JP6902330B2 - 弾性経編地およびスポーツ用衣料 - Google Patents

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Description

本発明は、2枚筬により編成される弾性経編地および該弾性経編地を用いて作製されたスポーツ用衣料に関する。
従来、弾性繊維と非弾性繊維を交編した弾性経編地は、主にスポーツ用シャツ・パンツ、インナー、スパッツ、水着等、ストレッチ性を要求される衣料の素材として用いられている。
近年、着用時の運動性および快適性向上のため、軽量薄地品への要求が高まってきている。軽量薄地の素材を実現するために、単に生地を引っ張って仕上げたり、生地の主力素材である非弾性繊維の繊度を細くしたりすることにより、生地密度を下げる方法が用いられている。しかしながら、生地密度を下げる方法を用いる場合、軽量薄地にはなるものの、破裂強力や伸度が著しく低下するため、特にスポーツ用途には適さないという問題があった。
この課題を克服するために、弾性繊維を太繊度化し、該弾性繊維を挿入組織として、細繊度の非弾性繊維と交編する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法で得られた生地には、いわゆるワライの問題があり、実用性に欠けたものであった。ここでワライとは、生地の伸長と緩和を繰り返すことにより、生地中の弾性繊維が初期の位置よりずれて生地がひずむ現象をいう。
また、軽量かつ経方向、緯方向の伸長特性に優れた弾性経編地を提供する方法として、4枚筬を使用して、挿入組織とニット組織を特殊に組み合わせて弾性繊維と非弾性繊維を交編する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法の場合、生地に特異な柄感が出るため汎用性がないことに加え、4枚筬で編成するため生産性が低くコストアップになり、実用性に乏しかった。
一方、水着用の編地として、少なくとも片面が平滑加工され、かつ、その平滑加工された面に面積比を規定した撥水加工部分を有し、さらに目付と経方向および緯方向の伸長率とが規定された弾性経編地が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法による編地は水着用としては適しているものの、軽量薄地が要望されるスポーツ用シャツ・パンツ、インナー用としては適していないという問題があった。
このような状況の中、軽量薄地でありながら、十分な破裂強力を保持しつつ身体の動きにも追従することが可能な伸長・回復特性を有しており、スポーツ用シャツ・パンツ、スポーツ用インナー等に好適な弾性経編地および該弾性経編地を用いたスポーツ用衣料の要求が高まっていた。
特開2000−199159号公報 特開2005−89909号公報 特開平8−311751号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、軽量薄地でありながら、十分な破裂強力を保持しつつ身体の動きにも追従することが可能な伸長・回復特性を有しており、スポーツ用シャツ・パンツ、スポーツ用インナー等に好適な弾性経編地および該弾性経編地を用いて作製されたスポーツ用衣料を提供することを目的とする。
本発明に係る弾性経編地は、2枚筬により編成される弾性経編地であって、非弾性繊維からなるフロント筬と、弾性繊維からなるバック筬と、を備え、経方向または緯方向のいずれか一方のみにおける100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下であり、かつ伸長率が100%以下の領域における伸長・応力曲線の変曲定数が2.0未満であることを特徴とする。
本発明に係る弾性経編地は、上記発明において、目付が85g/m以上120g/m以下であることを特徴とする。
本発明に係る弾性経編地は、上記発明において、前記非弾性繊維は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびポリプロピレン系繊維の内の少なくとも一種から選択された繊維からなることを特徴とする。
本発明に係る弾性経編地は、上記発明において、前記弾性繊維は、ポリウレタン系弾性繊維、ポリエーテル・エステル系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維およびポリスチレン系弾性繊維の内の少なくとも一種から選択された繊維からなることを特徴とする。
本発明に係る弾性経編地は、上記発明において、前記弾性繊維は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維からなることを特徴とする。
本発明に係る弾性経編地は、上記発明において、破裂強力が300kPa以上であることを特徴とする。
本発明に係る弾性経編地は、上記発明において、100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下である方向の100%の伸長・回復後の仕事回復率が50%以上であることを特徴とする。
本発明に係る弾性経編地は、上記発明において、100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下である方向の100%の伸長・回復後の伸長回復率が85%以上であることを特徴とする。
本発明に係る弾性経編地は、上記発明において、編地組織がハーフ組織であることを特徴とする。
本発明に係るスポーツ用衣料は、上記弾性経編地を少なくとも一部に用いて作製してなることを特徴とする。
本発明によれば、軽量薄地でありながら、十分な破裂強力を保持しつつ身体の動きにも追従することが可能な伸長・回復特性を有しており、スポーツ用シャツ・パンツ、スポーツ用インナー等に好適な弾性経編地およびスポーツ用衣料を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る弾性経編地の伸長・応力曲線の一態様を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る弾性経編地の伸長・応力曲線における変曲定数を説明するための図である。 図3は、本発明の実施例に係る弾性経編地の編地編方図である。 図4は、比較例に係る弾性経編地の編地編方図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。本発明の実施の形態に係る弾性経編地は、2枚筬により編成される経編地であって、フロント筬に非弾性繊維を配するとともに、バック筬に弾性繊維を配し、交編してなる。
