以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されてもよい。また、各実施の形態を適宜組み合せることも可能である。
(実施例1)
<デジタルカメラの構成>
図1(a)は、本実施例に係る図2において後述する情報処理装置としての携帯電話200と接続する撮像装置としてのデジタルカメラ100のハードウェア構成を示す図である。なお、ここでは撮像装置の一例としてデジタルカメラ100について述べるが、ライブビュー、動画撮影、静止画撮影が行え、且つ後述するリモート撮影指示に応じたデータの送受信が可能な装置であればこれに限られない。
制御部101は、入力された信号や、後述のプログラムに従ってデジタルカメラ100の各部を制御する。なお、制御部101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
撮像部102は、撮像部102に含まれるレンズで結像された被写体光を電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行い、デジタルデータを画像データとして出力する。撮像した画像データはバッファメモリに蓄えられた後、制御部101にて所定の演算を行い、記録媒体110に記録される。
作業用メモリ104は、撮像部102で撮像された画像データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部106の画像表示用メモリ、制御部101の作業領域等として使用される。
操作部105は、デジタルカメラ100に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部105は例えば、ユーザがデジタルカメラ100の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、静止画撮影を指示するためのレリーズスイッチ、動画撮影を指示するための録画スイッチを含む。また、画像データの再生を指示するための再生ボタン、撮影モードを切り替えるための撮影モード切替ダイアルや、後述の通信部111を介して携帯電話200との通信を開始・終了するための通信ボタンなどの操作部材も含む。また、後述する表示部106に形成されるタッチパネルも操作部105に含まれる。なお、レリーズスイッチは、SW1及びSW2を有する。レリーズスイッチが、いわゆる半押し状態となることにより、SW1がONとなる。これにより、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備を行うための指示を受け付ける。また、レリーズスイッチが、いわゆる全押し状態となることにより、SW2がONとなる。これにより、静止画撮影を行うための指示を受け付ける。
表示部106は、撮影の際のビューファインダー画像の表示、撮影した画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部106は必ずしもデジタルカメラ100が内蔵する必要はない。デジタルカメラ100は内部又は外部の表示部106と接続することができ、表示部106の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
フラッシュ107は、静止画撮影時に撮影補助光を発光する。フラッシュ107の発光制御は制御部101にて行われ、例えばAE動作にて撮影を行う場合には被写体の明るさに応じ画撮影時に発光する。
記録媒体110は、撮像部102から出力された画像データを記録することができる。記録媒体110は、デジタルカメラ100に着脱可能なよう構成してもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。すなわち、デジタルカメラ100は少なくとも記録媒体110にアクセスする手段を有していればよい。
通信部111は、携帯電話200と通信するための第一の通信インターフェースである。本実施例のデジタルカメラ100は、通信部111を介して、携帯電話200とデータのやりとりを行うことができる。例えば、撮像部102で生成した画像データを、通信部111を介して携帯電話200に送信することができる。なお、本実施例では、通信部111は携帯電話200とIEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LANで通信するためのインターフェースを含む。制御部101は、通信部111を制御することで携帯電話200との無線通信を実現する。なお、通信方式は無線LANに限定されるものではなく、例えば赤外通信方式も含む。
通信部112は、携帯電話200と通信するための第二の通信インターフェースである。本実施例のデジタルカメラ100は、通信部112を介して、携帯電話200とデータのやりとりを行うことができる。例えば、不揮発性メモリ103で保持する機器識別データを、通信部112を介して携帯電話200に送信することができる。なお、本実施例では、通信部112は携帯電話200とIEEE802.15.1の規格に従った、いわゆるBluetooth(登録商標)で通信するためのインターフェースを含む。制御部101は、通信部112を制御することで携帯電話200との無線通信を実現する。なお、通信方式はBluetoothに限定されるものではなく、例えば、IEEE802.11の規格で知られる無線LAN、または、赤外通信方式も含む。
なお、本実施例におけるデジタルカメラ100の通信部112は、ペリフェラルモードか、または、セントラルモードかのいずれかを有している。そして、通信部112をペリフェラルモードで動作させることにより、本実施例におけるデジタルカメラ100は、Bluetoothにおけるクライアント機器として動作することが可能である。デジタルカメラ100がクライアント機器として動作する場合、セントラルモードになる携帯電話200に通信することで通信することが可能である。なお、通信する携帯電話200との認証については、事前にペアリングを行うことで、通信する携帯電話200の固有情報を不揮発性メモリ103に保持する。
近接無線通信部114は、例えば無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するため変復調回路や通信コントローラから構成される。近接無線通信部114は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調する。これにより、ISO/IEC 18092の規格(いわゆるNFC:Near Field Communication)に従った非接触近接通信を実現する。
