JP6904740B2 - 電気コネクターおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気コネクターおよびその製造方法に関する。
表面実装型の半導体パッケージと回路基板の検査を行う場合、または表面実装型の半導体パッケージと回路基板を接続する場合には、圧接型のコネクターが用いられている。
このようなコネクターとしては、例えば、複数の導電線の向きを揃えて互いに絶縁を保って配線された複数のシートが、導電線の向きを一定にして積層され、得られた積層物の複数枚が、導電線の向きを揃えて、一定の角度で階段状に配列積層一体化してブロック体とされ、得られたブロック体がスライス用基板面に接着され、その基板面に平行にかつ導電線を横切る平行な2面で切断されてなる圧接型コネクター(例えば、特許文献1参照)が知られている。また、貫通孔を有する絶縁部材と、絶縁部材の表裏面の少なくとも一方の面から突出した状態で貫通孔に接合し、第一デバイスの接続端子と第二デバイスの接続端子とを電気的に接続する導電部材と、を備え、導電部材は、絶縁性を有する弾性体と、金属線とを備えており、弾性体の高さ方向に、金属線が貫通するように埋設され、導電部材を貫通孔に接合した状態では、導電部材と貫通孔との間の少なくとも一部に隙間を備えている電気コネクター(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特許第2787032号公報 特許第5995740号公報
特許文献1に記載されている圧接型コネクターは、導電線を挿入するための樹脂層を形成するシリコーンゴムが露出している。そのため、検査を繰り返し行うと、シリコーンゴムが摩耗して、検査結果がばらつくことがあった。また、この圧接型コネクターは、導電線と、半導体パッケージや回路基板の接続端子とがランダムに接続するため、接続が不安定である上に、接続に寄与しない導電線によるインダクタンスが発生したり、荷重が増加したりすることがあった。さらに、シリコーンゴムは引き裂き強度が低いため、薄型化が難しい上に、耐熱性が低いという課題があった。
また、特許文献2に記載されている電気コネクターは、金属線が弾性体に対して垂直に配置されているため、半導体パッケージや回路基板の接続端子に対して、金属線から過剰な力が加えられて、接続端子が損傷することがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、半導体パッケージや回路基板の接続端子と接触する導電部材を固定するための弾性体を薄型化することが可能であり、接続端子に対して導電部材から過剰な力が加えられることがなく、耐熱性に優れ、安定した接続を可能とする電気コネクターおよびその製造方法を提供することを目的とする。
[1]第一デバイスの接続端子と、第二デバイスの接続端子との間に配置され、これらを電気的に接続する電気コネクターであって、厚み方向に多数の貫通孔を有する弾性体と、前記貫通孔に接合され、前記第一デバイスの接続端子と前記第二デバイスの接続端子とを電気的に接続する導電部材と、を備え、前記弾性体の一方の主面および他方の主面において、前記導電部材が接合された前記貫通孔を含む複数の第一導通領域と、前記複数の第一導通領域の間に設けられ、前記導電部材が接合されていない前記貫通孔を含む非導通領域と、を有する電気コネクター。
[2]前記貫通孔は、前記弾性体の厚み方向に対して斜めに貫通する[1]に記載の電気コネクター。
[3]前記導電部材は、弾性変形可能な材料からなる[1]に記載の電気コネクター。
[4]前記導電部材は、前記弾性体の一方の主面および他方の主面の少なくとも一方から突出した状態で前記貫通孔に接合されている[1]〜[3]のいずれかに記載の電気コネクター。
[5]前記導電部材は、前記弾性体の一方の主面および他方の主面の少なくとも一方から突出した両端部にメッキ層が形成されている[4]に記載の電気コネクター。
[6]前記第一導通領域は、前記弾性体の少なくとも一方の主面側において、前記非導通領域よりも前記弾性体の厚み方向に突出する第二導通領域を有する[1]〜[5]のいずれかに記載の電気コネクター。
[7]前記弾性体の少なくとも一方の主面側において、少なくとも前記非導通領域に積層された樹脂製のシート状部材を有する[1]〜[6]のいずれかに記載の電気コネクター。
[8]弾性体の厚み方向に貫通する多数の貫通孔に導電部材が接合されてなる複合体を作製する工程と、前記複合体の一方の主面および他方の主面にマスキング層を形成する工程と、前記複合体の一方の主面において、前記マスキング層の一部を除去する工程と、前記マスキング層を除去した部分において、前記導電部材を除去し、前記複合体に、前記導電部材が接合されていない前記貫通孔を含む非導通領域を形成する工程と、前記マスキング層の残部を除去し、前記複合体に、前記非導通領域を挟んで、前記導電部材が接合された前記貫通孔を含む複数の第一導通領域を形成する工程と、を有する電気コネクターの製造方法。
[9]前記第一導通領域を形成する工程の後に、前記導電部材を、前記弾性体の一方の主面および他方の主面の少なくとも一方から突出させる工程を有する[8]に記載の電気コネクターの製造方法。
[10]前記導電部材を突出させる工程の後に、前記導電部材の一方の端部および他方の端部の少なくとも一方にメッキ加工を施す工程を有する[8]または[9]に記載の電気コネクターの製造方法。
[11]前記第一導通領域を形成する工程の後に、少なくとも前記複合体の一方の主面側から、少なくとも前記非導通領域を厚み方向に除去し、前記第一導通領域に、前記非導通領域よりも前記複合体の厚み方向に突出する第二導通領域を形成する工程を有する[8]〜[10]のいずれかに記載の電気コネクターの製造方法。
[12]前記第一導通領域を形成する工程の後または前記第二導通領域を形成する工程の後に、前記複合体の少なくとも一方の主面側において、前記非導通領域に樹脂製のシート状部材を積層する工程を有する[11]に記載の電気コネクターの製造方法。
本発明によれば、半導体パッケージや回路基板の接続端子と接触する導電部材を固定するための弾性体を薄型化することが可能であり、接続端子に対して導電部材から過剰な力が加えられることがなく、耐熱性に優れ、安定した接続を可能とする電気コネクターおよびその製造方法を提供することができる。
第1の実施形態の電気コネクターの概略構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。 第1の実施形態の電気コネクターの作用効果を示す断面図である。 第1の実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。 第2の実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。 第2の実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。 第3の実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。 第3の実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。 第4の実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。 第4の実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。 第5の実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。 第5の実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。 第6の実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。
本発明の電気コネクターおよびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
[電気コネクター]
図1は、本実施形態の電気コネクターの概略構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
図1に示すように、本実施形態の電気コネクター10は、弾性体20と、導電部材30と、を備える。
電気コネクター10は、図示略の第一デバイスの接続端子と、図示略の第二デバイスの接続端子との間に配置され、これらを電気的に接続するためのものである。デバイスとしては、例えば、半導体パッケージや回路基板が挙げられる。
