本発明に従うウェザーストリップ及びその製造方法について幾つかの実施形態を以下に説明する。
[第1実施形態]
図1(A)及び(B)は、一般的な2ボックスタイプの乗用車両1において、バックドア2を跳ね上げた状態でのバックドア開口部3を示す。なお、1aは車両のルーフ、1bは車両後部のピラー部である。
図1(B)に示すように、バックドア開口部3の周縁部は、概ね4つの辺部(4a,4b,4c)と、概ね4つのコーナー部(5a,5c)との組合せによって縁取りされている。前記4つの辺部は、バックドア開口部3の上縁(ルーフ1aの後端縁)に沿ってほぼ水平に延びる上辺部4a、ピラー部1bに沿って上下方向に延びる左右一対の側辺部4b、及び、バックドア開口部3の下縁に沿ってほぼ水平に延びる下辺部4cからなっている。前記4つのコーナー部は、上辺部4aと二つの側辺部4bとの間に位置する左右一対の上側コーナー部5a、及び、下辺部4cと二つの側辺部4bとの間に位置する左右一対の下側コーナー部5cからなっている。
図1(A)は、バックドア開口部3の周縁部にウェザーストリップ6を装着した状態を示す。このウェザーストリップ6は、バックドア開口部3の周縁部に対応すべく環形状(または無端ひも形状)をなすと共に、前述の辺部及びコーナー部からなるバックドア開口部3の周縁部の全周長に相当する長さを持った長尺なゴム製の部材として構成されている。以下に詳述するように、第1実施形態のウェザーストリップ6は、第1部分としての側辺対応部6A、第2部分としてのコーナー対応部6B、下辺対応部6C及び上辺対応部6Dを少なくとも有している。但し、第1実施形態のウェザーストリップ6は、長手方向に沿った位置によって横断面の形状及び寸法の設定が若干異なっている。
なお、本願の明細書、図面及び特許請求の範囲において、方向又は向きを特定するための用語として「内周側」及び「外周側」を使用する。ここで、ウェザーストリップ6の「内周側」とは、ウェザーストリップ6をバックドア開口部3に装着した状態において、バックドア開口部3の周縁部の内側(中心域)に対面する側を意味し、「外周側」とは、バックドア開口部3の周縁部の外側(周囲の外部環境)に対面する側を意味する。
図2は、図1のII−II線位置での断面、即ち、バックドア開口部3の側辺部4bに対して取り付けられるウェザーストリップ6の側辺対応部6Aの横断面を示す。この図に示すように、側辺対応部6Aは、取付部10と、その取付部10に隣接し且つ一体化された中空トンネル状のシール部20Aとを有している。
図2に示すように、取付部10は、バックドア開口部3の周縁部に沿って設けられた被取付体としてのフランジ(図示略)に対して直接的に取り付けられる部位であり、横断面「U字」状に屈曲された金属製の芯材11(以下「芯金11」という)と、その芯金11を被覆するように付着されたゴム被覆部12とを有している。そして、ゴム被覆部12の内側部分には、その内側表面から突出するように4つの保持リップ13が設けられている。これらの保持リップ13は、前記フランジをそれらの間に挟み込むことで当該ウェザーストリップ6をバックドア開口部3の周縁部に固定的に装着させる。また、ゴム被覆部12の外側部分および取付部10の一方の端部付近(図2では左の下端部付近)には、その外側表面から突出するように3つの補助リップ(車内側リップ14a、車外側リップ14b、先端側リップ14c)が設けられている。これら3つの補助リップのうち、車内側リップ14aは、カーペットや布材等の内装材の端部を覆うためのカバーリップである。また、車外側リップ14b及び先端側リップ14cは、当該ウェザーストリップ6をバックドア開口部3に装着した際に車体と取付部10との間に生じ得る隙間をシールするためのものである。
更に図2に示すように、取付部10の上側に隣接して中空トンネル状のシール部20Aが設けられている。このシール部20Aは、内周側壁部21と外周側壁部22とを有しており、これらの壁部21,22に囲まれることでシール部20A内には、横断面略菱形のトンネル状中空領域が確保されている。このシール部20Aは、その横断面視において両壁部21,22によって形作られる菱形形状の一方の対角線に沿った線(図2に水平な一点鎖線で示す)を境界線Lとして、便宜上、根元側部分と頭側部分とに区分することができる。「根元側部分」とは、取付部10に隣接する部分を指し、「頭側部分」とは、根元側部分以外の残りの部分を指す。そして、このシール部20Aの各部分の壁厚は、次のように設定されている。
シール部20Aの内周側壁部21の頭側部分における壁厚:t1H
シール部20Aの内周側壁部21の根元側部分における壁厚:t1R
シール部20Aの外周側壁部22の頭側部分における壁厚:t2H
シール部20Aの外周側壁部22の根元側部分における壁厚:t2R
また、取付部10の頂上面を基準としたシール部20Aの高さはh1に設定されている。この高さh1は、シール部20Aの横断面における当該シール部の外形の大きさを表す一つの指標である。
