JP6904241B2 - 穀物乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は、穀物を乾燥させる穀物乾燥機に関する。
収穫後の穀物を乾燥させる穀物乾燥機において、以下の特許文献1−3の技術が知られている。
特許文献1(特開2011−163603号公報)には、穀物乾燥機において、穀物水分値の低下や、外気湿度、穀物の張込量に応じて排風ファンの回転数を制御する技術が記載されている。
特許文献2(特開平7−71876号公報)には、風量センサ(29)で穀物乾燥機の吸引風量を検出して、吸引風量が所定以下の場合に、風量不足異常を検出すると共に、吸引ファン(12)の起動時には、風量不足異常の検出を行わないようにする技術が記載されている。
特許文献3(特許第5391560号公報)には、穀物乾燥機において、穀粒の張込量が少ない場合には、少量燃焼量でバーナ(5)の燃焼を行う技術が記載されている。
特開2011−163603号公報 特開平7−71876号公報 特許第5391560号公報
特許文献1,3に記載された穀物乾燥機において、穀物の張込み量に応じて排風ファンの回転数やバーナの燃焼量が制御されている。ここで、張込み量が少ない場合に、バーナの燃焼量だけ小さくして、排風ファンの回転数がそのままだと、温度と風量(風速)のバランスが悪く、穀物が割れやすくなる等の懸念がある。したがって、穀物の乾燥を良好に行うには、燃焼量を小さくする際には、排風ファンの回転数も小さくすることが望ましい。
しかしながら、排風ファンの回転数を低下させて風量を低下させると、特許文献2に記載の構成のような風量センサが異常を検出する恐れがある。
本発明の課題は、風量異常の検出を抑えつつ、良好な穀物の乾燥を行うことである。
上記本発明の課題は、次の解決手段で解決される。
請求項1に記載の発明は、穀物が収容される乾燥室(5)と、前記乾燥室(5)内の空気を排気する排風部材(13a)と、前記乾燥室(5)内の穀物の量を検出する穀物量検出部材(12)と、前記乾燥室(5)内に吸引される空気の風量を検出する風量検出部材(88)と、前記穀物量検出部材(12)が検出する穀物の量に基づいて前記排風部材(13a)の回転数を制御する制御部(50)であって、前記回転数が予め定められた閾値に達しない場合には、風量検出部材(88)が異常を検出しても検出結果無視する前記制御部(50)と、を備え、前記制御部(50)は、前記風量検出部材(88)の検出が規制されていない状態で、前記風量検出部材(88)が風量異常を検出した場合に、風量異常が解消されるまで前記排風部材(13a)の回転数を増大させることを特徴とする穀物乾燥機(1)である。
請求項2に記載の発明は、穀物が収容される乾燥室(5)と、前記乾燥室(5)内の空気を排気する排風部材(13a)と、前記乾燥室(5)内の穀物の量を検出する穀物量検出部材(12)と、前記乾燥室(5)内に吸引される空気の風量を検出する風量検出部材(88)と、前記穀物量検出部材(12)が検出する穀物の量に基づいて前記排風部材(13a)の回転数を制御する制御部(50)であって、前記回転数が予め定められた閾値に達しない場合には、風量検出部材(88)が異常を検出しても検出結果を無視する前記制御部(50)と、穀物乾燥機(1)内の穀物の有無を検出する有無検出部材(17)と、を備え、前記制御部(50)は、穀物を乾燥させる運転の終了後に、穀物無しの状態で前記乾燥室(5)を昇温させずに通風させる通風運転を実行する場合には、前記排風部材(13a)の回転数を予め定められた高回転数で回転させることを特徴とする穀物乾燥機(1)である。
請求項3に記載の発明は、穀物が収容される乾燥室(5)と、前記乾燥室(5)内の空気を排気する排風部材(13a)と、前記乾燥室(5)内に吸引される空気の風量を検出する風量検出部材(88)と、前記排風部材(13a)を予め定められた回転数以上で駆動させる通常モードと、前記排風部材(13a)を予め定められた回転数以下で駆動させる低回転モードと、のいずれかで前記排風部材(13a)を制御する制御部(50)であって、前記低回転モードが設定された場合には、風量検出部材(88)が異常を検出しても検出結果を無視する前記制御部(50)と、を備え、前記制御部(50)は、前記風量検出部材(88)の検出が規制されていない状態で、前記風量検出部材(88)が風量異常を検出した場合に、風量異常が解消されるまで前記排風部材(13a)の回転数を増大させることを特徴とする穀物乾燥機(1)である。
請求項4に記載の発明は、穀物が収容される乾燥室(5)と、前記乾燥室(5)内の空気を排気する排風部材(13a)と、前記乾燥室(5)内に吸引される空気の風量を検出する風量検出部材(88)と、前記排風部材(13a)を予め定められた回転数以上で駆動させる通常モードと、前記排風部材(13a)を予め定められた回転数以下で駆動させる低回転モードと、のいずれかで前記排風部材(13a)を制御する制御部(50)であって、前記低回転モードが設定された場合には、風量検出部材(88)が異常を検出しても検出結果を無視する前記制御部(50)と、穀物乾燥機(1)内の穀物の有無を検出する有無検出部材(17)と、を備え、前記制御部(50)は、穀物を乾燥させる運転の終了後に、穀物無しの状態で前記乾燥室(5)を昇温させずに通風させる通風運転を実行する場合には、前記排風部材(13a)の回転数を予め定められた高回転数で回転させることを特徴とする穀物乾燥機(1)である。
請求項1、2記載の発明によれば、穀物量検出部材(12)が検出する穀物の量に基づいて前記排風部材(13a)の回転数を制御する際に、回転数が予め定められた閾値に達しない場合には、風量検出部材(88)の検出を規制することで、正常動作中に風量検出部材が風量異常を検出して、穀物乾燥機(1)が運転停止することが抑制される。したがって、風量異常の検出を抑えつつ、良好な穀物の乾燥を行うことができる。
また、請求項1記載の発明によれば、風量検出部材(88)の検出が規制されていない状態で、風量検出部材(88)が風量異常を検出した場合に、風量異常が解消されるまで排風部材(13a)の回転数を増大させることで、風の流路が詰まっていても解消することが期待でき、乾燥運転を良好に行うことができる。
また、請求項2記載の発明によれば、穀物を乾燥させる運転の終了後に穀物無しの状態で乾燥室(5)を昇温させずに通風させる通風運転を実行する場合には、排風部材(13a)の回転数を予め定められた高回転数で回転させることで、清掃運転を良好に行うことができる。