経編機としてはシングルトリコット機またはシングルラッシェル機のいずれも使用可能であり、特に限定されるものではない。ただし、生産効率の良さと編機ゲージが多彩で選定しやすい点を考慮した場合、シングルトリコット機を使用することがより好ましい。
シングルトリコット機の場合、筬は通常2〜4枚で使用されるが、筬枚数が増えるに従って生産効率が下がり、かつ、目付がアップする。このことから、2枚筬からなる編地組織を選定することが好ましい。また、編地のストレッチ特性や編地形態の安定性の点から、各筬がループ形成される編地組織であることが好ましい。
そのような観点から、2枚筬でかつ各筬がループ形成される編地組織としては、ハーフ組織、逆ハーフ組織、ダブルデンビ組織、ダブルコード組織、アトラス組織、サテン組織等があり、いずれも使用可能である。このうち、スポーツ用素材として目付の軽量化がしやすく、ストレッチ特性および形態安定性もよく、かつ、生地表面の平滑感が得やすいハーフ組織を選定することが好ましい。
本実施の形態に係る弾性経編地は、フロント筬に非弾性繊維を配するとともに、バック筬に弾性繊維を配して形成される。バック筬に弾性繊維を配することにより、編地の中層部には弾性繊維が配置されやすくなるため、染色性が劣るなどの弾性繊維特有の欠点をカバーするとともに、目付の増加を抑制することができる。また、フロント筬に配された非弾性繊維は、編地表裏に配置されやすくなるため、非弾性繊維の特徴を表現しやすくなる。
また、本実施の形態に係る弾性経編地の編地設計においては、使用する各筬の給糸長のバランスが重要である。弾性経編地の給糸長はランナー長と呼ばれる。ランナー長とは単位ループ数あたりの給糸長のことである。単位ループ数は480と定められているため、ランナー長は480コースあたりの給糸長のことである。ランナー長は、使用する筬の枚数に応じて、筬ごとに定められる。各筬相互間のランナー長の比率をランナー比という。
本実施の形態に係る弾性経編地のランナー比の具体例を説明する。例えば、ハーフ組織の場合、バック筬デンビー組織の弾性繊維に対するフロント筬プレーンコード組織の非弾性繊維のランナー比は、1:1.35〜1.58が好ましい。このように、一般的なツーウエイハーフ組織のランナー比1:1.60〜1.90に比べてバック筬の弾性繊維のランナー長を短くすることにより、伸長特性に優れ、かつ、軽量な弾性経編地を得ることができる。
本実施の形態に係る弾性経編地に用いる非弾性繊維は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびポリプロピレン系繊維のうちの少なくとも一種から選択された繊維からなることが好ましい。これらの合成繊維の糸種は特に限定されるものではないが、マルチフィラメント糸を使用することが好ましい。マルチフィラメント糸は、モノフィラメント糸よりも肌触りが良好で、着用感に優れるからである。
マルチフィラメント糸を構成する合成繊維としては、JISL0204−3(1998)に該当する弾性繊維(ゴム状弾性を有する繊維)を除く、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどからなる芳香族ポリエステル系繊維、芳香族ポリエステルに第三成分を共重合した芳香族ポリエステル系繊維、L乳酸を主成分とするもので代表される脂肪族ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、およびナイロン56等のポリアミド系繊維、ならびにポリプロピレン系繊維等が挙げられる。本実施の形態では、これらの合成繊維を単独または2種以上の混合物として使用することができるが、ポリエステル系繊維またはポリアミド系繊維を主成分とする合成繊維を使用するのが好ましい。
一般に、ポリエステル系繊維は分散染料を用いて染められるが、弾性繊維として後述するポリウレタン系繊維を使用した場合、分散染料はポリウレタン系繊維を汚染してしまうため、最終製品において色移り等の堅牢度不良を発生させることがある。そこで、非弾性繊維にポリエステル系繊維を採用する場合には、カチオン染料で染色することができるカチオン可染型ポリエステル系繊維を用いることがより好ましい。
また、合成繊維マルチフィラメント糸として、通常のフラットヤーン以外に、仮撚り加工糸または混繊糸等のフィラメントヤーンを用いることができる。
合成繊維マルチフィラメント糸の総繊度は、22〜55デシテックスが好ましく、22〜44デシテックスであればより好ましい。この総繊度が22デシテックス未満の場合には、破裂強力が不十分である。また、総繊度が55デシテックスより大きい場合には、目付が重くなりすぎる。
合成繊維マルチフィラメント糸のフィラメント数は、10〜55フィラメントが好ましく、24〜44フィラメントであればより好ましい。フィラメント数が10フィラメント未満の場合には、風合いが粗硬気味となる。また、フィラメント数が55フィラメントより大きい場合には、スナッグやピリングなどの物性が劣化する。
合成繊維マルチフィラメント糸を構成する単繊維の繊度は、0.5デシテックス以上5.5デシテックス以下が好ましく、0.5デシテックス以上3.0デシテックス以下であればより好ましい。単繊維繊度が0.5デシテックス未満の場合には、スナッグやピリング等の物性が劣化する。単繊維繊度が5.5デシテックスより大きい場合には、風合いが粗硬気味となる。
単繊維の断面は、丸断面、三角断面、Y型断面、H型断面、T型断面、W型断面、X型断面、プラス(+)型断面、ダルマ型断面、および八葉型断面等のいずれかでよく、特に限定されない。
本実施の形態に用いる弾性繊維としては、ポリウレタン系弾性繊維、ポリエーテル・エステル系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維およびポリスチレン系弾性繊維のうちの少なくとも一種から選択された繊維からなることが好ましい。
この弾性繊維は、ゴム状弾性を持っている繊維からなるものであればいかなるものでもよく、例えばJISL0204−3(1998)に該当する繊維からなるものが用いられる。このような繊維には、例えば、外力に対して原長の5〜7倍に伸びる一方、外力を取り除いた場合に原長に近い長さに復元する特性を持つ繊維が含まれる。具体的には、ポリウレタン系弾性繊維、上述した弾性を有するポリエステル系弾性繊維、ポリエーテル・エステル系弾性繊維およびポリスチレン系弾性繊維等が挙げられる。このうち、ストレッチ性と復元性に優れた東レ・オペロンテックス(株)製“ライクラ”(登録商標)に代表されるポリウレタン系弾性繊維を用いることが好ましい。弾性繊維の太さは、22デシテックス以上55デシテックス以下が好ましく、22デシテックス以上44デシテックス以下であればより好ましい。
