JP6556591B2 - ロールボックスパレット - Google Patents

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Description

本発明は、ロールボックスパレットに関する。特に、前面を開口し、外周の三面を枠で囲ったキャスター付きのロールボックスパレットであって、荷物を積み込んだ状態で容易に移動でき、トラックで搬送できると共に、荷卸しが容易なロールボックスパレットの構造に関する。
ロールボックスパレットは、「かご台車」とも呼ばれるキャスター付きの箱形のパレットである。一般に、ロールボックスパレットは、荷物を積み込み自在な底板の前面を開口し、底板の周囲の三面を格子状の枠で囲っている。ロールボックスパレットは、荷物を積んだ状態で荷物を保管でき、荷物を積んだ状態でトラックに積載できる。ロールボックスパレットは、前面から荷卸しが容易であることなどから、多くの物流場面で使用されている。
ところで、ロールボックスパレットは、荷物を降ろした後に、保管スペースを確保するため、折畳み式のロールボックスパレットが普及している。このような折畳み式のロールボックスパレットであって、折り畳まれた状態に施錠できるロールボックスパレットが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−227096号公報
図13は、従来技術によるロールボックスパレットの構成を示す斜視図であり、ロールボックスパレットを使用している状態図である。図14は、従来技術によるロールボックスパレットの構成を示す斜視図であり、ロールボックスパレットを折り畳んだ状態図である。なお、本願の図13と図14は、特許文献1の図1と図2に相当している。
図13又は図14を参照すると、従来技術によるロールボックスパレット(以下、「かご台車」という)9は、矩形の底板91、格子状の後枠92、及び、一対の格子状の側枠93・93を備えている。又、「かご台車」9は、施錠手段94を備えている。施錠手段94は、底板91及び一方の側枠93を後枠92に折り畳んだ状態で維持できる(図14参照)。
図13又は図14を参照すると、底板91には、図示しない荷物を搭載できる。後枠92は、L形チャンネル状の下枠部材921と丸パイプからなるC字状の外枠部材922で外殻を構成している。外枠部材922は、その両端部を下枠部材921に溶接などで接合している。又、下枠部材921は、底板91の後端部と回転自在に連結している。
図13又は図14を参照すると、側枠93は、L形チャンネル状の下枠部材931と丸パイプからなるC字状の外枠部材932で外殻を構成している。外枠部材922は、その両端部が下枠部材931に溶接などで接合されている。又、下枠部材931は、底板91の両側部を支持している。
図13を参照すると、下枠部材931は、その両端部にキャスター93cを取り付けている。図13に示した状態では、「かご台車」9は、その四隅にキャスター93cを配置できる。「かご台車」9は、図示しない荷物を搭載した状態で容易に移動できる。
図13又は図14を参照すると、後枠92と一対の側枠93・93は、隣接する一対の枠柱を複数のヒンジ部材95で回動自在に連結している。又、一対の側枠93・93は、それらの開口側にサイドバー96を掛け渡している。サイドバー96は、その基端部が他方の側枠93の前枠柱に回動自在に連結している。一方、サイドバー96は、その先端部が一方の側枠93の前枠柱に着脱自在に係止している。
図13を参照すると、「かご台車」9は、一対の側枠93・93を後枠92とサイドバー96で連結することで、内部に荷物を収容自在に、箱形に形成している。
図13に示した状態から、サイドバー96の先端部を一方の側枠93の前枠柱から解除すると、底板91を後枠92に折り畳んだ後に、一方の側枠93を後枠92に折り畳むことができる(図14参照)。そして、施錠手段94で底板91及び一方の側枠93を後枠92に折り畳んだ状態で維持できる(図14参照)。なお、施錠手段94の詳細な説明は省略する。
図13又は図14を参照すると、従来技術による「かご台車」9は、底板91及び一方の側枠93を後枠92に折り畳んだ状態で維持できるので、保管スペースを確保できる。
しかし、図13を参照すると、従来技術による「かご台車」9は、底板91が床面から所定の高さに配置されている。このため、荷物を床面に降ろすときに、労力を要するという問題がある。