請求項3,4記載の発明によれば、排風部材(13a)が低回転モードで動作する場合に、風量検出部材(88)の検出を規制することで、正常動作中に風量検出部材が風量異常を検出して、穀物乾燥機(1)が運転停止することが抑制される。したがって、風量異常の検出を抑えつつ、良好な穀物の乾燥を行うことができる。
また、請求項3記載の発明によれば、風量検出部材(88)の検出が規制されていない状態で、風量検出部材(88)が風量異常を検出した場合に、風量異常が解消されるまで排風部材(13a)の回転数を増大させることで、風の流路が詰まっていても解消することが期待でき、乾燥運転を良好に行うことができる。
また、請求項4記載の発明によれば、穀物を乾燥させる運転の終了後に穀物無しの状態で乾燥室(5)を昇温させずに通風させる通風運転を実行する場合には、排風部材(13a)の回転数を予め定められた高回転数で回転させることで、清掃運転を良好に行うことができる。
図1は本発明の本実施形態の穀物乾燥機の斜視図である。 図2は図1の矢印II方向から見た図である。 図3は図1のA−A線断面図であり、乾燥機内部の内部構造を示す。 図4は本実施形態の乾燥設備における穀物乾燥機に集塵装置が接続された状態の説明図である。 図5は排風の流れの説明図である。 図6は本実施形態の穀物乾燥機の操作パネルの説明図である。 図7は本実施形態の穀物乾燥機の制御機構をブロック図で示す。 図8は本実施形態の排風戻し制御処理のフローチャートの説明図である。 図9は本実施形態の風量異常の規制制御処理のフローチャートの説明図である。
本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は本発明の本実施形態の穀物乾燥機の斜視図である。
図2は図1の矢印II方向から見た図である。
図3は図1のA−A線断面図であり、乾燥機内部の内部構造を示す。
図1〜図3において、本発明の本実施形態の穀物乾燥機1は、内部の乾燥機内に、貯留室2、排風室3、熱風室4及び集穀室6が上方から順に配置されている。そして、穀物乾燥機1の壁面外部に昇降機16を配置している。なお、排風室3及び熱風室4を合わせて乾燥室5ということがある。
排風室3と熱風室4を仕切る壁8の間に上方から下方に向けて漏斗状の穀粒が落下する穀粒流路9が形成されており、この穀粒流路9を落下する間に穀粒は熱風で乾燥される。
従って、貯留室2内の穀粒は天井部10から下方に落下していく過程で、排風室3と熱風室4の間の穀粒流路9で乾燥される。このとき、貯留室2内の天井部10に設けた拡散羽根(図示せず)により穀粒は、貯留室2内の水平断面の全体に亘り広がりながら落下することで乾燥し易くなる。
乾燥された穀粒は、穀粒流路9の下端部に集められ、穀粒流路9の下端部に設けられたロータリバルブ38を経由して集穀室6に集められ、集穀室6の下部に設けられた下部コンベア39により穀物乾燥機1の外部にある昇降機16に抜き出され、穀物乾燥機1の天井部10側に搬送される。天井部10に搬送された穀粒は、天井部10に設けられた上部ラセン樋22の内部に配置された上部ラセン23により後方に搬送され、貯留室2の上部から落下して供給される。
図1において、昇降機16の適所に、穀物の有無の検出部材の一例としての自動水分計17が配置されている。さらに、昇降機16の隣には熱風室4に熱風を供給する熱源の一例として、例えば燃焼バーナ19などを設け、その熱源の上方に穀物乾燥機1の駆動制御を行うコントローラ(制御部、制御装置)50を設けている。
昇降機16の上端部には、乾燥が終了した穀物を外部に排出する排出部20が接続されている。排出部20の上端部には、図示しない切替弁が設置されており、穀物を、排出部20側と上部ラセン樋22側のどちらに送るかを切り換えることが可能になっている。
図3において、貯留室2内の適所に張込センサ12が配置されており、張り込み穀粒量を適宜検出できる。
図4は本実施形態の乾燥設備における穀物乾燥機に集塵装置が接続された状態の説明図である。
図5は排風の流れの説明図である。
図2、図4、図5において、穀物乾燥機1の後部には、排風部13が支持されている。排風部13の内部は、排風部材の一例としての排風ファン13aが配置されている。排風ファン13aは、図示しないモータで作動するように構成されており、排風室3の空気を穀物乾燥機1の外部に排出する。
排風ファン13aの後部には、排風ダクト14が接続されている。排風ダクト14の上部には、排風戻し通路の一例としての排風戻しダクト15が接続されている。排風戻しダクト15は、上方に延びる上流部15aと、上流部15aの上部と排風室3とを接続する下流部15bとを有する。排風ダクト14には、上流部15aの下方に、案内部材の一例としての排風案内板60が配置されている。排風案内板60には、図示しない複数の貫通孔が形成されている。したがって、排風の一部が、排風案内板60で排風戻しダクト15側に案内され、残りが貫通孔を通過して排風ダクト14の下流側に送られる。
排風戻しダクト15の上流部15aには、排風調整部材の一例としての排風調節弁61が配置されている。排風調節弁61は、図示しないモータで回転可能に形成されている。したがって、図4に示すように排風調節弁61が上流部15aを塞ぐ状態や、図5に示すように、排風調節弁61が上流部15aの流路面積を広げた状態とすることが可能である。排風調節弁61は、予め定められた段階(例えば、5段階)で回転して流路面積を調整するように構成することが可能であるが、連続的に(無段階で)流路面積を調整可能な構成とすることも可能である。
本実施形態では、排風戻しダクト15の下流部15bに、風量検出部材の一例としての戻し圧力センサ62が設置されている。戻し圧力センサ62は、排風戻しダクト15を戻される空気の圧力(背圧)を計測することで、戻される風量を計測する。
なお、空気圧を計測する場合に限定されず、風速や風圧を計測することで戻される風量を計測することも可能である。
図4において、排風ダクト14には、集塵装置71が接続可能である。なお、集塵装置71は、ユーザの希望に応じて装着されるオプション品であり、接続されない場合もある。したがって、集塵装置71が接続されない場合は、排風ダクト14が直接外部に接続され、排風室3からの排風が直接外気に排出される。
