JP4304663B2 - 表皮一体発泡成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表皮一体発泡成形品の製造方法に関し、更に詳細には、表皮材と、所要形状に成形した基材と、これら表皮材および基材の間で発泡成形した発泡体とを有する表皮一体発泡成形品を製造する方法に関するものである。
自動車の乗員室内に設置される車両内装部材として、乗員室前方に組付けられるインストルメントパネル、乗員室側方のドアに組付けられるドアパネル、各ピラーを覆うように組付けられるピラーガーニッシュ、天井に組付けられるルーフパネル等がある。これら車両内装部材は、乗員室内の質感向上のための装飾機能を付与させる他に、シートに着座している乗員の前方や側方等に位置するため、衝突事故発生時に乗員が衝突することを想定して衝撃吸収機能を付与させるようにしたものが多い。従って前述した車両内装部材は、適度の剛性を有する合成樹脂成形部材である基材単体からなる単層構造タイプの他に、この基材の外面に弾力性のある発泡体および表皮を配設した3層構造タイプとして、装飾効果および衝撃吸収効果を高めたものが実用化されている。このような基材、発泡体および表皮材からなる3層構造タイプの車両内装部材は、予備成形した基材および予備成形した表皮材の間で発泡体を発泡成形して製造するようになっており、「表皮一体発泡成形品」と称することもできる。なお表皮一体発泡成形品は、前述した車両内装部材に限定されるものではなく、例えば各種家具等も含まれる。
ここで表皮材は、真空成形技術を利用して樹脂シート材から成形されるもの、パウダースラッシュ成形技術を利用して樹脂パウダーから成形されるものが多く実施に供され、成形性やコスト面等から有利とされる塩化ビニルが成形原料として採用されていた。しかしながら、塩化ビニルが環境保護やリサイクル等の観点から課題を内在しているため、近年に至っては脱塩化ビニルということで、例えばスプレー成形技術を利用してポリウレタンから成形されたポリウレタンエラストマー等を材質とする表皮材が採用されるようになっている。このスプレー成形技術とは、周知の如く、所要形状に成形した表皮成形型の成形面にポリウレタン等の合成樹脂原料を所要厚にスプレー塗布し、この合成樹脂原料が硬化した後に脱型することで、成形面の表面形状および表面模様が転写された所要厚のシート状成形品を得る成形方法である。なお、スプレー成形技術に関しては、例えば特許文献1に開示されている。
図13は、表皮一体発泡成形品とされるインストルメントパネルの概略断面図である。このインストルメントパネル10は、所要形状に形成された合成樹脂製の基材12と、この基材12の外面に配設されてインストルメントパネル10の意匠面を形成するポリウレタンエラストマーからなる表皮材16と、これら基材12および表皮材16の間に介在された発泡体14とからなる3層構造を呈している。そして、インストルメントパネル10の上面等には、エアコンユニットACにダクトDを介して連通接続され、基材12、発泡体14および表皮材16に亘って貫通した空気吹出口18が開設されている。このようなインストルメントパネル10は、予備成形した基材12および予備成形した表皮材16をセットした発泡成形型(図示せず)を型閉めし、基材12の外面輪郭部と表皮材16の外面輪郭部とを密着的に当接させてシール状態を形成したもとで、これら基材12と表皮材16との間に画成される発泡空間内で発泡体14を発泡成形した後、不要部分を切除することで空気吹出口18等を形成して製造されるようになっている。
このため予備成形される表皮材16は、図14に例示するように、少なくともインストルメントパネル10の外部意匠面を構成する製品部20と、この製品部20の端縁に沿って所要幅で延在して、発泡成形型の型閉め時に基材12の外面に密着してシール状態を形成するスカート部22とから構成されている。なお、インストルメントパネル10の形状や、発泡体14の発泡成形作業上等の関係から、スカート部22のサイズが大きくなったり形状が複雑とならざるを得ない場合もある。