また、本実施の形態に用いる弾性繊維として、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いた潜在捲縮発現性繊維を使用することも好ましい。ポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いた潜在捲縮発現性繊維は、少なくとも2種のポリマー成分から成る複合繊維であり、粘度等が異なる2種以上のポリトリメチレンテレフタレートを用いる場合や、ポリトリメチレンテレフタレートとポリエチレンタレフタレートのように異なる他のポリマーを用いる場合が含まれる。複合形態としては、例えば、ポリトリメチレンテレフタレートからなるポリエステル重合体と、他の重合体とが、繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合された複合繊維を用いることができる。
サイドバイサイド型の複合繊維は、ポリマーの種類や固有粘度、共重合成分、共重合率等が互いに異なる複数の重合体が貼り合わされてなり、それらの弾性回復率や収縮特性の差によって、捲縮を発現するものである。このようなサイドバイサイド型の複合繊維を用いることにより、高伸長性を実現することができる。
粘弾性が互いに異なる2つのポリマーを組み合わせた場合、紡糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差および編地の熱処理工程での熱収縮率差により高粘度側が収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差を含む)によって決まり、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
偏心芯鞘型の複合繊維は、ポリマーの種類や固有粘度、共重合成分、共重合率等が互いに異なる複数の重合体を偏心芯鞘型に複合紡糸してなる。この複合繊維は、重合体同士の弾性回復率や収縮特性の差によって捲縮を発現する。
本実施の形態に係る弾性経編地の弾性繊維に対して要求されるコイル捲縮は、コイル径が小さく単位繊維長さ当たりのコイル数が多い(伸長特性に優れ、見映えがよい)、コイルの耐ヘタリ性がよい(伸長回復に応じたコイルのヘタリ量が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイルの伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発性に優れ、フィット感がよい)等である。これらの要求を満足しつつ、ポリエステルとしての特性、例えば適度な張り腰、ドレープ性、高染色堅牢性などを有することにより、トータルバランスに優れたストレッチ素材である弾性経編地を得ることができる。
上述したコイルの伸縮特性を満足するためには、高収縮成分(高粘度成分)の特性が重要となる。コイルの伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には高い伸長性および回復特性が要求される。高収縮成分には、ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルを用いるのが好ましい。また、低収縮成分には、高収縮成分であるポリトリメチレンテレフタレートとの界面接着性が良好で、製糸性が安定している繊維形成性ポリエステルであれば特に限定されない。力学的特性、化学的特性および原料価格を考慮すると、低収縮成分として、繊維形成能のあるポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好適である。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維からなる潜在捲縮発現性繊維は、モノフィラメント糸ではなく、マルチフィラメント糸を用いることが好ましい。マルチフィラメント糸は、モノフィラメント糸よりも肌触りがよく、着用感に優れるからである。
また、潜在捲縮発現性繊維を使用した場合の製編における編成条件は、非弾性繊維を含めて、通常糸使いの編成条件よりランナー長を6〜10%程度大きめに取り、編密度を粗くすることが好ましい。これにより、サイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維が染色加工工程を経ることにより捲縮発現性が十分に発揮され、優れたストレッチ特性、ソフト感、ふくらみ感、風合い等を有する弾性経編地を得ることができる。
潜在捲縮発現性繊維を構成するポリトリメチレンテレフタレート繊維の総繊度は、22デシテックス以上44デシテックス以下が好ましく、22デシテックス以上33デシテックス以下であればより好ましい。この総繊度が22デシテックス未満の場合には、破裂強力が不十分である。また、総繊度が44デシテックスより大きい場合には、目付が重くなりすぎるという課題がある。
交編される非弾性繊維と弾性繊維糸の混率は、編地生機または最終の仕上がり編地で非弾性繊維が60質量%以上85質量%以下、弾性繊維糸が15質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
弾性繊維糸条が15質量%未満の場合はスポーツ用シャツ・パンツ素材やスポーツ用インナー素材としてストレッチ不足となり、40質量%より大きい場合は目付が重くストレッチパワーが強いため着脱し難く、コストが増加する。
本実施の形態に係る弾性経編地の目付は、85g/m以上120g/m以下であることが好ましく、90g/m以上115g/m以下であればより好ましく、95g/m以上110g/m以下であればさらに好ましい。目付が120g/mより大きい場合には、スポーツ用シャツ・パンツ素材やスポーツ用インナー素材として要求される軽量感を得ることができず、動きが妨げられやすくなることから疲れが増すだけでなく、着用時の不快感を生じるなど着用性に劣る場合がある。目付が85g/m2未満の場合には、動きやすいものの生地が薄すぎて破裂強力が低くなるとともに、透けなどの課題も発生し、審美性の観点からも好ましくない。
本実施の形態に係る弾性経編地によれば、従来のストレッチ特性を有するスポーツ用シャツ・パンツ素材やスポーツ用インナー素材とは異なる軽量の目付を有することにより、着用した時に、軽くて、かつ、身体の動きに追従できる着用快適性を得ることができ、使用耐久性、機械強度、および審美性にも優れる。
