以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成システム100の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成システム100が備える画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
画像形成システム100は、図1において用紙Sを記録媒体として使用し、用紙S上に画像を形成するシステムである。
図1に示すように、画像形成システム100は、用紙Sの搬送方向に沿って上流側から、画像形成装置1および加湿装置2が接続されて構成される。
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニット51a〜51cから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部101を備える。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
図2に示すように、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
図1に示すように、画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム413の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
現像装置412には、例えば帯電装置414の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、または交流電圧に帯電装置414の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。その結果、露光装置411によって形成された静電潜像にトナーを付着させる反転現像が行われる。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に当接され、弾性体よりなる平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト421に転写されずに感光体ドラム413の表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部101からの制御信号によって回転駆動される。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
定着部60は、用紙Sの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送ローラー対を有する。レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部は、用紙Sの傾きおよび片寄りを補正する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40においては、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により加湿装置2に搬送される。
加湿装置2は、加湿部110と、貯留部120と、液面位置検出部130(図3参照)と、補給部140と、水路150(図4参照)と、流量調整部160(図4参照)と、オーバーフロー用タンク170(図4参照)と、制御部101とを備えている。
加湿装置2には、加湿装置2の周辺空気と外気とを連通する連通口(図示略)を開閉するための扉(図示略)が設けられている。なお、扉開閉時に水位検出状態が設定される。
加湿部110は、用紙Sに対して加湿処理を実行する。加湿部110は、第1水船111A、第2水船111B、第1加湿ローラー112A、第2加湿ローラー112B、第1供給ローラー113A、第2供給ローラー113B、第1中継ローラー114A、第2中継ローラー114B、第1水切りローラー115Aおよび第2水切りローラー115Bを備えている。
第1水船111Aは、用紙上側から加湿する際に使用される液体Wを蓄積する水槽である。第1供給ローラー113Aは、第1水船111Aに一部が浸された状態で液体Wをくみ上げる。第1中継ローラー114Aは、第1供給ローラー113Aと接することで第1水船111Aからくみ上げられた液体Wを中継して第1加湿ローラー112Aに供給する。第1加湿ローラー112Aは、第1供給ローラー113A及び第1中継ローラー114Aを介して第1水船111Aからくみ上げられた液体Wを用いて、用紙上面から加湿を行う。第1水切りローラー115Aは、第1中継ローラー114Aと接触して、第1中継ローラー114Aが表面に保持する液体Wの一部を除去する。
第2水船111Bは、用紙下側から加湿する際に使用される液体Wを蓄積する水槽である。第2供給ローラー113Bは、第2水船111Bに一部が浸された状態で液体Wをくみ上げる。第2中継ローラー114Bは、第2供給ローラー113Bと接することで第2水船111Bからくみ上げられた液体Wを中継して第2加湿ローラー112Bに供給する。第2加湿ローラー112Bは、第2供給ローラー113B及び第2中継ローラー114Bを介して第2水船111Bからくみ上げられた液体Wを用いて、用紙下面から加湿を行う。第2水切りローラー115Bは、第2中継ローラー114Bと接触して、第2中継ローラー114Bが表面に保持する液体Wの一部を除去する。