特開2003−112326号公報
ところで表皮材16は、直射日光に晒される部位で使用に供されるので耐候性は勿論、耐光性、耐熱性、耐湿性、耐摩耗性等も要求されるため、変質や変色が発生し難くく、かつ熱履歴に耐え得るような素材から形成する必要がある。このため従来の表皮材16は、図14に例示したように、製品部20からスカート部22に亘る全てを、耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、耐摩耗性等に優れる高機能のポリウレタンエラストマーで、1〜2mm程度の厚みの単層に形成していた。従って、この高機能のポリウレタンエラストマーが比較的高価であることから原材料費が嵩み、1枚当りの成形コストが嵩んでしまう難点が指摘されていた。しかも、シール状態を形成するために機能するスカート部22の一部は、製品としてのインストルメントパネル10においては不要な部分であって、このような不要部分24は発泡成形工程の後工程において切除してしまうため、この不要部分24をも高機能のポリウレタンエラストマーで形成するという非合理的な状況が発生していた。
一方、前述したスプレー成形技術は、スプレーガンによりポリウレタン等の合成樹脂原料を表皮成形型の成形面にスプレー塗布する成形態様であるから、この合成樹脂原料を成形面全体に均一な厚みに塗布するのは技術的に困難である。従って成形された表皮材16は、1mm程度の厚みに成形しようとしても全体的には均一な厚みになっておらず、また成形された各々の表皮材16毎でも厚み寸法に多少のバラツキが発生してしまう。また、高機能なポリウレタンエラストマーから形成された表皮材16は、殊に厚み方向への圧縮的変形が起こり難い特性を有している。このため、(a)表皮材16のスカート部22の厚みが均一でない、(b)スカート部22がシール材として機能するに充分な柔軟性を有していない、等の理由から、発泡体14の成形に際して発泡成形型を型閉めしたとしてもスカート部22と基材12とのシール状態が適切に形成されない虞がある。このため、図14に例示したように、ウレタンスラブ等から切り出されたシール材26を、粘着剤等でスカート部22に装着してシール状態が確実に形成されるようにする対策を施す必要が生じるため、このシール材26の原材料費や成形作業および装着作業等が追加されてインストルメントパネル10の製造コストが嵩む問題を内在していた。更に、切除された不要部分24には、シール材26を装着するための前述した粘着剤が混在しているため、この不要部分24をリサイクルする際に支障を来たす問題等もあった。
そこで本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、高価な高機能のポリウレタンエラストマーと廉価なポリエチレンエラストマーとを適切に使用して表皮材を成形し、発泡体の発泡成形時におけるシール状態を別途のシール材を使用することなく形成し得るようにして製造コストの低減を図り得るようにした表皮一体発泡成形品の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、表皮材と、所要形状に成形した基材と、これら表皮材および基材の間で発泡成形した発泡体とを有する表皮一体発泡成形品の製造方法であって、
表皮成形型の表皮成形面に第1の合成樹脂原料をスプレー塗布してポリウレタンエラストマーからなる意匠形成層を成形し、更に第2の合成樹脂原料をスプレー塗布して発泡ポリウレタンエラストマーからなる形状保持層を成形することで、前記意匠形成層と形状保持層との2層部分からなり、前記表皮一体発泡成形品の外部意匠面を構成する意匠製品部と、一部分が意匠形成層および形状保持層の2層部分からなると共に残りの部分が形状保持層の単層部分からなり、前記意匠製品部の端縁に沿って延在して前記外部意匠面を構成しない意匠外製品部と、この意匠外製品部の端縁に沿って延在して、形状保持層の単層部分からなる製品外部とを有する表皮材を成形し、
前記表皮材および別途成形された基材を発泡成形型にセットし、該成形型を型閉めして前記製品外部を該基材に押し付け、