次に、デジタルカメラ100の外観について説明する。図1(b),(c)はデジタルカメラ100の外観の一例を示す図である。レリーズスイッチ105aやメニューボタン105b、方向キー105c、タッチパネル105d、通信ボタン105e、録画スイッチ105f、撮影モード切替ダイアル105gは、前述の操作部105に含まれる操作部材である。
ここで、撮影モード切替ダイアル105gによって切替可能である、撮影モードについて説明を加える。
デジタルカメラ100は、シーンに適した撮影を可能とするためにさまざまな撮影モードを有する。例えば、デジタルカメラ100は、各種撮影パラメータを自動制御するオートモードや、シャッタースピードと絞り数値を目的に応じて設定可能なマニュアルモード、動画撮影に適した撮影パラメータがデフォルトで設定される動画撮影モードを有する。なお、撮影モードは上記に限定されるものではない。
また、デジタルカメラ100は、どの撮影モードであってもシームレスに静止画撮影及び動画撮影を開始することができる。
また、表示部106には、撮像部102による撮像の結果得られた画像を表示したり、各種設定メニューを表示したりするのに使用される。
以上がデジタルカメラ100の説明である。
<携帯電話の構成>
図2は、携帯電話200のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、ここでは情報処理装置の一例として携帯電話200について述べるが、後述するリモート撮影指示が行え、且つかかる指示の際に必要なライブビューの表示及びパラメータを表示するユーザインタフェースを有する情報処理装置であればこれに限られない。例えば情報処理装置は、無線機能付きのデジタルカメラ、タブレットデバイス、あるいはパーソナルコンピュータなどであってもよい。
制御部201は、入力された信号や、後述のプログラムに従って携帯電話200の各部を制御する。なお、制御部201が携帯電話200の各部を制御する代わりに、複数のハードウェアがその制御を分担するようにしてもよい。
撮像部202は、撮像部202に含まれるレンズで結像された被写体光を電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行って、デジタルデータを画像データとして出力する。撮像した画像データはバッファメモリに蓄えられた後、制御部201にて所定の演算を行い、記録媒体210に記録される。
不揮発性メモリ203は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ203には、制御部201が実行する基本的なソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や、このOSと協働して応用的な機能を実現するアプリケーションが記録されている。また、本実施例では、不揮発性メモリ203には、デジタルカメラ100に対してリモート撮影制御を行うためのリモート制御アプリケーションが格納されている。
作業用メモリ204は、表示部206の画像表示用メモリや、制御部201の作業領域等として使用される。
操作部205は、携帯電話200に対する指示をユーザから受け付けるために用いられる。操作部205は例えば、ユーザが携帯電話200の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、表示部206に形成されるタッチパネルなどの操作部材を含む。
表示部206は、画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部206は必ずしも携帯電話200が備える必要はない。携帯電話200は表示部206と接続することができ、表示部206の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
記録媒体210は、携帯電話200で生成される各種データを記録することができる。例えば、撮像部202において生成された画像データを記録する。また、本実施例においては、通信部211を介してデジタルカメラ100から制御部201に送信された画像を記録することができる。記録媒体210は、携帯電話200に着脱可能なよう構成してもよいし、携帯電話200に内蔵されていてもよい。すなわち、携帯電話200は少なくとも記録媒体210にアクセスする手段を有していればよい。
通信部211は、デジタルカメラ100と通信するための第1の通信インターフェースである。本実施例の携帯電話200は、通信部211を介して、デジタルカメラ100とデータのやりとりを行うことができる。本実施例では、通信部211はアンテナであり、制御部201は、アンテナを介して、デジタルカメラ100と通信することができる。例えば、デジタルカメラ100で生成した画像データを、通信部211を介して受信することができる。なお、本実施例では、通信部211はデジタルカメラ100とIEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LANで通信するためのインターフェースを含む。制御部201は、通信部211を制御することでデジタルカメラ100との無線通信を実現する。なお、通信方式は無線LANに限定されるものではなく、例えば赤外通信方式も含む。
通信部212は、デジタルカメラ100と通信するための第2の通信インターフェースである。本実施例の携帯電話200は、通信部212を介して、デジタルカメラ100とデータのやりとりを行うことができる。例えば、デジタルカメラ100の機器識別データを、通信部212を介して受信することができる。なお、本実施例では、通信部212はデジタルカメラ100とIEEE802.15.1の規格に従った、いわゆるBluetooth(登録商標)で通信するためのインターフェースを含む。制御部201は、通信部212を制御することでデジタルカメラ100との無線通信を実現する。なお、通信方式はBluetoothに限定されるものではなく、例えば、IEEE802.11の規格で知られる無線LAN、または、赤外通信方式も含む。
公衆網接続部213は、公衆無線通信を行う際に用いられるインターフェースである。携帯電話200は、公衆網接続部213を介して、不図示の他の機器と通話をしたり、データ通信を行ったりすることができる。通話の際には、制御部201はマイク215及びスピーカー216を介して音声信号の入力と出力を行う。本実施例では、公衆網接続部213は3Gを用いた通信を行うためのインターフェースを含むものとする。なお、3Gに限らず、LTEやWiMAX、ADSL、FTTH、いわゆる4Gといった他の通信方式を用いてもよい。また、通信部211、通信部212、及び公衆網接続部213は必ずしも独立したハードウェアで構成する必要はなく、例えば一つのアンテナで兼用することも可能である。
