JP6904310B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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本発明は、吸気通路に燃料を噴射するポート噴射弁を備える内燃機関に適用される内燃機関の制御装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、内燃機関の始動時に、水温に基づき算出した量の燃料を噴射する制御装置が記載されている。ここで、水温が低い場合には高い場合と比較すると、噴射量が増量される(段落「0002」)。
特開平5−214986号公報
ところで、上記のように水温が低い場合に噴射量を増量する場合、吸気通路や吸気バルブ等の内燃機関の吸気系に付着する燃料量が多くなることから、粒子状物質(PM)の数(PN)が多くなるおそれがある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.吸気通路に燃料を噴射するポート噴射弁を備える内燃機関に適用され、前記内燃機関の始動時において吸入空気量の検出値によらずに算出される要求噴射量の燃料を噴射すべく、吸気バルブの開弁期間に同期して燃料を噴射する吸気同期噴射と、前記吸気同期噴射よりも進角側のタイミングにて燃料を噴射する吸気非同期噴射とを実行するマルチ噴射処理と、前記要求噴射量の燃料を前記吸気非同期噴射によって噴射するシングル噴射処理とのいずれかを選択する選択処理と、前記ポート噴射弁を操作して前記選択処理によって選択された処理を実行する操作処理と、を実行し、前記選択処理は、前記内燃機関の冷却水の温度が規定温度以上である場合、前記シングル噴射処理を選択し、前記冷却水の温度が前記規定温度未満である場合、前記マルチ噴射処理を選択する処理を含む内燃機関の制御装置である。
内燃機関の吸気系の温度が低いときに、要求噴射量の燃料を全て吸気非同期噴射によって噴射する場合、排気中の粒子状物質(PM)の数(PN)が多くなるおそれがある。これは、吸気系に付着する燃料量が多くなり、付着した燃料のせん断によって、一部が液滴のまま燃焼室に流入することによってPMが発生するためであると推察される。そこで上記構成では、吸気系の温度と正の相関を有する冷却水の温度が規定温度未満である場合、要求噴射量の一部を同期噴射によって噴射することにより、非同期噴射量を低減し、ひいては吸気系に付着する燃料量を低減する。これにより、付着した燃料のせん断によって液滴のまま燃料が燃焼室に流入することを抑制できる。
2.前記選択処理は、前記内燃機関が間欠駆動される場合、前記内燃機関の冷却水の温度が規定温度以上である場合であっても、前記吸気通路に吸入される空気量の積算値が所定値以上となるまでは前記マルチ噴射処理を選択する処理を含む上記1記載の内燃機関の制御装置である。
上記積算値は、燃焼室内における燃焼エネルギと正の相関を有することから、積算値が大きい場合には小さい場合よりも吸気系の温度が高くなる傾向がある。特に吸気系のうちの吸気バルブは、燃焼室内で生じた熱を直接受けるものであることから、積算値を用いることで、吸気バルブの温度を精度良く把握することができる。このため、上記構成のように積算値が所定値以上となるまではマルチ噴射処理を実行することにより、こうした設定としない場合と比較して、規定温度を低い値に設定することができる。
3.前記マルチ噴射処理における前記吸気非同期噴射の噴射量である非同期噴射量を算出する非同期噴射量算出処理を実行し、前記非同期噴射量算出処理は、前記非同期噴射量を、前記温度が低い場合に高い場合よりも大きい値に算出する処理と、前記内燃機関の停止時から始動までの経過時間が短い場合に長い場合よりも前記非同期噴射量を小さい値に算出する処理とを含む上記1または2記載の内燃機関の制御装置である。
吸気系の温度が低い場合には高い場合よりも、ポート噴射弁から噴射された燃料のうち燃焼室において燃焼対象とされず、吸気系に留まる量が多くなる。そこで上記構成では、吸気系の温度と正の相関を有する冷却水の温度が低い場合に高い場合よりも非同期噴射量を大きい値に算出することにより、燃焼室内において燃焼対象となる混合気の空燃比が過度にリーンとなることを抑制することができる。
ところで、内燃機関の停止時間が、内燃機関とその周囲とが熱的な平衡状態となるのに要する時間よりも短い場合には、吸気バルブ等の吸気系の温度が冷却水の温度と一致しない傾向がある。また、停止時間が上記要する時間よりも短い場合、停止時間が短い場合には長い場合よりも吸気系の温度が高い傾向がある。そのため、停止時間が短い場合にまで停止時間を加味することなく非同期噴射量を算出する場合、非同期噴射量が過剰となり、燃焼室内の空燃比が過度にリッチとなるおそれがある。そこで上記構成では、停止時間が短い場合には長い場合よりも非同期噴射量を小さい値とすることにより、燃焼室内において燃焼対象となる混合気の空燃比が過度にリッチとなることを抑制できる。
4.前記内燃機関が間欠駆動されている場合、前記内燃機関が停止している時間の累積時間を、前記内燃機関の始動後、前記吸気通路に吸入される空気量の積算値が大きい場合に小さい場合よりも大きい減少補正比率で減少補正した間欠積算停止時間を算出する停止時間算出処理を実行し、前記非同期噴射量算出処理は、前記間欠積算停止時間が長い場合に短い場合よりも前記非同期噴射量を大きい値に算出する処理を含む上記3記載の内燃機関の制御装置である。
