以下、図面を参照して、本発明の用紙処理装置及び画像形成システムの実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態の用紙処理装置の構成例>
図1は、第1の実施の形態の用紙処理装置の一例を示す構成図である。第1の実施の形態の用紙処理装置1Aは、画像が形成された用紙を加湿することで、画像を形成する動作等によって帯電した用紙の除電を行う。
用紙処理装置1Aは、用紙を加湿する加湿部2と、加湿部2に供給される水等の液体が貯水される貯水タンク3を備える。また、用紙処理装置1Aは、貯水タンク3に貯水された水を加湿部2に供給する供給部4と、貯水タンク3に水を補給する補給部5と、貯水タンク3内の水量を検知する水量検知センサ6Aを備える。
なお、用紙処理装置1Aでは、用紙を加湿する液体として、コート紙等の特定の用紙の除電効果を高めるため添加剤が添加された水が使用される。本例では、添加剤として界面活性剤が添加された水が使用される。
加湿部2は、用紙を搬送する搬送路20と、用紙を挟持する一対の加湿ローラ21と、加湿ローラ21に水を供給する図示しない供給機構を備える。加湿ローラ21は、水を含むことが可能な材質で構成され、挟持した用紙を加湿する。
供給部4は、加湿部2と貯水タンク3を繋ぐ配管で構成される供給路40と、供給路40へ水を送出するポンプ41を備える。補給部5は、図示しない水の供給源と貯水タンク3を繋ぐ配管で構成される補給路50と、補給路50を通る水が貯水タンク3に放出される補給口51と、補給口51からの水の放出の有無を切り替えるバルブ52を備える。
水量検知センサ6Aは、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを検知する第1の検知部60aと、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったことを検知すると共に、貯水タンク3に補給される水の供給量を、第1の供給量W1から第2の供給量W2へ切り替える切り替えタイミングを検知する第2の検知部60bと、第1の検知部60aと第2の検知部60bを支持する支持軸61を備える。
第1の検知部60aは、水に対して所定の比重を有したフロート62aと、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62aが所定の位置に移動したことを検知するセンサ部63aを備える。
フロート62aは、支持軸61が挿入される図示しない穴部を備え、支持軸61の延在方向に沿って摺動可能に支持される。フロート62aは、水に浮く比重を有し、貯水タンク3内の水量の変化により、支持軸61に沿って上下方向に移動する。
センサ部63aは、フロート62aに磁石64aを備え、支持軸61に磁気センサ65aを備える。第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62aが所定の位置に移動すると、フロート62a内の磁石64aが、支持軸61に設けた磁気センサ65aに検知され、出力が変化する。
水量検知センサ6Aは、第1の検知部60aのフロート62aの移動範囲を規制する上限位置規制部66aと下限位置規制部67aを備える。上限位置規制部66aと下限位置規制部67aは、支持軸61の外周面にフランジ状の凸部を設けて構成され、フロート62aの移動可能な範囲が、上限位置規制部66aと下限位置規制部67aとの間に規制される。
第1の検知部60aは、水量が増加すると、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇可能である。また、第1の検知部60aは、水量が減少すると、フロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降可能である。
第1の検知部60aは、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇すると、フロート62a内の磁石64aが、支持軸61に設けた磁気センサ65aに検知可能な位置に移動する。本例では、第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇すると、出力がOFFからONに変化する。
また、第1の検知部60aは、フロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降すると、フロート62a内の磁石64aが、支持軸61に設けた磁気センサ65aで検知可能な位置から外れる。本例では、第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降すると、出力がONからOFFに変化する。
第2の検知部60bは、水に対して所定の比重を有したフロート62bと、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62bが所定の位置に移動したことを検知するセンサ部63bを備える。
フロート62bは、支持軸61が挿入される図示しない穴部を備え、支持軸61の延在方向に沿って摺動可能に支持される。フロート62bは、水に浮く比重を有し、貯水タンク3内の水量の変化により、支持軸61に沿って上下方向に移動する。
センサ部63bは、フロート62bに磁石64bを備え、支持軸61に磁気センサ65bを備える。第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62bが所定の位置に移動すると、フロート62b内の磁石64bが、支持軸61に設けた磁気センサ65bに検知され、出力が変化する。
水量検知センサ6Aは、第2の検知部60bのフロート62bの移動範囲を規制する上限位置規制部66bと下限位置規制部67bを備える。上限位置規制部66bと下限位置規制部67bは、支持軸61の外周面にフランジ状の凸部を設けて構成され、フロート62bの移動可能な範囲が、上限位置規制部66bと下限位置規制部67bとの間に規制される。
第2の検知部60bは、水量が増加すると、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇可能である。また、第2の検知部60bは、水量が減少すると、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降可能である。