貯留部120は、加湿処理に用いられる液体Wを貯留する。貯留部120は、貯留部120から加湿部110に供給される液量および補給部140から貯留部120に供給される液量に応じて液面位置が高さ方向に変化する。なお、液面位置を、単に水位という場合がある。
図3は、貯留部120の内部構造を概略的に示す図である。図3に、略直方体形状の貯留部120を短手側の壁面の方から見たときの内部構造を示す。
液面位置検出部130は、図3に示すように、第1液面位置検出部SW1、第2液面位置検出部SW2、第3液面位置検出部SW3及び第4液面位置検出部SW4を備えている。
第1液面位置検出部SW1から第4液面位置検出部SW4は、フロートをそれぞれ有し、フロートが浮力で液面位置に合わせて高さ方向にストロークすることでオン状態及びオフ状態の一方の状態から他方の状態に切り換わることにより、液面位置を検出するフロートスイッチである。
図3に示すように、第1液面位置検出部SW1は液面位置が5.3Lの貯留量に相当する位置であることを検出する。第2液面位置検出部SW2は液面位置が5.2Lの貯留量に相当する位置であることを検出する。第3液面位置検出部SW3は液面位置が3.2Lの貯留量に相当する位置であることを検出する。第4液面位置検出部SW4は液面位置が1.5Lの貯留量に相当する位置であることを検出する。
二以上のフロートスイッチを配置する場合、ストローク量及びフロートスイッチの取り付け位置のばらつき等により、各フロートスイッチは、高さ方向に所定長さ離間させて配置する必要がある。このため、本実施の形態では、第1液面位置検出部SW1及び第2液面位置検出部SW2は、互いに水平方向(高さ方向に対して直交する方向)に並列に配置されている。また、第3液面位置検出部SW3及び第4液面位置検出部SW4は、互いに水平方向に並列に配置されている。
貯留部120の液面が貯留部120に対して傾斜する場合においては、フロートスイッチが設けられる場所によって、液面検出位置にばらつきが生じる。これにより、貯留部120に貯留されている液量を正確に検出することができず、加湿処理に支障を来す場合がある。そこで、本実施の形態では、液面検出位置のばらつきを減らすために、第1液面位置検出部SW1から第4液面位置検出部SW4は、液面位置が貯留部120に対して傾斜した場合であっても、液面位置の高さ方向における変化が少ないように配置されている。具体的には、貯留部120が略直方体形状の場合、第1液面位置検出部SW1等は長手方向の中央部に配置されている。
図4は加湿装置2を概略的に示す図である。図4に、第1水船111A、第2水船111B、貯留部120、補給部140、水路150、流量調整部160およびオーバーフロー用タンク170を示す。なお、図4には加湿部110における加湿ローラー等が省略されている。
補給部140は液体Wを貯留する。補給部140は加湿装置2に着脱可能に設けられる。補給部140は、液体Wを排出する排出口(図示略)及び排出口を開閉する開閉弁(図示略)を有する。これにより、補給部140は、加湿処理中であっても着脱することができる。開閉弁は、補給部140が装着された場合に開くように、補給部140が外された場合に閉じるように構成されている。
水路150は、図4に示すように、供給経路151、循環経路152、補給経路153、溢れ経路154及びポンプ155を備えている。
供給経路151は、貯留部120と第1水船111Aとを連結する。また、供給経路151は、貯留部120と第2水船111Bとを連結する。供給経路151は、液体Wを貯留部120から第1水船111A等に導く。
循環経路152は、第1水船111Aと貯留部120とを連結する。また、循環経路152は、第2水船111Bと貯留部120とを連結する。循環経路152は、第1水船11Aなどから溢れた液体Wを貯留部120に導く。
補給経路153は、補給部140と貯留部120とを連結する。補給経路153は、液体Wを補給部140から貯留部120に導く。
溢れ経路154は、貯留部120とオーバーフロー用タンク170とを連結する。溢れ経路154は、貯留部120から溢れた液体Wをオーバーフロー用タンク170に導く。
ポンプ155は供給経路151に設けられている。ポンプ155は、液体Wを貯留部120から第1水船111A等へ移送する。ポンプモータ(図示略)は制御部101により制御される。
流量調整部160は補給経路153に設けられている。流量調整部160は、補給部140から貯留部120へ流入する液量を調整する電磁弁である。流量調整部160は制御部101により制御される。なお、流量調整部160の開放時間と補給部140から貯留部120へ流入する液量との関係は、実験の結果又はシミュレーションにより求められる。