前記表皮材と基材との間に画成された発泡空間内で、発泡原料を発泡させて前記発泡体を成形し、
前記発泡体の発泡成形後に、前記製品外部を切除することを特徴とする。
本発明に係る表皮一体発泡成形品の製造方法によれば、弾力性を有して最終的に切除される製品外部を、発泡体の発泡成形時に基材に押し付けてシールするようにしたため、別途のシール材を別途準備する必要がなくなり、表皮一体発泡成形品の製造コストの低減を図り得る。更に、製品外部からなる不要部分には、シール材を装着する際に使用される貼着材等が混在していないため、不要部分のリサイクルの容易化が図られる等の利点もある。
次に、本発明に係る表皮一体発泡成形品の製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお実施例では、表皮一体発泡成形品として、基材、発泡体および表皮材からなる3層構造のインストルメントパネルを例示する。従って、図13および図14に例示したインストルメントパネル10と同一の部材・部位に関しては、同一の符号を付して説明する。
図1は、好適実施例に係る表皮一体発泡成形品における表皮材の概略断面図、図2は図1のA部拡大図、図3は図1のB部拡大図、また図4は図1に例示した表皮材を採用した表皮一体発泡成形品としてのインストルメントパネルの概略断面図である。
実施例のインストルメントパネル10における表皮材30は、後述すると共に図5〜図8に例示するように、スプレー成形技術を利用して表皮成形型50の表皮成形面52に吹付けた合成樹脂原料を硬化させて成形され、所要形状に成形した基材12およびこの基材12の外側で発泡成形した発泡体14と共にインストルメントパネル10を構成する。このような表皮材30は、インストルメントパネル10の外部意匠面を構成する意匠製品部32と、この意匠製品部32の端縁に沿って所要幅で延在して外部意匠面を直接的に構成しない意匠外製品部34と、この意匠外製品部34の端縁に沿って延在して最終的に切除(トリミング)される製品外部36とから構成されている。
意匠製品部32とは、インストルメントパネル10が乗員室前方に設置された実施状態において乗員室へ露出する部分であり、従ってフロントウィンドウFWを介して差込む直射日光に晒される部分である。また意匠外製品部34とは、インストルメントパネル10が乗員室前方に設置された実施状態において乗員室へ露出しない(インストルメントパネル10の構成部材や他部材により被覆されて露出しない)部分であり、従って直射日光に晒されない部分である。更に製品外部36とは、表皮材30の成形時またはインストルメントパネル10の製造時(発泡体14の成形時)に必要であるものの、成形および製造の完了後には不要となる部分である。ここで、意匠外製品部34の一部および製品外部36は、図14に例示した従来の表皮材16におけるスカート部22に相当する部分である。
そして実施例の表皮材30では、意匠製品部32、意匠外製品部34および製品外部36毎に、構造が異なっている。すなわち意匠製品部32は、図1〜図3に例示したように、その全体が、第1の合成樹脂原料U1から形成された意匠形成層40と、第2の合成樹脂原料U2から形成されて意匠形成層40を裏側から形状保持する形状保持層42との2層部分から構成されている。第1の合成樹脂原料U1とは、高機能(耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、耐摩耗性等に優れる)なポリウレタンエラストマーを成形するものであって、図14に例示した従来の表皮材16を成形する際に使用される合成樹脂原料と基本的に同一のものであり、かつインストルメントパネル10の製品色に予め着色されている。一方、第2の合成樹脂原料U2とは、比較的廉価で一般的なポリウレタンエラストマーを成形するものであって、第1の合成樹脂原料U1と同色または近似色に着色されているものが好適に実施される。