弾性体20は、その厚み方向に貫通する多数の貫通孔21を有する。この貫通孔21の一部に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bから突出した状態で導電部材30が接合されている。
本実施形態の電気コネクター10は、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、導電部材30が接合された貫通孔21を含む複数の第一導通領域41と、複数の第一導通領域41の間に設けられ、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42と、を有する。なお、図1(a)では、非導通領域42において、貫通孔21の図示を省略している。また、図1(a)において、第一導通領域41の領域以外は、全て非導通領域42であってもよい。
第一導通領域41を設ける位置は、特に限定されず、電気コネクター10(詳細には、貫通孔21に接合された導電部材30)によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の配置等に応じて適宜調整される。
第一導通領域41の大きさ、すなわち、弾性体20を、その一方の主面20aから平面視した場合の第一導通領域41の面積は、特に限定されず、電気コネクター10(詳細には、貫通孔21に接合された導電部材30)によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の大きさ等に応じて適宜調整される。
第一導通領域41の形状、すなわち、弾性体20を、その一方の主面20aから平面視した場合の第一導通領域41の面積は、特に限定されず、電気コネクター10(詳細には、貫通孔21に接合された導電部材30)によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の形状等に応じて適宜調整される。第一導通領域41を平面視した場合の形状としては、例えば、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形等が挙げられる。個々の第一導通領域41の平面視の面積としては、例えば、デバイスの1つの接続端子の平面視の面積に対して50%〜150%の範囲とすることができる。
第一導通領域41に含まれる導電部材30を設ける位置、すなわち、第一導通領域41における貫通孔21の配置は、特に限定されず、電気コネクター10(詳細には、貫通孔21に接合された導電部材30)によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の配置等に応じて適宜調整される。第一導通領域41が均一に変形する(撓む)ようにするためには、第一導通領域41において、導電部材30(貫通孔21)が等間隔に設けられていることが好ましい。
第一導通領域41に含まれる導電部材30の数、すなわち、第一導通領域41に含まれる貫通孔21の数は、特に限定されず、電気コネクター10(詳細には、貫通孔21に接合された導電部材30)によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の配置や、必要とされる接続端子に対する導電部材30の押圧力等に応じて適宜調整される。
非導通領域42を設ける位置は、複数の第一導通領域41の間であれば特に限定されない。非導通領域42は、例えば、電気コネクター10が変形した際に、第一導通領域41の応力が及ぶ範囲に配置される。
非導通領域42の大きさ、すなわち、弾性体20を、その一方の主面20aから平面視した場合の非導通領域42の面積は、特に限定されず、非導通領域42に求められる弾性や可撓性等に応じて適宜調整される。
非導通領域42の形状、すなわち、弾性体20を、その一方の主面20aから平面視した場合の非導通領域42の面積は、特に限定されず、電気コネクター10(詳細には、貫通孔21に接合された導電部材30)によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の形状等に応じて適宜調整される。
非導通領域42における貫通孔21の配置は、特に限定されず、非導通領域42に求められる弾性や可撓性等に応じて適宜調整される。非導通領域42における貫通孔21は、例えば、電気コネクター10が変形した際に、第一導通領域41の応力が及ぶ範囲に配置されていればよく、それ以外は導電部材30が存在していてもよい。非導通領域42が均一に変形する(撓む)ようにするためには、非導通領域42において、貫通孔21が等間隔に設けられていることが好ましい。
また、非導通領域42の一部に、貫通孔21よりも開口部の面積が広い貫通領域を設けてもよい。このような貫通領域は、弾性体20に対して、レーザー、打ち抜き加工等によって形成される。貫通領域を設けることにより、さらに小さな力で第一導通領域41およびその近傍の非導通領域42を、弾性体20の厚み方向に変形させる(撓ませる)ことができる。また、第一デバイスや第二デバイス上に存在する位置決めマークを貫通領域から露出させることにより、電気コネクター10による接続検査を容易に行うことができる。
非導通領域42における貫通孔21の数は、特に限定されず、非導通領域42に求められる弾性や可撓性等に応じて適宜調整される。
貫通孔21は、弾性体20を、その厚み方向に対して斜めに貫通することが好ましい。
貫通孔21の弾性体20の厚み方向に対する角度、すなわち、弾性体20の一方の主面20aに垂直な線と貫通孔21が交わる角度(図1に示す角度θ)は、10°〜85°であることが好ましい。貫通孔21の弾性体20の厚み方向に対する角度は、電気コネクター10(詳細には、貫通孔21に接合された導電部材30)によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の配置等に応じて適宜調整される。
貫通孔21の形状、すなわち、貫通孔21の長手方向と垂直な断面の形状は、特に限定されず、貫通孔21に接合する導電部材30の長手方向の断面の形状において適宜調整される。貫通孔21の形状としては、例えば、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、五角形以上の多角形等が挙げられる。
貫通孔21の孔径は、特に限定されず、貫通孔21に接合される導電部材30の直径(外径)に応じて適宜調整される。貫通孔21の孔径は、例えば、0.01mm〜0.3mmであることが好ましい。
弾性体20の厚みは、特に限定されず、貫通孔21に接合された導電部材30に要求される弾性に応じて適宜調整される。弾性体20の厚みは、例えば、0.03mm〜1.0mmであることが好ましい。
本実施形態の電気コネクター10において、導電部材30に要求される弾性とは、電気コネクター10を、図示略の第一デバイスの接続端子と、図示略の第二デバイスの接続端子との間に配置した場合に、導電部材30の両端(一方の端部30a、他方の端部30b)と、2つのデバイスの接続端子とが電気的に接続した状態を保つために、それぞれの接続端子に対する導電部材30の両端の押圧力が十分に得られるとともに、その押圧力によって、接続端子が損傷しない程度のものである。
導電部材30は、弾性体20の貫通孔21に接合されている。これにより、導電部材30は、弾性体20を、その厚み方向に対して斜めに貫通するように配置されている。
また、導電部材30は、貫通孔21に接合された状態で、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bの少なくとも一方から突出していることが好ましく、導電部材30は、貫通孔21に接合された状態で、その一方の端部30aが弾性体20の一方の主面20aから突出し、その他方の端部30bが弾性体20の他方の主面20bから突出していることがより好ましい。なお、導電部材30が貫通孔21に接合された状態で、その一方の端部30aの最表面(端面)が少なくとも弾性体20の一方の主面20aと同一面上に存在し、その他方の端部30bの最表面(端面)が少なくとも弾性体20の他方の主面20bと同一面上に存在していればよい。
導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bの弾性体20からの突出量は、特に限定されず、電気コネクター10によって電気的に接続する2つのデバイスの接続端子の形状、配置等に応じて適宜調整される。
弾性体20の材質としては、弾性体20とした場合に弾性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム等が挙げられる。これらの中でも、高弾性で耐熱性に優れる点から、シリコーンゴムが好ましい。また、弾性体20の材質としては、後述するウェットエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。