ちなみに、取付部10のゴム被覆部12および4つの保持リップ13を形成するゴム材料は、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエン共重合体)にカーボンブラック及び加硫剤を配合してなるものであり、後述する製造過程で加硫剤による加硫(即ちポリマー架橋反応)を施したものである。他方、取付部10における3つの補助リップ14a〜c及びシール部20Aを形成するゴム材料は、例えば、EPDMにカーボンブラック、加硫剤及び発泡剤を配合してなるものであり、後述する製造過程で加硫剤による加硫(即ちポリマー架橋反応)および発泡剤による発泡(スポンジ化)を施したものである。ここで使用可能な発泡剤としては、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)(例えば、永和化成工業株式会社製商品名:ネオセルボン)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、熱膨張性マイクロカプセル(例えば、積水化学工業株式会社製商品名:アドバンセル)、物理発泡剤(例えば、水、炭酸ガス)等を例示することができる。尚、発泡剤で発泡させたスポンジ状EPDM系ゴム材料は、上記ゴム被覆部等に使用される加硫済みEPDM系ゴム材料よりも軟質でより高い柔軟性を有するものである。
なお、第1実施形態のウェザーストリップ6のうちの、バックドア開口部3の上辺部4a及び下辺部4cに対してそれぞれ取り付けられる上辺対応部6D及び下辺対応部6Cは、断面形状及び寸法ともに上記の側辺対応部6Aと実質的に同じである。
図3は、図1のIII−III線位置での断面、即ち、バックドア開口部3のコーナー部5aに対して取り付けられるウェザーストリップ6のコーナー対応部6Bの横断面を示す。この図に示すコーナー対応部6Bも、取付部10と、中空トンネル状のシール部20Bとを有している。そして、コーナー対応部6Bの取付部10は、形状及び寸法ともに側辺対応部6Aの取付部10とほぼ同じである。
側辺対応部6Aのシール部20Aと同様、コーナー対応部6Bのシール部20Bは、内周側壁部21と外周側壁部22とを有しており、これらの壁部21,22に囲まれることでシール部20B内には、横断面略菱形のトンネル状中空領域が確保されている。このシール部20Bは、その横断面視において両壁部21,22によって形作られる菱形形状の一方の対角線に沿った線(図3に水平な一点鎖線で示す)を境界線Lとして、便宜上、根元側部分と頭側部分とに区分することができる。そして、このシール部20Bの各部分の壁厚は、次のように設定されている。
シール部20Bの内周側壁部21の頭側部分における壁厚:t3H
シール部20Bの内周側壁部21の根元側部分における壁厚:t3R
シール部20Bの外周側壁部22の頭側部分における壁厚:t4H
シール部20Bの外周側壁部22の根元側部分における壁厚:t4R
また、取付部10の頂上面を基準としたシール部20Bの高さはh2に設定されており、この高さh2は、シール部20Bの横断面における当該シール部の外形の大きさを表す一つの指標である。
側辺対応部6Aの壁部21,22における各部分の壁厚と、コーナー対応部6Bの壁部21,22における各部分の壁厚とは、次の関係が成り立つように設定されている。
内周側壁部21の頭側部分における壁厚:t1H<t3H
外周側壁部22の頭側部分における壁厚:t2H<t4H
内周側壁部21の根元側部分における壁厚:t1R=t3R
外周側壁部22の根元側部分における壁厚:t2R=t4R
つまり、シール部の根元側部分の壁厚は、側辺対応部6Aとコーナー対応部6Bとでほぼ同じであり、その結果、側辺対応部6Aのシール部20Aの根元側部分と、コーナー対応部6Bのシール部20Bの根元側部分とは、形状及び寸法ともにほぼ同じであり、両者間に実質的な差はない。その一方で、シール部の頭側部分の壁厚については、コーナー対応部6Bにおける壁厚(t3H,t4H)が側辺対応部6Aにおける壁厚(t1H,t2H)を上回っており、その結果、コーナー対応部6Bの頭側部分は、側辺対応部6Aの頭側部分よりも全体的に厚肉となっている。
また、コーナー対応部6Bにおけるシール部20Bの高さh2は、側辺対応部6Aにおけるシール部20Aの高さh1よりも高くなっている(h1<h2)。換言すれば、シール部20Bの横断面での外形が、シール部20Aの横断面での外形よりも大きくなっている。
第1実施形態のウェザーストリップ6によれば、第1部分としての側辺対応部6Aがバックドア開口部3の側辺部4bに配置され、第2部分としてのコーナー対応部6Bがバックドア開口部3のコーナー部5aに配置される。このとき、シール部20A,Bの根元側部分の壁厚が側辺対応部6Aとコーナー対応部6Bとでほぼ等しいために、シール部20Bをコーナー部5aの湾曲形状に無理なく追従させながら容易に曲げることができる。その一方で、シール部20A,Bの頭側部分の壁厚が、側辺対応部6Aよりもコーナー対応部6Bにおいて厚くなっており、コーナー対応部6Bにおけるシール部20Bの剛性が相対的に高くなっている。このため、コーナー対応部6Bを曲げることに伴ってシール部20Bが不自然に潰れたり、当該シール部20Bに皺が生じたりする事態を防止することができる。