本実施形態の集塵装置71は、筐体72を有する。筐体72の上部には、集塵室73が形成され、集塵室73には、排風ダクト14が接続される。集塵室73の下方には、液体の収容部の一例としてのタンク74が配置されている。タンク74には、集塵用の液体が貯留されている。タンク74には、液体を送り出すポンプ76が配置されている。ポンプ76で送り出された液体は、集塵室73内のノズル77で衝突板78に吹き付けられ、集塵用の液体が霧状に拡散する。したがって、集塵室73に送られた排風に含まれる籾殻や塵埃が霧状の液体で吸収され、排風から除去される。塵埃等が除去された排風は、集塵室73の上部に形成された排出口73aに設置されたフィルタ79を通過して外部に排出される。
なお、本実施形態では、集塵装置71として、いわゆる湿式の集塵装置を使用したがこれに限定されない。集塵用の液体を使用せず、フィルタ79で塵埃等を除去する方式、いわゆる乾式の集塵装置を使用することも可能である。
なお、本実施形態では、穀物乾燥機1に集塵装置71が接続された構成を、乾燥設備Sと呼ぶ。
図4において、燃焼バーナ19は、筐体の一例としてのバーナケース81を有する。バーナケース81の側面には、乾燥室5の内部に空気を取り込むための複数の吸気口81aが形成されている。バーナケース81の内部には、バーナ本体82が設置されている。バーナ本体82では、燃料ポンプ83から送られた燃料に、着火部材の一例としてのイグナイタ84で着火されるとともに、バーナ送風ファン86から空気が送り込まれる。バーナ本体82で発生した熱は、遠赤外線放射体87により、乾燥室5を加温する。
また、バーナケース81の内部には、風量検出部材の一例として、吸気口81aから吸引された空気の風速を計測する吸引風速計88が設置されている。なお、本実施形態では、吸引された空気の量を、風速で計測する構成を例示したが、これに限定されず、風圧で計測する構成とすることも可能である。
図6は本実施形態の穀物乾燥機の操作パネルの説明図である。
図6において、本実施形態の穀物乾燥機1の操作パネル32は、穀類の張込ボタン33a、通風ボタン33b、乾燥ボタン33c、排出ボタン33d、停止ボタン33eが並列配置されており、上記ボタン33a〜33eによりそれぞれの運転操作を行うことができる。熱風温度、水分、残り時間について液晶画面34に表示可能であり、また緊急停止ボタン35により乾燥機を緊急停止することもできる。
また、操作パネルの左側には、廃熱の回収量を表示するヒートリサイクルランプ41aや、水分計で測定した水分をもとに穀物水分のばらつきを表示する水分ばらつきランプ41b、水分計で測定した水分をもとに未熟米混入量を表示する未熟米ランプ41cが設けられている。
操作パネル32の右側には、乾燥休止時間の設定を行うモードに移行するボタン45aや、タイマの設定を行うモードに移行するボタン45b、張り込み量の設定を行うモードに移行するボタン45c、水分量の設定を行うモードに移行するボタン45dと、各モードにおいてその増減をそれぞれ行う増加ボタン45eと減少ボタン45fが設けられている。各ボタン45a〜45fによる設定値は液晶画面34に表示される構成になっている。
また、操作パネル32の右側には、穀物の種類の設定を行う穀物設定ボタン46aと、設定中の穀物の種類を表示する穀物設定表示ランプ46bと、乾燥速度の設定を行う乾燥設定ボタン46cと、設定中の乾燥速度を表示する乾燥設定表示ランプ46dとが設けられている。
図7は本実施形態の穀物乾燥機の制御機構をブロック図で示す。
なお、図7の機能ブロック図では、本発明の説明に関連の無い構成に関しては図示を省略している。
図7において、本実施形態の制御装置50は、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御装置50は、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリや、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリからなるメモリ47を有する。また、制御装置50は、メモリ47に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、本実施形態の制御装置50は、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。よって、制御装置50は、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
本実施形態の制御装置50には、自動水分計17や張込センサ12、戻し圧力センサ62、吸引風速計88の検出信号や、操作パネル32の各種ボタン33a〜33e,35,45a〜45f,46a,46cからの入力信号が入力される。
また、制御装置50は、排風ファン13aや昇降機16、燃焼バーナ19、上部ラセン23、撹拌羽根、ロータリバルブ38、下部ラセン39、排風調節弁61、集塵装置71等の被制御部材に対して制御信号を出力する。
本実施形態の制御装置50は、張込ボタン33aや、通風ボタン33b、乾燥ボタン33c、排出ボタン33d、停止ボタン33e、緊急停止ボタン35の入力に応じて、昇降機16や燃焼バーナ19、上部ラセン23、拡散羽根、排風ファン13a、ロータリバルブ38、下部ラセン39等を駆動または駆動停止して、張り込み運転、通風運転、乾燥運転、排出運転、運転停止、緊急停止を行う。
なお、張込み運転では、燃焼バーナ19や排風ファン13aを作動させずに、各ラセン23,39等で穀物が循環されて、乾燥室5に穀物が張り込まれる。
通風運転は、燃焼バーナ19を作動させずに排風ファン13aを作動させると共に、各ラセン23,39等を作動させる。
乾燥運転は、燃焼バーナ19と排風ファン13aを作動させると共に、各ラセン23,39等を作動させて、穀物を乾燥させる。
排出運転は、各ラセン23,39等を作動させて、穀物を排出部20から排出させる。
なお、本実施形態の制御装置50は、一例として、張込ボタン33aと乾燥ボタン33cが同時に押された場合に、試運転(試運転モード)が選択される様に構成されている。なお、試運転モードは、燃焼バーナ19等がメンテナンスで交換された場合のように、基本的には、穀物が存在しない状態で穀物乾燥機1が正常に動作するかを確認するために実行されるモードである。