近接無線通信部214は、デジタルカメラ100との非接触近距離通信を実現するための通信ユニットである。近接無線通信部214は、無線通信のためのアンテナと無線信号を処理するための変復調回路や通信コントローラから構成される。近接無線通信部214は、変調した無線信号をアンテナから出力し、またアンテナで受信した無線信号を復調することにより非接触近距離通信を実現する。ここでは、ISO/IEC 18092の規格(いわゆるNFC)に従った非接触通信を実現する。近接無線通信部214はデジタルカメラ100からデータ読み出し要求を受けると、不揮発性メモリ203に格納されているデータに基づき、応答データを出力する。本実施例では、携帯電話200は、近接無線通信部214を通じて、NFCの規格で定義されているカードリーダモード、カードライタモード及びP2Pモードで動作し、主にInitiatorとしてふるまう。対して、デジタルカメラ100は近接無線通信部114を介して、主にTargetとしてふるまう。
以上が携帯電話200の説明である。
<システムの構成>
以降の記載において、携帯電話200が処理の主体であるかのように記載するが、実際には制御部201が不揮発性メモリ203に格納されたプログラムを読み込み、各種処理を実現するものである。また、デジタルカメラ100が処理の主体であるかのように記載している個所も同様に、制御部101が不揮発性メモリ103に格納されたプログラムを読み込み、各種処理を実現するものである。
本実施例では、デジタルカメラ100と携帯電話200とが、他のアクセスポイントを介さず直接に通信を行う。すなわち、デジタルカメラ100は、簡易アクセスポイントとして無線LANネットワークを形成する。デジタルカメラ100は、簡易アクセスポイントとして動作すると、ビーコン信号の定期的な送信を開始する。携帯電話200はビーコン信号を検知し、デジタルカメラ100が形成した無線LANネットワークに参加する。そして、デジタルカメラ100と携帯電話200は、互いの機器発見、機器の能力取得などを経て、データの送受信が可能な状態となる(機器間の通信を確立する)。
なお、デジタルカメラ100と携帯電話200との通信方式は上記に限られるものではない。例えば、デジタルカメラ100と携帯電話200が外部のアクセスポイントが形成するネットワークに参加して、そのネットワーク上で通信を行うインフラストラクチャーモード等の通信方式であってもよい。また、デジタルカメラ100と携帯電話200は、無線LANで通信を行うものとしたが、例えばBluetoothで通信を行ってもよい。
<リモート制御アプリケーションでのリモート撮影機能>
デジタルカメラ100と携帯電話200とが通信を確立すると、携帯電話200で動作するリモート制御アプリケーション上において、ユーザは、デジタルカメラ100を制御し、撮影を行うことが可能となる。以降、これをリモート撮影と記載する。尚、リモート撮影は、デジタルカメラ100から送信される機器識別データより、デジタルカメラ100がライブビュー、動画撮影、静止画撮影、無線によるデータ通信が可能であることを携帯電話200において確認できたことが前提となる。
以下で、携帯電話200上で動作するリモート制御アプリケーションの概要について説明する。
携帯電話200上で起動されるリモート制御アプリケーションでは、表示部206に対してデジタルカメラ100から送信されるライブビュー画像の表示及びGUIが表示される。各GUIをユーザが操作することで、デジタルカメラ100での静止画撮影、動画撮影の制御や各種撮影パラメータの設定変更を行うことが可能である。
リモート制御アプリケーションのGUI表示には静止画撮影ボタン、動画撮影ボタンの一方が切り替え可能に設けられており、ライブビュー画像の表示中にボタンが押下されると、デジタルカメラ100に対して、撮影要求が出される。静止画撮影ボタンの押下はデジタルカメラ100のレリーズスイッチ105aの操作に対応している。また、動画撮影ボタンの押下は、デジタルカメラ100の録画スイッチ105fの操作に対応している。
デジタルカメラ100は、静止画撮影要求または動画撮影要求を受けると、撮影の設定状態に応じて各種処理を行い、静止画撮影または動画撮影を実施する。すなわち、リモート撮影が行われている間デジタルカメラ100は、動画撮影モード及び静止画撮影のモードの切り替えを行うことなく、携帯電話200からの撮影要求に応じて、ライブビュー状態から動画撮影又は静止画撮影の一方をシームレスに開始する。
また、デジタルカメラ100は、携帯電話200との通信の開始時に、撮影モードや撮影パラメータなど、撮影に関わる各種設定情報(現在の設定値及び、現在の設定可能な値のリスト)を携帯電話200に通知する。その後も設定情報が変わるたびに、デジタルカメラ100から携帯電話200へ設定情報の通知が行われる。以下、この通知を撮影パラメータ変更通知という。
さらに、携帯電話200からデジタルカメラ100へ各種撮影パラメータ変更要求を送信することで、デジタルカメラ100の各種撮影パラメータを変更することができる。
以下、図3を用いて、リモート撮影を行う際のデジタルカメラ100と携帯電話200の処理について説明を加える。
図3は、リモート撮影を行う際のデジタルカメラ100と携帯電話200の動作を示すシーケンス図である。
図3の手順は、予めデジタルカメラ100と携帯電話200とが無線LANを介して接続している状態で開始される。また、携帯電話200では、デジタルカメラ100をリモート制御するためのリモート制御アプリケーションを起動している状態とする。
まず、T301で、例えばユーザがリモート制御アプリケーションのメニューに表示されるリモート撮影機能を選択する操作によって、リモート撮影を実施する指示を入力する。
T301での指示の入力に応じて、T302では、携帯電話200はデジタルカメラ100にリモート撮影の開始要求を通知する。
これに応じて、T303にてデジタルカメラ100はリモート撮影機能を開始する。
一方、携帯電話200は、T301での指示の入力に応じて、T304で、表示部206にリモート撮影を行うためのリモート撮影画面の表示を開始する。なお、リモート撮影画面では、ライブビュー画像の表示及び静止画撮影、動画撮影の制御や各種撮影パラメータの設定変更を行うためのGUI表示が行われる。
また、T305にて、デジタルカメラ100は、撮影モードや絞り値、シャッター速度などの各種撮影パラメータの設定情報を、撮影パラメータごとに、携帯電話200に通知する撮影パラメータ変更通知を携帯電話に送信する。なお、デジタルカメラ100において撮影パラメータの設定情報が変更されるたびに、デジタルカメラ100から携帯電話200への撮影パラメータ変更通知が行われる。ここで、本実施例における上記各種撮影パラメータの設定情報には、その時点における設定値、及び、その時点におけるリモート撮影で変更可能な値のリストが含まれる。