内燃機関が間欠駆動される場合において、内燃機関の停止時に内燃機関とその周囲とが熱的な平衡状態となるのに要する時間は、内燃機関の駆動時における燃焼エネルギ総量と正の相関を有する。そこで、上記構成では、間欠積算停止時間を、空気量の積算値によって累積時間を減少補正した値とすることにより、間欠積算停止時間を吸気系の温度を高精度に表現するパラメータとすることができる。このため、間欠積算停止時間に基づき非同期噴射量を算出することにより、燃焼室内において燃焼対象とされる混合気の空燃比が狙いから過度にずれることを好適に抑制できる。
5.前記非同期噴射量算出処理は、大気圧が高い場合に低い場合と比較して前記非同期噴射量を大きい値に算出する処理を含む上記3または4記載の内燃機関の制御装置である。
大気圧が高い場合には低い場合と比較して、始動時における吸気通路内の圧力が高くなることから、燃焼室内に充填される空気量が多くなる。そこで上記構成では、大気圧が高い場合には低い場合と比較して非同期噴射量を大きい値とすることにより、大気圧が高い場合であっても燃焼室内において燃焼対象となる混合気の空燃比が過度にリーンとなることを抑制できる。
6.前記内燃機関は、スロットルバルブを備え、前記非同期噴射量算出処理は、前記内燃機関の始動時が前記内燃機関の再始動時である場合、吸気圧が低い場合に高い場合と比較して前記非同期噴射量を小さい値に算出する処理を含む上記5記載の内燃機関の制御装置である。
内燃機関の停止直後においては、吸気通路内の圧力は大気圧よりも低い圧力となる傾向があり、時間の経過とともに吸気通路内の圧力は大気圧へと収束していく傾向がある。そのため、再始動時においては、吸気通路内の圧力が未だ大気圧よりも低いことがあり、その場合、大気圧となっている場合と比較すると、吸気通路内における燃料の蒸気圧が低くなることから、燃料が霧化しやすい。そのため、その場合には、再始動直前に吸気通路内の圧力が大気圧に収束している場合と比較すると、ポート噴射弁から噴射された燃料のうち燃焼室に流入することなく吸気系に留まる燃料量が少なくなる傾向がある。そこで上記構成では、吸気圧が低い場合には高い場合よりも非同期噴射量を小さい値に算出することにより、再始動時に燃焼室内において燃焼対象となる混合気の空燃比が過度にリッチとなることを抑制できる。
7.前記内燃機関の停止時から始動までの経過時間に依存することなく前記温度に基づき前記吸気同期噴射の噴射量である同期噴射量を算出する同期噴射量算出処理を実行する上記4〜6のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置である。
内燃機関の停止時から始動までの経過時間は、吸気系の温度と負の相関を有することから、経過時間は、吸気非同期噴射量のうちの燃焼室に流入することなく吸気系に付着して留まる量と正の相関を有する。これに対し、経過時間と同期噴射量のうちの燃焼室に流入することなく吸気系に付着して留まる量との相関関係は、経過時間と吸気非同期噴射量のうちの燃焼室に流入することなく吸気系に付着して留まる量との相関関係ほど強いものではない。このため、上記構成では、非同期噴射量については経過時間に応じて定める一方、同期噴射量については経過時間によらずに定めることにより、燃焼室内に流入することなく吸気系に付着して留まる燃料量が顕著となる吸気非同期噴射について、その噴射量を吸気系に留まる燃料量に応じて制御することができる。
第1の実施形態にかかる制御装置および内燃機関を示す図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる噴射パターンを示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 (a)は、大気圧と圧力補正係数との関係を示し、(b)は、吸気圧と圧力補正係数との関係を示す図。 停止時間と停止時間補正係数との関係を示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 第2の実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、内燃機関の制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す内燃機関10の吸気通路12には、上流側から順に、スロットルバルブ14およびポート噴射弁16が設けられている。吸気通路12に吸入された空気とポート噴射弁16から噴射された燃料とは、吸気バルブ18の開弁に伴って、シリンダ20およびピストン22によって区画された燃焼室24に流入する。燃焼室24において、燃料と空気との混合気は、点火装置26の火花放電によって燃焼に供される。そして、燃焼によって生成される燃焼エネルギは、ピストン22を介してクランク軸28の回転エネルギに変換される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ30の開弁に伴って、排気として排気通路32に排出される。排気通路32には、触媒34が設けられている。
クランク軸28の回転動力は、タイミングチェーン38を介して、吸気側カム軸40および排気側カム軸42に伝達される。なお、本実施形態では、吸気側カム軸40には、吸気側バルブタイミング調整装置44を介してタイミングチェーン38の動力が伝達される。吸気側バルブタイミング調整装置44は、クランク軸28と吸気側カム軸40との回転位相差を調整することによって、吸気バルブ18の開弁タイミングを調整するアクチュエータである。
なお、クランク軸28には、内燃機関10とともに車両の推力を生成するモータジェネレータ36が機械的に連結されている。すなわち、本実施形態にかかる車両は、内燃機関10とモータジェネレータ36とを車両の推力生成装置とするハイブリッド車両である。
