図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。以下において、回路基板の板厚方向をZ方向と示す。また、Z方向に直交する一方向であって、コネクタの長手方向をY方向、Z方向及びY方向の両方向に直交する方向をX方向と示す。特に断りのない限り、XY面視したときの形状(XY平面に沿う形状)を平面形状とする。XY面視は、Z方向の投影視とも言える。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図3に基づき、本実施形態に係る電子制御装置の概略構成について説明する。図3では、ファンの回転にともなう空気の流れを一点鎖線で示している。
図1〜図3に示すように、電子制御装置10は、筐体20、制御部30、温度検出部36c、及び送風ユニット40を備えている。この電子制御装置10は、車両に搭載される。電子制御装置10は、エンジン70を制御するエンジンECUとして構成されている。電子制御装置10は、車両のエンジンルームに配置される。
制御部30及び温度検出部36cは、図2に示す筐体20に収容されている。制御部30は、送風ユニット40のファン駆動部42を含む複数の制御対象を制御する。本実施形態では、制御対象としてエンジン70に関する駆動部(ドライバ)を含んでいる。たとえば、ポート噴射用の駆動部、直噴用の駆動部、電子スロットルの駆動部などを含んでいる。制御部30は、後述する回路基板34に構成されている。
温度検出部36cは、筐体20の内部に設けられており、筐体20の内部温度T1を検出する。温度検出部36cは、制御部30と電気的に接続されている。温度検出部36cは、たとえばサーミスタなどを含んでいる。
制御部30は、演算部31及び駆動電源出力部32を有している。本実施形態では、演算部31が、後述するマイコン36bの機能部として構成されている。演算部31は、冷却要求判定部310、温度勾配判定部311、出力抑制部312、及びエンジン制御部313を有している。
冷却要求判定部310は、温度検出部36cにて検出される内部温度T1を取得する。そして、内部温度T1に基づいて、冷却のための指示を出力する。冷却要求判定部310は、内部温度T1と予め設定された所定の内部閾値Tsとを比較する。冷却要求判定部310は、内部温度T1が内部閾値Tsを超えると、冷却のために後述するファン41を回転させるための指示であるオン信号を出力する。一方、内部温度T1が内部閾値Ts以下になると、冷却停止のためにファン41を停止させるための指示であるオフ信号を出力する。このように、冷却要求判定部310は、T1>Tsの場合に冷却指示としてオン信号を出力し、T1≦Tsの場合に冷却指示としてオフ信号を出力する。内部閾値Tsは、たとえば115℃である。
駆動電源出力部32は、冷却要求判定部310の冷却指示を受けて、ファン駆動部42に対し、ファン駆動部42を動作させる電源を供給する。駆動電源出力部32は、冷却指示としてオン信号が入力されると、ファン駆動部42に対して電源を供給する。すなわち、ファン41の回転を指示する指示信号を出力する。一方、冷却指示としてオフ信号が入力されると、ファン駆動部42への電源の供給を遮断する。すなわち、ファン41の回転停止を指示する指示信号を出力する。
温度勾配判定部311は、冷却要求判定部310によるオン信号の出力期間において、内部温度T1の今回値と内部温度T1の前回値とを比較し、温度勾配が上昇しているか否かを判定する。
出力抑制部312は、温度勾配が上昇していると判定された場合、オン信号の出力期間が終了するまでの間、上昇していると判定する前よりも、ファン駆動部42を除く駆動対象に対する制御部30の出力を抑制させる。出力抑制部312は、温度勾配が上昇していると判定された場合、エンジン制御部313に対して、出力を抑制(制限)させるための指示を出力する。
エンジン制御部313は、車両の走行状態を示す信号やユーザからの指示信号を取得し、これら信号に基づいて、エンジン70を制御する。エンジン制御部313は、出力抑制部312から出力抑制の指示が入力されると、たとえば制御対象を制限することで出力を抑制(制限)する。一例としては、直噴用の駆動部の制御を停止し、ポート噴射用の駆動部のみを制御することで、出力を制限する。また、処理負荷を低減することにより、出力を制限することができる。たとえば出力抑制の指示が無い場合に対して処理するデータ量を制限することで、出力を制限することができる。
送風ユニット40は、筐体20に固定されている。送風ユニット40は、ファン41及びファン駆動部42を有している。ファン41は、回転により筐体20を外面側から冷却する。ファン駆動部42は、指示信号に基づいて、ファン41を駆動させる。ファン駆動部42は、ファン41のモータドライバ(駆動回路)である。ファン駆動部42が駆動部に相当する。なお、送風ユニット40の構造詳細については、後述する。
