JP6901186B2 - 帯電防止剤・帯電防止方法・帯電防止用塗膜および帯電防止層形成用樹脂組成物・帯電防止方法 - Google Patents

帯電防止剤・帯電防止方法・帯電防止用塗膜および帯電防止層形成用樹脂組成物・帯電防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、帯電防止剤、この帯電防止剤を対象物に塗布または噴霧する帯電防止方法、およびこの帯電防止剤の塗布または噴霧により形成される帯電防止用塗膜、ならびに、帯電防止層形成用樹脂組成物およびこの帯電防止層形成用樹脂組成物を用いた帯電防止方法に関する。
物体は、物体同士の接触・摩擦または物体と空気との接触・摩擦により、静電気が発生して帯電する。物体同士の接触・摩擦では、物体の極性、接触・摩擦する物体の組み合わせ等に応じて、物体はプラスまたはマイナスに帯電し、また、物体と空気との接触・摩擦では、物体はプラスに帯電する。
物体が帯電すると、埃、塵等の空気中の浮遊物が付着しやすくなる等の問題が生じる。さらに、物体が衣服の場合には、衣服が身体にまとわりつく、衣服を脱ぐ際にパチパチと音がする等の問題が生じ、また、物体が車両等の移動体の場合には、移動体表面(その近傍も含む)に空気抵抗が生じる等の問題が生じる。
従来、衣服、樹脂成形品、自動車の車体等に適用される帯電防止方法として、特許文献1〜3に開示されるような、カチオン型帯電防止基剤、アンモニウム塩などの界面活性剤を添加した帯電防止剤を物体表面に塗布または噴霧する方法が知られている。また、特許文献4〜5に開示されるような、成形品の材料樹脂に特定のブロックポリマー、ブロック共重合体を含有する帯電防止剤を含有させる方法、および特許文献6に開示されるような、車両に、マイナスの空気イオンを生じさせる自己放電により中和徐電して低下させる自己放電式徐電器を設置する方法が知られている。
特許第4807945号公報 特許第2838229号公報 特許第4611626号公報 特許第5972190号公報 特許第5847433号公報 特許第6168157号公報
界面活性剤を添加した帯電防止剤を物体表面に塗布または噴霧する方法は、短期間、物体表面に帯電防止性を付与できるが、物体表面が摩擦・水洗されると、物体表面に付着した帯電防止剤が除去されるため、長期間にわたり帯電防止効果を維持することができない。成形品の材料樹脂に帯電防止剤を含有させる方法は、帯電防止性が必要とされる成形品表面だけでなく成形品全体に帯電防止剤を含有させることから、多量の帯電防止剤を使用するため費用を要し、また、成形品の物性・特性を損ねるおそれがある。車両に自己放電式徐電器を設置する方法は、特定の部位に自己放電式徐電器を設置する必要があり、費用・手間を要する。
本発明の課題は、前記のような先行技術の問題を解決することであり、具体的には、比較的少量の金属粒子の添加により、均一かつ優れた帯電防止効果を発揮できる帯電防止剤、この帯電防止剤を用いた帯電防止方法、およびこの帯電防止剤により形成された帯電防止用塗膜、ならびに、帯電防止層形成用樹脂組成物およびこの帯電防止層形成用樹脂組成物を用いた帯電防止方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の帯電防止剤、この帯電防止剤を用いた帯電防止方法、およびこの帯電防止剤により形成された帯電防止用塗膜、ならびに、帯電防止層形成用樹脂組成物およびこの帯電防止層形成用樹脂組成物を用いた帯電防止方法は、帯電防止作用を発揮する金属粒子として、ナノサイズの酸化スズ粉末を用いることを主たる特徴とするものである。
具体的には、本発明は次のような特徴を備えるものである。
<本発明の帯電防止剤>
1)車両等の移動体に塗布または噴霧して用いられる帯電防止剤であって、ナノサイズの酸化スズ粉末、バインダーおよび水を含有し、有機溶剤系の溶媒を含有せず、前記バインダーが、変性シリコーンであり、前記ナノサイズの酸化スズ粉末の配合量が、前記帯電防止剤全量に対して0.1質量%〜1.1質量%であることを特徴とする帯電防止剤。
2)前記ナノサイズの酸化スズ粉末の平均粒径が80nm以下であることを特徴とする、1)に記載の帯電防止剤。
3)前記ナノサイズの酸化スズ粉末が、平均粒径が50nm以下の球状粒子であることを特徴とする、1)に記載の帯電防止剤。
