JP6902421B2 - 作業車両 - Google Patents
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Description
特許文献1には、トラクタに植栽装置が設けられた構成が開示されている。作業者が植栽装置のガイド内に苗木等を挿入すると、苗木は一時的にレバーによって支持された後、レバーが回動することによって前回植えられた位置から所定距離の位置に落下する。このようにして、所定間隔で自動的に苗木が植え付けられる。
本発明は、植林の際に使用する水を自動で供給可能な作業車両を提供することを目的とする。
<1.構成>
(1−1.植林機械の概要)
図1は、本発明にかかる実施の形態の植林機械1の構成を示す模式図である。図2は、植林機械1の後方から視た斜視図である。
車両本体2は、走行可能な車両である。ビーム3は車両本体2の前側に車幅方向(左右方向)に沿って配置されており、車両本体2に固定されている。複数の植付装置4は、ビーム3に固定されている。洗浄水タンク5は、図2に示すように車両本体2の後方に固定されている。台車7は、車両本体2に牽引されている。灌漑水タンク8は、台車7に配置されている。洗浄水回路6は、植付装置4と洗浄水タンク5を接続し、洗浄水タンク5から植付装置4に洗浄用の水を供給する。灌漑水回路9は、植付装置4と灌漑水タンク8を接続し、灌漑水タンク8から植付装置4に灌漑用の水を供給する。
コントローラ10は、洗浄水回路6と灌漑水回路9等を制御する。
車両本体2は、車体21と、走行装置22と、リフトフレーム23と、リフト油圧シリンダ24とを備える。
車体21は、運転席211と、機械室212とを有する。運転席211には、運転席が配置されている。機械室212には、エンジン11(図4参照)、油圧ポンプ12(図4参照)などが配置されている。
リフトフレーム23は、左右一対に設けられており、車幅方向(左右方向)において、走行装置22の内側に配置されている。リフトフレーム23は、車幅方向と平行な軸を中心に上下方向に揺動可能に車体21に取り付けられている。リフトフレーム23の先端にはビーム3が固定されている。
リフト油圧シリンダ24は、車体21とリフトフレーム23の中央上部とに連結されている。リフト油圧シリンダ24が伸縮することによって、リフトフレーム23が上下方向に揺動し、ビーム3も揺動する。
本実施の形態の植林機械1には、3基の植付装置4が設けられている。車両本体2の前側には、車両本体2に固定されたビーム3が設けられており、3基の植付装置4は、ビーム3に取り付けられている。なお、ビーム3は、長い角材状であって、その長手方向が車幅方向(左右方向)に沿うように車両本体2の前側に配置されている。ビーム3の車幅方向の長さは、車両本体2の車幅よりも長く設定されている。すなわち、ビーム3は、車両本体2よりも右側および左側に突出している。
植付装置4とビーム3は、連結部42によって連結されている。連結部42は、図2に示すように、平行リンク421と、取付部422と、ピン423と、を有する。ピン423は、上下方向においてビーム3を貫通して取り付けられている。取付部422は、ビーム3の前、上および下を覆うように配置された略U字形状の部材であって、ピン423のビーム3よりも上側の部分と、ピン423のビーム3よりも下側に部分に固定されている。取付部422は、上下方向に配置されたピン423を中心にしてビーム3に対して左右方向に揺動可能に構成されている。
図3は、車両本体2の後方からの斜視図である。図2および図3に示すように、洗浄水タンク5は、車両本体2の後方に取り付けられている。洗浄水タンク5からの水は洗浄水回路6を介して3基の植付装置4に供給される。洗浄水は、植付装置4の内部のパイプ状部材などを洗浄するため塵などが取り除かれた水が用いられる。
圧力検知スイッチ64は、アキュームレータ65が所定圧力以下に達したことを検知するとオン状態となる。電動モータ61は、圧力検知スイッチ64のオン・オフによって駆動または停止する。回路電源スイッチ63は、圧力検知スイッチ64と電動モータ61の間の回路のオン・オフを行う。植付装置4が動作する場合には、回路電源スイッチ63は常にオン状態となっており、圧力検知スイッチ64と電動モータ61の間は、電気的に繋がっている。第1ポンプ62は、電動モータ61の駆動によって動作し、洗浄水タンク5から水をアキュームレータ65に供給する。
回路電源スイッチ63がオンの状態において、圧力検知スイッチ64によってアキュームレータ65の圧力が所定圧力以下になったことが検知されると、電動モータ61が駆動して第1ポンプ62によって洗浄水タンク5からアキュームレータ65に水が供給される。所定圧力を超えるまで水が供給されると、圧力検知スイッチ64はオフ状態となり、電動モータ61は停止する。
