JP6912266B2 - 物品搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば飲料が充填された容器を搬送する装置に関し、特にリニアモータを用いた楕円形の搬送経路を有する場合に好適な物品搬送装置に関する。
容器に製品液を充填するシステムは、容器に製品液を充填するフィラと、フィラによって製品液が充填された容器にキャップを被せるキャッパと、キャッパによってキャップが被せられされた容器にラベルを貼着するラベラとを備え、これらの要素を同期させて運転する。それぞれの要素及び要素間において容器は搬送されるが、この搬送の過程で容器は搬送手段が備える保持具によって保持される。
搬送手段としては、スターホイールと称される回転体が用いられ、スターホイールは、例えばプラスチック製の容器の首を保持するグリッパと称される器具が用いられる。スターホイールは、円弧状の搬送経路に沿って容器を搬送する。
また、他の搬送手段としては、例えばチェーン駆動によるコンベアが用いられており、コンベアは容器を載せるコンベア要素が直線状の搬送経路を移動する。
フィラにおいて製品液が充填される前の空の容器に比べて、製品液が充填された後の容器は重くなり、且つ、キャップが取り付けられているため把持する範囲が限定される。そのため、円弧状の搬送経路を有するスターホイールで実容器を搬送すると、実容器に加わる遠心力が極めて大きくなるので、グリッパにより安定して保持できないおそれがある。したがって、従来、実容器はコンベアによる搬送が主流である。なお、製品液が充填された後の容器を実容器ということにする。
特許文献1、特許文献2に記載されるように、容器の搬送手段としてリニアモータの利用も検討されている。特許文献1は、リニアモータの可動子を構成するキャリアに容器を載せて搬送する形態を採用し、特許文献2は、グリッパで容器の胴部を保持する形態を採用する。
特開平5−51087号公報 特開2014−24665号公報
特許文献1は、搬送手段としてリニアモータを採用することにより、容器と容器の接触を回避できるので、容器の倒れ、傷の発生を防ぐことができることを述べている。また、特許文献2は、搬送手段としてリニアモータを採用することにより、いわゆる歯抜けがあっても、それを解消して相互に連続して物品を保持搬送できることを述べている。
飲料を充填するシステムにおいては、例えば1分間当たりの充填能力が数百本以上という高い生産効率が求められているので、搬送手段における搬送速度もこの充填能力に対応する必要がある。ところが、現在のリニアモータの可動子により相当の重量を有する実容器を要求される搬送速度で搬送することは容易でない。特に、容器をグリッパで保持することにすると可動子にグリッパを設けることになり、グリッパが相当の重量を有するので、要求される搬送速度を得ることは容易でない。
以上より、本発明は、グリッパで実容器を保持していても、要求される充填能力に耐えられる搬送速度をリニアモータで実現できる物品搬送装置を提供することを目的とする。
本発明の物品搬送装置は、走行路と、走行路に沿ってそれぞれが独立して走行する複数の可動体と、を備え、可動体が物品を保持しながら走行する。
本発明におけるそれぞれの可動体は、可動要素と、物品を保持する保持要素と、を備え、保持要素の鉛直方向の荷重を走行路で受ける、ことを特徴とする。
本発明における走行路は、保持要素の鉛直方向の荷重を受けるレールを備え、保持要素は、レールを転動する転動体を備える、ことが好ましい。
本発明における可動要素と保持要素は、可動要素の走行による力を保持要素が受ける、ことが好ましい。
本発明における走行路が、平面視して楕円形の循環経路を有する場合には、可動要素と保持要素は、走行路の径方向において相対的な変位が許容される、ことが好ましい。
本発明における搬送装置は、物品が首部を有するボトル形の容器である場合に、保持要素は、首部を把持するグリッパを備える、ことができる。
本発明におけるグリッパは、首部を把持する状態が、機械的な拘束により維持される、ことが好ましい。
このグリッパは、製品液が充填されている例えばボトル形の容器の首部を把持する、ことができる。
このグリッパの機械的な拘束及びその解除を、可動要素の走行により機能する第一カム機構によりなし、グリッパの開閉動作を、可動要素の走行により機能する第二カム機構によりなすことができる。
また、本発明における保持要素は、容器を底から支持する第一サポートを備える、ことが好ましい。
