiO:2.0〜23.0質量%、Al:2.0〜25.0質量%、MgO:20.0〜35.0質量%含有し、残部が炭酸塩由来の成分および不可避不純物からなり、かつ前記残部の含有量が15.0質量%以下であり、前記Feは、粒子径が500μm以上のフラックスの粒子に、40%以上が含有され、前記TiOは、粒子径が500μm以上のフラックスの粒子に、40%以上が含有され、前記Alは、粒子径が500μm以上のフラックスの粒子に、40%以上が含有され、前記MgOは、粒子径が500μm以上のフラックスの粒子に、40%以上が含有されている。
このように、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、フラックス全体として、Fe、TiO、Al、およびMgOをそれぞれ所定の含有量で含有している。また、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、これらの成分がそれぞれ、粒子径が500μm以上の粒子にそれぞれの成分の全成分のうち40%以上含有している。そのため、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、鉄粒突起物の発生とスラグ焼付きとを抑制することができ、ビード外観が健全なものになっており、耐吹上げ性が良好である。
本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、さらに、Si、Si合金およびSi酸化物の総含有量:SiO換算で6.0〜15.0質量%、CaF:5.0〜20.0質量%、CO:2.0〜9.0質量%、NaOおよびKOの合計量:1.0〜6.0質量%のうちの少なくとも1種を含有するのが好ましい。
このように、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、Si、Si合金およびSi酸化物の少なくとも一種およびCaFをそれぞれ所定の含有量で含有しているので、ビード外観をより健全なものとすることができる。また、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、COを所定の含有量で含有しているので、スラグ焼付きをより抑制し、ビード外観をより健全なものとし、靭性をより優れたものとすることができる。さらに、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、NaOおよびKOの合計量を所定の範囲としているので、ビード外観をより健全なものとすることができ、また、耐低温割れ性に優れたものとすることができる。なお、「耐低温割れ性」とは、溶接部が室温に冷却された後に生じる割れが発生し難い性質をいう。
本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、さらに、B:0.1〜1.0質量%、Mo:0.1〜1.0質量%、Mn:0.1〜0.9質量%、Ti:0.1〜1.0質量%、およびAl:0.7〜3.0質量%のうちの少なくとも1種を含有するのが好ましい。
このように、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、B、Mo、Mn、Ti、およびAlをそれぞれ所定量で少なくとも1種を含有しているので、例えば、引張強さや靭性などの機械的性質を高くすることができる。
また、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、フラックス全体における粒子径が500μm以上の粒子の含有比率が40質量%以上であるのが好ましい。
このように、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、粒子径が500μm以上の粒子の含有比率を所定値以上としているので、溶接した場合に鉄粒突起物の発生とスラグ焼付きとをより抑制し、ビード外観がより健全であり、耐吹上げ性をより良好とすることができる。
本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、これを用いて溶接した場合に鉄粒突起物の発生とスラグ焼付きとを抑制し、ビード外観と耐吹上げ性とを良好にすることができる。
ふるい網の公称目開きWを説明する説明図である。 片面サブマージアーク溶接過程における鉄粒発生挙動の概略説明図である。 溶接する鋼板の開先断面を示す概略説明図である。
