JP6901480B2 - ポリアリーレンスルフィドおよび成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、他の高分子素材や充填材などとのより向上した相溶性を示すポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide)および成形品に関する。
現在、ポリアリーレンスルフィドは代表的なエンジニアリングプラスチック(Engineering Plastic)であって、高い耐熱性と耐化学性、耐火炎性(flame resistance)、電気絶縁性などにより高温と腐食性の環境で使用される各種製品や電子製品に使用される用途で需要が増加している。
このようなポリアリーレンスルフィドのうち、商業的に販売されるものは現在ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide;以下、「PPS」)が唯一である。現在まで主に適用されるPPSの商業的生産工程は、パラ−ジクロロベンゼン(p−dichlorobenzene;以下、「pDCB」)と硫化ナトリウム(sodium sulfide)を原料としてN−メチルピロリドン(N−methyl pyrrolidone)などの極性有機溶媒で溶液重合反応させる方法である。この方法はマッカラム工程(Macallum process)と知られている。
しかし、このようなマッカラム工程で製造したポリアリーレンスルフィドの場合、硫化ナトリウムなどを用いた溶液重合工程により塩形態の副産物が発生することがあり、このような塩形態の副産物または残留有機溶媒の除去のために洗浄または乾燥工程などが必要になるという短所がある。また、このようなマッカラム工程で製造されたポリアリーレンスルフィドが粉末形態を有することによって、後加工が容易でなく、作業性が落ちることがある。
これによって、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を溶融重合する方法として前記PPSなどのポリアリーレンスルフィドを製造する方法が提案されている。このように製造されたポリアリーレンスルフィドは、製造過程中に塩形態の副産物などが発生せず、有機溶媒の使用が要求されないため、これらの除去のための別途の工程が要求されない。また、最終製造されたポリアリーレンスルフィドがペレット(pellet)形態を有することによって、後加工がより容易になり、作業性がよいという長所がある。
しかし、前記溶融重合方式で製造されたポリアリーレンスルフィドの場合、その主鎖末端がヨードと大部分のアリール基(代表的に、ベンゼン)からなっている。このようなポリアリーレンスルフィドの場合、主鎖構造の特性上、他の高分子素材またはガラス繊維など各種強化材や充填材との相溶性が落ちるという短所がある。
これによって、前記溶融重合方式で製造されたポリアリーレンスルフィドの場合、多様な用途に適した最適化した物性を示すようにするために他の高分子素材または充填材などとコンパウンディングすることが難しく、コンパウンディングしても所望の最適化した物性を示すことが難しいという短所があった。
そこで、本発明の目的は、他の高分子素材や充填材などとのより向上した相溶性を示すポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide)を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記ポリアリーレンスルフィドを含む成形品を提供することにある。
本発明は、ポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基(End Group)中の少なくとも一部がヒドロキシ基(−OH)であり、前記ポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨードを含み、前記主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨード含有量が10乃至10000ppmwであるポリアリーレンスルフィドを提供する。
また、本発明は、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる段階;および前記重合反応させる段階を進行しながら、ヒドロキシ基を有する芳香族化合物を追加的に添加する段階を含む前記ポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供する。
本発明はまた、前記ポリアリーレンスルフィドを含む成形品を提供する。
本発明は、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むことによって、他の高分子素材または強化材/充填材などと優れた相溶性を示す溶融重合型ポリアリーレンスルフィドを提供することができる。
このようなポリアリーレンスルフィドは、他の高分子素材または充填材などとのコンパウンディングを通じて、各用途に最適化した優れた物性を示すことができ、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を示すことができる。
したがって、このようなポリアリーレンスルフィドは、コンパウンディング用を含むより多様な用途に適用されて優れた物性および効果を示すことができる。
以下、発明の具体的な実施形態によるポリアリーレンスルフィド、その製造方法、およびこれを含む成形品について説明する。ただし、これは発明の一つの例示として提示されるものであり、これによって発明の権利範囲が限定されるのではなく、発明の権利範囲内で実施形態に対する多様な変形が可能であることは当業者に自明である。
本明細書全体において、特別な言及がない限り「含む」または「含有する」とは、ある構成要素(または構成成分)を特別な制限なしに含むことを称し、他の構成要素(または構成成分)の付加を除くものと解釈されない。
発明の一実施形態によれば、ポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基(End Group)中の少なくとも一部がヒドロキシ基(−OH)であり、前記ポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨードを含み、前記主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨード含有量が10乃至10000ppmwであるポリアリーレンスルフィドが提供される。
本発明者らは、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を溶融重合してポリアリーレンスルフィドを製造する過程で、他の高分子素材や充填材などとのより優れた相溶性を示して多様な素材とのコンパウンディングおよびこれを通じた各用途に合う最適化した物性の実現を可能にするポリアリーレンスルフィドを製造できる方法を研究した結果、本発明を完成した。
