JP6901036B1 - 壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗ウイルス性及び耐汚染性を保持する壁紙を提供する。【解決手段】原紙層2と、発泡樹脂層3と、絵柄印刷層4と、抗ウイルス剤6を含む表面保護層5とがこの順に積層される壁紙1であって、表面保護層5の厚みDは10μm以上50μm以下であり、表面保護層5全体の質量に対して抗ウイルス剤6の添加量は3質量%以上20質量%以下であり、抗ウイルス剤6の平均粒径は0.1×D以上1.0×D以下を満足し、表面保護層5は表面保護層5を貫通する通気孔7を有する。通気孔7を設けることで、表面保護層5の比表面積が増加し、抗ウイルス剤6の一部が通気孔7の壁面から突起するため、抗菌及び抗ウイルス効果が高まる。また、表面保護層5の厚みが10μmであるため、その厚みは十分であり、耐汚染性が向上する。【選択図】図1

Description

本発明は、壁紙に関する。
従来、壁紙や、化粧シート等の表面保護層に抗ウイルス剤を添加し、抗ウイルス性能と表面保護層の透明性とを維持し、意匠性を保持するようにしたシート状物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017−210566号公報
従来の抗ウイルス性能を有するシート状物においては、表面保護層の厚みを、抗ウイルス剤の平均粒径と同等またはそれ以下とする場合が多い。これは、抗ウイルス効果を効果的に発揮させるためには、抗ウイルス剤の一部を表面保護層の表面から露出させる必要があるからである。
そのため、従来の抗ウイルス性能を有するシート状物においては、表面保護層の厚みを抗ウイルス剤の平均粒径以上に厚くすることが困難であった。
また、従来の抗ウイルス性能を有するシート状物において、表面保護層の厚みを、抗ウイルス剤の平均粒径と同等またはそれ以下とした場合、表面保護層の厚みは一般的に薄くなり、表面保護層における耐汚染性能が通常またはそれ以下となる場合が多い。これは、表面保護層の厚みが薄い場合には、表面保護層形成時に塗工ムラ等が生じたり、下層の凹凸形状が反映されたりするためである。
そのため、従来の抗ウイルス性能を有するシート状物には、耐汚染性能が十分でないといった課題があった。
また、従来の抗ウイルス性能を有するシート状物においては、抗ウイルス剤の添加量が一般的に少なく、必要な抗ウイルス性能を得るためには、抗ウイルス剤の添加量を増量する必要がある。
そのため、従来の抗ウイルス性能を有するシート状物には、高コストといった課題もあった。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、抗ウイルス性を保持すると共に、耐汚染性も保持することが可能な壁紙を提供することを目的としている。
上記目的を達成するべく、本発明の一態様によれば、原紙層と、発泡樹脂層と、絵柄模様を有する絵柄層と、抗ウイルス剤を含む表面保護層と、がこの順に積層される壁紙であって、前記表面保護層の厚みDは10μm以上50μm以下であり、前記表面保護層全体の質量に対して前記抗ウイルス剤の添加量は3質量%以上20質量%以下であり、前記抗ウイルス剤の平均粒径は0.1×D以上1.0×D以下を満足し、前記表面保護層は前記表面保護層を貫通する通気孔を有する壁紙が提供される。
本発明によれば、抗ウイルス性能と、耐汚染性能とを有する壁紙を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る壁紙の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<構成>
図1は、本発明に係る壁紙の一例を示す断面図であって、壁紙1は、原紙層2と、発泡樹脂層3と、絵柄印刷層(絵柄層)4と、表面保護層5と、がこの順に積層されてなる。また、壁紙1は、少なくとも表面保護層5を貫通する通気孔7を備えている。なお、壁紙1の層構成は、図1に示す層構成に限るものではなく、例えば壁紙1の表面に、凹凸模様を構成するエンボス模様を形成してもよい。また、絵柄印刷層4と表面保護層5との間に、アンカーコート層を設けてもよい。
<原紙層2>
原紙層2は、壁紙用として汎用されている一般紙からなり、坪量が50g/m以上100g/m以下である。原紙層2の厚みは、例えば12μmである。なお、原紙層2の厚みは、12μmに限定されない。