以下、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスの一実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」の前後の数値は、これらの数値を含むものとする。数値に「未満」、「より小さい」、「超える」、「より大きい」などの文言を付した数値は、当該数値を含まないものとする。また、数値に「以上」、「以下」などの文言を付した数値は、当該数値を含むものとする。さらに、「≦」および「≧」は示される数値を含むものとし、「<」および「>」は示される数値を含まないものとする。
(サブマージアーク溶接用フラックス)
本実施形態に係るサブマージアーク溶接用フラックス(以下、単に「フラックス」という)は、フラックス全体として、Fe:1.0〜30.0質量%、TiO:2.0〜23.0質量%、Al:2.0〜25.0質量%、MgO:20.0〜35.0質量%含有している。
そして、このフラックスにおいて、前記したFeは、粒子径が500μm以上の粒子に、全Fe成分のうち40%以上が含有されている。また、このフラックスにおいて、前記したTiOは、粒子径が500μm以上の粒子に、全TiO成分のうち40%以上が含有されている。また、このフラックスにおいて、前記したAlは、粒子径が500μm以上の粒子に、全Al成分のうち40%以上が含有されている。また、このフラックスにおいて、前記したMgOは、粒子径が500μm以上の粒子に、全MgO成分のうち40%以上が含有されている。
ここで、本明細書における粒子径が500μm以上の粒子とは、例えば、JIS Z 8801−1:2006「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」に準じて、図1に示すように、金属線10で形成される公称目開きWが500μmのふるい網を用いてふるい分けを行い、網上に残る粒子をいう。
本実施形態においては、フラックス全体における粒子径が500μm以上の粒子の含有比率は、例えば、40質量%以上とするのが好ましく、45質量%以上とするのがさらに好ましく、特に好ましくは50質量%以上である。このようにすると、Fe、TiO、Al、MgOによる後述する効果を十分に得ることができるので、溶接した場合に鉄粒突起物の発生とスラグ焼付きとを抑制し、ビード外観が健全であり、耐吹上げ性を良好とすることができる。
なお、サブマージアーク溶接とは、アーク溶接の一種であり、粉状のフラックスと溶接ワイヤ(電極)とを使用する溶接をいう。サブマージアーク溶接は、造船、建築、橋梁など比較的大型の各種構造物に好適に適用できる。本実施形態に係るフラックスは、サブマージアーク溶接の溶接条件について特に限定されることなく適用できる。例えば、本実施形態に係るフラックスは、サブマージアーク溶接の溶接条件として、電極数は限定されず、単電極から、2〜6電極などの多電極に適用できる。また、本実施形態に係るフラックスは、極性は限定されず、また、直流、交流のいずれにも適用できる。本実施形態に係るフラックスは、溶接電流100〜2500A、アーク電圧25〜50V、溶接速度15〜200cpm(cm/min)の範囲で適用できる。積層法に限定はないが、原質部が占める割合の多い両面一層溶接や片面1パス溶接に好適に用いることができる。
(Fe)
Feは、フラックスの見掛密度を高くすることができる。また、Feは、溶接金属の合金コストを低下させることができる。Feが1.0質量%未満であると、フラックスの見掛密度が小さくなるため、耐吹上げ性が劣化する。他方、Feが30.0質量%を超えると、溶融・凝固中のフラックス内で鉄粉が凝集し易くなる。そのため、凝集した鉄粉の沈降する量が多くなり、ビード表面で鉄粒突起物が発生し易くなる。従って、Feは、1.0〜30.0質量%とする。耐吹上げ性を向上させる観点から、Feは、3.0質量%以上とするのが好ましく、5.0質量%以上とするのがより好ましく、10.0質量%以上とするのがさらに好ましい。ビード表面での鉄粒突起物の発生をより確実に防止する観点から、Feは、28.0質量%以下とするのが好ましく、25.0質量%以下とするのがより好ましく、22.0質量%以下とするのがさらに好ましい。
(TiO
TiOは、ビード表面へのスラグの焼付きを改善する効果がある。TiOが2.0質量%未満であると、ビード表面へのスラグの焼付きを改善する効果が得られず、さらにはビード表面に鉄粒突起物が発生し易くなる。一方、TiOが23.0質量%を超えると、ビードの波目が粗くなる。従って、TiOは、2.0〜23.0質量%とする。ビード表面へのスラグの焼付きをより改善する観点から、TiOは、4.0質量%以上とするのが好ましく、6.0質量%以上とするのがより好ましく、8.0質量%以上とするのがさらに好ましい。ビードの波目を細かくする観点から、TiOは、20.0質量%以下とするのが好ましく、18.0質量%以下とするのがより好ましく、16.0質量%以下とするのがさらに好ましい。