)前記変性シリコーンが、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、1)〜3)のいずれかに記載の帯電防止剤。
)前記帯電防止剤が、さらに単層のカーボンナノチューブを含有することを特徴とする、1)〜)のいずれかに記載の帯電防止剤。
)前記帯電防止剤が、さらに乳化剤を含有することを特徴とする、1)〜)のいずれかに記載の帯電防止剤。
<本発明の帯電防止剤を用いた帯電防止方法>
)1)〜)のいずれかに記載の帯電防止剤を対象物に塗布または噴霧することを特徴とする帯電防止方法。
<本発明の帯電防止用塗膜>
)1)〜)のいずれかに記載の帯電防止剤の塗布または噴霧により形成されることを特徴とする帯電防止用塗膜。
<本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物を用いた帯電防止方法>
)対象物を成形する成形金型のキャビティ面に、予めナノサイズの酸化スズ粉末および樹脂を含有する帯電防止層形成用樹脂組成物により樹脂層を形成しておき、前記対象物を成形する際に、前記対象物表面と前記樹脂層とを一体にすることを特徴とする、帯電防止方法。
10)前記帯電防止層形成用樹脂組成物が、さらに単層のカーボンナノチューブを含有することを特徴とする、9)に記載の帯電防止方法。
11)前記対象物がタイヤであることを特徴とする、9)または10)に記載の帯電防止方法
本発明の帯電防止剤は、帯電防止剤における帯電防止作用を発揮する金属粒子として、ナノサイズの酸化スズ粉末を用いることにより、比較的少量のナノサイズの酸化スズ粉末の添加により、安全で、均質で優れた帯電防止性を発揮できる。
本発明の帯電防止剤を用いた帯電防止方法は、本発明の帯電防止剤を対象物に塗布または噴霧することにより、対象物に安全で、均質で優れた帯電防止性を付与できる。
本発明の帯電防止用塗膜は、本発明の帯電防止剤の塗布または噴霧により形成されることにより、安全で、均質で優れた帯電防止性を発揮できる。
本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物は、対象物表面にナノサイズの酸化スズ粉末を含有する帯電防止層を形成することにより、対象物に経済的・効率的に、長期間にわたり帯電防止性を付与できる。
本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物を用いた帯電防止方法は、対象物表面に、ナノサイズの酸化スズ粉末および樹脂を含有する帯電防止層形成用樹脂組成物により帯電防止層を形成することにより、対象物に経済的・効率的に、長期間にわたり帯電防止性を付与できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔1.本発明の帯電防止剤〕
本発明の帯電防止剤は、その成分として、ナノサイズの酸化スズ粉末、バインダーおよび水、必要に応じて乳化剤を含有するものである。
<ナノサイズの酸化スズ粉末>
本発明の帯電防止剤は、帯電防止剤における帯電防止作用を発揮する金属粒子として、ナノサイズの酸化スズ粉末を用いることを主たる特徴とするものである。
従来、帯電防止剤には、帯電防止作用を発揮する金属粒子が添加されているが、本発明の帯電防止剤は、
a)金属粒子の金属材料として導電性に優れた酸化スズを用いることにより、比較的少量の添加で、帯電防止作用を発揮することができ、
b)酸化スズ粉末の粒径をナノサイズとすることにより、酸化スズ粉末の分散性を向上でき帯電防止作用を均一に発揮することができ、安全性の問題がなく、塗膜の着色のおそれがない、
等の優れた効果を発揮するものである。
酸化スズとしては、一般に市販されているものを用いることができる。酸化スズ粉末の形状は、球状、針状、管状または紐状とできる。「ナノサイズの酸化スズ粉末」は、粉末が球状粒子である場合には、平均粒径が80nm以下、好ましくは50nm以下であり、粉末が針状、管状または紐状である場合には、平均直径が80nm以下、好ましくは50nm以下である。
本発明では、導電性に優れた酸化スズを、分散性を向上できるナノサイズの粉末の形態で用いることにより、比較的少量の酸化スズ粉末の添加により優れた帯電防止性を発揮できる。
さらに、酸化スズ粉末をナノサイズとすることにより、酸化スズ粉末の分散性を向上でき、帯電防止作用を均一に発揮できる。