高機能なポリウレタンエラストマーからなる意匠形成層40は、厚さT1=0.2〜0.8mmに形成されており、前述したように所要の耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、耐摩耗性等を有しており、硬化した際の単体での硬度は70〜75(ショアA硬度)となっている。一方、一般的なポリウレタンエラストマーからなる形状保持層42は、厚さT2=0.5〜1.5mmに形成されていて所要の耐熱性等を有しており、硬化した際の単体での硬度は65〜70(ショアA硬度)となっている。
なお形状保持層42は、ポリウレタンエラストマーの発泡体とすれば、形状保持層42の柔軟性向上が図られる。ポリウレタンエラストマーの発泡体は、第2の合成樹脂原料U2に所要量の水分を添加することにより、スプレー塗布されたこの合成樹脂原料U2が所要時間経過後に発泡することにより得られる。ここで発泡倍率は、水分の添加量により適宜調整され、例えば2〜10倍程度で設定可能である。
意匠外製品部34は、図1〜図3に例示したように、一部分が意匠形成層40および形状保持層42の2層部分から構成されると共に、残りの部分が形状保持層42だけの単層部分から構成されている。2層部分は、主に意匠製品部32と隣接した側に位置しているが、これは後述すると共に図7に例示するように、意匠形成層40を形成するための第1の合成樹脂原料U1を表皮成形型50における表皮成形面52の主成形面54にスプレー塗布するに際し、この合成樹脂原料U1の一部が副成形面56に吹付けられて形成されるものである。一方、単層部分は、主に製品外部36と隣接する側に位置している。この意匠外製品部34は、前述したように、インストルメントパネル10の外面に露出しない部分であるから、廉価な第2の合成樹脂原料U2だけで形成しても差し支えない部分である。
製品外部36は、図1〜図3に例示したように、実質的に形状保持層42だけで構成されている。この製品外部36は、前述したように、最終的(発泡体14の発泡成形完了後)に切除される部分であるため、廉価な第2の合成樹脂原料U2だけで形成される。
このように実施例の表皮材30では、インストルメントパネル10の外面に直接的に露出して外部意匠面を構成する意匠製品部32において、この意匠製品部32の表面側だけに意匠形成層40を薄肉に形成するようにしたため、原材料費が嵩む第1の合成樹脂原料U1の使用量を最小限に抑えることができ、図14に例示した従来の表皮材16と比べて成形コストを大幅に低減できる。すなわち、実施例の表皮材30における1枚当りに使用される第1の合成樹脂原料U1の使用量は、従来の表皮材16における1枚当りに使用される第1の合成樹脂原料U1の1/3程度となり、1枚当りの成形コストは概ね1/2程度に低減できる。しかも、最終的に切除される製品外部36には第1の合成樹脂原料U1が全く使用されないため、非合理的な状況が発生することがない。
次に、前述した実施例の表皮材30を成形する工程につき、図5〜図8を引用して説明する。実施例の表皮材30は、図5に略示した表皮成形型50を使用して、スプレー成形技術に基づいて成形される。この表皮成形型50は、インストルメントパネル10の外面意匠形状に基づいて形成された表皮成形面52を有し、この表皮成形面52には、前記意匠製品部32に対応する主成形面54と、意匠外製品部34に対応する副成形面56と、製品外部36に対応する予備成形面58とから構成されている。
このような表皮成形型50を使用した表皮材30の成形工程では、先ず図6に例示するように、主成形面54に対して第1の合成樹脂原料U1を、第1スプレーガンSG1を使用して0.2〜0.8mmの範囲内で所望とする厚さにスプレー塗布する。この際に、副成形面56はマスキングテープ等でマスキング処理を行なっていないため、図7に例示するように、主成形面54の外部輪郭部分へ第1の合成樹脂原料U1をスプレー塗布するに際し、この第1の合成樹脂原料U1の一部が副成形面56へ付着するようになる。主成形面54の全面および副成形面56の一部にスプレー塗布された第1の合成樹脂原料U1は、これら成形面54,56が所定温度に加熱保温されていることにより硬化が促進される。