(Al
Alは、中性成分であり、スラグの粘性および凝固温度を調整する効果がある。Alが2.0質量%未満であると、スラグの粘性および凝固温度が低下し、ビード幅が不揃いになる。一方、Alが25.0質量%を超えると、スラグの凝固温度が高くなり過ぎてビード幅が広がり難くなり、ビード形状が凸形となる。従って、Alは、2.0〜25.0質量%とする。ビード幅を揃える観点から、Alは、4.0質量%以上とするのが好ましく、6.0質量%以上とするのがより好ましく、8.0質量%以上とするのがさらに好ましい。ビード形状をなだらかにする観点から、Alは、22.0質量%以下とするのが好ましく、18.0質量%以下とするのがより好ましく、16.0質量%以下とするのがさらに好ましい。
(MgO)
MgOは、溶融スラグの粘度を低下させ、スラグの流動性を高めて、ビード幅を広げる効果がある。MgOが20.0質量%未満であると、溶融スラグの流動性を高める効果が得られず、ビード幅が不足し、アンダカットが発生し易くなる。一方、MgOが35.0質量%を超えると、高融点の酸化物であることから、フラックス全体の溶融性が損なわれる。そのため、特に、小入熱になる薄板の高速サブマージアーク溶接を行う場合に、安定したビードを確保できなくなる。従って、MgOは、20.0〜35.0質量%とする。アンダカットの発生を抑制する観点から、MgOは、22.0質量%以上とするのが好ましく、24.0質量%以上とするのがより好ましく、25.0質量%以上とするのがさらに好ましい。フラックス全体の溶融性を高くする観点から、MgOは、33.0質量%以下とするのが好ましく、31.0質量%以下とするのがより好ましく、29.0質量%以下とするのがさらに好ましい。
(粒子径が500μm以上の粒子に含有されるFeの比率)
(粒子径が500μm以上の粒子に含有されるTiOの比率)
(粒子径が500μm以上の粒子に含有されるAlの比率)
(粒子径が500μm以上の粒子に含有されるMgOの比率)
本実施形態においては、前記したFeは、粒子径が500μm以上の粒子に、全Fe成分のうち40%以上が含有されている。
また、前記したTiOは、粒子径が500μm以上の粒子に、全TiO成分のうちの40%以上が含有されている。
前記したAlは、粒子径が500μm以上の粒子に、全Al成分のうちの40%以上が含有されている。
前記したMgOは、粒子径が500μm以上の粒子に、全MgO成分のうちの40%以上が含有されている。
このようにすると、鉄粉が溶け難くフラックス(スラグ)側にとどまり易くなるため、溶接金属中に沈降し難くなる。その結果、鉄粒突起物がビード表面に発生し難くなると考えられる。
一方、粒子径が500μm以上の粒子におけるFe、TiO、Al、MgOの各成分の比率がそれぞれ40%未満になると、鉄粉が沈降し易く、鉄粒突起物がビード表面に発生し易くなる。
鉄粒突起物をビード表面に発生し難くする観点から、Feは、粒子径が500μm以上の粒子に、全Fe成分のうちの50%以上が含有されているのが好ましい。この上限は特にないが、粒子径が500μm以上の粒子に、全Fe成分のうちの80%以下が含有されているのが好ましく、70%以下含有されていることがさらに好ましい。
同様の観点から、TiOは、粒子径が500μm以上の粒子に、全TiO成分のうちの50%以上が含有されているのが好ましい。この上限は特にないが、粒子径が500μm以上の粒子に、全TiO成分のうちの80%以下が含有されているのが好ましく、70%以下含有されていることがさらに好ましい。
同様の観点から、Alは、粒子径が500μm以上の粒子に、全Al成分のうちの50%以上が含有されているのが好ましい。この上限は特にないが、粒子径が500μm以上の粒子に、全Al成分のうちの80%以下が含有されているのが好ましく、70%以下含有されていることがさらに好ましい。
同様の観点から、MgOは、粒子径が500μm以上の粒子に、全MgO成分のうちの50%以上が含有されているのが好ましい。この上限は特にないが、粒子径が500μm以上の粒子に、全MgO成分のうちの80%以下が含有されているのが好ましく、70%以下含有されていることがさらに好ましい。
(鉄粒突起物の発生メカニズム)
ここで、鉄粒突起物の発生メカニズムについて説明する。
図2は、片面サブマージアーク溶接過程における鉄粒発生挙動の概略説明図である。図2に示すように、片面サブマージアーク溶接において、従来の鉄粉5を含有するフラックス3を用いた場合、溶融・凝固中のフラックス3(スラグ4)中で鉄粉5が凝集し、凝集鉄粉6となる。この凝集鉄粉6がスラグ4中を沈降し、母材1の溶接部に形成された溶接金属2の表面(ビード表面2a)に付着して、鉄粒突起物7が発生すると考えられる。