第2の検知部60bは、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇すると、フロート62b内の磁石64bが、支持軸61に設けた磁気センサ65bに検知可能な位置に移動する。本例では、第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇すると、出力がOFFからONに変化する。
また、第2の検知部60bは、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降すると、フロート62b内の磁石64bが、支持軸61に設けた磁気センサ65bで検知可能な位置から外れる。本例では、第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降すると、出力がONからOFFに変化する。
水量検知センサ6Aは、支持軸61が貯水タンク3内で上下方向に延在し、第1の検知部60aが第2の検知部60bの上側に設けられる。貯水タンク3内の水量が増加し、水面が第1の検知部60aのフロート62aの移動範囲内にある状態では、第1の検知部60aは、水量の増減に追従してフロート62aが上下方向に移動する。これに対し、第2の検知部60bは、水中でフロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇した状態となる。
また、貯水タンク3内の水量が減少し、水面が第2の検知部60bのフロート62bの移動範囲内にある状態では、第2の検知部60bは、水量の増減に追従してフロート62bが上下方向に移動する。これに対し、第1の検知部60aは、フロート62aが水に触れておらず下限位置規制部67aに接する位置まで下降した状態となる。
第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62aが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第1の検知部60aは、フロート62aが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66aと下限位置規制部67aとの間の部位が、フロート62aの摺動部61aとなる。
第2の検知部60bも同様に、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62bが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第2の検知部60bは、フロート62bが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66bと下限位置規制部67bとの間の部位が、フロート62bの摺動部61bとなる。
次に、用紙処理装置1Aの制御機能について説明する。用紙処理装置1Aは、第1の検知部60a及び第2の検知部60bで検知した貯水タンク3内の水量に基づき、水の補給の有無を切り替える制御部7を備える。
制御部7は、貯水タンク3内の水量が減少し、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降して、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化することで、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、第1の供給量W1で水が補給される第1の開度でバルブ52を開く。
また、制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇して、第2の検知部60bの出力がOFFからONに変化することで、バルブ52の開度を第1の供給量W1より少ない第2の供給量W2で水が補給される第2の開度に切り替える。
更に、制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇して、第1の検知部60aの出力がOFFからONに変化することで、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、バルブ52を閉じる。
<本実施の形態の画像形成システムの構成例>
図2は、本実施の形態の用紙処理装置を備えた画像形成システムの一例を示す構成図である。本実施の形態の画像形成システム100は、用紙に画像を形成する画像形成装置101と、画像が形成された用紙を加湿する上述した用紙処理装置1Aと、用紙処理装置1Aで加湿された用紙に所定の後処理を行う後処理装置102を備える。
画像形成装置101は、感光体ドラム、中間転写ベルト等の像担持体にトナー画像を形成するプロセス、用紙を帯電させて、像担持体からトナー画像を用紙に転写するプロセス、トナー画像を用紙に定着させるプロセスにより、用紙に画像を形成する。
画像形成装置101は、イエロー(Y)の画像を形成する画像形成部11Yと、マゼンダ(M)の画像を形成する画像形成部11Mと、シアン(C)の画像を形成する画像形成部11Cと、ブラック(Bk)の画像を形成する画像形成部11Bkを備える。
各画像形成部11Y、11M、11C、11Bkは、感光体ドラム12と、感光体ドラム12に潜像を形成する光書込部13と、潜像を現像する現像装置14を備える。感光体ドラム12は、光書込部13による走査露光により潜像が形成される。現像装置14は、潜像が形成された感光体ドラム12にトナーを供給する。各画像形成部11Y、11M、11C、11Bkは、感光体ドラム12に現像装置14からトナーが供給されることで、潜像が現像されて顕像化される。
画像形成装置101は、感光体ドラム12に形成されたトナー画像が1次転写される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16にトナー画像を転写する1次転写ローラ17を備える。各感光体ドラム12上に形成されたトナー画像は、各1次転写ローラ17により中間転写ベルト16上の所定位置へと逐次転写される。
画像形成装置101は、中間転写ベルト16上に転写された各色よりなるトナー画像を用紙に2次転写する2次転写部18を備える。2次転写部18は、用紙の一方の面と対向する側に中間転写ベルト16が設けられ、用紙の他方の面と対向する側に2次転写ローラ18aが設けられる。