本発明における保持要素は、容器を搬送方向から支持する第二サポートを備える、ことが好ましい。
本発明の物品搬送装置によれば、実容器の荷重及びグリッパの荷重を搬送経路が受けるので、可動体には実容器の荷重及びグリッパの荷重が可動要素に加わるのを避けることができる。したがって、本発明の物品搬送装置は、可動要素が保持要素から受ける荷重の負担を少なくできるので、要求される充填能力に耐えられる搬送速度を実現できる。
本発明の実施形態に係る搬送装置の概略構成を示す平面図である。 図1の搬送装置に用いられる可動体を示す正面図である。 図2の可動要素の径方向ガイドと保持要素の径方向カムフォロアの係合関係を示し、走行路の内側から外側に向けて見た図である。 図2の可動体に組み込まれるグリッパを示す平面図である。 図1の搬送装置のグリッパの動作を説明する図である。 容器を底から支持する第二サポートを備える可動体を示す正面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態による搬送装置1は、図1に示すように、平面視して楕円形の循環経路をなす走行路10と、この走行路10に沿ってそれぞれが独立して走行する複数の可動体30と、可動体30の走行を制御するコントローラ90と、を備える。それぞれの可動体30に永久磁石45A,45B(図2)が設けられるとともに、走行路10に沿って電磁コイル12(図2)が設けられることにより、搬送装置1はリニアモータを備える。物品としてのボトル形の容器100は走行路10よりも所定距離だけ外側の搬送経路3に沿って搬送される。なお、図1には、複数の可動体30の一部のみしか示されていない。
それぞれの可動体30は、図2に示すように、リニアモータの可動子をなす可動要素40と容器100を保持する保持要素50とからなり、容器100を含む保持要素50の荷重を主に走行路10で受けるように構成されている。これにより、可動要素40に保持要素50から鉛直方向Zに加わる荷重を最小限に抑えることで、可動要素40の推進力を効率よく可動体30の走行に用いることができる。
以下、走行路10、可動体30の構成を順に説明した後に、搬送装置1の奏する効果を説明する。
[走行路10]
走行路10は、図1に示すように、ガイドレール11と、ガイドレール11に併設される第一カムレール13、第二カムレール14と、を備えている。なお、図1は、ガイドレール11、第一カムレール13及び第二カムレール14の存在を線分で示しているだけであり、その位置を反映していない。開閉カムレール19とロックカムレール21も同様である。なお、走行路10は、これらのガイドレール11、第一カムレール13及び第二カムレール14を含む概念を有している。
ガイドレール11は、リニアモータとしての固定子をなすものであり、ガイドレール11に沿って多数の電磁コイル12(図2)が埋設されている。それぞれの電磁コイル12は矩形状をなしており、その長手方向が径方向Xに沿って配置されている。可動要素40の永久磁石45A,45Bは、電磁コイル12に対向するように設けられる。
ガイドレール11は、互いに間隔をあけて配置される直線部11C,11Dと、直線部11Cと直線部11Dの一端を繋ぐ曲線部11Eと、直線部11Cと直線部11Dの他端を繋ぐ曲線部11Fと、を備える。曲線部11E,Fは、直線部11C,11Dとの接続部分がクロソイド曲線(Clothoid Curve)CCからなる。クロソイド曲線は、曲率の変化率が一定の曲線であり、直線部分から円弧部分に移行するときの曲率の急激な変化を避けるために設けられる。つまり、曲線部11E,11Fは、曲率半径が一定ではなく、特にクロソイド曲線CCの部分で変化する。搬送装置1は、この曲線部11F,11Eにおける曲率半径の変動に対応できるように、可動要素40が構成されている。
第一カムレール13及び第二カムレール14は、図2に示すように、保持要素50に設けられる第一カムフォロア55A、第二カムフォロア55B及び第三カムフォロア55Cが転動することで、可動要素40及び保持要素50の走行を案内する。
第一カムレール13及び第二カムレール14は、図2に示すように、それぞれがコ字状の第一カム溝15,16を有しており、第一カムレール13の第一カム溝15に第一カムフォロア55Aが転動可能に収容され、第二カムレール14の第二カム溝16に第二カムフォロア55Bが転動可能に収容される。また、第一カムレール13と第二カムレール14の間の間隙に第三カムフォロア55Cが転動可能に収容される。