(鉄粒突起物の発生を抑制するメカニズム)
そこで、本実施形態に係るフラックスでは、TiO、AlおよびMgOの含有量を特定の範囲に特定している。これにより、溶接ビードが凝固する温度域において、スラグ中にMg・Al・Ti系酸化物を積極的に生成させている。スラグ中にMg・Al・Ti系酸化物が生成されると、スラグ中の鉄粒が、凝固したビード表面に沈降する前に前記酸化物と結合し、鉄粒が沈降しないように支えたり、引き止めたりすることができる。そのため、ビード表面に鉄粒突起物が生成するのを抑制できる。
また、本実施形態においては、TiO、Al、MgOについて、粒子径が500μm以上の粒子に含まれる比率を40%以上と高くしているので、スラグ中に生成するMg・Al・Ti系酸化物の外径が大きくなる。そのため、結合できる鉄粒量が増加し、ビード表面への鉄粒突起物の生成をさらに抑制している。
なお、TiO、MgOは、スラグの焼付きを助長する成分でもある。特に、これらの細かい粒は他の粒より溶融し易いため、焼付きに対する影響も大きくなる。そこで、本実施形態では、TiO、MgOについて、粒子径が500μm以上の粒子に含まれる比率を40%以上と高くすることで、ビード表面へのスラグ焼付きを抑制している。
本実施形態に係るフラックスは、前記成分に加えてさらに、Si、Si合金およびSi酸化物の総含有量:SiO換算で6.0〜15.0質量%、CaF:5.0〜20.0質量%、CO:2.0〜9.0質量%、NaOおよびKOの合計量:1.0〜6.0質量%のうちの少なくとも1種を含有することにより、種々の特性を優れたものとすることができる。なお、本実施形態において、これらの化合物を上記の範囲にすることは必須ではなく、この範囲外とすることもできる。
(Si、Si合金およびSi酸化物)
Si、Si合金およびSi酸化物は、スラグの流動性を良くし、ビード形状を整える効果がある。Si、Si合金およびSi酸化物の総含有量が、SiO換算で6.0〜15.0質量%であると、溶融スラグ全体の粘性があまり増加せず、スラグの流動性が良好になる。そのため、高速片面サブマージアーク溶接を行った場合などは、表ビード幅が適度に広がり、かつ安定になる。また、このようにすると、溶融スラグの凝固温度が高くなり過ぎることもない。そのため、ビード形状が良好になる。Si、Si合金およびSi酸化物の総含有量は、SiO換算で7.5質量%以上とするのが好ましい。Si、Si合金およびSi酸化物の総含有量は、SiO換算で13.1質量%以下とするのが好ましい。
(CaF
CaFは、フラックス全体の溶融性を良好にする成分である。そのため、CaFは、片面サブマージアーク溶接のように、短時間にフラックスを溶かし、スラグを生成しなければならない溶接方法においては特に有効な成分である。特に、CaFが5.0〜20.0質量%であると、アーク安定性が向上し、ビード形状が良好になる。CaFは6.1質量%以上とするのが好ましい。CaFは18.1質量%以下とするのが好ましい。
(CO
COは、溶接金属への窒素の侵入抑制と、拡散性水素量の低減に有効な成分であり、金属炭酸塩としてフラックス中に添加される。COが2.0〜9.0質量%であると、溶接金属中の拡散性水素量が低くなり、耐低温割れ性が向上する。また、ガス発生量が抑えられ、ビード形状が良好となる。さらに、このようにすると、スラグ焼付きを抑制できる。COは3.2質量%以上とするのが好ましい。COは8.7質量%以下とするのが好ましい。
(NaOおよびKOの合計量)
NaOおよびKOは、アーク安定性を向上させるのに有効な成分である。NaOおよびKOの合計量が1.0〜6.0質量%であると、アークが安定するため、ビード形状が良好となり、溶込みも均一になる。また、このようにすると、耐吸湿性が向上し、耐低温割れ性が向上する。NaOおよびKOの合計量は3.2質量%以上とするのが好ましい。NaOおよびKOの合計量は4.7質量%以下とするのが好ましい。
本実施形態に係るフラックスは、前記成分に加えてさらに、B:0.1〜1.0質量%、Mo:0.1〜1.0質量%、Mn:0.1〜0.9質量%、Ti:0.1〜1.0質量%、およびAl:0.7〜3.0質量%のうちの少なくとも1種を含有することにより、機械的特性を優れたものとすることができる。なお、本実施形態において、これらの化合物や金属成分を上記の範囲にすることは必須ではなく、この範囲外とすることもできる。
(B
は、溶接中に還元され、溶接金属中にBとして存在して、低温靭性の確保に有効に作用する。そこで、本実施形態に係るフラックスでは、必要に応じてBを0.1〜1.0質量%の範囲で含有することができる。
