JP6907068B2 - 断熱サッシ - Google Patents
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Description
しかし、前記特許文献1のように室内側に樹脂部材を配置してなる断熱サッシにおいては、框材と枠材との間もしくは框材と框材との間に配置される樹脂部材が、火災時に溶融して隙間が生じて延焼の原因になる可能性があった。
本発明は、上記の事情を鑑み、金属材料からなる室外側部材と樹脂材料からなる室内側部材からなる複合サッシにおいて、枠材と障子の框材との間、もしくは、障子の框体同士の間に配置された樹脂部材が火災によって溶融した場合であっても、火災の延焼を抑制することを目的とする。
−断熱サッシ全体の構成−
本発明の実施形態に係る断熱サッシは、例えばビル等の建物開口部に設けられるものであり、図1に示されるように、枠体1と、枠体1に対して引き違い自在に配置された内障子2および外障子3を有している。
枠体1は、上下の横枠(上枠11および下枠12)と左右の竪枠13,14を四周に枠組みしてなり、内障子2および外障子3は、それぞれ上下の横框(上框21,31および下框22,32)と左右の竪框(23,24,33,34)を四周に框組してなり、内周にガラス等のパネル体(25,35)を嵌め込んで形成されている。
(上枠の構成)
サッシの枠体1を構成する上枠11は、図2,3に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属上枠111と、金属上枠111の室内側見付け面に配置され樹脂材料からなる樹脂上枠112と、を有している。さらに、上枠11は、金属上枠111の内周面に配置され樹脂材料からなる樹脂カバー部材113(図2)及びアルミ合金等の金属材料からなる金属カバー部材114(図3)を有している。
そして、金属上枠111に固定された樹脂上枠112の樹脂上枠本体部112aの下壁が室外側に延設されており、室内側壁部111bの下端面を覆うと共に気密材s21に当接もしくは近接している。そのため、金属上枠111の室内側壁部111bは、室内側に露出することがない。
サッシの枠体1を構成する下枠12は、図2,3に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属下枠121と、金属下枠121の室内側見付け面に配置され樹脂材料からなる樹脂下枠122と、を有している。さらに、下枠12は、内、外障子2,3の閉鎖状態において、外障子3側の金属下枠121の内周面(上面)であって、内レールの室内側に配置された内樹脂カバー部材123及び内レールの室外側に配置された外樹脂カバー部材124を有している。
なお、金属下枠121の室外側壁部121gは、金属上枠111の室外側壁部111cとともに、図示しない網戸が走行するレールを構成してもよい。
そして、金属下枠121に固定された樹脂下枠122の樹脂下枠本体122aの上壁が室外側に延設されており、室内側壁部121cの上端面を覆うと共に気密材s22に当接もしくは近接している。
サッシの枠体1を構成する左竪枠13は、図4に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属左竪枠131と、金属左竪枠131の室内側内周面に配置され樹脂材料からなる主樹脂左竪枠132と、主樹脂左竪枠132の内周面に配置された副樹脂左竪枠133を有している。
そして、主樹脂左竪枠132は、内、外障子2,3の閉鎖時において、金属左竪枠131の内周面を覆っており,金属左竪枠131が室内側に露出することがない。
サッシの枠体1を構成する右竪枠14は、図4に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属右竪枠141と、金属右竪枠141の室内側端部に配置され樹脂材料からなる樹脂右竪枠142を有している。
樹脂右竪枠142は、室内側壁部141bの内周端面において気密材s24に当接もしくは近接するように配置されており、金属右竪枠14の室内側壁部141bは、室内側に露出することがない。そして、樹脂右竪枠142の内周室内側端には室内方向に延びる鍔部142bが形成されている。
(上框の構成)
内、外障子2,3を構成する上框21,31は、構造上ほぼ同一であるので、ここでは内障子2の上框21を用いて説明する。
内障子2を構成する上框21は、図3に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属上框211と、金属上框211の室内側面に配置された樹脂上框212を有している。