以上の構成を備えるので、保持要素50の鉛直方向Zの荷重は、第一カムフォロア55Aを介して第一カムレール13に、また、第二カムフォロア55Bを介して第二カムレール14に加えられる。
また、保持要素50は、第一カムレール13及び第二カムレール14に案内されながら、走行路10に沿って位置ずれを起こすことなく走行する。
また、走行路10は、図1、図2及び図3に示すように、開閉カムレール19とロックカムレール21を備える。
開閉カムレール19は、グリッパ60における開閉機構70のローラカム73が干渉することにより、開閉レバー71の動作を介して把持爪61A,61Bを開閉させる。開閉カムレール19とローラカム73により本発明の第二カム機構が構成される。
また、ロックカムレール21は、グリッパ60におけるロック機構80のローラカム85が干渉することにより、ロックレバー81の動作を介して把持爪61A,61Bの開閉動作をロックする。ロックカムレール21とローラカム85により本発明の第一カム機構が構成される。
[可動要素40(可動体30)]
次に、可動要素40は、図2に示すように、可動要素40をなす他の要素を保持するホルダ41と、ホルダ41に保持されるローラ43A,43B,43C,43Dと、ホルダ41に保持される永久磁石45A,45Bと、ホルダ41の上端及び下端のそれぞれに設けられる径方向ガイド47A、47Bと、を備えている。
ホルダ41は、図2に示すように、ガイドレール11の図中の上面に対向する上部アーム41Aと、ガイドレール11の図中の下面に対向する下部アーム41Bと、上部アーム41Aと下部アーム41Bを接続する接続壁41Cと、を備えている。
ホルダ41は、上部アーム41Aと下部アーム41Bの間に走行路10のガイドレール11が配置され、かつ、接続壁41Cが走行路10の外側を向くように配置される。
ローラ43A,43Bは、上部アーム41Aに回転可能に取り付けられ、また、ローラ43C,43Dは下部アーム41Bに回転可能に取り付けられる。ローラ43Aとローラ43Bは、互いが干渉しないように搬送方向の位置をずらして設けられている。ローラ43Cとローラ43Dも同様である。
可動体30が走行路10に沿って走行する際に、ローラ43A,43Bは、ガイドレール11の上面に設けられるガイド面17A,17Bを転動し、また、ローラ43C,43Dは、ガイドレール11の下面に設けられるガイド面17C,17Dを転動する。これにより、可動体30は、走行路10に沿って走行する際の、ガイドレール11との間の抵抗を抑えることができる。
永久磁石45A,45Bは、それぞれが上部アーム41Aの先端、下部アーム41Bの先端に保持されている。永久磁石45A,45Bは、ガイドレール11に設けられる電磁コイル12とともにリニアモータを構成する。コントローラ90が複数の電磁コイル12のそれぞれに供給する電流を制御することにより、永久磁石45A,45Bとの間に磁気的な吸引力及び反発力が生じ、可動要素40が走行する。
径方向ガイド47A,47Bは、それぞれが図2及び図3に示すように横断面がコの字状をなしており、径方向ガイド47Aは下方に開口する矩形のカム溝48Aを備え、径方向ガイド47Bは上方に開口する矩形のカム溝48Bを備えている。カム溝48A,48Bは径方向ガイド47A,47Bを径方向Xに貫通している。
カム溝48Aには径方向カムフォロア56Aが回転可能に収容され、また、カム溝48Bには径方向カムフォロア56Bが回転可能に収容される。したがって、ホルダ41は、径方向カムフォロア56A,56Bによって搬送方向の移動は拘束されるが、保持要素50に対して径方向Xの相対的な変位は許容される。
なお、この径方向の変位が許容されるのは、ガイドレール11の曲線部11E,11Fがクロソイド曲線をなしていることに対応するためである。
また、径方向カムフォロア56A,56Bによってホルダ41の移動が拘束されることにより、可動要素40の走行による力を保持要素50に伝える係合関係が成り立つ。
[保持要素50(可動体30)]
次に、保持要素50について図2を参照して説明する。
保持要素50は、容器100の首部101を保持するグリッパ60と、グリッパ60を支持するフレーム51と、を備える。
グリッパ60は、機械的な拘束力によりグリッパ60が閉じて容器100を把持する状態を維持することで、容器100を把持する。この閉じた状態の維持のことを、ロックと称する。グリッパ60は、容器100を保持するのに弾性力に頼らない。