本実施の形態に係る弾性経編地は、破裂強力が300kPa以上であることが好ましく、350kPa以上であればより好ましく、400kPa以上であればさらに好ましい。弾性経編地の破裂強力が300kPa未満の場合は、運動時の激しい動きから生地の破れが発生することがある。
また、本実施の形態に係る弾性経編地の厚さは、0.40mm以上0.80mm以下であることが好ましく、0.40mm以上0.70mm以下であればより好ましく、動きやすさの観点から0.45mm以上0.65mmであればさらに好ましい。弾性経編地の厚さが0.80mmより大きい場合には、スポーツ用シャツ・パンツ素材やスポーツ用インナー素材としては厚くなり過ぎ、動いている状態でかさばるのを感じたり、動きが妨げられることにより疲れが増し、かえって着用時の不快感を生じるなど着用性に劣るものとなる。また、弾性経編地の厚さが0.40mm未満の場合には、動きやすいものの生地が薄すぎて透けなどの問題も発生し、審美性の観点からも好ましくない。また、弾性経編地の厚さが0.40mm未満の場合は、破裂強力も低くなり、生地物性面でスポーツ用シャツ・パンツ素材やスポーツ用インナー素材として不適合となる場合がある。
本実施の形態に係る弾性経編地は、経方向または緯方向のいずれか一方のみの100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下である。経方向または緯方向のいずれか一方のみの100%伸長時とは、本発明者らが身体の運動時の皮膚伸びを計測した結果、陸上短距離走の男子選手の場合、股関節動作時の最大角度が約100度の時、臀部の皮膚伸びが約100%であることから設定したものである。また、上述した応力の範囲(200cN以上600cN以下)によれば、最大皮膚伸びの100%に対し、低応力であまり抵抗を感じることなく伸長し、かつ、回復することにより、激しい運動でも動きやすく、着用快適性に優れた弾性経編地を得ることができる。
この伸長性と低応力性は、弾性経編地の経方向または緯方向のいずれか一方向のみに有すればよく、この特性を有する編地方向を身体の皮膚伸びに追従する方向に使用すればよい。例えば、ハーフ組織からなる弾性経編地の場合は、経方向が緯方向より高伸長性と低応力性を有することから、編地の経方向を身長方向に用いればよい。
本発明者は、様々な伸長・回復特性を有する弾性経編地のスポーツウエアにより運動着用評価を行った。その結果、皮膚伸びが大きい身長方向の部位に編地の高伸長性と低応力性を有する方向を合わせ、身長方向とは異なる部位に編地の低伸長性と高応力性を有する方向を合わせて使用することとした。これにより、動きやすさと筋肉への適度な締め付け感を有し、経方向と緯方向の両方向とも高伸長性と低応力性を有する弾性経編地よりも運動がしやすいことを見出した。
図1は、本実施の形態の弾性経編地の伸長・応力曲線の一態様を示す概念図である。同図に示す伸長・応力曲線L1において、点Aがゼロ荷重位置(伸長開始位置)であり、点Bが編地の100%伸長時における応力位置であり、点Cが伸長後のゼロ荷重位置(回復位置)である。また点Dは、編地の100%伸長時の位置を示している。編地の伸長・応力の具体的な評価方法については、後述する実施例で説明する。
図2は、弾性経編地の伸長・応力曲線における変曲域を説明するための概念図である。同図に示す伸長・応力曲線L2は、編地を伸長開始位置(点E)から14.7Nの定荷重伸長位置(点F、伸長率L%)まで伸長させた後、元のゼロ荷重位置(点G)まで回復させた場合の伸長・応力曲線である。伸長・応力曲線L2における変曲域とは、伸長時(点E→点F)において、曲線の曲り方が所定の基準より大きくなる領域を意味している。
具体的には、まず図2において基準とする伸長領域として、伸長率10%(応力a(N))から伸長率20%(応力b(N))までの領域I0を基準領域として応力差b−a(N)を求める。ここで、基準領域I0を伸長率10〜20%の領域とするのは、伸長応力が立ち上がってから安定し始める領域であり、かつ伸長・応力曲線が直線状をなすとみなすことができる領域であるためである。
その後、基準領域よりも伸長率が大きい領域において伸長率の差が10%であるような領域Iを設定し、この領域の端点における応力差d−c(N)を求める。このとき、変曲定数Kを以下の式で定義する。
変曲定数K=(d−c)/(b−a) ・・・(1)
変曲定数Kは、領域I0の端点を通過する直線m1の傾きに対する、領域Iの端点を通過する直線m2の傾きの比率に相当する量である。二つの直線m1、m2の交点をPとすると、領域Iは常に交点Pよりも右側に位置する。本実施の形態では、変曲定数Kが2.0以上となる領域を変曲域とする。このとき、本実施の形態の弾性経編地は、伸長率が100%以下の領域における伸長・応力曲線の変曲定数Kが2.0未満である。換言すると、本実施の形態の弾性経編地は、伸長・応力曲線の変曲域が伸長率100%以下領域に存在しない。
このような変曲特性を有する弾性経編地を少なくとも一部に用いて作製されるスポーツ用衣料は、運動時の最大皮膚伸びの100%に相当する編地の伸長率100%以下領域に変曲域が存在しないため、運動の激しい動きにも編地の伸長・回復特性が追従しやすい。したがって、動きやすく、かつ疲労感を感じにくい。これに対して、変曲域が編地の伸長率100%以下領域に存在する弾性経編地を用いる場合には、運動での激しい動きに編地の伸長・回復特性が追従しにくくなり、動きにくく、かつ疲労感を感じやすい。
また、変曲定数Kが2.0未満の領域では、伸長時の伸長・応力曲線は、伸長時にほぼ直線的に応力が増加した後、緩やかな曲線状をなして応力が増加する。したがって、この意味でも、本実施の形態の弾性経編地を少なくとも一部に用いて作製されるスポーツ用衣料は、動きやすく、かつ疲労感を感じにくい。一方、変曲域の領域を示す変曲定数Kが2.0以上の領域では、編地の伸びと共に伸長曲線の立ち上がりが徐々に強くなると共に直線状に立ち上がっていくため、動き難く、疲労感を感じやすい衣料となる。
理想的な伸長・回復特性を示す一例として、ゴム状弾性体に近い弾性経編地を挙げることができる。この場合は、伸長開始から伸長率100%以上領域を含めてほぼ直線状をなし、変曲定数Kが常に2.0未満である。このような弾性経編地には、変曲域が存在しない。なお、変曲域および変曲定数の具体的な計測の方法については、後述する実施例で説明する。
