JP6901872B2 - 拡張用カテーテル - Google Patents
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Description
血管内の所定位置に留置される管状の血管内留置具を拡張させる拡張用カテーテルであって、
前記血管内留置具の内側に配され、拡張変形して前記血管内留置具を内側から径方向外側に押圧する拡縮部材を備え、
前記拡縮部材は、
複数の骨格用線材を有し、これら複数の骨格用線材は、前記拡縮部材が拡張変形した状態にて、前記血管内留置具の軸方向と略平行に延在する直線状部をそれぞれ有し、
前記直線状部の中途部に、前記複数の骨格用線材のうちの当該直線状部を形成する前記骨格用線材とは異なる他の骨格用線材が接続され、
前記複数の骨格用線材が当該拡張用カテーテルの軸心側に付勢されることで、前記直線状部が前記他の骨格用線材を介して径方向外側に付勢されるとともに周方向に互いに離間して、前記血管内留置具に接触可能であることを特徴としている。
図1は、本発明に係る一実施形態の拡張用カテーテル2の概略構成を模式的に示す図である。また、図2(a)及び図2(b)は、拡張用カテーテル2の拡縮部材23を拡大して示す図であり、このうち、図2(a)は、拡縮部材23を軸方向に略直交する方向にみて示す図であり、図2(b)は、拡縮部材23を軸方向にみて示す図である。また、図3は、拡縮部材23とステント1と血管Vとの位置関係を説明するための図である。
なお、図1並びに後述する図4(a)〜図4(c)にあっては、拡張用カテーテル2の拡縮部材23を模式的に表している。また、以下の説明では、拡張用カテーテル2の使用者からみて遠い方(遠位側)を先端側とし、使用者からみて近い方(近位側)を基端側とする。
先ず、ステント1について説明する。
ステント1は、公知のものであり、ここでは詳細な説明は省略するが、例えば、金属細線が格子状に編み込まれた構造をなし、外形が全体として略円筒状に成形されている。また、ステント1は、例えば、その内側から径方向外側に外力が加えられることで、径方向外側に拡張可能に構成されている。
なお、ステント1を構成する金属細線の材料としては、例えば、Ni−Ti合金、ステンレス鋼、チタン合金などに代表される公知の金属や金属合金が挙げられる。
次に、拡張用カテーテル2について、詳細に説明する。
拡張用カテーテル2は、ガイドワイヤGに外挿される第1チューブ21と、この第1チューブ21に外挿される第2チューブ22と、当該拡張用カテーテル2の先端側に設けられた拡縮部材23と、この拡縮部材23の外周側に配設された介在シート24とを備えている。
なお、可撓性を有する材料としては、例えば、合成樹脂(エラストマー)、合成樹脂に他の材料が混合された樹脂コンパウンド、合成樹脂が多層で構成された多層構造体、または合成樹脂と金属線との複合体等が挙げられる。
すなわち、拡縮部材23を拡張変形させる場合、例えば、第2チューブ22の位置を固定した状態で、第1チューブ21を軸方向に沿って近位側(手元側)に移動させると、当該拡縮部材23が径方向外側に拡張して拡張状態(図1等参照)に変化していく。
一方、拡縮部材23を収縮変形させる場合、例えば、第2チューブ22の位置を固定した状態で、第1チューブ21を軸方向に沿って遠位側に移動させると、当該拡縮部材23が径方向内側に収縮して収縮状態(図4(a)参照)に変化していく。
なお、第1チューブ21の位置を固定した状態にて、第2チューブ22を相対的に移動させることで、拡縮部材23を拡縮させてもよい。
また、介在シート24の軸方向の長さは、拡張変形した状態の拡縮部材23の直線状部a1の軸方向の長さと略等しいか、この長さよりも長くなっている。
また、介在シート24は、拡縮部材23の拡縮に追従するように弾性変形可能とされている。なお、介在シート24の材料としては、生体適合性を有する材料が好ましく、具体的には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、ナイロン、シリコン樹脂等が挙げられる。
さらに、介在シート24には、例えば、拡張用カテーテル2の軸方向に沿って孔が複数形成されていてもよく、これにより、当該介在シート24の内部を血液が通るようになって、血流をより遮断し難くなる。
拡縮部材23は、ステント1の内側に配され、拡張変形してステント1を内側から径方向外側に押圧するものであり、具体的には、図2(a)及び図2(b)に示すように、基端部231と、先端部232と、拡縮部233とを具備している。
基端部231、先端部232及び拡縮部233を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti合金、チタン合金などに代表される公知の金属又は金属合金等が挙げられる。また、X線造影性を有する合金を材料として用いてもよく、この場合、拡縮部材23の位置を体外から確認することができるようになる。
また、基端部231、先端部232及び拡縮部233は、例えば、1本の金属パイプ(例えば、Ni−Ti合金からなるパイプ等)をレーザー加工することによって形成されてもよい。
また、複数の骨格用主線材233a、…は、拡縮部材23が拡張変形した状態にて、周方向に互いに所定の間隔を空けて配設され、具体的には、例えば、8本の骨格用主線材233a、…が、管軸を中心として互いに略等間隔となるように45°の間隔で配置されている。
すなわち、拡縮部材23には、複数の骨格用主線材233a、…の直線状部a1を覆うように略円筒形状の介在シート24が配設されている。拡縮部材23が拡張変形すると、この拡縮部材23の拡張変形に追従するように介在シート24が弾性変形し、この介在シート24の外周面が当該拡縮部材23の径方向外側のステント1の内面部に接触する。そして、介在シート24を介して拡縮部材23(特に、直線状部a1)によりステント1が内側から径方向外側に押圧されることで、当該ステント1が拡張していく。