本実施形態の穀物乾燥機1では、試運転モードが選択された状態で、乾燥ボタン33cの入力がされると、穀物が無ければ、制御装置50は、設定された燃焼量で燃焼バーナ19を作動させながら、排風ファン13や各ラセン23,39等を作動させる乾燥試運転を実行する。そして、停止ボタン33eの入力がされると、乾燥試運転を終了する。なお、穀物の有無は、自動水分計17の検出結果に基づいて判別することが可能である。
また、本実施形態の制御装置50は、集塵装置71を使用する場合に、集塵装置71を使用しない場合に比べて、排風調節弁61を制御して穀物乾燥機1の乾燥室5に戻される排風量を少なくする。本実施形態では、集塵装置71が接続された場合には、集塵装置71が接続されない場合に比べて、一例として、排風調節弁61を、1段階流路面積が小さくなる方向に制御することで、戻される排風量を少なくしている。
なお、戻される排風量を少なくする方法として、排風調節弁61の開度の制御を行う構成に限定されない。例えば、排風調節弁61に変えて、追加のファンを設置して、追加のファンの回転数を制御することで、戻される排風量を制御する構成とすることも可能である。
また、本実施形態では、一例として、集塵装置71が接続された場合に、サービスエンジニアによる操作パネル32からの入力で、集塵装置71が接続されたこと(集塵モード)を登録可能に構成されている。このほかにも、集塵装置71が接続されたことを検出するセンサやコネクタ、スイッチを設けたり、集塵装置71が装着された場合に入力するボタン、スイッチ等を設けることも可能である。
さらに、上部ラセン樋22に排塵機が設けられる構成では、集塵装置71が装着されて背圧がかかる状況では、排塵機の検知センサの感度を低下させることが望ましい。
さらに、本実施形態の制御装置50は、戻し圧力センサ62の検出結果が予め定められた閾値(第1閾値)に達する場合も、排風調節弁61を制御して穀物乾燥機1に戻される風量を少なくする。
なお、集塵モードの場合、または、戻し圧力センサ62の検出結果が第1閾値に達する場合に、風量を少なくする構成を例示したが、これに限定されない。例えば、いずれか一方の場合のみ風量を少なくする構成としたり、両方が満たされた場合にのみ風量を少なくする構成とすることも可能である。
また、本実施形態では、戻し圧力センサ62を、排風戻しダクト15の下流部に設ける構成を例示したが、これに限定されない。集塵装置71が装着された場合に増大する空気圧(背圧)を測定可能な任意の位置に設置可能であり、例えば、排風ダクト14や乾燥室5等に設けることも可能である。
また、本実施形態の制御装置50は、張込センサ12の検出結果に基づいて、穀物の張込み量に応じて、燃焼バーナ19の燃焼量と、排風ファン13aの回転数を制御する。本実施形態では、張込み量が多くなるほど、燃焼量と回転数を増大させるように制御する。例えば、張込み量を、一例として、5段階で判定する場合、燃焼量と排風ファン13aも5段階で調整することが可能である。なお、燃焼量等を6段階以上や4段階以下、あるいは、連続的(無段階)で調整するように構成することも可能である。なお、燃料ポンプ83からの燃料の供給量を調整したり、バーナ送風ファン86からの送風量を調整することで、燃焼バーナ19の燃焼量の調整が可能である。
なお、本実施形態では、乾燥室5の穀物の量が予め定められた量に達しない場合に、最も低回転数(低回転モード)で排風ファン13aを制御する。なお、予め定められた量は、一例として、穀物の量(張込み量)が排風室3と熱風室4を仕切る壁8の上端に達しない場合、すなわち、仕切る壁8の上端が、張り込まれた穀物の最上面よりも上方に出ている場合に設定されている。したがって、網状の部材で構成された仕切る壁8の上端部において、穀物に触れずに網目から直接乾燥室5に熱風が噴き出すような状況の場合は、最低回転数で排風ファン13aが制御される。
そして、本実施形態の制御装置50は、集塵装置71を使用する場合に、集塵装置71を使用しない場合に比べて、排風ファン13aの回転数を増大させる。一例として、集塵装置71が接続された場合には、集塵装置71が接続されない場合に比べて、回転数を1段階高く制御する(1段階高くなるように回転数を補正する)ことで、回転数を増大させ、排風量を多くする。
また、本実施形態の制御装置50は、戻し圧力センサ62の検出結果が予め定められた閾値(第1閾値)に達する場合も、排風ファン13aの回転数を増大させるように制御する。
さらに、本実施形態の制御装置50は、排風ファン13aの回転数が予め定められた閾値(第2閾値)に達しない場合には、吸引風速計88の検出を規制する。本実施形態では、排風ファン13aの回転数が第2閾値以下の場合には、吸引風速計88が風量異常を検出しても、風量異常として扱わず、検出結果を無視する(破棄する)。なお、検出結果を無視する場合に限定されず、吸引風速計88への電源供給を停止する等の任意の方法で、吸引風速計88による風量異常の検出を規制することが可能である。
なお、第2閾値は、一例として、5段階で調整される排風ファン13aの回転数において、最も低速な1速の回転数に設定することができるが、これに限定されない。回転数の段階の数に応じて2速や3速とすることも可能であり、回転数が無段階で変速される場合は、実験等で予め定められた数値とすることも可能である。
なお、本実施形態において、例えば、5段階で調整される排風ファン13aの回転数において、最も低速な1速を低回転モードとし、2速〜5速を通常モードとして、張込み量が少ない場合だけでなく、穀物の種類や、ユーザの操作パネル32からの入力等に応じて、低回転モード(1速)が設定された場合には、吸引風速計88の検出を規制するように構成することも可能である。
また、本実施形態の制御装置50は、吸引風速計88の検出が規制されていない状況、すなわち、排風ファン13aの回転数が第2閾値を超えている状況(または通常モードが設定されている状況)で、吸引風速計88が風量異常を検出した場合に、風量異常が解消されるまで排風ファン13aの回転数を増大させる。本実施形態では、一例として、最大の回転数(5速)で回転させる。また、風量異常が解消されるまで排風ファン13aを高速回転させる構成とする場合に限定されず、高速回転を開始して所定時間が経過しても風量異常が解消されない場合は、乾燥運転や通風運転等をエラー終了する構成とすることも可能である。
さらに、本実施形態の制御装置50では、穀物無しの状態で、穀物を乾燥させる運転を開始する場合(前述の試運転モードの場合)には、排風ファン13aの回転数を予め定められた低回転数で回転させる。本実施形態では、試運転モードでは、一例として、排風ファン13aを低回転モード(1速)で回転制御する。