本実施の形態の弾性経編地は、100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下である方向の100%の伸長・回復後の仕事回復率が50%以上であることが好ましい。図1に示す伸長・応力曲線L1において、点Bから点Cに回復する回復時の曲線と伸長率の軸で囲まれた面積(伸長・応力曲線の仕事回復面積)をS1(cm2)とし、伸長時の曲線と回復時の曲線と伸長率の軸で囲まれた面積(伸長・応力曲線の仕事ロス面積)をS2(cm2)とすると、伸長時の仕事量はS1+S2(cm2)に比例する量として与えられる。このとき、100%伸長・回復の仕事回復率は、
仕事回復率(%)=S1/(S1+S2)×100 ・・・(2)
で定義される。なお、100%伸長・回復の仕事ロス率(%)は、S2/(S1+S2)×100で定義される。
本実施の形態の弾性経編地は、上記の如く定義される仕事回復率が50%以上であり、55%以上であればより好ましく、60%以上であればさらに好ましい。仕事回復率が50%未満の場合は、編地の仕事ロス率が大きく、伸長回復率に劣ることとなる。仕事回復率が50%未満の弾性経編地を用いて作製したスポーツ用衣料は、激しい運動による衣料の伸長・回復が身体の動きに追従できないことから、フィット性に劣るとともに、見栄えの悪いものとなる。
理想的な伸長・応力特性を示すゴム状弾性体に近い弾性経編地の場合、伸長・応力曲線がほぼ直線状をなすため、仕事回復率は90%以上となる。これに対して、一般的な弾性経編地の場合は、非弾性繊維の糸が多く含まれることから、仕事回復率の最大値は70%程度である。編地の仕事回復率の具体的な評価方法については、後述する実施例で説明する。
本実施の形態の弾性経編地は、100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下である方向の100%の伸長・回復後の伸長回復率が85%以上であることが好ましい。図1において、100%伸長時の応力位置である点Bから回復位置である点Cまで回復した後の回復長をR(cm)とし、このときの残留歪長をN(cm)としたとき、伸長回復率は、
伸長回復率(%)=R/(N+R)×100 ・・・(3)
で定義される。この伸長回復率は、好ましくは90%以上である。伸長回復率が85%未満の弾性経編地を用いて作製したスポーツ用衣料は、激しい運動による衣料の伸長・回復が身体の動きに追従できないことから、フィット性に劣るとともに、見栄えの悪いものとなる。編地の伸長回復率の具体的な評価方法については、後述する実施例で説明する。
本実施の形態の弾性経編地において、製編された生機の熱処理、精練、染色などの加工は、特に限定されるものではなく、使用する素材構成や用途によって適した一般的な加工工程および加工法に準じて実施すればよい。例えば、ナイロンとポリウレタン系弾性繊維で構成されたツーウエイトリコット編地の場合には、連続リラクサー熱セット機でリラックス、精練、予備熱セットを行い、液流染色機で染色した後、熱セット機で仕上げればよい。
また、弾性繊維にポリトリメチレンテレフタレート繊維を使用した場合は、製編された生機の熱処理、精練や染色などの加工は、通常のポリエステル編地の加工工程および加工法に準じて行えばよく、特別な設備等は必要ではない。ただし、サイドバイサイド型複合繊維の潜在捲縮をスプリング構造としてより効果的に発現させるためには、リラックス・精練熱処理温度を80℃以上とすることが好ましい。
染色段階での付帯加工として、例えば、機能剤の付与による撥水加工剤、防汚加工剤、抗菌加工剤、消臭加工剤、防臭加工剤、吸汗加工剤、吸湿加工剤、および紫外線吸収加工剤を適用することが好ましい。その場合には、求められる用途や要望により適用する加工剤を適宜選択することができる。
また、機能剤付与の加工以外の付帯加工として、カレンダー加工、エンボス加工、プリント加工等を、最終用途の要求特性に応じて適宜付与することができる。
本実施の形態の弾性経編地は、洗濯収縮率が経方向および緯方向ともに−6%以下であることが好ましく、−5%以下であればより好ましい。この洗濯収縮率は、前述した編地設計における使用糸の繊度バランス、ランナー比、染色加工条件の適正化を図ることにより、−6%以下を達成しやすくなる。洗濯収縮率が−6%を超えると、洗濯することにより大きく収縮し、運動がしにくくなるとともに、見栄えの悪いものとなる。なお、洗濯収縮率の評価は、JISL1096(2010)8.39G法(家庭用電気洗濯機法)に準じて行えばよい。
また、本実施の形態の弾性経編地を少なくとも一部に用いて作製されるスポーツ用衣料は、例えば、スポーツ用シャツ・パンツやスポーツ用インナーの全部分、あるいは大腿部や上身頃のみに使用することも可能である。また、本実施の形態の弾性経編地の使用面積をスポーツ用衣料の全面積の40%以上とすれば、運動したときの動きやすさを実感することができる。このように、本実施の形態の弾性経編地は、スポーツ用衣料の全部分への使用、あるいは、ある特定部分の一部分に使用するなどいずれも幅広く採用することができる。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、非弾性繊維からなるフロント筬と、弾性繊維からなるバック筬と、を備え、経方向または緯方向のいずれか一方のみにおける100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下であり、かつ伸長率が100%以下の領域における伸長・応力曲線の変曲定数が2.0未満であるため、軽量薄地でありながら、十分な破裂強力を保持しつつ身体の動きにも追従することが可能な伸長・回復特性を有しており、スポーツ用シャツ・パンツ、スポーツ用インナー等に好適な弾性経編地およびスポーツ用衣料を提供することができる。
次に、本発明の弾性経編地およびスポーツ用衣料に係る実施例を説明する。なお、本発明は後述する実施例によってのみ限定されるものではない。本実施例において用いた評価は、それぞれ次の方法により行ったものである。
(1)弾性経編地の目付
最終加工上がりの編地から、JISL1096(2010)の第8.3項に記載のA法に準じて目付の測定を行った。すなわち、最終加工上がりの編地から、20cm×20cmの試験片3枚を採取し、それぞれの標準状態における質量(g)を測定し、次の式によって1m当たりの質量(g/m)を求め、その平均値を算出し、四捨五入して目付(g/m)とした。
目付(g/m)=W/A
ここで、Wは標準状態における試験片の質量(g)を表し、Aは試験片の面積(m)を表す。
(2)弾性経編地の厚さ
