前掲の特許文献4に開示される発明は、立設状態の脚部を保持するために、積載部に脚ホルダを設け、脚部の上端を脚ホルダに連結させるものであり、脚部に設けたキー部材が脚ホルダの係合孔と係合し得る構成となっていた。なお、脚部を折り畳む(回動させる)場合には、前記キー部材を係合孔から遊嵌孔に移動させ、当該遊嵌孔内のキー部材が軸として、回動を許容するものであった。
そして、係合孔と遊嵌孔は、脚ホルダの上下(係合孔が上位で遊嵌孔が下位)に配置され、相互に連通する構成であり、脚部が脚ホルダに対して相対的に上昇するか下降するかにより、キー部材が係合孔に移動するか遊嵌孔に移動するかが決定するものであった。そのため、キー部材が係合孔に移動する場合とは、立設状態の脚部に対し積載部を自重よって下降させるとき、脚ホルダとの相対的な位置が上昇する場合であり、キー部材が遊嵌孔に移動する場合とは、立設状態の脚部が自重により下降することによって、脚ホルダとの相対的な位置が下降する場合である。すなわち、いずれの場合も脚部は立設状態であり、脚部の自重を利用するか、積載部の自重を利用するかの差によるものであった。
ところが、キー部材を遊嵌孔に移動させるためには、積載部を(フォークリフト等により)上昇させることにより、脚部の自重の作用によって可能であるが、当該脚部を傾倒させるためには、脚部の下端を移動させなければならないものであった。そこで、当該発明にあっては、脚引張部材を脚部の下端に連結させる構成とし、この脚引張部材を横向きに引っ張ることによって、キー部材を軸とする回動を可能にし、脚部を傾倒させるものであった。なお、適当な角度まで脚部を回動させた状態において、積載部を下降する場合、当該積載部の自重によって、脚部下端は傾倒方向へ誘導され、結果として横設状態まで脚部を回動させ得るものとなっていた。
しかしながら、上記構成は、脚部を横設状態とする際、積載部の自重が作用するまでの間は、脚引張部材を継続的に引っ張らなければならず、例えば、フォークリフトによって積載部を支持しつつ徐々に下降させる場合には、フォークリフトの操作と並行して脚引張部材の引っ張り作業を行うことが要求されるものであった。そのためには、脚引張部材を引っ張るための動力が別途必要となり、または作業者がフォークリフトの近傍で人為的作業を行う必要があり、取扱いが煩瑣なものとなっていた。また、脚部を立設状態で保持する場合においても、原理的には、脚部が立設した状態において積載部を下降すれば、積載部の自重によってキー部材が係合孔に移動するものであるが、係合孔は、キー部材と係合する形状(ほぼ同一形状)であるため、脚部の立設角度に多少の誤差がある場合には、キー部材が遊嵌孔から係合孔に移動できず、結果的には、係合状態が不十分となり得るものであった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、折り畳み可能なテーブルにおける脚部の回動を容易に操作できる機構を提供し、さらに同機構を用いたテーブルを提供することである。
そこで、脚部の回動制御機構にかかる本発明は、テーブル面を形成するための天部と、該天部を支持する複数の脚部とを備えるテーブルにおいて、前記脚部が、その上端近傍において前記天部に回動自在に設けられることにより折り畳み可能とされており、前記脚部の状態を立設状態と横設状態との間で変化させるとき、該脚部の回動状態を規制するための脚部の制御機構であって、前記天部には、一端を支承して揺動可能とする揺動部材が備えられており、前記脚部は、その回動の中心から離れた位置において前記揺動部材に係合される係合部を有しており、前記揺動部材は、前記係合部との係合により、該係合部の移動を規制する規制部を有するものであり、前記規制部は、前記脚部の状態が立設状態と横設状態との間で変化するときに前記係合部の変動を許容する許容領域と、前記脚部が立設状態にあるとき、前記係合部との係合位置を前記許容領域から逸脱する方向へ変更可能とし、該係合部との係合位置の変更により前記係合部の変動を停止させる停止領域と、前記脚部が立設状態と横設状態との中間的な状態にあるとき、前記係合部との係合位置を前記許容領域から逸脱する方向へ変更可能とし、該係合部との係合位置の変更により前記脚部の立設状態に向かう回動を制限するように該係合部を保持する保持領域とを備えるものであることを特徴としている。
上記構成によれば、天部が、揺動可能な揺動部材を有し、この揺動部材に設けられる規制部に脚部の係合部が係合していることから、脚部の係合部の移動が揺動部材の規制部によって制限され、この規制部によって許容される範囲内で脚部を回動させることができることとなる。脚部の回動に際しては、揺動部材の許容領域の範囲で係合部が移動することとなるが、係合部による係合位置が停止領域または保持領域に移動することによって、停止領域または保持領域が脚部の係合部を係止することとなり、当該係合部の移動を制限することで、脚部を立設状態に維持し、または脚部を傾倒した状態で一時的に保持させることができる。
すなわち、例えば、折り畳まれた脚部を開く(横設状態から立設状態に移行させる)ように操作する場合には、天部を上昇させる(人為的に持ち上げる)ことにより、天部は床面との間に距離を有することとなり、かつ、脚部は上端近傍が回動自在であることから、天部の上昇の程度に応じて立設状態へ向かって回動することとなる。さらに、天部を大きく上昇させ、脚部の長手方向が鉛直状態となるまで天部が上昇するとき、脚部が立設状態となり、天部を支持することが可能な状態となるのである。この状態において、係合部を規制部の許容領域から逸脱させ(揺動部材を揺動させ)、係合位置を停止領域に移動させることにより、脚部の回動を停止させることができる。
開脚状態(立設状態)の脚部を折り畳む(立設状態から横設状態に移行させる)ように操作する場合には、係合部による係合位置を規制部の停止領域から許容領域に移動する(揺動部材を揺動させる)ことにより、当該許容領域内における係合部の移動を許容させる状態となる。この状態において、脚部を人為的に傾倒させることにより、脚部は横設状態へ向かって回動させることができる。そして、脚部の適宜角度による傾倒状態において、係合部による係合位置を許容領域から逸脱させ(揺動部材を揺動させ)、当該係合位置を保持領域へ移動させることにより、脚部を傾倒状態において保持させることができる。この保持領域は、脚部の立設状態へ向かう回動のみを制限するものであり、横設状態へ向かう回動を許容するものであれば、脚部は折り畳まれる方向への回動が自在な状態となる。従って、傾倒する脚部に対し先端を鉛直上向きの外力を作用させれば、その分力は脚部が横設状態となる回動方向へ作用し、直接回動方向への外力を与える必要がないものとなる。そこで、例えば、天部を下降させ、床面と天部との間で脚部を挟むことにより、脚部は横設状態に向かう回動が誘導されることとなる。
脚部の回動制御機構に係る本発明は、上記構成の発明において、前記揺動部材が、天部に支承される基端から自由端に向けて傾斜して設けられており、支承側前記停止領域は、前記揺動部材の自由端側が下方へ向かって揺動するとき前記係合部との係合位置の変更を可能にするものであり、前記保持領域は、前記揺動部材の自由端側が上方へ向かって揺動するとき前記係合部との係合位置の変更を可能にするものであるように構成することができる。