なお、本実施形態では、乾燥運転の終了後に、穀物無しの状態で乾燥室5を昇温させずに通風させる通風運転(清掃運転モード)を実行する。このとき、清掃運転モードでは、排風ファン13aの回転数を予め定められた高回転数で回転させる。本実施形態では、清掃運転モードでは、排風ファン13aを、一例として、5段階の5速で回転制御する。
(本実施形態の流れ図の説明)
次に、本実施形態の穀物乾燥機1における制御の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(排風戻し制御処理のフローチャートの説明)
図8は本実施形態の排風戻し制御処理のフローチャートの説明図である。
図8のフローチャートの各ステップSTの処理は、制御装置50に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は穀物乾燥機1の他の各種処理と並行して実行される。
図8に示すフローチャートは穀物乾燥機1の電源投入により開始される。
図8のST1において、乾燥運転を開始する入力がされたか否かを判別する。すなわち、操作パネル32において、乾燥ボタン33cが押されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、集塵モードであるか否か、すなわち、集塵装置71が接続されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST3に進み、ノー(N)の場合はST4に進む。
ST3において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST6に進む。
(1)穀物乾燥機1に戻される排風が少なくなるように排風調節弁61を制御する。
(2)排風ファン13aを1段階高回転数で回転するように制御する。
ST4において、戻し圧力センサ62の圧力が第1閾値以上であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST3に進み、ノー(N)の場合はST5に進む。
ST5において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST6に進む。
(1)穀物乾燥機1に戻される排風が通常の排風量となるように排風調節弁61を制御する。
(2)排風ファン13aを通常回転数で(回転数の補正をせずに)回転するように制御する。
ST6において、乾燥運転が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST4に戻る。
(風量異常の規制制御処理のフローチャートの説明)
図9は本実施形態の風量異常の規制制御処理のフローチャートの説明図である。
図9のフローチャートの各ステップSTの処理は、制御装置50に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は穀物乾燥機1の他の各種処理と並行して実行される。
図9に示すフローチャートは穀物乾燥機1の電源投入により開始される。
図9のST11において、乾燥運転を開始する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に進み、ノー(N)の場合はST11を繰り返す。
ST12において、試運転モードであるか否か、すなわち、穀物が無い状態で乾燥運転を行う入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST13に進み、ノー(N)の場合はST15に進む。
ST13において、排風ファン13aの回転数を試運転用の低回転数(1速)に設定する。そして、ST14に進む。
ST14において、乾燥運転(試運転モード)が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST24に進み、ノー(N)の場合はST14を繰り返す。
ST15において、張込み量は設定値以下か否か、すなわち、張込み量が仕切る壁8の上端が露出する量よりも少ないか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST16に進み、ノー(N)の場合はST17に進む。
ST16において、排風ファン13aを低回転モード(1速)に設定、制御する。そして、ST19に進む。
ST17において、張込み量に応じた回転数で排風ファン13aを制御する。そして、ST18に進む。
ST18において、排風ファン13aの回転数は第2閾値以下であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST19に進み、ノー(N)の場合はST25に進む。
ST19において、吸引風速計88の検出を規制する。そして、ST20に進む。
ST20において、乾燥運転が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST21に進み、ノー(N)の場合はST20を繰り返す。
ST21において、乾燥運転終了後、穀物が排出され、通風運転(清掃運転)が開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に進み、ノー(N)の場合はST21を繰り返す。
ST22において、排風ファン13aの回転数を清掃用の高回転数(5速)に設定、制御する。そして、ST23に進む。
ST23において、通風運転が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST24に進み、ノー(N)の場合はST23を繰り返す。
ST24において、排風ファン13aを停止させる。そして、ST11に戻る。
ST25において、吸引風速計88において風量異常(所定の風量に達しない)を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST26に進み、ノー(N)の場合はST28に進む。
ST26において、排風ファン13aの回転数を増大させる。そして、ST27に進む。
ST27において、風量異常が解消されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST15に戻り、ノー(N)の場合はST27を繰り返す。