最終加工上がりの編地から、JISL1096(2010)の第8.4項に記載のA法(JIS法)に準じて厚さの測定を行った。即ち、試料の異なる5か所について厚さ測定器を用いて、一定時間及び一定圧力の下で厚さ(mm)を測定し、その平均値を算出し、四捨五入して小数点以下2桁で表した。このときの測定時の一定圧力は、0.7kPaとした。
(3)弾性経編地の破裂強力
最終加工上がりの編地から、JISL1096(2010)の第8.18項に記載のA法(ミューレン形法)に準じて破壊強力の測定を行った。即ち、試料の異なる3か所について破裂強力(kPa)を測定し、その平均値を算出して表した。
(4)弾性経編地の100%伸長時の応力
標準状態に調温湿した試料から、幅5cm×長さ15cmの試験片を経方向及び緯方向の各々3枚を採取した。試験片を自記記録装置付定速伸長形引張試験機で、上下つかみ幅は表裏とも5cm、つかみ間隔10cm、初荷重3cN、引張速度10cm/分の条件で伸長率100%まで引っ張った後、即、ゼロ荷重まで戻す伸長・応力曲線(図1)を描き、100%伸長時の応力(図1のMに相当)を求め、経方向及び緯方向の各々3枚の平均値を算出して表した。
(5)弾性経編地の14.7N定荷重伸長時での変曲域と変曲定数K
まず、上記(4)と同様に、試験片を経方向及び緯方向の各々3枚を採取し、この試験片を同一の引張試験機で、同一の上下つかみ幅、つかみ間隔、初荷重、引張速度の条件で14.7N荷重まで引っ張った後、即、ゼロ荷重まで戻す伸長・応力曲線(図2)を描いた。
この後、図2における基準領域I0の端点(伸長率10%、20%)における応力差b−a(N)を算出するとともに、基準領域I0と伸長・応力曲線L2との2つの交点が通過する直線m1を引いた。
続いて、基準領域I0よりも伸長率が大きい領域Iを設定し、その領域Iの端点における応力差d−c(N)を算出するとともに、その領域Iの端点と伸長・応力曲線L2の伸長時の曲線との2つの交点を通過する直線m2を引いた。
2つの応力差b−a(N)、d−c(N)を用いて、上述した式(1)にしたがって変曲定数Kを算出する。算出の結果、K≧2.0であれば、領域Iを変曲域とする。一方、算出の結果、K<2.0であれば、伸長率の最小値を所定値(例えば10%)大きくした新たな領域Iを設定し、K≧2.0の領域が見つかるまで繰り返す。
なお、この変曲域の位置は、試験片の経方向及び緯方向の各々3枚であって変曲定数K≧2.0を満足する3枚の伸長率の平均値を算出し、その平均値を含むような10%間隔単位で表した。例えば、平均値が85%の場合には、80〜90%と表した。
(6)弾性経編地の100%の伸長・回復後の仕事回復率
上記(4)と同様に、試験片を経方向及び緯方向の各々3枚採取し、この試験片を同一の引張試験機で、同一の上下つかみ幅、つかみ間隔、初荷重、引張速度の条件で伸長率100%まで引っ張った後、即、ゼロ荷重まで戻す。この操作を3回繰り返し、3回目の伸長・応力曲線を描く(図1を参照)。
その後、図1に示す面積S1およびS2を計測する。この際には、デジタルプラニメーター((株)内田洋行製 KP−90タイプ)を使用し、試験片の経方向及び緯方向の各々3枚を計測した平均値を算出し、四捨五入して小数点以下1桁で表した。
続いて、計測した面積S1およびS2を上述した式(2)に代入することにより、弾性経編地の100%の伸長・回復後の仕事回復率を算出した。
(7)弾性経編地の100%の伸長・回復後の伸長回復率
上記(6)と同一の伸長・応力曲線(図1を参照)に基づいて回復長Rおよび残留歪長Nを求め、上述した式(3)に代入することにより、弾性経編地の100%の伸長・回復後の伸長回復率を算出した。なお、この伸長回復率は、試験片の経方向及び緯方向の各々3枚を計測した平均値を算出し、四捨五入して小数点以下1桁で表した。
(8)スポーツ用衣料の素材としての総合評価
総合評価の基準は、次のとおりである。
○:動きやすく、疲労感も少なく、スポーツ用衣料の素材として適している。
△:動きが妨げられることもなく、スポーツ用衣料の素材として適している。
×:動きにくく、疲労感も感じることから、スポーツ用衣料の素材として適していない。
判定表示で○と△の場合を「合格」とした。
[実施例1]
ナイロンからなるフラットヤーンで総繊度33デシテックス、フィラメント数26フィラメント(東レ(株)製)と、ポリウレタン系弾性繊維の22デシテックス(東レ・オペロンテックス(株)製“ライクラ”(登録商標))とを使用し、シングルトリコット28ゲージ機で編成し、編地組織を得た。具体的には、図3の編地編方図に示す2枚筬によって、フロント筬(F)の編地構成糸Y1にナイロン糸を配するとともに、バック筬(B)の編地構成糸Y2にポリウレタン系弾性繊維を配し、ハーフ組織で編成し、各混率がナイロン84質量%、ポリウレタン系弾性繊維16質量%の編地生機を得た。
このハーフ組織のループ形成は、以下の通りである。図3における編針の列n1〜nkにおいて、フロント筬(F)での編針の列の針間を0、1、2、3とし、バック筬(B)での編針の列の針間を0、1、2とすると、フロント筬(F)の編地構成糸Y1のループ形成は1−0/2−3となり、バック筬(B)の編地構成糸Y2のループ形成は1−2/1−0となる。
次に、この生機編地を通常のナイロンツーウエイトリコット編地の染色加工に準じて温度80℃の浴中でのリラックスと精練投入、予備熱セット、温度100℃の浴中で酸性染料での染色および付帯加工としてナイロン用吸水加工剤による吸汗加工を行った。その後、乾燥、仕上げセットを行い、スポーツ用シャツ・パンツ用編地として仕上げた。
この編地の目付は105g/m、厚さは0.61mm、破裂強力は335kPa、100%伸長時の応力は経方向320cN、緯方向2800cNであった。伸長・応力曲線における変曲域の位置は、経方向が110〜120%(100%以上域)であり、緯方向が70〜80%(100%以下域)であった。各変曲域における変曲定数Kは、経方向が2.1、緯方向が2.8であった。
また、この弾性経編地の伸長・回復後の仕事回復率は経方向59.1%、緯方向40.2%であり、伸長・回復後の伸長回復率は経方向89.6%、緯方向83.4%であった。
これらのことから、本実施例1の弾性経編地は、編地の経方向が緯方向に比べ、100%伸長時の応力が低く、変曲域の位置も100%以上域であり、スポーツ用衣料に好適であることが分かった。
この弾性経編地の経方向を身体の身長方向に使用する衣服設計で陸上競技用のロングパンツを試作し、19〜22歳の男女5名ずつに対して100m短距離走による試着評価を行った。その結果、軽くてストレッチ性もよいなど、非常に動きやすくスポーツ用衣料に好適な素材であることが確認された。