図2及び図3に示すように、電子制御装置10は、筐体20、回路基板34、及び送風ユニット40を備えている。筐体20は、回路基板34を収容し、回路基板34を保護する。筐体20は、回路基板34の板厚方向であるZ方向において、2つの部材に分割されている。筐体20は、ケース21及びカバー22を有している。筐体20は、図示しないシール部材を介して、ケース21及びカバー22を相互に組み付けて構成される。
ケース21は、一面が開口する箱状をなしている。本実施形態では、放熱のために、ケース21が金属材料を用いて形成されている。具体的には、ケース21がアルミダイカストによって成形されている。
ケース21の底壁210は、平面略矩形状をなしている。底壁210に連なる4つの側壁のひとつには、図示しない切り欠きが設けられている。この切り欠きは、ケース21の一面の開口につながっている。底壁210には、貫通孔211が形成されている。貫通孔211は、筐体20のケース21に送風ユニット40を取り付けるための開口部である。貫通孔211は、ケース21の外面21a及び内面21bにわたって形成されている。
本実施形態では、ケース21が、底壁210の一部として、底壁210の他の部分に対して凹んで設けられた第1収容部212及び第2収容部213を有している。第1収容部212は、後述するコネクタ38を収容すべくX方向における一端側に設けられている。第2収容部213は、後述する電子部品36のうち、アルミ電解コンデンサなどの高背部品を収容すべく設けられている。第2収容部213は、X方向に延設されるとともに、一端が第1収容部212に連なっている。貫通孔211は、底壁210のうち、第1収容部212及び第2収容部213を除く部分に形成されている。貫通孔211は、底壁210の略平坦な部分に形成されている。
なお、図2に示す符号214は電子制御装置10を車両に取り付けるための取り付け部であり、符号215は、ケース21とカバー22とを固定するための固定孔である。固定孔215には、図示しないねじが挿入される。これら取り付け部214及び固定孔215は、ケース21と一体に設けられている。
カバー22は、ケース21とともに、回路基板34を収容する内部空間20sを形成する。ケース21とカバー22を組み付けることで、カバー22によりケース21における一面の開口が閉塞される。また、カバー22によりケース21の一面の開口が閉塞されることで、側壁に形成された切り欠きが区画され、図示しない開口部となる。この開口部により、コネクタ38の一部が外部に露出される。
本実施形態では、放熱性向上のために、カバー22も金属材料を用いて形成されている。カバー22も、アルミダイカストによって成形されている。カバー22は、一面が開口する底の浅い箱状をなしている。カバー22は、外面側に複数の放熱フィン220を有している。
筐体20のシール部材は、ケース21とカバー22との間、ケース21とコネクタ38との間、及びカバー22とコネクタ38との間を介して、内部空間20sが筐体20の外部の空間と連通するのを遮断するように設けられている。このシール部材は、内部空間20sを取り囲むようにケース21及びカバー22の周縁部に配置されている。シール部材により、ケース21及びカバー22の周縁部が水密に封止されている。シール部材として、たとえば硬化前において液状の接着材を採用することができる。
回路基板34は、ケース21に固定されている。回路基板34は、プリント基板35、及び、プリント基板35に実装された複数の電子部品36を有している。プリント基板35は、樹脂などの電気絶縁材料を用いて形成された基材に、配線が配置されてなる。そして、配線と電子部品36とにより、回路が形成されている。プリント基板35は、平面略矩形状をなしている。
電子部品36は、プリント基板35におけるケース21側の面である一面35a及びカバー22側の面である裏面35bの少なくとも一方に実装されている。回路基板34は、電子部品36として、パワーMOSFETなどの発熱素子36a、マイコン36b、及び上記した温度検出部36cを含んでいる。
発熱素子36aは、プリント基板35の一面35aであって、XY面視において送風ユニット40の周辺に配置されている。発熱素子36aは、たとえばXY面視において、後述する第2通気口441の延長上に設けられている。発熱素子36aは、放熱ゲル37を介して、ケース21の底壁210と熱的に接続されている。
マイコン36bは、CPU、ROM、RAM、及びレジスタなどを備えて構成されたマイクロコンピュータである。マイコン36bにおいて、CPUが、RAMやレジスタの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された制御プログラムに従って、所定の処理を実行する。マイコン36bは、ソフトウェア制御により、所定の処理を実行する。本実施形態では、上記した演算部31が、マイコン36bの機能部(ソフトウェア実行部)として構成されている。
マイコン36bも、プリント基板35の一面35aに実装されている。マイコン36bは、XY面視において送風ユニット40の周辺に配置されている。マイコン36bは、たとえばXY面視において、第2通気口441の延長上に設けられている。温度検出部36cは、マイコン36bの近傍に配置されている。