ST28において、乾燥運転が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST21に進み、ノー(N)の場合はST15に戻る。
前記構成を備えた穀物乾燥機1を備えた乾燥設備Sでは、乾燥運転時に、排風の一部が排風戻しダクト15を通じて戻されることで、排風に含まれる熱を乾燥室5に戻すことで熱効率を向上させている。ここで、穀物乾燥機1に集塵装置71が接続されると、集塵装置71が接続されない場合に比べて、排気の抵抗が高くなる(排気されにくくなる)。したがって、排風調節弁61の位置を変更しない場合、集塵装置71側に排風が流れにくくなり、排風戻しダクト15を通じて乾燥室5に戻される排風の量が多くなる。戻される排風量が想定よりも多くなると、戻される排風に含まれる熱や水分、塵埃等が必要以上に多くなる恐れがある。したがって、想定以上の熱が戻されることにより穀物が加熱されすぎたり、水分による結露、塵埃の付着等の不具合が発生する恐れがある。
これらに対して、本実施形態では、穀物乾燥機1に集塵装置71が接続された場合、排風戻しダクト15を通じて戻される排風の量が少なくなるように排風調節弁61が制御される。したがって、戻される排風の量が必要以上になることが抑制され、熱や水分、塵埃が過剰に戻されることによる不具合を低減できる。
また、本実施形態では、戻し圧力センサ62の検出する圧力が第1閾値に達する場合、戻される風量が多くなっていると判別して、排風調節弁61が制御されて、戻される排風の量が少なくなる。よって、戻される排風の量が必要以上になることが抑制され、熱や水分、塵埃が過剰に戻されることによる不具合を低減できる。
なお、集塵装置71が接続された場合に、排風調節弁61だけで戻される排風を制御しきれない場合等では、燃焼バーナ19の燃焼量を低下させることで、戻される熱量を含めて全体の熱量が所定の範囲に収まるように制御することも可能である。
さらに、本実施形態では、穀物乾燥機1に集塵装置71が接続された場合、排風ファン13aの回転数を増速して、排風ダクト14側に搬送される空気の量を増やしている。したがって、集塵装置71側に送られる排風の量を多くして、塵埃が集塵装置71側に多く送られ、排風ファン13aを増速しない場合に比べて、穀物乾燥機1内の塵埃の量が迅速に減少される。結果として、流動する空気に含まれる塵埃の量が早期に少なくなり、排風戻しダクト15を通じて必要以上の塵埃や水分の乾燥室5への流入が抑えられる。
また、本実施形態では、戻し圧力センサ62の検出する圧力が第1閾値に達する場合も、排風ファン13aの回転数が増速され、速やかに塵埃の量が少なくなる。よって、排風戻しダクト15を通じて必要以上の塵埃や水分の乾燥室5への流入が抑えられる。
さらに、本実施形態の穀物乾燥機1では、張込み量に応じて、燃焼バーナ19の燃焼量と排風ファン13aの排風量を制御することで、燃焼量と排風量のバランスを取り、穀物乾燥機1の乾燥能力が過剰になったり、過小になることを抑制している。ここで、排風量が少なくなると、吸引風速計88が風量を検出できなくなり、風量異常を検出する。吸引風速計88は、元々、仕切る壁8の目詰まりや、排風ダクト14や集塵装置71が塵埃等で詰まったり等の異常、故障が発生して、空気が流動しなくなった場合に風量異常を検出して、穀物乾燥機1を緊急停止させるための安全装置である。このほかにも、乾燥設備Sの新規設置時や分解メンテナンス後等に、排風ダクト14が屈曲したり、排風ダクト14の一部に蛇腹(ベローズ)が使用されている場合に蛇腹がねじれたり曲がったりして、空気が流動しにくい場合も吸引風速計88で検出可能である。
しかし、張込み量が少なくて排風ファン13aが低速回転した場合に、穀物乾燥機1は正常に動作しているにも関わらず、異常発生と判別されて、穀物乾燥機1が停止されると、穀物の乾燥作業が滞る問題がある。これに対して、本実施形態では、排風ファン13aが低速回転すると、吸引風速計88の検出を規制する。したがって、正常に乾燥運転が行われているにもかかわらず、吸引風速計88が風量異常を検出するような状況になっても、穀物乾燥機1が停止することが抑制される。よって、排風ファン13aの低速回転時に、風量異常の検出を抑えつつ、良好な穀物の乾燥を行うことができる。
また、ユーザの操作パネル32からの入力等で低回転モード(1速)が設定された場合にも、吸引風速計88の検出を規制することで、風量異常の検出を抑えつつ、穀物乾燥機1を停止させずに動作させて、良好な穀物の乾燥を行うことができる。
さらに、本実施形態では、張込み量が少ない場合には、低速(1速)で排風ファン13aが回転される。したがって、網状の仕切る壁8から穀物に触れずに直接乾燥室5に熱風が噴き出すような状況の場合は、最低回転数で排風ファン13aが制御される。よって、仕切る壁8の一部から過剰に風が抜けて穀物が舞ったり、風の流れが偏りすぎて、穀物の乾燥にムラが発生するといった状況を抑制し、張込み量が少ない状況でも乾燥運転を良好に行うことができる。
また、本実施形態では、吸引風速計88の検出が規制されていない状況では、吸引風速計88が風量異常を検出すると、排風ファン13aの回転数を増大させる。したがって、塵埃の目詰まり等で風量が少なくなった場合に、排風ファン13aの回転数を増大させて、排風量を高くすることで、目詰まりした塵埃等を吹き飛ばして、風量異常の解消を図ることができる。
さらに、本実施形態では、試運転時には、排風ファン13aの回転数を低下させる。試運転時は穀物がない状態で行われるため、穀物が風の流れの抵抗とならず、風が抜けやすい。したがって、燃焼バーナ19にとっては、風が強すぎる状況になりやすく、炎が安定しにくくなる。したがって、本実施形態では、排風ファン13aの回転数を下げることで、試運転時における燃焼の安定性を向上させることができる。
また、本実施形態では、穀物排出後の通風運転(清掃運転)時には、排風ファン13aの回転数を増大させる。通風運転では、燃焼バーナ19が燃焼されないため、風量が過剰になっても問題なく、高速の排風で、乾燥室5や排風ダクト14の内面や仕切る壁8等に付着した籾殻や塵埃等が吹き飛ばされやすくなる。また、結露等も解消されやすくなる。よって、乾燥室5等の清掃を効率よく行うことができる。