上記構成によれば、揺動部材が傾斜した状態で設置されることにより、当該揺動部材の自重によって自由端側は下向きに付勢されることとなる。従って、揺動部材を揺動させるためには、自由端側を下方へ向かって揺動させるための外力の付与は不要となるが、自由端側を上方へ向かって揺動させるためには外力の付与が必要となる。その結果、脚部の立設状態においては、揺動部材に対する自重の作用により、外力を付与することなく揺動部材の自由端側が下方へ向かって揺動することとなり、係合部は必然的に規制部の許容領域から停止領域へ移動し得る。そして、揺動部材の自重は継続的に作用するため、人為的に揺動部材を押し上げない限り、脚部が立設する状態を維持させることができる。他方、脚部の傾倒状態においては、外力を作用させて自由端側を上方へ向けて揺動部材を揺動させなければ、係合部は許容領域から保持領域に移動しないこととなる。従って、脚部を傾倒状態で保持する場合には人為的に外力を付与するものである。これは、脚部を横設状態から立設状態へ変化させる場合には、保持すべき事情がないことから、係合部が保持領域に侵入して脚部が傾倒状態で停止することを回避するためである。
なお、保持領域を使用しつつ脚部を横設状態へ変化させる場合には、まずは、規制部の停止領域から脚部の係合部を脱する必要がある。そこで、揺動部材を人為的に回動させ、係合部を規制部の許容領域に移動させるのである。このとき、例えば、折り畳みテーブルが床面上に載置されている場合には、天部を少し持ち上げることにより、脚部の先端を荷台の床面から離すことができ、これにより、脚部は天部に垂下された状態とすることができる。この状態で揺動部材の自由端を上方へ揺動させれば脚部は回動自在な状態であるから、さらに、脚部を人為的に回動させて、係合部を規制部の保持領域の近傍に到達させるのである。この位置でさらに揺動部材を揺動させることにより、係合部を保持領域によって保持させることができるのである。保持領域に係合部が保持されるとき、脚部の自重は立設状態へ回動する方向に作用し、保持領域の復元(自由端側の下降)方向への作用と均衡し、両者が引っ張り合って脚部の傾倒状態が維持されるのである。これにより、揺動部材および脚部に対する人為的な揺動および回動を中止し、その後は天部を下降させれば、脚部の先端は床面に当接しつつ脚部は床面と天部とに挟まれ、天部の下降に伴って脚部は徐々に横設状態へ移行することとなる。
脚部の回動制御機構に係る本発明は、前記各構成の発明において、前記係合部が、前記脚部から突出する突起部であり、前記揺動部材が、板状部材で構成されおり、前記規制部が、前記揺動部材の板厚方向に貫設されたスリット状の貫通溝であるように構成してもよい。
上記構成によれば、板状部材によって構成された揺動部材にスリット状の貫通溝によって形成される規制部に対し、脚部から突出する係合部(突起部)が係入された状態となるから、揺動部材の板状部材の表面を脚部の回動面(回動する軌跡によって形成される仮想平面)に対して平行な状態とすることができ、その板厚と係合部(突起部)の突出による限られた領域において回動制御機構を構成させることができる。
また、上記構成における本発明では、前記揺動部材が、天部に支承される基端側近傍から自由端側へ長尺な略長方形状の板状部材で構成されており、前記規制部の許容領域は、前記揺動部材の自由端近傍から基端側へ向かって所定長さに形成された長尺な貫通溝であり、前記規制部の停止領域および保持領域は、ともに前記許容領域の長手方向から逸脱した方向へ延出する貫通溝とする構成であってもよい。
上記構成によれば、揺動部材は適宜な長さを有しており、基端を天部に支承させた状態で自由端を脚部に到達させることができ、規制部の停止領域によって係合部を停止させることにより、当該揺動部材は、天部と脚部との間に懸架される状態となり、脚部の立設状態を維持させるための補強部材として機能することとなる。また、規制部の許容領域は、揺動部材の長手方向に形成されることから、脚部の回動による係合部が移動し得る領域を確保することができる。
さらに、脚部の回動制御機構に係る本発明は、前記保持領域が、前記脚部の状態が立設状態へ移動する向きに対して、その移動を制限するように前記係合部に当接するストッパ状当接縁部と、横設状態へ移動する向きに対して、その移動を可能にしかつ前記許容領域へ前記係合部を案内する案内当接縁部とを備える構成とすることができる。
上記構成によれば、保持領域に係入した状態の係合部は、その移動が制限されるものであるが、脚部の状態が立設状態へ移動することのみを規制する。従って、脚部が横設状態となる方向へ係合部が移動する場合には、その移動が制限されるものではないから、脚部を横設状態へ回動する際の一時的な保持に使用することができる。なお、ストッパ状当接縁部は、鉤状に切欠いた形状の溝部で構成する場合のほか、僅かに切欠いた形状とすることができ、脚部が立設状態へ回動する自重の作用を利用して、揺動部材が揺動しない構成となっていればよい。すなわち、脚部の回動は、係合部において、ストッパ状当接縁部に対し引張り力として作用し、この引張り力が、揺動部材の自重による揺動を抗することができれば、係合部は保持領域に留まることができるのである。
また、脚部の回動制御機構に係る本発明は、前記規制部の許容領域が、前記脚部が回動するときに前記係合部が移動する軌跡に合致する弧状に形成されているものであってもよい。
上記構成によれば、脚部が回動する際に、係合部は、天部に支持される部分を中心とする円弧状の軌跡を描くことになるが、この弧状の軌跡に合致する許容領域が形成されることにより、脚部の単純な回動により、揺動部材は揺動せず、揺動部材の揺動は極めて限定的な場合に限られる。すなわち、規制部の停止領域または保持領域に係合部を移動させる場合にのみ揺動させればよいものとなる。これにより、揺動部材の揺動状態を観察することにより、規制部と係合部との状態、すなわち係合部がいずれの領域に存在しているかを、容易に把握することができる。
また、脚部の回動制御機構に係る本発明は、前記脚部が、該脚部が傾倒するときに、該脚部の先端よりも下方に位置する転動部材を備え、該転動部材は、前記脚部の回動中心と平行な軸線を中心として転動可能に設けられているものとすることができる。
上記構成によれば、脚部の回動により、脚部の先端が床面に摺接する際、転動部材が床面を転動することとなり、脚部の回動が円滑となる。また、この転動部材が床面を転動することによって、脚部先端および床面の摩擦による傷の発生を抑えることができる。
他方、折り畳みテーブルに係る本発明は、前記に示した回動制御機構に係る発明が、全ての脚部に設けられていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、折り畳みテーブルの全ての脚部が、同様の機構によって回動が制限され、折り畳み可能とされることから、天部の上昇または下降によって、同時に全ての脚部を立設状態に誘導し、または横設状態に強制させることができる。従って、脚部の折り畳み操作および開脚操作が極めて簡便となる。