また、リモート撮影の実行中は、デジタルカメラ100では、T306にてライブビュー画像を携帯電話200に定期的に送信する。なお、デジタルカメラ100と携帯電話200との間の通信のプロトコルによっては、携帯電話200からデジタルカメラ100に対して、ライブビュー画像を繰り返し要求することで、連続してライブビュー画像を受信する。携帯電話200は受信したライブビュー画像を表示部206に表示する。これにより、携帯電話200のユーザは、リモート撮影においてもデジタルカメラ100の操作と同様に被写体の確認を行うことができ、構図や色合いの確認やシャッターチャンス及び動画撮影の開始タイミングを捉えることが可能となる。
その後、例えばT307で、ユーザが携帯電話200に対して撮影パラメータ変更指示を行った場合、T308で携帯電話200はデジタルカメラ100に撮影パラメータ変更要求を送信する。この変更要求に応じて、T309で、デジタルカメラ100は指定された撮影パラメータの設定値の変更を行う。そして、T310で、撮影パラメータの設定値を変更した旨を携帯電話200に通知する撮影パラメータ変更通知を携帯電話に送信する。この際、複数の撮影パラメータについて設定情報の変更があった場合は、変更があった各種撮影パラメータの設定情報が、撮影パラメータごとに携帯電話200に通知される。
また、例えばT311で、ユーザが携帯電話200に対して撮影指示を行うと、携帯電話200は、その撮影指示が静止画撮影の指示であった場合には、T312で、携帯電話200は静止画の撮影要求をデジタルカメラ100に送信する。この静止画の撮影要求に応じて、デジタルカメラ100はT313にて静止画の撮影処理を実行する。
一方、T311でユーザが携帯電話200に行った撮影指示が動画撮影の指示であった場合には、T314で、携帯電話200は動画の撮影要求をデジタルカメラ100に送信する。この動画の開始要求に応じて、デジタルカメラ100はT315で動画の撮影処理を実行する。
以上のように、無線LAN接続を介して携帯電話200からデジタルカメラ100でリモート撮影を実行する。
ここで、上述したように、デジタルカメラ100は、リモート撮影を開始時に、各種撮影パラメータの設定情報を携帯電話200に通知する。
撮影モードによらずシームレスに静止画撮影及び動画撮影が可能なデジタルカメラ100においては、このタイミングで、各種撮影パラメータの設定情報を静止画撮影に関連するか動画撮影に関連するかの区別なくその全てを携帯電話200に通知する。
しかし、携帯電話200で動作するリモート制御アプリケーション上で、各種撮影パラメータを全て表示すると、表示領域を多く要してしまう。また、各撮影パラメータが静止画撮影または動画撮影のいずれに有用であるかがユーザにとって理解しづらく、有用でない設定を誤って行ってしまうといった誤操作が生じることもあり得る。
そこで、本実施例では、携帯電話200で動作するリモート制御アプリケーション上において、静止画撮影ビュー、動画撮影ビューを選択的に表示可能とし、それぞれのビューにおいて静止画撮影、動画撮影に適したGUIを提供することとする。
すなわち、携帯電話200は、各種撮影パラメータが静止画撮影に有用であるパラメータであるか否か、及び、動画撮影に有用であるパラメータであるか否かを判断する。そして、判断結果に従い、携帯電話200は、静止画撮影ビューでは、静止画撮影に有用である撮影パラメータ及びリモート静止画撮影ボタンを表示する。一方、携帯電話200は、動画撮影ビューでは、動画撮影に有用である撮影パラメータ及びリモート動画撮影ボタンを表示する。
以下で、図を用いてリモート撮影について説明を行う。
<リモート撮影画面の表示例>
図4は、携帯電話200が図2における表示部206に表示するリモート撮影画面を示す図である。
図4(a)は静止画撮影に適した静止画撮影ビューを表示したリモート撮影画面の例を示している。一方、図4(b)は動画撮影に適した動画撮影ビューを表示したリモート撮影画面の例を示している。
図4において、ビュー切替ボタン401は、静止画撮影ビューと動画撮影ビューを切り替えるための操作部材である。ユーザはビュー切替ボタン401に示す同図向かって左側の静止画アイコン及び同図向かって右側の動画アイコンの一方を押下することで、図4(a)に示す静止画撮影ビューと図4(b)に示す動画撮影ビューを切り替えて表示することができる。
ライブビュー表示領域402は、図3のT306にてデジタルカメラ100から送信されるライブビュー画像を表示するエリアである。T306でライブビュー画像が送信されるたびに、携帯電話200は、ライブビュー表示領域402の表示を更新する。
撮影パラメータ表示領域403,404は、デジタルカメラ100の各種撮影パラメータの設定値を表示する領域である。
撮影パラメータ表示領域403において、403aは静止画の撮影可能枚数を示す文字列からなる撮影パラメータ表示であり、403bはデジタルカメラ100のバッテリー残量を示すアイコンからなる撮影パラメータ表示である。
また、撮影パラメータ表示領域404において、404aは、デジタルカメラ100の撮影モードを示すアイコンからなる撮影パラメータ表示である。図4(a),(b)の例ではマニュアルモードであることを示している。404bはシャッター速度を示す文字列からなる撮影パラメータ表示である。404cは絞り値を示す文字列からなる撮影パラメータ表示である。404dは露出補正値を示す文字列及びこの文字列が露出補正値であることを示すアイコンからなる撮影パラメータ表示である。404eはISO値を示す文字列及びこの文字列がISO値であることを示すアイコンからなる撮影パラメータ表示であり、図4(a)の例ではAUTOモードであることを示している。ここで、ISO値がAUTOモードである場合は、デジタルカメラ100で適正なISO値が自動設定される。404fはストロボモードを示すアイコンからなる撮影パラメータ表示であり、図4(a)の例では自動発光モードであることを示している。404gはホワイトバランスモードを示すアイコンからなる撮影パラメータ表示であり、図4(a)では太陽光モードであることを示している。404hはドライブモードを示すアイコンからなる撮影パラメータ表示であり、図4(a)では連続撮影モードであることを示している。404iはAFモードを示すアイコンからなる撮影パラメータ表示であり、図4(a)では顔優先AFモードであることを示している。404jは静止画の記録サイズの設定値を示すアイコンからなる撮影パラメータ表示であり、図4(a)では設定値として、S2サイズ(たとえば1920×1440)のJpeg画像として静止画が記録されることが表示されている。404kは動画記録画質の設定を示すアイコンからなる撮影パラメータ表示である。図4(b)では、撮影パラメータ表示404kに、設定値としてMP4フォーマットで、フレームレート24fps、Full HD(フルハイビジョン)サイズ(1920×1080)の記録画質で動画が録画されることが表示されている。
