JP2019060072A - サッシ - Google Patents
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Description
近年、樹脂材料からなる部位を備える断熱サッシにおいても、高い防火性能が求められるようになってきた。
本発明の実施形態に係るサッシは、図1に示すように、建物開口部に配置される枠体10と、枠体10に対して摺動自在に配置される内障子20及び外障子30を備えている。
本実施形態のサッシの枠体10は、上枠11,下枠12及び左、右竪枠13,14を有しており、各枠材は枠組されることなく、上枠11,下枠12及び左、右竪枠13,14がそれぞれ建物開口部の内周面にビス等の固定手段によって固定されることで建物開口部の四周に亘る枠体10が形成されている。
また、本実施形態のサッシの内障子20は、上框21、下框22、左竪框(召合框)23及び右竪框(戸先框)24を四周に組んで、その内周にパネル体25を取り付けて形成されており、外障子30は、上框31、下框32、左竪框(戸先框)33及び右竪框(召合框)34を四周に組んで、その内周にパネル体35を取り付けて形成されている。
枠体10の上枠11は、図2に示すように、樹脂材料からなる略平板状の上枠本体111と、アルミ合金等の金属材料からなる上レール部材112を有している。そして、上レール部材112が上枠本体111の内周面(下面)に配置された状態で、上枠本体111と上レール部材112はビス等の固定手段bにより、建物開口部の内周面(下面)にともに固定されている。
上枠本体111は、建物開口部に固定される上枠本体部111aと、上枠本体部111aの室内側端から垂下する室内側壁部111bを有している。
上枠11の上内レール112bと上外レール112cとの間であって、内障子20及び外障子30の召合框23,34の上方位置にはヒレ状の風止め部を有する風止め部材71が配置されている。
下枠本体121は、建物開口部に固定される下枠本体部121aと、下枠本体部121aの室内側端から上方に立設する室内側壁部121bを有している。
下枠12の下内レール122bと下外レール122cとの間であって、内障子20及び外障子30の召合框23,34の下方位置にはヒレ状の風止め部を有する風止め部材72が配置されている。
左、右竪枠13,14は、建物開口部に固定される左、右竪枠本体部131a,141aと、左、右竪枠本体部131a,141aの見込み方向略中央位置から内周方向に突設される中央壁部131b,141bと、左、右竪枠本体部131a,141aの室内側端から内周方向に突設される室内側壁部131c,141cと、左、右竪枠本体部131a,141aの室外側端から内周方向に突設される室外側壁部131d,141dとを有している。
中央壁部131b,141bは、内周端に、室内外両側に延びるヒレ状の気密片を有している。ヒレ状の気密片は、内障子20もしくは外障子30の閉鎖時において、内、外障子20,30の戸先框24,33に当接して、内、外障子20,30の閉鎖時における内障子20と右竪枠14との気密、外障子30と左竪枠13との気密をはかっている。
補強部材132,142は、アルミ合金やスチール等の金属材料からなる断面略L字状の長尺部材であり、左、右竪枠13,14の全長に亘って配置されている。
左、右竪枠13,14に配置された補強部材132,142は、それぞれ左、右竪枠13,14を固定する固定手段b,bによって、左、右竪枠本体部131a,141aとともに建物開口部に固定されている。
そして、左、右竪枠13,14に配置された補強部材132,142の内周面に、内外障子20,30の戸先框24,33に対向するように加熱膨張材が配置されている。
このとき、建物開口部の四隅において、横枠(上枠11,下枠12)の少なくとも上内レール112b、上外レール112c及び下内レール122b、下外レール122cの一部、もしくは、竪枠(左竪枠13,右竪枠14)の中央壁部131b,141bの一部を切欠くこと等によって、上枠11,下枠12及び左、右竪枠13,14同士が取付けに際して干渉することを防止することができる。
内障子20の上框21は、図2に示すように、樹脂材料からなる上框本体211と、アルミ合金等の金属材料からなり上框本体211に内装される補強芯材212を有している。
上框本体211は、パネル体25を保持するためのパネル間口部211aと、パネル間口部211aの外周側に形成され上内レール112bに案内される開口部211bを有し、開口部211b内に補強芯材212が配置されている。
開口部211bを構成する室内、外側壁の上端には上内レール112bに当接もしくは近接する気密片が設けられている。
開口部211bに配置された補強芯材212とパネル間口部211aに配置された補強部材213とは、開口部211bの底壁を間に挟んで連結手段により連結されている。