第1の合成樹脂原料U1の硬化進行中または硬化が完了したら、図8に例示するように、第1の合成樹脂原料U1の裏面、副成形面56および予備成形面58に亘って第2の合成樹脂原料U2を、第2スプレーガンSG2を使用して0.5〜1.5mmの範囲内で所望とする厚さにスプレー塗布する。そして、スプレー塗布された第2の合成樹脂原料U2が硬化したら、成形された表皮材30を表皮成形面52から剥離して脱型することで、表皮材30の成形作業が完了する。
前述した表皮成形方法では、第1の合成樹脂原料U1のスプレー塗布時に副成形面56に対するマスキング処理を行なっていないため、第1の合成樹脂原料U1の一部が副成形面56に付着するようになり、これにより意匠外製品部34が部分的に2層部分となる。しかしながら、この意匠外製品部34は、インストルメントパネル10の外面に直接的に露出しないため、2層部分と単層部分とが混在してもインストルメントパネル10の質感低下を招来する問題は生じない。それよりも、表皮成形作業に際して、副成形面56に対するマスキング処理作業(マスキングテープの貼着作業、剥離作業)が省略されるため、成形作業効率の向上を図り得る効果が期待できる。更には、マスキングテープの原材料費や、マスキング処理に係る作業コスト等が削減されるので、表皮材30の成形コストの低減を図り得る等の効果も期待できる。
次に、前述のように構成された表皮材30を使用して実施例のインストルメントパネル10を製造する方法につき、図9〜図12を引用して説明する。実施例のインストルメントパネル10は、図9に略示した発泡成形型60を使用して発泡体14を成形することで製造される。この発泡成形型60は、予備成形した表皮材30をセットする第1成形型62と、予備成形した基材12をセットする第2成形型64とから構成されて、第1成形型62に対して第2成形型64を型閉め可能となっている。
表皮材30をセットした第1成形型62に対して基材12をセットした第2成形型64を型閉めすると、図10(a)に例示するように、表皮材30と基材12との間に発泡空間66が画成されるようになる。そして、図10(b)に拡大して例示するように、表皮材30の製品外部36が基材12の表面に圧縮的に変形しながら押付けられるようになり、これら表皮材30と基材12とのシール状態が好適に形成される。殊に製品外部36は、第2の合成樹脂原料U2を発泡成形して形成されているため、柔軟性に富んでいて基材12の外面形状に追従するよう容易に変形し、厚みに多少のバラツキがあってもこれを吸収しながらシール状態を好適に形成するようになる。
なお、発泡成形型60の型閉めに先立ち、第1成形型62にセットした表皮材30の上面に所定量の発泡原料を注入しておくことにより、型閉め後に発泡空間66内で発泡原料が発泡反応しながら膨張を開始し、所定時間経過後に発泡空間66内に充満した発泡体14が形成される(図11)。この際に、製品外部36により、表皮材30と基材12とのシール状態が形成されているため、成形途中の発泡体14がこれらの境界部分から漏出することはない。
発泡体14の成形作業が完了したら、製造されたインストルメントパネル10を発泡成形型60から脱型する。そして図12(a)に例示した各カットラインC.Lに沿って切込みを入れることで、図12(b)に例示するように、製品外部36を含む不要部分24が切除される。
このように実施例のインストルメントパネル10は、表皮材30における不要部分24の一部として切除される製品外部36が、廉価な第2の合成樹脂原料U2だけから形成されているため、原材料費のロスを最小限に抑えることが可能である。また、最終的に切除される製品外部36にシール機能を付与するようにしたため、図14に例示したようなシール材26を別途準備する必要がなく、インストルメントパネル10の製造コストの低減を図り得る。また、不要部分24には貼着材等が混在していないため、不要部分24のリサイクルの容易化が図られる。
本願の製造方法により製造される表皮一体発泡成形品は、表皮成形型の成形面に吹付けた合成樹脂原料を硬化させて表皮材が成形され、この表皮材と、所要形状に成形した基材と、これら表皮材と基材との間で発泡成形した発泡体とからなり、例えばインストルメントパネル、ドアパネル、ピラーガーニッシュおよびルーフパネル等の種々車両内装部材や、この他に種々家具等が対象とされる。