本発明者らの研究結果、従来に溶融重合方式で製造されたポリアリーレンスルフィドの場合、その主鎖末端がヨードと大部分のアリール基(代表的に、ベンゼン)からなっているため、主鎖末端に反応性基が実質的に存在せず、その結果、前記ポリアリーレンスルフィドが他の高分子素材またはガラス繊維など各種強化材や充填材との相溶性が落ちるという短所を示すようになることが確認された。
これに比べて、一実施形態のポリアリーレンスルフィドの場合、主鎖末端の少なくとも一部にヒドロキシ基(−OH)のような反応性基が導入されることによって、他の高分子素材や、充填材などとの優れた相溶性を示すことが確認された。例えば、前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、親水性基を高分子鎖に有しているナイロン(Nylon)樹脂、ポリエチレングリコール(PEG;Polyethyleneglycol)樹脂、ポリエチレンオキサイド(Polyethyleneoxide)樹脂、ポリエチレンイミン(Polyethyleneimine)樹脂、ポリビニルアルコール(Polyvinylalcohol)樹脂、またはヒドロキシ基と反応性を有するエチレングリシジルメタクリレート(Ethyleneglycidylmethacrylate)エラストマーなどの高分子素材や;ガラス繊維またはタルクなど親水性基を有する無機物などと優れた相溶性を示すことができる。これは高分子素材や無機物が有している親水性基や極性基と、ポリアリーレンスルフィド末端のヒドロキシ基とが強い極性結合乃至水素結合をなすためであると予測される。例えば、ガラス繊維のシラノール(silanol)基にあるヒドロキシ基とポリアリーレンスルフィドの主鎖末端に結合されたヒドロキシ基とが会って強い水素結合をなしたり、グリシジル基などエポキシ系官能基を有する高分子素材(例えば、エチレングリシジルメタクリレートエラストマーなど)のエポキシ環が開かれながらポリアリーレンスルフィドの主鎖末端に結合されたヒドロキシ基と結合して強い結合力を示すことができる。その結果、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、多様な高分子素材または充填材などと好適にコンパウンディング可能であり、多様な用途に適した最適化した物性を示す樹脂組成物および成形品の提供を可能にする。
また、前記ポリアリーレンスルフィドは、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を溶融重合して得られることによって、その主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨードを含み、このような主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨード含有量が約10乃至10000ppmw、あるいは約10乃至3000ppmw、あるいは約50乃至2000ppmwになってもよい。このような含有量は、以下の実施例のように、ポリアリーレンスルフィド試料を高温で熱処理した後、イオンクロマトグラフィーを利用して定量する方法で測定することができる。このとき、前記遊離ヨードとは、前記ジヨード芳香族化合物と、硫黄元素の重合過程で発生して、最終形成されたポリアリーレンスルフィドと化学的に分離された状態で共に残留するヨード分子、ヨードイオンまたはヨードラジカルなどを総称することができる。
これによって、このようなポリアリーレンスルフィドは、従来のマッカラム工程で製造されたポリアリーレンスルフィドの問題点を解決し、溶融重合で得られたポリアリーレンスルフィドの長所、例えば、副産物が発生せず、後加工が容易であり、機械的特性が優秀になるなどの長所をそのまま維持することができる。また、前記ポリアリーレンスルフィドは、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた耐熱性、耐化学性および優れた機械的物性を示すことができる。
前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、FT−IR分光法で分析したとき、FT−IRスペクトルで前記主鎖末端のヒドロキシ基に由来する約3300乃至3600cm−1のピークを示すことができる。このとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの強度は、主鎖末端基に結合されたヒドロキシ基の含有量に対応することができる。
一例によれば、前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度が約0.0001乃至10%、あるいは約0.005乃至7%、あるいは約0.001乃至4%、あるいは約0.01乃至3%になってもよい。このとき、前記1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークは、ポリアリーレンスルフィドの主鎖中に含まれているフェニレンなどのアリーレン基に由来するものになってもよい。前記ヒドロキシ基に由来する3300乃至3600cm−1のピークがアリーレン基(例えば、フェニレン基)に由来するピークの高さ強度に対して約0.0001乃至10%、あるいは約0.005乃至7%、あるいは約0.001乃至4%、あるいは約0.01乃至3%の高さ強度を示すことによって、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは他の高分子素材または充填材、例えば、親水性基を有する高分子素材または充填材などとのより優れた相溶性を示しながらも、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を維持することができる。
一方、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、融点が約265乃至290℃、あるいは約270乃至285℃、あるいは約275乃至283℃になってもよい。このような融点範囲を有することによって、ヒドロキシ基が導入され、溶融重合方式で得られた一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、優れた耐熱性および難燃性を示すことができる。
また、前記ポリアリーレンスルフィドは、数平均分子量が約5,000乃至50,000、あるいは約8,000乃至40,000、あるいは約10,000乃至30,000になってもよい。そして、前記ポリアリーレンスルフィドは、数平均分子量に対する重量平均分子量で定義される分散度が約2.0乃至4.5、あるいは約2.0乃至4.0、あるいは約2.0乃至3.5になってもよい。一実施形態のポリアリーレンスルフィドが前述の範囲の分散度および分子量を有することによって、優れた機械的物性および加工性などを示すことができ、より多様な用途で使用可能な多様な成形品として加工可能である。