更に本実施形態には次のような利点もある。即ち、本例のウェザーストリップ6をバックドア開口部3に装着した場合でも、側辺対応部6Aは概ね真っ直ぐに延びる側辺部4bに取り付けられるため、装着に伴ってシール部20Aが何らかの変形作用を受けることはなく、装着後もシール部20Aの高さはh1に維持される。これに対し、コーナー対応部6Bは湾曲度合いが局所的に大きいコーナー部5aに取り付けられるため、装着に伴ってシール部20Bは、取付時の曲げ操作の影響を不可避的に受けることになり、その影響は、略菱形の断面形状が高さ方向に扁平化するような変形作用として現れる。具体的には図3において、シール部20Bの上端部23が取付部10に向かって下降する(又は沈み込む)が如きシール部20Bの変形が生じ、その結果、装着後におけるシール部20Bの高さは、初期設定の高さであるh2よりも若干低くなる。この装着時の湾曲変形に起因するシール部高さの下降量(沈み込み量)Δhを予め見込んで、シール部20Bの初期高さをh2=(h1+Δh)に寸法設定しておくことは、大変好ましい。このような寸法設定をすることで、ウェザーストリップ6をバックドア開口部3に装着した場合に、側辺部4bに対応するシール部20Aの高さ、及び、コーナー部5aに対応するシール部20Bの高さの両方ともほぼ同程度の高さ(即ちh1)にすることができ、その結果、装着後のシール部高さの均等化を達成して、バックドア開口部3でのシール特性(又はシール品質)をバックドア開口部3の全周にわたって一定にすることができる。
[押出成形設備およびウェザーストリップの製造方法]
次に、押出成形設備の概要を、図4〜図8を参照しつつ説明する。
図4は、押出成形設備の製造ライン30の概要を示す。この製造ライン30は、芯金供給用アンコイラ31、押出成形用のヘッド32、加熱槽33、冷却機34、芯金曲げ機35および引取機36を直列配置して構成されている。
芯金供給用アンコイラ31は、帯状の芯金11を巻回してなる芯金コイル(図示略)を巻き戻しながら直線化した芯金11をヘッド32に供給する芯金11の巻戻し及び供給機構である。ヘッド32は、金型要素としての口金40及び中芯50を具備した押出成形型であり、第1、第2及び第3の材料押出機37,38,39から押出成形用のゴム材料の供給を受ける。ヘッド32については、後ほど詳述する。
加熱槽33は、加硫処理及び発泡処理のための長尺なトンネル状の加熱オーブンであり、その全長は数メートルから数十メートルに及ぶ。この加熱槽33での加熱方式は例えば、燃焼ガス等による熱風加熱、マイクロ波加熱、又はその両方のいずれでもよい。冷却機34は、加硫及び発泡処理後の半製品(中間製品)を冷却するための装置であり、典型的には冷却水を満たした水槽によって構成される。この水槽をくぐらせることにより、前記半製品が適温にまで冷却される。芯金曲げ機35は、冷却機34を通過後の半製品に対して、芯金ごと曲げ加工を施してゴム製品にウェザーストリップとしての最終形態を付与するための機械加工装置である。引取機36は、最終形態が付与されたゴム製品を引き取るための装置である。
図4に示すように、ヘッド32は、合計3機の材料押出機37,38及び39と接続されている。第1の材料押出機37は、加硫剤を含むEPDM系ゴム材料であるところのゴム被覆部12及び保持リップ13用ゴム材料をヘッド32に供給する。第2の材料押出機38は、加硫剤及び発泡剤を含むEPDM系ゴム材料であるところの補助リップ14a〜c用ゴム材料をヘッド32に供給する。第3の材料押出機39は、加硫剤及び発泡剤を含むEPDM系ゴム材料であるところのシール部20A,B用ゴム材料をヘッド32に供給する。これら3機の材料押出機37〜39、及び、ヘッド32(特に可動体の駆動機構32a)は、制御装置Cと電気的に接続されている。制御装置Cは、例えばファクトリーオートメーション(FA)仕様のコンピュータ又はプログラマブルシーケンサによって構成され、ヘッド32及び材料押出機37〜39を所定の制御プログラム又は制御シーケンスに従って制御する。
ヘッド32は、ウェザーストリップ6の外形を押出成形するための口金40と、主として中空トンネル状シール部20A,Bの内壁部分を形成するための中芯50とを有している。図5及び図6に示すように、ヘッド32のフレーム(枠体)32bに支持された口金40は、その略中心部に区画された押出成形用の成形空間(41,42)を有している。この成形空間の下半部41は、ウェザーストリップの取付部10を押出成形するための概ね水平に延設された成形空間(成形領域)であり、曲げられる前の横方向に真っ直ぐに延びた芯金11を収容し且つ通過させることができるだけの横幅を有している。前記成形空間の上半部42は、中芯50と協力(協働)して、ウェザーストリップのシール部20A,Bを押出成形するための環状の成形空間(成形領域)を提供する。なお、この明細書において「環状」とは、肉部の内側にトンネルを形作るような閉じた肉部の断面形状を意味するものであり、幾何学的に厳密な意味での円環形状を意味するものではない。