下框本体221は、内周側のパネル間口部221aと、パネル間口部221aの外周に配置される中空部221bと、外周側の開口部221cとを有している。
第1補強芯材222の中空部内には、スチール等からなる断面略U字状の第1補強部材224が外周方向に開口するように配置され、第2補強芯材223の中空部内及び開口部内には、断面略U字状の第2補強部材225及び第3補強部材226がそれぞれ室内方向に開口するように配置されている。
第4補強部材227と第1補強芯材222及び第1補強部材224は、パネル間口部221aの底壁を挟んで連結手段を介して連結されている。
また、第1補強芯材222と第2補強芯材223及び第2補強部材225は、下框本体221の中空部221bの底壁を挟んで連結手段により連結されており、第2補強部材225と第3補強部材226は、第2補強芯材223の中間壁を間に挟んで連結手段により連結されている。
下框本体221の開口部221cの所定位置には、下内レール122b上を走行する車輪92が配置され、下内レール122b上を走行自在に配置されている。
第1補強部材242と第2補強部材243とは、右竪框本体部241bの内周側の壁部を挟んで連結手段により連結されている。
なお、右竪框本体部241bの中空部内に配置される第1補強材242は、略U字状の断面形状に限らず、例えば、断面略矩形のホロー構造等でもよい。
左竪框23の室外側面には、外障子30の右竪框(召合框)34の室内側面との間に煙返しを形成する金属材料からなる煙返し片235が取り付けられており、また、左竪框23の外周面には防火クレセント錠61が取り付けられている。
一方、パネル間口部231a内には、内周側に向けて開口する断面略U字状の第3補強部材234が配置されており、第3補強部材234の底壁には加熱膨張材fが配置されている。そして、パネル体25が、第3補強部材234及び難燃性のグレイジングチャンネル239を介してパネル間口部231aに保持されている。
なお、内障子20に使用されるパネル体25は、耐火性、耐熱性を有するガラス、例えば、結晶化ガラスにより形成されている。
以下に、外障子30について説明するが、外障子30と内障子20とは、上下枠および戸先框について基本的にその構成を同じくするものであるから、ここでは、特に外障子30の召合框34について説明し、内障子20の構成と同様の構成については、その説明を省略する。
右竪框(召合框)34の室内側面には内障子20の左竪框(召合框)23の煙返し片235とともに煙返しを形成する金属材料からなる煙返し片345が取り付けられており、煙返し片345の内周側には、防火クレセント受け62が設けられている。
第1補強部材342と第2補強部材343は、右竪框本体部341bの内周側の壁及び加熱膨張材fを間に挟んで連結手段により連結されている。また、第1補強部材342には、火災時の加熱により膨張する加熱膨張材fが配置されている。
まずは、上枠11と内、外障子20,30の上框21,31との間の防火構造について、上枠11と内障子20の上框21の構造を参考にして説明する。
上枠本体111の上枠本体部111aは、上レール部材112が配置される見込み方向略中央部分に形成された建物開口部に取り付けられる固定部111cと、固定部111cの見込み方向で室内側と室内側の両側に連続する内、外段部111d,111eを有しており、内、外段部111d,111eの上面には、加熱膨張材f11,f11が配置されている
上框本体211の内周側は、室内側に中空壁からなる内パネル間口壁211cを有し、室外側に中空壁からなる外パネル間口壁211dを有しており、両パネル間口壁211c,211dによって、パネル間口部211aが形成されている。
室内側壁部211gと室外側壁部211hは、外周端部にそれぞれ係止部211i,211jを有しており、開口部211b内に配置された補強芯材212の室内壁部212bの上端及び室外壁部212cの上端を係止している。
そして、底壁部212aの下面に、加熱膨張材f212が配置されるとともに、底壁部212aの上面に加熱膨張材f213が配置されている。上框本体211の開口部211bに配置された補強芯材212とパネル間口部211aに配置された補強部材213は、上框本体211の開口部211bの底壁及び加熱膨張材f212を間にして連結手段を介して連結されている。
さらに、上框21の補強芯材212の底壁部212aの上面に配置された加熱膨張材f213は、室内壁部212bと室外壁部212cによって膨張方向が制限され、上枠11に向かうように膨張する。
そのため、上枠11に配置された加熱膨張材f11と補強芯材212の底壁部212aの上面に配置された加熱膨張材f213が膨張して、建物開口部、金属材料からなる上レール部材112及び補強芯材212を包み込むように一体となって膨張して、上枠11と内障子20との間の空間を塞ぐことができる。