制御装置50は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量(トルク、排気成分比率等)を制御するために、上記スロットルバルブ14や、ポート噴射弁16、点火装置26、吸気側バルブタイミング調整装置44等の内燃機関10の操作部を操作する。この際、制御装置50は、クランク角センサ60の出力信号Scrや、エアフローメータ62によって検出される吸入空気量Ga、吸気圧センサ64によって検出される吸気通路12内の圧力のうちのスロットルバルブ14の下流側の圧力(吸気圧Pin)を参照する。また、制御装置50は、空燃比センサ66によって検出される空燃比Af、吸気側カム角センサ68の出力信号Sca、水温センサ70によって検出される内燃機関10の冷却水の温度(水温THW)、大気圧センサ72によって検出される大気圧Paを参照する。
また、制御装置50は、モータジェネレータ36を制御対象とし、その制御量(トルク、回転速度等)を制御する。なお、図1には、スロットルバルブ14、ポート噴射弁16、点火装置26、モータジェネレータ36および吸気側バルブタイミング調整装置44のそれぞれを操作するための操作信号MS1〜MS5を記載している。
制御装置50は、CPU52、ROM54、および制御装置50内の各箇所に電力を供給する電源回路56を備えており、ROM54に記憶されたプログラムをCPU52が実行することにより、上記制御量の制御を実行する。
本実施形態では、燃料噴射処理として、図2(a)に例示する処理と、図2(b)に例示する処理との2通りの処理を有する。
図2(a)は、吸気バルブ18の開弁期間に同期して燃料を噴射する吸気同期噴射と、吸気同期噴射よりも進角側のタイミングにて燃料を噴射する吸気非同期噴射との2つの燃料噴射を実行するマルチ噴射処理である。詳しくは、吸気同期噴射は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の開弁前の位置(吸気ポートの下流端、換言すれば燃焼室24への入り口部分)に到達する期間が吸気バルブ18の開弁期間に収まるように燃料を噴射するものである。ここで、「到達する期間」の始点は、ポート噴射弁16から噴射された燃料のうちの最も早いタイミングで噴射された燃料が開弁前の位置に到達するタイミングであり、終点は、ポート噴射弁16から噴射された燃料のうちの最も遅いタイミングで噴射された燃料が開弁前の位置に到達するタイミングである。これに対し、吸気非同期噴射は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18が開弁する前に吸気バルブ18に到達するように燃料を噴射するものである。換言すれば、吸気非同期噴射は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が、吸気バルブ18が開弁するまでは吸気通路12内で滞留し、開弁した後に燃焼室24内に流入する噴射である。なお、本実施形態において吸気非同期噴射は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の開弁前の位置に到達する期間が吸気バルブ18の閉弁期間に収まるように燃料を噴射するものとする。
図2(b)は、吸気非同期噴射のみを実行するシングル噴射処理である。
本実施形態においてマルチ噴射処理は、排気中の粒子状物質(PM)の数(PN)を低減することを狙って実行される。すなわち、吸気通路12や吸気バルブ18等の内燃機関10の吸気系の温度がある程度低い場合、シングル噴射処理を実行すると、PNが増加する傾向がある。これは、吸気系の温度が低い場合には1燃焼サイクルにおいてポート噴射弁16から噴射すべき燃料量である要求噴射量が大きい値となり、結果、吸気系に付着する燃料量が多くなることに起因していると考えられる。詳しくは、吸気系に付着した燃料量がある程度多くなる場合、付着した燃料のせん断によって、付着した燃料の一部が液滴のまま燃焼室24に流入するためであると推察される。そこで本実施形態では、要求噴射量の一部を吸気同期噴射によって噴射することにより、要求噴射量が多い場合であっても、吸気系に付着する燃料量を要求噴射量が多い割に少なくし、ひいてはPNの低減を図る。
図3に、本実施形態にかかる内燃機関10の始動時における処理の手順を示す。図3に示す処理は、ROM54に記憶されたプログラムをCPU52がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって各処理のステップ番号を表現する。
図3に示す一連の処理において、CPU52は、まず、クランキング開始後所定期間内であるか否かを判定する(S10)。ここで所定期間とは、エアフローメータ62によって検出される吸入空気量Gaによって燃焼室24内に充填される空気量を精度よく把握することができず、吸入空気量Gaに基づき要求噴射量を精度よく算出することができない期間とする。CPU52は、所定期間内であると判定する場合(S10:YES)、マルチ噴射処理の要求があるか否かを判定する(S12)。そしてCPU52は、マルチ噴射処理の要求があると判定する場合(S12:YES)、水温THWおよびクランキング開始後の噴射回数に基づき、吸気非同期噴射の噴射量のベース値である非同期ベース噴射量Qnsbを算出する(S14)。ここでCPU52は、水温THWが低い場合に高い場合よりも非同期ベース噴射量Qnsbを大きい値に算出する。この処理は、水温THWおよび噴射回数を入力変数とし、非同期ベース噴射量Qnsbを出力変数とするマップデータが予めROM54に記憶された状態で、CPU52により、非同期ベース噴射量Qnsbをマップ演算することで実現できる。ここで、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とするのに対し、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