<発泡樹脂層3>
発泡樹脂層3は、非塩ビ系であり、原紙層2の上に積層される。
発泡樹脂層3は、樹脂成分と、充填剤と、発泡剤と、を少なくとも含有している。そして、発泡剤が発泡することで、発泡樹脂層3となる。なお、発泡樹脂層3は、さらに発泡助剤と、添加剤と、を含有したものであってもよい。
発泡樹脂層3の坪量を、80g/m以上100g/m以下に設定する。これは不燃性能を付与しつつ、意匠性を維持するためである。
発泡樹脂層3の厚みは、例えば100μmである。なお、発泡樹脂層3の厚みは、100μmに限定されない。
(樹脂成分)
発泡樹脂層3の樹脂成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体との少なくとも一方の樹脂を含有する非塩ビ系の樹脂を使用する。
エチレン共重合体に含有されるエチレン以外のモノマーの含有量としては、例えば、5質量%以上25質量%以下が好ましく、9質量%以上20質量%以下がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押し出し製膜性を向上させることが可能となる。
具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9質量%以上25質量%以下が好ましく、9質量%以上20質量%以下がより好ましい。また、エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5質量%以上25質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
また、エチレン−メタクリル酸共重合体は、アクリル酸の共重合比率(MAA量)としては2質量%以上15質量%以下が好ましく、5質量%以上11質量%以下がより好ましい。
上述した共重合比率を採用することにより、押し出し製膜性を向上させることが可能となる。
(充填剤)
充填剤としては、例えば、無機充填剤を用いることが可能である。
無機充填剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリン等を用いることが可能である。
充填剤の含有量は、発泡樹脂層3の樹脂成分100質量部に対し60質量部以上120質量部以下含有することが好ましい。この範囲で充填剤を添加することで、単位面積当たりの燃焼カロリーが低減して、より壁紙10の不燃性が向上する。
(発泡剤)
発泡剤は、揮発性膨張剤であり、2種類以上のニトリル系モノマーを構成単位とするポリマー、若しくは2種類以上のニトリル系モノマー及び非ニトリル系モノマーを構成単位とするポリマーの一方からなるシェルに内包して、熱膨張性マイクロカプセルの形で発泡樹脂層3を構成する樹脂成分に添加するのが、性能(発泡倍率、強度)の観点から好ましい。発泡剤としては、その他、アゾ系、ヒドラジッド系、ニトロソ系等が使用可能である。
発泡剤は、発泡樹脂層3を構成する樹脂成分100質量部に対して1質量部以上20質量部以下、好ましくは5質量部以上15質量部以下程度が良い。これは、1質量部でも、壁紙として機能するが、発泡樹脂層3の厚み不足でエンボスが十分に入らず、意匠性に劣るため、5質量部以上の添加が好ましい。
(顔料等)
発泡樹脂層3には、必要に応じて顔料等を添加して着色しても良い。顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料、アニリンブラック、フタロシアニンブルー等の有機顔料等を用いることが可能である。
顔料の添加量は、発泡樹脂層3全体の質量を基準として、無機顔料であれば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。有機顔料であれば、発泡樹脂層3全体の質量を基準として、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
(添加剤)
発泡樹脂層3には、必要に応じて、難燃剤、セル調整剤、安定剤、滑剤等の周知の添加剤を用いることが可能である。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤等を用いることが可能である。
<絵柄印刷層4>