導電部材30としては、2つのデバイスの接続端子同士を電気的に接続することができるものであれば特に限定されない。導電部材30としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、コバルト、チタン、ベリリウム、亜鉛、アルミニウム等の金属もしくはこれらの合金、およびこれらの複合体からなる金属線、中空体(筒状の金属線)、板状の部材等が挙げられる。電気コネクター10を高周波電流用途のデバイス同士の接続に用いる場合、導電部材30は、表面積が大きい中空体であることが好ましい。高周波電流は、デバイスの表層を流れるため、導電部材30の表面積が大きいことが好ましいからである。
本実施形態の電気コネクター10によれば、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、導電部材30が接合された貫通孔21を含む複数の第一導通領域41と、複数の第一導通領域41の間に設けられ、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42と、を有する。そのため、図2(a)に示すように、より小さな力で第一導通領域41およびその近傍の非導通領域42が、弾性体20の厚み方向に変形する(撓む)。これにより、デバイスの接続端子と第一導通領域41の導電部材30との接続時に、接続端子に対して導電部材30から過剰な力が加えられることがなく、接続端子が損傷することを防止できる。本実施形態の電気コネクター10では、中空の貫通孔21を含む非導通領域42が、弾性体20の厚み方向に変形しやすい(撓みやすい)。その結果、電気コネクター10全体がより小さな力で、その厚み方向に変形する(撓む)ことができる。
一方、図2(b)に示すように、弾性体20の貫通孔21の全てに導電部材30が接合され、電気コネクター10のように導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域が設けられていない電気コネクターでは、導電部材30を含む弾性体20を、その厚み方向に変形させる(撓ませる)ためには、より大きな力が必要となる。そのため、デバイスの接続端子と導電部材30との接続時に、接続端子に対して導電部材30から過剰な力が加えられることになり、接続端子が損傷する。
また、本実施形態では、図1に示すように、弾性体20の一方の主面20aに、樹脂製のシート状部材50が積層されていてもよい。図1には、弾性体20の一方の主面20aの全面にシート状部材50が積層されている場合を例示したが、少なくとも非導通領域42にシート状部材50が積層されていればよい。また、弾性体20の他方の主面20bにも、一方の主面20aと同様にシート状部材50が積層されていてもよい。第一導通領域41にシート状部材50が積層される場合、一方の端部30aおよび他方の端部30bがシート状部材50から突出するように、導電部材30が設けられることが好ましい。
シート状部材50の厚みは、特に限定されず、貫通孔21に接合された導電部材30に要求される弾性に応じて適宜調整される。シート状部材50の厚みは、例えば、0.01mm〜1.0mmであることが好ましい。
シート状部材50の材質としては、シート状部材50とした場合に耐熱性および寸法安定性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリイミド(PI)、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリブタジエン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルフォン(PES)等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性および寸法安定性に優れる点から、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)が好ましい。
なお、シート状部材50としては、これらの樹脂からなる不織布であってもよい。
弾性体20の一方の主面20aに、樹脂製のシート状部材50が積層されていれば、弾性体20とシート状部材50からなる積層体は、弾性体20のみの場合よりも、耐熱性や寸法安定性に優れ、デバイス同士を安定に接続することができる。さらに、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにシート状部材50を積層することにより、弾性体20の一方の主面20aと他方の主面20bにおける耐熱性や寸法安定性が同一となる。その結果、弾性体20とシート状部材50からなる積層体はより耐熱性、寸法安定性、薄型化や耐久性に優れたものとなる。
また、本実施形態では、弾性体20が、第一導通領域41を囲み、厚み方向に形成された切欠きを有していてもよい。
切欠きの弾性体20の厚み方向に対する角度、すなわち、弾性体20の一方の主面20aに垂直な線と切欠きが交わる角度は、特に限定されないが、貫通孔21の弾性体20の厚み方向に対する角度と等しいことが好ましい。すなわち、切欠きの弾性体20の厚み方向に対する角度は、10°〜85°であることが好ましい。切欠きの弾性体20の厚み方向に対する角度は、電気コネクター10によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の配置等に応じて適宜調整される。
切欠きの形状は、平面視でループ状の他、コの字状等舌片状であってもよい。これらの形状をなす切欠きを設けた電気コネクター10を使用すると、弾性体20に過度な負荷をかけずに低荷重で変形する。そのため、デバイスに対する電気コネクター10の位置の調整を可能とするとともに、電気コネクター10の耐久性が向上する。
切欠きの幅、すなわち、第一導通領域41と非導通領域42の間隔は、特に限定されず、電気コネクター10によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の配置等に応じて適宜調整される。
切欠きの深さ、すなわち、弾性体20の一方の主面20aから他方の主面20bに向かう長さは、特に限定されず、電気コネクター10によって電気的に接続される2つのデバイスの接続端子の配置等に応じて適宜調整される。
弾性体20が、第一導通領域41を囲み、厚み方向に形成された切欠きを有していれば、電気コネクター10は、デバイスの形状に応じて変形することができる。その結果、電気コネクター10は2つのデバイス同士を低荷重で安定に接続することができる。
[電気コネクターの製造方法]
本実施形態の電気コネクターの製造方法は、弾性体の厚み方向に貫通する多数の貫通孔に導電部材が接合されてなる複合体を作製する工程(以下、「工程A」と言う。)と、複合体の一方の主面および他方の主面にマスキング層を形成する工程(以下、「工程B」と言う。)と、複合体の一方の主面において、マスキング層の一部を除去する工程(以下、「工程C」と言う。)と、複合体におけるマスキング層を除去した部分において、導電部材を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、導電部材が接合されていない貫通孔を含む非導通領域を形成する工程(以下、「工程D」と言う。)と、複合体におけるマスキング層の残部を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、非導通領域を挟んで、導電部材が接合された貫通孔を含む複数の第一導通領域を形成する工程(以下、「工程E」と言う。)と、を有する。
以下、図3(a)〜図3(d)を参照して、本実施形態の電気コネクターの製造方法を説明する。
図3(a)〜図3(d)は、本実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。なお、図3において、図1に示した本実施形態における電気コネクターと同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
例えば、特許第2787032号公報に記載されている方法と同様にして、弾性体20の厚み方向に貫通する多数の貫通孔21に導電部材30が接合されてなる複合体60を作製する(図3(a)参照、工程A)。
複合体60において、貫通孔21は弾性体20の厚み方向に対して斜めに形成されている。したがって、導電部材30は弾性体20の厚み方向に対して斜めに接合されている。導電部材30(貫通孔21)の弾性体20の厚み方向に対する角度、すなわち、弾性体20の一方の主面20aに垂直な線と導電部材30(貫通孔21)が交わる角度(図3(a)に示す角度θ)は、10°〜85°であることが好ましい。