温度検出部36cも、プリント基板35の一面35aに実装されている。温度検出部36cは、第2通気口441の延長上であって、第2通気口441とマイコン36bの間に設けられている。温度検出部36cとして、サーミスタなどの温度検出素子を採用することができる。
回路基板34には、コネクタ38が実装されている。コネクタ38は、回路基板34におけるX方向の一端側に実装されている。コネクタ38の一部は筐体20の上記した開口部を介して外部に露出され、残りの部分は内部空間20sに収容されている。図示を省略するが、コネクタ38は、樹脂材料を用いて形成されたハウジング、及び、導電性材料を用いて形成され、ハウジングに保持された複数の端子を有している。
送風ユニット40は、ケース21の底壁210に取り付けられている。送風ユニット40は、ケース21の貫通孔211に取り付けられている。送風ユニット40は、回転により空気の流れを形成し、これによりケース21、ひいては回路基板34を冷却する。送風ユニット40は、ファン41、ハウジング43、端子44、及びファン基板45を備えている。ファン41の構造は、軸流ファンにおける周知の構造と同じとされている。このため、図3では、ファン41を簡略化して図示している。
ファン41は、軸部410及び複数の羽根411を有している。軸部410は、回転シャフト410aを含んでいる。羽根411は、回転シャフト410aと一体に回転する。よって、回転シャフト410aが、ファン41の回転軸となる。回転シャフト410aの軸方向、すなわちファン41の回転軸の方向が、Z方向と略一致するように、送風ユニット40がケース21に取り付けられている。
軸部410は、回転シャフト410a以外にも、図示しないボス及びマグネットを有している。ボスは、Z方向において回路基板34側に開口し、他端側に閉じた有底の円筒形状をなしている。ボスの外周面には、複数の羽根411が等間隔で設けられている。羽根411は、Z方向において、外面21aにおける貫通孔211の周囲部分よりも上方に位置している。ボス及び羽根411は、所謂インペラとして一体に成形されている。回転シャフト410aは、ボスの内部に設けられており、一端がボスの略中心に固定されている。金属製の回転シャフト410aは、樹脂製のインペラにインサート成形されて、インペラに一体化されている。ボスの内周面にはマグネットが取り付けられている。このように、ボス、羽根411、回転シャフト410a、及びマグネットを含んでロータが構成されている。
軸部410は、上記以外にも、図示しないコイル、軸受、軸受ホルダなどを有している。軸受は、回転シャフト410aを回転可能に支持している。軸受ホルダは、軸受を保持している。軸受ホルダは、ハウジング43の後述する底壁432からZ方向に突出している。本実施形態では、軸受ホルダが、ハウジング43と同一材料を用いて一体に設けられている。軸受は、軸受ホルダの内周面に配置されている。コイルは、軸受ホルダの外周面に配置されている。このように、コイル、軸受、及び軸受ホルダを含んでステータが構成されている。すなわち、ファン41は、モータを有している。
ハウジング43は、ファン41を回転可能に収容している。ハウジング43は、貫通孔211を塞ぐように、外面21a又は内面21bにおける貫通孔211の周囲部分に対向しつつ貫通孔211を覆うように配置されている。ハウジング43とケース21(底壁210)との間は、貫通孔211周りの全周で水密に封止されている。すなわち、貫通孔211周りにも防水構造が形成されている。
ハウジング43には、複数の通気口が形成されている。複数の通気口は、ファン41(羽根411)の回転にともなって、底壁210の外面21aに沿った空気の流れが形成されるように設けられている。ハウジング43は、複数の通気口として、第1通気口430及び第2通気口431を有している。第1通気口430及び第2通気口431の一方が空気の吸込口として機能し、他方が排出口として機能する。なお、第2通気口431が、側壁に設けられた通気口に相当する。
第1通気口430及び第2通気口431は、いずれも、外面21aにおける貫通孔211の周囲部分よりも上方、すなわちZ方向において外面21aよりも回路基板34から離れた位置に形成されている。本実施形態では、上記したようにファン41の回転軸がZ方向と略一致しており、第1通気口430は、少なくとも一部分が羽根411よりも上方に位置し、第2通気口431は、少なくとも一部分が羽根411よりも下方に位置するように形成されている。
本実施形態のハウジング43は、底壁432、側壁433、及びフランジ434を有している。ハウジング43は樹脂材料を用いて形成されている。底壁432及び側壁433は、Z方向において一端側が開口する有底の筒形状をなしている。この筒の開口が、第1通気口430とされている。第1通気口430は、Z方向において羽根411の上方に設けられている。そして、筒内が、ファン41を収容する収容空間43sとされている。底壁432の内面が、収容空間43sの底をなしている。収容空間43sは、筐体20の外部の空間につながっている。以下、筐体20の外部の空間を、単に外部空間と示す。