好適実施例に係る表皮材の概略断面図である。 図1のA部拡大図である。 図1のB部拡大図である。 図1に例示した表皮材を採用した表皮一体発泡成形品としてのインストルメントパネルの概略断面図である。 表皮成形型の概略断面図である。 図5に例示した表皮成形型において、主成形面に第1の合成樹脂原料をスプレー塗布して意匠製品部の意匠形成層を成形している状態を示した断面図である。 主成形面の外部輪郭部分に第1の合成樹脂原料をスプレー塗布するに際し、その一部が副成形面に付着することを示した説明断面図である。 図5に例示した表皮成形型において、意匠形成層および予備成形面に第2の合成樹脂原料をスプレー塗布して、意匠製品部、意匠外製品部および製品外部に亘る形状保持層を成形している状態を示した断面図である。 発泡成形型の概略断面図であって、第1成形型に予備成形した表皮材をセットすると共に、第2成形型に予備成形した基材をセットする状態を示している。 (a)は型閉めした状態で示した発泡成形型の概略断面図であり、(b)は(a)のC部拡大図である。 発泡空間内で発泡原料が発泡反応することで発泡体が成形された状態を示した発泡成形型の概略断面図である。 (a)は、不要部分を切除する前のインストルメントパネルの断面図であって、この不要部分を切除するためのカットラインを示しており、(b)は、表皮材の製品外部を含む不要部分を切除した状態を示している。 従来の表皮材を採用した表皮一体発泡成形品としてのインストルメントパネルの概略断面図である。 従来から実施されている表皮材の概略断面図である。
符号の説明
10 表皮一体発泡成形品
12 基材
14 発泡体
30 表皮材
32 意匠製品部
34 意匠外製品部
36 製品外部
40 意匠形成層
42 形状保持層
50 表皮成形型
52 表皮成形面
60 発泡成形型
66 発泡空
U1 第1の合成樹脂原料
U2 第2の合成樹脂原料

Claims (2)

  1. 表皮材(30)と、所要形状に成形した基材(12)と、これら表皮材(30)および基材(12)の間で発泡成形した発泡体(14)とを有する表皮一体発泡成形品(10)の製造方法であって、
    表皮成形型(50)の表皮成形面(52)に第1の合成樹脂原料(U1)をスプレー塗布してポリウレタンエラストマーからなる意匠形成層(40)を成形し、更に第2の合成樹脂原料(U2)をスプレー塗布して発泡ポリウレタンエラストマーからなる形状保持層(42)を成形することで、前記意匠形成層(40)と形状保持層(42)との2層部分からなり、前記表皮一体発泡成形品(10)の外部意匠面を構成する意匠製品部(32)と、一部分が意匠形成層(40)および形状保持層(42)の2層部分からなると共に残りの部分が形状保持層(42)の単層部分からなり、前記意匠製品部(32)の端縁に沿って延在して前記外部意匠面を構成しない意匠外製品部(34)と、この意匠外製品部(34)の端縁に沿って延在して、形状保持層(42)の単層部分からなる製品外部(36)とを有する表皮材(30)を成形し、
    前記表皮材(30)および別途成形された基材(12)を発泡成形型(60)にセットし、該成形型(60)を型閉めして前記製品外部(36)を該基材(12)に押し付け、
    前記表皮材(30)と基材(12)との間に画成された発泡空間(66)内で、発泡原料を発泡させて前記発泡体(14)を成形し、
    前記発泡体(14)の発泡成形後に、前記製品外部(36)を切除する
    ことを特徴とする表皮一体発泡成形品の製造方法。
  2. 前記意匠形成層(40)を、前記形状保持層(42)を成形する前記発泡ポリウレタンエラストマーより耐候性、耐熱性および耐摩耗性に優れる前記ポリウレタンエラストマーで成形する請求項1記載の表皮一体発泡成形品の製造方法
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