(Mo)
Moは、焼入れ性向上に有効な成分であり、引張強さおよび低温靱性の向上に有効な成分である。そこで、本実施形態に係るフラックスでは、必要に応じてMoを0.1〜1.0質量%の範囲で含有することができる。Moは、Mo単体の他、Fe−Moなどの合金の形態でフラックスに添加できる。
(Mn)
Mnは、前述したMoと同様、焼入れ性を向上させる効果があり、引張強さおよび低温靱性の向上に有効な成分である。そこで、本実施形態に係るフラックスでは、必要に応じてMnを0.1〜0.9質量%の範囲で含有することができる。なお、Mnは、Mn単体の他、Fe−Mnなどの合金の形態でフラックスに添加できる。
(Ti)
Tiは、溶接金属中の酸素量低減に有効な成分であり、低温靱性の向上に有効な成分である。そこで、本実施形態に係るフラックスでは、必要に応じてTiを0.1〜1.0質量%の範囲で含有することができる。なお、Tiは、Ti単体の他、Fe−Tiなどの形態でフラックスに添加できる。
(Al)
Alは、溶接金属の組織を微細にして、低温靱性の向上に有効な成分である。そこで、本実施形態に係るフラックスでは、必要に応じてAlを0.7〜3.0質量%の範囲で含有することができる。なお、Alは、Al単体の他、Fe−AlやAl−Mgなどの形態でフラックスに添加できる。
(残部)
フラックスにおける前述の成分以外の残部は、炭酸塩由来の成分(CaO、BaOなど)や不可避不純物などである。残部は、例えば、15.0質量%以下であるのが実際的である。なお、本実施形態においては、残部として、前記以外の合金元素またはアーク安定剤等を添加してもよい。例えば、フラックス中に、Ca、Li等を脱酸等の微調整剤として、また、Cu、Co、Nを溶接金属のさらなる硬化剤として、少量含有させることもできる。また、NaおよびK以外のアルカリ金属化合物を微量に含有してもよい。
(フラックスの製造方法)
本実施形態に係るフラックスの製造方法について説明する。
本実施形態に係るフラックスは、例えば、下記の粒子径および分布を持つFe、TiO、Al、MgOなどを用いて、一般的な設備および条件で製造することにより、本実施形態に係るフラックスが得られる。
例えば、Fe、TiO、Al、MgOのそれぞれの粒子について、粒子径が250μm以上300μm未満のものが0.1〜5質量%であり、粒子径が150μm以上250μm未満のものが0.1〜25質量%であり、粒子径が106μm以上150μm未満のものが20.0〜60質量%である原料を用いる。これらのフラックス原料粉を混合して、結合剤と共に混練したのち、造粒して焼成する。
結合剤としては、ポリビニルアルコールなどの水溶液、水ガラスなどが好適である。なかでも、従来から用いられているSiOとNaOのモル比1:1から1:5の珪酸ソーダ(水ガラス)が好適に用いられる。結合剤として水ガラスを用いる場合、水ガラスの使用量はフラックス原料1kgあたり100〜300mL程度とすればよい。
造粒法は特に限定しないが、転動式造粒機、押し出し式造粒機などを用いるのが好ましい。造粒した後、ダスト除去、粗大粒の解砕などの整粒処理を行って、粒子径を2.5mm以下の大きさの粒子にするのが好ましい。なお、なるべく粒子径が細かくなり過ぎないように解砕するのが好ましく、なるべく多くの粒子が、粒子径500μm以上となるように解砕するのが好ましい。
また、造粒後の焼成は、400〜650℃の温度で0.5〜3時間行うのが好ましい。焼成は、ロータリーキルン、定置式バッチ炉、ベルト式焼成炉などを用いて行うのが好ましい。
なお、Fe、TiO、Al、MgOの各粒子の粒子径を前記特定の条件とする方法は、前述したものに限定されない。例えば、以下の(1)〜(3)の条件でも前記特定の条件とすることができる。
(1)最後の整粒の際に、細目のものをカットする。例えば、公称目開きW=200μm程度のふるい網でふるい分けをする。
(2)造粒時間を長くする。例えば、造粒時間を0.5時間とする。
(3)水ガラスの量を増やす。例えば、フラックス原料粉1kgに対して水ガラスの量を150mLとすることが挙げられる。
(粒子径が500μm以上の粒子に含有されているFe、TiO、Al、MgOの各成分の含有比率の求め方)
当該比率は、次のようにすると求めることができる。
例えば、図1に示すように、公称目開きWが500μmのふるい網を用いてフラックスのふるい分けを行う。次いで、粒子径が500μm以上の粒子と、粒子径が500μm未満の粒子とについて、それぞれ成分分析を行う。このようにすると、粒子径が500μm以上の粒子におけるFe、TiO、Al、MgOの含有量と、粒子径が500μm未満の粒子におけるFe、TiO、Al、MgOの含有量とをそれぞれ特定することができる。