さらに、酸化スズ粉末をナノサイズとすることにより、単体分離により鉛等の不純物を除去でき酸化スズ粉末の純度を向上できることから、
1)酸化スズ粉末の分散性を均一化できるため、帯電防止作用をより均一に発揮できる、
2)鉛等の安全上問題のある不純物を除去できるため、安全性を高めることができる、
3)着色をもたらす不純物を除去できるため、塗膜が着色するおそれがない
等の優れた効果が発揮できる。
ナノサイズの酸化スズ粉末の配合量は、少なすぎると十分な帯電防止効果が得られず、多すぎると費用を要することから、費用対効果を考慮して適宜設定できるが、通常、帯電防止剤全量に対して0.1質量%〜1.1質量%、好ましくは0.3質量%〜0.9質量%、より好ましくは0.5質量%〜0.7質量%とする。
<バインダー>
本発明の帯電防止剤の成分であるバインダーは、帯電防止剤を対象物に塗布または噴霧した後、ナノサイズの酸化スズ粉末を対象物に定着させる役割をするものであり、対象物(衣服、車両の車体・タイヤ等)に応じて、適切なバインダーを選定できる。
対象物が車両等の移動体である場合には、ナノサイズの酸化スズ粉末を対象物に強固に定着させる必要があり、さらに、帯電防止性と共に撥水性・防汚性が発揮できることから、バインダーとして変性シリコーンを用いるのが好ましい。
変性シリコーンとしては、オイル状のものが好ましく、例えばアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンおよびアルキル変性シリコーンが挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、複数を組み合わせて用いることもできる。
また、帯電防止剤の導電性をさらに向上させるために、帯電防止剤に単層のカーボンナノチューブ(SWNT:Single−Walled Carbon Nanotube)を添加するのが好ましい。
また、変性シリコーンの水に対する溶解性・分散性を高めるために、側鎖または末端に親水性基を付加できるし、帯電防止剤に乳化剤を添加することもできる。
また、対象物が車両等の移動体である場合には、前記のように、対象物がプラスに帯電することから、変性シリコーンとして、水に溶解・分散したときに帯電防止剤がアニオン型となるものを用いるのが好ましい。
バインダーの配合量は、対象物の種類、ナノサイズの酸化スズ粉末に必要とされる定着力等に応じて適宜設定できるが、対象物が車両等の移動体であり、バインダーとして変性シリコーンを用いる場合には、帯電防止剤全量に対して30質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とする。
<水>
本発明の帯電防止剤の成分である水は、溶媒として、ナノサイズの酸化スズ粉末を分散させる役割をするものである。
水を溶媒として用いることにより、有機溶剤系の溶媒を用いた場合に比べ、帯電防止剤を使用できる環境、場面、対象物等が広がり、また手軽に帯電防止剤を使用できるようになる。
水の配合量は、対象物の種類、ナノサイズの酸化スズ粉末の分散性、乾燥に要する時間等を考慮して適宜設定できるが、通常、帯電防止剤全量に対して99質量%以下とするのが好ましい。
<乳化剤>
本発明の帯電防止剤には、ナノサイズの酸化スズ粉末の水に対する分散性、変性シリコーン等のバインダーの水に対する溶解性・分散性を高めるために、必要に応じて、乳化剤を添加できる。
乳化剤の種類および配合量は、上記ナノサイズの酸化スズ粉末の水に対する分散性、変性シリコーン等のバインダーの水に対する溶解性・分散性等を考慮して適宜選定・設定できるが、対象物が車両等の移動体である場合には、前記のように、対象物がプラスに帯電することから、乳化剤として、アニオン性の乳化剤を用いるのが好ましい。
<その他の配合成分>
本発明の帯電防止剤には、その性能に悪影響を及ぼさない範囲で、着色剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を配合できる。
〔2.本発明の帯電防止剤を用いた帯電防止方法〕
本発明の帯電防止剤を用いた帯電防止方法は、上記本発明の帯電防止剤を対象物に塗布または噴霧することを特徴とする。
塗布または噴霧方法は特に限定されず、公知の塗布または噴霧方法を適宜用いることができる。例えば、本発明の帯電防止剤を含ませた布等を用いて対象物表面を拭く方法、本発明の帯電防止剤を噴霧した対象物表面を布等で拭く方法等が挙げられる。