底壁432の内面は平面略矩形状をなしており、ハウジング43は、4つの側壁433を有している。4つの側壁433は一体に連なり、略矩形の筒状をなしている。側壁433は、底壁432からZ方向に延設されている。そして、側壁433の少なくともひとつに、第2通気口431が形成されている。第2通気口431は、側壁433を貫通している。本実施形態では、4つの側壁433のそれぞれに、第2通気口431が形成されている。第2通気口431は、Z方向が短手方向、Z方向に直交する方向が長手方向となるように、形成されている。隣り合う側壁433の角部、すなわち連結部分はR形状をなしており、第2通気口431は、R形状の部分を除く平坦部分に形成されている。
図3に示すように、ハウジング43は、貫通孔211に挿入されている。ハウジング43は、貫通孔211を通じて、ケース21の内外にわたって配置されている。底壁432は、内部空間20sに配置されている。側壁433は、貫通孔211を通じて、ケース21の内外にわたって配置されている。
フランジ434は、底壁432及び側壁433がなす筒の下端から、四方に広がるようにして、底壁432及び側壁433と一体に成形されている。フランジ434は、貫通孔211周りの全周で、ケース21の底壁210と対向するように設けられている。本実施形態では、フランジ434が、底壁432の外周端及び側壁433の下端に連なっている。フランジ434は、貫通孔211の周囲において、ケース21の内面21bに対向している。そして、フランジ434とケース21の内面21bとの間にシール部材46が介在し、防水シール部が形成されている。
シール部材46は、貫通孔211を取り囲むように環状に設けられている。本実施形態では、シール部材46として、硬化前において液状の接着材を採用している。送風ユニット40は、シール部材46によりケース21に接着固定されている。
端子44は、底壁432から内部空間20s側に突出し、回路基板34と電気的に接続されている。端子44の一端はファン基板45と電気的に接続され、他端は回路基板34と接続されている。このように、端子44を介して、ファン基板45、すなわち送風ユニット40と、回路基板34が電気的に接続されている。
ファン基板45には、ファン41を回転させるための駆動回路が形成されている。すなわち、モータドライバであるファン駆動部42が構成されている。ファン駆動部42は、端子44を介して制御部30と電気的に接続されている。
ファン基板45に構成されたファン駆動部42には、軸部410を構成するコイルが電気的に接続されている。回路基板34に構成された制御部30、端子44、及びファン駆動部42を通じてコイルが通電されることにより、上記したロータが正方向に回転する。そして、羽根411の所定の形状によりハウジング43内に空気の圧力差が発生し、図3に示すように、第1通気口430から吸入した空気が第2通気口431から排出される。なお、ロータを正方向とは反対の方向に回転させると、第2通気口431から吸入した空気が第1通気口430から排出される。
ファン基板45は、ハウジング43内において、羽根411よりも下方に配置されている。ファン基板45はハウジング43に固定されている。本実施形態では、ファン基板45がポッティング体47によって水密に封止されている。ポッティング体47は、ハウジング43内において、第2通気口431を閉塞せず、且つ、ボスや羽根411などのロータの動きを阻害しない深さで設けられている。
なお、ファン基板45は、端子44とは別の支持部によってハウジング43に支持されてもよい。ファン基板45は、ハウジング43の底面をなす底壁432の内面に固定されてもよい。また、ファン基板45の封止は、ポッティング体47に限定されない。たとえば、端子44が実装されたファン基板45が、ハウジング43にインサート成形され、底壁432によってファン基板45が封止された構成を採用することもできる。
次に、上記した電子制御装置10の組み付け手順の一例について説明する。
先ず、ケース21、カバー22、及び送風ユニット40をそれぞれ準備する。次いで、送風ユニット40を回路基板34に実装する。本実施形態では、挿入実装型の端子44を採用しており、回路基板34のスルーホールに端子44を挿入し、はんだ付けすることで、回路基板34と送風ユニット40を一体化させる。なお、コネクタ38については、送風ユニット40と同じタイミングで回路基板34に実装してもよいし、送風ユニット40とは別のタイミングで実装してもよい。本実施形態では、挿入実装される電子部品36、コネクタ38、及び送風ユニット40を、同じタイミングではんだ付けする。
