JP6902429B2 - 断熱サッシ - Google Patents
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Description
本発明は、金属材料からなる室外側部材と樹脂材料からなる室内側部材からなる複合サッシにおいて、枠体と障子との間の室内外の冷熱の伝達を抑制して、さらなる断熱性能の向上を図ることを目的とする。
また、本発明の一つの実施形態は、建物開口部に配置される枠体と、枠体内に開閉自在に配置される障子を備え、枠体は、上枠と、上枠の内周に配置される樹脂材料からなる樹脂部材を有し、樹脂部材は、上枠内周面に沿って配置される内周壁部と、内周壁部の室外側から下方に向かって設けられた見付け壁部を有し、 見付け壁部の下方部位に、障子の見付け面に近接する振れ止め部が設けられているとともに、内周壁部に、突出部材が複数設けられており、複数の突出部材によって下方に開口する空間が形成されていることを特徴とする。
−断熱サッシ全体の構成−
本発明の実施形態に係る断熱サッシは、例えばビル等の建物開口部に設けられるものであり、図1に示されるように、枠体1と、枠体1に対して引き違い自在に配置された内障子2および外障子3を有している。
枠体1は、上下の横枠(上枠11および下枠12)と左右の竪枠13,14を四周に枠組みしてなり、内障子2および外障子3は、それぞれ上下の横框(上框21,31および下框22,32)と左右の竪框(23,24,33,34)を四周に框組してなり、内周にガラス等のパネル体(25,35)を嵌め込んで形成されている。
(上枠の構成)
サッシの枠体1を構成する上枠11は、図2,3に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属上枠111と、金属上枠111の室内側見付け面に配置され樹脂材料からなる樹脂上枠112と、を有している。さらに、上枠11は、金属上枠111の内周面に配置され樹脂材料からなる樹脂カバー部材113(図2)及びアルミ合金等の金属材料からなる金属カバー部材114(図3)を有している。
そして、金属上枠111に固定された樹脂上枠112の樹脂上枠本体部112aの下壁が室外側に延設されており、室内側壁部111bの下端面を覆うと共に気密材s21に当接もしくは近接している。
サッシの枠体1を構成する下枠12は、図2,3に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属下枠121と、金属下枠121の室内側見付け面に配置され樹脂材料からなる樹脂下枠122と、を有している。さらに、下枠12は、内、外障子2,3の閉鎖状態において、外障子3側の金属下枠121の内周面(上面)であって、内レールの室内側に配置された内樹脂カバー部材123及び内レールの室外側に配置された外樹脂カバー部材124を有している。
なお、金属下枠121の室外側壁部121gは、金属上枠111の室外側壁部111cとともに、図示しない網戸が走行するレールを構成してもよい。
そして、金属下枠121に固定された樹脂下枠122の樹脂下枠本体122aの上壁が室外側に延設されており、室内側壁部121cの上端面を覆うと共に気密材s22に当接もしくは近接している。
サッシの枠体1を構成する左竪枠13は、図4に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属左竪枠131と、金属左竪枠131の室内側内周面に配置され樹脂材料からなる主樹脂左竪枠132と、主樹脂左竪枠132の内周面に配置された副樹脂左竪枠133を有している。
そして、主樹脂左竪枠132は、内、外障子2,3の閉鎖時において、金属左竪枠131の内周面を覆っており,金属左竪枠131が室内側に露出することがない。
サッシの枠体1を構成する右竪枠14は、図4に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属右竪枠141と、金属右竪枠141の室内側端部に配置され樹脂材料からなる樹脂右竪枠142を有している。
樹脂右竪枠142は、室内側壁部141bの内周端面において気密材s24に当接もしくは近接するように配置されており、金属右竪枠14の室内側壁部141bは、室内側に露出することがない。そして、樹脂右竪枠142の内周室内側端には室内方向に延びる鍔部142bが形成されている。
(上框の構成)
内、外障子2,3を構成する上框21,31は、構造上ほぼ同一であるので、ここでは内障子2の上框21を用いて説明する。
内障子2を構成する上框21は、図3に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属上框211と、金属上框211の室内側面に配置された樹脂上框212を有している。