そして、前述した一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、回転円板粘度計で300℃で測定した溶融粘度が約10乃至50,000poise、あるいは約100乃至20,000poise、あるいは約300乃至10,000poiseになってもよい。このような溶融粘度を示す一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、優れた加工性と共に、優れた機械的物性などを示すことができる。
例えば、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、ASTM D 638により測定した引張強度値が約100乃至900kgf/cm、あるいは約200乃至800kgf/cm、あるいは約300乃至700kgf/cmであってもよく、ASTM D 638により測定した伸び率が約1乃至10%、あるいは約1乃至8%、あるいは約1乃至6%になってもよい。また、前記ポリアリーレンスルフィドは、ASTM D 790により測定した屈曲強度値が約100乃至2000kgf/cm、あるいは約500乃至2000kgf/cm、あるいは約1000乃至2000kgf/cmになってもよく、ASTM D 256により測定した衝撃強度が約1乃至100J/m、あるいは約5乃至50J/m、あるいは約10乃至20J/mになってもよい。このように、一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、他の高分子素材または充填材などとの優れた相溶性を示しながらも、優れた機械的物性など諸般物性を示すことができる。
前述した一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、ポリビニルアルコール樹脂などのポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレングリコール樹脂またはポリエチレンオキサイド樹脂のようなポリエーテル系樹脂、ポリエチレンイミン樹脂のようなポリアルキレンイミン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロン樹脂などのポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂またはポリエステル系樹脂などの多様な熱可塑性樹脂;ポリ塩化ビニル系エラストマー、エチレングリシジルメタクリレートエラストマーなどのポリ(メタ)アクリレート系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーまたはポリブタジエン系エラストマーなどの多様な熱可塑性エラストマー;またはガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、ガラスビード、ガラスフレーク、タルクまたは炭酸カルシウムなどの多様な強化材/充填材と優れた相溶性を示すことができる。
より具体的な例において、前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、親水性基を高分子鎖中に有するナイロン樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂またはヒドロキシ基と反応性を有するエチレングリシジルメタクリレートエラストマーなどの高分子素材や;ガラス繊維またはタルクなど親水性基を有する無機物などと優れた相溶性を示すことができる。前述のように、これは高分子素材や無機物が有している親水性基や極性基と、ポリアリーレンスルフィド末端のヒドロキシ基とが強い極性結合乃至水素結合をなすためであるとみられる。したがって、前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドは、これら多様な他の高分子素材や充填材などとコンパウンディングされて優れた相乗効果を示すことができ、多様な用途に合う最適化した物性の実現が可能になる。
一例において、前記主鎖の末端基にヒドロキシ基が導入された一実施形態のポリアリーレンスルフィドの約90重量%と、エラストマーの約10重量%とをコンパウンディングすることによって、伸び率が約1.5%から約18.0%に大幅向上することが確認されており、前記一実施形態のポリアリーレンスルフィドの約60重量%と、ガラス繊維の約40重量%とをコンパウンディングすることによって、衝撃強度が約18J/mから約92J/mに大幅向上することが確認された。このようなコンパウンディングによる物性の向上により、一実施形態のポリアリーレンスルフィドが多様な他の高分子素材や充填材などと優れた相溶性を示し、これによる優れた相乗効果を示すことができることが確認される。
ただし、このような他の高分子素材または充填材などと一実施形態のポリアリーレンスルフィドをコンパウンディングするに当たり、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を維持するために、前記ポリアリーレンスルフィドの約10乃至99重量%、あるいは約50乃至90重量%と、前記熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよび充填材からなる群より選択された1種以上の約1乃至90重量%、あるいは約10乃至50重量%とを混合することが好ましい。このような混合物を二軸押出などの方法で成形して多様な用途に好適に適用可能な優れた物性を有する成形品を製造することができる。
一方、発明の他の実施形態により、前述したポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供される。このような他の実施形態の製造方法は、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる段階;および前記重合反応させる段階を進行しながら、ヒドロキシ基を有する芳香族化合物を追加的に添加する段階を含むことができる。
このような他の実施形態の製造方法において、前記ヒドロキシ基を有する芳香族化合物は、目標粘度に対する現在粘度の比率で重合反応の進行程度を測定したとき、前記ジヨード芳香族化合物と硫黄元素間の重合反応が約90%以上、あるいは約90%以上100%未満に進行された時(例えば、重合反応後期)に添加されてもよい。前記重合反応の進行程度は、得ようとするポリアリーレンスルフィドの分子量およびこれによる重合産物の目標粘度を設定し、重合反応の進行程度による現在粘度を測定して前記目標粘度に対する現在粘度の比率で測定することができる。このとき、現在粘度を測定する方法は、反応器のスケールに応じて当業者に自明な方法で決定することができる。例えば、相対的に小型の重合反応器で重合を進行する場合、反応器で重合反応が進行中であるサンプルを取って粘度計で測定することができる。これとは異なり、大型の連続重合反応器で重合を進行する場合、反応器自体に設置された粘度計で連続的、リアルタイムに現在粘度が自動測定され得る。