また、フレーム51は、グリッパ60及びグリッパ60に保持される容器100の鉛直方向Zの荷重が第一カムレール13、第二カムレール14に負荷されるように構成されている。
以下、フレーム51、グリッパ60の順にその構成を説明する。
フレーム51は、上部フレーム52と、上部フレーム52と鉛直方向Zに間隔をあけて設けられる下部フレーム53と、上部フレーム52と下部フレーム53を接続し鉛直方向Zに延びる接続フレーム54と、を備える。接続フレーム54は、径方向Xの外側(Out)において上部フレーム52と下部フレーム53を接続することで、上部フレーム52、下部フレーム53及び接続フレーム54は機械的に一体化されている。
上部フレーム52は、グリッパ60を支持する。容器100を搬送する際にグリッパ60が容器100を保持するので、容器100及びグリッパ60の荷重は上部フレーム52が受ける。この荷重は、接続フレーム54を介して下部フレーム53に伝達される。
次に、下部フレーム53は、第一カムフォロア55A、第二カムフォロア55B及び第三カムフォロア55Cを回転可能に支持する。
第一カムフォロア55A及び第二カムフォロア55Bは回転軸線が径方向Xを向き、第三カムフォロア55Cは回転軸線が鉛直方向Zを向いている。
第一カムフォロア55Aは第一カムレール13の第一カム溝15に回転可能に収容され、第二カムフォロア55Bは第二カムレール14の第二カム溝16に回転可能に収容される。また、第三カムフォロア55Cは第一カムレール13と第二カムレール14の間に形成される第三カム溝17に転動可能に収容される。
以上のとおりであり、第一カムレール13と第二カムレール14は、第一カムフォロア55Aと第二カムフォロア55Bを介して、保持要素50の鉛直方向Zの荷重を受ける。また、第一カムレール13と第二カムレール14は、第三カムフォロア55Cを介して、保持要素50の径方向Xの荷重を受ける。
次に、保持要素50は、それぞれが回転軸線の周りに回転可能な、径方向カムフォロア56Aと径方向カムフォロア56Bを備える。径方向カムフォロア56A,56Bの回転軸線は鉛直方向Zに沿っている。
径方向カムフォロア56Aは、ホルダ41の径方向ガイド47Aに対応して、上部アーム41Aよりも上方に設けられ、径方向カムフォロア56Bは、ホルダ41の径方向ガイド47Bに対応して、下部アーム41Bよりも下方に設けられる。
径方向カムフォロア56Aは、上部フレーム52に回転可能に取り付けられ、径方向カムフォロア56Bは、下部フレーム53に回転可能に取り付けられる。
径方向カムフォロア56A、径方向カムフォロア56Bは、それぞれが径方向ガイド47Aのカム溝48A、径方向ガイド47Bのカム溝48Bに収容される。
こうして、径方向カムフォロア56A、径方向カムフォロア56Bは、径方向ガイド47A、径方向ガイド47Bを介して、ホルダ41、つまり可動要素40の径方向Xへの変位を許容するが、搬送方向への変位を拘束する。また、径方向カムフォロア56A、56Bは、径方向ガイド47A、47Bの鉛直方向Zの変位を拘束する。
このように、可動要素40と保持要素50は、可動要素40の走行による力を保持要素50が受ける係合関係にある。
[グリッパ60]
次に、弾性力に頼らずに容器100を把持するためのロック機構80を備えたグリッパ60について、図2及び図4を参照して説明する。
グリッパ60は、容器100を把持する一対の把持爪61A,61Bと、把持爪61A,61Bの開閉を司る開閉機構70と、把持爪61A,61Bの開閉をロックするロック機構80と、を備える。
把持爪61A,61Bは、回転軸63A,63Bにより支持板65に揺動SWが可能に取り付けられている。回転軸63A,63Bの外周にはそれぞれが噛み合う図示を省略する歯溝が形成されている。したがって、例えば把持爪61Aを時計回りに回転させると把持爪61Bは反時計回りに回転させることができる。
[開閉機構70]
開閉機構70は、図4に示すように、回転軸63Aを中心に揺動が可能に把持爪61Aに固定された開閉レバー71と、開閉レバー71の先端に設けられたローラカム73と、把持爪61Aと把持爪61Bのそれぞれ閉位置に向けた弾性力を付与するねじりコイルばね75A,75Bと、を備えている。
開閉レバー71は、回転軸63Aを境に把持爪61Aの反対側に設けられており、図2及び図5に示すようにローラカム73が開閉カムレール19と干渉すると、ねじりコイルばね75Aの弾性力に対抗する外力が加えられることで、時計回りに回転する。これに伴って把持爪61Aが時計回りに回転する。これと同時に把持爪61Bは反時計回りに回転するので、把持爪61Aと把持爪61Bは開く。この把持爪61Aと把持爪61Bの開位置において、把持爪61Aと把持爪61Bの間に容器100を出し入れができる。