折り畳みテーブルに係る本発明は、上記発明において、前記天部が形成する積載領域を略長方形とし、該積載領域の短辺方向に配置される複数の前記脚部によって一組の支持脚が構成されるものであり、該支持脚を構成する各脚部は相互に連結されており、前記支持脚は、前記積載領域の長辺方向の両側に各一組ずつ設置されている構成とすることができる。
上記構成によれば、略長方形状の天部の長辺方向両側に各一組の支持脚が設けられることから、これらの支持脚によって天部を安定して支持することができる。各組の支持脚は、短辺方向の複数の脚部が連結されていることから、短辺方向に対称に設置される複数の脚部を一体として、すなわち支持脚を単位として同様の回動操作を可能とする。従って、支持脚は全体として立設状態と横設状態との間で変化する際、これを規制する揺動部材の状態も同様となり、特に、立設状態から横設状態へ変化させる場合に、人為的に脚部を回動させる必要があるが、その一部を回動させれば、連結する全ての脚部を同時に同じ状態とすることができる。これにより、回動操作が容易かつ画一的に行うことができる。
また、折り畳みテーブルに係る本発明は、上記構成の発明において、前記積載領域の長辺方向の両側に設置される二組の支持脚が、各支持脚を構成する脚部が横設状態となるとき、該脚部の先端が相互に対向する状態となるものであり、前記二組の支持脚の間には、さらに一組以上の支持脚が設置され、該支持脚を構成する脚部は、横設状態において、前記二組の支持脚を構成する脚部が横設状態において対向する先端の間に位置するように設けられた構成とすることができる。
このような構成によれば、略長方形の天部の長辺方向両側に位置する支持脚は、先端をテーブルの内側に折り畳むことができ、さらに、折り畳まれた(横設状態の)脚部の間のスペースを利用して、支持脚を追加的に配置することができる。この追加的に配置される支持脚は、天部の長手方向の長さおよび脚部の長さ(テーブルの高さ)によって、設置の可否が決定されることとなるが、天部の長辺方向の長さが長尺である場合には、十分に設置可能である。なお、天部の長辺方向の長さが長尺である場合、天部の長辺方向の中間位置には比較的大きい曲げ応力が作用することとなるため、追加的な支持脚を設けることにより、上記の曲げ応力に対して補強することができるものである。そして、脚部の長さ(テーブルの高さ)に比較して、天部の長手方向の長さが大きい場合には、必要に応じて2以上の支持脚を追加的に設置することができる。
さらに、折り畳みテーブルに係る本発明は、上記各構成の発明において、前記支持脚を構成する複数の脚部のそれぞれについて回動を規制するために設けられる複数の揺動部材が、相互に連結されている構成とすることができる。
上記構成の場合には、支持脚を単位として回動させる場合、それぞれの脚部を規制する揺動部材も全て同じ状態であることが好ましく、支持脚を構成する脚部に装着される各揺動部材を連結することにより、人為的に揺動部材を揺動させる際には操作が容易となる。すなわち、脚部を立設状態から傾倒させる際、係合部を規制部の停止領域から許容領域に移動させるため、揺動部材を人為的に揺動させるのであるが、このとき、任意の一つの揺動部材を回動させることにより、または連結するための部材を操作して揺動させることにより、全ての揺動部材が同時かつ同様に揺動することとなるのである。
なお、前記の各構成に係る折り畳みテーブルをそのまま箱形荷台分割用テーブルとしてもよいが、トラックの箱形荷台分割用テーブルに係る本発明は、前記の各構成に係る折り畳みテーブルにおいて、さらに、前記天部の下方に、フォークリフトのフォークが挿入できるフォーク挿入部を設けられていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、フォーク挿入部が設けられていることにより、例えば、箱形荷台の床面上において分割用テーブルの脚部または支持脚の回動を操作する際、フォークリフトを使用することができる。また、当該分割用テーブルの箱形荷台への積み卸しに際してもフォークリフトによって容易に行うことができる。
回動制御機構に係る本発明によれば、脚部の立設状態は、揺動部材の自重による揺動によって、確実な立設状態において掛止されることとなり、他方、横設状態へ変化させる場合には、揺動部材に対する人為的な揺動と、脚部に対する人為的な回動は必要であるものの、脚部が傾倒状態で保持された後は、天部の自重のみを作用させることにより、容易に脚部を横設状態とすることができる。
また、折り畳みテーブルに係る本発明によれば、当該テーブルを構成する天部は、前記回動規制機構を有する脚部によって支持されるものであるから、テーブルとして機能できることはもちろんのこと、脚部の折り畳みの操作が容易であり、作業効率を向上させ得るものである。この点については、トラックの箱形荷台分割用テーブルに係る発明についても同様であり、箱形荷台分割用テーブルとして使用する場合には、トラックの箱形荷台の空間を上下方向に分割する必要がある場合には、容易に脚部を立設状態とすることができ、これをテーブルとして使用でき、不要な場合は、簡易な操作により脚部を横設状態として収納状態とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明は、折り畳み可能なテーブルまたはトラックの箱形荷台において使用されるものであって、それらの脚部の開閉(折り畳みおよび展開)のための脚部の回動制御機構と、その回動制御機構を備えるテーブルに関するものである。そこで、まず、折り畳みテーブルに係る実施形態の概略と、トラックの箱形荷台における分割用テーブルの実施形態の概略を説明し、その後に脚部の回動制御機構の詳細を説明する。
図1に折り畳みテーブルの概略を示す。図1(a)は折り畳みテーブルの全体構成を示し、図1(b)は天板部とテーブル本体とを分解した状態を示している。この図に示すように、折り畳みテーブル1はテーブル本体Xに天板部Yを装着した構成であり、テーブル本体は、天部10と脚部21a,21b,23a,23bで構成されている。天部10は、複数のフレーム11〜18によって構成され、脚部21a,21b,23a,23bは、天部10の一部に設けられるブラケット31a,33bによって上端が支持された構成となっている。
天部10は、矩形の周辺部を形成する周辺フレーム11〜14と、その内部に格子状に配置された補強フレーム15〜18とで構成されている。周辺フレーム11〜14は、長尺な(長方形の長辺を形成する)二本の縦フレーム11,12と、その両端に懸架される短尺な(長方形の短辺を形成する)二本の横フレーム13,14によって、長方形状の周辺形状が形成されている。補強フレーム15〜18は、前記の縦フレーム11,12の間に懸架される複数の中間フレーム15〜17と、これらの中間フレーム15〜17を相互に、または横フレーム13,14とを連結する連結フレーム18とで構成され、周辺フレーム11〜14によって形成される長方形が格子状に分割される状態に配置し、長方形の形状を安定させている。