次いで、回路基板34をケース21に取り付ける。たとえばケース21は、底壁210の内面21b側に図示しない台座を有しており、回路基板34を台座に配置して、ねじ固定する。このとき、送風ユニット40もケース21に取り付ける。回路基板34をケース21の台座に配置する前に、ケース21の内面21bにおける貫通孔211の周囲部分にシール部材46を塗布する。また、ケース21の周縁部のうち、コネクタ38のハウジングが対向する部分にも、図示しないシール部材を塗布する。そして、貫通孔211に対して送風ユニット40を位置決めした状態で、回路基板34を台座に配置し、回路基板34をケース21に固定する。
次いで、ケース21の周縁部及びコネクタ38におけるカバー22との対向部分にシール部材を塗布した後、ケース21にカバー22を組み付ける。以上により、上記した電子制御装置10を得ることができる。
次に、図4に基づき、演算部31が実行する処理について説明する。
図4に示すように、先ず演算部31が、温度検出部36cから内部温度T1を取得する(ステップS10)。
次いで、演算部31が、ステップS10で取得した内部温度T1と内部閾値Tsとを比較し、内部温度T1が内部閾値Tsよりも高いか否かを判定する(ステップS12)。内部温度T1が内部閾値Tsを超えていない、すなわち内部温度T1が内部閾値Ts以下である(T1≦Ts)と判定すると、演算部31は、ステップS10に戻って以降の処理を繰り返す。すなわち、演算部31は、内部温度T1が内部閾値Tsよりも高いと判定するまで、ステップS10,S12の処理を繰り返す。
一方、ステップS12において、内部温度T1が内部閾値Tsよりも高い(T1>Ts)と判定すると、演算部31は、ファン41の回転を指示するオン信号を出力する(ステップS14)。すなわち、冷却指示を出力する。オン信号が入力されると、駆動電源出力部32はファン駆動部42に電源を供給する。これにより、ファン41が回転する。
そして、ファン41の回転を指示するオン信号が出力されている状態で、演算部31は、内部温度の前回値T1pを更新するとともに、内部温度T1をあらたに取得する(ステップS16)。ステップS10の処理により取得された内部温度T1、詳しくはステップS12においてT1>Tsと判定したときの内部温度T1は、前回値T1pとしてメモリに保存(更新)される。ステップS16により今回取得した内部温度T1は、今回値としてメモリに保存される。
次いで、演算部31は、ステップS16の処理により今回取得した内部温度T1と、前回値T1pとを比較し、温度勾配が上昇を示すか否か、すなわち内部温度T1が前回値T1pよりも高いか否かを判定する(ステップS18)。
ステップS18において、内部温度T1が前回値T1pよりも高い、すなわち温度勾配が上昇を示すと判定すると、演算部31は、出力抑制を指示する(ステップS20)。これにより、エンジン70(の駆動部)への出力が制限される。
次いで、演算部31は、あらたに内部温度T1を取得し(ステップS22)、取得した内部温度T1が内部閾値Tsよりも高いか否かを判定する(ステップS24)。
一方、ステップS18において、内部温度T1が前回値T1p以下である、すなわち温度勾配が上昇していないと判定すると、次いで演算部31は、ステップS22,S24の処理を実行する。
ステップS24において、内部温度T1が内部閾値Tsを超えていない(T1≦Ts)と判定すると、演算部31は、ステップS26の処理を実行する。演算部31は、内部温度T1が内部閾値Tsを超えていないと判定するまで、ステップS22,S24の処理を繰り返す。
ステップS26において、演算部31は、ファン41の停止を指示するオフ信号を出力するとともに、出力抑制が実行されている場合には出力抑制を解除する。具体的には、冷却要求判定部310がオフ信号を出力し、このオフ信号受けて出力抑制部312が出力抑制を解除する。そして、一連の処理を終了する。
なお、演算部31は、電源が投入されている間、上記した処理を繰り返し実行する。すなわち、出力されていた冷却指示が解除されると、再度ステップS10以降の処理を実行する。ステップS10,S12,S14、S22,S24,S26の一部は、冷却要求判定部310が実行する処理である。すなわち、冷却要求判定部310が冷却指示部に相当する。ステップS16及びステップS18は、温度勾配判定部311が実行する処理である。ステップS20及びステップS26の一部は、出力抑制部312が実行する処理である。
図5は、電子制御装置10の作動例を示している。図5では、ファン41の回転指示によって内部温度T1が下がり、出力抑制することなくエンジン70を制御し続けることができる例を示している。
時刻t0では、内部温度T1が内部閾値Tsを下回っており、冷却要求判定部310からオフ信号が出力される。これにより、ファン駆動部42の動作はオフ状態とされ、ファン41は回転しない。この時点で、出力抑制されない。
出力抑制されないため、制御部30の発熱により内部温度T1が上昇する。時刻t1において、内部温度T1が内部閾値Tsを超えたことが検出されると、冷却要求判定部310から冷却指示としてオン信号が出力される。オン信号の出力により、ファン駆動部42の動作がオン状態に切り替わり、ファン41が回転する。ファン41の回転により筐体20が冷却されるため、内部温度T1は下降する。