絵柄印刷層4は、発泡樹脂層3上に積層される。絵柄印刷層4は、木目模様等の絵柄模様により表層側を加飾して発泡壁紙の意匠性を向上するために形成される。
絵柄印刷層4は、発泡樹脂層3の表面に印刷されることで形成される塗膜からなる。
絵柄印刷層4の厚みは、例えば1μmである。なお、絵柄印刷層4の厚みは、1μmに限定されない。
絵柄印刷層4は、壁紙1として一般的に求められるような耐光性、発色性、及び使用される成分の安全性の要件(顔料や添加剤として重金属や硫黄化合物を含まない等)を満たしていれば特に限定されるものではないが、アクリル重合体をベースレジンとする水系のインキ(所謂ハイドリックインキ)で形成されていることが特に好ましい。印刷法としては、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、インキジェット印刷法等を挙げることができる。また、印刷法は、上述した印刷法に限定されるものではなく、転写法、感光性樹脂法など、従来公知の任意の画像形成手段を適用することができる。
絵柄印刷層4の模様の種類は、任意であり、例えば、木目柄、石目柄、抽象柄等であってもよく、また、全面ベタ印刷等であってもよい。
<表面保護層5>
表面保護層5は、壁紙1の表面に、耐摩耗性や耐水性、また、抗ウイルス性を付与する目的で設けられるものである。本実施形態において、「抗ウイルス性を有する(付与する)」とは、ISO 21702に準じた抗ウイルス試験において、抗ウイルス活性値が2log10以上を示すことを意味する。また、後述する「抗ウイルス剤」とは、上述した抗ウイルス性を有する物質を意味する。
表面保護層5は、アクリル系樹脂を主成分とする樹脂からなり、絵柄印刷層4の表面の保護や艶調整等を主に意図して設けられ、艶調整等を目的としてシリカ等のフィラーをさらに含有することも可能である。くわえて、表面保護層5は、施工時に、水性接着剤(糊)が塗布された際の壁紙10の伸長を抑制すると共に、水性接着剤(糊)が乾燥する際の壁紙1の収縮を抑制することができるようになっている。また、表面保護層5は、撥水性を有していると好ましい。表面保護層5は、乾燥時の坪量が、5g/m以上40g/m以下であると好ましい。
上述したアクリル系樹脂を主成分とする樹脂は、グラビア印刷法、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法等によって、発泡前の発泡剤含有樹脂組成物上に塗工され得る。そして、加熱乾燥されることにより、表面保護層5として成膜される。なお、上記「発泡剤含有樹脂組成物」を発泡させることで、発泡樹脂層3が形成される。
表面保護層5には、銀を含む銀成分が添加された抗ウイルス剤6としての銀系添加剤(銀系材料)がさらに添加され、抗ウイルス性を付与している。これに加え表面保護層5には、塩素を含む成分が添加されていない。これは銀系添加剤の銀成分と、塩素との接触による変色を防止するためである。ここで、「銀系添加剤(銀系材料)」とは、添加剤全体の質量に対して、銀(Ag)成分を50質量%以上含む添加剤(材料)をいう。
表面保護層5の厚みDは、10μm以上50μm以下であることが好ましい。なお、ここでいう、表面保護層5の厚みDが10μmとは、9.5μm以上10.4μm以下を含む。同様に、表面保護層5の厚みDが50μmとは、49.5μm以上50.4μm以下を含む。つまり、表面保護層5の厚みDは、9.5μm以上50.4μm以下であることが好ましく、より好ましくは、12μm以上40μm以下である。また、表面保護層5の厚みDは、15μm以上30μm以下であればさらに好ましく、18μm以上25μm以下であれば最も好ましい。表面保護層5の厚みDが10μm以下であると、十分な表面強度を得ることができない。また、表面保護層5の厚みDが10μm以下であると、表面保護層5の塗工時における塗工ムラ等により、十分な耐汚染性を得ることができない場合がある。表面保護層5の厚みDが10μm以上であると、後述する通気孔7を設けることで表面保護層5の比表面積が増加し、壁紙表面に露出していない抗ウイルス剤6であっても抗ウイルス効果を発揮するようになる。つまり、通気孔7を設けることで、表面保護層5に添加した抗ウイルス剤6の一部が通気孔7の壁面に露出し、その露出した抗ウイルス剤6が抗ウイルス効果を発揮するようになる。その結果、抗ウイルス剤6の添加量をより少なくすることができるので、コストを抑えた抗ウイルス性壁紙を提供することができる。