2次転写部18は、2次転写ローラ18aが中間転写ベルト16に押圧されることにより転写ニップ部が形成される。2次転写部18では、転写ニップ部で用紙が中間転写ベルト16に押圧され、2次転写ローラ18aが中間転写ベルト16と等速で回転駆動されることで、用紙にトナー画像が転写される。
2次転写部18では、用紙にトナー画像を転写させるため、2次転写ローラ18aで用紙の裏面側から正の電圧を印加する。これにより、2次転写部18を通過した用紙は、トナー画像が転写される画像形成面側が負極に、裏面が正極に帯電する。
画像形成装置101は、用紙を搬送する用紙搬送部10を備える。用紙搬送部10は、2次転写部18を通る用紙の搬送経路を構成する主搬送路10aと、用紙の表裏を反転させる搬送経路を構成する反転搬送路10bを備える。主搬送路10aは、給紙トレイ10c及び外部給紙口10dから給紙される用紙の搬送経路が合流し、排出口10eにつながる。反転搬送路10bは、用紙の搬送方向を逆転させて、表裏を判定する搬送経路を構成する。
画像形成装置101は、2次転写部18で用紙に転写されたトナー画像を定着させる定着部15を備える。定着部15は、定着ベルト15aに加圧ローラ15bが圧接されることにより、定着ニップ部が形成される。定着ベルト15aに対して加圧ローラ15bを圧接させた状態で、加圧ローラ15bが回転駆動されるとともに、ヒータ15cに通電されることで、定着ニップ部で挟持された用紙が搬送されるとともに、圧力及び熱により画像が用紙に定着される。
後処理装置102は、例えばフィニッシャと称され、例えば、用紙を整列して積載させる。また、整列して積載された用紙を綴じる等の処理を行う。上述したように、画像形成装置101では、トナー像を転写するため用紙が帯電される。一方、帯電された用紙を後処理装置で積載すると、用紙同士の貼り付き、反発が起こる。
そこで、画像形成装置101と後処理装置102の間に用紙処理装置1Aを備え、画像形成装置101で画像が形成された用紙を、用紙処理装置1Aで加湿することで除電した後、後処理装置102に搬送することで、用紙同士の貼り付きや反発を抑制する。なお、用紙処理装置1Aは、後処理装置102に備えても良いし、画像形成装置101に備えても良い。
<第1の実施の形態の用紙処理装置の動作例>
図3は、第1の実施の形態の用紙処理装置の動作の一例を示すフローチャート、図4〜図7は、第1の実施の形態の用紙処理装置で水量が変化した状態の一例を示す構成図で、各図を参照して、用紙処理装置1Aにおいて貯水タンク3に水を補給する動作について説明する。
図1に示すように、貯水タンク3内の水量が満水または満水に近い場合、第1の検知部60aのフロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇し、第2の検知部60bのフロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇する。
フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇すると、第1の検知部60aの出力がONとなり、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇すると、第2の検知部60bの出力がONとなる。
制御部7は、図3のステップSA1で、第1の検知部60aの出力がONであり、図3のステップSA2で、第2の検知部60bの出力がONであると、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量であり、補給が不要と判断し、図3のステップSA3で、バルブ52を閉じて水の補給を停止する。
加湿部2の加湿ローラ21に水を供給することで、図4に矢印a1で示すように、貯水タンク3内の水量が減少すると、第1の検知部60aのフロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降し、第1の検知部60aの出力がONからOFFに変化する。
制御部7は、図3のステップSA1で、第1の検知部60aの出力がONからOFFに変化しても、図3のステップSA2で、第2の検知部60bの出力がONであれば、貯水タンク3内の水量は十分であり、補給が不要と判断し、図3のステップSA3で、バルブ52を閉じて水の補給を停止する。
図5に矢印a2で示すように、更に、貯水タンク3内の水量が減少すると、第2の検知部60bのフロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降し、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化する。
制御部7は、図3のステップSA1で、第1の検知部60aの出力がONからOFFに変化し、図3のステップSA2で、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化すると、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、図3のステップSA4で、第1の供給量W1で水が補給される第1の開度でバルブ52を開く。
第1の開度でバルブ52が開くと、第1の供給量W1で貯水タンク3内に水が供給されることで、貯水タンク3内の水量が増加する。貯水タンク3内の水量が増加していくと、図6に示すように、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇して、第2の検知部60bの出力がOFFからONに変化する。
制御部7は、図3のステップSA5で、第2の検知部60bの出力がOFFからONに変化すると、単位時間当たり水の供給量を減少させるため、図3のステップSA6で、バルブ52の開度を第1の供給量W1より少ない第2の供給量W2で水が補給される第2の開度に切り替える。
第2の供給量W2で水の供給が継続されることで、貯水タンク3内の水量が増加すると、下限位置規制部67aに接する位置まで下降している第1の検知部60aのフロート62aが浮く位置に水面が上昇する。更に、貯水タンク3内の水量が増加すると、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇する。
制御部7は、図7に示すように、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇して、図3のステップSA7で、第1の検知部60aの出力がOFFからONに変化すると、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、図3のステップSA3で、バルブ52を閉じて水の補給を停止する。