また、撮影パラメータ表示領域403,404において表示される、各種撮影パラメータ表示は、各撮影パラメータの設定部としての役割を兼ねている。具体的には、該当する撮影パラメータの設定値が変更可能である場合には、撮影パラメータ表示を押下することで該当する撮影パラメータの設定値を変更することができる。図4では、撮影パラメータ表示領域403,404における押下可能な撮影パラメータ表示は、枠線で囲まれた状態で表示されており、これにより、ユーザはどの撮影パラメータの設定値が変更可能であるかを視認することができる。なお、もちろんユーザが視認できれば、撮影パラメータ表示の押下の可否を示す方法はこれに限られるものではない。
携帯電話200は、ユーザにより、撮影パラメータ表示領域403,404の枠線で囲まれた撮影パラメータ表示の1つが押下されると、該当する撮影パラメータを変更するための設定領域を表示する。図4(c)は、撮影パラメータとして、ホワイトバランスモードを示すアイコンからなる撮影パラメータ表示404gが押下された場合に表示される撮影パラメータ設定変更UIを示している。410はパラメータ設定領域であり、押下された撮影パラメータに関して、変更可能な設定値を一覧表示する。よって、図4(c)に示す例では、パラメータ設定領域410にはホワイトバランスモードで変更可能な設定値がアイコンとして全て表示される。パラメータ設定領域410では、表示すべきアイコンの数が多い場合は、ユーザが左右にスクロール操作することで変更可能な設定値を確認できるようになっている。
パラメータ設定領域410に表示されるアイコンのうちの任意のアイコンを押下することで、ユーザは、T307に相当する、撮影パラメータ変更指示を与えることができる。この際、携帯電話200は、図3のT308で示す撮影パラメータ設定値変更要求をデジタルカメラ100に送信する。これに応じて、デジタルカメラ100は、T309で撮影パラメータの設定値を変更し、さらに、撮影パラメータを変更した旨を通知する撮影パラメータ変更通知を携帯電話200に送信する。
携帯電話200は、撮影パラメータ変更通知を受けると、図6で後述するように、撮影パラメータ表示領域403,404に示される該当撮影パラメータ表示を必要に応じて更新する。
このように、ユーザは撮影パラメータの設定値を変更することができる。
ここで、撮影パラメータ表示領域403,404における各種撮影パラメータ表示のうち、静止画撮影ビューでは静止画の撮影に有用であると判断されたもののみが表示され、動画撮影ビューでは動画の撮影に有用であると判断されたもののみが表示される。
図4(a)に示す静止画撮影ボタン405は、静止画撮影を指示するための操作ボタンである。押下されることで、携帯電話200は、図3のT312で示す静止画撮影要求をデジタルカメラ100に送信し、T313で、デジタルカメラ100が静止画の撮影処理を実施する。
図4(b)に示す動画撮影ボタン406は、動画撮影を指示するための操作ボタンである。押下されることで、携帯電話200は、図3のT314で示す動画撮影要求をT314でデジタルカメラ100に送信し、T315で、デジタルカメラ100が動画の撮影処理を実施する。
ここで、以降の説明において、静止画撮影ボタン405と動画撮影ボタン406をまとめて「撮影ボタン」と記載することがある。
ここで、携帯電話200は、図4(a)に示す静止画撮影ビューでは、静止画撮影ボタン405を表示し、動画撮影ボタン406は表示しない。一方、携帯電話200は、図4(b)に示す動画撮影ビューでは、静止画撮影ボタン405は表示せず、動画撮影ボタン406を表示する。
終了ボタン407は、リモート撮影機能を終了する指示を受け付けるボタンである。押下されることで、携帯電話200は、リモート撮影機能の終了要求をデジタルカメラ100へ通知し、通信を切断する。
<携帯電話200の処理フロー>
図5A,図5Bは、携帯電話200において実行される、リモート撮影時のUI表示更新処理の手順を示すフローチャートである。
図5Aにおいてまず、携帯電話200は、ユーザからリモート撮影指示があったことを検知すると(図3のT301に相当)、ステップS501で、携帯電話200は、デジタルカメラ100に対してリモート撮影開始要求を送信する。この処理は図3のT302に相当する。
次に、ステップS502で、携帯電話200は、リモート撮影画面の表示を開始する。これは図3のT304に相当する。
ステップS503で、携帯電話200は、ビュー設定値として初期値を設定して作業用メモリ204に記憶する。本実施例では、ビュー設定値の初期値は静止画撮影ビューであるため、静止画撮影ビューであることを示す設定値が作業用メモリ204に記憶される。その後、リモート撮影画面として、この作業用メモリ204に記憶されたビュー設定値に基づき静止画撮影ビューが表示される。
ステップS504で、携帯電話200は、デジタルカメラ100から撮影パラメータ変更通知を受信したか否かを判別する。ここで、撮影パラメータ変更通知は、図3のT305やT310でデジタルカメラ100から通知される。携帯電話200は、デジタルカメラ100から撮影パラメータ変更通知を受信した場合(ステップS504でYES)、ステップS505へ進む。一方、デジタルカメラ100から撮影パラメータ変更通知を受信していない場合(ステップS504でNO)、ステップS508へ進む。
ステップS505では、携帯電話200は、ステップS504でデジタルカメラ100からの撮影パラメータ変更通知に含まれる各種撮影パラメータの設定情報を、撮影パラメータ設定情報リストに記憶する。ここで、撮影パラメータ設定情報リストとは、デジタルカメラ100の撮影パラメータごとの設定情報を携帯電話200内に保持するために使用されるリストであり、撮影パラメータ変更通知があるたびに作業用メモリ204に記憶・更新される。
図7に、携帯電話200の図2における作業用メモリ204で保持される、撮影パラメータ設定情報リストの例を示す。撮影パラメータ設定情報リスト内では、撮影パラメータごとに、デジタルカメラ100から送信される設定情報(現在の設定値、及び、現在の変更可能な値のリスト)が記憶される。
図7では、例えば、現在デジタルカメラ100に設定されている絞り値はF2.0であることが示されている。また、絞り値は、変更可能値リストに記される値F2.0、F2.8、F3.4、F5.6、F6.3…(以下略)のいずれかに、携帯電話200においてユーザが設定変更できることが示されている。