荷物を搭載しているときは、底板を床面から所定の高さに維持でき、荷物を床面に降ろすときは、底板を床面に着地できる、便利なロールボックスパレットが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、通常、底板を床面から所定の高さに維持でき、荷物を床面に降ろすときは、底板が床面に着地自在なロールボックスパレットを提供することを目的とする。
本発明者らは、底部に複数のキャスターを取り付け、所定の間隔で離隔した一対のベース部材で構成したベース架、ベース架と昇降自在に連結し、中央部に底板を配置した箱状の連結架、及び、ベース架に対して連結架を昇降させる「てこ」クランク機構でロールボックスパレットを構成し、「てこ」クランク機構に備わるクランクハンドルを一方の方向に回動したときは、底板を床面から所定の高さに維持でき、クランクハンドルを他方の方向に回動したときは、底板を床面に着地できるように、「てこ」クランク機構を構成することで、上記の課題を解決できると考え、これに基づいて、以下のような新たなロールボックスパレットを発明するに至った。
(1)本発明によるロールボックスパレットは、荷物を内部に収容自在に前面を開口し、外周の三面を枠で囲った移動自在なロールボックスパレットであって、所定の間隔を設けて略平行に配置され、底部に複数のキャスターを取り付けた一対の第1下枠部材を有するベース架と、前記ベース架と昇降自在に連結した一対の第2下枠部材を有し、底板を中央部に配置した箱状の連結架と、前記連結架の両側面に配置され、前記ベース架に対して前記連結架を昇降させる一組の「てこ」クランク機構と、を備え、前記第1下枠部材は、略平行に立設した一対の立設架を有し、前記第2下枠部材は、これらの立設架をスライド自在に案内する開口を有し、前記「てこ」クランク機構は、前記連結架と一体に昇降自在な支軸を前記連結架の両側面に支持したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを手動で回動させるクランクハンドルと、前記支軸から前記クランクハンドルと反対方向に偏心した位置に配置したクランクピンと、を有し、前記立設架は、前記クランクピンを内部の矩形開口に遊動自在に収容した角筒状の継手を上部に有し、前記クランクハンドルを一方の方向に回動したときは、前記クランクピンに対して前記支軸を上方に位置させて、前記ベース架に対して前記連結架が上昇することで、前記底板を床面から所定の高さに維持でき、前記クランクハンドルを他方の方向に回動したときは、前記クランクピンに対して前記支軸を下方に位置させて、前記ベース架に対して前記連結架が下降することで、前記底板を床面に着地させる。
(2)本発明によるロールボックスパレットは、前記クランクハンドルを一方の方向に回動した状態を維持するハンドル押え具を更に備えることが好ましい。
(3)前記ハンドル押え具は、高さ方向に移動自在に配置していることが好ましい。
本発明によるロールボックスパレットは、底部に複数のキャスターを取り付けたベース架、ベース架と昇降自在に連結した連結架、及び、ベース架に対して連結架を昇降させる「てこ」クランク機構を備え、クランクハンドルを一方の方向に回動したときは、底板を床面から所定の高さに維持できるので、荷物を容易に移動できる。一方、クランクハンドルを他方の方向に回動したときは、底板を床面に着地させるので、荷物を床面に降ろすことが容易である。
本発明の一実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す平面図である。 前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す正面図である。 前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す右側面図である。 前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す背面図である。 前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す正面図であり、底板が床面に着地した状態図である。 前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す右側面図であり、底板が床面に着地した状態図である。 