次に、拡張用カテーテル2の使用方法について、図4(a)〜図4(c)を参照して説明する。
図4(a)〜図4(c)は、拡張用カテーテル2の使用方法を説明するために示す図であり、ステント1が拡張していく状態を模式的に表している。
なお、以下の説明では、血管V内の所定位置(例えば、狭窄部位V1)に拡張量が十分でないステント1が留置されているものとする。また、事前に血管V内にガイドワイヤGが挿通されており、このガイドワイヤGに沿って拡張用カテーテル2が導入されるものとする。
次に、図4(b)に示すように、第2チューブ22の位置を固定した状態で、第1チューブ21を軸方向に沿って近位側(手元側)に移動させると、当該拡縮部材23が拡張変形し、この拡張変形に追従するように介在シート24が弾性変形する。そして、拡縮部材23が介在シート24を介してステント1の内面部に接触した状態となる。
この状態では、複数の骨格用主線材233a、…は、互いに離間して介在シート24を介してステント1に接触しているため、拡縮部材23により血管Vの血流が遮断されない。
その後、図示は省略するが、拡縮部材23を収縮変形させて、ステント1を留置したまま拡張用カテーテル2のみが血管V内から引き抜かれる。
したがって、例えば、拡張量が十分でないステント1や収縮状態のステント等を血管V内の所定位置にて拡張させる場合に、このステント1を内側から径方向外側に押圧する拡縮部材23が拡張変形しても、複数の骨格用主線材233a、…が互いに離間して(より具体的には、周方向に互いに所定の間隔を空けて)ステント1に接触可能であるため、血管V内の血流を遮断することがなくなる。これにより、拡縮部材23が下流側に押し流されて、ステント1が留置部位からずれてしまうといったことを抑制することができ、ステント1の拡張を所定位置で適正に行うことができる。
したがって、例えば、金属細線が表面に露出された状態のステント1であっても、拡縮部材23の複数の骨格用主線材233a、…が介在シート24を介して接触することとなり、骨格用主線材233aとステント1とが接触して傷が付いたり、絡まったりしてしまうことを抑制することができる。
したがって、複数の骨格用主線材233a、…の各々の直線状部a1をステント1の内面部に接触させることで、拡縮部材23とステント1との接触面積をより大きくして、拡縮部材23の拡張力をステント1に効率良く伝達することができ、ステント1の拡張をより適正に行うことができる。
したがって、複数の骨格用主線材233a、…が骨格用副線材233bにより軸心側に付勢されることで直線状部a1を形成することができ、形成される直線状部a1により拡縮部材23の拡張力をステント1に効率良く伝達することができ、ステント1の拡張をより適正に行うことができる。
したがって、拡縮部材23が拡張変形する際の拡張量を、例えば、ステント1の拡張時の外径やこのステント1の血管V内での留置部位の状態等を考慮して、適正に調整することができる。
以下に、拡張用カテーテル2Aの変形例について、図5を参照して説明する。
なお、拡張用カテーテル2Aは、以下に説明する以外の点で上記実施形態の拡張用カテーテル2と略同様の構成をなし、その説明は省略する。
また、グラフト部12を構成する材料としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂などが挙げられる。
すなわち、拡張用カテーテル2Aは、上記実施形態の拡張用カテーテル2と同様に、第1チューブ21と、第2チューブ22と、拡縮部材23とを備えている。
なお、第1チューブ21、第2チューブ22及び拡縮部材23の構成及び機能は、上記実施形態と略同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
2、2A 拡張用カテーテル
21 第1チューブ(調整手段)
22 第2チューブ(調整手段)
23 拡縮部材
233a 骨格用主線材
a1 直線状部
233b 骨格用副線材(付勢手段)
24 介在シート(介在部材)
1A ステントグラフト(血管内留置具)
V 血管
Claims (4)
- 血管内の所定位置に留置される管状の血管内留置具を拡張させる拡張用カテーテルであって、
前記血管内留置具の内側に配され、拡張変形して前記血管内留置具を内側から径方向外側に押圧する拡縮部材を備え、
前記拡縮部材は、
複数の骨格用線材を有し、これら複数の骨格用線材は、前記拡縮部材が拡張変形した状態にて、前記血管内留置具の軸方向と略平行に延在する直線状部をそれぞれ有し、
前記直線状部の中途部に、前記複数の骨格用線材のうちの当該直線状部を形成する前記骨格用線材とは異なる他の骨格用線材が接続され、
前記複数の骨格用線材が当該拡張用カテーテルの軸心側に付勢されることで、前記直線状部が前記他の骨格用線材を介して径方向外側に付勢されるとともに周方向に互いに離間して、前記血管内留置具に接触可能である拡張用カテーテル。 - 前記拡縮部材の径方向外側に配設された介在部材を更に備え、
前記直線状部は、前記介在部材を介して前記血管内留置具に接触可能である請求項1に記載の拡張用カテーテル。 - 前記拡縮部材は、
前記直線状部を形成するように前記複数の骨格用線材を当該拡張用カテーテルの軸心側に付勢する付勢手段を更に有する請求項1または2に記載の拡張用カテーテル。 - 前記拡縮部材が拡張変形する際の拡張量を調整する調整手段を更に備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の拡張用カテーテル。
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