図5(a)に示すように、枠体10を構成する下枠12は、樹脂材料からなる下枠本体121の内周に金属材料からなる下レール部材122が配置されて形成されている。
下枠本体121の下枠本体部121aは、下レール部材122が配置される見込み方向略中央部分の建物開口部に取り付けられる固定部121cと、固定部121cの見込み方向で室内側と室外側の両側に連続する内、外段部121d,121eを有しており、内、外段部121d,121eの下面には、加熱膨張材f12,f12が配置されている。
下框本体221の内周側は、室内側に中空壁からなる内パネル間口壁221dを有し、室外側に中空壁からなる外パネル間口壁221eを有しており、両パネル間口壁221d,221eによって、パネル間口部221aが形成されている。
また、下框本体221は、中空部221bのさらに外周側に、室内側から下方に延びる室内側壁部221fを有し、室外側から下方に延びる室外側壁部221gを有しており、室内側壁部221fと室外側壁部221gとによって、開口部221cが形成されている。
第2補強芯材223の中空部223aには第2補強部材225が配置され、下方開口部223dには第3補強部材226が配置されており、第2補強部材225と第3補強部材226は連結手段によって連結されている。
そして、凹部を形成する第2補強芯材223の室内側壁部223bの下端室外側面と室外側壁部223cの下端室内側面には、それぞれ加熱膨張材f222,f222が設けられ、第2補強芯材223の下方開口部223dに配置された第3補強部材226の下面には、加熱膨張材f223が設けられている。
さらに、下框22の第2補強芯材223の室内側壁部223bと室外側壁部223cに配置された加熱膨張材f222,f222および第3補強部材226の下面に配置された加熱膨張材f223は、室内側壁部223bと室外側壁部223cによって膨張方向が制限され、下枠12に向かうように膨張する。
そのため、下枠12に配置された加熱膨張材f12と下框22の凹部に配置された加熱膨張材f222,f223が、建物開口部、金属材料からなる下レール部材122及び第2補強芯材223を包み込むように一体となって膨張して、下枠12と内障子20との間の空間を塞ぐことができる。
右竪枠本体部141aの見込み方向両端部には、右竪枠14を建物開口部に取り付けたときに建物開口部に当接するシール部141f,141gが設けられており、建物開口部と上枠11との間に配置された加熱膨張材f141,f141を保護している。
補強部材242は、内周側見込壁242aと、室内側見付壁242bと、室外側見付壁242cを有し、外周方向に開口する断面略U字状の部材により形成されており、内周側見込壁242aの外周面と室内側見付壁242bの室外側面と室外側見付壁242cの室内側面には、それぞれ加熱膨張材f242,f243,f244が配置されている。
また、補強部材242の内周側見込壁242aの内周面と右縦框本体241との間には、加熱膨張材f245,245が配置されている。
このとき、補強部材242の内周に配置された加熱膨張材f242,f243,f244は、外周に開口する補強部材242の室内側見付壁242bと室外側見付壁242cによって膨張する方向が規制され右竪枠14に向かうように膨張する。
そのため、右竪框24の補強部材242に配置された加熱膨張材f242,f243,f244と右竪枠14に配置された各加熱膨張材f141,f142,f143は一体となって、建物開口部、金属材料からなる補強部材142及び右縦框24の補強部材242を包み込むように膨張して、右縦枠14と内障子20との間を塞ぐことができる。
なお、上枠の四隅部分A,Bと下枠の四隅部分C,D、及び、上枠の召合部上部Eと下枠の召合部上部Fは、概ね同様の構成をしているので、ここでは上枠11を用いて説明し、下枠についてはその説明を省略する。
上レール部材112は、上内レール112bと上外レール112cを有しており、上内レール112bと上外レール112cの間であって、上レール部材112の見付方向ほぼ中央位置、すなわち内、外障子20,30の召合せ部の上部位置には、風止め部材71が配置されている。
そして、風止め部材71の固定板部711の下面であって、3列の風止めヒレ部712,712,712の両側及び間には、加熱膨張材f112が配置されている。
したがって、内、外障子20,30の召合わせ部の上部位置においては、火災時には、風止め部材71に配置した加熱膨張材f112が内、外障子20,30の召合框23,34の上部位置で膨張し、上枠11と内障子20の上框21との間を塞ぐ加熱膨張材と、上枠11と外障子30の上框31との間を塞ぐ加熱膨張材とを召合せ部の上部において連続することができる。