制御部101は、貯留部120に貯留される液量が所定値(例えば、3.2L)未満の場合、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させる。制御部101は、貯留部120に貯留される液量が所定値(例えば、5.2L)以上の場合、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させない。
制御部101は、ポンプモーターを制御して、液体Wを貯留部120から加湿部110(第1水船111A等)に移送させる。なお、ポンプモーターの動作時間と貯留部120から加湿部110に移送される液量との関係は、実験の結果又はシミュレーションにより求められる。
図5は、貯留部120の水位(液面位置)と加湿装置2の動作との関係の一例を示す図である。図5に、エンプティー状態からSC状態に区分けされた水位検出状態を示す。なお、画像形成装置1の電源オン時又は扉開閉時に、エンプティー状態、基準水位状態、基準水位以上状態、満タン状態及びSC状態は、液面位置検出部130の状態(オン状態、オフ状態)に基づいて設定されるが、ニアエンプティー状態および基準水位未満状態は、水位検出状態を特定できないため、設定されない。
以下、貯留部120の水位と加湿装置2の動作との関係について、図5を参照して説明する。なお、液体Wが補給部140から貯留部120に供給される場合、貯留部120の水位は上がる。これを、水位が上がる方向という場合がある。液体Wが貯留部120から加湿部110に供給される場合、貯留部120の水位は下がる。これを、水位が下がる方向という場合がある。また、貯留部120の水位が満タン状態を超える状態をSC状態という場合がある。また、貯留部120の水位が空の状態をエンプティー状態という場合がある。
以下の説明においては、SC状態からエンプティー状態の順番に説明する。
図5に、第1液面位置検出部SW1から第4液面位置検出部SW4の全部がオン状態であるSC状態を示す。
水位が上がる方向で、制御部101は、第1液面位置検出部SW1のオン状態が2分間連続した後に、水位検出状態を満タン状態からSC状態(溢れ状態)に遷移させる。2分間は、ポンプモーター等の振動による液面の揺れを考慮し、第1液面位置検出部SW1が確実にオン状態を維持していることを確認するための時間である。
SC状態で、制御部101はポンプモーターを制御して、液体Wを貯留部120から第1水船111A等に移送させない(加湿不可・機械停止)。ここで、機械停止はポンプモーターの動作の停止を意味する。また、制御部101は流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させない。また、制御部101は操作表示部20にSC表示(溢れ表示)を表示させる。機械停止の理由は、制御部101が満タン状態で流量調整部160を制御して、補給部140から貯留部120への流体Wの補給を停止させたにも拘わらず、水位検出状態を満タン状態からSC状態に遷移させたのは、制御部101が流量調整部160を故障であると判断したためである。
図5に、第2液面位置検出部SW2から第4液面位置検出部SW4までがオン状態、かつ、第1液面位置検出部SW1がオフ状態である満タン状態を示す。
水位が上がる方向で、制御部101は、第2液面位置検出部SW2のオン状態が10秒間連続した後に、水位検出状態を基準水位超え状態から満タン状態に遷移させる。10秒間は、ポンプモーター等の振動による液面の揺れを考慮し、第2液面位置検出部SW2が確実にオン状態を維持していることを確認するための時間である。
満タン状態で、制御部101はポンプモーターを制御して、液体Wを貯留部120から第1水船111A等に移送させる(加湿可能・機械止めない)。機械を止めない理由は、制御部101が流量調整部160及びポンプモーターなどが故障していない加湿可能な状態であると判断したためである。また、制御部101は流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させない。これにより、貯留部120の液体Wが満タン状態より増えるのを抑えることができる。なお、操作表示部20(図6参照)にはメッセージが表示されない。メッセージが表示されない理由は、制御部101が、貯留部120の水位および補給部140の液量などに基づいて、用紙に対して十分な加湿処理が行われると判断したためである。
図5に、第3液面位置検出部SW3、第4液面位置検出部SW4がオン状態、かつ、第1液面位置検出部SW1、第2液面位置検出部SW2がオフ状態である基準水位超え状態を示す。
水位が上がる方向で、制御部101は、第3液面位置検出部SW3のオン状態が10秒間連続した後に、水位検出状態を基準水位状態から基準水位超え状態に遷移させる。10秒間は、ポンプモーター等の振動による液面の揺れを考慮し、第3液面位置検出部SW3が確実にオン状態を維持していることを確認するための時間である。また、水位が下がる方向で、制御部101は、第2液面位置検出部SW2のオフ状態が10秒連続した後に、水位検出状態を満タン状態から基準水位超え状態に遷移させる。10秒間は、ポンプモーター等の振動による液面の揺れを考慮し、第2液面位置検出部SW2が確実にオフ状態を維持していることを確認するための時間である。