そして、時刻t2において、内部温度T1が内部閾値Ts以下になったことが検出され、冷却要求判定部310からの冷却指示がオフ信号に切り替わる。すなわち、送風ユニット40への冷却指示が解除される。
図6は、上記した電子制御装置10の他の作動例を示している。図6では、ファン41の回転指示を出したものの内部温度T1が下がらず、出力抑制を1回行う例を示している。
時刻t10では、上記した時刻t0同様、内部温度T1が内部閾値Tsを下回っており、冷却要求判定部310からオフ信号が出力される。これにより、ファン駆動部42の動作はオフ状態とされ、ファン41は回転しない。この時点で、出力抑制されない。ここで、出力抑制が無い状態の出力を100%とする。
出力抑制されないため、制御部30の発熱により内部温度T1が上昇する。時刻t1同様、時刻t11において、内部温度T1が内部閾値Tsを超えたことが検出されると、冷却要求判定部310から冷却指示としてオン信号が出力される。オン信号の出力により、ファン駆動部42の動作がオン状態に切り替わり、ファン41が回転する。
しかしながら、図6では、内部温度T1が上昇する。内部温度T1の上昇の一因として、ファン41への異物の噛み込み、過熱保護によるファン41の停止、ファン41の動作不良などが考えられる。また、電子制御装置10の周囲温度の上昇などにより、ファン41による冷却では足りていないことも考えられる。
時刻t12では、時刻t11よりも内部温度T1が上昇しており、温度勾配判定部311は、温度勾配が上昇と判定する。これにより、出力抑制部312は、エンジン制御部313に対して出力抑制を指示する。エンジン制御部313は、たとえば出力を10%抑制する。すなわち、出力を90%に制限する。このように出力を抑制することで、制御部30の発熱量が低減し、内部温度T1が下がる。
そして、時刻t13において、内部温度T1が内部閾値Ts以下になったことが検出され、冷却要求判定部310からの冷却指示がオフ信号に切り替わる。すなわち、送風ユニット40への冷却指示が解除される。また、出力抑制も解除される。
次に、上記した電子制御装置10の効果について説明する。
本実施形態の電子制御装置10は、送風ユニット40を備えている。これにより、電子制御装置10の体格を小型化しつつ、放熱性を向上することができる。
ところで、ファン41の回転を指示していても、ファン41への異物の噛み込み、過熱保護によるファン41の停止、ファン41の動作不良、電子制御装置10の周囲温度の上昇などにより、内部温度T1の温度勾配が上昇を示すことが考えられる。ファン41の停止などの異常状態は、送風ユニット40の温度の上昇として現れる。しかしながら、送風ユニット40の温度情報を取得して、制御部30の制御に反映させるには、端子44の本数を増やさなければならない。
これに対し、本実施形態によれば、内部温度T1の温度勾配が上昇を示す場合に、上記した異常状態が生じているものとして、エンジン制御の出力を抑制する。これにより、制御部30の発熱量が低減し、内部温度T1の上昇を抑制することができる。特に、送風ユニット40の温度情報を取得することなく、内部温度T1の上昇を抑制することができる。
さらに本実施形態では、内部温度T1を検出する温度検出部36cが、XY面視、すなわちプリント基板35の一面35aに平行な面上において、ハウジング43の側壁433に設けられた第2通気口431の延長上に設けられている。温度検出部36cは、筐体20においてファン41の回転による冷風が当たる位置の直下に設けられている。このため、内部温度T1は、ファン41の冷却の影響を受けやすい。よって、送風ユニット40の温度情報を取得しなくても、筐体20外の異常状態にともなう内部温度T1の上昇を精度良く抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
図7は、本実施形態に係る電子制御装置10において、演算部31が実行する処理を示している。なお、第1実施形態に示した演算部31の処理に対して、同一又は関連する処理については、第1実施形態のステップ番号に40を加算したステップ番号を付与している。
図7に示すステップS50,S52,S54,S58,S62,S66の処理は、第1実施形態に示したステップS10,S12,S14,S18,S22,S26の処理とそれぞれ同じである。
ステップS64の処理は、ステップS24の処理に対応している。ステップS64では、ステップS62で取得した内部温度T1が内部閾値Tsよりも高いと判定すると、ステップS62に戻るのではなく、ステップS56に戻り、以下の処理を繰り返す。これにより、本実施形態では、ステップS56以降の処理を複数回実施することができる。
ステップS56の処理は、ステップS16の処理に対応している。ステップS56で更新される前回値T1pとしては、ステップS50で取得する値に限定されない。ステップS62で取得する値も、前回値T1pとなり得る。ステップS64の処理を実行後に、再びステップS56を実施する場合には、ステップS62で取得した内部温度T1を前回値T1pとして保存する。