そして、上枠11の上内レール112bと上外レール112cの間であって、左竪枠13の近傍位置及び右竪枠14の近傍位置、すなわち内障子20及び外障子30の戸先框24,33の上部位置には、見込み方向に並ぶ2つの加熱膨張材f113,f113が配置されている。
したがって、火災時に、上枠11の戸先側上隅部に配置した加熱膨張材f113,f113が膨張し、左、右竪枠13,14の左、右竪枠本体部131a,141aの内周及び中間壁部131b,141bに配置されて、内、外障子20,30の戸先框24,3と左、右竪枠14,13との間を塞ぐ加熱膨張材f132,f133,f142,f143と、上枠11と内、外障子20,30の上框21、31との間を塞ぐ加熱膨張材f213,f313を、枠体10の上隅部分において連続することができる。
本実施形態のサッシの内障子20は、図8に示すように、左、右竪框23,24の内周面に上框21及び下框22の端面を突き当ててネジ等の固定手段bにより固定することで四周組みされている。
左、右竪框23,24の上下端には、樹脂材料からなる端部キャップ81が装着されており、左、右竪框23,24の上、下框21,22が当接する部位には、端部キャップ81に隣接してコーナーブロック82が配置されている。
図9(a)に示すように、右竪框24の下端には、端部キャップ81が装着されており、端部キャップ81の上方位置で下框22の端部が当接する右竪框24のパネル間口部241a内には、パネル間口部241aの空間を埋めるようにコーナーブロック82が配置されている。
端部キャップ81は、例えば樹脂材料からなり、図11(c),(d),(e)に示すように、ブロック状の挿入部81aと、挿入部81aの下面に形成される蓋部81bと、挿入部81aの戸先側に形成される鍔部81cを有している。
挿入部81aには、複数のリブ部81dが設けられており、右竪框24の下端に挿入されることで、端部キャップ81を右竪框24の下端に強固に装着することができる。挿入部81aが右竪框24の下端に挿入された状態で、蓋部81bが右竪框24の下端面を覆い、鍔部81cが右竪框24の戸先側下端に露出している。
したがって、図10(b),(c)に示すように、補強部材227の底壁に配置された加熱膨張材f221をコーナーブロック82の上面82bにまで配置することができ、右竪框24のパネル間口部241a内に配置された補強部材243の底壁に配置された加熱膨張材f241と角部において近接させることができる。
したがって、火災時には、建物開口部との間に介在する加熱膨張材f11,f12が膨張して、枠体10が火災の熱によって変形、溶融して生じる建物開口部と枠体10との間の隙間を塞ぐとともに、建物開口部における躯体を保護することができ、延焼を抑えることができる。
特に、竪枠に対向する戸先框の竪框本体には、外周側に向けて開口する断面略U字状の補強部材が配置されており、補強部材の内周面の三面には加熱膨張材が配置されている。
したがって、室内側および室外側の何れの側からの火災に対しても早期に加熱膨張材が膨張し、補強部材の内周で膨張した加熱膨張材は外周側、すなわち枠体に向かって膨張するので、枠体10と建物開口部との間に配置された加熱膨張材と一体となって膨張し、樹脂材料からなる戸先框本体が溶融、消失したとしても、障子と枠体との間を確実に封鎖することができる。
さらに、本発明において、内障子及び外障子の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、如何なる障子も用いることができる。
また、障子の框材を補強する補強材の断面形状は、実施形態に示す断面形状に限定されるものではなく、補強材に配置される加熱膨張材の位置も限定されるものではない。例えば、竪框内に配置する補強部材をホロー構造にした場合などには、加熱膨張材は、枠体に対向する面(外周面)等に設けてもよい。
さらに、障子を構成する框材のパネル間口部内に配置される補強部材は、見付け方向に延びる長尺部材として形成されることが好ましいが、ピース状に形成されて框材の見付け方向の複数位置に配置されていてもよい。
11 :上枠
12 :下枠
13 :左竪枠
14 :右竪枠
20 :内障子
21 :上框
22 :下框
23 :右竪框
24 :右竪框
25 :パネル体
30 :外障子
31 :上框
32 :下框
33 :左竪框
34 :右竪框
35 :パネル体
71 :風止め部材
72 :風止め部材
Claims (1)
- 開口部に配置される枠体を備え、
開口部内周面と枠体の外周面の間の室内側及び室外側に長手方向に沿って加熱により膨張する加熱膨張材を備える
ことを特徴とするサッシ。
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