図7及び図8は、図5のY−Y線位置における口金40及び中芯50の概略縦断面を示す。これらの図に示すように、口金40の中心域には、押出方向(各図紙面の左から右に向かう方向)に沿って延びる芯金11及びゴム材料の供給通路(主供給通路43)が設けられており、その主供給通路43の下流域の口金出口付近が「取付部用の成形空間41」として位置付けられている。他方で、口金40の上半部領域には収容凹部44が設けられ、この収容凹部44には、可動体45が押出方向に沿って前後に往復移動可能に保持されている。この可動体45は、可動体用の駆動機構32a(図4,5参照)によって前後に駆動される。なお、可動体45の一部(下側部分)は、可動中芯部51としての役割を担っている。
図5〜図8に示すように、主供給通路43(及び取付部用の成形空間41)の上方に位置することになる中芯50は、可動体45の一部である可動中芯部51と、固定中芯部52とから構成されている。固定中芯部52は、主供給通路43の幅方向中心位置の直上に位置し(図5,6参照)、押出方向に沿って延設された長尺な部位(例えばモノレール状の部位)として形成されている(図7,8参照)。固定中芯部52の後端部は口金40の本体部分に連結され、固定中芯部52は口金40と一体化している。また、この固定中芯部52は、ウェザーストリップの取付部用の成形空間41と、シール部用の環状の成形空間42との境界に位置して、可動体45を下支えすると共に、可動体45の一部である可動中芯部51を押出方向に沿って前後移動可能に支持している。
図7及び図8に示すように、口金40の内部で且つ収容凹部44の近傍には、略垂直方向に延びるシール部用ゴム材料の供給通路(副供給通路46)が設けられている。この副供給通路46の下端部は、シール部用の環状の成形空間42と連通している。
図6〜図8に示すように、口金40にはその出口付近において、可動中芯部51の外周面(51a,51b)と所定間隔を隔てて対向する成形用対向面47が形成されている。この成形用対向面47と中芯(51,52)との間に、シール部用の環状の成形空間42が確保されている。そして、可動中芯部51の外周面(51a,51b)は、押出方向に沿った上流側部位と下流側部位とで可動中芯部51の断面積が異なるように段差を伴って形成されている。具体的には、可動中芯部51は、先端寄りに位置する第1の外周面51a、及び、該第1の外周面51aの後方に位置する第2の外周面51bを有しており、第2の外周面51bは第1の外周面51aよりも高い位置となるように形成されている。その結果として、第1の外周面51aは、断面積が相対的に小さい可動中芯部51の小断面積部に対応し、第2の外周面51bは、断面積が前記小断面積部よりも相対的に大きい可動中芯部51の大断面積部に対応している。従って、図7に示すように、可動体45を前進位置(第1位置)に配置し、可動中芯部の第2の外周面51bを口金出口の成形用対向面47に対向配置させた場合には、シール部用の環状の成形空間42の幅(ひいては断面積)が相対的に狭くなる。他方、図8に示すように、可動体45を後退位置(第2位置)に配置し、可動中芯部の第1の外周面51aを口金出口の成形用対向面47に対向配置させた場合には、シール部用の環状の成形空間42の幅(ひいては断面積)が相対的に広くなる。
なお、この点に関して別の表現をするならば、後退位置(第2位置)に配置された可動中芯部51(及び中芯50全体)の口金出口位置における横断面形状は、前進位置(第1位置)に配置された可動中芯部51(及び中芯50全体)の口金出口位置における横断面形状から、その上側の略半周に対応する一部分を切り欠いた形状に相当するものである(図6参照)。このように可動中芯部51(及び中芯50全体)は、押出方向に沿った少なくとも二箇所で異形断面(横断面形状が異なる箇所)を持つように構成されている。
次に、上記押出成形設備を用いたウェザーストリップの製造方法について説明する。第1実施形態のウェザーストリップ6は、ヘッド32による押出成形プロセス、加硫及び発泡処理プロセス、並びに、その後の後処理及び後加工プロセスを経て製造される。
押出成形プロセスでは、可動体45の一部である可動中芯部51の配置を前進位置(第1位置)と後退位置(第2位置)との間で適宜切替えながら、ウェザーストリップ半製品6’(図9参照)の押出成形が行われる。即ち、ウェザーストリップ6の第1部分としての側辺対応部6Aのシール部20Aを押出成形するときには、可動体45及び可動中芯部51が第1位置としての前進位置(図7)に配置され、可動中芯部51の第2の外周面51bが口金40の成形用対向面47に対向配置される。他方、ウェザーストリップ6の第2部分としてのコーナー対応部6Bのシール部20Bを押出成形するときには、可動体45及び可動中芯部51が第2位置としての後退位置(図8)に配置され、可動中芯部51の第1の外周面51aが口金40の成形用対向面47に対向配置される。このように可動中芯部51を適宜切替え配置しながら押出成形を行うことで、中空トンネル状のシール部20Aとシール部20Bとが長手方向に連続してなる長尺なウェザーストリップの半製品を連続的に押出成形することができる。