上方壁部212aの上端および下方壁部212cの下端にはそれぞれ係止部が形成されており、上框本体部211aの室内側面の上端とパネル間口部211bの室内側の下端に形成された上下の係止部に対してそれぞれが係止されることで、樹脂上框212は金属上框211に対して空間を有して室内側に配置されている。
上框21は、樹脂上框212と金属上框211との間の空間、および、上、下中空部212d,212eによって、高い断熱性能を有している。
一方、外障子3の上框31は、上枠11の室外側上レール111eに摺動自在に案内されており、上框31の樹脂上框312の室内側面に上枠11の中央壁部111dの室外側面に取り付けられた気密材s31が当接している。
内障子2を構成する下框22は、図3に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属下框221と、金属下框221の室内側面に配置され樹脂材料からなる樹脂下框222を有している。
下框22は、樹脂下框222と金属下框221との間の空間及び複数の中空部によって、高い断熱性能を有している。また、樹脂下框本体部222aの下面から延びた複数のヒレ片222cは、下枠12の樹脂下枠122の上面に近接しており、樹脂下框本体部222aの下面と樹脂下枠122の上面との間の空間を見込み方向に分割している。これによって、下枠12と下框22との間に断熱空間が形成されて、内障子2と下枠12との間は、断熱性能が向上している。
外障子3の金属下框321は、下枠12に設けられた室外下レール部121fに案内される車輪wを収納する下框本体部321aと、下框本体部321aの内周に連設されるパネル間口部321bを有している。パネル間口部321bは、下框本体部321aに比べて見込み方向に幅広に形成されており、下框本体部321aの上端から室内側へ張り出すように連設されている。下框本体部321aの室内側面の下端とパネル間口部321bの室内側の上端には、樹脂下框322を係止する上下の係止部が形成されている。
下框32は、樹脂下框322と金属下框321との間の空間及び中空部によって、高い断熱性能を有している。また、樹脂下框本体部322aの下面から延びた複数のヒレ片322cは、下枠12の外樹脂カバー部材124の上面に近接しており、樹脂下框本体部322aの下面と外樹脂カバー部材124の上面との間の空間を見込み方向に分割している。これによって、下枠12と下框32との間に断熱空間が形成されて、外障子3と下枠12との間は、断熱性能が向上している。
内、外障子2,3を構成する戸先框24,33は、構造上ほぼ同一であるので、ここでは主に、内障子2の戸先框24を用いて説明する。
内障子2を構成する戸先框24は、図4に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属戸先框241と、金属戸先框241の室内側面に配置され樹脂材料からなる樹脂戸先框242を有している。
戸先框本体部241aの開口溝を構成する室内側壁の戸先側先端部およびパネル間口部241bの室内側内周端部には、樹脂戸先框242を係止する係止部が形成されている。
樹脂戸先框242は、戸先側部242aの戸先側端部および間口側部242cの内周側端部に係止部が形成されており、戸先框本体部241aおよびパネル間口部241bに形成された左右の係止部に対してそれぞれが係止されることで、金属戸先框241に対して空間を有して室内側に配置されている。
戸先框24は、樹脂戸先框242と金属戸先框241との間の空間、および、見込み壁部242bの中空部によって、高い断熱性能を有している。
内障子2を構成する召合框23は、図4に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属召合框231と、金属召合框231の外周側面および室内側面に配置され樹脂部材からなる樹脂召合框232を有している。
召合框23は、樹脂召合框232と金属召合框231との間の空間および複数の中空部によって、高い断熱性能を有している。
召合框本体部341aは、中空部の室内側面に加熱により膨張する加熱膨張材を取り付けるための膨張材取付部341cを備え、膨張材取付部341cの内周側には樹脂召合框342を係止するための係止部が形成されている。
以上のように、本実施形態の断熱サッシは、枠体1および内、外障子2,3を構成する枠材および框材を、金属部材と、金属部材の室内側に配置される樹脂部材によって構成することで、断熱サッシとしての機能を果たしている。
さらに、本実施形態の断熱サッシは、外障子3の召合框の断熱性能を向上させることとで、全体としてさらなる断熱性能の向上を図っている。
以下に、本実施形態の特徴である外障子の召合せ框の構成について、図5を参考にして、説明する。