次いで、図3(a)に示すように、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bにマスキング層1000,1000を形成する(工程B)。
複合体60の一方の主面60aは弾性体20の一方の主面20aに相当し、複合体60の他方の主面60bは弾性体20の他方の主面20bに相当する。
工程Bにおいて、マスキング層1000を形成する方法としては、例えば、フィルム状またはシート状の樹脂部材を貼合する方法、塗料を積層する方法等が用いられる。
樹脂部材を貼合する方法としては、例えば、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bに、粘着材を介して樹脂部材を貼合して、樹脂部材からなるマスキング層1000を形成する方法、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bに、未硬化のシリコーンからなる部材を貼合し、シリコーンからなるマスキング層1000を形成する方法、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bに、ドライフィルムレジストを貼合し、ドライフィルムレジストからなるマスキング層1000を形成する方法等が挙げられる。
塗料を積層する方法としては、例えば、未硬化または半硬化状態のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド系樹脂等をスクリーン印刷法または一般的な塗装方法により、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bに塗料を塗布した後、その塗料を硬化させて塗膜とし、その塗膜からなるマスキング層1000を形成する方法等が挙げられる。
なお、工程Bにおいて、スクリーン印刷法により、複合体60の一方の主面60aに、上述の第一導通領域41に相当する形状を有するマスキング層1000を形成すれば、後述する工程Cを省略することができる。
次いで、図3(b)に示すように、複合体60の一方の主面60aにおいて、マスキング層1000の一部を除去する(工程C)。
これにより、マスキング層1000を除去した部分(マスキング層1000の開口部1000a)において、複合体60の一方の主面60aに、導電部材30の一方の端部30aを露出する。
マスキング層1000を除去する方法としては、例えば、レーザーエッチングが挙げられる。また、マスキング層1000を形成するために、未硬化のシリコーンやドライフィルムレジストを用いる場合、これらに部分的に紫外線や電子線を照射し、これらを部分的に硬化させ、未硬化の部分を洗浄して除去する方法が挙げられる。
次いで、図3(c)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000を除去した部分において、導電部材30を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42を形成する(工程D)。
工程Dにおいて、導電部材30を除去する方法としては、例えば、ウェットエッチングが用いられる。
ウェットエッチングに用いられるエッチング液としては、特に限定されず、導電部材30の材質に応じて適宜選択される。
次いで、図3(d)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000の残部を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、非導通領域42を挟んで、導電部材30が接合された貫通孔21を含む複数の第一導通領域41を形成する(工程E)。
工程Eにおいて、マスキング層1000を除去する方法としては、例えば、レーザーエッチング、切削等の機械的加工、剥離液を用いた剥離方法等が用いられる。
以上の工程A〜工程Eにより、図1に示す電気コネクター10が得られる。
本実施形態の電気コネクターの製造方法によれば、工程Bにてマスキング層1000を形成し、工程Cにてマスキング層1000の一部を除去し、工程Dにてマスキング層1000を除去した部分において、導電部材30を除去して非導通領域42を形成し、工程Eにて残りのマスキング層1000の残部を除去して第一導通領域41を形成するため、より小さな力で第一導通領域41およびその近傍の非導通領域42が、弾性体20の厚み方向に変形する電気コネクター10が得られる。
また、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、第一導通領域41を形成する工程Eの後に、導電部材30を、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bの少なくとも一方から突出させる工程を有していてもよい。
この工程において、導電部材30を、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bの少なくとも一方から突出させる方法としては、例えば、レーザーエッチング、切削等の機械的加工により弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bを削る方法が用いられる。
また、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、第一導通領域41を形成する工程Eの後に、複合体60の一方の主面60aに、樹脂製のシート状部材を積層する工程を有していてもよい。また、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、複合体60の他方の主面60bにも、一方の主面60aと同様にシート状部材を積層する工程を有していてもよい。
(第2の実施形態)
[電気コネクター]
図4は、本実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。なお、図4において、図1に示した第1の実施形態における電気コネクターと同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の電気コネクター100は、弾性体20と、導電部材30と、を備える。
本実施形態の電気コネクター100では、導電部材30が、貫通孔21に接合された状態で、その一方の端部30aが弾性体20の一方の主面20aから突出し、その他方の端部30bが弾性体20の他方の主面20bから突出しており、さらに、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工が施されて、一方の端部30aにメッキ層35が形成され、他方の端部30bにメッキ層36が形成されている。
メッキ層35,36の材質は、特に限定されず、導電部材30の材質に応じて適宜選択される。
本実施形態の電気コネクター100によれば、導電部材30の一方の端部30aにメッキ層35が形成され、導電部材30の他方の端部30bにメッキ層36が形成されているため、導電部材30の両端(一方の端部30a、他方の端部30b)と、2つのデバイスの接続端子との電気的な接続状態を安定に保つことができる。
また、本実施形態においても、弾性体20の一方の主面20aに、樹脂製のシート状部材が積層されていてもよい。また、弾性体20の他方の主面20bにも、一方の主面20aと同様にシート状部材が積層されていてもよい。
また、本実施形態においても、弾性体20が、第一導通領域41を囲み、厚み方向に形成された切欠きを有していてもよい。
[電気コネクターの製造方法]
本実施形態の電気コネクターの製造方法は、弾性体の厚み方向に貫通する多数の貫通孔に導電部材が接合されてなる複合体を作製する工程(工程A)と、複合体の一方の主面および他方の主面にマスキング層を形成する工程(工程B)と、複合体の一方の主面において、マスキング層の一部を除去する工程(工程C)と、複合体におけるマスキング層を除去した部分において、導電部材を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、導電部材が接合されていない貫通孔を含む非導通領域を形成する工程(工程D)と、複合体におけるマスキング層の残部を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、非導通領域を挟んで、導電部材が接合された貫通孔を含む複数の第一導通領域を形成する工程(工程E)と、導電部材の一方の端部および他方の端部にメッキ加工を施す工程(以下、「工程F」と言う。)と、を有する。