ステップS60の処理は、ステップS20の処理に対応している。ステップS60では、ファン41の回転を指示するオン信号の出力期間において、温度勾配が上昇を示すとの判定が複数回ある場合、判定回数に応じて出力抑制量を大きくする。すなわち、出力抑制が可変となっている。たとえば初期の出力を100%、出力抑制係数を0.9とする。ステップS58におけるT1>Tsとの判定が1回目の場合、出力が90%(=100%×0.9)となるように出力抑制を指示する。また、T1>Tsとの判定が2回目の場合、出力が81%(=90%×0.9)となるように出力抑制を指示する。このように、判定のたびに出力抑制係数を乗算することで、判定回数が増えるほど出力抑制量を大きくすることができる。
なお、ステップS50,S52,S54、S62,S64,S66の一部は、冷却要求判定部310が実行する処理である。先行実施形態同様、冷却要求判定部310が冷却指示部に相当する。ステップS56及びステップS58は、温度勾配判定部311が実行する処理である。ステップS60及びステップS66の一部は、出力抑制部312が実行する処理である。また、上記以外の構成は、先行実施形態と同じである。
図8は、上記した電子制御装置10の他の作動例を示している。図8では、過熱検出によってファン41が動作しなくなり、内部温度T1が上昇して出力抑制を2回行う例を示している。
時刻t20では、上記した時刻t0同様、内部温度T1が内部閾値Tsを下回っており、冷却要求判定部310からオフ信号が出力される。これにより、ファン駆動部42の動作はオフ状態とされ、ファン41は回転しない。この時点で、出力抑制されない。
出力抑制されないため、制御部30の発熱により内部温度T1が上昇する。時刻t1同様、時刻t21において、内部温度T1が内部閾値Tsを超えたことが検出されると、冷却要求判定部310から冷却指示としてオン信号が出力される。オン信号の出力により、ファン駆動部42の動作がオン状態に切り替わり、ファン41が回転する。ファン41の回転により筐体20が冷却されるため、内部温度T1は下降する。一方、ファン駆動部42は発熱するため、駆動部温度T2は上昇する。
そして、時刻t22において、駆動部温度T2が過熱閾値Tdを超えたこと、すなわち過熱状態が検出される。これにより、ファン駆動部42の動作が強制的にオフ状態とされる。オフ状態のファン駆動部42が発熱しないため、駆動部温度T2は下降する。一方、ファン駆動部42のオフによりファン41の回転が停止する、すなわち筐体20の冷却が停止するため、内部温度T1は上昇に転じる。このように、内部温度T1が下降から上昇に転じる。
これにより、時刻t23において、温度勾配が上昇しているとの1回目の判定がなされ、出力抑制部312は、エンジン制御部313に対して1回目の出力抑制を指示する。これにより、エンジン制御部313は、出力を10%抑制する。すなわち、出力を90%に制限する。
1回目の出力抑制により、温度勾配は緩やかになったものの内部温度T1は上昇を続け、時刻t24において、温度勾配が上昇しているとの2回目の判定がなされる。したがって、出力抑制部312は、エンジン制御部313に対して2回目の出力抑制を指示する。これにより、エンジン制御部313は、出力を19%抑制する。すなわち、出力を81%に制限する。2回目の出力抑制により、内部温度T1は下降に転じる。
そして、時刻t25において、内部温度T1が内部閾値Ts以下になったことが検出され、冷却要求判定部310からの冷却指示がオフ信号に切り替わる。すなわち、送風ユニット40への冷却指示が解除される。また、出力抑制も解除される。
このように、本実施形態では、ファン41の回転を指示するオン信号の出力期間において、温度勾配が上昇を示すとの判定が複数回ある場合、判定回数に応じて出力抑制量を大きくすることができる。換言すれば、出力抑制量を段階的に大きくすることができる。したがって、ユーザの違和感を低減しつつ、内部温度T1の上昇を抑制することができる。
出力抑制の可変については、上記例に限定されない。温度勾配が上昇を示すとの判定回数を計数し、計数値に応じた出力抑制指示を出力してもよい。
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態では、図9に示すように、送風ユニット40が、過熱保護部48をさらに有している。
過熱保護部48は、ファン駆動部42の温度である駆動部温度T2が過熱閾値Tdを超えると、制御部30からの指示信号によらず、ファン駆動部42によるファン41の回転を停止させる。過熱保護部48は、ファン駆動部42の過熱保護のために、ファン41の駆動を強制停止させる。過熱閾値Tdとして、たとえば175℃が設定されている。したがって、内部閾値Tsは、過熱閾値Tdよりも低い値とされている。
