JP6903920B2 - ロール部材、定着装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description
図3に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10には、記録媒体としてのシート部材Pが収容される収容部14と、収容部14に収容されたシート部材Pを搬送する搬送部16とが備えられている。さらに、画像形成装置10には、収容部14から搬送部16によって搬送されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部20と、各部を制御する制御部48とが備えられている。
収容部14には、画像形成装置10の装置本体10Aから装置奥行方向の手前側に引き出し可能な収容部材26が備えられており、収容部材26にシート部材Pが積載されている。さらに、収容部14には、収容部材26に積載されたシート部材Pを、搬送部16を構成する搬送経路28に送り出す送出ロール30が備えられている。
搬送部16には、シート部材Pが搬送される搬送経路28に沿ってシート部材Pを搬送する複数の搬送ロール(符号省略)が備えられている。
画像形成部20には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kが備えられている。なお、以後の説明では、Y、M、C、Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y、M、C、Kを省略して記載することがある。
画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
次に、定着装置50について説明する。
押付ロール70は、装置奥行方向に延びている円柱状の軸部70Aと、軸部70Aが貫通ししている円筒状の弾性部70Bとを備えている。軸部70Aの両端は、図示せぬ支持部材にベアリングを介して取り付けられている。
加熱ロール52は、軸方向を装置奥行方向とするロール部材54と、ロール部材54を加熱する加熱部材56とを備えている。
この構成において、加熱ロール52は、図示せぬモータから回転力が伝達されて、図1に示されるように、図中矢印R1方向に回転するようになっている。そして、加熱ロール52と押付ロール70とを含んで構成されている定着装置50は、加熱ロール52と押付ロール70との間で挟み込んで搬送するシート部材Pに、トナー画像を定着するようになっている。
次に、加熱ロール52を構成するロール部材54の製造方法について説明する。ロール部材54を製造する方法は、軸部58に弾性層60が形成されている部材を準備する準備工程と、接着層を形成するための接着層の形成工程と、表面層を形成するための表面層の形成工程とを含んでいる。
先ず、外径25〔mm〕、厚さ2〔mm〕、長さ300〔mm〕の軸部58に、円筒状の弾性層60が形成されている部材を準備する。
接着層の形成工程は、弾性層60に、接着層64を形成する(塗布する)ための工程である。この工程には、所謂フローコート法が用いられる。先ず、フローコート法に用いられる塗布装置100について説明し、次に、接着層の形成工程について説明する。
フローコート法に用いられる塗布装置100は、図4、図7に示されるように、回転部104と、吐出部108と、板状のブレード112と、移動機構116とを備えている。
−接着層の形成工程−
接着層の形成工程では、塗布装置100の吐出部108が、図4、図5、図6に示されるように、回転部104によって回転する軸部58に形成されている弾性層60の外周面に接着液118を吐出する。吐出部108が移動機構116によって弾性層60の一端から他端まで移動することで、吐出部108は、弾性層60の外周面の全域に接着液118を吐出する。
表面層の形成工程は、接着層64が外周面に形成された弾性層60に、表面層62を形成するための工程ある。具体的には、表面層62となるチューブ120で弾性層60を覆うことで、弾性層60に、表面層62を形成する。この工程では、所謂減圧拡張法が用いられる。先ず、減圧拡張法に用いられる減圧装置150について説明し、次に、表面層の形成工程について説明する。なお、本実施形態では、チューブ120として、弾性層60の外径と比して2〔%〕小さい内径で、厚みが35〔μm〕のPFAチューブが用いられる。
減圧装置150は、図8に示されるように、容器160と、保持機構240と、拡径部材190と、第1吸引機構200と、第2吸引機構210と、第3吸引機構220とを備えている。
容器160は、図8に示されるように、装置上下方向に延びる円筒状の本体部162と、底部164と、頂部166とを有している。
保持機構240は、図8、図10に示されるように、底部164に取り付けられ、本体部162の内部に配置されている。そして、保持機構240は、上下方向に延びる円筒状の基部242と、基部242に対して上下方向に移動する移動部244と、移動部244の上端に取り付けられているエアピッカー等の膨張部246とを有している。
第1吸引機構200は、図8に示されるように、吸引ポンプ202と、吸引管206とを有している。吸引管206は、一端が吸引ポンプ202に接続され、他端が円筒部170の外周面170Dに接続され、円筒部170の空洞部170Aとつながっている。