〔3.本発明の帯電防止用塗膜〕
本発明の帯電防止用塗膜は、上記本発明の帯電防止剤の塗布または噴霧により形成されることを特徴とするものであり、対象物表面に、ナノサイズの酸化スズ粉末がバインダーにより定着されたものである。
このようにして形成された帯電防止用塗膜は、対象物表面に静電気が生じた場合、対象物表面に定着したナノサイズの酸化スズ粉末により除電される。
さらに、バインダーとして上記の変性シリコーンを用いた場合には、帯電防止用塗膜は、帯電防止性と共に撥水性・防汚性を発揮する。
〔4.本発明の好適な適用例〕
本発明の帯電防止剤は、特に、車両等の移動体に好適に適用できる。この場合、上記のように、帯電防止剤として、変性シリコーン(バインダー)、ナノサイズの酸化スズ粉末、および水を含有し、帯電防止性と共に撥水性・防汚性を発揮するものが用いられる。
車両等の移動体においては、移動体が移動することによりその表面と空気との摩擦が生じ、静電気が発生する。特にバンパー、ガラス、タイヤ等の絶縁性部材は帯電しやすく、発生した静電気は空気抵抗を引き起こすため(特許文献6参照)、特に、レーシングカー等の高速度で移動する移動体では、この空気抵抗が移動体のスピードアップの妨げとなり、また、燃費の低下も引き起こす。
しかしながら、本発明の撥水性・防汚性を有する帯電防止剤を用いた場合には、移動体表面に、帯電防止性と共に撥水性・防汚性に優れた塗膜を形成できるため上記の問題を解消できる。さらに、ナノサイズの酸化スズ粉末を用いたことにより、透明で、着色のない塗膜が形成できるため移動体の外観を損なうことがなく、水を溶媒として用いたことにより、場所を選ばず、手軽に塗膜を形成できる。
また、このような塗膜は、移動体本体だけでなく、ヘルメット等の移動体の運転者が装着する物品にも同様に形成できる。
〔5.本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物〕
本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物は、その成分として、ナノサイズの酸化スズ粉末および樹脂を含有するものであり、対象物表面に帯電防止層を形成するために用いられるものである。本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物は、対象物表面にナノサイズの酸化スズ粉末を含有する帯電防止層を形成することにより、対象物に経済的・効率的に、長期間にわたり帯電防止性を付与できる。
また、帯電防止層形成用樹脂組成物の導電性をさらに向上させるために、単層のカーボンナノチューブ(SWNT:Single−Walled Carbon Nanotube)を添加するのが好ましい。
<ナノサイズの酸化スズ粉末>
本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物は、帯電防止作用を発揮する金属粒子として、ナノサイズの酸化スズ粉末を用いることにより、前記のように、比較的少量の酸化スズ粉末の添加により優れた帯電防止性を発揮できる、帯電防止作用を均一に発揮できる、安全性を高めることができる、塗膜が着色するおそれがない等の優れた効果が発揮するものである。
ナノサイズの酸化スズ粉末の配合量は、少なすぎると十分な帯電防止効果が得られず、多すぎると費用を要することから、費用対効果を考慮して適宜設定できるが、通常、帯電防止層形成用樹脂組成物全量に対して0.1質量%〜1.1質量%、好ましくは0.3質量%〜0.9質量%、より好ましくは0.5質量%〜0.7質量%とする。
<樹脂>
本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物の成分である樹脂は、ナノサイズの酸化スズ粉末を対象物に定着させる役割をするものであり、対象物(衣服、車両の車体・タイヤ等)に応じて、適切な樹脂を選定できる。
樹脂の配合量は、対象物の種類、ナノサイズの酸化スズ粉末に必要とされる定着力等に応じて適宜設定できる。
〔6.本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物を用いた帯電防止方法〕