このように、前記ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる過程で、重合反応後期にヒドロキシ基を有する芳香族化合物を添加して反応させることによって、ポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基(End Group)中の少なくとも一部にヒドロキシ基が導入された一実施形態のポリアリーレンスルフィドを製造することができる。特に、前記重合反応後期にヒドロキシ基を有する芳香族化合物を追加的に添加して、主鎖末端基に適切な含有量のヒドロキシ基が導入されて他の高分子素材または充填材などとの優れた相溶性を示しながらも、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を有する一実施形態のポリアリーレンスルフィドが効果的に製造され得る。
一方、前記他の実施形態の製造方法において、前記ヒドロキシ基を有する芳香族化合物としては、ヒドロキシ基を有する任意のモノマー(単分子)形態の化合物を用いることができる。このようなヒドロキシ基を有する芳香族化合物のより具体的な例としては、2−ヨードフェノール(2−Iodophenol)、3−ヨードフェノール(3−Iodophenol)、4−ヨードフェノール(4−Iodophenol)、2,2’−ジチオジフェノール(2,2’−Dithiodiphenol)、3,3’−ジチオジフェノール(3,3’−Dithiodiphenol)または4,4’−ジチオジフェノール(4,4’−Dithiodiphenol)などが挙げられ、その他にも多様なヒドロキシ基を有する芳香族化合物を用いることができる。
また、前記ヒドロキシ基を有する芳香族化合物は、ジヨード芳香族化合物の約100重量部に対して約0.0001乃至10重量部、あるいは約0.001乃至7重量部、あるいは約0.01乃至2重量部で添加されてもよい。このような含有量でヒドロキシ基を有する芳香族化合物を添加して、主鎖末端基に適切な含有量のヒドロキシ基を導入することができ、その結果、他の高分子素材または充填材などとの優れた相溶性を示しながらも、ポリアリーレンスルフィド特有の優れた物性を有する一実施形態のポリアリーレンスルフィドが効果的に製造され得る。
一方、他の実施形態の製造方法においては、基本的にジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる方法でポリアリーレンスルフィドを製造し、これによって従来のマッカラム工程に比べてより優れた機械的物性などを有するポリアリーレンスルフィドが製造され得る。このようなポリアリーレンスルフィドは、前述のように主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨードを含み、前記主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨード含有量が約10乃至10000ppmwになってもよい。このような主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨード含有量は、以下の実施例のように、ポリアリーレンスルフィド試料を高温で熱処理した後、イオンクロマトグラフィーを利用して定量する方法で測定することができる。このとき、前記遊離ヨードは、前述のように、ジヨード芳香族化合物と、硫黄元素の重合過程で発生して、最終形成されたポリアリーレンスルフィドと化学的に分離された状態で共に残留するヨード分子、ヨードイオンまたはヨードラジカルなどを総称するものと定義され得る。
前記他の実施形態の製造方法において、前記重合反応に使用可能なジヨード芳香族化合物としては、ジヨード化ベンゼン(diiodobenzene;DIB)、ジヨード化ナフタレン(diiodonaphthalene)、ジヨード化ビフェニル(diiodobiphenyl)、ジヨード化ビスフェノール(diiodobisphenol)、およびジヨード化ベンゾフェノン(diiodobenzophenone)からなる群より選択される1種以上が挙げられるが、これに限定されず、このような化合物にアルキル基(alkyl group)やスルホン基(sulfone group)などが置換基で結合されていたり、芳香族基に酸素や窒素などの原子が含有されている形態のジヨード芳香族化合物も用いることができる。また、前記ジヨード芳香族化合物には、ヨード原子が付いた位置に応じて多様なジヨード化合物の異性体(isomer)があるが、この中でもパラ−ジヨードベンゼン(pDIB)、2,6−ジヨードナフタレン、またはp,p’−ジヨードビフェニルのようにパラ位置にヨードが結合された化合物がより適宜に使用可能である。
そして、前記ジヨード芳香族化合物と反応する硫黄元素の形態には特別な制限がない。通常、硫黄元素は、常温で原子8個が連結された環形態(cyclooctasulfur;S8)で存在するが、このような形態ではなくても商業的に使用可能な固体または液体状態の硫黄であれば特別な限定なしにすべて用いることができる。
また、前記反応物には、重合開始剤、安定剤、またはこれらの混合物を追加的に含めることができるが、具体的に使用可能な重合開始剤としては、1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン、メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール、シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド、およびブチルベンゾチアゾールスルフェンアミドからなる群より選択される1種以上を用いることができるが、前述した例に限定されない。
そして、前記安定剤としては、通常、樹脂の重合反応に用いられる安定剤であればその構成の限定はない。
一方、前記のような重合反応途中、重合がある程度なされた時点に重合停止剤を添加することができる。このとき、使用可能な重合停止剤は、重合される高分子に含まれるヨードグループを除去して重合を停止させることができる化合物であれば、その構成の限定はない。具体的には、ジフェニルジスルフィド(diphenyldisuldife)、ジフェニルエーテル(diphenyl ether)、ジフェニル(diphenyl)、ベンゾフェノン(benzophenone)、ジベンゾチアゾールジスルフィド(dibenzothiazole disulfide)、モノヨードアリール化合物(monoiodoaryl compound)、ベンゾチアゾール(benzothiazole)類、ベンゾチアゾールスルフェンアミド(benzothiazolesulfenamide)類、チウラム(thiuram)類、ジチオカルバメート(dithiocarbamate)類およびジフェニルジスルフィドからなる群より選択される1種以上であってもよい。