このような状態において、第1開閉バルブ67がコントローラ10によって開放されると、アキュームレータ65の圧力によって水が第1開閉バルブ67から3基の植付装置4に向かって供給される。
灌漑水タンク8は、図1に示すように車両本体2に牽引される台車7に固定されている。すなわち、灌漑水タンク8は、車両本体2の後方に配置されている。灌漑水は、多量に使用する場合が多いため灌漑水タンク8は洗浄水タンク5よりも大きく、洗浄水タンク5よりも貯留可能な水量が多い。また、灌漑水は、川や沼等の水、若しくは保水効果を有するジェル水などを用いることができる。
灌漑水回路9は、図4に示すように、第2供給部90と、灌漑水ライン95と、第2開閉バルブ96と、を備える。灌漑水ライン95は、灌漑水タンク8と3基の植付装置4との間を接続する。第2開閉バルブ96は、灌漑水ライン95に設けられている。灌漑水ライン95は、第2開閉バルブ96の下流側で3基の植付装置4へと分岐している。第2供給部90は、洗浄水タンク5の水を第2開閉バルブ96へと供給する。
なお、油圧モータ91、第2ポンプ92、可変絞り弁93、94、および第2灌漑水ライン部95bは、図1に示すように灌漑水タンク8に取付られている。第1灌漑水ライン部95aは、図2および図3に示すように、後方に配置されている灌漑水タンク8から車両本体2の右側面を通って前方の植付装置4へと配置されている。
コントローラ10は、図4に示すように、メインバルブ13、第1開閉バルブ67および第2開閉バルブ96の制御を行う。メインバルブ13は複数のバルブを有しており、メインバルブ13には、エンジン11によって駆動される油圧ポンプ12によって油圧が供給される。コントローラ10がメインバルブ13を制御することによって、植林機械1の各構成が駆動される。例えば、上下揺動シリンダ43および左右揺動シリンダ44が動作し植付装置4の位置の調整が行われる。また、コントローラ10のメインバルブ13の制御によって、図3に示す2本の油圧ライン14を介して台車7上の灌漑水タンク8に設置されている油圧モータ91へと油圧が供給される。油圧モータ91が回転駆動することで第2ポンプ92が駆動し、灌漑水が灌漑水タンク8から吸い出される。油圧モータ91は、メインバルブ13からの油圧によって作動する。
また、コントローラ10は、植付装置4の動作に合わせて第1開閉バルブ67および第2開閉バルブ96の開閉の制御を行い、洗浄水および灌漑水を植付装置4に供給する。
次に、本発明にかかる実施の形態の植林機械1の動作について説明する。
本実施の形態の植林機械1は、3本のライン状において所定間隔で苗木の植付を行う。コントローラ10は、予め設定されたライン上に植付が行われるように左右揺動シリンダ44を駆動して植付装置4の位置を調整しながら、上下揺動シリンダ43を駆動して植付装置4によって植付を行う。
また、苗木の植付後、コントローラ10が、第1開閉バルブ67を開状態にするとアキュームレータ65の圧力によって洗浄水が押し出され、植付装置4内部のパイプ状部材に供給される。
コントローラ10が上記第1開閉バルブ67および第2開閉バルブ96の開放時間を制御することによって、洗浄用の水および灌漑用の水の量を調整することができる。
(3−1)
本実施の形態の植林機械1(作業車両の一例)は、車両本体2と、洗浄水タンク5(第1タンクの一例)と、植付装置4と、洗浄水回路6(第1水回路の一例)と、コントローラ10とを、備える。洗浄水タンク5は、車両本体2に取り付けられ、水を貯留する。植付装置4は、車両本体2に配置されている。洗浄水回路6は、洗浄水タンク5と植付装置4とを接続する。コントローラ10は、洗浄水タンク5の水を植付装置4に供給するように洗浄水回路6を制御する。
これにより、洗浄用の水等を別途水を持ち運び必要がなく、また自動で水が供給されるため、作業者の水の運搬および供給の手間を省くことができる。
本実施の形態の植林機械1(作業車両の一例)では、洗浄水タンク5は、車両本体2の後方に取り付けられている。植付装置4は、車両本体2の前側に配置されている。
これにより、車両本体2を運転する作業者によって植付装置4による苗木の植付状態を確認し易い。
本実施の形態の植林機械1(作業車両の一例)では、台車7と、灌漑水タンク8(第2タンクの一例)と、灌漑水回路9(第2水回路の一例)と、を備える。台車7は、車両本体2に牽引される。灌漑水タンク8は、台車7に載置され、洗浄水タンク5(第1タンクの一例)より大きく、水を貯留する。灌漑水回路9は、灌漑水タンク8と植付装置4とを接続する。コントローラ10は、灌漑水タンク8の水を植付装置4に供給するように灌漑水回路9を制御する。