本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物を用いた帯電防止方法の第1実施形態としては、対象物を成形する成形金型のキャビティ面に、予め上記本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物により樹脂層を形成しておき、対象物を成形する際に、対象物表面と樹脂層とを一体にする方法が挙げられる。第1実施形態の帯電防止方法は、対象物表面にナノサイズの酸化スズ粉末を含有する帯電防止層を形成することにより、対象物に経済的・効率的に、長期間にわたり帯電防止性を付与できる。
第1実施形態の帯電防止方法は、特に、タイヤ表面へのナノサイズの酸化スズ粉末を含有する帯電防止層の形成に好適に適用することができ、タイヤに経済的・効率的に、長期間にわたり帯電防止性を付与できる。
タイヤ表面にナノサイズの酸化スズ粉末を含有する帯電防止層を形成する場合、帯電防止層形成用樹脂組成物の成分の樹脂としては、各種樹脂を用いることができるが、ウレタン系樹脂、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとの重合体、ポリイソシアネートとポリエステルジオールの重合体等が好適に使用できる。このように、成形時にタイヤ表面に帯電防止層を形成することにより、タイヤに経済的・効率的に、長期間にわたり帯電防止性を付与できると共に、タイヤが酸素・オゾン等の外気環境の影響を受けて劣化するのを防止できる。
また、本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物を用いた帯電防止方法の第2実施形態としては、対象物の表面塗装層の最外層を、上記本発明の帯電防止層形成用樹脂組成物により形成する方法が挙げられる。
第2実施形態の帯電防止方法は、特に、車両等の移動体に適用することができ、車両等の移動体に経済的・効率的に、長期間にわたり帯電防止性を付与できる。

Claims (11)

  1. 車両等の移動体に塗布または噴霧して用いられる帯電防止剤であって、
    ナノサイズの酸化スズ粉末、バインダーおよび水を含有し、有機溶剤系の溶媒を含有せず、
    前記バインダーが、変性シリコーンであり、
    前記ナノサイズの酸化スズ粉末の配合量が、前記帯電防止剤全量に対して0.1質量%〜1.1質量%である
    ことを特徴とする帯電防止剤。
  2. 前記ナノサイズの酸化スズ粉末の平均粒径が80nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の帯電防止剤。
  3. 前記ナノサイズの酸化スズ粉末が、平均粒径が50nm以下の球状粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の帯電防止剤。
  4. 前記変性シリコーンが、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の帯電防止剤。
  5. 前記帯電防止剤が、さらに単層のカーボンナノチューブを含有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の帯電防止剤。
  6. 前記帯電防止剤が、さらに乳化剤を含有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の帯電防止剤。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の帯電防止剤を対象物に塗布または噴霧することを特徴とする帯電防止方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の帯電防止剤の塗布または噴霧により形成されることを特徴とする帯電防止用塗膜。
  9. 対象物を成形する成形金型のキャビティ面に、予めナノサイズの酸化スズ粉末および樹脂を含有する帯電防止層形成用樹脂組成物により樹脂層を形成しておき、前記対象物を成形する際に、前記対象物表面と前記樹脂層とを一体にすることを特徴とする、帯電防止方法。
  10. 前記帯電防止層形成用樹脂組成物が、さらに単層のカーボンナノチューブを含有することを特徴とする、請求項9に記載の帯電防止方法。
  11. 前記対象物がタイヤであることを特徴とする、請求項9または10に記載の帯電防止方法。
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