上記押出成形プロセスでは、制御装置Cが、可動中芯部51の前後移動スケジュールに応じて、ヘッド32にシール部用ゴム材料を供給する第3の材料押出機39のスクリュー回転数を変化させることにより、口金40内の環状の成形空間42へのゴム材料の供給量を調節する。具体的には、押出成形プロセスが第1部分(側辺対応部)6A(即ちシール部20A)の押出成形段階にあるとき(図7)には、第3の材料押出機39のスクリュー回転数を低下(減速)させて、シール部用ゴム材料の単位時間当たりの供給量を相対的に減少させる。その一方で、押出成形プロセスが第2部分(コーナー対応部)6B(即ちシール部20B)の押出成形段階にあるとき(図8)には、第3の材料押出機39のスクリュー回転数を上昇(増速)させて、シール部用ゴム材料の単位時間当たりの供給量を相対的に増加させる。かかるゴム材料の供給量制御により、得られたウェザーストリップのシール部20A,Bを所望の形状に成形できない事態を回避することができる。具体的には、シール部20Aよりも一部の壁厚が相対的に厚肉であるシール部20Bにおいてゴム材料が不足する事態を回避して、シール部20Bでの材料不足に起因する亀裂や孔の発生を未然に防止することができる。更には、上記のようなゴム材料の供給量制御を行うことにより、シール部用の環状の成形空間42のどの部位においても、シール部用ゴム材料の単位面積当たりの供給量を一定(均等)にすることができる。その結果、得られたウェザーストリップにおいて、コーナー対応部6Bのシール部20Bの一部が波打つ事態を回避することができ、シール部20Bの表面全体を滑らかな面とすることができる。
本実施形態では、制御装置Cは、可動体45(及び可動中芯部51)の位置の切替えタイミングと第3の材料押出機39のスクリュー回転数の切替えタイミングとを同期(完全一致)させるのではなく、可動中芯部51の切替えタイミングよりも所定時間(D)だけ先んじたタイミングで、材料押出機39のスクリュー回転数を変化させている。この所定時間(D)は、材料押出機39のスクリュー回転数の変化時点から、実際に当該スクリュー回転数の変化に応じた材料供給量の変化が環状の成形空間42において発現するまでのタイムラグを考慮して設定される。つまり本実施形態では、可動中芯部51の切替えタイミングに先行してシール部用の材料押出機39のスクリュー回転数を変化させるといった制御手法を採用することで、上記のタイムラグを実質的に解消し、可動中芯部51の切替えタイミングと、環状の成形空間42における材料供給量の変化タイミングとを緊密に同期させることが可能になる。
なお、図9の上半部に示すように、ヘッド32から排出直後のウェザーストリップ半製品6’は、芯金11が横方向に真っ直ぐ延びたままの状態にある。また、当該半製品6’における中空トンネル状のシール部20Aと20Bとは長手方向において連続した状態にあるものの、この段階では、ゴム材料中の発泡剤が発泡していないため、シール部20Aの高さh1とシール部20Bの高さh2との間には未だ有意差が生じていない。
ヘッド32から排出されたウェザーストリップ半製品6’は、加熱槽33に送出され、加熱槽33を通り抜けるまでの間に所定温度(例えば180〜220℃)で所定時間(例えば1〜9分)加熱される。この加熱処理により、ゴム材料中に含まれる加硫剤が活性化されてゴムの加硫(ポリマー架橋反応)が行われると共に、ゴム材料中に含まれる発泡剤が発泡し、シール部20A,B、並びに取付部10の補助リップ14a〜cの膨張及びスポンジ化が達成される。なお、発泡剤の発泡に伴ってシール部20A,Bの全体が膨張するが、シール部20Aとシール部20Bとの間の壁厚差に応じた発泡剤量の違いを反映して、シール部20Aの外形よりもシール部20Bの外形の方が明らかに大きくなる。つまり、シール部20Aの高さh1よりもシール部20Bの高さh2の方が高くなる(発泡後は、h1<h2)。
加熱槽33で加硫及び発泡処理を受けたウェザーストリップ半製品6’は、冷却機34で冷却される。その後、ウェザーストリップ半製品6’の取付部10は、芯金曲げ機35でU字形状に曲げ加工され、図9の下半部に示すような最終断面形態を持ったウェザーストリップ6(完成品)とされる。芯金曲げ機35を通過したウェザーストリップ6は、引取機36によって引き取られ、品質検査して出荷用に梱包される。
本実施形態によれば、可動中芯部51を後退位置に配置してウェザーストリップのコーナー対応部6Bを押出成形する段階(図8)では、可動中芯部51を前進位置に配置して側辺対応部6Aを押出成形する段階(図7)に比べて、シール部用の環状の成形空間42の口金出口位置における断面積が大きくなると共に、当該成形空間42へのシール部用ゴム材料の単位時間あたり供給量が増やされる。このため、当該成形空間42のどの部位においても、シール部用ゴム材料の単位面積あたり供給量を一定(均等)にすることができ、その結果、得られたウェザーストリップ6において、コーナー対応部6Bのシール部20Bの一部が波打つ事態を回避することができる。