基準水位超え状態で、制御部101はポンプモーターを制御して、液体Wを貯留部120から第1水船111A等に移送させる(加湿可能・機械止めない)。機械を止めない理由は、制御部101が流量調整部160及びポンプモーターなどが故障していない加湿可能な状態であると判断したためである。なお、操作表示部20にはメッセージが表示されない。メッセージが表示されない理由は、制御部101が貯留部120の水位及び補給部140の液量に基づいて、用紙に対して十分な加湿処理が行われると判断したためである。
水位が上がる方向における基準水位超え状態で、制御部101は、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させる。これにより、補給部140に貯留される液体Wが有れば、貯留部120の水位は上がり続ける。
一方、水位が下がる方向における基準水位超え状態で、制御部101は流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させない。これにより、貯留部120の水位は下がり続ける。
図5に、第4液面位置検出部SW4がオン状態、かつ、第1液面位置検出部SW1から第3液面位置検出部SW3までがオフ状態である基準水位状態を示す。
水位が上がる方向で、制御部101は、第4液面位置検出部SW4のオン状態が10秒間連続した後に、水位検出状態を基準水位未満状態から基準水位状態に遷移させる。10秒間は、ポンプモーター等の振動による液面の揺れを考慮し、第4液面位置検出部SW4が確実にオン状態を維持していることを確認するための時間である。また、水位が下がる方向で、制御部101は、第3液面位置検出部SW3のオフ状態が10秒間連続した後に、水位検出状態を基準水位超え状態から基準水位状態に遷移させる。10秒間は、ポンプモーター等の振動による液面の揺れを考慮し、第3液面位置検出部SW3が確実にオフ状態を維持していることを確認するための時間である。
基準水位状態で、制御部101は、ポンプモーターを制御して、液体Wを貯留部120から第1水船111A等に移送させる(加湿可能・機械止めない)。機械を止めない理由は、制御部101が流量調整部160及びポンプモーターなどが故障していない加湿可能な状態であると判断したためである。また、制御部101は、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させる。これにより、補給部140に貯留される液体Wが有れば、水位が下がる方向では、貯留部120の水位が上がり始める。一方、水位が上がる方向では、貯留部120の水位が上がり続ける。なお、操作表示部20にはメッセージが表示されない。メッセージが表示されない理由は、制御部101が貯留部120の水位及び補給部140の液量に基づいて、用紙に対して十分な加湿処理が行われると判断したためである。
図5に、第4液面位置検出部SW4がオン状態、かつ、第1液面位置検出部SW1から第3液面位置検出部SW3までがオフ状態である基準水位未満状態を示す。基準水位未満状態のときの水位が本発明の「補給部が空の状態であると判定される位置」に相当する。
水位が上がる方向で、制御部101は、第4液面位置検出部SW4がオン状態であっても、水位検出状態を基準水位未満状態に遷移させない。その理由は、制御部101が第4液面位置検出部SW4のオン状態のみの情報に基づいて、基準水位未満状態であると判断することができないためである。一方、水位が下がる方向で、制御部101は、17分経過しても第3液面位置検出部SW3がオン状態に切り換わらない場合(扉開閉後も所定時間カウントを継続する)、水位検出状態を基準水位状態から基準水位未満状態に遷移させる。17分は、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120に供給させることにより、水位が基準未満状態から基準水位状態に上がると予測される時間である。なお、17分は、実験の結果又はシミュレーションにより求められる。扉開閉後も所定時間カウントを継続する理由は、所定時間において貯留部120への液体Wの補給が行われる場合があるためである。
基準水位未満状態で、制御部101は、ポンプモーターを制御して、液体Wを貯留部120から第1水船111A等に移送させる(加湿可能・機械止めない)また、制御部101は、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させる。しかし、第3液面位置検出部SW3がオン状態に切り換わらない場合、制御部101は、補給部140が空の状態であると判定する。そこで、制御部101は、操作表示部20に『補給部が空です。補給部に液体を入れて下さい。』のメッセージを表示させる。
図5に、第1液面位置検出部SW1から第4液面位置検出部SW4までの全部がオフ状態であるニアエンプティー状態を示す。
水位が上がる方向で、制御部101は、水位検出状態をニアエンプティー状態に遷移させない。その理由は、制御部101が第1液面位置検出部SW1から第4液面位置検出部SW4までの全部がオフ状態の情報に基づいて、ニアエンプティー状態であると判定することができないためである。一方、水位が下がる方向で、制御部101は、第4液面位置検出部SW4がオフ状態を10秒間連続した後に、水位検出状態を基準水位状態からニアエンプティー状態に遷移させる。10秒間は、ポンプモーター等の振動による液面の揺れを考慮し、第4液面位置検出部SW4が確実にオフ状態を維持していることを確認するための時間である。