そして、前述の成分ごとに、粒子径が500μm以上の粒子における含有量と、粒子径が500μm未満の粒子における含有量との合計量に対する、粒子径が500μm以上の粒子における含有量の割合を算出すると、粒子径が500μm以上の粒子に含有されている前記した各成分の含有比率を求めることができる。
なお、本明細書では、粒子径に関して、公称目開きAμmのふるい網を用いて粒子をふるい分けたとき、その微細粒子側を「Aμm未満の粒子径」や「粒子径がAμm未満」などといい、粗大粒側を「Aμm以上の粒子径」や「粒子径がAμm以上」などという。
次に、本発明の効果を奏する実施例とそうでない比較例とを参照して、本発明の内容について具体的に説明する。
表1に示す組成の鋼板(板厚20mm)および表2に示す組成のワイヤを使用した。また、表3に示す溶接条件および図3に示す鋼板(母材100)の開先形状により、片面サブマージアーク溶接を実施した。なお、図3は、溶接する鋼板の開先断面を示す概略説明図である。溶接の際には、表4に示すNo.1〜33に係るフラックスを用いた。なお、本実施例では、表4に示す組成となるように原料を配合し、結合剤(水ガラス)と共に混練した後に造粒し、さらにロータリーキルンを用いて400〜650℃で焼成し、整粒することにより、粒子径が2.5mm以下のフラックスを得た。
なお、表4において、「A」は、フラックスに含有されている全Fe成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるFeの含有量の割合を示している。
「B」は、フラックスに含有されている全TiO成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるTiOの含有量の割合を示している。
「C」は、フラックスに含有されている全Al成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるAlの含有量の割合を示している。
「D」は、フラックスに含有されている全MgO成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるMgOの含有量の割合を示している。
「A」、「B」、「C」、「D」に係る各成分の割合は、次のようにして求めた。
はじめに、JIS Z 8801−1:2006「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」に準じて、公称目開きWが500μmのふるい網を用いてフラックスのふるい分けを行った。
次いで、粒子径が500μm以上の粒子と、粒子径が500μm未満の粒子とについて、それぞれ成分分析を行った。
このようにして、粒子径が500μm以上の粒子におけるFe、TiO、Al、MgOの含有量と、粒子径が500μm未満の粒子におけるFe、TiO、Al、MgOの含有量とをそれぞれ特定した。
次いで、前記成分ごとに、粒子径が500μm以上の粒子における含有量と、粒子径が500μm未満の粒子における含有量との合計量に対する、粒子径が500μm以上の粒子における含有量の割合を算出し、粒子径が500μm以上の粒子に含有されている前記した各成分の含有比率を求めた。
なお、前記ふるい網を用いてフラックスのふるい分けを行った際に、フラックス全体における粒子径が500μm以上の粒子の含有比率を求めた。
これらの結果を表4に示す。
Figure 0006837420
Figure 0006837420
Figure 0006837420
Figure 0006837420
各フラックスを用いて溶接したサンプルを用い、鉄粒突起物の発生状況、スラグ焼付きの発生状況、ビード外観(ビード形状、ビード欠陥)、機械的性質(引張強さ、低温靭性)、および耐吹上げ性を評価・確認した。各評価項目の評価方法および評価基準は以下のとおりである。
(1)鉄粒突起物の発生状況
鉄粒突起物の発生状況は目視で確認した。鉄粒突起物のビード表面での発生が認められない場合を◎とし、認められる場合を×とした。◎が合格であり、×が不合格である。
(2)スラグ焼付きの発生状況
スラグ焼付きの発生状況は目視で確認した。溶接後、スラグを剥離し、焼付きが認められない場合を◎、焼付きの長さが溶接長に対して20%以下の場合を○とし、20%を超える場合を×とした。◎、○が合格であり、×が不合格である。
(3)ビード形状
ビード形状を目視で確認した。ビード形状が、優れていると判断できるものを◎、良好であると判断できるものを○、可であると判断できるものを△、不良と判断できるものを×と評価した。◎、○、△が合格であり、×が不合格である。なお、△は合格であるものの、○より若干劣るものである。