前記実施形態によるロールボックスパレットに備わる「てこ」クランク機構を拡大した正面図である。 図7のA−A矢視断面図である。 前記実施形態によるロールボックスパレットに備わる「てこ」クランク機構の構成を示す斜視図である。 前記実施形態によるロールボックスパレットに備わる「てこ」クランク機構を拡大した斜視分解組立図である。 図8の状態変化図であり、クランクハンドルを水平状態に配置した状態図である。 図11の状態変化図であり、クランクハンドルを下方に配置した状態図である。 従来技術によるロールボックスパレットの構成を示す斜視図であり、ロールボックスパレットを使用している状態図である。 従来技術によるロールボックスパレットの構成を示す斜視図であり、ロールボックスパレットを折り畳んだ状態図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[ロールボックスパレットの構成]
最初に、本発明の一実施形態によるロールボックスパレットの構成を説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す平面図である。図2は、前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す正面図である。図3は、前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す右側面図である。
図4は、前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す背面図である。図5は、前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す正面図であり、底板が床面に着地した状態図である。
図6は、前記実施形態によるロールボックスパレットの構成を示す右側面図であり、底板が床面に着地した状態図である。図7は、前記実施形態によるロールボックスパレットに備わる「てこ」クランク機構を拡大した正面図である。図8は、図7のA−A矢視断面図である。
図9は、前記実施形態によるロールボックスパレットに備わる「てこ」クランク機構の構成を示す斜視図である。図10は、前記実施形態によるロールボックスパレットに備わる「てこ」クランク機構を拡大した斜視分解組立図である。
図11は、図8の状態変化図であり、クランクハンドルを水平状態に配置した状態図である。図12は、図11の状態変化図であり、クランクハンドルを下方に配置した状態図である。
(全体構成)
次に、本発明の一実施形態によるロールボックスパレットの全体構成を説明する。図1から図12を参照すると、本発明の一実施形態によるロールボックスパレット(以下、「かご台車」という)10は、ベース架1、箱状の連結架2、及び、一組の「てこ」クランク機構3・3を備えている。
図1から図6を参照すると、ベース架1は、一対の角パイプからなる第1下枠部材11・11を有している。一対の第1下枠部材11・11は、所定の間隔を設けて略平行に配置されている。又、第1下枠部材11は、その長手方向の前後に一組のキャスター1c・1cを取り付けている。
図1から図6を参照すると、連結架2は、一対の角パイプからなる第2下枠部材21・21を有している。一対の第2下枠部材21・21は、ベース架1と昇降自在に連結している。又、連結架2は、略矩形の底板2bを中央部に配置している。
図1から図12を参照すると、一組の「てこ」クランク機構3・3は、連結架2の両側面に配置されている。一組の「てこ」クランク機構3・3は、ベース架1に対して連結架2を昇降させることができる。
図1から図6を参照すると、第1下枠部材11は、略平行に立設した一対の立設架12・12を有している。一方、第2下枠部材21は、これらの立設架12・12をスライド自在に案内する開口21h・21hを有している。これにより、ベース架1に対して、連結架2を高さ方向のみに移動できる。
図7から図12を参照すると、「てこ」クランク機構3は、クランクシャフト31、クランクハンドル32、及び、クランクピン33を有している。クランクシャフト31は、断続した支軸31sを有している。支軸31sは、連結架と一体に昇降できる。又、支軸31sは、連結架2の両側面に回動自在に支持されている。