ニアエンプティー状態で、制御部101は、ポンプモーターを制御して、液体Wを貯留部120から第1水船111A等に移送させることを一時的に停止する(加湿可能・機械一時停止、再開可能)。機械を一時停止する理由は、例えば、貯留部120を、加湿装置2の正面方向(図4に示す白抜きの矢印方向)に引き出して、貯留部120の水位を視認するためである。また、補給部140が空の状態であることが推測されるために、制御部101は、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させる。また、制御部101は、操作表示部20に『貯留部がもうすぐ空です。補給部に液体を入れて下さい。』のメッセージを表示させる。
図5に、第1液面位置検出部SW1から第4液面位置検出部SW4までの全部がオフ状態であるエンプティー状態を示す。エンプティー状態のときの水位が本発明の「エンプティーの位置」に相当する。
水位が下がる方向で、制御部101は、ポンプモーターの一時停止後の動作再開で、ポンプモーターの動作時間が5分経過しても第4液面位置検出部SW4がオン状態に切り換わらない場合(扉開閉後は所定時間カウントを継続しない)、水位検出状態をニアエンプティー状態からエンプティー状態に遷移させる。5分は、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120に供給させることにより、水位がエンプティー状態から基準水位未満状態(1.5L以上の液量)に上がると予測される時間である。また、扉開閉後は所定時間カウントを継続しない理由は、所定時間において貯留部120への液体Wの補給が行われる場合があるためである。なお、制御部101は、第4液面位置検出部SW4がオフ状態してから30分間経過した場合、水位検出状態をニアエンプティー状態からエンプティー状態に遷移させてもよい。
エンプティー状態で、制御部101は、ポンプモーターを制御して、液体Wを貯留部120から第1水船111A等に移送させない(加湿不可・機械停止)。機械を停止する理由は、用紙に対する加湿処理が十分に行われないと考えられるためである。また、補給部140が空の状態であると推定されるため、制御部101は、流量調整部160を制御して、液体Wを補給部140から貯留部120へ流入させる。また、制御部101は、操作表示部20に『貯留部が空です。補給部に液体を入れて下さい。』のメッセージを表示させる。
図6は、操作表示部20に表示される画面の一例を示す図である。図6に、貯留部120を示すアイコン121、部材アイコン122、貯留部の文言123をそれぞれ示す。図7は、貯留部120の水位と貯留部120の表示との関係を示す図である。
制御部101は、操作表示部20に貯留部120の水位に関する情報を表示させる。図7に示すように、制御部101は、水位がエンプティー状態及びニアエンプティー状態に遷移させる場合、操作表示部20に貯留部120を示すアイコン121、部材アイコン122、及び、文言123のそれぞれの色をオレンジで表示させる(図6参照)。
また、制御部101は、水位が基準水位未満状態に遷移させる場合、操作表示部20に貯留部120を示すアイコン121、部材アイコン122、及び、貯留部の文言123、貯留部)のそれぞれの色を黄色、通常(黒)、白色で表示させる。
また、制御部101は、水位が基準水位状態からSC状態のいずれかに遷移させる場合、操作表示部20に貯留部120を示すアイコン121、部材アイコン122、及び、文言123のそれぞれの色を通常(黒)、通常(黒)、白色で表示させる。
以上のように、貯留部120の水位検出状態の遷移に応じて表示色を変化させているため、ユーザーが貯留部120の水位を容易に視認することができる。
次に、貯留部120の水位検出について、図8を参照して説明する。図8は、水位検出の一例を示すフローチャートである。ここでは、貯留部120の水位が基準水位超え状態から基準水位未満状態に下がる場合について説明する。本フローは、画像形成装置1の電源オンにより開始される。
例えば、第2液面位置検出部SW2が10秒連続でオフ状態の場合、制御部101が水位を満タン状態から基準水位超え状態に遷移させる(ステップS100)。
ステップS110において、制御部101は、第3液面位置検出部SW3が10秒連続でオフ状態か否かについて判断する。
第3液面位置検出部SW3が10秒連続でオフ状態でない場合(ステップS110:NO)、制御部101は、水位検出状態を基準水位超え状態から基準水位状態に遷移させない。第3液面位置検出部SW3が10秒連続でオフ状態である場合(ステップS110:YES)、制御部101は、水位検出状態を基準水位超え状態から基準水位状態に遷移させる(ステップS120)。
ステップS130において、制御部101は、第3液面位置検出部SW3が17分連続でオフ状態か否かについて判断する。