水に界面活性剤等の添加物が含まれる場合、水に接していた部位が乾燥すると、固形物が発生する。貯水タンク3内の水量が減少した状態では、第1の検知部60aは、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが、水面より上側に露出した状態となる。このため、固形物がフロート62aと支持軸61との摺動部61aに付着することでフロート62aが固着し、フロート62aが上下方向に移動できない摺動不良が発生する可能性がある。
フロート62aが上下方向に移動できない状態となると、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62aが上昇できない。これにより、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量になっても、第1の検知部60aの出力がOFFからONに変化せず、満水と見なす水量になったと判断できない。このため、バルブ52が開いたままの状態となって水の補給が継続され、貯水タンク3から水が溢れる可能性がある。
第1の検知部60aでフロート62aが固着した状態で、貯水タンク3に水が補給されて、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが水と接すると、固着が溶融する。しかし、固着が溶融する前に、貯水タンク3内の水量が満水になってしまうと、第1の検知部60aでの満水検知が行えず、水の補給を停止させることができない。
水の供給量を少なくすることで、第1の検知部60aでフロート62aと支持軸61との摺動部61aに水が接してから、満水となるまでの時間を延ばすことができ、第1の検知部60aで固着が発生している場合に固着を溶融するために必要な時間を確保できる。一方、水の供給量を少なくすると、水の補給に要する時間が増加する。
そこで、貯水タンク3に水を補給する際の供給量を、第1の供給量W1と、第1の供給量W1より少ない第2の供給量W2とに切り替えられるようにする。貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になって、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化すると、第1の供給量W1(供給量が第2の供給量W2より大)で水の補給を開始する。
貯水タンク3内の水量が増加し、第2の検知部60bの出力がOFFからONに変化すると、水の供給量を第2の供給量W2(供給量が第1の供給量W1より小)に切り替える。
これにより、貯水タンク3内への水の補給を開始した初期の段階では、第1の供給量W1で水が補給されることで、水の補給に要する時間の増加を抑制することができる。
また、貯水タンク3内の水量が満水に近づき、第1の検知部60aに水が接する水量となったときに、第2の供給量W2で水が補給されることで、第1の検知部60aに水が接してから、満水となるまでの時間を延ばすことができる。よって、第1の検知部60aで固着が発生している場合に固着を溶融するために必要な時間を確保できる。
従って、フロート62aの摺動不良の発生が抑制され、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62aを上昇させることができ、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを確実に検知できる。これにより、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量になった後、水の補給が継続されることを確実に防止することができ、貯水タンク3から水が溢れることを確実に防止できる。
図8は、第1の実施の形態の用紙処理装置で水量が変化した状態の他の例を示す構成図である。
第1の供給量W1で水の補給を開始した後、第2の検知部60bでフロート62bが固着した場合、貯水タンク3内の水量が第2の検知部60bを超えても、固着が溶融しなければ、フロート62bの摺動不良により水の供給量が第1の供給量W1から第2の供給量W2に切り替わらない。
但し、第1の検知部60aと第2の検知部60bとの上下方向の距離が離れているので、第1の供給量W1で水の補給を開始してから、第1の検知部60aに水が接するまでの間に、第2の検知部60bでの固着を溶融させることができる。
これにより、図8に示すように、第2の検知部60bの移動範囲を超える水量まで第1の供給量W1で補給が行われたとしても、貯水タンク3内の水量が更に増加して、第1の検知部60aに水が接するようになるまでに、第2の検知部60bでの固着を溶融させることができる。
よって、第2の検知部60bのフロート62bが正常に動作できるようになり、水の供給量を第1の供給量W1から第2の供給量W2に切り替えることができる。従って、第1の検知部60aで固着が発生している場合に固着を溶融するために必要な時間を確保できる。
<第2の実施の形態の用紙処理装置の構成例>
図9は、第2の実施の形態の用紙処理装置の一例を示す構成図である。第2の実施の形態の用紙処理装置1Bは、光学式の水量検知センサ6Bとして、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを検知する第1の検知部60cと、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったことを検知する第2の検知部60dを備える。他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
第1の検知部60cは、水に対して所定の比重を有したフロート62cと、フロート62cを検知する一対の受発光素子から構成されるセンサ部63cを備える。第2の検知部60dは、水に対して所定の比重を有したフロート62dと、フロート62dを検知する一対の受発光素子から構成されるセンサ部63dを備える。
水量検知センサ6Bは、支持軸61が貯水タンク3内で上下方向に延在し、第1の検知部60cが第2の検知部60dの上側に設けられる。