本実施形態によれば、口金40の成形用対向面47と協働して環状の成形空間42を形成する中芯50は、可動中芯部51と固定中芯部52とから構成されている。この固定中芯部52は、可動中芯部51を押出方向に沿って安定的に移動可能に支持するための支持部材として機能する。固定中芯部52はまた、取付部用の成形空間41にゴム材料を供給するための主供給通路43を口金40内に区画するための区画部材(又は仕切り材)としても機能する。この固定中芯部52の存在により、シール部20A,B用のゴム材料と取付部10用のゴム材料とが口金40の内部で無秩序に混じり合うことが防止され、二種類のゴム材料が秩序ある形で配分されたウェザーストリップ6を製造することができる。
[第1実施形態の変更例]
上記第1実施形態では、ウェザーストリップ6の下辺対応部6Cは、断面形状及び寸法ともに側辺対応部6Aと実質的に同じで長手方向に沿って一定断面形状としていたが、下辺対応部6Cの中央部を除く部分を側辺対応部6A(第1部分)と同じ断面形状及び寸法とすると共に、図10に示すように下辺対応部6Cの中央部を、側辺対応部6A(第1部分)ともコーナー対応部6B(第2部分)とも異なる断面形状及び寸法をもった「ウェザーストリップの第3部分」として構成してもよい。
図10は、図1のX−X線位置での断面、即ち、バックドア開口部3の下辺部4cに対して取り付けられるウェザーストリップ6の下辺対応部6Cの中央部の横断面を示す。この図に示す下辺対応部6Cの中央部も、取付部10と、中空トンネル状のシール部20Cとを有している。そして、下辺対応部6Cの中央部の取付部10は、形状及び寸法ともに上記側辺対応部6Aの取付部10とほぼ同じである。
側辺対応部6Aのシール部20Aと同様、下辺対応部6Cの中央部のシール部20Cは、内周側壁部21と外周側壁部22とを有している。但し、前記シール部20Aとは異なり、これらの壁部21,22に囲まれることでシール部20C内には横断面略六角形状のトンネル状中空領域が確保されている。そして、前記シール部20Aにおける根元側部分と頭側部分との境界線Lの高さに相当する高さ位置付近において、内周側壁部21の壁厚t5及び外周側壁部22の壁厚t6が最も大きくなっている。これらの壁厚t5,t6と、前述のシール部20A,Bにおける各壁厚との関係は、概ね次の通りである。
t1H<t3H<t5、及び、t1R=t3R<t5
t2H<t4H<t6、及び、t2R=t4R<t6
この変更例のように、第1部分としての側辺対応部6Aおよび下辺対応部6Cのうち中央部を除く部分、第2部分としてのコーナー対応部6B、並びに第3部分としての下辺対応部6Cの中央部を有してなる長尺なウェザーストリップ6は、第1実施形態で使用した可動中芯部51に若干の改変を加えた可動中芯部51’を使用することで押出成形可能である。具体的には図11(A)及び(B)に示すように、可動中芯部51’は、最先端部の左右両側においてほぼ垂直に起立した左右一対の外側面51cを有し、その最先端部に隣接した中間部において第1実施形態と同様の第1の外周面51aを有し、更にその後方部において第1実施形態と同様の第2の外周面51bを有している。なお、可動中芯部51’の最先端部において、左の外側面51cの上端と右の外側面51cの上端とをつなぐ湾曲した上面51d(図11(B)参照)は、第1の外周面51aと連続すると共に第1の外周面51aと略同形となっている。
図11に示すような可動中芯部51’を使用すれば、第2の外周面51bが口金出口の成形用対向面47に対向配置される第1位置に可動中芯部51’を配置することで、第1部分としての側辺対応部6Aおよび下辺対応部6Cのうち中央部を除く部分を押出成形することができる。また、第1の外周面51aが口金出口の成形用対向面47に対向配置される第2位置に可動中芯部51’を配置することで、第2部分としてのコーナー対応部6Bを押出成形することができる。更には、二つの外側面51c及び上面51dが口金出口の成形用対向面47に対向配置される第3位置に可動中芯部51’を配置することで、第3部分としての下辺対応部6Cの中央部を押出成形することができる。
この変更例のように、下辺対応部6Cの中央部のシール部20Cが最も厚肉となっているウェザーストリップ6をバックドア開口部3用のウェザーストリップとして採用することは、大変好ましい。その理由を説明すると、バックドア開口部3にあってはその下辺部4cの中央部付近に、バックドア2のロック機構と共に、バックドア2の半ドア状態を検知する装置を併設することが多い。そして、この半ドア状態検知装置の周辺に配置されたウェザーストリップのシール部の反発力が弱いと、当該検知装置は、バックドア2が完全に閉じられているにもかかわらず「半ドア状態にある」と誤検出して半ドア警告灯を誤点灯させることがある。このような半ドア警告灯の誤点灯を極力防止するためには、半ドア状態検知装置の周辺に配置されるウェザーストリップのシール部の反発弾性がある程度高いことが好ましい。それ故、下辺部4cの中央部に対応するシール部20Cの壁厚を相対的に厚くして当該シール部20Cの反発力を増大させることは、半ドア警告灯の誤点灯の防止に役立つという利点がある。