過熱保護部48は、ファン基板45に構成されている。過熱保護部48は、たとえば回路を構成するPNダイオードを含んでおり、PNダイオードの順方向電圧Vfに基づいてファン駆動部42の過熱保護を行う。過熱保護部48により検出されるファン駆動部42の温度情報については、制御部30(回路基板34)に伝達されない。電子制御装置10は、上記温度情報を伝達するための端子44を有していない。なお、上記以外については、先行実施形態と同じである。演算部31の処理は、第2実施形態(図7参照)と同じである。
図10は、上記した電子制御装置10の他の作動例を示している。図10では、過熱検出によってファン41が動作しなくなり、内部温度T1が上昇して出力抑制を1回行う例を示している。
時刻t30では、上記した時刻t0同様、内部温度T1が内部閾値Tsを下回っており、冷却要求判定部310からオフ信号が出力される。これにより、ファン駆動部42の動作はオフ状態とされ、ファン41は回転しない。この時点で、出力抑制されない。
出力抑制されないため、制御部30の発熱により内部温度T1が上昇する。時刻t1同様、時刻t31において、内部温度T1が内部閾値Tsを超えたことが検出されると、冷却要求判定部310から冷却指示としてオン信号が出力される。オン信号の出力により、ファン駆動部42の動作がオン状態に切り替わり、ファン41が回転する。ファン41の回転により筐体20が冷却されるため、内部温度T1は下降する。一方、ファン駆動部42は発熱するため、駆動部温度T2は上昇する。
そして、時刻t32において、駆動部温度T2が過熱閾値Tdを超えたこと、すなわち過熱状態が検出される。これにより、ファン駆動部42の動作が強制的にオフ状態とされる。オフ状態のファン駆動部42が発熱しないため、駆動部温度T2は下降する。一方、ファン駆動部42のオフによりファン41の回転が停止する、すなわち筐体20の冷却が停止するため、内部温度T1は上昇に転じる。このように、内部温度T1が下降から上昇に転じる。
これにより、時刻t33において、温度勾配が上昇しているとの判定がなされ、出力抑制部312は、エンジン制御部313に対して出力抑制を指示する。これにより、エンジン制御部313は、たとえば出力を10%抑制する。すなわち、出力を90%に制限する。出力抑制により制御部30の発熱量が低減し、内部温度T1が下がる。
そして、時刻t34において、内部温度T1が内部閾値Ts以下になったことが検出され、冷却要求判定部310からの冷却指示がオフ信号に切り替わる。すなわち、送風ユニット40への冷却指示が解除される。また、出力抑制も解除される。
次に、上記した電子制御装置10の効果について説明する。
送風ユニット40は筐体20に固定されており、制御部30の生じた熱が筐体20を通じてファン駆動部42に伝わる。制御部30の生じた熱がファン駆動部42の熱に重畳するため、ファン駆動部42が過熱状態となり、ファン41の回転が停止する虞がある。
これに対し本実施形態では、ファン41の回転を指示していても、内部温度T1の温度勾配が上昇を示す場合には、エンジン制御の出力を抑制する。したがって、冷却指示中にファン駆動部42が過熱状態となり、ファン41の回転が停止しても、内部温度T1の上昇を抑制することができる。たとえば端子44を追加するなどして、制御部30がファン駆動部42の温度情報を取得しなくても、過熱保護時における内部温度T1の上昇を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第2実施形態に示した演算部31の処理との組み合わせを示したが、第1実施形態に示した演算部31の処理との組み合わせも可能である。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
電子制御装置10としてエンジンECUの例を示したが、これに限定されない。すなわち、ファン駆動部42以外の制御対象が、エンジン70に関連する駆動部に限定されない。たとえば安全系やボディ系の駆動部を制御対象としてもよい。
送風ユニット40の構造は、上記例に限定されない。少なくともファン41及びファン駆動部42を有し、ファン41の回転による空気の流れで、筐体20を冷却できるものであればよい。
筐体20に対する送風ユニット40の固定構造も、上記例に限定されない。貫通孔211を有するケース21に対し、ケース21の外面21a側に固定してもよい。また、貫通孔を有さない筐体20に固定してもよい。
制御部30において、演算部31が、冷却要求判定部310、温度勾配判定部311、出力抑制部312、及びエンジン制御部313が、演算部31以外に駆動電源出力部32を有する。
電子制御装置10が提供する手段及び/又は機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組み合わせによって提供することができる。例えば、電子制御装置10がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によって提供することができる。本実施形態では、制御部30うち、冷却要求判定部310、温度勾配判定部311、出力抑制部312、及びエンジン制御部313を含む演算部31が、マイコン36bの機能部として構成される例を示したが、これに限定されない。