第1の検知部60cは、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62cが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第1の検知部60cは、フロート62cが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66cと下限位置規制部67cとの間の部位が、フロート62cの摺動部61cとなる。
第2の検知部60dも同様に、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62dが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第2の検知部60dは、フロート62dが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66dと下限位置規制部67dとの間の部位が、フロート62dの摺動部61dとなる。
第1の検知部60cは、フロート62cが上限位置規制部66cに接する位置まで上昇すると、フロート62cがセンサ部63cで検知可能な位置に移動する。本例では、第1の検知部60cは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62cが上限位置規制部66cに接する位置まで上昇すると、センサ部63cの発光素子から出射された光がフロート62cに反射して受光素子に受光することで、出力がOFFからONに変化する。
また、第1の検知部60cは、フロート62cが下限位置規制部67cに接する位置まで下降すると、フロート62cがセンサ部63cで検知可能な位置から外れる。本例では、第1の検知部60cは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62cが下限位置規制部67cに接する位置まで下降すると、センサ部63cの発光素子から出射された光がフロート62cに反射せず受光素子に戻らないことで、出力がONからOFFに変化する。
第2の検知部60dは、フロート62dが上限位置規制部66dに接する位置まで上昇すると、フロート62dがセンサ部63dで検知可能な位置に移動する。本例では、第2の検知部60dは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62dが上限位置規制部66dに接する位置まで上昇すると、センサ部63dの発光素子から出射された光がフロート62dに反射して受光素子に受光することで、出力がOFFからONに変化する。
また、第2の検知部60dは、フロート62dが下限位置規制部67dに接する位置まで下降すると、フロート62dがセンサ部63dで検知可能な位置から外れる。本例では、第2の検知部60dは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62dが下限位置規制部67dに接する位置まで下降すると、センサ部63dの発光素子から出射された光がフロート62dに反射せず受光素子に戻らないことで、出力がONからOFFに変化する。
用紙処理装置1Bの制御機能は、第1の実施の形態と同様で、制御部7は、貯水タンク3内の水量が減少し、フロート62dが下限位置規制部67dに接する位置まで下降して、第2の検知部60dの出力がONからOFFに変化することで、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、第1の供給量W1で水が補給される第1の開度でバルブ52を開く。
また、制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62dが上限位置規制部66dに接する位置まで上昇して、第2の検知部60dの出力がOFFからONに変化することで、バルブ52の開度を第1の供給量W1より少ない第2の供給量W2で水が補給される第2の開度に切り替える。
更に、制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62cが上限位置規制部66cに接する位置まで上昇して、第1の検知部60cの出力がOFFからONに変化することで、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、バルブ52を閉じる。
<第2の実施の形態の用紙処理装置の動作例>
第2の実施の形態の用紙処理装置1Bの動作は、図3で説明したフローチャートと同様であり、制御部7は、図3のステップSA1で、第1の検知部60cの出力がONであり、図3のステップSA2で、第2の検知部60dの出力がONであると、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量であり、補給が不要と判断し、図3のステップSA3で、バルブ52を閉じて水の補給を停止する。
加湿部2の加湿ローラ21に水を供給することで、貯水タンク3内の水量が減少すると、第1の検知部60cのフロート62cが下限位置規制部67cに接する位置まで下降し、第1の検知部60cの出力がONからOFFに変化する。
制御部7は、図3のステップSA1で、第1の検知部60cの出力がONからOFFに変化しても、図3のステップSA2で、第2の検知部60dの出力がONであれば、貯水タンク3内の水量は十分であり、補給が不要と判断し、図3のステップSA3で、バルブ52を閉じて水の補給を停止する。
更に、貯水タンク3内の水量が減少すると、第2の検知部60dのフロート62dが下限位置規制部67dに接する位置まで下降し、第2の検知部60dの出力がONからOFFに変化する。
制御部7は、図3のステップSA1で、第1の検知部60cの出力がONからOFFに変化し、図3のステップSA2で、第2の検知部60dの出力がONからOFFに変化すると、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、図3のステップSA4で、第1の供給量W1で水が補給される第1の開度でバルブ52を開く。
第1の開度でバルブ52が開くと、第1の供給量W1で貯水タンク3内に水が供給されることで、貯水タンク3内の水量が増加する。貯水タンク3内の水量が増加していくと、フロート62dが上限位置規制部66dに接する位置まで上昇して、第2の検知部60dの出力がOFFからONに変化する。