より好ましくは、前記重合停止剤は、ヨードビフェニル(iodobiphenyl)、ヨードフェノール(iodophenol)、ヨードアニリン(iodoaniline)、ヨードベンゾフェノン(iodobenzophenone)、2−メルカプトベンゾチアゾール(2−mercaptobenzothiazole)、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール(2,2’−dithiobisbenzothiazole)、N−シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(N−cyclohexylbenzothiazole−2−sulfenamide)、2−モルホリノチオベンゾチアゾール(2−morpholinothiobenzothiazole)、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(N,N−dicyclohexylbenzothiazole−2−sulfenamide)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(tetramethylthiuram monosulfide)、テトラメチルチウラムジスルフィド(tetramethylthiuram disulfide)、亜鉛ジメチルジチオカルバメート(Zinc dimethyldithiocarbamate)、亜鉛ジエチルジチオカルバメート(Zinc diethyldithiocarbamate)およびジフェニルジスルフィド(diphenyldisulfide)からなる群より選択される1種以上であってもよい。
一方、重合停止剤の投与時点は、最終重合させようとするポリアリーレンスルフィドの分子量を考慮してその時期を決定することができる。例えば、初期反応物内に含まれているジヨード芳香族化合物が約70乃至100重量%が反応して消耗された時点で投与することができる。
そして、前記のような重合反応は、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物の重合が開始可能な条件であればいかなる条件でも進行され得る。例えば、前記重合反応は、昇温減圧反応条件で進行され得るが、この場合、温度約180乃至250℃および圧力約50乃至450torrの初期反応条件で温度上昇および圧力降下を行って最終反応条件である温度約270乃至350℃および圧力約0.001乃至20torrに変化させ、約1乃至30時間進行することができる。より具体的な例としては、最終反応条件を温度約280乃至300℃および圧力約0.1乃至0.5torrにして重合反応を進行することができる。
一方、前述した他の実施形態によるポリアリーレンスルフィドの製造方法は、前記重合反応前に、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を溶融混合する段階を追加的に含むことができる。このような溶融混合は、前述した反応物がすべて溶融混合可能な条件であればその構成の限定はないが、例えば、約130℃乃至200℃、あるいは約160℃乃至190℃の温度で進行することができる。
このように重合反応前に溶融混合段階を進行して、その後に行われる重合反応をより容易に進行することができる。
そして、前述した他の実施形態によるポリアリーレンスルフィドの製造方法において、重合反応はニトロベンゼン系触媒の存在下で進行されてもよい。また、前述のように重合反応前に溶融混合段階を経る場合、前記触媒は溶融混合段階で追加されてもよい。ニトロベンゼン系触媒の種類としては、1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン、または1−ヨード−4−ニトロベンゼンなどが挙げられるが、前述した例に限定されるのではない。
一方、発明のまた他の実施形態により、前述した一実施形態のポリアリーレンスルフィドを含む成形品が提供される。このような成形品は、ポリアリーレンスルフィド単独で行われてもよく、他の高分子素材および/または強化材/充填材などを含んでもよい。前記ポリアリーレンスルフィドは、これら他の高分子素材および/または強化材/充填材などとの優れた相溶性を示すものであって、これらと混合(例えば、コンパウンディング)されて優れた物性を示す樹脂組成物または成形品の提供を可能にする。このとき、前記ポリアリーレンスルフィドとコンパウンディング可能な高分子素材および/または強化材/充填材などについては前述したとおりである。
また、このような成形品は、前記ポリアリーレンスルフィドの約10乃至99重量%、あるいは約50乃至90重量%と、前記熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよび充填材からなる群より選択された1種以上の約1乃至90重量%、あるいは約10乃至50重量%とを含むことができる。このような含有量範囲を充足する樹脂組成物を二軸押出などの方法で成形して多様な用途に好適に適用可能な優れた物性を有する成形品を得ることができる。
そして、前記また他の実施形態の成形品は、フィルム、シート、または繊維などの多様な形態になってもよい。また、前記成形品は、射出成形品、押出成形品、またはブロー成形品であってもよい。射出成形する場合の金型温度は、結晶化の観点で、約50℃以上、約60℃以上、あるいは約80℃以上になってもよく、試験片の変形の観点で、約190℃以下、あるいは約170℃以下、あるいは約160℃以下になってもよい。
そして、前記成形品がフィルムまたはシート形態になる場合、未延伸、一軸延伸、二軸延伸などの各種フィルムまたはシートで製造することができる。繊維としては、未延伸糸、延伸糸、または超延伸糸など各種繊維にし、織物、編物、不織布(スポンボンド、メルトブロー、ステープル)、ロープ、またはネットにして利用することができる。
このような成形品は、コンピュータ付属品などの電気・電子部品、建築部材、自動車部品、機械部品、日用品または化学物質が接触する部分のコーティング、産業用耐化学性繊維などとして利用することができる。
本発明において前記記載された内容以外の事項は、必要に応じて加減が可能であるため、本発明では特に限定しない。
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるのではない。