第2吸引機構210は、図8に示されるように、吸引ポンプ212と、レギュレータ214と、吸引管216とを有している。吸引管216は、一端が吸引ポンプ212に接続され、他端が本体部162の外周面162Aに接続され、円筒部170の内部とつながっている。また、レギュレータ214は、吸引管216の中間部に配置されている。
第3吸引機構220は、図8に示されるように、排出ポンプ222と、吸引管226とを有している。吸引管226は、一端が排出ポンプ222に接続され、他端が容器160の底部164に接続され、基部242の通路242B(図19参照)とつながっている。
拡径部材190は、図8、図9(A)(B)に示されるように、上下方向に延びるように配置されたロール体68の下端で、軸部58に、ロール体68と同様の軸となるように取り付けられている。そして、拡径部材190は、下端から上端にかけて徐々に大径化されてから徐々に小径化されている。すなわち、拡径部材190は、上下方向の中央部で最大径となり、上下方向の中央部から上方及び下方に向けて縮径されたテーパ形状とされている。
表面層の形成工程は、前述したように、表面層62となるチューブ120で弾性層60を覆うことで、弾性層60に表面層62を形成する工程である。表面層の形成工程は、チューブ120の上端、及び下端を保持する上下端保持工程と、チューブ120を弾性層60に被覆する被覆工程とを備えている。なお、表面層の形成工程を開始する前の状態では、第1吸引機構200、第2吸引機構210、及び第3吸引機構220は、非稼働とされている。
上下端保持工程では、図示せぬセット治具を用いて、図10に示されるように、チューブ120の上端の外周面を、円筒部170の内周面170Bと対向させ、かつ、チューブ120の下端の内周面を、膨張部246の外周面246Bと対向させる。
被覆工程では、第2吸引機構210(図8参照)の吸引ポンプ212が稼動し、容器160の内部の空気の吸引が開始される。
次に、本実施形態の実施例に係る定着装置50と、比較例に係る定着装置とに対して行った評価について、図20に示す表を用いて説明する。
実施例1:弾性層60に接着層64を形成させる際の接着層64の粘度を50〔Pa・s〕とし、接着層64の中央側の膜厚を50〔μm〕とし、接着層64の端部の膜厚を20〔μm〕とすることで、表面層62の歪を0〔%〕とした。
1.シワ評価
ロール部材の表面層におけるシワの有無を目視にて評価した。シワが無いものを「A」とし、シワが有るものを「B」とした。なお、目標品質は、「A」である。
ロール部材の表面層における凹みの有無を目視にて評価した。凹みが無いものを「A」とし、凹みが有るものを「B」とした。なお、目標品質は、「A」である。
夫々の仕様を富士ゼロックス製Docuprint CP400に取り付け、A4サイズの100枚の紙に、黒ベタ画像を形成した後、出力された画像の画像ムラを目視にて評価した。
図20の表に示されるように、実施例1〜5については、全ての項目で、目標品質を満足している。これに対して、比較例1〜4については、凹み評価、及び画像ムラ評価で目標品質を満足することができなかった。
チューブ120をロール体68に被覆する場合に、軸方向に延されたチューブ120が元に戻ろうとする。このとき、チューブ120と、弾性層60との間で生じる摩擦力が小さい方が、チューブ120が元に戻り易く、表面層62に歪が生じている場合には、表面層62における歪の発生が抑制される。
以上説明したように、ロール部材54の表面層62の歪を2〔%〕以下とすることで、表面層62の歪が3〔%〕以上の場合と比して、表面層62におけるシワ、凹みの発生が抑制される。
46 二次転写ロール(転写部材の一例)
50 定着装置
54 ロール部材
56 加熱部材
58 軸部
60 弾性層
62 表面層
64 接着層
70 押付ロール(押付部材の一例)
Claims (5)
- 軸部と、
前記軸部の外周面に形成されている断面円状の弾性層と、
前記弾性層の外周面を覆っており、歪が2〔%〕以下である表面層と、
前記弾性層と前記表面層との間に設けられ、前記表面層を前記弾性層に接着させる接着層であって、前記軸部に沿う軸方向における中央側の最大厚さが前記表面層の厚さよりも厚い接着層と、
を備えるロール部材。 - 前記接着層の前記中央側の最大厚さは、前記表面層の厚さよりも15〔μm〕以上厚い、請求項1に記載のロール部材。
- 前記接着層の前記中央側の最大厚さは、前記表面層の厚さの1.4倍以上である、請求項1又は請求項2に記載のロール部材。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のロール部材と、
前記ロール部材を加熱する加熱部材と、
画像が転写された記録媒体を前記ロール部材に押し付ける押付部材と、
を備える定着装置。 - 画像を記録媒体に転写する転写部材と、
前記転写部材によって記録媒体に転写された画像を記録媒体に定着する請求項
4に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。
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