[実施例2]
カチオン染料可染型ポリエステルからなるフラットヤーンで総繊度36デシテックス、フィラメント数24フィラメント(東レ(株)製“テトロン”(登録商標))と、ポリウレタン系弾性繊維の33デシテックス(東レ・オペロンテックス(株)製“ライクラ”(登録商標))とを使用し、シングルトリコット28ゲージ機で編成し、編地組織を得た。具体的には、実施例1と同一の図3の編地編方図に示す2枚筬によって、フロント筬(F)の編地構成糸Y1にカチオン染料可染型ポリエステルを配するとともに、バック筬(B)の編地構成糸Y2にポリウレタン系弾性繊維を配し、ハーフ組織で編成し、各混率がカチオン染料可染型ポリエステル80質量%、ポリウレタン系弾性繊維20質量%の編地生機を得た。
次に、この生機編地を通常のポリエステルツーウエイトリコット編地の染色加工に準じて温度80℃の浴中でのリラックスと精練投入、予備熱セット、温度130℃の浴中でカチオン染料での染色および付帯加工としてポリエステル用吸水加工剤による吸汗加工を行った。その後、乾燥、仕上げセットを行い、スポーツ用シャツ・パンツ用編地として仕上げた。
この編地の目付は110g/m、厚さは0.62mm、破裂強力は403kPa、100%伸長時の応力は経方向405cN、緯方向2930cNであった。伸長・応力曲線における変曲域の位置は、経方向が110〜120%(100%以上域)であり、緯方向が70〜80%(100%以下域)であった。各変曲域における変曲定数Kは、経方向が2.3、緯方向が2.9であった。
また、この弾性経編地の伸長・回復後の仕事回復率は経方向64.5%、緯方向44.3%であり、伸長・回復後の伸長回復率は経方向93.7%、緯方向85.6%であった。
これらのことから、この弾性経編地は、編地の経方向が緯方向に比べ、100%伸長時の応力が低く、変曲域の位置も100%以上域であり、実施例1と同様にスポーツ用衣料の編地として優れていることが分かった。
この弾性経編地の経方向を身体の身長方向に使用する衣服設計で陸上競技用のロングパンツを試作し、実施例1と同様に19〜22歳の男女5名ずつに対して100m短距離走による試着評価を行った。その結果、軽くてストレッチ性もよいなど、非常に動きやすくスポーツ用衣料に好適な素材であることが確認された。
[実施例3]
ポリエステルからなるフラットヤーンで総繊度36デシテックス、フィラメント数36フィラメント(東レ(株)製“テトロン”(登録商標))と、ポリトリメチレンテレフタレート繊維で総繊度33デシテックス、フィラメント数12フィラメント(東レ(株)製“テトロン”(登録商標))とを使用し、実施例1と同様に編成した。すなわち、シングルトリコット28ゲージ機で、図3に示す2枚筬によって、フロント筬(F)の編地構成糸Y1にポリエステルを配するとともに、バック筬(B)の編地構成糸Y2にポリトリメチレンテレフタレート繊維を配し、ハーフ組織で編成し、各混率がポリエステル64質量%、ポリトリメチレンテレフタレート繊維36質量%の編地生機を得た。
次に、この生機編地の染色加工は、通常のポリエステル編地の染色加工設備と加工工程に準じて行った。また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維のサイドバイサイド型複合繊維の潜在捲縮をスプリング構造としてより効果を発現させるため、リラックスと精練は、通常のポリエステル編地より低い温度85℃の浴中へ投入した後、温度130℃の浴中で分散染料での染色および付帯加工としてポリエステル用吸水加工剤による吸汗加工を行った。その後、乾燥、仕上げセットを行い、スポーツ用シャツ・パンツ用編地として仕上げた。
この弾性経編地の目付は115g/m、厚さは0.57mm、破裂強力は532kPa、100%伸長時の応力は経方向560cN、緯方向4100cNであった。伸長・応力曲線における変曲域の位置は、経方向が100〜110%であり、緯方向が60〜70%であった。各変曲域における変曲定数Kは、経方向が2.4、緯方向が3.1であった。
また、この編地の伸長・回復後の仕事回復率は経方向53.3%、緯方向32.8%であり、伸長・回復後の伸長回復率は経方向86.1%、緯方向82.1%であった。
これらのことから、編地の経方向が緯方向に比べ、100%伸長時の応力が低く、変曲域の位置も100%以上域であり、実施例1と同様にスポーツ用衣料の編地として優れていることが分かった。
この弾性経編地の経方向を身体の身長方向に使用する衣服設計で陸上競技用のロングパンツを試作し、実施例1と同様に、19〜22歳の男女5名ずつに対して100m短距離走による試着評価を行った。その結果、軽さとストレッチ性は実施例1よりも若干劣るものの、動きやすくスポーツ用衣料の素材として適した素材であることが確認された。
[比較例1]
カチオン染料可染型ポリエステルからなるフラットヤーンで総繊度56デシテックス、フィラメント数24フィラメント(東レ(株)製“テトロン”(登録商標))と、ポリウレタン系弾性繊維の44デシテックス(東レ・オペロンテックス(株)製“ライクラ”(登録商標))とを使用し、シングルトリコット28ゲージ機で編成し編地組織を得た。具体的には、図3に示す2枚筬によって、フロント筬(F)の編地構成糸Y1にカチオン染料可染型ポリエステルを配するとともに、バック筬(B)の編地構成糸Y2にポリウレタン系弾性繊維を配し、ハーフ組織で編成し、各混率がカチオン染料可染型ポリエステル82質量%、ポリウレタン系弾性繊維18質量%の編地生機を得た。
次に、この生機編地を通常のポリエステルツーウエイトリコット編地の染色加工に準じて温度80℃の浴中でのリラックスと精練投入、予備熱セット、温度130℃の浴中でカチオン染料での染色および付帯加工としてポリエステル用吸水加工剤による吸汗加工を行った。その後、乾燥、仕上げセットを行い、スポーツ用シャツ・パンツ用編地として仕上げた。
この弾性経編地の目付は210g/m、厚さは0.70mm、破裂強力は422kPa、100%伸長時の応力は経方向1050cN、緯方向1330cNであった。伸長・応力曲線における変曲域の位置は、経方向が90〜100%であり、緯方向が60〜70%であった。各変曲域における変曲定数Kは、経方向が2.3、緯方向が2.7であった。
また、この弾性経編地の伸長・回復後の仕事回復率は経方向54.1%、緯方向40.6%であり、伸長・回復後の伸長回復率は経方向86.3%、緯方向85.6%であった。