<実施例1:ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行されたとき(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾールを50g添加して1時間反応を進行した。次に、前記重合反応が90%進行された時、4−ヨードフェノール(4−Iodophenol)51gを添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような実施例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は約0.4%であることが確認された。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約1500ppmwに確認された。
<実施例2:ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行された時(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾールを50g添加して1時間反応を進行した。次に、重合反応が90%進行された時、4−ヨードフェノール(4−Iodophenol)25gを添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような実施例2のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は約0.24%であることが確認された。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約2000ppmwに確認された。
<実施例3:ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行された時(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾールを50g添加して1時間反応を進行した。次に、重合反応が90%進行された時、4,4’−ジチオジフェノール(4,4’−Dithiodiphenol)51gを添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような実施例3のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は約0.62%であることが確認された。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約500ppmwに確認された。
<実施例4:ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行された時(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾールを50g添加して1時間反応を進行した。次に、重合反応が90%進行された時、4,4’−ジチオジフェノール(4,4’−Dithiodiphenol)25gを添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような実施例4のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は約0.33%であることが確認された。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約1200ppmwに確認された。
<実施例5:ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行された時(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤としてジフェニルジスルフィドを30g添加して1時間反応を進行した。次に、重合反応が90%進行された時、4−ヨードフェノール(4−Iodophenol)25gを添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような実施例5のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は約0.27%であることが確認された。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約1800ppmwに確認された。
<実施例6:ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行された時(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤としてジフェニルジスルフィドを30g添加して1時間反応を進行した。次に、重合反応が90%進行された時、4,4’−ジチオジフェノール(4,4’−Dithiodiphenol)51gを添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような実施例6のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は約0.58%であることが確認された。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約600ppmwに確認された。
<実施例7:ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行された時(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤としてジフェニルジスルフィドを35g添加して1時間反応を進行した。次に、重合反応が90%進行された時、4−ヨードフェノール(4−Iodophenol)25gを添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような実施例7のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は約0.29%であることが確認された。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約800ppmwに確認された。
<実施例8:ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィドの合成>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行された時(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤としてジフェニルジスルフィドを35g添加して1時間反応を進行した。次に、重合反応が90%進行された時、4,4’−ジチオジフェノール(4,4’−Dithiodiphenol)13gを添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような実施例8のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記約3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は約0.26%であることが確認された。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約700ppmwに確認された。
