JP6902428B2 - 断熱サッシ - Google Patents
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Description
このような断熱サッシにおいて、断熱性能をさらに向上させることが求められている。
本発明は、上記の事情を鑑み、金属材料からなる室外側部材と樹脂材料からなる室内側部材からなる複合サッシにおいて、建物開口部への施工時に充填される発泡材を利用して、建具の断熱性及び施工性を向上させることを目的とする。
−断熱サッシ全体の構成−
本発明の実施形態に係る断熱サッシは、例えばビル等の建物開口部に設けられるものであり、図1に示されるように、枠体1と、枠体1に対して引き違い自在に配置された内障子2および外障子3を有している。
枠体1は、上下の横枠(上枠11および下枠12)と左右の竪枠13,14を四周に枠組みしてなり、内障子2および外障子3は、それぞれ上下の横框(上框21,31および下框22,32)と左右の竪框(23,24,33,34)を四周に框組してなり、内周にガラス等のパネル体(25,35)を嵌め込んで形成されている。
(上枠の構成)
サッシの枠体1を構成する上枠11は、図2,3に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属上枠111と、金属上枠111の室内側見付け面に配置され樹脂材料からなる樹脂上枠112と、を有している。さらに、上枠11は、金属上枠111の内周面に配置され樹脂材料からなる樹脂カバー部材113(図2)及びアルミ合金等の金属材料からなる金属カバー部材114(図3)を有している。
そして、金属上枠111に固定された樹脂上枠112の樹脂上枠本体部112aの下壁が室外側に延設されており、室内側壁部111bの下端面を覆うと共に気密材s21に当接もしくは近接している。そのため、金属上枠111の室内側壁部111bは、室内側に露出することがない。
サッシの枠体1を構成する下枠12は、図2,3に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属下枠121と、金属下枠121の室内側見付け面に配置され樹脂材料からなる樹脂下枠122と、を有している。さらに、下枠12は、内、外障子2,3の閉鎖状態において、外障子3側の金属下枠121の内周面(上面)であって、内レールの室内側に配置された内樹脂カバー部材123及び内レールの室外側に配置された外樹脂カバー部材124を有している。
なお、金属下枠121の室外側壁部121gは、金属上枠111の室外側壁部111cとともに、図示しない網戸が走行するレールを構成してもよい。
そして、金属下枠121に固定された樹脂下枠122の樹脂下枠本体122aの上壁が室外側に延設されており、室内側壁部121cの上端面を覆うと共に気密材s22に当接もしくは近接している。
サッシの枠体1を構成する左竪枠13は、図4に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属左竪枠131と、金属左竪枠131の室内側内周面に配置され樹脂材料からなる主樹脂左竪枠132と、主樹脂左竪枠132の内周面に配置された副樹脂左竪枠133を有している。
そして、主樹脂左竪枠132は、内、外障子2,3の閉鎖時において、金属左竪枠131の内周面を覆っており,金属左竪枠131が室内側に露出することがない。
サッシの枠体1を構成する右竪枠14は、図4に示すように、建物開口部に固定されアルミ合金等の金属材料からなる金属右竪枠141と、金属右竪枠141の室内側端部に配置され樹脂材料からなる樹脂右竪枠142を有している。
樹脂右竪枠142は、室内側壁部141bの内周端面において気密材s24に当接もしくは近接するように配置されており、金属右竪枠14の室内側壁部141bは、室内側に露出することがない。そして、樹脂右竪枠142の内周室内側端には室内方向に延びる鍔部142bが形成されている。
(上框の構成)
内、外障子2,3を構成する上框21,31は、構造上ほぼ同一であるので、ここでは内障子2の上框21を用いて説明する。
内障子2を構成する上框21は、図3に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属上框211と、金属上框211の室内側面に配置された樹脂上框212を有している。
上方壁部212aの上端および下方壁部212cの下端にはそれぞれ係止部が形成されており、上框本体部211aの室内側面の上端とガラス間口部211bの室内側の下端に形成された上下の係止部に対してそれぞれが係止されることで、樹脂上框212は金属上框211に対して空間を有して室内側に配置されている。