制御部7は、図3のステップSA5で、第2の検知部60dの出力がOFFからONに変化すると、単位時間当たり水の供給量を減少させるため、図3のステップSA6で、バルブ52の開度を第1の供給量W1より少ない第2の供給量W2で水が補給される第2の開度に切り替える。
第2の供給量W2で水の供給が継続されることで、貯水タンク3内の水量が増加すると、下限位置規制部67cに接する位置まで下降している第1の検知部60cのフロート62cが浮く位置に水面が上昇する。更に、貯水タンク3内の水量が増加すると、フロート62cが上限位置規制部66cに接する位置まで上昇する。
制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62cが上限位置規制部66cに接する位置まで上昇して、図3のステップSA7で、第1の検知部60cの出力がOFFからONに変化すると、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、バルブ52を閉じる。これにより、貯水タンク3への水の補給が停止される。
第2の実施の形態の用紙処理装置1Bでも、貯水タンク3内への水の補給を開始した初期の段階では、第1の供給量W1で水が補給されることで、水の補給に要する時間の増加を抑制することができる。
また、貯水タンク3内の水量が満水に近づき、第1の検知部60cに水が接する水量となったときに、第2の供給量W2で水が補給されることで、第1の検知部60cに水が接してから、満水となるまでの時間を延ばすことができる。よって、第1の検知部60cで固着が発生している場合に固着を溶融するために必要な時間を確保できる。
このように、水の供給量を切り替えることで、フロートの位置を検知するセンサの種類によらず、フロートの固着による誤検知を抑制することができる。
<第3の実施の形態の用紙処理装置の構成例>
図10は、第3の実施の形態の用紙処理装置の一例を示す構成図である。第3の実施の形態の用紙処理装置1Cは、水量検知センサ6Cとして、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを検知する第1の検知部60aと、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったことを検知する第2の検知部60bと、貯水タンク3に補給される水の供給量を第1の供給量W1から第2の供給量W2へ切り替える切り替えタイミングを検知する第3の検知部60eを備える。他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
第1の検知部60aは、水に対して所定の比重を有したフロート62aと、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62aが所定の位置に移動したことを検知するセンサ部63aを備える。
第2の検知部60bは、水に対して所定の比重を有したフロート62bと、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62bが所定の位置に移動したことを検知するセンサ部63bを備える。
第3の検知部60eは、水に対して所定の比重を有したフロート62eと、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62eが所定の位置に移動したことを検知するセンサ部63eを備える。
水量検知センサ6Cは、支持軸61が貯水タンク3内で上下方向に延在し、第1の検知部60aが第2の検知部60bの上側に設けられ、第3の検知部60eが第1の検知部60aと第2の検知部60bの間に設けられる。
第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62aが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第1の検知部60aは、フロート62aが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66aと下限位置規制部67aとの間の部位が、フロート62aの摺動部61aとなる。
第2の検知部60bも同様に、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62bが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第2の検知部60bは、フロート62bが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66bと下限位置規制部67bとの間の部位が、フロート62bの摺動部61bとなる。
更に、第3の検知部60eも同様に、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62eが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第3の検知部60eは、フロート62eが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66eと下限位置規制部67eとの間の部位が、フロート62eの摺動部61eとなる。
第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇すると、フロート62a内の磁石64aが、支持軸61に設けた磁気センサ65aに検知可能な位置に移動し、出力がOFFからONに変化する。
また、第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降すると、フロート62a内の磁石64aが、支持軸61に設けた磁気センサ65aで検知可能な位置から外れ、出力がONからOFFに変化する。
第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇すると、フロート62b内の磁石64bが、支持軸61に設けた磁気センサ65bに検知可能な位置に移動し、出力がOFFからONに変化する。
また、第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降すると、フロート62b内の磁石64bが、支持軸61に設けた磁気センサ65bで検知可能な位置から外れ、出力がONからOFFに変化する。