さらに、表面保護層5の厚みDが10μm以上であれば、表面保護層5の厚みとしては十分に厚く、表面保護層5の塗工時における塗工ムラ等が低減されて、高い耐汚染性を維持することもできる。
なお、表面保護層5の厚みDが50μmを超えると、表面保護層5に通気孔7を形成することが困難になる場合がある。
表面保護層5は、例えばグラビアコート法を用いて、複数層からなる表面保護層を設けてもよい。この場合、複数層のうちの一部の層、例えば最表層に位置する表面保護層にのみ、抗ウイルス剤6を添加してもよく、中間に位置する層に抗ウイルス剤6を添加してもよい。なお、不燃性を付与すること等の目的で表面保護層5と絵柄印刷層4との間に、ポリ塩化ビニル樹脂層を設ける場合には、複数の表面保護層のうち、ポリ塩化ビニル樹脂層と隣接する表面保護層には、銀成分を含む抗ウイルス剤6を添加しない。表面保護層とポリ塩化ビニル樹脂層と隣接する層に銀成分を含む抗ウイルス剤6が添加されていないことで、積層界面での塩素と銀との接触を遮断することができ変色の原因を完全に絶つことができる。
(抗ウイルス剤6)
抗ウイルス剤は、上述のように銀系材料であることが好ましい。抗ウイルス剤としては、例えば、無機化合物のゼオライト、アパタイト、ジルコニアなどの物質に銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンのいずれかの金属イオンを取り込んで形成した抗菌性ゼオライト、抗菌性アパタイト、抗菌性ジルコニア等の無機系抗菌剤が使用できる。また抗ウイルス剤として、例えば、ジンクピリジオン、2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、10、10−オキシビスフェノキサノジン、有機チツソイオウハロゲン系、ピリジン−2−チオール−オキシド等の有機系抗菌剤が使用できるが、抗ウイルス効果の点で銀系抗ウイルス剤が優れている。
また、抗ウイルス剤は銀系材料が無機材料に担持されている構成であってもよい。「無機材料」としては、「ガラス」を使用するが、「無機材料」はガラスに限定されない。
銀成分(銀系材料)を無機物に担時させることで、経時での銀成分の脱落や、ポリ塩化ビニル層への転移を防ぐことができる。また、抗ウイルス剤6は、微粉砕された銀を含んだものであってもよい。
本実施形態で使用可能な抗ウイルス剤6としては、具体的には、ジヨードメチル複合体(商品名;PBM‐H7、MIC社製)や、水酸化カルシウム焼成物(商品名;スカロー、細菌研究所社製)、あるいは「ビオサイドTB−B100(商品名)」(株式会社タイショーテクノス製)が挙げられる。
(抗ウイルス剤6の平均粒径及び添加量との関係)
抗ウイルス性能を得るためには、抗ウイルス剤6の添加量が比較的多い方が好ましく、逆に表面強度は、抗ウイルス剤6の添加量が比較的小さい方が好ましく、添加量が多い場合には、十分な表面強度を得ることができない。具体的には、例えば表面保護層5の厚みDが10μm以上50μm以下であるときには、抗ウイルス剤6の添加量は表面保護層5全体の質量に対して3質量%以上20質量%以下であることが好ましい。抗ウイルス剤6の添加量が3質量%より小さいと、抗ウイルス性能を発揮することができず、20質量%より大きいと、表面強度を確保することができない。
なお、抗ウイルス剤6の添加量が表面保護層5全体の質量に対して3質量%以上20質量%以下であれば、表面保護層5に通気孔7を設けない場合であっても、表面保護層5に通気孔7を設けた場合に比べて抗ウイルス効果は低下するものの、使用上問題のない程度の抗ウイルス効果は得られる。
抗ウイルス剤6の平均粒径(μm)は、表面保護層5の厚みD(μm)の0.1倍以上1.0倍以下であることが好ましく、0.3倍以上0.4倍以下であることがより好ましい。抗ウイルス剤6の平均粒径が表面保護層5の厚みDの0.1倍以上1.0倍以下である場合、後述する通気孔7を設けた場合、銀成分の担時体である抗ウイルス剤6の一部が通気孔7の壁面表面から突起するため、抗菌及び抗ウイルス効果が高まる。抗ウイルス剤6の平均粒径が表面保護層5の厚みDの0.1倍より小さいと、抗ウイルス剤6の分散性が低下し、十分な抗ウイルス効果を得ることができず、1.0倍を超えると、表面硬度が低下する。