天板部Yは、テーブル本体Xの天部10を構成する矩形の周辺フレーム11〜14に指示されるものであり、当該フレーム11〜14の全体を覆う面積で設けられており、用途に応じて、適宜な面積(実質的にはテーブル本体の大きさ)と肉厚を有するように設けられる。この天板部Yについては、その材質を問うものではなく、木製のほかアクリル等の樹脂製であってもよく、合板の表面に化粧板を積層させる構成のものであってもよい。また、天板部Yは、天部10との間で強固に固定する構成でもよいが、分離可能としてもよい。
各脚部21a,21b,23a,23bは、矩形の四隅に各1本ずつ配置され、横フレーム13,14に平行な連結部24によって連結され、矩形フレーム11〜14の短尺方向に対称な二本の脚部(図中における符号の末尾aおよびbで区別された同じ数字による符号21,23)を一組としている。そして、この組ごとに(図は二組の)支持脚21,23が構成され、矩形フレーム11〜14の長尺方向の両側に各1組を設ける構成となっている。また、それぞれの脚部21a,21b,23a,23bは、いずれも二本の縦フレーム11,12に連結されるものであり、この縦フレーム11,12には、脚部21a,21b,23a,23bを回動自在に軸支するためのブラケット31a,31b,33a,33bが設けられている。このブラケット31a,31b,33a,33bは、脚部21a,21b,23a,23bを連結すべき位置に設けられ、それぞれブラケット31a〜33bにおいて、矩形フレーム11〜14の短尺方向に沿った軸線の枢軸によって軸支されるものである。従って、縦フレーム11,12の長手方向との間で角度が変化するように回動できるようになっており、折り畳まれた状態の脚部21a,21b,23a,23bは、縦フレーム11,12に重なる状態となるものである。
なお、縦フレーム11,12と脚部21a,21b,23a,23bとの間には、それぞれ個別に揺動部材8が懸架されるものである。この揺動部材8は、各組の脚部21a,21b,23a,23b(支持脚21,23)の回動に応じて同じ状態で揺動するものであることから、支持脚21,23を同時に同様の回動制御を行うために同じ組ごとに連結軸25によって連結されている。
上記のような構成により、脚部21a,21b,23a,23bは、各組(支持脚)ごとに、天部10(ブラケット31a,31b,33a,33b)に支持される軸を中心に回動可能となり、その脚部21a,21b,23a,23bを折り畳むことができる。なお、以下においては、脚部21a,21b,23a,23bが折り畳まれる前後の状態を脚部21a,21b,23a,23bの開閉と称することがあり、また、折り畳むように(横設状態に)作動させることを閉じると称し、折り畳みを解除するように(立設状態に)作動させることを開くと称することがある。そして、脚部21a,21b,23a,23bを開いた状態が開脚状態であり、分割用テーブルとして機能し得る形態となり、脚部21a,21b,23a,23bを閉じたる場合が折り畳まれた形態をなすものである。従って、図は脚部21a,21b,23a,23bが開いた状態(開脚状態)であって、使用状態におけるテーブルとして機能し得る状態を示している。
次に、トラックの箱形荷台分割用テーブルの概要について説明する。分割用テーブルとは、トラックの箱形荷台の内部空間を上下に分割するためのものである。そこで、トラックの箱形荷台のと分割用テーブルとの関係を説明する。図2は、トラックTRの箱形荷台CPに、2個の分割用テーブル1A,1Bを積載した状態を示す図である。この図では、前方に位置する一方の分割用テーブル1Aは、脚部を立設させてテーブルの状態により使用されるものであって、テーブル面(天部)を境にして荷台の内部空間を上下に分割させるような態様とするものである。これとは異なり、後方側に位置する他方の分割用テーブル1Bは、脚部が折り畳まれた状態となっており、荷台の内部空間を分割させるような態様としていないものである。これらの使用態様は説明の都合による例示であって、両分割用テーブル1A,1Bが荷台空間を分割し、または荷台空間を分割しない態様とすることもあり得る。さらには、荷台空間を分割しない形態の分割用テーブル1Bは、荷台から撤去する場合もあり得る。
このように、分割用テーブル1A,1Bは、脚部を折り畳み可能となっているものであり、運搬すべき荷物の大きさによって、いずれの形態とするかを選択できるものである。すなわち、比較的小型の荷物LD1〜LD3を積載する場合には、分割用テーブル1Aの脚部を立設状態とし、その分割用テーブル1Aを境に上下に分かれる空間を利用して荷物LD1〜LD3を積載するのである。これは、小型の荷物LD1〜LD3を積載する荷台CPが大きい空間を有する場合、単純に複数の荷物を積み上げるとすると、上側の荷物の重量によって下側の荷物(または外装容器等)が押し潰されることを回避するためである。他方、大型の荷物LD4を積載する場合には、荷台CPの空間を最大限利用するため、分割用テーブル1Bを折り畳み、床面付近まで下降させる(または使用しない)ものとしている。分割用テーブル1Bが折り畳まれているため、その上方の空間を広く使用でき、大型の荷物LD4を積載し得るのである。
なお、図示の分割用テーブル1A,1Bは、双方ともに同じ構造であり、使用の状態を異ならせたものである。そこで、これらの分割用テーブル1A,1Bの一方を例示し、その構造を詳述する。
図3は、分割用テーブル1A(1B)の全体構造を図示したものである。この図に示すように、分割用テーブル1A(1B)は、前述の折り畳みテーブルと基本的に同様の構成としている。本実施形態では、折り畳みテーブルとの区別を容易にするため、矩形フレーム11〜14の長尺方向に対して両側の支持脚21,23に加え、これらの中間的な位置にも支持脚22(脚部22a,22b)を設けている。この中間位置の脚部22a,22bについてもブラケット32a,32bによって支持する構成としており、このブラケット32a,32bの枢軸によって回動可能としている。そして、この中間位置の脚部22a,22bを折り畳んだ状態においては、両側に配置される支持脚21a,21b,23a,23bと重なることなく、両者の中間に横設できるように、ブラケット32a,32bの位置が調整されている。
なお、分割用テーブル1A(1B)についても、天部10は、矩形の周辺部を形成する周辺フレーム11〜14と、その内部に格子状に配置された補強フレーム15〜18とで構成されている。また、フレーム11〜18によって構成される天部10については、図示しない平板状の天板部を設置することにより、前述の折り畳みテーブルと同様の構成とすることができる。そして、この天板が補強フレーム15〜18の上部に設置されることにより、適宜面積のテーブル面が形成され、全体として一般的なテーブルと同様の形態となり得る。この天板は、積載される荷物の重量を支持できるものであれば、その材質を問うものではなく、適宜な材料を選択することができることは折り畳みテーブルと同様であり、天板部を天部10に固定するか分離可能とするかも任意である。積載すべき荷物の種類や重量によって異なるが、天板を設置することにより、比較的小型の荷物を天部10に載置することができる。また、補強フレーム15〜18による格子状部分に積載可能な大きさの荷物を載置する場合には、天板を設置しない状態で使用することも可能である。