なお、本実施形態では、集塵装置71が接続されたことを登録するための構成を設けたがこれに限定されない。例えば、穀物が無い状態(張込み開始時や排出終了時)に、排風調節弁61を全開にして、そのときの戻し圧力センサ62の検出値が所定値以上の場合には、背圧がかかっていると判断して、集塵装置71が接続されていると判断する構成とすることも可能である。そして、排風調節弁61を全開にして、そのときの戻し圧力センサ62の検出値に基づいて、戻される排風量が所定の戻し量になるように、排風調節弁61の開度を調整、補正を出すことも可能である。
なお、排風調節弁61を全開にして、そのときの戻し圧力センサ62の検出値が所定値以上の場合に、排風ダクト14や集塵装置71のフィルタ79が詰まっていると判別して、警報を出す構成とすることも可能である。また、例えば、張込み開始時と排出終了時で戻し圧力センサ62の検出値を対比して、検出値の差が所定値以上の場合に排風ダクト14等が詰まっている(または詰まりかけている)と判別して警報を出す構成とすることも可能である。さらに、張込み開始時と排出終了時に限定されず、運転中に所定時間毎に戻し圧力センサ62の検出値を対比して、前回の検出値との差が大きくなったり、閾値を超えた場合には、警報を出す構成とすることも可能である。なお、いきなり警報を出すのではなく、前回の検出値との差分がある程度になると注意喚起を行い、差分が大きくなると警報を出すといった形態とすることも可能である。このとき、注意喚起を行う状況では、塵埃が詰まりかけた状態であり、高温を維持すると火災の危険があるので、燃焼バーナ19の燃焼量を低下させることが望ましい。
さらに、他にも、排風調節弁61を全開にするのではなく、排風調節弁61の開度毎に、集塵装置71が接続されていない状態での戻し圧力センサ62の検出値を、予め測定しておき、穀物が無い状態での戻し圧力センサ62の検出値が排風調節弁61の開度に対応する値よりも高い場合に、集塵装置71が接続されていると判別したり、警報をだしたりすることも可能である。
また、本実施形態の穀物乾燥機1において、乾燥室5が高温になった場合には、温度を下げるために、燃焼バーナ19の温度を下げると共に、排風調節弁61は、全閉の状態にして、排風(熱風)を乾燥室5に戻さないようにすることが望ましい。
前述の塵埃が詰まる等で風量が低下した状態が検知された場合、乾燥室5に冷たい外気が入りにくく、乾燥室5の温度が上昇しやすい。したがって、この状態では排風を戻すことは望ましくないため、排風調節弁61を全閉の状態にすることが望ましい。
なお、乾燥室5が高温の状態や風量が低下した状態で乾燥運転の継続する場合には、高温または詰まった(または詰まりかけた)状態で運転が継続するので、運転終了まで排風調節弁61は閉じた状態で維持することが望ましい。
また、本実施形態の乾燥設備Sを新規設置したり、レイアウトを変更する場合に、排風ダクト14がレイアウトの関係で途中で湾曲したり屈曲することがあり、排風が流れにくくなることがある。これに対して、試運転(籾無しの状態)を行って、吸引風速計88の測定風量から籾有り時の風量を計算し、予め定められた標準風量に対する割合からレイアウトが適正かどうかを判別することも可能である。すなわち、標準風量に近ければ、排風の流れがほとんど妨げられておらず、標準風量からかけ離れると、排風が流れにくくなっていることが分かる。例えば、標準風量に対する割合が100%〜80%の場合はOK、79%〜70%は注意、69%以下はNGといった表示をすることが可能である。このように表示することで、ユーザやサービスエンジニアが、排風レイアウトが適切かどうかを確認することができ、実際に乾燥設備Sが稼働し始めた後にトラブルが発生することを低減できる。
また、本実施形態の乾燥設備Sにおいて、前回の乾燥運転から一定期間(例えば、3ヶ月)が経過していた場合、シーズン最初の運転と識別して、基準として、その乾燥運転終了直前の戻し圧力センサ62や吸引風速計88の計測値を記憶しておく。それ以降、乾燥運転を行うたびに、終了直前の計測値を記憶していき、基準の計測値と比較する。そして、風量が所定値(例えば30%)以上低下した場合、排風ダクト14等に塵埃等のゴミが溜まってきたと判断して、確認と掃除を促すメッセージを操作パネル32に表示することが望ましい。なお、基準の計測値との比較は、最新の計測値でもかまわないし、複数回(例えば、3回)分の平均を使用することも可能である。
また、本実施形態の穀物乾燥機1において、運転のモードとして、乾燥運転や通風運転等を例示したが、これに限定されない。例示した以外のモードを有する構成とすることも可能である。例えば、穀物の一例としての「そば」の乾燥においては、刈り取りに時間がかかるため、初回に張り込んでも次の張込みまでに時間がかかる。この間、品質の劣化を防止するために通風を行いたいがそばは表皮が破れやすいため、循環回数を多くしないことが望ましい。したがって、穀物の種類の設定が「そば」の場合に、張込み量が「0」(張込み量が、仕切る壁8の上端に達しない状態)で通風ボタン33bを押すと、次の収穫までの蒸れを防止する目的で、穀物を循環させずに排風ファン13aのみを駆動して、そばに風を送るだけのモードを搭載することも可能である。このモードを搭載し、実行することで、網状の仕切る壁8の上端よりも張込み量が少ないため、穀物全体に風を当てることが可能であり、張り込まれた穀物の劣化を抑制することができる。
さらに、穀物種類が「そば」で、張込み量が「1」(張込み量は少ないが、仕切る壁8の上端よりは多い)の場合に、通風ボタン33bが押されると、ロータリバルブ38やラセン22,39の回転数を、張込み量が「2」以上の場合の乾燥時に比べて、低下するように、回転周期や回転数を制御することが望ましい。すなわち、張込み量が「0」の場合と同様に穀物を循環させなければ穀物全体に風を当てることができないので、張込み量が「1」の場合はロータリバルブ38等を駆動して循環させるが、前述のように循環回数を多くしないように、ロータリバルブ38等を低速、低頻度で駆動することが望ましい。このような運転モードを実行することで、穀物全体に風を当てることができると共に、表皮の破れを低減して、穀物の品質劣化を抑制できる。
なお、回転周期を制御する場合は、連続運転するのではなく、例えば、30分に1回循環するように制御することが可能である。
また、穀物を低頻度で循環させる場合には、天井部10の拡散羽根で破損しにくくするために、拡散羽根の回転を停止させることが望ましい。このほかにも、例えば、上部ラセン23で拡散羽根に向けて送る途中に、貯留室2に向けて落下する開口を形成しておき、通常時は開口をシャッタで塞いで拡散羽根に送るようにしつつ、穀物の低頻度循環時にはシャッタを開放して、拡散羽根の手前で貯留室2に穀物が落下、流下するように構成することで、拡散羽根による穀物の破損を抑制できる。