また、図7のうち変更可能リストが「(なし)」と記載されている撮影パラメータに関しては、携帯電話200においてユーザがその設定値を変更できない状態であることを示している。図7において、例えば、ユーザは携帯電話200において撮影モードの設定値を変更することができない。
図5Aに戻り、ステップS506では、携帯電話200は、ステップS504で受信した撮影パラメータ変更通知に含まれる各種撮影パラメータの設定情報を、ステップS507で実施する撮影パラメータ表示更新処理における表示更新対象としてセットする。
ステップS507では、携帯電話200は、ステップS506でセットされた各種撮影パラメータの設定情報に関して、撮影パラメータ表示更新処理を行う。撮影パラメータ表示更新処理の詳細については図6を用いて後述する。尚、複数の撮影パラメータについて撮影パラメータ変更通知を受けた場合は、ここでの撮影パラメータ表示更新処理は、後述するステップS512〜S516に示す処理と同様に変数iを用いて変更通知を受けた撮影パラメータの個数分、繰り返し実行される。すなわち、ステップS504でデジタルカメラ100から受信した撮影パラメータ変更通知に含まれる各種撮影パラメータの設定情報が撮影パラメータ表示更新処理における表示更新対象として順次セットされる。
ステップS508では、携帯電話200は、ビューの切替指示があったか否かを判別する。本実施例では、携帯電話200は、図4に示すビュー切替ボタン401の押下を検知した場合に、ビューの切替指示があったと判断する。携帯電話200は、ビューの切替指示があった場合(ステップS508でYES)、ステップS509に進む。一方、ビューの切替指示がなかった場合(ステップS508でNO)、図5BのステップS510に進む。
ステップS509では、携帯電話200は、ステップS508で検知したビューの切替指示に基づき、作業用メモリ204のビュー設定値を更新して記憶する。具体的には、携帯電話200は、ビュー切替ボタン401で静止画アイコンが選択されていた場合、ビュー設定値を静止画撮影ビューに更新して記憶する。一方、携帯電話200は、ビュー切替ボタン401で動画アイコンが選択されていた場合、ビュー設定値を動画撮影ビューに更新して記憶する。
次に、ステップS510では、携帯電話200は、ビュー設定値に変更があったか否かを判別する。ビュー設定値に変更があった場合(ステップS510でYES)、ステップS511に進む。一方、ビュー設定値に変更がなかった場合(ステップS510でNO)、ステップS517に進む。
ステップS511では、携帯電話200は、作業用メモリ204に格納されているビュー設定値を読み出し、その値に応じて撮影ボタンの表示を更新する。具体的には、ビュー設定値が静止画撮影ビューであった場合は、携帯電話200は、静止画撮影ボタン405を表示させ、動画撮影ボタン406を非表示にする。他方、ビュー設定値が動画撮影ビューであった場合は、携帯電話200は、静止画撮影ボタン405を非表示にし、動画撮影ボタン406を表示する。
ステップS512では、携帯電話200は、変数iに0を格納する。ここで、変数iは、ステップS513〜S516の処理を繰り返し実行するためのループカウンタである。
ステップS513では、携帯電話200は、変数iが撮影パラメータ設定情報リストの項目数未満か否かを判別する。携帯電話200は、変数iが撮影パラメータ設定情報リストの項目数未満である場合(ステップS513でYES)、ステップS514に進む。一方、変数iが撮影パラメータ設定情報リストの項目数以上である場合(ステップS513でNO)、ステップS513〜S516の繰り返し処理を終了し、ステップS517に進む。
ステップS514では、携帯電話200は、撮影パラメータ設定情報リストのうちi番目の撮影パラメータの設定情報を、ステップS515で実施する撮影パラメータ表示更新処理の対象とする撮影パラメータの設定情報としてセットする。
ステップS515で、携帯電話200は、ステップS514でセットした撮影パラメータの設定情報に関して、撮影パラメータ表示更新処理を行う。
ステップS516で、携帯電話200は、変数iを1つインクリメントし、ステップS513に戻る。
一方、ステップS517では、携帯電話200は、リモート撮影の終了指示があったか否かを判別する。本実施例では、終了ボタン407が押されたことを検知すると、リモート撮影の終了指示があったと判断する。リモート撮影の終了指示があった場合(ステップS517でYES)、携帯電話200は、図5の処理を終了する。一方、リモート撮影の終了指示がなかった場合(ステップS517でNO)、携帯電話200は、図5AのステップS504に戻る。
なお、リモート撮影の終了指示があったか否かの判断は、本実施例の方法に限られるものでない。例えば携帯電話200に対して、一定時間ユーザが無操作であった場合に、リモート撮影の終了指示があったと判断してもよい。また、デジタルカメラ100から切断通知があった場合に、リモート撮影の終了指示があったと判断してもよい。
以上が、携帯電話200がリモート撮影画面において静止画撮影ビュー、動画撮影ビューのそれぞれに適した操作GUIを表示するリモート撮影時のUI表示更新処理である。
次に、図5のステップS507,S515で携帯電話200において実施される、撮影パラメータ表示更新処理について、図6を用いて説明する。
図6は、携帯電話200が実施する撮影パラメータ表示更新処理の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS601で、携帯電話200は、現在のビュー設定値を作業用メモリ204から読み出し、読み出したビュー設定値が静止画撮影ビューであるか動画撮影ビューであるかを判別する。ここで、ビュー設定値は、図5のステップS503,S509のいずれかで設定されるものである。ビュー設定値が静止画撮影ビューである場合(ステップS601でYES)、ステップS602に進み、一方、ビュー設定値が動画撮影ビューである場合(ステップS601でNO)、ステップS603に進む。
ステップS602では、携帯電話200は、表示更新の処理対象である撮影パラメータが静止画撮影に有用であるか否かを、図8において後述する方法に従って判断する。携帯電話200は、処理対象である撮影パラメータが静止画撮影に有用であると判断した場合(ステップS602でYES)、ステップS604に進む。一方、携帯電話200は、処理対象である撮影パラメータが動画撮影に有用であると判断した場合(ステップS602でNO)、ステップS605に進む。