本実施形態においては、天部10を構成する二本の縦フレーム11,12の下方に、それぞれ後述するフォーク挿入部4,5が設けられている。これは、トラックの箱形荷台に対する本実施形態の積み卸しを容易にする目的を有するが、後述のように、脚部21a〜23bの開閉操作において天部10を昇降させる際に、フォークリフトを使用できるようにすることをも目的としたものである。すなわち、通常の折り畳みテーブルとは異なり、分割用テーブルは、全体として大型であり、また、強度保持のためにフレーム11〜18などの寸法も大きく、全体重量が大きくなるためである。なお、各脚部21a〜23bのそれぞれの下端には転動部材6が設けられ、脚部21a〜23bの開閉操作時における重量分散を可能としており、また、各部21a〜23bの側面(回動方向の外側に位置する面)には接地突起7が設けられ、折り畳まれた状態において、床面等の表面に接地された状態の重量分散を可能としている。これらの縦フレーム11,12と脚部21a〜23bとの間には、前述の折り畳みテーブルと同様にそれぞれ揺動部材8が懸架されるものである。
上記のような構成により、分割用テーブル1A(1B)においても、脚部21a〜23bは、各組(支持脚)ごとに、天部10(ブラケット31a〜33b)に支持される軸を中心に回動可能となり、その脚部21a〜23bを折り畳むことができるものである。
次に、脚部が回動する状態を説明する。ここでは、箱形荷台分割用テーブル1Aを例示して説明するが、他の分割用テーブル1Bおよび折り畳みテーブル1の場合も同様である。図4は、分割用テーブル1Aが変化する代表的な状態を示す。この図4(a)に示されるように、脚部21a〜23bが開いた状態では、当該脚部21a〜23bは立設状態であり、天部10は荷台表面Lから所定の高さに位置する状態となっている。この脚部21a〜23bを折り畳む場合は、当該脚部21a〜23bを傾斜させ(図4(b)参照)、天部10を下降させる。さらに、天部10を下降させることにより、天部10は、ブラケット31a〜33bに支持された状態で折り畳まれる(図4(c)参照)。他方、脚部21a〜23bが折り畳まれた状態(図4(c))から脚部21a〜23bを開く場合には、天部10を上昇させることにより、脚部21a〜23bは傾斜状態となり(図4(b))、最終的には立設状態となる(図4(a))。
本実施形態の分割用テーブル1Aの場合においては、天部10の昇降の際に、例えばフォークリフトを使用することができる。天部10に設けられているフォーク挿入部4,5にフォークリフトのフォークを挿入し、そのフォークを昇降させることによって、天部10を昇降させることができるのである。このとき、各脚部21a〜23bの先端近傍には、脚部21a〜23bの傾倒時に荷台表面Lを転動する転動部材(ローラ)6が設けられていることから、脚部21a〜23bが角度を変更する際、荷台表面Lとの間における移動を円滑なものとなる。例えば、天部10の下降に際しては、天部10と荷台表面Lとの距離が短縮することに合わせて、脚部21a〜23bの傾斜角度が大きくなる方向へ誘導し、他方、天部10の上昇に際しては、天部10が荷台表面Lから離れることに合わせて、脚部21a〜23bを立設方向へ誘導することとなる。
また、各脚部21a〜23bの開閉方向外側(横設状態において下側)に位置する表面には、接地突起7が設けられていることから、各脚部21a〜23bが横設状態において、荷台表面Lに載置されるとき、当該接地突起7が荷台表面Lに接地し(図4(c))、脚部21a〜23bの本体部分と荷台表面Lとの接触を防ぎつつ、分割用テーブル1Aの全体重量を支えるようになっている。この状態において、ブラケット31a〜33bは、荷台表面Lとの間に僅かな間隙を形成させてもよく、この接地突起7と同時に接地して全体で分割用テーブル1Aを支える構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、それぞれ二本の脚部21aを一組の支持脚とし、これを三組21,22,23(脚部の成符号末尾のaおよびbを省略)設けたものである。そのため、図4(c)に示すように、それぞれの支持脚21〜23が折り畳まれた状態では、全てが天部10(縦フレーム11,12)と平行な状態(横設状態)となり、少なくともブラケット31a〜33bの突出長(高さ方向)の内側に収納された状態となる。このとき、天部10(縦フレーム11,12)の両端において支持される二組の支持脚21,23は、それぞれ先端を対向させる状態としており、中間に位置する支持脚22は、当該両側の支持脚21,23の間において横設可能な位置に配置されるものである。
また、折り畳まれた状態(横設状態)の脚部21a〜23bは、その状態でロックされる構成としていないことから、回動が自在な状態となっている。そこで、脚部21a〜23bが折り畳まれた状態を維持するためには、例えば、箱形荷台の床面上に載置される場合には、天部10の重量により、脚部21a〜23bを押圧することにより、横設状態が維持される。従って、天部10を上昇させれば、直ちに、脚部21a〜23bを立設状態へ変化させることが可能となっている。
ここで、それぞれの脚部21a〜23bの回動制御機構について説明する。脚部21a〜23bの開閉状態を制御するためには、各ブラケット31a〜33bの近傍において、縦フレーム11,12と脚部21a〜23bとの間に、揺動部材8が懸架された状態で設けられる。そのための構造を図5に示す。なお、全ての脚部21a〜23bは同様の機構であることから、図5は、そのうちの代表的な脚部(符号を単に2とする)と、これを支持する代表的なブラケット(符号を3とする)と、揺動部材8およびこれを支持する縦フレーム11の関係を示している。また、縦フレーム11は、単一の部材で構成することもできるが、ここでは、主フレーム11aと、補助フレーム11bとで構成されたものを示している。
この図に示されるように、揺動部材8は長尺な略長方形の板状に形成されており、基端80aにおいて支承されている。この支承は回動が可能な状態とすることにより、自由端80bを揺動させ得る構成としている。そこで、縦フレーム11(補助フレーム11b)に揺動部材8の基端80aを支持するための支持部9を設けている。この支持部9は、縦フレーム11(補助フレーム11b)と一体に構成されるものであり、図のように、縦フレーム11(補助フレーム11b)に固着する構成のほか、補助フレーム11bの一部を加工して基端80aを支承し得る構成としてもよい。ここでは、補助フレーム11bに支持部9を固着した形態を例示している。このような支持部9が基端80aを支承し得る構成とするために、基端80aの近傍には貫通孔81が設けられ、支持部9には貫通孔81を挿通し得る支持軸91が設けられている。支持軸91を貫通孔81に挿通させることによって、揺動部材8は、支持軸91の軸線を中心として回動自在(揺動し得る状態)に装着されるものである。なお、本実施形態は、支持軸91に雄ネジを刻設し、揺動部材8の表面側から座金92を介在させつつナット93で締着させることにより、揺動部材8の装着状態を安定させている。