また、操作パネル32から張込み量「0」や「1」の入力がされない場合でも、張込センサ12の検知結果で張込み量「0」や「1」相当である場合には、自動的に各運転モードを実行する構成とすることも可能である。
このほかにも、例えば、穀物の種類がビール麦、大麦の場合は、混入する芒が仕切る壁8の穴に詰まりやすい。したがって、穀物の種類が「ビール麦」、「大麦」の場合は、乾燥運転後に清掃運転を自動的に実行するように構成することが望ましい。さらに、清掃運転において、排気ファン13aを、一定の時間間隔(例えば、10秒程度)ごとに、オン、オフを繰り返すことで、穴に引っ掛かった芒を落としやすくすることが好ましい。
また、本実施形態の穀物乾燥機1では、試運転時には、風量や排風ダクト14等の詰まりを確認可能な構成を例示したが、これに限定されない。例えば、試運転時には、自動水分計17の検出結果に基づいて籾が無いことを操作パネル32で表示したり、燃焼バーナ19の下方の掃除蓋91を開放して、バーナ本体82の炎を確認するように促すことも可能である。特に、掃除蓋91が開放されると、掃除蓋91が設置されている開口から空気が抜けられるようになる。したがって、乾燥室5に抜けていた風の一部が掃除蓋91の部分からも抜けられるようになり、燃焼バーナ19の炎の安定性が向上することが期待される。
さらに、本実施形態の穀物乾燥機1では、清掃運転時には、排風ファン13aの回転数を高くすることを例示したが、これに限定されない。例えば、上部ラセン樋22に排塵機が設けられる構成において、清掃モードを実行する場合には、排風ファン13aのみを動作させる時間と、排塵機のみを動作させる期間を設けることで、排塵機内部のダクトも清掃可能である。
さらに、本実施形態の穀物乾燥機1では、戻し圧力センサ62や吸引風速計88では、圧力や風速を計測する構成を例示したが、例えば、風圧に応じて傾斜角が変わるレバーと、傾斜角が一定以上になるとレバーが接触する検知部とを有する風圧スイッチを使用することも可能である。吸引風速計88に変えて風圧スイッチを使用する場合、検知部が検知可能な範囲以下の場合が、風量異常となり、張込み量が一定以上の場合は、風圧スイッチが検知するまで排風ファン13aの回転数を高くすることとなる。
1 穀物乾燥機、
5 乾燥室、
12 穀物量検出部材、
13a 排風部材、
17 有無検出部材、
50 制御部、
88 風量検出部材。

Claims (4)

  1. 穀物が収容される乾燥室(5)と、
    前記乾燥室(5)内の空気を排気する排風部材(13a)と、
    前記乾燥室(5)内の穀物の量を検出する穀物量検出部材(12)と、
    前記乾燥室(5)内に吸引される空気の風量を検出する風量検出部材(88)と、
    前記穀物量検出部材(12)が検出する穀物の量に基づいて前記排風部材(13a)の回転数を制御する制御部(50)であって、前記回転数が予め定められた閾値に達しない場合には、風量検出部材(88)が異常を検出しても検出結果無視する前記制御部(50)と、
    を備え
    前記制御部(50)は、前記風量検出部材(88)の検出が規制されていない状態で、前記風量検出部材(88)が風量異常を検出した場合に、風量異常が解消されるまで前記排風部材(13a)の回転数を増大させることを特徴とする穀物乾燥機(1)。
  2. 穀物が収容される乾燥室(5)と、
    前記乾燥室(5)内の空気を排気する排風部材(13a)と、
    前記乾燥室(5)内の穀物の量を検出する穀物量検出部材(12)と、
    前記乾燥室(5)内に吸引される空気の風量を検出する風量検出部材(88)と、
    前記穀物量検出部材(12)が検出する穀物の量に基づいて前記排風部材(13a)の回転数を制御する制御部(50)であって、前記回転数が予め定められた閾値に達しない場合には、風量検出部材(88)が異常を検出しても検出結果無視する前記制御部(50)と、
    穀物乾燥機(1)内の穀物の有無を検出する有無検出部材(17)と、
    を備え
    前記制御部(50)は、穀物を乾燥させる運転の終了後に、穀物無しの状態で前記乾燥室(5)を昇温させずに通風させる通風運転を実行する場合には、前記排風部材(13a)の回転数を予め定められた高回転数で回転させることを特徴とする穀物乾燥機(1)。
  3. 穀物が収容される乾燥室(5)と、
    前記乾燥室(5)内の空気を排気する排風部材(13a)と、
    前記乾燥室(5)内に吸引される空気の風量を検出する風量検出部材(88)と、
    前記排風部材(13a)を予め定められた回転数以上で駆動させる通常モードと、前記排風部材(13a)を予め定められた回転数以下で駆動させる低回転モードと、のいずれかで前記排風部材(13a)を制御する制御部(50)であって、前記低回転モードが設定された場合には、風量検出部材(88)が異常を検出しても検出結果無視する前記制御部(50)と、
    を備え
    前記制御部(50)は、前記風量検出部材(88)の検出が規制されていない状態で、前記風量検出部材(88)が風量異常を検出した場合に、風量異常が解消されるまで前記排風部材(13a)の回転数を増大させることを特徴とする穀物乾燥機(1)。
  4. 穀物が収容される乾燥室(5)と、
    前記乾燥室(5)内の空気を排気する排風部材(13a)と、
    前記乾燥室(5)内に吸引される空気の風量を検出する風量検出部材(88)と、
    前記排風部材(13a)を予め定められた回転数以上で駆動させる通常モードと、前記排風部材(13a)を予め定められた回転数以下で駆動させる低回転モードと、のいずれかで前記排風部材(13a)を制御する制御部(50)であって、前記低回転モードが設定された場合には、風量検出部材(88)が異常を検出しても検出結果無視する前記制御部(50)と、
    穀物乾燥機(1)内の穀物の有無を検出する有無検出部材(17)と、
    を備え
    前記制御部(50)は、穀物を乾燥させる運転の終了後に、穀物無しの状態で前記乾燥室(5)を昇温させずに通風させる通風運転を実行する場合には、前記排風部材(13a)の回転数を予め定められた高回転数で回転させることを特徴とする穀物乾燥機(1)。
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