(4)ビード欠陥
ビード欠陥の評価は、ビード幅、ポックマーク、アンダカットについて行った。なお、各サンプルの溶接長は1.2mとし、1st側(表面側)および2nd側(裏面側)のどちらか一方でも下記(a)〜(c)の基準で“×”の評価がついたものをビード欠陥が不合格(×)とした。
(a) ビード幅については、開先幅より15mm以上広い場合を◎とし、5mm以上15mm未満の場合を○とし、5mm未満の場合を×とした。
(b) ポックマークについては、溶接長1mあたり1個よりも多い場合を×とした。
(c) また、アンダカットが1st側および2nd側のビード全長のうち、1箇所でも発生した場合は×とした。
そして、ビード欠陥が不合格(×)でないものの中で、ビード幅の評価が優れている(◎)ものをビード欠陥が優れている(◎)と評価し、ビード幅の評価が良好である(○)ものをビード欠陥が良好である(○)と評価した。
(5)機械的性質
溶接金属の機械的性質は、JIS Z 3111:2005に規定される「溶着金属の引張及び衝撃試験方法」に準拠した引張試験および衝撃試験により評価した。
引張試験片は、溶接金属中央で板厚中央の位置から採取したA2号試験片を用いた。また、衝撃試験片は、溶接金属中央で板厚中央の位置から採取したVノッチ試験片を用いた。なお、いずれの試験片も熱処理を行わずに試験に供した。
引張試験では、常温(約20℃)の試験片の引張強さを求めた。引張試験は、490MPa以上を合格として◎とし、相対的に特に強度が高いものを◎+とした。
衝撃試験では、試験温度−20℃での吸収エネルギーの最小値(試験片3本のうちの最小値:min.vE−20℃)により低温靭性を評価した。
低温靭性は、−20℃での吸収エネルギーの最小値が47J以上を合格として○、◎、◎+とした。なお、合格したものの中で相対的に強度が高いものを◎、相対的にさらに強度が高いものを◎+とした。
(6)耐吹上げ性
耐吹上げ性については、吹上げがほとんど確認されない場合を◎、時折吹上げる場合を○、溶接全長にわたって著しい吹上げが確認される場合を×とした。
(7)総合評価
前記各評価項目が全て「◎」、「◎+」であったものを総合評価「◎+」とし、前記各評価項目の中に「○」があったものを総合評価「○」とし、前記各評価項目の中に一つでも「×」があったものを総合評価「×」とした。
これらの評価結果を表5に示す。
Figure 0006837420
表5に示すように、No.1〜15、32、33に係るフラックスは、本発明の要件を満たしていたので、各評価項目について良好な結果が得られた(実施例)。なお、No.15のフラックスについては、ビード形状が他の○のものと比較して若干劣った。また、No.1〜7に係るフラックスは、B、Mo、Mn、Ti、およびAlのうちの少なくとも1種を所定量含有していたので、機械的性質がより優れていた。
これに対し、No.16〜31に係るフラックスは、本発明の要件を満たしていなかったので、評価項目のうちの少なくとも一つが良好でない結果となった(比較例)。
具体的に、No.16に係るフラックスは、Feが少な過ぎたので、耐吹き上げ性が良好でなかった。
No.17に係るフラックスは、Feが多過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。
No.18に係るフラックスは、全Fe成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるFeの比率が低過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。
No.19に係るフラックスは、TiOが少な過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。また、No.19に係るフラックスは、スラグ焼付きが認められた。
No.20に係るフラックスは、TiOが多過ぎたので、ビードの波目が粗くなり、ビード形状が不良となった。
No.21に係るフラックスは、全TiO成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるTiOの比率が低過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。
No.22に係るフラックスは、Alが少な過ぎたので、ビード形状が不良となった。
No.23に係るフラックスは、Alが多過ぎたので、ビード形状が不良となった。