上方壁部212aの上端および下方壁部212cの下端にはそれぞれ係止部が形成されており、上框本体部211aの室内側面の上端とガラス間口部211bの室内側の下端に形成された上下の係止部に対してそれぞれが係止されることで、樹脂上框212は金属上框211に対して空間を有して室内側に配置されている。
上框21は、樹脂上框212と金属上框211との間の空間、および、上、下中空部212d,212eによって、高い断熱性能を有している。
一方、外障子3の上框31は、上枠11の室外側上レール111eに摺動自在に案内されており、上框31の樹脂上框312の室内側面に上枠11の中央壁部111dの室外側面に取り付けられた気密材s31が当接している。
内障子2を構成する下框22は、図3に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属下框221と、金属下框221の室内側面に配置され樹脂材料からなる樹脂下框222を有している。
下框22は、樹脂下框222と金属下框221との間の空間及び複数の中空部によって、高い断熱性能を有している。また、樹脂下框本体部222aの下面から延びた複数のヒレ片222cは、下枠12の樹脂下枠122の上面に近接しており、樹脂下框本体部222aの下面と樹脂下枠122の上面との間の空間を見込み方向に分割している。これによって、下枠12と下框22との間に断熱空間が形成されて、内障子2と下枠12との間は、断熱性能が向上している。
外障子3の金属下框321は、下枠12に設けられた室外下レール部121fに案内される車輪wを収納する下框本体部321aと、下框本体部321aの内周に連設されるガラス間口部321bを有している。ガラス間口部321bは、下框本体部321aに比べて見込み方向に幅広に形成されており、下框本体部321aの上端から室内側へ張り出すように連設されている。下框本体部321aの室内側面の下端とガラス間口部321bの室内側の上端には、樹脂下框322を係止する上下の係止部が形成されている。
下框32は、樹脂下框322と金属下框321との間の空間及び中空部によって、高い断熱性能を有している。また、樹脂下框本体部322aの下面から延びた複数のヒレ片322cは、下枠12の外樹脂カバー部材124の上面に近接しており、樹脂下框本体部322aの下面と外樹脂カバー部材124の上面との間の空間を見込み方向に分割している。これによって、下枠12と下框32との間に断熱空間が形成されて、外障子3と下枠12との間は、断熱性能が向上している。
内、外障子2,3を構成する戸先框24,33は、構造上ほぼ同一であるので、ここでは主に、内障子2の戸先框24を用いて説明する。
内障子2を構成する戸先框24は、図4に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属戸先框241と、金属戸先框241の室内側面に配置され樹脂材料からなる樹脂戸先框242を有している。
戸先框本体部241aの開口溝を構成する室内側壁の戸先側先端部およびガラス間口部241bの室内側内周端部には、樹脂戸先框242を係止する係止部が形成されている。
樹脂戸先框242は、戸先側部242aの戸先側端部および間口側部242cの内周側端部に係止部が形成されており、戸先框本体部241aおよびガラス間口部241bに形成された左右の係止部に対してそれぞれが係止されることで、金属戸先框241に対して空間を有して室内側に配置されている。
戸先框24は、樹脂戸先框242と金属戸先框241との間の空間、および、見込み壁部242bの中空部によって、高い断熱性能を有している。
内障子2を構成する召合框23は、図4に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属召合框231と、金属召合框231の外周側面および室内側面に配置され樹脂部材からなる樹脂召合框232を有している。
召合框23は、樹脂召合框232と金属召合框231との間の空間および複数の中空部によって、高い断熱性能を有している。
召合框本体部341aは、中空部の室内側面に加熱により膨張する加熱膨張材を取り付けるための膨張材取付部341cを備え、膨張材取付部341cの内周側には樹脂召合框342を係止するための係止部が形成されている。
以上のように、本実施形態の断熱サッシは、枠体1および内、外障子2,3を構成する枠材および框材を、金属部材と、金属部材の室内側に配置される樹脂部材によって形成することで、断熱サッシとして構成されている。
ここで、図3に示すように、内、外障子2,3の閉鎖時における見付け方向(左右方向)で内障子2側の領域では、枠体1を構成する上枠11の内周面が断熱構造を有する内障子2に覆われて、室内側に露出することは少ない。
そこで、本実施形態の断熱サッシは、枠体1を構成する上枠11の外障子3側の内周面にさらに樹脂部材を配置することで、上枠11の内周面からの冷熱の伝達を抑制して断熱性能を向上させている。