図1から図6を参照すると、クランクハンドル32は、クランクシャフト31を手動で回動できる。図2から図10を参照すると、クランクピン33は、支軸31sの中心からクランクハンドル32と反対方向に偏心した位置に配置されている。
一方、図2又は図4から図12を参照すると、立設架12は、角筒状の継手12jを上部に固定している。継手12jは、内部の矩形開口12kにクランクピン33を遊動自在に収容している(図8又は図10から図12参照)。
図2又は図3に示すように、クランクハンドル32を上方に回動したときは、クランクピン33に対して支軸31sを上方に位置させている。そして、ベース架1に対して連結架2が上昇することで、底板2bを床面FLから所定の高さに維持できる。
一方、図5又は図6を参照して、クランクハンドル32を下方に回動したときは、クランクピン33に対して支軸31sを下方に位置させている。そして、ベース架1に対して連結架2が下降することで、底板2bを床面FLに着地させている。
図1から図10を参照すると、実施形態による「かご台車」10は、底部に複数のキャスター1cを取り付けたベース架1、ベース架1と昇降自在に連結した連結架2、及び、ベース架1に対して連結架2を昇降させる「てこ」クランク機構3を備え、クランクハンドル32を一方の方向に回動したときは、底板2bを床面FLから所定の高さに維持できるので(図2又は図3参照)、荷物を容易に移動できる。一方、クランクハンドル32を他方の方向に回動したときは、底板2bを床面FLに着地させるので(図5又は図6参照)、荷物を床面FLに降ろすことが容易である。
(ベース架の構成)
次に、実施形態によるベース架1の構成を説明する。図3又は図4を参照すると、ベース架1は、第1下枠部材11の中央部に軸棒13を立設している。軸棒13は、第2下枠部材21に向かって突出している。軸棒13は、圧縮コイルばね13sを外装している(図3参照)。
一方、図3を参照すると、第2下枠部材21は、C字状のブラケット23bを上面に固定している。図3を参照すると、圧縮コイルばね13sの一端部は、第1下枠部材11の上面に当接している。一方、圧縮コイルばね13sの他端部は、ブラケット23bの内壁に当接している。
このように、図3又は図4を参照すると、ベース架1は、一対の圧縮コイルばね13s・13sで連結架2を支持している。連結架2を一対の圧縮コイルばね13s・13sで支持することで、クランクハンドル32を回動したときの衝撃を緩和できる。又、「かご台車」10を移送するときの衝撃を緩和できる。
(連結架の構成)
次に、実施形態による連結架2の構成を説明する。図1から図6を参照すると、連結架2は、骨組みした後枠2rと一対の骨組みした側枠2s・2sを備えている。図4を参照すると、後枠2rは、外枠21rと複数の横リブ22rで構成している。外枠21rは、丸パイプを長方形に枠組みしている。横リブ22rは、その両端部が外枠21rに溶接などで接合されている。
図3又は図4を参照すると、複数のクランプ部材23rを介して、外枠21rを構成する枠柱が、後述する側枠2sの後枠部材23sに固定されている。クランプ部材23rは、一対の挟持板からなり、一対の挟持板をボルト部材とナットで挟持することで、外枠21rを構成する枠柱と後枠部材23sを着脱自在に固定できる。
図1から図6を参照すると、側枠2sは、角パイプからなる第2下枠部材21と丸パイプからなるC字状の外枠部材22で外殻を構成している。外枠部材22は、上枠部材21s、前枠部材22s、及び、後枠部材23sで構成している。前枠部材22s及び後枠部材23sは、それらの下端部を第2下枠部材21に溶接などで接合している。
図1又は図3及び図6を参照すると、側枠2sは、一対の丸パイプからなる縦リブ24r・24rを更に有している。縦リブ24rは、その下端部を第2下枠部材21に溶接などで接合している。又、縦リブ24rは、その上端部を上枠部材21sに溶接などで接合している。
図1又は図2及び図5を参照すると、連結架2は、サイドバー24を備えている。サイドバー24は、一対の前枠部材22s・22sの間に着脱自在に掛け渡している。サイドバー24を一対の前枠部材22s・22sの間に掛け渡している状態では、一対の前枠部材22s・22sが外側に開くことを抑止できる。サイドバー24を撤去した状態では、長尺の荷物を容易に積み込むことができる。