以下、図5(a)〜図5(e)を参照して、本実施形態の電気コネクターの製造方法を説明する。
図5(a)〜図5(e)は、本実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。なお、図5(a)〜図5(e)において、図3(a)〜図3(d)に示した第1の実施形態における電気コネクターの製造方法と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
例えば、特許第2787032号公報に記載されている方法と同様にして、弾性体20の厚み方向に貫通する多数の貫通孔21に導電部材30が接合されてなる複合体60を作製する(図5(a)参照、工程A)。
次いで、図5(a)に示すように、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bにマスキング層1000,1000を形成する(工程B)。
次いで、図5(b)に示すように、複合体60の一方の主面60aにおいて、マスキング層1000の一部を除去する(工程C)。
次いで、図5(c)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000を除去した部分において、導電部材30を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42を形成する(工程D)。
次いで、図5(d)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000の残部を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、非導通領域42を挟んで、導電部材30が接合された貫通孔21を含む複数の第一導通領域41を形成する(工程E)。
次いで、導電部材30の両端部を、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bから突出させる。
次いで、図5(e)に示すように、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工を施し、導電部材30の一方の端部30aにメッキ層35を形成し、他方の端部30bにメッキ層36を形成する(工程F)。
工程Fでは、メッキ加工の方法としては、例えば、電解メッキ、無電解メッキ等が用いられる。
以上の工程A〜工程Fにより、図4に示す電気コネクター100が得られる。
本実施形態の電気コネクターの製造方法によれば、工程Fにて、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工を施すため、導電部材30の両端(一方の端部30a、他方の端部30b)と、2つのデバイスの接続端子との電気的な接続状態を安定に保つことが可能な電気コネクター100を作製することができる。
また、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工を施す工程Fの後に、複合体60の一方の主面60aに、樹脂製のシート状部材を積層する工程を有していてもよい。また、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、複合体60の他方の主面60bにも一方の主面60aと同様にシート状部材を積層する工程を有していてもよい。
(第3の実施形態)
[電気コネクター]
図6は、本実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。なお、図6において、図1に示した第1の実施形態における電気コネクターと同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の電気コネクター200は、弾性体20と、導電部材30と、を備える。
本実施形態の電気コネクター200では、導電部材30が接合された貫通孔21を含む第一導通領域41は、弾性体20の一方の主面20a側において、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有する。これにより、本実施形態の電気コネクター200は、弾性体20の一方の主面20a側において、第一導通領域41および非導通領域42と、第二導通領域43とによって形成される凹凸面を有する。また、第二導通領域43と同一面上、すなわち、第二導通領域43の近傍(周辺)領域に、非導通領域42と同様に、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域を設けてもよい。
第二導通領域43の配置や数は、特に限定されず、電気コネクター200に接続されるデバイスの接続端子の形状等に応じて適宜調整される。より詳細には、デバイスにおける接続端子が設けられている面が凹凸をなし、接続端子が陥没している場合に、その接続端子に対応するように、第二導通領域43の配置や数が適宜調整される。すなわち、本実施形態の電気コネクター200では、第一導通領域41の全てが第二導通領域43である必要はない。
非導通領域42における弾性体20の一方の主面20aを基準とする第二導通領域43の高さは、特に限定されず、電気コネクター200に接続されるデバイスの接続端子の陥没量(深さ)に応じて適宜調整される。
本実施形態の電気コネクター200によれば、第一導通領域41が、弾性体20の一方の主面20a側において、非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有するため、電気コネクター200に接続されるデバイスの接続端子が陥没していても、導電部材30と接続端子との電気的な接続状態を安定に保つことができる。
なお、本実施形態では、第一導通領域41が、弾性体20の一方の主面20a側において、非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。第一導通領域41は、弾性体20の一方の主面20a側および他方の主面20b側において、非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有していてもよい。
また、本実施形態においても、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工が施されて、一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ層が形成されていてもよい。
また、本実施形態においても、弾性体20が、第一導通領域41を囲み、厚み方向に形成された切欠きを有していてもよい。
[電気コネクターの製造方法]
本実施形態の電気コネクターの製造方法は、弾性体の厚み方向に貫通する多数の貫通孔に導電部材が接合されてなる複合体を作製する工程(工程A)と、複合体の一方の主面および他方の主面にマスキング層を形成する工程(工程B)と、複合体の一方の主面において、マスキング層の一部を除去する工程(工程C)と、複合体におけるマスキング層を除去した部分において、導電部材を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、導電部材が接合されていない貫通孔を含む非導通領域を形成する工程(工程D)と、複合体におけるマスキング層の残部を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、非導通領域を挟んで、導電部材が接合された貫通孔を含む複数の第一導通領域を形成する工程(工程E)と、複合体の一方の主面側から、非導通領域を厚み方向に除去し、第一導通領域に、非導通領域よりも複合体の厚み方向に突出する第二導通領域を形成する工程(以下、「工程G」と言う。)と、を有する。
以下、図7(a)〜図7(e)を参照して、本実施形態の電気コネクターの製造方法を説明する。
図7(a)〜図7(e)は、本実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。なお、図7(a)〜図7(e)において、図3(a)〜図3(d)に示した第1の実施形態における電気コネクターの製造方法と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
例えば、特許第2787032号公報に記載されている方法と同様にして、弾性体20の厚み方向に貫通する多数の貫通孔21に導電部材30が接合されてなる複合体60を作製する(図7(a)参照、工程A)。
次いで、図7(a)に示すように、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bにマスキング層1000,1000を形成する(工程B)。