上框21は、樹脂上框212と金属上框211との間の空間、および、上、下中空部212d,212eによって、高い断熱性能を有している。
一方、外障子3の上框31は、上枠11の室外側上レール111eに摺動自在に案内されており、上框31の樹脂上框312の室内側面に上枠11の中央壁部111dの室外側面に取り付けられた気密材s31が当接している。
内障子2を構成する下框22は、図3に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属下框221と、金属下框221の室内側面に配置され樹脂材料からなる樹脂下框222を有している。
下框22は、樹脂下框222と金属下框221との間の空間及び複数の中空部によって、高い断熱性能を有している。また、樹脂下框本体部222aの下面から延びた複数のヒレ片222cは、下枠12の樹脂下枠122の上面に近接しており、樹脂下框本体部222aの下面と樹脂下枠122の上面との間の空間を見込み方向に分割している。これによって、下枠12と下框22との間に断熱空間が形成されて、内障子2と下枠12との間は、断熱性能が向上している。
外障子3の金属下框321は、下枠12に設けられた室外下レール部121fに案内される車輪wを収納する下框本体部321aと、下框本体部321aの内周に連設されるガラス間口部321bを有している。ガラス間口部321bは、下框本体部321aに比べて見込み方向に幅広に形成されており、下框本体部321aの上端から室内側へ張り出すように連設されている。下框本体部321aの室内側面の下端とガラス間口部321bの室内側の上端には、樹脂下框322を係止する上下の係止部が形成されている。
下框32は、樹脂下框322と金属下框321との間の空間及び中空部によって、高い断熱性能を有している。また、樹脂下框本体部322aの下面から延びた複数のヒレ片322cは、下枠12の外樹脂カバー部材124の上面に近接しており、樹脂下框本体部322aの下面と外樹脂カバー部材124の上面との間の空間を見込み方向に分割している。これによって、下枠12と下框32との間に断熱空間が形成されて、外障子3と下枠12との間は、断熱性能が向上している。
内、外障子2,3を構成する戸先框24,33は、構造上ほぼ同一であるので、ここでは主に、内障子2の戸先框24を用いて説明する。
内障子2を構成する戸先框24は、図4に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属戸先框241と、金属戸先框241の室内側面に配置され樹脂材料からなる樹脂戸先框242を有している。
戸先框本体部241aの開口溝を構成する室内側壁の戸先側先端部およびガラス間口部241bの室内側内周端部には、樹脂戸先框242を係止する係止部が形成されている。
樹脂戸先框242は、戸先側部242aの戸先側端部および間口側部242cの内周側端部に係止部が形成されており、戸先框本体部241aおよびガラス間口部241bに形成された左右の係止部に対してそれぞれが係止されることで、金属戸先框241に対して空間を有して室内側に配置されている。
戸先框24は、樹脂戸先框242と金属戸先框241との間の空間、および、見込み壁部242bの中空部によって、高い断熱性能を有している。
内障子2を構成する召合框23は、図4に示すように、アルミ合金等の金属材料からなる金属召合框231と、金属召合框231の外周側面および室内側面に配置され樹脂部材からなる樹脂召合框232を有している。
召合框23は、樹脂召合框232と金属召合框231との間の空間および複数の中空部によって、高い断熱性能を有している。
召合框本体部341aは、中空部の室内側面に加熱により膨張する加熱膨張材を取り付けるための膨張材取付部341cを備え、膨張材取付部341cの内周側には樹脂召合框342を係止するための係止部が形成されている。
以上のように、本実施形態の断熱サッシは、枠体1および内、外障子2,3を構成する枠材および框材を、金属部材と、金属部材の室内側に配置される樹脂部材によって構成することで、断熱サッシとしての機能を果たしている。
さらに、本実施形態の断熱サッシは、枠体1の断熱性能を向上させることとで、全体としてさらなる断熱性能の向上を図っている。
以下に、上記断熱性能を向上させるための構成について、図5、6に示す、下枠部分および左竪枠部分を用いて、説明する。
金属下枠121は、室内側壁部121cの上端に第1係合部121hが形成され、立ち上り部121bの室内側面に第2係合部121iが形成されており、第1係合部121h及び第2係合部121iによって、樹脂下枠122を係合して取り付ける係合部が構成されている。