図1から図6を参照すると、連結架2は、一対一組の懸架装置25・25を更に備えている。懸架装置25は、L字状に屈曲した懸架板25bと圧縮コイルばね25sで構成している。懸架板25bは、その一片の下端部を底板2bに固定している。又、懸架板25bは、その他片を第2下枠部材21と対向配置している。
図1又は図2及び図4又は図5を参照すると、圧縮コイルばね25sは、懸架板25bの他片と第2下枠部材21の間に配置されている。圧縮コイルばね25sは、その一端部が懸架板25bの他片に固定されている。又、圧縮コイルばね25sは、その他端部が第2下枠部材21に固定されている。つまり、底板2bは、一対一組の懸架装置25・25を介して、一対の第2下枠部材21・21に懸架されている。圧縮コイルばね25sは、不等ピッチばねを用いることもできる。
(ハンドル押え具の構成)
次に、実施形態によるハンドル押え具26の構成を説明する。図2から図5を参照すると、側枠2sは、ハンドル押え具26を更に備えている。ハンドル押え具26は、箱部261とL字状の押え板262で構成している。
図3又は図6を参照すると、側枠2sは、略平行に配置した一対の細線部材22p・22pを備えている。これらの細線部材22p・22pは、その一端部をブラケット23bの上面に溶接で接合している。又、これらの細線部材22p・22pは、その他端部を上枠部材21sに溶接で接合している。つまり、一対の細線部材22p・22pは、高さ方向に略平行に延びている。
図3を参照すると、箱部261は、一対の細線部材22p・22pで案内される穴(図示せず)を開口している。つまり、ハンドル押え具26は、高さ方向に移動自在に配置されている。
図5又は図6に示した状態では、一対の細線部材22p・22p(図6参照)の間に掛け渡した、図示しないストッパ部材が箱部261に当接しているので、ハンドル押え具26は、下降することなく、停止している。
図5又は図6に示した状態から、ハンドル押え具26を上昇しておく。次に、クランクハンドル32を上方に回動し、ハンドル押え具26を解放すると、ハンドル押え具26が下降して、押え板262がクランクハンドル32の把持バー32bを外側から覆うことで(図2参照)、クランクハンドル32の傾倒を防止できる。
このように、実施形態による「かご台車」10は、クランクハンドル32を一方の方向に回動した状態を維持するハンドル押え具26を備えている。
(「てこ」クランク機構の構成)
次に、実施形態による「てこ」クランク機構3の構成を説明する。なお、図3又は図6を参照すると、実施形態による「てこ」クランク機構3は、一対のクランクシャフト31・31を左右対称に配置しているので、主に、右側のクランクシャフト31を代表して、「てこ」クランク機構3の構成を説明する。
図6から図9を参照すると、クランクシャフト31は、一対のJ字状のクランク板31c・31cと一対の支軸31s・31sで構成している。クランク板31cは、長片311と短片312を対向配置させると共に、長片311と短片312の基端部を連結板313で連結している。実体として、クランク板31cは、帯板部材を二回直角に折り曲げ加工して得ることができる。
図7から図12を参照すると、一対のクランク板31c・31cは、それらの長片311・311が所定の間隔を設けて対向配置されている。一対の長片311・311は、それらの先端部にクランクピン33をボルト部材で締結している。
図7から図12を参照すると、支軸31sは、その両端面が長片311の内壁と短片312の内壁に溶接などで接合されている。一対の支軸31s・31sは、一対の長片311・311で断絶しているが、それらの仮想の回転中心は一致するように配置している。
図7から図10を参照すると、クランク板31cの連結板313は、角パイプからなる連結ポール32pに溶接などで接合している。連結ポール32pは、クランクハンドル32の一部を構成している。
図2又は図5から図12を参照すると、側枠2sは、一組のL字状の軸受部材34・34を備えている。軸受部材34は、その一片の先端部側にU字状の切り欠き34uを切り欠いている(図10参照)。切り欠き34uには、支軸31sをその外周方向から導入できる。
図7又は図10を参照すると、一方の軸受部材34は、その他片を前枠部材22sに溶接などで接合している。他方の軸受部材34は、その他片を縦リブ24rに溶接などで接合している。つまり、一組の軸受部材34・34は、支軸31sを導入自在に、側枠2s又は縦リブ24rに固定されている(図2又は図5参照)。