以下に、上記断熱性能を向上させるための構成について、図5を参考にして、説明する。
樹脂上枠112の樹脂上枠本体部112aの下壁は、室内側壁部111bの下端面を覆うように室外側に延設されており、下壁の室外側端は室内側壁部111bの下方部位に取り付けられた気密材s21に当接もしくは近接するように配置されている。
樹脂カバー部材113の室内側の見付け壁部113bの下端は、室内側壁部111bの下方部位に取り付けられた気密材s21に当接もしくは近接するように配置されている。また、樹脂カバー部材113の下壁部113dは、中央壁部111dの下端面を覆うように室外側に延設されており、下壁部113dの室外側端は中央壁部111dの下方部位に取り付けられた気密材s31に当接もしくは近接するように配置されている。
なお、下壁部113dは、内障子2の開閉時において、内障子2の上框21の室外側の見付け面に近接する振れ止め部として機能している。
室外側の突出部材115は、硬質の合成樹脂材料等からなり樹脂カバー部材113の内周壁部113aの室外側の下面に形成された取付溝113kに取り付けられる取付部115aと、軟質の合成樹脂材料等の弾性材料からなり取付部115aから室内側及び下方に向かって斜めに延びる主突出片部115bと、軟質の合成樹脂材料等の弾性材料からなり主突出片部115bの幅方向中央下面から室外側及び下方に向かって斜めに延びる副突出片部115cを有している。
また、室外側の突出部材115の副突出片部115cの先端は、樹脂カバー部材113の室外側の見付け壁部113cから室内方向に延設された下壁部113dに近接しており、室外側の見付け壁部113cと下壁部113dと突出部材115によって、上枠11の内周面に第2空間S12を形成している。
さらに、室内側の突出部材116の副突出片部116cの先端は、樹脂カバー部材113の室内側の見付け壁部113bの下端に近接しており、室内側の見付け壁部113bと突出部材116によって、上枠11の内周面に第3空間S13を形成している。
そして、半密閉空間もしくは密閉空間等の空間を形成する突出部材115,116は弾性材料から形成されており、かつ、先端を自由端としたヒレ状に形成されているので、内障子2を枠体1にケンドンによって建て込むときに、突出部材115,116が容易に変形して、抵抗無く建て込むことができる。
11 :上枠
111 :金属上枠
112 :樹脂上枠
113 :樹脂カバー部材(樹脂部材)
113a :内周壁部
113b :見付け壁部
113c :見付け壁部
113d :下壁部(振れ止め部)
114 :金属カバー部材
12 :下枠
121 :金属下枠
122 :樹脂下枠
13 :左竪枠
131 :金属左竪枠
132 :主樹脂左竪枠
133 :副樹脂左竪枠
14 :右竪枠
141 :金属右竪枠
142 :樹脂右竪枠
115 :突出部材
115a :取付部
115b :主突出片部
115c :副突出片部
116 :突出部材
116a :取付部
116b :主突出片部
116c :副突出片部
2 :内障子
21 :上框
211 :金属上框
212 :樹脂上框
22 :下框
23 :召合框
231 :金属召合框
232 :樹脂召合框
24 :戸先框
241 :金属戸先框
242 :樹脂戸先框
3 :外障子
31 :上框
32 :下框
321 :金属下框
322 :樹脂下框
33 :戸先框
332 :樹脂戸先框
34 :召合框
341 :金属召合框
342 :樹脂召合框
S11 :第1空間
S12 :第2空間
S13 :第3空間
Claims (2)
- 建物開口部に配置される枠体と、枠体内に開閉自在に配置される障子を備え、
枠体は、上枠と、上枠の内周に配置される樹脂材料からなる樹脂部材を有し、
樹脂部材は、上枠内周面に沿って配置される内周壁部と、内周壁部の室外側から下方に向かって設けられた見付け壁部を有し、
見付け壁部の下方部位に、障子の見付け面に近接する振れ止め部が設けられているとともに、
内周壁部に、突出部材が複数設けられており、突出部材によって下方に開口する複数の空間が形成されている
ことを特徴とする断熱サッシ。 - 建物開口部に配置される枠体と、枠体内に開閉自在に配置される障子を備え、
枠体は、上枠と、上枠の内周に配置される樹脂材料からなる樹脂部材を有し、
樹脂部材は、上枠内周面に沿って配置される内周壁部と、内周壁部の室外側から下方に向かって設けられた見付け壁部を有し、
見付け壁部の下方部位に、障子の見付け面に近接する振れ止め部が設けられているとともに、
内周壁部に、突出部材が複数設けられており、複数の突出部材によって下方に開口する空間が形成されている
ことを特徴とする断熱サッシ。
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