これらのことから、編地の経方向が緯方向に比べ、100%伸長時の応力が低いものの、変曲域の位置は経方向および緯方向とも100%以下域であり、スポーツ用衣料の編地として適していないと推察できるものであった。
この弾性経編地の経方向を身体の身長方向に使用する衣服設計で陸上競技用のロングパンツを試作し、実施例1と同様に、19〜22歳の男女5名ずつに対して100m短距離走による試着評価を行った。その結果、重く感じ、ストレッチ性も劣ることから、動き難くスポーツ用衣料の編地として適していないとの評価が得られた。
[比較例2]
実施例1と同一のナイロンからなるフラットヤーンで総繊度33デシテックス、フィラメント数26フィラメント(東レ(株)製)と、ポリウレタン系弾性繊維の22デシテックス(東レ・オペロンテックス(株)製“ライクラ”(登録商標))とを使用し、シングルトリコット28ゲージ機で編成し、編地組織を得た。具体的には、図4の編地編方図に示す3枚筬によって、フロント筬(F)の編地構成糸Y1にナイロン糸を、ミドル筬(M)の編地構成糸Y3にも同一のナイロン糸を配するとともに、バック筬(B)の編地構成糸Y2にはポリウレタン系弾性繊維を配し、ミドル筬(M)の編地構成糸Y3が挿入される3枚挿入組織で編成し、各混率がナイロン90質量%、ポリウレタン系弾性繊維10質量%の編地生機を得た。
この3枚挿入組織のループ形成は、図4においてフロント筬(F)の編地構成糸Y1のループ形成は1−0/2−3となり、ミドル筬(M)の編地構成糸Y3のループ形成は0−0/1−1となり、バック筬(B)の編地構成糸Y2のループ形成は1−2/1−0となる。
次に、この生機編地を実施例1と同様に通常のナイロンツーウエイトリコット編地の染色加工に準じて、80℃の温度の浴中でのリラックスと精練投入、予備熱セット、100℃の温度の浴中で酸性染料での染色および付帯加工としてナイロン用吸水加工剤による吸汗加工を行った。その後、乾燥、仕上げセットを行い、スポーツ用シャツ・パンツ用編地として仕上げた。
この弾性経編地の目付は227g/m、厚さは0.73mm、破裂強力は450kPa、100%伸長時の応力は経方向1200cN、緯方向1370cNであった。伸長・応力曲線における変曲域の位置は、経方向が70〜80%であり、緯方向が60〜70%であった。各変曲域における変曲定数Kは、経方向が2.4、緯方向が2.7であった。
また、この弾性経編地の伸長・回復後の仕事回復率は経方向47.5%、緯方向40.7%であり、伸長・回復後の伸長回復率は経方向82.7%、緯方向85.8%であった。
これらのことから、弾性経編地の経方向が緯方向に比べ、100%伸長時の応力が低いものの、変曲域の位置は経方向および緯方向とも100%以下域であり、比較例1と同様にスポーツ用衣料の素材として適していないことが分かった。
この弾性経編地の経方向を身体の身長方向に使用する衣服設計で陸上競技用のロングパンツを試作し、実施例1と同様に、19〜22歳の男女性5名ずつに対して100m短距離走による試着評価を行った。その結果、比較例1と同様に重く感じ、ストレッチ性も劣り、動き難く疲れやすいという評価が得られた。更に、編地組織が3枚挿入組織のため、激しい動きで編地中の弾性繊維が初期の位置よりずれて生地がひずむワライ現象が発生したことから、スポーツ用衣料の編地として適していないことが明らかになった。
以上説明した実施例1〜3および比較例1、2の結果をまとめた表を示す。
Figure 0006902330
L1、L2 伸長・応力曲線
Y1、Y2、Y3 編地構成糸
(F) フロント筬
(M) ミドル筬
(B) バック筬

Claims (9)

  1. 2枚筬により編成される弾性経編地であって、
    非弾性繊維からなるフロント筬と、
    弾性繊維からなるバック筬と、
    を備え、
    ハーフ組織で編成し
    前記フロント筬での編針の列の針間を0、1、2、3とし、前記バック筬での編針の列の針間を0、1、2とするとき、前記フロント筬の編地構成糸のループ形成が1−0/2−3であり、前記バック筬の編地構成糸のループ形成が1−2/1−0であり、
    経方向または緯方向のいずれか一方のみにおいて、100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下であり、かつ伸長率が100%以下の領域における伸長・応力曲線の変曲定数が2.0未満であることを特徴とする弾性経編地。
  2. 目付が85g/m以上120g/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の弾性経編地。
  3. 前記非弾性繊維は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびポリプロピレン系繊維の内の少なくとも一種から選択された繊維からなることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性経編地。
  4. 前記弾性繊維は、ポリウレタン系弾性繊維、ポリエーテル・エステル系弾性繊維、ポリアミド系弾性繊維およびポリスチレン系弾性繊維の内の少なくとも一種から選択された繊維からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性経編地。
  5. 前記弾性繊維は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性経編地。
  6. 破裂強力が300kPa以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の弾性経編地。
  7. 100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下である方向の100%の伸長・回復後の仕事回復率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の弾性経編地。
  8. 100%伸長時の応力が200cN以上600cN以下である方向の100%の伸長・回復後の伸長回復率が85%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の弾性経編地。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の弾性経編地を少なくとも一部に用いて作製してなることを特徴とするスポーツ用衣料。
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