断面略U字状の樹脂下枠本体部122aは、室内側を構成する室内壁122cと室外側を構成する室外壁122dと室内壁122cと室外壁122dとを結ぶ上壁122eとからなり、上壁122eの室外側端には、第1係合爪122jが形成され、室外壁122dの下端には、第2係合爪122kが形成されている。
樹脂下枠本体部122aの室内壁122cの下端と第2係合爪122kが係合された第2係合部121iとの間には、短尺のピース部材122fが所定間隔で配置されており、樹脂下枠本体部122aは、室内壁122cと室外壁122dとが接触することなく、下方に開口する状態が維持されている。
アンカーA2によって固定された下枠12と躯体開口部との間に、断熱性を有する発泡ウレタン樹脂U2が注入され、躯体開口部と下枠12との間の断熱性能を向上させている。 このとき、下枠12の樹脂下枠122の室内壁122cと室外壁122dは、下方(外周側)に開口する状態が維持されて配置されているので、注入された発泡ウレタン樹脂U2が開口から樹脂下枠122の樹脂下枠本体部122aの内部の空間に入り込む。
これによって、樹脂下枠本体部122aは、中空内部に発泡ウレタン樹脂U2が充填された構造となって、断熱性能を高めることができるとともに、躯体と樹脂下枠122との一体性を高めることができる。
金属左竪枠131は、気密材取付部131cの室内側面に係合部131gが形成されており、室内側壁部131bとともに、主樹脂左竪枠132を係合して取り付ける係合部を形成している。そして、金属左竪枠131の室内側壁部131bの室内側に鈎状の係合部131fが形成されている。
断面略U字状の室内側部132bは、室内側を構成する室内壁132fと室外側を構成する室外壁132gと室内壁132fと室外壁132gとを結ぶ内周壁132hとからなる。
金属左竪枠131の室内側壁部131bの係合部131fと主樹脂左竪枠132の室内側部132bの室内壁132fとの間には、所定間隔で短尺のピース部材132iが配置されており、室内側部132bは、室内壁132fと室外壁132gとが接触することなく、外周に開口する状態が維持されている。
アンカーA3によって固定された左竪枠13と躯体開口部との間には、断熱性を有する発泡ウレタン樹脂U3が注入され、躯体開口部と左竪枠13との間の断熱性能を向上させている。
このとき、左竪枠13の室内側を構成する主樹脂左竪枠132の室内側部132bは、外周方向に開口する状態を維持した状態で配置されているので、注入された発泡ウレタン樹脂U3が開口から主樹脂左竪枠132の室内側部132bの内部の空間に入り込む。
これによって、室内側部132bは、中空内部に発泡ウレタン樹脂U3を配置した構造となって、断熱性能を高めることができるとともに、躯体と主樹脂左竪枠132との一体性を高めることができる。
なお、本実施形態の断熱サッシにおいては、室内側部132bが主樹脂左竪枠132の主樹脂左竪枠132に一体的に形成されていたが、下枠の樹脂下枠のように、それ自体を独立して形成してもよい。また、その形状も断面略U字状に限定されるものではなく、室内側に配置される樹脂枠体の内部には断熱発泡材が侵入して入り込んでいれば形状や開口部の構成も特に限定されるものではない。
11 :上枠
111 :金属上枠
112 :樹脂上枠(室内側枠材)
113 :樹脂カバー部材
114 :金属カバー部材
12 :下枠
121 :金属下枠
122 :樹脂下枠(室内側枠材)
13 :左竪枠
131 :金属左竪枠
132 :主樹脂左竪枠(室内側枠材)
133 :副樹脂左竪枠
14 :右竪枠
141 :金属右竪枠
142 :樹脂右竪枠(室内側枠材)
2 :内障子
21 :上框
211 :金属上框
212 :樹脂上框
22 :下框
23 :召合框
231 :金属召合框
232 :樹脂召合框
24 :戸先框
241 :金属戸先框
242 :樹脂戸先框
3 :外障子
31 :上框
32 :下框
321 :金属下框
322 :樹脂下框
33 :戸先框
332 :樹脂戸先框
34 :召合框
341 :金属召合框
342 :樹脂召合框
U2 :発泡ウレタン樹脂(断熱発泡材)
U3 :発泡ウレタン樹脂(断熱発泡材)
Claims (1)
- 建物開口部に配置される枠体と、枠体内に開閉自在に配置される障子を備え、
枠体は、枠材本体と、樹脂材料からなり枠材本体の室内側に配置される室内側枠材を有し、
室内側枠材は、外周側に延びる室内壁と室外壁とで形成される空間が外周側に開口しており、当該空間は室内側枠材の内周側面まで至っているとともに、枠体と建物開口部との間に注入された断熱発泡材が開口より当該空間に進入することを特徴とする断熱サッシ。
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