次にCPU52は、内燃機関10の再始動時であるか否かを判定する(S16)。ここで、再始動時とは、車両の起動スイッチがオン状態とされてからオフ状態とされるまでの期間における内燃機関10の2回目以降の始動時のことである。また、起動スイッチとは、ユーザがブレーキを解放しアクセルを操作することにより車両の走行が可能となる状態とするためのスイッチである。CPU52は、再始動時ではないと判定する場合(S16:NO)、非同期ベース噴射量Qnsbの補正係数である圧力補正係数Kaを、大気圧Paに応じて算出する(S18)。詳しくは、図4(a)に示すように、大気圧Paが高い場合に低い場合よりも圧力補正係数Kaを大きい値に算出する。これは、大気圧Paが高い場合には低い場合と比較して、始動時における吸気通路12内の圧力が高くなることから、燃焼室24内に充填される空気量が多くなることに鑑みたものである。大気圧Paが高いことにより燃焼室24内に充填される空気量が多い場合には少ない場合と比較して吸気非同期噴射の噴射量である非同期噴射量Qnsを大きい値とすることにより、大気圧Paが高い場合であっても燃焼室24内において燃焼対象とされる混合気の空燃比が過度にリーンとなることを抑制する。なお、この処理は、大気圧Paを入力変数とし、圧力補正係数Kaを出力変数とするマップデータが予めROM54に記憶された状態で、CPU52により圧力補正係数Kaをマップ演算することにより実現できる。
図3に戻り、CPU52は、再始動時であると判定する場合(S16:YES)、圧力補正係数Kaを、大気圧Paおよび吸気圧Pinに応じて可変設定する(S20)。ここで、CPU52は、再始動時ではない場合と同様、大気圧Paが高い場合に低い場合よりも圧力補正係数Kaを大きい値に算出する。また、CPU52は、図4(b)に示すように、吸気圧Pinが低い場合に高い場合と比較して圧力補正係数Kaを小さい値に算出する。これは、再始動時においては、吸気通路12内の圧力が未だ大気圧Paよりも低いことがあり、その場合、大気圧Paとなっている場合と比較すると、吸気通路12内における燃料の蒸気圧が低くなることから、燃料が霧化しやすいためである。すなわち、燃料が霧化しやすい場合、再始動直前に吸気通路12内の圧力が大気圧に収束している場合と比較すると、ポート噴射弁16から噴射された燃料のうち燃焼室24に流入することなく吸気系に留まる燃料量が少なくなる傾向がある。そのため、吸気圧Pinが低い場合に高い場合と同量の燃料を噴射したのでは、燃焼室24内において燃焼対象とされる混合気の空燃比が過度にリッチとなるおそれがある。なお、この処理は、大気圧Paおよび吸気圧Pinを入力変数とし、圧力補正係数Kaを出力変数とするマップデータが予めROM54に記憶された状態で、CPU52により圧力補正係数Kaをマップ演算することにより実現できる。
図3に戻り、CPU52は、S20の処理が完了する場合、内燃機関10が前回停止してから今回の始動までの経過時間である内燃機関10の停止時間Tstpに基づき、非同期ベース噴射量Qnsbに対する停止時間補正係数Ksを算出する(S22)。詳しくは、CPU52は、図5に示すように、停止時間Tstpが長い場合に短い場合よりも停止時間補正係数Ksを大きい値に算出する。この処理は、停止時間Tstpを入力変数とし、停止時間補正係数Ksを出力変数とするマップデータが予めROM54に記憶された状態でCPU52により停止時間補正係数Ksをマップ演算することにより実現できる。
図3に戻り、CPU52は、S22またはS18の処理が完了する場合、非同期ベース噴射量Qnsbに、圧力補正係数Kaおよび停止時間補正係数Ksを乗算した値を、非同期噴射量Qnsに代入する(S24)。
次にCPU52は、再始動時であるか否かを判定する(S26)。そしてCPU52は再始動時ではないと判定する場合(S26:NO)、水温THWおよび大気圧Paに基づき、吸気同期噴射の噴射量である同期噴射量Qsを算出する(S28)。これに対し、CPU52は、再始動時であると判定する場合(S26:YES)、水温THW、大気圧Paおよび吸気圧Pinに基づき、同期噴射量Qsを算出する(S30)。なお、S28,S30の処理において、水温THW、大気圧Paおよび吸気圧Pinを用いる理由は、非同期噴射量Qnsの算出の場合と同様である。
なお、非同期噴射量Qnsと同期噴射量Qsとの和が、1燃焼サイクルにおける要求噴射量であることから、S14〜S30の処理は、要求噴射量を、非同期噴射量Qnsと同期噴射量Qsとに分割する処理とみなせる。
CPU52は、S28,S30の処理が完了する場合、水温THW、回転速度NEおよび、クランク軸28の回転角度に対する吸気側カム軸40の回転角度の位相差である吸気位相差DINに基づき、吸気同期噴射の噴射開始時期Isを算出する(S32)。これは、水温THW、回転速度NEおよび吸気位相差DINを入力変数とし、噴射開始時期Isを出力変数とするマップデータが予めROM54に記憶された状態で、CPU52により噴射開始時期Isをマップ演算する処理となる。なお、始動時において吸気位相差DINは固定値とされてもよい。その場合であっても、車両に応じて始動時における吸気位相差DINの固定値が異なる場合等には、吸気位相差DINに応じて噴射開始時期Isを算出することは有効である。
次にCPU52は、噴射開始時期Isに対して所定時間以上前に吸気非同期噴射が終了するように、吸気非同期噴射の噴射開始時期Insを算出する(S34)。ここで所定時間は、ポート噴射弁16の構造によって定まるものであり、時系列的に隣り合う燃料噴射のうちの進角側の噴射の終了前に遅角側の噴射が始まることを回避するための時間である。そしてCPU52は、噴射開始時期Insとなると非同期噴射量Qnsの燃料をポート噴射弁16から噴射させ、噴射開始時期Isとなると同期噴射量Qsの燃料をポート噴射弁16から噴射させるべく、ポート噴射弁16に操作信号MS2を出力してポート噴射弁16を操作する(S36)。