<比較例1>
反応器の内温測定が可能なサーモカップル、そして窒素充填および真空をかけられる真空ライン付き5L反応器にパラジヨードベンゼン(p−DIB)5130g、硫黄450gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、220℃および350Torrの初期反応条件で始まり、最終反応温度は300℃、圧力は1Torr以下まで段階的に温度上昇および圧力降下を行い、硫黄を少量ずつ追加投入しながら重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行された時(このような重合反応の進行程度は「(現在粘度/目標粘度)×100%」の式で、目標粘度に対する現在粘度の相対比率で測定し、現在粘度は重合進行中のサンプルを採取して粘度計で測定した。)、重合停止剤として2,2’−ジチオビスベンゾチアゾールを50g添加して10分間窒素雰囲気下で反応を進行した後、0.5Torr以下に徐々に真空を加えて目標粘度に到達した後に反応を終了して、ヒドロキシ基を主鎖末端に含まないポリアリーレンスルフィド樹脂を合成した。反応が完了した樹脂を小型ストランドカッター機を用いてペレット形態に製造した。
このような比較例1のポリアリーレンスルフィド樹脂をFT−IRで分析してスペクトル上で、約3300乃至3600cm−1のヒドロキシ基ピークがないことを確認した。
また、以下に記述する方法でポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードと遊離ヨード含有量を測定し、その含有量は約2500ppmwに確認された。
<比較例2>
マッカラム工程で製造されたポリアリーレンスルフィドと、エラストマーがコンパウンディングされたDIC社のZ200製品を入手して比較例2とした。
〔試験例1:ポリアリーレンスルフィドの基本物性評価〕
実施例1乃至8および比較例1のポリアリーレンスルフィドの諸般物性を次の方法で評価した。
(融点(Tm))
示差走査熱量分析器(Differential Scanning Calorimeter;DSC)を利用して30℃から320℃まで10℃/minの速度で昇温後、30℃まで冷却後、再び30℃から320℃まで10℃/minの速度で昇温しながら融点を測定した。
(数平均分子量(Mn)および分子量分布(PDI))
1−クロロナフタレン(1−chloronaphthalene)に0.4wt%の濃度に250℃で25分間攪拌溶解したサンプルを高温GPC(Gel permeation chromatography)システム(210℃)で1−クロロナフタレン(1−chloronaphthalene)を1mL/minの流速で流しながら分子量が異なるポリアリーレンスルフィドを順次にコラム内で分離しながら、RI検出器(RI detector)を利用して分離されたポリアリーレンスルフィドの分子量別強度(Intensity)を測定し、予め分子量を知っている標準試料(Polystyrene)で検量線を作成して、測定サンプルの相対的な数平均分子量(Mn)および分子量分布(PDI)を計算した。
(溶融粘度(Poise))
溶融粘度(melt viscosity、以下、「MV」)は回転円板粘度計(rotating disk viscometer)で300℃で測定した。周波数掃引(Frequency sweep)方法で測定するに当たり、角周波数(angular frequency)を0.6から500rad/sまで測定し、1.84rad/sでの粘度を溶融粘度(M.V.)と定義した。
(主鎖結合ヨードおよび遊離ヨード含有量(ppmw))
主鎖結合ヨードおよび遊離ヨード含有量(ppmw)は、試料を高温で炉(furnace)を利用して焼いた後、ヨードをイオン化して蒸溜水に溶解する自動前処理装置(AQF)を通じて準備されたサンプルをイオンクロマトグラフィー(Ion Chromatography)を通じて予め分析された検量線を利用して試料中のヨードの含有量を測定した。
前記のような方法で測定された物性を下記表1にまとめた。
Figure 0006901480
〔試験例2:ポリアリーレンスルフィドの機械的物性評価〕
実施例1乃至8および比較例1のポリアリーレンスルフィドの機械的物性を次の方法で評価した。このような各物性の測定時、試片は次のような条件下で得た。
(試片製造条件)
ポリアリーレンスルフィド3kgを射出機(ENGEL ES75P、型締め力80トン、直径25mm)を利用してASTM D 638により試片を製造した。このとき、バレル温度は投入口から順次に270℃/300℃/300℃になるようにし、ノズル温度は300℃、金型温度は150℃になるようにした。
引張強度および伸び率
ASTM D 638法により、実施例1乃至8および比較例1により製造されたポリアリーレンスルフィド試片の引張強度および伸び率を測定した。
(屈曲強度および屈曲強度維持率)
ASTM D 790法により、実施例1乃至8および比較例1により製造されたポリアリーレンスルフィド試片の屈曲強度を測定した。そして、試片を280℃オーブンで100時間エイジング(aging)した後、屈曲強度を再び測定し、屈曲強度維持率(%)=[(エイジング後の屈曲強度)/(エイジング前の屈曲強度)]×100の式により屈曲強度維持率を算出した。
(衝撃強度(Izod))
ASTM D 256法により、実施例1乃至8および比較例1により製造されたポリアリーレンスルフィド試片の衝撃強度を測定した。
前記のような方法で測定された機械的物性を下記表2にまとめた。
Figure 0006901480
次の方法で、実施例1乃至8および比較例1のポリアリーレンスルフィドを他の成分とコンパウンディングした試片を製造した。
(ポリアリーレンスルフィドとガラス繊維のコンパウンディング)
重合した樹脂をそれぞれ乾燥し、小型二軸押出機を利用して、押出ダイ(Die)温度330℃、スクリュー(Screw)200rpm条件下で前記樹脂60重量部にガラス繊維(OWENS社の910)40重量部添加しながらコンパウンディングを施した。
(ポリアリーレンスルフィドとエラストマーのコンパウンディング)
押出ダイ(Die)温度300℃、スクリュー(Screw)200rpm条件下で前記樹脂90重量部にエラストマーであるAX8840(Arkema社製)を10重量部添加して混合押出を施した。