第3液面位置検出部SW3が17分連続でオフ状態でない場合(ステップS130:NO)、制御部101は、水位検出状態を基準水位状態から基準水位未満状態に遷移させない。第3液面位置検出部SW3が17分連続でオフ状態である場合(ステップS130:YES)、制御部101は、水位検出状態を基準水位状態から基準水位未満状態に遷移させる(ステップS140)。
上記実施の形態における加湿装置2によれば、用紙に対して加湿処理を実行する加湿部110と、加湿処理に用いられる液体Wを貯留する貯留部120と、貯留部120における液面位置を検出する液面位置検出部130と、液面位置検出部130の検出結果の変化態様に応じて、液面位置検出部130の数より多い数の液面位置のうち現在の液面位置がいずれに該当するかを判定する制御部101と、を備える。これにより、現在の液面位置を検出するための液面位置検出部を設けることなく、現在の液面位置を判定することができる。その結果、液面位置検出部130の個数を減らすことで、コストを低減しつつ、液面位置を細かに検出することが可能となる。
また、貯留部120に複数の液面位置検出部130が並列に配置される。これにより、複数の液面位置検出部130が直列(高さ方向)に配置される場合に比べて、貯留部120の水位を細かに検出することが可能となる。
また、液面位置は、制御部101が液体Wを補給部140から貯留部120に流入させるように流量調整部160を制御する位置である。これにより、電磁弁である流量調整部160が開いて、液体Wの補給が可能となる。貯留部120の水位が液面位置になるまで、流量調整部160は作動しないため、作動回数が減って、流量調整部160の寿命を延長することができる。
また、現在の液面位置は、制御部101により補給部140が空の状態であると判定される位置である。これにより、機械を止めることなく、ユーザーに補給を促すことができるため、ダウンタイムを減らすことができる。また、貯留部120の水位に基づいて、補給部140が空の状態であると判定されるため、補給部140に液面位置検出部を設ける必要がなく、液面位置検出部の個数を減らすことができる。
なお、上記実施の形態では、液面位置検出部130の検出結果の変化態様を、予め定められた時間(補給部140から貯留部120に予め定められた液量が補給されると予測される時間)が経過するまでにおける変化とする。しかし、本発明はこれに限らず、予め定められた時間は、貯留部120から予め定められた液量が蒸発することが予測される時間(蒸発予測時間)であってもよい。蒸発予測時間は、加湿装置2の扉(図示略)が開閉されるか否かに拘わらずに計測される。蒸発予測時間を計測することにより、液体Wが貯留部120から蒸発する量を推定することが可能となる。その結果、制御部101は、蒸発予測時間に基づいて、貯留部120の水位を判定することが可能となる。
また、液面位置検出部130の検出結果の変化態様を、液面位置検出部の検出結果の変化態様を、貯留部120に予め定められた液量が補給されるまでにおける変化としてもよい。この場合、補給経路153には、補給される液量を検出するためのセンサーが設けられる。
また、液面位置検出部130の検出結果の変化態様を、予め定められた枚数の用紙が加湿処理されるまでにおける変化としてもよい。加湿処理される用紙の枚数に応じて、液体Wの使用量が増加するため、制御部101は、加湿処理される用紙の枚数に基づいて、貯留部120の水位を判定することが可能となる。
また、液面位置検出部130の検出結果の変化態様を、貯留部120から加湿部110(第1水船111A等)へ予め定められた流量が供給されるまでの変化としてもよい。この場合、制御部101は、液面位置検出部130の状態が切り換わった後に貯留部120から加湿部110へ供給される液量に基づいて、貯留部120の水位が、液面位置検出部130の状態が切り換わる前の水位より低いと判定する。これによっても、液面位置検出部の個数を減少させることが可能となる。
また、上記実施の形態では、図3に示すように、液面位置が5.3L、5.2L、3.2Lおよび1.5Lの各貯留量に相当する位置であることを検出する第1液面位置検出部SW1、第2液面位置検出部SW2、第3液面位置検出部SW3および第4液面位置検出部SW4を備える。この場合において、例えば、第1液面位置検出部SW1がオフ状態、第2液面位置検出部SW2がオフ状態、第3液面位置検出部SW3がオン状態、第4液面位置検出部SW4がオフ状態の場合、制御部101が操作表示部20に貯留部120の水位が異常であることを表示(例えば、SC表示)させてもよい。これにより、ユーザーに加湿装置2の点検を促すことができる。
また、上述する水位の異常表示と共に、又は、当該表示と独立して、制御部101が貯留部120から加湿部110(第1水船111A、第2水船111B)への液量を制御して、液体Wの供給を停止させてもよい。これにより、液体Wの無駄な消費を抑えることができる。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明は、画像形成装置1を含む複数のユニットで構成される画像形成システム100に適用できる。複数のユニットには、例えば、加湿装置2、ネットワーク接続された制御装置等の外部装置が含まれる。