また、灌漑水は、洗浄水のようなきれいな水を使用する必要がなく、また保水効果の高いジェル水を使用する場合もあり、様々な種類の水が利用されるため、車両本体2から切り離して設けることによって、ユーザが使用する水に応じたタンクや配管を選定しやすくなる。
本実施の形態の植林機械1(作業車両の一例)では、洗浄水タンク5(第1タンクの一例)の水は、植付装置4の洗浄水として用いられ、灌漑水タンク8(第2タンクの一例)の水は、灌漑水として用いられる。
これにより、植付装置4の洗浄水および灌漑水の双方を自動で植付装置4に供給することができる。
本実施の形態の植林機械1(作業車両の一例)では、洗浄水回路6(第1水回路の一例)は、洗浄水ライン66(第1ラインの一例)と、第1開閉バルブ67(第1バルブの一例)と、第1供給部60と、を有する。洗浄水ライン66は、洗浄水タンク5(第1タンクの一例)と植付装置4との間を接続する。第1開閉バルブ67は、洗浄水ライン66に設けられている。第1供給部60は、洗浄水ライン66を介して洗浄水タンク5の水を第1開閉バルブ67へと供給する。コントローラ10は、第1開閉バルブ67を制御することによって、植付装置4に供給する水量およびタイミングを制御する。
このように、第1開閉バルブ67の開閉制御によって洗浄水タンク5からの水量および水供給のタイミングを制御することができる。
本実施の形態の植林機械1(作業車両の一例)では、灌漑水回路9(第2水回路の一例)は、灌漑水ライン95(第2ラインの一例)と、第2開閉バルブ96(第2バルブの一例)と、第2供給部90と、を有する。灌漑水ライン95は、灌漑水タンク8と植付装置4との間を接続する。第2開閉バルブ96は、灌漑水ライン95に設けられている。第2供給部90は、灌漑水ライン95を介して灌漑水タンク8の水を第2開閉バルブ96へと供給する。コントローラ10は、第2開閉バルブ96の開閉を制御することによって、植付装置4に供給する水量およびタイミングを制御する。
このように、第2開閉バルブ96の開閉制御によって灌漑水タンク8からの水量および水供給のタイミングを制御することができる。
本実施の形態の植林機械1(作業車両の一例)では、第1供給部60は、アキュームレータ65と、圧力検知スイッチ64(検知部の一例)と、第1ポンプ62と、を有する。アキュームレータ65は、洗浄水ライン66に接続され、第1開閉バルブ67へ水を供給可能である。圧力検知スイッチ64は、アキュームレータ65の圧力を検知する。第1ポンプ62は、洗浄水ライン66に設けられ、圧力検知スイッチ64によってアキュームレータ65の圧力が所定以下に達したことが検知されると、洗浄水タンク5からアキュームレータ65に水を供給する。
これにより、アキュームレータ65から第1開閉バルブ67へと水が供給されるため、アキュームレータ65の圧力が所定以下に達したときにだけ第1ポンプ62を駆動すればよく、省エネルギー化を図ることができる。
本実施の形態の植林機械1(作業車両の一例)では、第2供給部90は、第2ポンプ92と、可変絞り弁93(絞り弁の一例)と、を有する。第2ポンプ92は、灌漑水ライン95に設けられ、灌漑水タンク8から第2開閉バルブ96へと水を供給する。可変絞り弁93は、灌漑水ライン95の第2ポンプ92と第2開閉バルブ96の間に設けられている。灌漑水回路9は、第2灌漑水ライン部95b(ライン部の一例)を有する。第2灌漑水ライン部95bは、第2ポンプ92と可変絞り弁93の間と灌漑水タンク8を接続する。
これにより、灌漑水タンク8から灌漑水を第2開閉バルブ96に供給し、第2開閉バルブより灌漑水を3基の植付装置4に供給することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施の形態の植林機械1には、灌漑水タンク8が設けられているが、植付を行う環境、季節などによっては灌漑水を供給する必要がない場合もあるため、設けられていなくてもよい。この場合、台車7も設けられていなくてもよい。
(B)
上記実施の形態では、洗浄水回路6にアキュームレータ65が設けられているが、アキュームレータ65が設けられておらず、可変絞り弁を有する灌漑水回路9のような構成であってもよい。しかしながら、この場合、第1ポンプ62を常時回転させておく必要があるため、エネルギー的に無駄が多い。
上記実施の形態では、灌漑水回路9側にアキュームレータを設けて、洗浄水回路6のような構成にしてもよい。
(D)
上記実施の形態では、作業者側における水選択の自由度を益すために、灌漑水タンク8は車両本体2とは別に設けられているが、車両本体2に固定されていてもよい。