第3の検知部60eは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62eが上限位置規制部66eに接する位置まで上昇すると、フロート62e内の磁石64eが、支持軸61に設けた磁気センサ65eに検知可能な位置に移動し、出力がOFFからONに変化する。
また、第3の検知部60eは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62eが下限位置規制部67eに接する位置まで下降すると、フロート62e内の磁石64eが、支持軸61に設けた磁気センサ65eで検知可能な位置から外れ、出力がONからOFFに変化する。
用紙処理装置1Cの制御機能について説明すると、制御部7は、貯水タンク3内の水量が減少し、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降して、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化することで、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、第1の供給量W1で水が補給される第1の開度でバルブ52を開く。
また、制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62eが上限位置規制部66eに接する位置まで上昇して、第3の検知部60eの出力がOFFからONに変化することで、バルブ52の開度を第1の供給量W1より少ない第2の供給量W2で水が補給される第2の開度に切り替える。
更に、制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇して、第1の検知部60aの出力がOFFからONに変化することで、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、バルブ52を閉じる。
<第3の実施の形態の用紙処理装置の動作例>
図11は、第1の実施の形態の用紙処理装置の動作の一例を示すフローチャートで、各図を参照して、用紙処理装置1Cにおいて貯水タンク3に水を補給する動作について説明する。
図10に示すように、貯水タンク3内の水量が満水または満水に近い場合、第1の検知部60aのフロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇し、第3の検知部60eのフロート62eが上限位置規制部66eに接する位置まで上昇し、第2の検知部60bのフロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇する。
フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇すると、第1の検知部60aの出力がONとなり、フロート62eが上限位置規制部66eに接する位置まで上昇すると、第3の検知部60eの出力がONとなり、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇すると、第2の検知部60bの出力がONとなる。
制御部7は、図11のステップSB1で、第1の検知部60aの出力がONであり、図11のステップSB2で、第3の検知部60eの出力がONであり、図11のステップSB3で、第2の検知部60bの出力がONであると、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量であり、補給が不要と判断し、図11のステップSB4で、バルブ52を閉じて水の補給を停止する。
加湿部2の加湿ローラ21に水を供給することで、貯水タンク3内の水量が減少すると、第1の検知部60aのフロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降し、第1の検知部60aの出力がONからOFFに変化する。更に貯水タンク3内の水量が減少すると、第3の検知部60eのフロート62eが下限位置規制部67eに接する位置まで下降し、第3の検知部60eの出力がONからOFFに変化する。
制御部7は、図11のステップSB1で、第1の検知部60aの出力がONからOFFに変化し、図11のステップSB2で、第3の検知部60eの出力がONからOFFに変化しても、図11のステップSB3で、第2の検知部60bの出力がONであれば、貯水タンク3内の水量は十分であり、補給が不要と判断し、図11のステップSB4で、バルブ52を閉じて水の補給を停止する。
更に貯水タンク3内の水量が減少すると、第2の検知部60bのフロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降し、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化する。
制御部7は、図11のステップSB1で、第1の検知部60aの出力がONからOFFに変化し、図11のステップSB2で、第3の検知部60eの出力がONからOFFに変化し、図11のステップSB3で、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化すると、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、図11のステップSB5で、第1の供給量W1で水が補給される第1の開度でバルブ52を開く。
第1の開度でバルブ52が開くと、第1の供給量W1で貯水タンク3内に水が供給されることで、貯水タンク3内の水量が増加する。貯水タンク3内の水量が増加していくと、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇して、第2の検知部60bの出力がOFFからONに変化する。更に貯水タンク3内の水量が増加していくと、フロート62eが上限位置規制部66eに接する位置まで上昇して、第3の検知部60eの出力がOFFからONに変化する。
制御部7は、図11のステップSB6で、第3の検知部60eの出力がOFFからONに変化すると、単位時間当たり水の供給量を減少させるため、図11のステップSB7で、バルブ52の開度を第1の供給量W1より少ない第2の供給量W2で水が補給される第2の開度に切り替える。
第2の供給量W2で水の供給が継続されることで、貯水タンク3内の水量が増加すると、下限位置規制部67aに接する位置まで下降している第1の検知部60aのフロート62aが浮く位置に水面が上昇する。更に、貯水タンク3内の水量が増加すると、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇する。