これに対し、CPU52は、マルチ噴射処理の実行要求がないと判定する場合(S12:NO)、水温THW、クランキング開始後の噴射回数、および停止時間Tstpに基づき、1燃焼サイクルに要求される噴射量である要求噴射量Qdを算出する(S38)。次にCPU52は、噴射開始時期Isinを設定する(S40)。そしてCPU52は、噴射開始時期Isinとなると、要求噴射量Qdの燃料を噴射させるべくポート噴射弁16に操作信号MS2を出力してポート噴射弁16を操作する(S36)。
なお、CPU52は、S36の処理が完了する場合や、S10の処理において否定判定する場合には、図3に示す一連の処理を一旦終了する。
図6に、マルチ噴射処理の実行要求の判定に関する処理の手順を示す。図6に示す処理は、ROM54に記憶されたプログラムをCPU52がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
図6に示す一連の処理において、CPU52は、まず、車両の起動スイッチがオン状態とされてから最初のクランキング開始時であるか否かを判定する(S50)。CPU52は、最初のクランキング開始時であると判定する場合(S50:YES)、初期水温THW0に、現時点での水温THWを代入する(S52)。CPU52は、S52の処理が完了する場合や、S50の処理において否定判定する場合には、クランキング後、エアフローメータ62によって検出される吸入空気量Gaが要求噴射量Qdを精度良く算出可能な値として取得可能となったか否かを判定する(S54)。この処理は、クランキング開始後上記所定期間が経過したか否かの判定となる。
CPU52は、取得可能となったと判定する場合(S54:YES)、内燃機関10の再始動時であるか否かを判定する(S56)。CPU52は、再始動時であると判定する場合(S56:YES)、再始動時水温THW1に、現時点での水温THWを代入する(S58)。
次にCPU52は、内燃機関10の直前の自動停止時から現在までの経過時間として停止時間Tstpを取得する(S60)。
CPU52は、S60の処理が完了する場合や、S56の処理において否定判定する場合には、最初のクランキング開始後の吸入空気量の積算値である総積算空気量InG0を更新する(S62)。ここでは、前回のS62の処理における総積算空気量InG0の値に、吸入空気量Gaを加算した値によって、総積算空気量InG0を更新すればよい。なお、総積算空気量InG0の初期値は、「0」とする。またCPU52は、再始動後である場合には、上記総積算空気量InG0の更新に加えて、再始動時からの吸入空気量Gaの積算値である再始動後積算空気量InG1を更新する。なお、再始動後積算空気量InG1の初期値は、「0」であり、再始動後積算空気量InG1は、再始動時となる都度初期化される。
CPU52は、S62の処理が完了する場合やS54の処理において否定判定する場合には、S64の処理に移行する。CPU52は、S64の処理において、現時点での水温THWが規定温度Tth以上である旨の条件(ア)と、総積算空気量InG0が判定値Inth0以上である旨の条件(イ)と、再始動後積算空気量InG1が判定値Inth1以上である旨の条件(ウ)との論理積が真であるか否かを判定する。この処理は、吸気通路12や吸気バルブ18等からなる内燃機関10の吸気系の温度がシングル噴射処理を実行してもPNが許容範囲内に収まる温度の下限値以上となったか否かを判定する処理である。
ここで、CPU52は、初期水温THW0が低い場合に高い場合よりも判定値Inth0を大きい値に算出する。これは、たとえば、初期水温THW0を入力変数とし、判定値Inth0を出力変数とするマップデータが予めROM54に記憶された状態で、CPU52により判定値Inth0をマップ演算することによって実現すればよい。また、CPU52は、再始動時水温THW1が低い場合に高い場合よりも判定値Inth1を大きい値に算出する。またCPU52は、停止時間Tstpが長い場合に短い場合よりも判定値Inth1を大きい値に算出する。これは、たとえば、再始動時水温THW1および停止時間Tstpを入力変数とし、判定値Inth1を出力変数とするマップデータが予めROM54に記憶された状態で、CPU52により判定値Inth1をマップ演算することによって実現すればよい。ここで、判定値Inth0は、初期水温THW0が規定温度Tthよりも高い所定温度以上である場合には、ゼロとされる。また、判定値Inth1は、再始動時水温THW1が所定温度以上である場合にはゼロとされる。さらに、判定値Inth1は、停止時間Tstpが規定時間以下の場合には、ゼロとされる。なお、CPU52は、再始動後ではない場合、判定値Inth1をゼロとする。このため、再始動時ではない場合、上記条件(ウ)は自動的に成立することとなる。
CPU52は、論理積が真であると判定する場合(S64:YES)、シングル噴射処理を選択する(S66)。これに対しCPU52は、論理積が偽であると判定する場合(S64:NO)、水温THWが、上記規定温度Tthよりも低い低閾値TL以上であるか否かを判定する(S68)。ここで、低閾値TLは、水温THWが低いために、要求噴射量Qdが過度に大きくなり、吸気非同期噴射の噴射終了時期と吸気同期噴射の噴射開始時期Isとの時間間隔を上記所定時間以上とすることができないか否かを判定するものである。CPU52は、S68の処理において否定判定する場合には、マルチ噴射処理を実行することが困難であるとして、S66の処理に移行する。これに対しCPU52は、水温THWが低閾値TL以上であると判定する場合(S68:YES)、マルチ噴射処理を選択する(S70)。この場合、マルチ噴射要求があることとなる。