開閉カムレール19との干渉が解けると、開くときとは逆の動作を行って把持爪61Aと把持爪61Bは閉じる。この閉状態において把持爪61Aと把持爪61Bで容器100が把持される。
把持爪61Aと把持爪61Bが閉じる動作は、ねじりコイルばね75A,75Bにより把持爪61Aと把持爪61Bが閉じる向きに弾性力が付与されていることに基づいている。つまり、回転軸63Aの周囲に配置されたねじりコイルばね75Aの一端側が支持板65に設けられた係止ピン77Aに係止され、コイルばね75Aの他端側が把持爪61Aに設けられた係止ピン77Bに係止されることで、把持爪61Aには閉じる向きに弾性力が加えられている。また、回転軸63Bの周囲に配置されたねじりコイルばね75Bの一端側が支持板65に設けられた係止ピン77Cに係止され、コイルばね75Bの他端側が把持爪61Bに設けられた係止ピン77Dに係止されることで、把持爪61Bには閉じる向きに弾性力が加えられている。つまり、開く方向に外力が加わらない限り、グリッパ60は閉じている。
[ロック機構80]
ロック機構80は、図4に示すように、ロックレバー81と、把持爪61Aに固定されるロックピン83と、ロックレバー81の先端に設けられるローラカム85と、ロックレバー81をロック位置に向けた弾性力(第一弾性力)を付与するコイルばね87と、を備える。
ロックレバー81は、L字状の平面形状を有しており、回転軸81Cを中心にして正転及び逆転が可能に支持板65に固定されており、回転軸81Cを境に作用部81Aと動作部81Bを備えている。
作用部81Aは、ロックレバー81がロック状態にあるときにその先端がロックピン83と突き当たる係合関係にあることで、閉位置にある把持爪61Aと把持爪61が開くのを阻止、つまりロックする。
動作部81Bは、その先端に設けられたローラカム85がロックカムレール21と干渉するとコイルばね87の弾性力に対抗する外力が加えられることで、図中で時計回りに回転し、ロック位置からロック解除位置に移行する。これに伴って作用部81Aのロックピン83との係合が解かれる。そうすると、把持爪61A,61Bはロックが解かれ開位置に移行するのが可能になる。
開閉カムレール19との干渉が解けると、作用部81Aのロックピン83との係合が復帰する。復帰動作は、作用部81Aと支持板65に取り付けられたばね支持片89との間に設けられたコイルばね87の弾性力に基づいている。
[搬送装置1の動作]
次に、搬送装置1の動作、特に開閉機構70とロック機構80の動作について図5を参照して説明する。ここでは、容器100が循環経路をなす搬送経路3を搬送され、走行路10の曲線部11Eから直線部11Dにかけてロック機構80のロックが解除されるとともに開閉機構70がグリッパ60を開き、さらに、直線部11Dにおいて開閉機構70がグリッパ60を閉じるとともに、ロック機構80がロックされる動作を例に説明する。
以上の動作の過程において、電磁コイル12と永久磁石45A,45Bとの間に生じる磁気的な作用により可動要素40は推進力を得て保持要素50を搬送する。磁気的な作用はコントローラ90の指示により生じる。保持要素50が容器100を把持しているときには、走行する可動要素40は容器100の重量を含む保持要素50を搬送する。
図5に示すように、開閉機構70の開閉動作には開閉カムレール19が関与し、ロック機構80のロック及びロックの解除にはロックカムレール21が関与する。
はじめに、ロックレバー81のローラカム85がロックカムレール21と干渉して、ロックレバー81の作用部81Aとロックピン83の係合関係が解かれる(図5(I))。次に、開閉レバー71のローラカム73が開閉カムレール19と干渉することにより、開閉レバー71の傾転を通じて把持爪61Aと把持爪61Bが開く(図5(II))。把持爪61A,61Bが開いている間に、グリッパ60は容器100を受け取るか、または、容器100を受け渡すことができる。図5は容器100を受け取ることを前提としている。