また、揺動部材8の自由端80bの近傍には、規制部82が設けられている。この規制部82は、長穴状(スリット状)に貫設されており、脚部2に設けられる係合部83が規制部82に係合されることにより、当該係合部83の移動を許容および制限し、脚部2の回動状態を制御することができるようになっている。
この係合部83は、脚部2の片側表面に突出する突起部によって構成されるものであり、スリット状に貫設された規制部82の内部を挿通させることによって係合し得るものである。なお、係合状態を安定させるため、先端に雄ネジを刻設し、揺動部材8を挟んでナット84によって締着させ得る構成としている。また、係合部83と揺動部材8の表面との摺接を円滑にするため、揺動部材8の表裏両面に摺接する摺接板85,86が設けられている。さらに、揺動部材8には連結軸25が設けられ、対称に配置される同種の揺動部材8との連動を可能にしている(図1または3参照)。
ブラケット3は、フレーム11および脚部2の両側に配置される二枚の対向面部34,35を有する構成であり、部分的な断面形状をコ字状とするものである。縦フレーム11を構成する主フレーム11aの先端はブラケット3の上部において連結され、補助フレーム11bの先端は、ブラケット3の対向面部34,35の間に配置され、溶接等によって固着されるものである。他方、脚部2の上端近傍は、対向面部34,35の間に配置された状態で支持軸36によって軸支され、この支持軸36を中心に回動自在に構成されている。なお、対向面部34,35はいずれか一方のみを一枚で構成することによって脚部2を支持させてもよいが、強度保持のため両側から支持できるように二枚の対向面部34,35によって構成している。また、本実施形態では、二枚の対向面部34,35を連結して断面略コ字状としており、この連結によってさらに強度を維持させるようにしている。
上記のような構成であるから、脚部2は、支持軸36を中心に回動し、その回動により前述の開閉動作を可能にしている。また、この回動に伴って、係合部83は、当該支持軸36の周囲を円形軌道に沿って移動することとなるが、この移動に際し、揺動部材8の規制部82に係合された状態であるため、係合部83が規制部82において許容される範囲において、その移動が可能であり、一時的に移動を制限することも可能となる。
そこで、図6〜図8に基づき、脚部2と揺動部材8との関係を説明する。図6(a)に示すように、揺動部材8に設けられる規制部82は、揺動部材8の長手方向に向かって係合部83の移動を許容する許容領域82aと、先端側において係合部83の移動を停止させるための停止領域82bと、中間地点において係合部83の移動を一時的に制限するための保持領域82cとに区分されている。
許容領域82aは、脚部2が回動する際の回動軌跡沿った方向に設けられ、脚部2が立設状態から横設状態に至る範囲で回動する際、係合部が許容領域の両端までの範囲内で移動可能な長さに設けられている。これに対し、停止領域82bは、当該許容領域82aの方向から逸脱する方向に延出するように設けられ、揺動部材8が揺動することにより、係合部83が当該停止領域82bに移動できるものとなっている。また、保持領域82cは、許容領域82aの途中において、当該許容領域82aの一部を切欠いた形状に構成されており、許容領域82aに沿った方向から係合部83を一時的に離脱させることができるように形成されている。なお、停止領域82bは、許容領域82aを基準に上方へ逸脱する方向に設けられており、保持領域82cは、許容領域82aを基準に下方へ逸脱する方向に設けられている。
上記のような構成によって、係合部83が許容領域82aの最も先端側に係合している状態(図6(a))から、揺動部材8を下向きに回動(自由端80bを揺動)させることにより、係合部83の位置をそのまま維持しつつ、当該係合部83が停止領域82bに移動し、この係止領域82bにおいて係合されることとなる(図6(b))。このような係合状態においては、脚部2の回動に伴う係合部83の移動方向が停止領域82bによって制限され、当該脚部2が所定状態で停止することとなる。このときの揺動部材8の揺動は、図6(a)に示す状態から自由端80bが下向きに揺動するものであるため、揺動部材8の自重によっても揺動可能である。このように停止領域82bに係合される状態における脚部2は、図6(b)に示すような立設状態となっており、この状態において、脚部2が天部10を支持するテーブルとして機能させ得る状態となるのである。なお、図示のように、ブラケット3の内部表面には脚部2の上端に向かって突出するストッパ87を設けることにより、脚部2が逆向きの回動(必要以上の開脚)を制限させることができる。
他方、図6(a)の状態から脚部2が回動する場合には、係合部83は許容領域82aを基端80aの方向へ移動することとなる。この状態を図7に示す。図7(a)に示されるように、許容領域82aが、脚部2の回動に伴って弧状に移動する係合部83の軌跡に沿った弧状の形状に設けられることにより、揺動部材8は揺動することなく、係合部83のみを移動させることも可能となる。そして、この許容領域82aに沿って大きく移動させることにより、脚部2を横設状態まで回動させることができる(図7(b))。なお、許容領域82aは、揺動部材8の基端80aの側においては、十分な遊びを有する程度に移動可能としており、また、この位置において脚部2の回動を規制することなく、自重により開脚方向への回動を可能にしている。
ところで、許容領域82aは、長穴状に貫設された構成であるため、この長穴の長端縁は、鉛直方向に対して上下二つの端縁を有している。そして、揺動部材8の基端80aの側の先端(後端)と自由端80bの側の先端(前端)との間を係合部83が移動する際には、当該係合部83は上位の長端縁に沿った状態で移動する。これは、揺動部材8が回動自在であり、自重によって自由端80bが下向きに付勢されることから、長端縁は上側のみが係合部83に摺接するためである。
そこで、揺動部材8を上記自重に抗し、自由端80bを上向きに揺動させることによって、長端縁の下側を係合部83に摺接させることができる。この自重に抗した揺動は、人為的に操作されるものである。そして、このように下側の長端縁が係合部83に摺接する場合、その一部(中間的な位置)において、保持領域82cが形成される部分に係合部83を移動させることができるのである。