なお、CPU52は、S66,S70の処理が完了する場合、図6に示す一連の処理を一旦終了する。
ちなみに、本実施形態では、CPU52は、S10の処理において否定判定する場合であっても、図6の処理に基づきマルチ噴射処理またはシングル噴射処理を選択する。ただしCPU52は、S10の処理において否定判定する場合には選択結果に応じて吸入空気量Gaから定まる要求噴射量の燃料を噴射する制御を実行する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU52は、内燃機関10の始動に際し、上記条件(ア)〜条件(ウ)の論理積が真となる場合にはシングル噴射処理を選択し、偽となる場合にはマルチ噴射処理を選択する。ここで、最初の始動時には、上記条件(イ)は自動的に満たされる。しかし、総積算空気量InG0が算出できず初期値であるゼロとされているため、CPU52は、初期水温THW0が規定温度Tthよりも高い上記所定温度以上でない場合には、水温THWが低閾値TL未満でない限り、マルチ噴射処理を選択する。これに対し、CPU52は、初期水温THW0が所定温度以上である場合、上記論理積が真となることから、シングル噴射処理を実行する。
また、CPU52は、再始動時であっても、停止時間Tstpが過度に短くない限り、初期水温THW0が規定温度Tthよりも高い上記所定温度以上でない場合には、水温THWが低閾値TL未満でない限り、マルチ噴射処理を選択する。
これに対し、CPU52は、再始動時において、停止時間Tstpが過度に短い場合には、判定値Inth1がゼロとなることから、水温THWが規定温度Tth以上であって且つ、総積算空気量InG0が判定値Inth0以上である場合には、シングル噴射処理を選択する。すなわち、内燃機関10の停止直前において総積算空気量InG0が判定値InG0以上となっている場合には、CPU52は、水温THWが規定温度Tth以上である場合、シングル噴射処理を選択する。
ただし、水温THWが規定温度Tth以上であっても、総積算空気量InG0が判定値Inth0未満となることがある。そしてその場合、吸気バルブ18の温度が、PNを許容範囲内にできる温度領域に満たないおそれがある。これは、吸気バルブ18が燃焼室24内の熱を直接受けるために吸気バルブ18の温度が燃焼室24内で生じた熱量に大きく依存することから、水温THWによって吸気バルブ18の温度が一義的に定まらないためである。したがって、総積算空気量InG0が判定値Inth0未満である場合には、水温THWが高い割に、吸気バルブ18の温度が未だ十分高くはないという事態となりうる。ここで、水温THWの判定値である規定温度Tthを、吸気バルブ18等の温度が所定温度以上となる値に設定するなら上記条件(イ)を設けないことも可能である。しかしその場合には、規定温度Tthを過度に大きい値に設定せざるを得ず、シングル噴射処理に移行してもPNを許容範囲内とすることができるときであっても、マルチ噴射処理が実行されるケースが生じる。
これに対し本実施形態では、上記条件(イ)を設けることにより、上記条件(ア)のみからマルチ噴射処理の実行要求があるか否かを判定する場合と比較すると、規定温度Tthを小さい値に設定することができる。このため、PNを許容範囲内とすることができるときには極力シングル噴射処理を実行することができる。このため、ポート噴射弁16の駆動回数の増加を抑制することができ、ポート噴射弁16の耐久力の低下を抑制できる。また、シングル噴射処理によれば、マルチ噴射処理と比較して燃料の霧化を促進することができ、またHCの発生を抑制することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記実施形態では、再始動に際してその直前の停止時間Tstpに基づき非同期噴射量Qnsを算出したが、直前の停止時間Tstpからは吸気系の温度を精度良く把握できない懸念がある。特にハイブリッド車の場合、内燃機関10の駆動および停止が短時間の間に頻繁に繰り返されることがありうるため、この問題は深刻である。すなわち、駆動時間や停止時間が短くなる場合、吸気系の温度は、再始動直前の停止時間Tstpのみならず、それ以前の駆動の仕方や停止時間にも大きく影響されうるからである。
そこで本実施形態では、車両の起動スイッチがオン状態とされている期間において、内燃機関10が駆動された後の総停止時間が長いほど大きくなる量であって、内燃機関10の再始動後の燃焼エネルギ量が大きいほど小さくなる量である間欠積算停止時間InTに基づき、非同期噴射量Qnsを補正する。
図7に、間欠積算停止時間InTの算出処理の手順を示す。図7に示す処理は、ROM54に記憶されたプログラムをCPU52がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
図7に示す一連の処理において、CPU52は、まず内燃機関10が停止しているか否かを判定する(S80)。そしてCPU52は、停止していると判定する場合(S80:YES)、間欠積算停止時間InTに図7に示す一連の処理の周期に等しい所定量ΔTを加算した値によって、間欠積算停止時間InTを更新する(S82)。
これに対し、CPU52は、内燃機関10が停止していないと判定する場合(S80:NO)、内燃機関10の駆動時であるか否かを判定する(S84)。ここで、CPU52は、クランキング時ではない場合、内燃機関10の駆動時と判定する。そしてCPU52は、駆動時と判定する場合(S84:YES)、吸入空気量GaにゲインKtを乗算した値を、間欠積算停止時間InTの減少補正量ΔT1に代入する(S86)。そしてCPU52は、間欠積算停止時間InTから減少補正量ΔT1を減算した値とゼロとのうちの大きい方によって、間欠積算停止時間InTを更新する(S88)。