グリッパ60は把持爪61A,61Bが開いたままで直線部11Cを走行するが、開閉レバー71のローラカム73と開閉カムレール19の干渉が解かれる(図5(III))。そうすると、把持爪61A,61Bはねじりコイルばね75A,75Bの弾性力により閉じられる。これと同時に、ロックレバー81のローラカム85とロックカムレール21の干渉が解かれるので、作用部81Aとロックピン83との係合が復帰する。その後は、把持爪61A,61Bの閉じた状態が作用部81Aとロックピン83の係合関係により機械的に拘束されるので、グリッパ60は受け取った容器100を把持できる。
[効 果]
以下、本実施形態の搬送装置1による効果を説明する。
搬送装置1は、容器100を把持する保持要素50の荷重を、第一カムレール13及び第二カムレール14で受けるので、可動要素40が受ける鉛直方向Zの荷重が軽減される。したがって、製品液が充填されたために空容器に比べて相当程度に重くなった容器100を把持する保持要素50であっても、可動要素40が高速で搬送することができる。この搬送装置1を飲料充填システムに適用すれば、要求される充填能力に耐えられる搬送速度を実現できる。
しかも、第一カムレール13に第一カムフォロア55Aが係合され、第二カムレール14に第二カムフォロア55Bが係合されることにより、保持要素50の鉛直方向Zの位置決めがなされる。また、第一カムレール13と第二カムレール14の間に第三カムフォロア55Cが係合されることにより、保持要素50の径方向Xの位置決めがなされる。したがって、搬送装置1によれば、保持要素50の安定した走行が確保される。
前述したように、本実施形態のガイドレール11は、曲線部11E,11Fの一部は曲率半径が変化するクロソイド曲線CCをからなるが、本実施形態の可動体30は、可動要素40が保持要素50に対して径方向Xに変位できるように構成されている。したがって、可動体30がクロソイド曲線CCの部分を走行することにより可動要素40と保持要素50の間の径方向Xの位置関係が変動したとしても、可動要素40が径方向Xに変位することにより、位置関係の変動に追従できるので、可動要素40と保持要素50の安定した走行を確保できる。
次に、本実施形態のグリッパ60は、ロック機構80のロックレバー81により把持爪61A,61Bを閉じるロックの状態を機械的に拘束することにより、容器100の首部101を把持する。つまり、グリッパ60は、外力として弾性力の助けを要することなく、容器100の首部101を把持できる。特に、製品液が充填された容器100であっても、大きな弾性力を加えるということがなく、首部101を安定して把持できる。また、ロック位置に向けた弾性力が加わっているが、これは比較的に軽微な力でたりるので、ロックレバー81をロック位置からロック解除位置に移行するのに必要な力は弱くて足りる。
一方で、グリッパ60を開いた状態から閉じた状態にするのは、開閉機構70のねじりコイルばね75A,75Bの弾性力であるが、製品液が充填された容器100を把持する力はロック機構80が担うので、この弾性力は軽微で足りる。
以上の通りであり、グリッパ60及びロックレバー81は、いずれも可動体30が走行することに伴うカムの作用に基づいて動作するが、この動作に必要な力も小さくても足りる。したがって、グリッパ60による容器100の把持について可動体30が負担する力が少なくて済むので、本実施形態は高速走行が可能なリニアモータを適用できる。
以上、本発明の好ましい搬送装置を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、搬送中に容器100が触れ回るのを防止するために、図6に示すように、第一サポート57や第二サポート59を設けることができる。
第一サポート57は、容器100を底105から支持するものである。第一サポート57は、昇降可能に設けられており、容器100の底105に突き当たることで、搬送中に容器100が触れ回るのを防止する。
また、第二サポート59は、容器100を搬送方向から支持するものである。第二サポート59は、容器100の胴部107に搬送方向の前方から突き当たる板状の部材である。第二サポート59は、その上端が把持爪61Aに固定される。
また、以上の実施形態では、グリッパ60の開閉をカム機構で行うが、本発明はこれに限定されず、電磁ソレノイド、電動モータなどの電力を動力源とする電気機器を用いて行うこともできる。
電磁ソレノイドでグリッパ60の開閉を行う場合、グリッパ60が閉じているときに電力を供給しないで、グリッパ60を開くときに電力を供給すればよい。電力を供給しない間には、電磁ソレノイドはグリッパ60が容器100を把持する状態を機械的に拘束することになる。