金属召合框341は、見込み方向に室内側中空部341dと室外側中空部341eとを有する召合框本体部341aと、召合框本体部341aの室外側中空部341eの室外側面が内周方向に延設されてなる室外側の室外側間口壁341fと室内側中空部341dの内周に延設される室内側の室内側間口壁341gとを有するパネル間口部341bを備えている。
また、召合框本体部341aの室内側中空部341dの室内側面の煙返し片341iよりも内周側は、室外方向に凹んで加熱膨張材fbを取り付けるための膨張材取付部341cが形成されている。
膨張材取付部341cは、開口部の両側より互いに近接するように開口部壁が設けられており、加熱膨張材fbの両縁を膨張材取付部341cの開口部壁に係合することで、加熱膨張材fbを膨張材取付部341cに取り付けることができる。
そして、係止部342bが金属召合框341の係止部341mに係止され、係止爪342dが膨張材取付部341cの内周側の開口部壁に係止され、係止片342cが金属召合框341の煙返し片341iに係止されることで、金属召合框341の煙返し片341iから係止部341mに至る室内側を覆っている。
金属召合框341に取り付けられた樹脂召合框342は、火災時に膨張して内、外障子2,3の召合框同士の間を塞ぐ加熱膨張材fbが取り付けられる膨張材取付部341cの室内側を覆うとともに、室内側間口壁341gの室内側面との間に間隔を有して配置され、室内側間口壁341gの中空部341kの内周側に空間を形成している。
このように、本実施形態においては、金属召合框341の室内側間口壁341gが中空部341kにより構成されているので、耐風圧強度が高く、しかも、中空部341kの内周側に空間を形成しているので、内外障子の閉鎖時に外障子の召合框34の室内側間口壁341gの冷熱が室内に伝わるのを抑制することができ、断熱性能を向上させることができる。
他の実施形態のサッシの外障子3の召合框34は、図5(b)に示すように、先の実施形態の召合框と同様に、金属召合框341の煙返し片341iから内周側の室内側面のほぼ全面を覆うように樹脂召合框342が配置されている。
他の実施形態のサッシの金属召合框341は、見込み方向に室内側中空部341dと室外側中空部341eとを有する召合框本体部341aと、召合框本体部341aの室外側中空部341eの室外側面が内周方向に延設されてなる室外側の室外側間口壁341fと室内側中空部341dの内周に延設される板状の室内側の室内側間口壁341gとを有するパネル間口部341bを備えている。
そして、係止部342bが金属召合框341の係止部341mに係止され、係止爪342dが膨張材取付部341cの外れ止め係止片341nに対向した状態で、係止片342cが金属召合框341の煙返し片341iに係止されることで、金属召合框341の煙返し片341iから係止部341mに至る室内側のほぼ全面を覆っている。
このように、本実施形態においては、樹脂召合框342によって、金属召合框341の室内側間口壁341gの室内側に空間を形成しているので、内外障子の閉鎖時に外障子の召合框34の室内側間口壁341gから冷熱が室内に伝わるのを抑制することができ、断熱性能を向上させることができる。
また、樹脂召合框342によって、膨張材取付部に取付けられた加熱膨張材を覆うことができるので、通常時に加熱膨張材が露出せず、水分の付着による劣化などを抑制することができる。
2 :内障子
3 :外障子
11 :上枠
12 :下枠
13 :左竪枠
14 :右竪枠
31 :上框
32 :下框
33 :戸先框
34 :召合框
341 :金属召合框
341a :召合框本体部
341b :パネル間口部
341c :膨張材取付部
341d :室内側中空部
341e :室外側中空部
341f :室外側間口壁
341g :室内側間口壁
341h :突部
341i :煙返し片
341k :中空部
341m :係止部
341n :止め係止片
342 :樹脂召合框(樹脂部材)
342b :係止部
342c :係止片
342d :係止爪
Claims (1)
- 建物開口部に配置される枠体と、枠体の見込み方向の室外側に開閉自在に配置される外障子と、枠体の見込み方向の室内側に開閉自在に配置される内障子を備え、
外障子及び内障子は、金属材料からなる金属框と、樹脂材料からなる樹脂框とからなる複合障子であり、
外障子は、縦枠もしくは内障子の召合せ框と見込み方向に対向する召合せ框を有し、
外障子の召合せ框の金属框の室内側面に、加熱膨張材を取付ける取付部を有するとともに、
外障子の金属框の召合せ框の室内側に、金属框の室内側面と間隔を有して樹脂框が配置され、樹脂框は取付部及び取付部に取付けた加熱膨張材を覆っている
ことを特徴とする断熱サッシ。
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