図7から図10を参照すると、「てこ」クランク機構3は、抜け止め板35を更に備えている。抜け止め板35は、その中央部にU字状の切り欠き35uを切り欠いている(図10参照)。切り欠き35uには、支軸31sをその外周方向から導入できる。
図7から図10を参照して、クランクシャフト31の支軸31sを軸受部材34に導入後に、抜け止め板35を支軸31sに挿入し、抜け止め板35をボルトとナットで軸受部材34に締結することで、クランクシャフト31を側枠2sと一体に昇降自在に支持できる。又、クランクシャフト31を回動自在に側枠2sに支持できる。
[ロールボックスパレットの作用]
次に、実施形態による「かご台車」10の動作を説明しながら、「かご台車」10の作用及び効果を説明する。図1から図4を参照して、通常、「かご台車」10は、一組のクランクハンドル32・32が上方に回動した状態で保持されている。
図1から図4を参照すると、「かご台車」10は、底板2bを床面FLから所定の高さに維持しているので、底板2bに荷物を搭載した状態で、「かご台車」10を容易に移動できる。ベース架1の底部の四隅に、転動容易なキャスター1cを取り付けているからである。
一方、底板2bから荷物を下ろすときは、図5又は図6に示すように、底板2bを床面FLに着地させると、荷物の引き出しが容易になる。この場合、図2に示した状態から、一方のクランクハンドル32を下方に回動した後に、他方のクランクハンドル32を下方に回動することで、底板2bを床面FLに着地できる(図5参照)。
図8又は図11及び図12に示すように、クランクピン33と継手12jは、十分な余裕をもって遊動自在に連結しているので、一方のクランクハンドル32と他方のクランクハンドル32をそれぞれ独立して動作できる。
次に、前述した「かご台車」10の動作を「てこ」クランク機構3の構成により説明する。図1から図4に示すように、底板2bが床面FLから所定の高さに維持された状態では、連結架2の全荷重(荷物の重量を含む)は、四つのクランクピン33に分散される。つまり、連結架2は、四つの継手12jに支持されている(図7から図10参照)。
図8を参照して、支軸31sを回動中心にクランクハンドル32を反時計方向に回動すると、クランクピン33は、矩形開口12kの右側に移動する。図8を参照して、クランクピン33が矩形開口12kの右側に移動すると、支軸31sは、昇降方向のみに運動が規制されているので、クランクピン33の右側の移動に連動し、クランクピン33を支点に「てこの原理」で支軸31sが下降する。つまり、ベース架1に対して連結架2を下降できる(図5又は図6参照)。
図8を参照して、クランクハンドル32を回動したときのクランクピン33の挙動は、必ずしも確定しない。クランクハンドル32を緩慢に回動したときは、連結架2の自重により、クランクピン33は、矩形開口12kの下内壁をスライドしながら右側に移動すると考えられる。一方、クランクハンドル32を急激に回動したときは、クランクピン33は、矩形開口12kの上内壁に当接した後に、矩形開口12kの下内壁をスライドしながら右側に移動すると考えられる。
図8に示した状態から、クランクハンドル32を反時計方向に略90度、回動すると、図11に示すように、支軸31sとクランクピン33を水平状態に一直線上に配置すると共、クランクピン33は、矩形開口12kの最も右側に移動している。
図8に示した状態から、クランクハンドル32を反時計方向に略180度、回動すると、図12に示すように、支軸31sは、クランクピン33の下側に移動している。そして、図12に示した状態では、連結架2は、一対一組のクランクピン33・33で吊り下げられている(図5又は図6参照)。
図5又は図6に示した状態では、図2又は図3に示した状態から、ベース架1に対して連結架2が下降しており、底板2bを床面FLに着地できる。
図12を参照して、支軸31sを回動中心にクランクハンドル32を時計方向に回動すると、クランクピン33は、矩形開口12kの右側に移動する。図12を参照して、クランクピン33が矩形開口12kの右側に移動すると、支軸31sは、昇降方向のみに運動が規制されているので、クランクピン33の右側の移動に連動し、クランクピン33を支点に「てこの原理」で支軸31sが上昇する。つまり、ベース架1に対して連結架2を下降できる(図2又は図3参照)。