No.24に係るフラックスは、全Al成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるAlの比率が低過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。
No.25に係るフラックスは、MgOが少な過ぎたので、アンダカットが発生し、ビード欠陥が不良となった。
No.26に係るフラックスは、MgOが多過ぎたので、ビード形状が不良となった。
No.27に係るフラックスは、全MgO成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるMgOの比率が低過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。
No.28に係るフラックスは、Feが多過ぎると共に、TiOが少な過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。また、No.28に係るフラックスは、スラグ焼付きが認められた。
No.29に係るフラックスは、全Fe成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるFeの比率が低過ぎると共に、全TiO成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるTiOの比率が低過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。
No.30に係るフラックスは、Feが多過ぎると共に、全Al成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるAlの比率が低過ぎたので、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められた。
No.31に係るフラックスは、TiOが多過ぎると共に、全TiO成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるTiOの比率が低過ぎ、また、MgOが少な過ぎると共に、全MgO成分のうち、粒子径が500μm以上の粒子に含有されるMgOの比率が低過ぎた。そのため、No.31に係るフラックスは、鉄粒突起物のビード表面での発生が認められ、また、ビードの波目が粗くなり、ビード形状が不良となると共に、ビード幅が狭くなってアンダカットが発生し、ビード欠陥が不良となった。
1、100 母材
2 溶接金属
2a ビード表面
3 フラックス
4 スラグ
5 鉄粉
6 凝集鉄粉
7 鉄粒突起物

Claims (4)

  1. Fe:1.0〜30.0質量%、
    TiO:2.0〜23.0質量%、
    Al:2.0〜25.0質量%、
    MgO:20.0〜35.0質量%含有し、
    残部が炭酸塩由来の成分および不可避不純物からなり、かつ前記残部の含有量が15.0質量%以下であり、
    前記Feは、粒子径が500μm以上のフラックスの粒子に、40%以上が含有され、
    前記TiOは、粒子径が500μm以上のフラックスの粒子に、40%以上が含有され、
    前記Alは、粒子径が500μm以上のフラックスの粒子に、40%以上が含有され、
    前記MgOは、粒子径が500μm以上のフラックスの粒子に、40%以上が含有されている
    ことを特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス。
  2. さらに、
    Si、Si合金およびSi酸化物の総含有量:SiO換算で6.0〜15.0質量%、
    CaF:5.0〜20.0質量%、
    CO:2.0〜9.0質量%、
    NaOおよびKOの合計量:1.0〜6.0質量%のうちの少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接用フラックス。
  3. さらに、
    :0.1〜1.0質量%、Mo:0.1〜1.0質量%、Mn:0.1〜0.9質量%、Ti:0.1〜1.0質量%、およびAl:0.7〜3.0質量%のうちの少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサブマージアーク溶接用フラックス。
  4. フラックス全体における粒子径が500μm以上の粒子の含有比率が40質量%以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサブマージアーク溶接用フラックス。
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