次いで、図7(b)に示すように、複合体60の一方の主面60aにおいて、マスキング層1000の一部を除去する(工程C)。
次いで、図7(c)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000を除去した部分において、導電部材30を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42を形成する(工程D)。
次いで、図7(d)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000の残部を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、非導通領域42を挟んで、導電部材30が接合された貫通孔21を含む複数の第一導通領域41を形成する(工程E)。
次いで、図7(e)に示すように、複合体60の一方の主面60a側から、非導通領域42を厚み方向に除去し、第一導通領域41に、非導通領域42よりも複合体の厚み方向に突出する第二導通領域43を形成する(工程G)。
工程Gにおいて、非導通領域42を除去する方法としては、例えば、レーザーエッチング、切削等の機械的加工等が用いられる。
以上の工程A〜工程Gにより、図6に示す電気コネクター200が得られる。
本実施形態の電気コネクターの製造方法によれば、工程Gにて、複合体60の一方の主面60a側において、第一導通領域41に、非導通領域42よりも複合体の厚み方向に突出する第二導通領域43を形成するため、デバイスの接続端子が陥没していても、導電部材30と接続端子との電気的な接続状態を安定に保つことが可能な電気コネクター200を作製することができる。
なお、本実施形態では、工程Gにて、複合体60の一方の主面60a側において、第一導通領域41に、非導通領域42よりも複合体60の厚み方向に突出する第二導通領域43を形成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。工程Gにて、複合体60の一方の主面60a側および他方の主面60b側において、第一導通領域41に、非導通領域42よりも複合体60の厚み方向に突出する第二導通領域43を有していてもよい。
また、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、第一導通領域41を形成する工程Eの後に、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bを、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bから突出させる工程を有していてもよい。
さらに、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工を施す工程を有していてもよい。
(第4の実施形態)
[電気コネクター]
図8は、本実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。なお、図8において、図1に示した第1の実施形態における電気コネクターと同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の電気コネクター300は、弾性体20と、導電部材30と、を備える。
本実施形態の電気コネクター300では、導電部材30が接合された貫通孔21を含む第一導通領域41は、弾性体20の一方の主面20a側において、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有する。また、本実施形態の電気コネクター300では、弾性体20の一方の主面20a側において、非導通領域42に積層された樹脂製のシート状部材70を有する。
シート状部材70の厚みは、特に限定されず、電気コネクター300に要求される弾性に応じて適宜調整される。シート状部材70の厚みは、例えば、0.01mm〜1.0mmであることが好ましい。
シート状部材70としては、シート状部材50と同様のものが好ましい。
本実施形態の電気コネクター300によれば、第一導通領域41が、弾性体20の一方の主面20a側において、非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有するため、電気コネクター200に接続されるデバイスの接続端子が陥没していても、導電部材30と接続端子との電気的な接続状態を安定に保つことができる。また、弾性体20の一方の主面20a側において、非導通領域42に樹脂製のシート状部材70が積層されているため、弾性体20とシート状部材70からなる積層体は、弾性体20のみの場合よりも、耐熱性や寸法安定性に優れ、デバイス同士を安定に接続することができる。また、弾性体20のみの場合に比べて、剛性、引き裂き強度が向上することから、より薄型化が可能になる他、ハンドリングも向上する。
また、本実施形態においても、第一導通領域41は、弾性体20の一方の主面20a側および他方の主面20b側において、非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有していてもよい。
また、本実施形態においても、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工が施されて、一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ層が形成されていてもよい。
また、本実施形態においても、弾性体20が、第一導通領域41を囲み、厚み方向に形成された切欠きを有していてもよい。
[電気コネクターの製造方法]
本実施形態の電気コネクターの製造方法は、弾性体の厚み方向に貫通する多数の貫通孔に導電部材が接合されてなる複合体を作製する工程(工程A)と、複合体の一方の主面および他方の主面にマスキング層を形成する工程(工程B)と、複合体の一方の主面において、マスキング層の一部を除去する工程(工程C)と、複合体におけるマスキング層を除去した部分において、導電部材を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、導電部材が接合されていない貫通孔を含む非導通領域を形成する工程(工程D)と、複合体におけるマスキング層の残部を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、非導通領域を挟んで、導電部材が接合された貫通孔を含む複数の第一導通領域を形成する工程(工程E)と、複合体の一方の主面側から、非導通領域を厚み方向に除去し、第一導通領域に、非導通領域よりも複合体の厚み方向に突出する第二導通領域を形成する工程(工程G)と、複合体の一方の主面側において、非導通領域に樹脂製のシート状部材を積層する工程(以下、「工程H」と言う。)と、を有する。
以下、図9(a)〜図9(f)を参照して、本実施形態の電気コネクターの製造方法を説明する。
図9(a)〜図9(f)は、本実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。なお、図9(a)〜図9(f)において、図3(a)〜図3(d)に示した第1の実施形態における電気コネクターの製造方法と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
例えば、特許第2787032号公報に記載されている方法と同様にして、弾性体20の厚み方向に貫通する多数の貫通孔21に導電部材30が接合されてなる複合体60を作製する(図9(a)参照、工程A)。
次いで、図9(a)に示すように、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bにマスキング層1000,1000を形成する(工程B)。
次いで、図9(b)に示すように、複合体60の一方の主面60aにおいて、マスキング層1000の一部を除去する(工程C)。
次いで、図9(c)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000を除去した部分において、導電部材30を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42を形成する(工程D)。
次いで、図9(d)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000の残部を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、非導通領域42を挟んで、導電部材30が接合された貫通孔21を含む複数の第一導通領域41を形成する(工程E)。