CPU52は、S82,S88の処理が完了する場合には、停止時間Tstpに間欠積算停止時間InTを代入する(S90)。この処理は、図3のS22の処理や図6のS60の処理において利用されるパラメータを定めるためのものである。これにより、CPU52は、間欠積算停止時間InTが長い場合には短い場合よりも停止時間補正係数Ksを大きい値に算出することとなる。
なお、CPU52は、S90の処理が完了する場合や、S84の処理において否定判定する場合には、図7に示す一連の処理を一旦終了する。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]マルチ噴射処理は、図2(a)に示す処理に対応し、シングル噴射処理は、図2(b)に示す処理に対応する。選択処理は、図6の処理に対応し、操作処理は、S36の処理に対応する。[2]停止時間Tstpが短い場合における、S64の処理に対応する。すなわち、停止時間Tstpが短い場合、判定値Inth1がゼロとなるため、上記条件(ア)および条件(イ)の論理積が真となる場合にS64の処理において肯定判定される。[3〜6]非同期噴射量算出処理は、S14〜S24の処理に対応する。なお、停止時間算出処理は、図7の処理に対応する。[7]同期噴射量算出処理は、S26〜S30の処理に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・「非同期噴射量算出処理について」
上記実施形態では、再始動時ではない場合、水温THW、噴射回数および大気圧Paに基づき、非同期噴射量Qnsを算出したが、これに限らない。たとえば、非同期噴射量Qnsを、上記3つのパラメータについては、水温THWのみに基づき算出したり、水温THWおよび噴射回数のみに基づき算出したり、水温THWおよび大気圧Paのみに基づき算出したりしてもよい。
上記実施形態では、再始動時の場合、水温THW、噴射回数、停止時間Tstp、大気圧Paおよび吸気圧Pinに基づき、非同期噴射量Qnsを算出したが、これに限らない。たとえば、非同期噴射量Qnsを、上記5つのパラメータについては、水温THW、停止時間Tstp、噴射回数および吸気圧Pinのみに基づき算出する等、4つのパラメータのみに基づき算出してもよい。またたとえば、水温THW、停止時間Tstpおよび吸気圧Pinのみに基づき算出する等、3つのパラメータのみに基づき算出したり、水温THWおよび停止時間Tstpのみに基づき算出する等、2つのパラメータのみに基づき算出したり、水温THWのみに基づき算出する等、1つのパラメータのみに基づき算出したりしてもよい。
・「同期噴射量算出処理について」
上記実施形態では、再始動時ではない場合、水温THWおよび大気圧Paに基づき同期噴射量Qsを算出したが、これに限らない。たとえば、水温THWおよび大気圧Paの2つのパラメータについては、水温THWのみを用いて算出してもよい。またたとえば再始動時の場合と同様に、吸気圧Pinを用いて同期噴射量Qsを算出してもよい。
上記実施形態では、再始動時の場合には、水温THW、大気圧Paおよび吸気圧Pinに基づき同期噴射量Qsを算出したが、これに限らない。たとえば、それら3つのパラメータについては、水温THWおよび吸気圧Pinのみに基づき同期噴射量Qsを算出してもよい。もっとも、これに限らず、たとえば上記3つのパラメータについては、水温THWおよび大気圧Paに基づき同期噴射量Qsを算出したり、水温THWのみを用いて算出したりしてもよい。
・「マルチ噴射処理における吸気非同期噴射について」
上記実施形態では、吸気非同期噴射を、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の開弁前の位置に到達する期間が吸気バルブ18の閉弁期間に収まるように燃料を噴射するものとしたが、これに限らない。たとえば回転速度NEが高くて且つ非同期噴射量Qnsが過度に多い場合、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の開弁前の位置に到達する期間の一部が吸気バルブ18の開弁期間と重複してもよい。
・「吸気同期噴射について」
上記実施形態では、水温THW,回転速度NEおよび吸気位相差DINに基づき、噴射開始時期Isを設定したが、これに限らない。たとえば上記3つのパラメータについては、そのうちの1つのみに基づき設定したり、2つのみに基づき設定したりしてもよい。
・「シングル噴射処理について」
上記実施形態では、シングル噴射処理を、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の開弁前の位置に到達する期間が吸気バルブ18の閉弁期間に収まるように燃料を噴射する処理としたがこれに限らない。たとえば、回転速度NEが高くて且つ要求噴射量Qdが大きい場合には、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の開弁前の位置に到達する期間の一部が吸気バルブ18の閉弁期間と重複することがあってもよい。
・「選択処理について」
上記実施形態では、上記条件(ア)、条件(イ)および条件(ウ)の論理積が真である場合にシングル噴射処理を選択したが、これに限らない。たとえば、上記条件(ア)および条件(イ)との論理積が真である場合にシングル噴射処理を選択してもよい。
また、たとえば、上記条件(ア)が成立する場合に、シングル噴射処理を選択してもよい。これは、特に、下記「車両について」の欄に記載したように、車両の推力を生成する原動機として内燃機関のみを備えた車両であって且つアイドリングストップ制御を実行しないものの場合に有効である。