前記のように製造されたコンパウンディングした試片と、比較例2のコンパウンディング試片の機械的物性をポリアリーレンスルフィド試片に対する方法と同様な方法で評価して下記表3にまとめた。
Figure 0006901480
前記表2および3によれば、主鎖末端にヒドロキシ基が導入された実施例1のポリアリーレンスルフィドをガラス繊維とコンパウンディングすることによって、衝撃強度が約18J/mから約92J/mに大幅向上することが確認された。また、主鎖の末端基にヒドロキシ基が導入された実施例1のポリアリーレンスルフィドをエラストマーとコンパウンディングすることによって、引張伸び率が約1.5%から約18.0%に、衝撃強度が18J/mから約55J/mに大幅向上することが確認された。このようなコンパウンディングによる物性向上は他の実施例でも同等に確認された。
このようなコンパウンディングによる物性の向上から、実施例のポリアリーレンスルフィドが多様な他の高分子素材や充填材などと優れた相溶性を示し、これによる優れた相乗効果を示すことができることが確認された。
これに比べて、比較例のポリアリーレンスルフィドは、他の高分子素材や充填材との相溶性が劣悪で、コンパウンディングによる相乗効果があまり大きくないことが確認された。

Claims (18)

  1. ポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基(End Group)中の少なくとも一部がヒドロキシ基(−OH)であり、
    前記ポリアリーレンスルフィド主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨードを含み、
    前記主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨード含有量が10乃至10000ppmwであるポリアリーレンスルフィドとして、
    ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる段階;および
    前記重合反応させる段階を進行しながら、ヒドロキシ基を有する芳香族化合物を追加的に添加する段階を含む方法により製造され、
    前記ヒドロキシ基を有する化合物は、目標粘度に対する現在粘度の比率で重合反応の進行程度を測定した時、重合反応の進行程度が90%以上進行された時に添加され、
    前記ジヨード芳香族化合物が約70乃至100重量%が反応して消耗された時点で、前記反応物に重合停止剤が投入されるポリアリーレンスルフィド
  2. 前記主鎖に結合されたヨードおよび遊離ヨード含有量は、10乃至3000ppmwである、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  3. FT−IRスペクトル上で、3300乃至3600cm−1のピークを示す、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  4. FT−IRスペクトル上で、1400乃至1600cm−1で示される環伸縮(Ring stretch)ピークの高さ強度を100%にしたとき、前記3300乃至3600cm−1のピークの相対的高さ強度は0.01乃至3%である、請求項3に記載のポリアリーレンスルフィド。
  5. 融点が265乃至290℃である、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  6. 数平均分子量が5,000乃至50,000である、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  7. 回転円板粘度計で300℃で測定した溶融粘度が10乃至50,000poiseである、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  8. ASTM D 638により測定した引張強度値が100乃至900kgf/cmである、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  9. ASTM D 638により測定した伸び率が1乃至10%である、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  10. ASTM D 790により測定した屈曲強度値が100乃至2000kgf/cmである、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  11. ASTM D 256により測定した衝撃強度値が1乃至100J/mである、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド。
  12. 前記ヒドロキシ基を有する芳香族化合物は、2−ヨードフェノール(2−Iodophenol)、3−ヨードフェノール(3−Iodophenol)、4−ヨードフェノール(4−Iodophenol)、2,2’−ジチオジフェノール(2,2’−Dithiodiphenol)、3,3’−ジチオジフェノール(3,3’−Dithiodiphenol)または4,4’−ジチオジフェノール(4,4’−Dithiodiphenol)からなる群より選択された1種以上を含む、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド
  13. 前記ヒドロキシ基を有する芳香族化合物は、前記ジヨード芳香族化合物の100重量部に対して0.0001乃至10重量部で添加される、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド
  14. 前記ジヨード芳香族化合物は、ジヨード化ベンゼン、ジヨード化ナフタレン、ジヨード化ビフェニル、ジヨード化ビスフェノール、およびジヨード化ベンゾフェノンからなる群より選択された1種以上である、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド
  15. 前記重合反応させる段階は、温度180乃至250℃および圧力50乃至450torrの初期反応条件で温度上昇および圧力降下を行って最終反応条件である温度270乃至350℃および圧力0.001乃至20torrに変化させ、1乃至30時間進行する、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド
  16. 前記重合反応させる段階の前に、前記ジヨード芳香族化合物および前記硫黄元素を含む反応物を溶融混合する段階を追加的に含む、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドを含む成形品
  18. フィルム、シート、または繊維形態である、請求項17に記載の成形品
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