一方、ステップS603では、携帯電話200は、表示更新の処理対象である撮影パラメータが動画撮影に有用であるか否かを、図8において後述する方法に従って判断する。携帯電話200は、処理対象である撮影パラメータが動画撮影に有用であると判断した場合(ステップS603でYES)、ステップS604へ進む。一方、携帯電話200は、処理対象である撮影パラメータが静止画撮影に有用であると判断した場合(ステップS603でNO)、ステップS605へ進む。
ステップS604では、携帯電話200は、表示更新の処理対象の撮影パラメータに関して、撮影パラメータ設定情報リストを参照して現在の設定値を確認する。その後、確認した現在の設定値に基づき、撮影パラメータ表示領域403,404のその撮影パラメータに関する撮影パラメータ表示を更新して表示する。このとき、携帯電話200は、設定可能値リストの個数が2以上である撮影パラメータに関しては、例えば撮影パラメータ表示404dのように更新後の現在の設定値(露出補正値)を示す文字列を枠線で囲まれた状態で表示し、設定変更可能であることを示す。その後、図6に示す撮影パラメータ表示更新処理を終了する。
一方、ステップS605では、携帯電話200は、撮影パラメータ表示領域404から、表示更新の処理対象の撮影パラメータに関する撮影パラメータ表示を消す(すなわち、非表示にする)。その後、図6に示す撮影パラメータ表示更新処理を終了する。
次に、図6において、ステップS602で実施する撮影パラメータが静止画撮影に有用であるか否かを判断する方法、及びステップS603で実施する動画撮影に有用であるか否かを判断する方法について説明する。
本実施例では、携帯電話200は、任意の撮影パラメータが静止画撮影に有用であるか否か、及び、動画撮影に有用であるか否かを確認するために、撮影パラメータ判断テーブルを不揮発性メモリ203に保持する。
撮影パラメータ判断テーブルには、図8に示すように、各撮影パラメータが静止画に関連するか否か、動画に関連するか否かを識別するための情報が含まれる。
具体的には、図8において、先頭の見出し行に「撮影パラメータ」801、「関連:静止画」802、「関連:動画」803、及び「動画撮影時の固定値」804の4つの項目名が存在する。「撮影パラメータ」801の各列には撮影パラメータが並んでいる。「関連:静止画」802には、「撮影パラメータ」801の各列に示される撮影パラメータが静止画に関連するもの(静止画関連パラメータ)であるかどうかを示す値が格納される。また、「関連:動画」803には、「撮影パラメータ」801の各列に示される撮影パラメータが動画に関連するもの(動画関連パラメータ)であるかどうかを示す値が格納される。ここで、「関連:静止画」802及び「関連:動画」803の各列には、関連するものに「○」の値が、関連しないものに「×」の値が格納されている。
なお、デジタルカメラ100の撮影パラメータの中には、撮影が開始されると、その設定値が制約により既定の固定値に変更されるもの(固定値パラメータ)がある。図8の「動画撮影時の固定値」804では、デジタルカメラ100において動画撮影が開始されると既定の固定値に変更される撮影パラメータに対して、それぞれ変更される固定値が格納されている。本実施例においては、AUTOモードを示す「AUTO」という値が格納されている。ここで、AUTOモードとは、デジタルカメラ100で適正値を算出し、撮影する設定を指す。図8の例では、撮影パラメータのうち絞り値、シャッター速度、及びISO値に対して「AUTO」の値が格納されているため、動画撮影時には、これらの撮影パラメータに対するユーザ設定値は無視される。デジタルカメラ100は動画撮影を開始すると、これらの撮影パラメータに対する適正値を含む撮影パラメータ変更通知を携帯電話200に送信する。しかし、ユーザがビュー切替ボタン401で動画アイコンを選択してからこの撮影パラメータ変更通知を受けるまでの間、携帯電話200がこれらの撮影パラメータの撮影パラメータ表示に表示される設定値をユーザ設定値のままにしておくのは好ましくない。なぜなら、動画撮影が実際にはこれらの撮影パラメータの撮影パラメータ表示に表示されるユーザ設定値とは異なる設定値に固定されて行われることにユーザが気づかず、誤認識や誤操作の原因となる可能性があるからである。
そこで、本実施例では、携帯電話200は、各撮影パラメータに関して撮影パラメータ判断テーブルを参照し、静止画関連パラメータである場合に、静止画撮影に有用であるパラメータであると判断する。一方、各撮影パラメータに関して撮影パラメータ判断テーブルを参照し、動画関連パラメータであり、かつ、動画撮影時に固定値に変更される固定値パラメータ以外である場合に、動画撮影に有用である撮影パラメータであると判断する。
図4(a),(b)に示す静止画撮影ビュー及び動画撮影ビューは、撮影パラメータ設定情報リスト(図7)及び撮影パラメータ判断テーブル(図8)を参照し、撮影パラメータ表示領域403,404に適した撮影パラメータを表示させている。例えば動画記録画質に関して、携帯電話200は、図8の撮影パラメータ判断テーブルを参照した結果、静止画関連パラメータでないため、静止画撮影に有用でないと判断する。このため、携帯電話200は、図4(a)に示す静止画撮影ビューに動画記録画質の表示を行わない。
また、例えばドライブモードに関して、携帯電話200は、図8の撮影パラメータ判断テーブルを参照した結果、動画関連パラメータでないため、動画撮影に有用でないと判断する。このため、携帯電話200は、図4(b)に示す動画撮影ビューにはドライブモードの表示を行わない。さらに、例えばISO値について、携帯電話200は、図8の撮影パラメータ判断テーブルを参照した結果、動画関連パラメータであるが、動画撮影時に固定値に変更される撮影パラメータであるため、動画撮影に有用でないと判断する。この場合も、携帯電話200は、図4(b)に示す動画撮影ビューにISO値の表示を行わない。
以上説明したように、携帯電話200がデジタルカメラ100に対してリモート撮影制御を行うシステムにおいて、静止画撮影ビューと動画撮影ビューを携帯電話200において選択的に表示する。また、携帯電話200は、デジタルカメラ100から送信される各種撮影パラメータに関して、静止画撮影ビューでは静止画撮影に有用であるパラメータの設定値のみを表示し、動画撮影ビューでは動画撮影に有用であるパラメータの設定値のみを表示する。
これにより、デジタルカメラ100が撮影モードによらず静止画撮影及び動画撮影が可能なケースでも、携帯電話200においてそれぞれの撮影に適した表示を、表示領域を不要に大きく確保することなく表示することが可能となる。また、ユーザの目的とする撮影に対して必要なパラメータのみ表示された上で設定変更できるため、ユーザによる誤操作を防ぐことができる。