図12に示した状態から、クランクハンドル32を時計方向に略90度、回動すると、図11に示すように、支軸31sとクランクピン33を水平状態に一直線上に配置すると共、クランクピン33は、矩形開口12kの最も右側に移動している。
図12に示した状態から、クランクハンドル32を時計方向に略180度回動すると、図8に示すように、支軸31sは、クランクピン33の上側に移動している。そして、図8に示した初期の状態では、連結架2は、一対一組のクランクピン33・33で支持されている(図2又は図6参照)。
図5又は図6に示した状態から初期の状態に復帰させるには、一組のクランクハンドル32・32を上方に回動すればよく、この場合、図2から図6を参照して、ハンドル押え具26を操作して、クランクハンドル32の傾倒を防止することが好ましい。
図1から図12を参照すると、実施形態による「かご台車」10は、底部に複数のキャスター1cを取り付けたベース架1、ベース架1と昇降自在に連結した連結架2、及び、ベース架1に対して連結架2を昇降させる「てこ」クランク機構3を備え、クランクハンドル32を一方の方向に回動したときは、底板2bを床面FLから所定の高さに維持できるので(図2参照)、荷物を容易に移動できる。一方、クランクハンドル32を他方の方向に回動したときは、底板2bを床面FLに着地させるので(図5又は図6参照)、荷物を床面FLに降ろすことが容易である。
又、図2から図6を参照すると、実施形態による「かご台車」10は、クランクハンドル32を一方の方向に回動した状態を維持するハンドル押え具26を更に備えているので、クランクハンドル32の傾倒を防止できる。
更に、図3又は図4を参照すると、ベース架1は、連結架2を一対の圧縮コイルばね13s・13sで支持することで、クランクハンドル32を回動したときの衝撃を緩和できる。
本発明は、荷物の取り卸しが容易なロールボックスパレットを開示したが、本発明によるロールボックスパレットは、市販のロールボックスパレットと外形寸法を同じにしておくことが好ましい。
1 ベース架
1c キャスター
2 連結架
2b 底板
3 クランク機構
10 かご台車(ロールボックスパレット)
11・11 一対の第1下枠部材
12 立設架
12j 継手
12k 矩形開口
21・21 一対の第2下枠部材
21h 開口
31 クランクシャフト
31s 支軸
32 クランクハンドル
33 クランクピン
FL 床面

Claims (3)

  1. 荷物を内部に収容自在に前面を開口し、外周の三面を枠で囲った移動自在なロールボックスパレットであって、
    所定の間隔を設けて略平行に配置され、底部に複数のキャスターを取り付けた一対の第1下枠部材を有するベース架と、
    前記ベース架と昇降自在に連結した一対の第2下枠部材を有し、底板を中央部に配置した箱状の連結架と、
    前記連結架の両側面に配置され、前記ベース架に対して前記連結架を昇降させる一組のてこクランク機構と、を備え、
    前記第1下枠部材は、略平行に立設した一対の立設架を有し、
    前記第2下枠部材は、これらの立設架をスライド自在に案内する開口を有し、
    前記てこクランク機構は、
    前記連結架と一体に昇降自在な支軸を前記連結架の両側面に支持したクランクシャフトと、
    前記クランクシャフトを手動で回動させるクランクハンドルと、
    前記支軸から前記クランクハンドルと反対方向に偏心した位置に配置したクランクピンと、を有し、
    前記立設架は、前記クランクピンを内部の矩形開口に遊動自在に収容した角筒状の継手を上部に有し、
    前記クランクハンドルを一方の方向に回動したときは、前記クランクピンに対して前記支軸を上方に位置させて、前記ベース架に対して前記連結架が上昇することで、前記底板を床面から所定の高さに維持でき、
    前記クランクハンドルを他方の方向に回動したときは、前記クランクピンに対して前記支軸を下方に位置させて、前記ベース架に対して前記連結架が下降することで、前記底板を床面に着地させる、ロールボックスパレット。
  2. 前記クランクハンドルを一方の方向に回動した状態を維持するハンドル押え具を更に備える請求項1記載のロールボックスパレット。
  3. 前記ハンドル押え具は、高さ方向に移動自在に配置している請求項2記載のロールボックスパレット。
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