次いで、図9(e)に示すように、複合体60の一方の主面60a側から、非導通領域42を厚み方向に除去し、第一導通領域41に、非導通領域42よりも複合体の厚み方向に突出する第二導通領域43を形成する(工程G)。
次いで、図9(f)に示すように、複合体60の一方の主面60a側において、非導通領域42に樹脂製のシート状部材70を積層する(工程H)。
工程Hにおいて、シート状部材70を積層する方法としては、例えば、接着剤を介してシート状部材70を貼合する方法、エキシマの照射による表面処理によりシート状部材70を貼合する方法等が用いられる。
以上の工程A〜工程Hにより、図8に示す電気コネクター300が得られる。
本実施形態の電気コネクターの製造方法によれば、工程Hにて、複合体60の一方の主面60a側において、非導通領域42に樹脂製のシート状部材70を積層するため、弾性体20とシート状部材70からなる積層体は、弾性体20のみの場合よりも、耐熱性や寸法安定性に優れ、デバイス同士を安定に接続することが可能な電気コネクター300を作製することができる。
なお、本実施形態では、工程Gにて、複合体60の一方の主面60a側において、第一導通領域41に、非導通領域42よりも複合体60の厚み方向に突出する第二導通領域43を形成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。工程Gにて、複合体60の一方の主面60a側および他方の主面60b側において、第一導通領域41に、非導通領域42よりも複合体60の厚み方向に突出する第二導通領域43を有していてもよい。
また、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、第一導通領域41を形成する工程Eの後に、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bを、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bから突出させる工程を有していてもよい。
さらに、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工を施す工程を有していてもよい。
(第5の実施形態)
[電気コネクター]
図10は、本実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。なお、図10において、図1に示した第1の実施形態における電気コネクターと同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の電気コネクター400は、弾性体20と、導電部材30と、を備える。
本実施形態の電気コネクター400では、導電部材30が接合された貫通孔21を含む第一導通領域41は、弾性体20の一方の主面20a側において、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有する。すなわち、本実施形態の電気コネクター400は、弾性体20の一方の主面20a側において、第一導通領域41および非導通領域42と、第二導通領域43とによって形成される凹凸面を有する。
第二導通領域43の配置や数は、特に限定されず、電気コネクター200に接続されるデバイスの接続端子の形状等に応じて適宜調整される。より詳細には、デバイスにおける接続端子が設けられている面が凹凸をなし、接続端子に段差がある場合に、その接続端子に対応するように、第二導通領域43の配置や数が適宜調整される。すなわち、本実施形態の電気コネクター400は、第二導通領域43と、非導通領域42と高さが等しい(同一面上に貫通孔21の開口部を有する)第一導通領域41とを有する。
非導通領域42における弾性体20の一方の主面20aを基準とする第二導通領域43の高さは、特に限定されず、電気コネクター400に接続されるデバイスの接続端子の段差に応じて適宜調整される。
本実施形態の電気コネクター400によれば、第一導通領域41が、弾性体20の一方の主面20a側において、第一導通領域41および非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有するため、電気コネクター400に接続されるデバイスの接続端子に段差があっても、導電部材30と接続端子との電気的な接続状態を安定に保つことができる。
また、本実施形態では、第一導通領域41が、弾性体20の一方の主面20a側および他方の主面20b側において、第一導通領域41および非導通領域42よりも弾性体20の厚み方向に突出する第二導通領域43を有していてもよい。
また、本実施形態においても、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工が施されて、一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ層が形成されていてもよい。
また、本実施形態においても、弾性体20の一方の主面20a側において、第一導通領域41または非導通領域42に樹脂製のシート状部材70が積層されていてもよい。また、弾性体20の他方の主面20b側において、第一導通領域41または非導通領域42に樹脂製のシート状部材70が積層されていてもよい。
また、本実施形態でも、弾性体20が、第一導通領域41を囲み、厚み方向に形成された切欠きを有していてもよい。
[電気コネクターの製造方法]
本実施形態の電気コネクターの製造方法は、弾性体の厚み方向に貫通する多数の貫通孔に導電部材が接合されてなる複合体を作製する工程(工程A)と、複合体の一方の主面および他方の主面にマスキング層を形成する工程(工程B)と、複合体の一方の主面において、マスキング層の一部を除去する工程(工程C)と、複合体におけるマスキング層を除去した部分において、導電部材を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、導電部材が接合されていない貫通孔を含む非導通領域を形成する工程(工程D)と、複合体におけるマスキング層の残部を除去し、複合体に、弾性体の一方の主面および他方の主面において、非導通領域を挟んで、導電部材が接合された貫通孔を含む複数の第一導通領域を形成する工程(工程E)と、複合体の一方の主面側から、第一導通領域の一部と非導通領域を厚み方向に除去し、第一導通領域に、非導通領域よりも複合体の厚み方向に突出する第二導通領域を形成する工程(工程G)と、を有する。
以下、図11(a)〜図11(e)を参照して、本実施形態の電気コネクターの製造方法を説明する。
図11(a)〜図11(e)は、本実施形態の電気コネクターの製造方法の概略を示す断面図である。なお、図11(a)〜図11(e)において、図3(a)〜図3(d)に示した第1の実施形態における電気コネクターの製造方法と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
例えば、特許第2787032号公報に記載されている方法と同様にして、弾性体20の厚み方向に貫通する多数の貫通孔21に導電部材30が接合されてなる複合体60を作製する(図11(a)参照、工程A)。
次いで、図11(a)に示すように、複合体60の一方の主面60aおよび他方の主面60bにマスキング層1000,1000を形成する(工程B)。
次いで、図11(b)に示すように、複合体60の一方の主面60aにおいて、マスキング層1000の一部を除去する(工程C)。
次いで、図11(c)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000を除去した部分において、導電部材30を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、導電部材30が接合されていない貫通孔21を含む非導通領域42を形成する(工程D)。
次いで、図11(d)に示すように、複合体60におけるマスキング層1000の残部を除去し、複合体60に、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bにおいて、非導通領域42を挟んで、導電部材30が接合された貫通孔21を含む複数の第一導通領域41を形成する(工程E)。
次いで、図11(e)に示すように、複合体60の一方の主面60a側から、第一導通領域41の一部と非導通領域42を厚み方向に除去し、第一導通領域41に、第一導通領域41および非導通領域42よりも複合体の厚み方向に突出する第二導通領域43を形成する(工程G)。
工程Gにおいて、第一導通領域41の一部と非導通領域42を除去する方法としては、例えば、レーザーエッチング、切削等の機械的加工法等が用いられる。