また、車両のドアには、所定箇所にゴム製のストッパーが設けられていることがある。ドア又はドア開口部の周縁のうち、このストッパーが当たる部分の周辺に装着されるウェザーストリップのシール部を図10のシール部20Cのような形状にしても良い。その理由を説明すると、ドアの開閉を繰り返すことでストッパーにクラックが入って破損することがあり、このようなストッパーの破損を防止するためには、ストッパーが当たる部分の周辺に装着されるウェザーストリップのシール部の反発弾性を高くして、ドア閉め時にストッパーに加わる衝撃を和らげることが好ましいからである。それ故、図10のシール部20Cのように壁厚を相対的に厚くしてシール部の反発力を増大させることで、ストッパーの破損を防止することができる。なお、シール部の反発弾性を高くするための形状は、図10のシール部20Cの形状に限定されず、例えば図12のように、シール部20Cの頂部付近(つまり上端部23付近)の内面側に半円形状の厚肉部24を形成した形状であっても良い。
[第2実施形態]
図13〜18は、本発明の第2実施形態を示す。以下では、第1実施形態と異なる点を主に説明する。図13(A)は第1実施形態の図1(A)に相当する図であり、図13(B)は図1(B)と同一の図である。図13(A)に示すように、第2実施形態のウェザーストリップ6は、側辺対応部6E、第1部分としての下辺対応部6F、及び第2部分としての上辺対応部6Gを少なくとも有している。
図14は、図13(A)のP−P線位置での断面、即ち、バックドア開口部3の下辺部4cに対して取り付けられるウェザーストリップ6の下辺対応部6Fの横断面を示す。また、図15は、図13(A)のQ−Q線位置での断面、即ち、バックドア開口部3の上辺部4aに対して取り付けられるウェザーストリップ6の上辺対応部6Gの横断面を示す。これらの図に示すように、下辺対応部6F(又は上辺対応部6G)は、取付部10と、その取付部10に隣接し且つ一体化された中空トンネル状のシール部20F(又はシール部20G)とを有している。
下辺対応部6Fの取付部10及び上辺対応部6Gの取付部10は、形状及び寸法ともにほぼ同じであるのみならず、第1実施形態の取付部10(図2,3参照)と同様、芯金11、ゴム被覆部12、4つの保持リップ13、並びに3つの補助リップ(車内側リップ14a,車外側リップ14b及び先端側リップ14c)を有している。
下辺対応部6Fのシール部20F及び上辺対応部6Gのシール部20Gは共に、内周側壁部21と外周側壁部22とを有しており、これらの壁部21,22に囲まれることで横断面略円形状のトンネル状中空領域が確保される点で共通している。但し、シール部20Fよりもシール部20Gの方が概して厚肉であり、互いに対応する壁厚測定ポイントにおいて、シール部20Fの壁厚t7よりもシール部20Gの壁厚t8の方が厚くなっている(t7<t8)。
なお、第2実施形態のウェザーストリップ6のうちの、バックドア開口部3の側辺部4bに対して取り付けられる側辺対応部6Eは、断面形状及び寸法ともに上記の下辺対応部6F(第1部分)と実質的に同じである。
図13〜15に示す第2実施形態のウェザーストリップ6は、図16〜18に示すような押出成形設備を用いて押出成形可能である。第2実施形態の押出成形設備は、第1実施形態の押出成形設備(図4〜8)と基本的な構成を同じくするが、中芯(特に可動中芯部)の構造、並びに、材料押出機の機数及び配設状況が第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
図16〜18に示すように、第2実施形態の中芯60は、可動中芯部61と、固定中芯部62とから構成されている。第2実施形態の固定中芯部62は、その正面形状が第1実施形態の固定中芯部52と若干異なるが、基本的な機能や役割は第1実施形態の固定中芯部52と実質的に同じである。
第2実施形態の可動中芯部61は、第1実施形態と同様、可動体45の一部(下側部分)によって構成されると共に押出方向に沿って延設されている。但し、この可動中芯部61は、その先端部(押出方向における下流側部位)と、当該先端部の後ろ(上流側)に続く先端後続部とで異形断面を持つように構成されている。具体的には図17,18に示すように、可動中芯部61の先端部の外周面61aと、可動中芯部61の先端後続部の外周面61bとは、可動中芯部61の正面視における上面側及び右側面側において輪郭がほぼ一致するように形成されている。これに対し、可動中芯部61の正面視における左側面側においては、先端部の外周面61aが先端後続部の外周面61bに対して可動中芯部61の中心寄りに後退したかのように、両外周面61a,61bが段差を伴って形成されている。その結果、可動中芯部61の先端部の外周面61aは、断面積が相対的に小さい可動中芯部61の小断面積部に対応し、先端後続部の外周面61bは、断面積が前記小断面積部よりも相対的に大きい可動中芯部61の大断面積部に対応している。