たとえば、燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサの検出値等、アルコール濃度を取得可能である場合、判定値Inth0や判定値Inth1を、アルコール濃度に応じて可変設定してもよい。この場合、アルコール濃度が高い場合に低い場合よりも判定値Inth0や判定値Inth1を大きい値に設定する。
・「制御装置について」
制御装置がCPU52とROM54とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)〜(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア処理回路や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。すなわち、上記処理は、1または複数のソフトウェア処理回路および1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
・「車両について」
上記実施形態では、たとえば車両の推力を生成する原動機として内燃機関に加えてモータジェネレータを備えるいわゆるハイブリッド車両を例示したが、これに限らない。たとえば、車両の推力を生成する原動機として内燃機関のみを備えアイドリングストップ制御を実行する車両であってもよい。この場合であっても、シングル噴射処理の実行条件に、上記条件(イ)を含めることにより、上記条件(ア)のみとする場合と比較して、規定温度Tthを低い値とすることができる。
なお、アイドリングストップ制御を実行すること自体、必須ではない。
・「そのほか」
内燃機関10が吸気バルブ18の特性を変更する特性可変装置を備えることは必須ではない。内燃機関10がスロットルバルブ14を備えることは必須ではない。
10…内燃機関、12…吸気通路、14…スロットルバルブ、16…ポート噴射弁、18…吸気バルブ、20…シリンダ、22…ピストン、24…燃焼室、26…点火装置、28…クランク軸、30…排気バルブ、32…排気通路、34…触媒、36…モータジェネレータ、38…タイミングチェーン、40…吸気側カム軸、42…排気側カム軸、44…吸気側バルブタイミング調整装置、50…制御装置、52…CPU、54…ROM、56…電源回路、60…クランク角センサ、62…エアフローメータ、64…吸気圧センサ、66…空燃比センサ、68…吸気側カム角センサ、70…水温センサ、72…大気圧センサ。

Claims (6)

  1. 吸気通路に燃料を噴射するポート噴射弁を備える内燃機関に適用され、
    前記内燃機関の始動時において吸入空気量の検出値によらずに算出される要求噴射量の燃料を噴射すべく、吸気バルブの開弁期間に同期して燃料を噴射する吸気同期噴射と、前記吸気同期噴射よりも進角側のタイミングにて燃料を噴射する吸気非同期噴射とを実行するマルチ噴射処理と、前記要求噴射量の燃料を前記吸気非同期噴射によって噴射するシングル噴射処理とのいずれかを選択する選択処理と、
    前記ポート噴射弁を操作して前記選択処理によって選択された処理を実行する操作処理と、を実行し、
    前記選択処理は、前記内燃機関の冷却水の温度が規定温度以上である場合、前記シングル噴射処理を選択し、前記冷却水の温度が前記規定温度未満である場合、前記マルチ噴射処理を選択する処理と、前記内燃機関が間欠駆動される場合、前記内燃機関の冷却水の温度が規定温度以上である場合であっても、前記吸気通路に吸入される空気量の積算値が所定値以上となるまでは前記マルチ噴射処理を選択する処理と、を含む内燃機関の制御装置。
  2. 前記マルチ噴射処理における前記吸気非同期噴射の噴射量である非同期噴射量を算出する非同期噴射量算出処理を実行し、
    前記非同期噴射量算出処理は、前記非同期噴射量を、前記温度が低い場合に高い場合よりも大きい値に算出する処理と、前記内燃機関の停止時から始動までの経過時間が短い場合に長い場合よりも前記非同期噴射量を小さい値に算出する処理とを含む請求項記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関が間欠駆動されている場合、前記内燃機関が停止している時間の累積時間を、前記内燃機関の始動後、前記吸気通路に吸入される空気量の積算値が大きい場合に小さい場合よりも大きい減少補正比率で減少補正した間欠積算停止時間を算出する停止時間算出処理を実行し、
    前記非同期噴射量算出処理は、前記間欠積算停止時間が長い場合に短い場合よりも前記非同期噴射量を大きい値に算出する処理を含む請求項記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記非同期噴射量算出処理は、大気圧が高い場合に低い場合と比較して前記非同期噴射量を大きい値に算出する処理を含む請求項2または3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記内燃機関は、スロットルバルブを備え、
    前記非同期噴射量算出処理は、前記内燃機関の始動時が前記内燃機関の再始動時である場合、吸気圧が低い場合に高い場合と比較して前記非同期噴射量を小さい値に算出する処理を含む請求項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関の停止時から始動までの経過時間に依存することなく前記温度に基づき前記吸気同期噴射の噴射量である同期噴射量を算出する同期噴射量算出処理を実行する請求項3〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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