以上の工程A〜工程Gにより、図10に示す電気コネクター400が得られる。
本実施形態の電気コネクターの製造方法によれば、工程Gにて、複合体60の一方の主面60a側において、非導通領域42よりも複合体の厚み方向に突出する第二導通領域43を形成するため、デバイスの接続端子に段差があっても、導電部材30と接続端子との電気的な接続状態を安定に保つことが可能な電気コネクター400を作製することができる。
なお、本実施形態では、工程Gにて、複合体60の一方の主面60a側において、第一導通領域41に、第一導通領域41および非導通領域42よりも複合体60の厚み方向に突出する第二導通領域43を形成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。工程Gにて、複合体60の一方の主面60a側および他方の主面60b側において、第一導通領域41に、第一導通領域41および非導通領域42よりも複合体60の厚み方向に突出する第二導通領域43を有していてもよい。
また、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、第一導通領域41を形成する工程Eの後に、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bを、弾性体20の一方の主面20aおよび他方の主面20bから突出させる工程を有していてもよい。
さらに、本実施形態の電気コネクターの製造方法では、導電部材30の一方の端部30aおよび他方の端部30bにメッキ加工を施す工程を有していてもよい。
(第6の実施形態)
[電気コネクター]
図12は、本実施形態の電気コネクターの概略構成を示す断面図である。なお、図12において、図1に示した第1の実施形態における電気コネクターと同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態の電気コネクター500は、弾性体20と、導電部材80と、を備える。
本実施形態の電気コネクター500は、第1の実施形態における導電部材30の替わりに、弾性変形可能な材料からなる導電部材80を用いている点以外は、第1の実施形態の電気コネクター10と同一の構成を有する。
導電部材80を構成する弾性変形可能な材料としては、例えば、ニッケル、チタン、ニッケル−チタン合金等が挙げられる。
本実施形態の電気コネクター500によれば、弾性変形可能な材料からなる導電部材80を用いているため、より小さな力で第一導通領域41およびその近傍の非導通領域42が、弾性体20の厚み方向に変形する(撓む)上に、より小さな力で導電部材80が撓むから、デバイスの接続端子と第一導通領域41の導電部材80との接続時に、接続端子に対して導電部材80から過剰な力が加えられることがなく、接続端子が損傷することを防止できる。また、導電部材80が弾性変形可能な材料からなるため、導電部材80の弾性体20の厚み方向に対する角度、すなわち、弾性体20の一方の主面20aに垂直な線と導電部材80が交わる角度を85°以上にしても、デバイスの接続端子と第一導通領域41の導電部材80との接続時に、接続端子に対して導電部材80から過剰な力が加えられることがなく、接続端子が損傷することを防止できる。
また、本実施形態においても、弾性体20の一方の主面20aに、樹脂製のシート状部材が積層されていてもよい。また、弾性体20の他方の主面20bにも、一方の主面20aと同様にシート状部材が積層されていてもよい。
また、本実施形態においても、導電部材80の一方の端部80aおよび他方の端部80bにメッキ加工が施されて、一方の端部80aおよび他方の端部80bにメッキ層が形成されていてもよい。
また、本実施形態でも、弾性体20が、第一導通領域41を囲み、厚み方向に形成された切欠きを有していてもよい。
[電気コネクターの製造方法]
本実施形態の電気コネクター500は、第1の実施形態における導電部材30の替わりに、弾性変形可能な材料からなる導電部材80を用いること以外は、第1の実施形態の電気コネクター10と同様に製造することができる。
10,100,200,300,400,500 電気コネクター
20 弾性体
21 貫通孔
30,80 導電部材
35,36 メッキ層
41 第一導通領域
42 非導通領域
43 第二導通領域
50,70 シート状部材
60 複合体
1000 マスキング層

Claims (12)

  1. 第一デバイスの接続端子と、第二デバイスの接続端子との間に配置され、これらを電気的に接続する電気コネクターであって、
    厚み方向に多数の貫通孔を有する弾性体と、前記貫通孔に接合され、前記第一デバイスの接続端子と前記第二デバイスの接続端子とを電気的に接続する導電部材と、を備え、
    前記弾性体の一方の主面および他方の主面において、前記導電部材が接合された前記貫通孔を含む複数の第一導通領域と、前記複数の第一導通領域の間に設けられ、前記導電部材が接合されていない前記貫通孔を含む非導通領域と、を有し、
    前記非導通領域の一部に、前記貫通孔よりも開口部の面積が広い貫通領域が設けられたことを特徴とする電気コネクター。
  2. 前記貫通孔は、前記弾性体の厚み方向に対して斜めに貫通することを特徴とする請求項1に記載の電気コネクター。
  3. 前記導電部材は、弾性変形可能な材料からなることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクター。
  4. 前記導電部材は、前記弾性体の一方の主面および他方の主面の少なくとも一方から突出した状態で前記貫通孔に接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気コネクター。
  5. 前記導電部材は、前記弾性体の一方の主面および他方の主面の少なくとも一方から突出した端部にメッキ層が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電気コネクター。
  6. 前記第一導通領域は、前記弾性体の少なくとも一方の主面側において、前記非導通領域よりも前記弾性体の厚み方向に突出する第二導通領域を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気コネクター。
  7. 前記弾性体の少なくとも一方の主面側において、少なくとも前記非導通領域に積層された樹脂製のシート状部材を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気コネクター。
  8. 弾性体の厚み方向に貫通する多数の貫通孔に導電部材が接合されてなる複合体を作製する工程と、
    前記複合体の一方の主面および他方の主面にマスキング層を形成する工程と、
    前記複合体の一方の主面において、前記マスキング層の一部を除去する工程と、
    前記複合体における前記マスキング層を除去した部分において、前記導電部材を除去し、前記複合体に、前記弾性体の一方の主面および他方の主面において、前記導電部材が接合されていない前記貫通孔を含む非導通領域を形成する工程と、
    前記複合体における前記マスキング層の残部を除去し、前記複合体に、前記弾性体の一方の主面および他方の主面において、前記非導通領域を挟んで、前記導電部材が接合された前記貫通孔を含む複数の第一導通領域を形成する工程と、を有することを特徴とする電気コネクターの製造方法。
  9. 前記第一導通領域を形成する工程の後に、前記導電部材を、前記弾性体の一方の主面および他方の主面の少なくとも一方から突出させる工程を有することを特徴とする請求項8に記載の電気コネクターの製造方法。
  10. 前記導電部材を突出させる工程の後に、前記導電部材の一方の端部および他方の端部の少なくとも一方にメッキ加工を施す工程を有することを特徴とする請求項8または9に記載の電気コネクターの製造方法。
  11. 前記第一導通領域を形成する工程の後に、少なくとも前記複合体の一方の主面側から、少なくとも前記非導通領域を厚み方向に除去し、前記第一導通領域に、前記非導通領域よりも前記複合体の厚み方向に突出する第二導通領域を形成する工程を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の電気コネクターの製造方法。
  12. 前記第一導通領域を形成する工程の後または前記第二導通領域を形成する工程の後に、前記複合体の少なくとも一方の主面側において、前記非導通領域に樹脂製のシート状部材を積層する工程を有することを特徴とする請求項11に記載の電気コネクターの製造方法。
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