上記実施の形態では、洗浄水回路6には、電動モータ61が設けられているが、油圧モータであってもよい。ただし、洗浄水は供給される量が少なく、モータの駆動時間も少なくなるため電動モータを用いる方がより好ましい。
(F)
上記実施の形態では、灌漑水回路9には、油圧モータ91が設けられているが、電動モータであってもよい。ただし、灌漑水は供給される量が多く、モータの駆動時間も長い油圧モータのほうがより好ましい。
上記実施の形態では、第2灌漑水ライン部95bに可変絞り弁94が設けられているが、可変絞り弁の代わりにリリーフ弁が設けられていてもよい。
また、上記実施の形態では、第1灌漑水ライン部95aおよび第2灌漑水ライン部95bの双方に可変絞り弁93、94が設けられているが、第2灌漑水ライン部95bの可変絞り弁94が設けられていなくてもよい。
(H)
上記実施の形態では、洗浄水回路6にアキュームレータ65および第1開閉バルブ67が設けられているが、アキュームレータ65および第1開閉バルブ67が設けられておらず、洗浄水が必要なときだけ電動モータ61を駆動してもよい。
上記実施の形態では、第1開閉バルブ67は第2洗浄水ライン部66bの3つのラインに分岐する分岐点の上流側に設けられているが、3つに分岐した後のラインの各々に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態では、第2開閉バルブ96は第1灌漑水ライン部95aの3つのラインに分岐する分岐点の上流側に設けられているが、3つに分岐した後のラインの各々に設けられていてもよい。
上記実施の形態では、植付装置4が3基設けられているが、3基に限られるものではなく、植付装置4が1基若しくは2基だけ設けられていてもよく、また、ビーム3に4基以上の植付装置4が設けられていてもよい。
上記実施の形態では、ビーム3は、車両本体2の前側に設けられているが、ビーム3が車両本体2の後側に設けられていてもよい。
2 :車両本体
3 :ビーム
4 :植付装置
5 :洗浄水タンク
6 :洗浄水回路
Claims (5)
- 車両本体と、
前記車両本体に取り付けられ、水を貯留する第1タンクと、
前記車両本体に配置された植付装置と、
前記第1タンクと前記植付装置とを接続する第1水回路と、
前記第1タンクの水を前記植付装置に供給するように前記第1水回路を制御するコントローラと、
前記車両本体に牽引される台車と、
前記台車に載置され、前記第1タンクより大きく、水を貯留する第2タンクと、
前記第2タンクと前記植付装置とを接続する第2水回路と、を備え、
前記コントローラは、前記第2タンクの水を前記植付装置に供給するように前記第2水回路を制御し、
前記第2水回路は、
前記第2タンクと前記植付装置との間を接続する第2ラインと、
前記第2ラインに設けられた第2バルブと、
前記第2ラインを介して前記第2タンクの水を前記第2バルブへと供給する第2供給部と、を有し、
前記コントローラは、前記第2バルブの開閉を制御することによって、前記植付装置に供給する水量およびタイミングを制御し、
前記第2供給部は、
前記第2ラインに設けられ、前記第2タンクから前記第2バルブへと水を供給する第2ポンプと、
前記第2ラインの前記第2ポンプと前記第2バルブの間に設けられた絞り弁と、を有し、
前記第2ラインは、
前記第2ポンプと前記絞り弁の間と、前記第2タンクとを接続するライン部を有する、
作業車両。 - 前記第1タンクは、前記車両本体の後方に取り付けられており、
前記植付装置は、前記車両本体の前側に配置されている、
請求項1に記載の作業車両。 - 前記第1タンクの水は、前記植付装置の洗浄水として用いられ、
前記第2タンクの水は、灌漑水として用いられる、
請求項1に記載の作業車両。 - 前記第1水回路は、
前記第1タンクと前記植付装置との間を接続する第1ラインと、
前記第1ラインに設けられた第1バルブと、
前記第1ラインを介して前記第1タンクの水を前記第1バルブへと供給する第1供給部と、を有し、
前記コントローラは、前記第1バルブの開閉を制御することによって、前記植付装置に供給する水量およびタイミングを制御する、
請求項1に記載の作業車両。 - 前記第1供給部は、
前記第1ラインに接続され、前記第1バルブへ水を供給可能なアキュームレータと、
前記アキュームレータの圧力を検知する検知部と、
前記第1ラインに設けられ、前記検知部によって前記アキュームレータの圧力が所定以下に達したことが検知されると前記第1タンクから前記アキュームレータに水を供給する第1ポンプと、を有する、
請求項4に記載の作業車両。
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