図8(a)に示すように、保持領域82cは、許容領域82aの長手方向に対して、下向きに切欠かれたものであるが、揺動部材8の自由端80bの側の切欠き形状は、許容領域82aの下側長端縁から急激な角度を呈し、かつ弧状に切欠かれたものであり、これによってストッパ状当接縁部82caが形成されている。このストッパ状当接縁部82caは、係合部83の円形断面と同径の弧状端縁によって構成されている。他方、基端側80aの側は、下側長端縁に対して緩やかな角度により傾斜した状態に切欠かれており、これによって案内当接縁部82cbが形成されている。
ストッパ状当接縁部82caとは、係合部83が当接することによって所定方向への移動を停止させるストッパとして機能することを意味するものであって、具体的には、許容領域82aとの間に大きな段差が形成されており、許容領域82aへ移動するには人為的に揺動部材8を揺動させる必要があり、その結果として、係合部83に対し、揺動部材8の自由端80bの方向へ(脚部2が立設状態となる方向へ)の移動を停止させるものである。他方、案内当接片部82cbとは、係合部83の当接を受けつつ所定方向への移動を案内する機能を有することを意味し、具体的には、係合部83を揺動部材8の基端80aの側へ(脚部2が横設状態となる方法へ)誘導し、さらに許容領域82aへ復帰させる方向へ案内するものである。
なお、ストッパ状当接縁部82caに当接される係合部83は、脚部2の自重が作用することにより、脚部2が回動しようとする方向に付勢力が作用することとなるが、係合部83が保持領域82cに移動している状態は、脚部2が傾倒している状態であるため、係合部83に作用する付勢力は、揺動部材8の自由端80bの方向への引張り力として作用する。そして、この引張り力によって保持領域82cが引っ張られることにより、揺動部材8は揺動(回動)が制限され、保持領域82cにおいて係合部83が保持された状態となるのである。
上記のような構成において、係合部83が保持領域82cに存在している場合、揺動部材8が揺動しなければ、係合部83は、保持領域82cから脱することはできないが、前述の付勢力が作用しない(脚部2の自重が作用しない)状態になれば、揺動部材8の自重により回動することができる。また、係合部83は揺動部材8の基端80aの側への移動が可能であり、脚部2の傾倒状態をさらに大きくすることにより、係合部83は揺動部材8の基端80aの側へ誘導されることとなる。
従って、上記状態から脚部2をさらに傾倒させ、係合部83を揺動部材8の基端80aの側へ移動させることにより、図8(b)に示すように、係合部83は案内当接縁部82cbに沿って移動し、保持領域82cから脱し、許容領域82aに復帰し、さらに基端80aに向かって移動させ得ることとなるのである。このときの係合部83の移動(脚部2の横設状態となる方向への回動)は、脚部2の下端を荷台底面に摺接させた状態で、天部を下降する(自重により下降させる)ことにより、荷台底面と天部との間に挟まれた脚部2が、傾斜角度を大きくするように傾倒することになるのである(図4参照)。なお、脚部2の下端が荷台底部に摺接されることにより、脚部2の自重(係合部83の付勢)の作用が解消されることから、係合部83は、案内当接縁部82cbによる移動方向の案内を受けることなく、揺動部材8が自ら揺動することにより、許容領域82aに復帰する場合もあり得る。従って、案内当接縁部82cbは、そのような揺動部材8の揺動が生じない場合に、補助的に機能するものとして設けられるものであってもよい。
次に、複数の脚部によって一組の支持脚を構成する形態を詳述する。図3において示したように、複数の脚部21〜23bは、上端を天部10に回動自在に軸支されるものであるが、これらは、個別に軸支され、単独で回動し得る構成としてもよいが、同じ方向へ回動するもの(対称な位置に設置されているもの)を連結することにより連動させてもよい。この連動に伴って、揺動部材8についても対称な位置に設置されるもの連結する構成とすることができる。
すなわち、図9に示すように、対称な位置に配置される複数(図は2本)の脚部2a,2bの先端を連結部24によって連結し、全体として支持脚を構成するのである。対称に位置に支持される脚部2a,2bとは、一方の脚部2aが、片方の縦フレーム11に支持されるものであり、他方の脚部2bが、対向する他の縦フレーム12に支持されるものである。これらの両脚部2a,2bは、開閉動作において同じ方向へ回動するものである。そして、脚部2a,2bの支持側は、縦フレーム11,12によって、その位置が固定されることから、先端(または先端近傍)を連結することにより、全体として矩形枠体を形成しつつ支持脚として一体的に作動することとなる。
また、揺動部材8は、個々の脚部2の回動軸近傍に設置されるが、上記のように対称な二つの脚部2a,2bを連動させることに伴い、それらの回動を制御するために設置される各揺動部材8a,8bも連結軸25によって連結するのである。脚部2a,2bが対称な関係にあるため、二つの揺動部材8a,8bも対称な位置に配置される。すなわち、両揺動部材8a,8bは、二つの脚部2a,2bが相互に対向する表面側に設けられるのである。これにより、揺動部材8a,8bを連結する連結軸25は、揺動部材8a,8bの自由端近傍に設ける場合であっても、脚部2a,2bに接触することなく両者を連動させることができる。このように、対称な揺動部材8a,8bを連結することにより、両揺動部材8a,8bは、各脚部2a,2bの回動を同時に許容し、停止し、保持することができる。
本発明の実施形態は上記のとおりであるから、脚部を広く場合には、天部10を人為的に(場合によってはフォークリフト等によって)吊り上げることのみにより脚部21a〜23bを開くことができ、また、脚部を閉じる場合には、脚部を閉じる際の当初においてのみ少しの人為的操作を加えることにより、その後は天部を下降させることのみにより脚部21a〜23bを折り畳むことができるのである。
そこで、その際の作動態様を説明する。図10は脚部21a〜23bを開く際の作動態様を示し、図11は折り畳む際の作動態様を示すものである。なお、ここでは、代表的な脚部2を例示して説明する。
まず、脚部2を開く前の状態では、脚部2が折り畳まれており、このとき脚部2の係合部83は、揺動部材8の規制部82のうち、許容領域に存在している(図10(a))。このときの係合部83は、規制部82の内部を自在に移動できる状態である。
そして、この状態からテーブル1の天部10を上昇させることにより、脚部2は自重により先端を下向きにして傾倒する状態となる(図10(b))。このとき、揺動部材8にも自重が作用し、自由端側が下方に強制されている。従って、係合部83は許容領域を移動することとなる。
さらに、天部10を上昇させることにより、脚部2は、その自重により先端を下にし、最終的には立設状態となる(図10(c))。このとき、係合部83は、許容領域の末端(揺動部材8の自由端側における停止領域との境界)まで移動することとなる。この状態において、揺動部材8には自重が作用するため、この自重が自由端を下方とする揺動方向へ作用する。この揺動により係合部83は、停止領域に移動することができるのである。