なお、本実施例においては、図5のステップS503でビュー設定値の初期値を静止画撮影ビューとし、ビュー表示を行うものとした。しかし、例えば、デジタルカメラ100から通知される撮影モードに応じてビュー設定値を変更するようにしてもよい。すなわち、デジタルカメラ100から通知される撮影モードの設定値が動画モードであった場合には、携帯電話200は、ビュー設定値を動画撮影ビューに変更し、表示を更新するようにしてもよい。これによれば、デジタルカメラ100の設定に従い、より適切と思われるビューに自動的に切り替えて表示できるようになる。
また、例えば、携帯電話200は、リモート撮影機能が使用された際のビュー設定値をリモート制御アプリケーション終了後も記憶しておき、次にリモート撮影機能が使用された際の初期値として設定するようにしてもよい。また、例えば、携帯電話200は、静止画撮影ビュー及び動画撮影ビューの表示頻度を記憶しておき、表示頻度の多い方のビュー設定値をリモート撮影開始時の初期値として使用するようにしてもよい。
また、本実施例では、デジタルカメラ100において撮影パラメータの設定情報が変更された場合に、デジタルカメラ100から携帯電話200に撮影パラメータ変更通知を送り、携帯電話200がその通知に応じて撮影パラメータ設定情報リストを更新した。しかしながら、撮影パラメータ設定情報リストの更新のタイミングは本実施例に示すタイミングに限られるものではない。例えば、デジタルカメラ100から定期的に撮影パラメータの設定情報を携帯電話200に通知するようにしてもよい。また、例えば、携帯電話200は、必要なタイミングでデジタルカメラ100に撮影パラメータの設定情報の送信を要求し、それに応じてデジタルカメラ100から取得できるようにしてもよい。
また、撮影パラメータ判断テーブルに関して、特に、動画撮影時に固定値に変更される撮影パラメータに関しては、リモート制御を行う撮像装置の機種ごとに異なる可能性がある。このため、携帯電話200は、撮像装置の種別ごとに撮影パラメータ判断テーブルを保持し、撮像装置と通信を確立後に撮像装置を識別するための機器識別データを取得し、取得した機器識別データに基づき使用するテーブルを選択するようにしてもよい。なお、本実施例では、通信部212を介してデジタルカメラ100から機器識別データを取得するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、リモート撮影を開始する前に通信部211を介してデジタルカメラ100から機器識別データを取得してもよい。
また、本実施例では、図6のステップS602における静止画撮影の有用性の判断や、ステップS603における動画撮影の有用性の判断は、不揮発性メモリ203に保持する撮影パラメータ判断テーブルをもとに行ったが、これに限られるものではない。例えば、撮影パラメータ判断テーブルは、デジタルカメラ100から携帯電話200に送信するようにしてもよい。
また、ステップS603で動画撮影の有用性を判断する際、動画撮影時に固定値に変更される撮影パラメータも動画撮影に関連しない撮影パラメータと同様に、対応する撮影パラメータ表示を動画撮影ビューにおいて非表示とした。しかし、判断基準及び表示方法はこれに限られない。例えば、携帯電話200は、ステップS603において、動画撮影時に固定値に変更される撮影パラメータの撮影パラメータ表示を動画撮影ビューにおいて表示するようにしてもよい。また、この場合、動画撮影時に固定値に変更される撮影パラメータの撮影パラメータ表示に該当する固定値又は具体的な固定値の代わりであることを示す文字列(たとえば「FIXED」など)を表示してもよい。さらに、動画撮影中は固定値に変更される撮影パラメータの撮影パラメータ表示に関しては、変更可能値リストの内容に依らず、設定変更不可としてもよい。図9(a)に、かかる場合の動画撮影ビューの表示例を示す。図9(a)に示される撮影パラメータ判断リストにおいて、絞り値、シャッター速度、ISO値に関しては、動画撮影中はAUTOモードに変更されることを示す「AUTO」という値が格納されている。このため、携帯電話200は、動画撮影ビューに切り替えられると、絞り値、シャッター速度、ISO値の撮影パラメータ表示404b,404c,404eの設定値としてそれぞれ「AUTO」を表示する。さらに、図9(a)に示すように、絞り値、シャッター速度、ISO値の撮影パラメータ表示404b,404c,404eは、変更可能値リストの内容に依らず、枠線で囲まれた状態とせず、ユーザによるこれらの撮影パラメータの設定値は変更不可とする。これにより、ユーザは、動画撮影中においてこれらの撮影パラメータが自動変更されることを把握しやすくなるとともに、無駄になる設定変更を避けることができる。
また、ユーザがビュー切替ボタン401で動画撮影ビューへの切り替えを指示した際、動画撮影中に固定値に変更される撮影パラメータのうち、現在の設定値がその固定値と異なるものがある場合に、警告表示を行うようにしてもよい。図9(b)に警告表示の例を示す。図9(b)において、901は撮影パラメータの現在の設定値が反映されないことを示す警告表示である。
さらに、かかる警告表示をすると同時に、その撮影パラメータの設定値を固定値に変更するように、撮影パラメータの設定変更要求をデジタルカメラ100に送信するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザが携帯電話200で視認できるライブビュー画像を、実際に撮影する際の画像と近いものにすることができる。
また、本実施例においては、動画撮影中のみ、固定値に変わる撮影パラメータがあるものとして説明を行ったが、静止画撮影中にのみ固定値に変わる撮影パラメータに関しても、同様な判断及び処理を行うようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(その他の実施形態)
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、以下のようなものがある。フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。すなわち、ホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する。そして、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他にも、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後にも前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現される。