また、以上の実施形態では、ボトル形の容器を例にして説明したが、本発明の搬送の対象はこれに限るものではなく、可動体に保持されながら搬送される物品に広く適用できる。
さらに、以上の実施形態では、最も典型的な例としてリニアモータについて説明したが、本発明はグリッパにより容器を把持しながら軌道上を走行する可動体を備える搬送装置に広く適用できる。
1 搬送装置
3 搬送経路
10 走行路
11 ガイドレール11C,11D 直線部11C
11E,11F 曲線部
12 電磁コイル
13 第一カムレール
14 第二カムレール
15 第一カム溝
16 第二カム溝
17 第三カム溝
17A,17B ガイド面
17C,17D ガイド面
19 開閉カムレール
21 ロックカムレール
30 可動体
40 可動要素
41 ホルダ
41A 上部アーム
41B 下部アーム
41C 接続壁
43A,43B,43C,43D ローラ
45A,45B 永久磁石
47A,47B 径方向ガイド
48A,48B カム溝
50 保持要素
51 フレーム
52 上部フレーム
53 下部フレーム
54 接続フレーム
55A 第一カムフォロア
55B 第二カムフォロア
55C 第三カムフォロア
56A,56B 径方向カムフォロア
57 第一サポート
59 第二サポート
60 グリッパ
61A,61B 把持爪
63A,63B 回転軸
65 支持板
70 開閉機構
71 開閉レバー
73 ローラカム
75A,75B ねじりコイルばね
77A,77B,77C,77D 係止ピン
80 ロック機構
81 ロックレバー
81A 作用部
81B 動作部
81C 回転軸
83 ロックピン
85 ローラカム
89 支持片
90 コントローラ
100 容器
101 首部
105 底
107 胴部

Claims (10)

  1. 走行路と、前記走行路に沿ってそれぞれが独立して走行する複数の可動体と、を備え、
    前記可動体が物品を保持しながら走行する搬送装置であって、
    それぞれの前記可動体は、
    可動要素と、前記物品を保持する保持要素と、を備え、
    前記保持要素の鉛直方向の荷重を前記走行路が受け、
    電磁コイルが前記走行路に沿って前記走行路に埋設され、
    前記走行路のおもて面およびうら面のそれぞれの側に設けられ、前記電磁コイルに対向する永久磁石が前記可動要素に保持される、
    ことを特徴とする物品搬送装置。
  2. 前記走行路は、
    前記保持要素の前記鉛直方向の荷重を受けるレールを備え、
    前記保持要素は、
    前記レールを転動する転動体を備える、
    請求項1に記載の物品搬送装置。
  3. 前記可動要素の走行による力を前記保持要素が受ける、
    請求項1又は請求項2に記載の物品搬送装置。
  4. 前記走行路は、
    平面視して楕円形の循環経路を有し、
    前記可動要素と前記保持要素は、前記走行路の径方向において相対的な変位を許容される、
    請求項3に記載の物品搬送装置。
  5. 前記物品が首部を有するボトル形の容器であり、
    前記保持要素は、
    前記首部を把持するグリッパを備える、
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
  6. 前記グリッパは、
    前記首部を把持する状態が、機械的に維持される、
    請求項5に記載の物品搬送装置。
  7. 前記グリッパは、
    製品液が充填されている前記容器の前記首部を把持する、
    請求項5又は請求項6に記載の物品搬送装置。
  8. 前記グリッパの機械的な拘束及びその解除が、前記可動要素の走行により機能する第一カム機構によりなされ、
    前記グリッパの開閉動作が、前記可動要素の走行により機能する第二カム機構によりなされる、
    請求項6又は請求項7に記載の物品搬送装置。
  9. 前記保持要素は、
    前記容器を底から支持する第一サポートを備える、
    請求項5〜請求項8のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
  10. 前記保持要素は、
    前記容器を搬送方向から支持する第二サポートを備える、
    請求項5〜請求項9のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
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