なお、係合部83が停止領域に移動するのは、揺動部材8が自由端を下方へ揺動することによる相対的な効果である。そこで、揺動部材8の自重が作用することによって、その揺動を可能にするものであるが、これが揺動部材8の自重のみによって揺動できず、または係合部83が規制部82の端縁に接触するなどによって、円滑な揺動が困難な場合には、人為的に揺動部8を揺動させてもよい。このときの人為的な揺動は、連結軸25を下方に押し下げれば、これに連結される複数の揺動部材8を同時に揺動させることができる。
他方、脚部を折り畳む場合には、まず、係合部83を規制部82の停止領域から許容領域に移動させることが必要となる。ここでは、脚部2は立設状態であり、揺動部材8の自重が作用して、係合部83は停止領域に存在している。そこで、揺動部材8を人為的に揺動させることにより許容領域へ移動させるのである。この揺動の方向は、自由端を上方へ押し上げる方向であり、連結軸25を上向きに押し上げることによって容易に操作することができる(図11(a))。この状態で、脚部2は回動自在な状態となるものである。このとき、天部10は、フォークリフト等によって僅かに吊り上げ、脚部2の下端を接地面から上昇させている。なお、天部10の吊り上げは揺動後でも可能であるが、一連の人為的操作を一度に行うためには、当初より天部10を上昇させておくことが好ましい。
次に、回動自在な状態の脚部2を人為的に回動させ、脚部2を傾倒させるのである。この傾倒の程度は、傾倒状態が保持され得る程度であり、その傾倒状態において揺動部材8をさらに揺動させることにより、係合部83を規制部82の保持領域に移動させるのである(図11(b))。揺動部材8の揺動は、やはり自由端を上方へ向ける方向であり、揺動部材8の自由によって揺動する方向とは逆向きである。そして、係合部83を保持領域内に移動させ、脚部2が傾倒した状態に保持するのである。
上記のように人為的操作により、脚部2を傾倒状態で保持させた後は、天部10を下降させることにより、脚部2の先端が接地面上を摺動させ、横設状態まで回動させるのである(図11(c))。天部10の下降は、例えば、フォークリフト等によって吊り上げた状態から天部を下ろすことでよく、天部10の重量が傾斜した脚部2に作用して、脚部2の回動を誘導することとなる。なお、保持領域に位置する係合部83は、脚部2の先端が接地面上に到達した時点で、許容領域に移動することとなる。これは、脚部2の重量が揺動部材に作用しなくなり、揺動部材8が自重によって揺動し得ること、さらには、保持領域の案内当接縁部に沿って係合部が許容領域に案内されることによるものである。
上記のように、本実施形態の構成によれば、脚部2を開く場合には、基本的に人為的操作を不要にし、折り畳む場合には、脚部2を傾倒状態とするための人為的操作のみを要し、その他に人為的操作が不要となる。従って、極めて容易な操作によって脚部2の開閉を行うことができる。なお、脚部2を立設状態とすることによって、分割用テーブル1は、一般的なテーブルと同様の機能を有し、その天部10に荷物を積載することができることは当然であり、この状態において、係合部83は規制部82の停止領域に位置し、揺動部材8の自重によって、その状態が維持されることから、テーブルとしての状態を安定させることができる。
以上において、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は本発明の一例を示すものであって、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、脚部2の下端に設けられる転動部材6は、適宜個所に設ければよいが、脚部2の先端が接地面上を摺動する際に、特に、折り畳み時において、脚部2の回動を誘導する際に、その摺動に代えて転動により先端を移動させることができる位置に設けることができる。また、転動部材6は、所定方向に回動可能な状態で設けられれば、その構成を問うものではない。従って、例えば、図12に示すように、当該転動部材6を脚部2の一部表面にのみ設けるものとすることができる。図の転動部材6は、脚部2が立設状態から横設状態へ回動する方向に対して外側に設けられ、脚部2が僅かに傾倒した状態において接地面に当接できるようにしている。すなわち、脚部2の下端近傍において、当該外側に突出する断面略コ字状の基部61にローラ62が設けられた構成であり、このローラ62の表面が接地面に当接することによって転動可能となっている。また、このローラ62が、脚部2の回動中心(脚部2がブラケット3で支持される支持軸36の軸線)と平行な回動軸63によって支持され、脚部2が回動するとき、その脚部2の下端が移動する(摺動する)方向に対して転動できるようにしている。
また、トラックの箱形荷台分割用テーブルに係る上記実施形態では、合計六本の脚部21a〜23bを三組の支持脚として使用する形態であるが、これを二組の支持脚(4本の脚部)で構成してもよい。図13は、4本の脚部121a,121b,122a,122bによって構成した分割用テーブル100を例示するものである。図13(a)に示すように、矩形の天部110の四隅に各1本の脚部を設けることにより、天部110の長手方向両側に各1組ずつの支持脚を配置することができる。このとき、両支持脚121,122は、相互の内向きに回動し(図13(b))、折り畳まれた状態では、各脚部121a〜122bの先端は相互に対向する状態となる。
さらに、天部に天板を設ける形態の場合には、図14に示すように、天部210の形状(矩形)に合わせた平板状の天板220を天部210に載置するように構成することができる。このとき、天部210は、前述のように周辺のフレームのほかに格子状の補助フレームを有することから、この補助フレームによって天板220を支持させることができる。なお、天板220の位置を固定的なものとするため、周辺を構成するフレームの内側に内接できる大きさとすることが好ましい。なお、図の天板220は1枚の平板によって構成するものを示しているが、複数に分割してもよい。このように天板220を有する分割用テーブル200は、テーブル面が平面状となるため、小さな荷物を積載することが可能となる。
なお、上記実施形態は、いずれもフォーク挿入部を有する構成であるため、フォークリフトによって天部を容易に昇降させることが可能であるが、この天部の昇降は、フォークリフトによらなければならないものではなく、クレーン等によって吊り上げることも可能である。クレーン等を使用する場合には、例えば、周辺のフレームの対向する二本、または、天部の四隅(周辺のフレームが交差する隅部)にワイヤ等の先端を係止し、このワイヤをクレーン等で吊り上げることによることも可能である。
また、揺動部材8は、自重の作用によって自由端を下方に付勢し得る構成としているが、当該方向へ付勢するためのバネ等を設けてもよい。例えば、縦フレーム11に設けられる支持部9の支持軸に捻りコイルバネを介在させることによる方法があり得る。さらに、脚部21a〜23bは、折り畳まれた状態(横設状態)でロックされないものとしたが、搬送時における便宜のためロックし得る構成としてもよい。この場合は、取り外し可能なコ字状またはC字状の係止部材によって、天部を脚部を同時に挟持させる構成などがあり得る。