従って、図18(A)に示すように、可動中芯部61(及び可動体45)を前進位置(第1位置)に配置し、可動中芯部61の先端後続部の外周面61bを口金出口の成形用対向面47に対向配置させた場合には、シール部用の環状の成形空間42の上側、右側及び左側の幅が全て相対的に狭くなる。他方、図18(B)に示すように、可動中芯部61(及び可動体45)を後退位置(第2位置)に配置し、可動中芯部61の先端部の外周面61aを口金出口の成形用対向面47に対向配置させた場合には、シール部用の環状の成形空間42の上側及び右側の幅が図18(A)の場合とほぼ同じ幅のままであるに対し、同成形空間42の左側の幅が図18(A)の場合よりも相対的に広くなる。
なお、この点に関して別の表現をするならば、後退位置(第2位置)に配置された可動中芯部61(及び中芯60全体)の口金出口位置における横断面形状は、前進位置(第1位置)に配置された可動中芯部61(及び中芯60全体)の口金出口位置における横断面形状から、その左右方向(幅方向)の左側部分を切り欠いた形状に相当するものとなっている(図17参照)。このように、可動中芯部61(及び中芯60全体)は、押出方向に沿った少なくとも二箇所で異形断面(横断面形状が異なる箇所)を持つように構成されている。
図16に示すように、第2実施形態の押出成形設備は、合計4機の材料押出機37,38,391及び392を備えている。上記第1実施形態と同様、第1の材料押出機37は、加硫剤を含むEPDM系ゴム材料であるところのゴム被覆部12及び保持リップ13用ゴム材料をヘッド32に供給するためのものであり、第2の材料押出機38は、加硫剤及び発泡剤を含むEPDM系ゴム材料であるところの補助リップ14a〜c用ゴム材料をヘッド32に供給するためのものである。他方で、第2実施形態における第3及び第4の材料押出機391,392は、第1実施形態における第3の材料押出機39(加硫剤及び発泡剤を含むEPDM系ゴム材料であるところのシール部用ゴム材料をヘッド32に供給するためのもの)を二つの材料押出機に分割したものに相当する。即ち、第3の材料押出機391は、シール部用の環状の成形空間42のうちの外周側壁部22を成形するための部分(図16に示す環状成形空間42の右側略半周部分)にシール部用ゴム材料を供給するためのシール部外周側用材料押出機である。これに対し、第4の材料押出機392は、シール部用の環状の成形空間42のうちの内周側壁部21を成形するための部分(図16に示す環状成形空間42の左側略半周部分)にシール部用ゴム材料を供給するためのシール部内周側用材料押出機である。これら4機の材料押出機37,38,391及び392、並びにヘッド32(特に可動体用の駆動機構32a)は、制御装置Cと電気的に接続されており、制御装置Cによって制御される。
第2実施形態の押出成形プロセスでは、上記第1実施形態と同様、可動体45の一部である可動中芯部61の配置を前進位置(第1位置)と後退位置(第2位置)との間で適宜切替えながら、ウェザーストリップ半製品の押出成形が行われる。具体的には、ウェザーストリップの第1部分としての下辺対応部6Fのシール部20Fを押出成形するときには、可動中芯部61が第1位置としての前進位置(図18(A)参照)に配置され、可動中芯部61の先端後続部の外周面61bが口金40の成形用対向面47に対向配置される。他方、ウェザーストリップの第2部分としての上辺対応部6Gのシール部20Gを押出成形するときには、可動中芯部61が第2位置としての後退位置(図18(B)参照)に配置され、可動中芯部61の先端部の外周面61aが口金40の成形用対向面47に対向配置される。このとき図18(B)からわかるように、口金出口位置ではシール部用成形空間42の右側(外周側)よりも左側(内周側)の方が幅広になる。
この押出成形プロセスでは、制御装置Cが、可動中芯部61の前後移動スケジュールに応じて第4の材料押出機392(シール部内周側用材料押出機)のスクリュー回転数を変化させることにより、環状の成形空間42の左側(内周側)へのゴム材料の供給量を調節する。具体的には、押出成形プロセスが第1部分6F(即ちシール部20F)の押出成形段階にあるとき(図18(A)参照)には、第4の材料押出機392のスクリュー回転数を低下(減速)させて、シール部用ゴム材料の単位時間当たりの供給量を相対的に減少させる。その一方で、押出成形プロセスが第2部分6G(即ちシール部20G)の押出成形段階にあるとき(図18(B)参照)には、第4の材料押出機392のスクリュー回転数を上昇(増速)させて、シール部用ゴム材料の単位時間当たりの供給量を相対的に増加させる。このように、可動中芯部61の前後移動に応じてシール部用の環状の成形空間42の右側(外周側)と左側(内周側)とで幅格差が生じることがあったとしても、上記のような制御手法でシール部用成形空間42の左側略半周部分(内周側壁部21を成形するための部分)に対するゴム材料の供給量制御を行うことにより、環状の成形空間42のどの部位においても、シール部用ゴム材料の単位面積当たりの供給量を一定(均等)にすることができる。その結果、得られたウェザーストリップにおいて、上辺対応部6Gのシール部20Gの一部が波打つ事態を回避することができ、シール部20Gの表面全体を滑らかな面とすることができる。