制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇して、図11のステップSB8で、第1の検知部60aの出力がOFFからONに変化すると、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、図11のステップSB4で、バルブ52を閉じて水の補給を停止する。
用紙処理装置1Cでは、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす量であることを検知する第1の検知部60aと、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な量に減少したことを検知する第2の検知部60bとの間に、第1の供給量W1から第2の供給量W2への切り替えタイミングを検知する第3の検知部60eを備える。
貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になって、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化すると、第1の供給量W1(供給量が第2の供給量W2より大)で水の補給を開始する。
貯水タンク3内の水量が増加し、第3の検知部60eの出力がOFFからONに変化すると、水の供給量を第2の供給量W2(供給量が第1の供給量W1より小)に切り替える。
これにより、貯水タンク3内への水の補給を開始した初期の段階では、第1の供給量W1で水が補給されることで、水の補給に要する時間の増加を抑制することができる。また、第1の検知部60aと第2の検知部60bの間に設けた第3の検知部60eで、第1の供給量W1から第2の供給量W2への切り替えタイミングを検知することで、検知部が2つの場合と比較して、第1の供給量W1で水を補給する時間を長くでき、水の補給に要する時間の増加を抑制することができる。
更に、貯水タンク3内の水量が満水に近づき、第1の検知部60aに水が接する水量となったときに、第2の供給量W2で水が補給されることで、第1の検知部60aに水が接してから、満水となるまでの時間を延ばすことができる。よって、第1の検知部60aで固着が発生している場合に固着を溶融するために必要な時間を確保できる。
従って、フロート62aの摺動不良の発生が抑制され、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62aを上昇させることができ、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを確実に検知できる。これにより、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量になった後、水の補給が継続されることを確実に防止することができ、貯水タンク3から水が溢れることを確実に防止できる。
なお、第3の実施の形態の用紙処理装置1Cでも、第1の供給量W1で水の補給を開始した後、第3の検知部60eでフロート62eが固着した場合、貯水タンク3内の水量が第3の検知部60eを超えても、固着が溶融しなければ、フロート62eの摺動不良により水の供給量が第1の供給量W1から第2の供給量W2に切り替わらない。
但し、第1の検知部60aと第2の検知部60bとの上下方向の距離が離れており、第1の検知部60aと第2の検知部60bの間に第3の検知部60eが設けられているので、第1の供給量W1で水の補給を開始してから、第1の検知部60aに水が接するまでの間に、第3の検知部60eでの固着を溶融させることができる。
これにより、第3の検知部60eの移動範囲を超える水量まで第1の供給量W1で補給が行われたとしても、貯水タンク3内の水量が更に増加して、第1の検知部60aに水が接するようになるまでに、第3の検知部60eでの固着を溶融させることができる。
よって、第3の検知部60eのフロート62eが正常に動作できるようになり、水の供給量を第1の供給量W1から第2の供給量W2に切り替えることができる。従って、第1の検知部60aで固着が発生している場合に固着を溶融するために必要な時間を確保できる。
<各実施の形態の用紙処理装置の変形例>
上述した各実施の形態では、第2の供給量W2は、第1の供給量W1より少ない一定量としたが、第1の供給量W1より少なく、かつ、条件に応じて切り替えられるようにしても良い。
例えば、画像形成システム100の操作部で、貯水タンク3に溜められる水の添加物の濃度を設定させると共に、添加物の濃度に応じた第2の供給量W2の補正テーブルまたは演算テーブルを持つ。そして、制御部7は、貯水タンク3に溜められる水の添加物の濃度に応じて第2の供給量W2を切り替える。
また、貯水タンク3に溜められる水の温度を検知する温度センサを備え、制御部7は、貯水タンク3に溜められる水の温度に応じて第2の供給量W2を切り替える。
更に、貯水タンク3内の温度を検知する温度センサ、湿度を検知する湿度検知センサの何れか、または両方を備え、制御部7は、貯水タンク3内の温度と湿度の何れか、または、温度と湿度の両方に応じて第2の供給量W2を切り替える。
また、制御部7は、第1の検知部60a(第1の検知部60c)の出力がONからOFFに変化し、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす量を下回ったことを検知してから、第2の検知部60b(第2の検知部60d)の出力がONからOFFに変化し、補給が必要な量に減少したことを検知して、貯水タンク3への補給を開始するまでの時間に応じて第2の供給量W2を切り替える。
更に、制御部7は、貯水タンク3の容量を取得し、貯水タンク3の容量に応じて第2の供給量W2を切り替える。また、制御部7は、各フロートの移動する距離と貯水タンク3の容量を取得し、各フロートの移動する距離と貯水タンク3の容量に応じて第2の供給量W2を切り替える。
このように、固着の発生の可能性の大小、固着の溶融の容易性等に応じで、第2の供給量W2を切り替えられるようにすることで、検知部で固着が発生している場合に、これを確実に溶融させることができる共に、水の供給量を必要以上に少なくせずに、水の補給に掛かる時間の増加を抑制することができる。