表面保護層5に添加する抗ウイルス剤6の平均粒径は、具体的には、2μm以上20μm以下が好ましく、より好ましくは、5μm以上12μm以下である。
また、上述した、平均粒径が表面保護層5の厚みDの0.1倍以上1.0倍以下である抗ウイルス剤6を「第1の抗ウイルス剤」とし、平均粒径が表面保護層5の厚みDの1.4倍以上1.6倍以下である抗ウイルス剤6を「第2の抗ウイルス剤」とした場合、表面保護層5は、第1の抗ウイルス剤と、第2の抗ウイルス剤とを含んでいてもよい。つまり、表面保護層5は、平均粒径の異なる2種類以上の抗ウイルス剤6を含んでいてもよい。第2の抗ウイルス剤を含むことで、表面保護層5の表面から第2の抗ウイルス剤が突起し、その第2の抗ウイルス剤が抗ウイルス効果を発揮するようになる。
また、第1の抗ウイルス剤の添加量と、第2の抗ウイルス剤の添加量との比(第1の抗ウイルス剤の添加量/第2の抗ウイルス剤の添加量)は、1.5以上10以下であればよく、2以上8以下であればより好ましく、3以上5以下であればさらに好ましい。上記数値範囲内であれば、通気孔7を設けた際に、高い抗ウイルス効果が得られる。
また、第1の抗ウイルス剤と第2の抗ウイルス剤とは、同じ種類の抗ウイルス剤(例えば、同じ種類の銀系抗ウイルス剤)であってもよいし、異なる種類の抗ウイルス剤であってもよい。
なお、表面保護層5に、抗ウイルス剤6が添加されている場合について説明したが、発泡樹脂層3にも、抗ウイルス剤6としての銀系添加剤を添加してもよい。これにより、摩耗等により発泡樹脂層3が露出した場合であっても、抗ウイルス性能を維持することができる。発泡樹脂層3に添加する抗ウイルス剤6の添加量は、発泡樹脂層3全体の質量に対して1質量%以上30質量%以下が好ましい。また抗ウイルス剤6の平均粒径は、2μm以上20μm以下が好ましく、より好ましくは、5μm以上12μm以下である。発泡樹脂層3に、抗ウイルス剤6を添加する場合には、発泡樹脂層3には、塩素を含む成分を添加しない。
(架橋構造)
表面保護層5は、架橋構造を有している。
表面保護層5を架橋構造とすることで、銀成分を含む抗ウイルス剤6の転移をブロックすることが可能となる。架橋構造は、紫外線や、電子線等の高エネルギで架橋させることで、架橋度を上げ、銀成分を含む抗ウイルス剤6の転移をさらに抑制することができる。
例えば、表面保護層5を架橋構造とするに当たり、電離放射線硬化型樹脂を使用可能であり、電離放射線硬化型樹脂としては、特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
<通気孔7>
壁紙1は、表面保護層5をその厚み方向に貫通する複数の通気孔(小孔、貫通孔とも呼ばれる)7を有する。各通気孔7は、表面保護層5を貫通している孔であればよく、絵柄印刷層4を貫通し、発泡樹脂層3に達する深さの孔であってもよい。通気孔7の深さは、例えば発泡樹脂層3の厚みの50%以上90%以下の範囲であってもよい。また、各通気孔7は、絵柄印刷層4及び発泡樹脂層3を貫通し、原紙層2に達する深さの孔であってもよい。
この通気孔7は、例えば1cm当たり4個から12個の数で設けられており、1cm当たり6個から10個の数で設けられていれば、より好ましい。上記数値範囲であれば、十分な抗ウイルス性能を維持しつつ、通気孔7が目立たないため意匠性を損ねない。
各通気孔7は、上記表層位置での平均開口径が直径10μm以上1000μm以下、好ましくは直径200μm以上500μm以下となるように調整されている。
通気孔7の開口径は大きければウイルス・菌の捕捉、吸着の効率は高まる。しかしながら、壁紙1では意匠性を損ねないことも重要であり、また表面強化性能等の表面保護層5本来の機能を損なわない範囲を考慮する必要がある。その結果、通気孔7の平均開口径としては、10μm以上1000μm以下の範囲であることが好ましい。なお、この数値を超えると、通気孔7が目立ち、意匠性を損ねることがある。また、壁紙1の表面強化性能が低下することがある。
通気孔7は、表面保護層5を作成した後、例えば針を刺すこと(所謂針孔エンボス)で形成する。その使用する針として、直径10μm以上1000μm以下の針を使用すればよい。針で開口した通気孔7は、模式図である図1のように、通常、壁紙の表面で一番開口し、先端に向けて開口断面が小さくなっている傾向にある。このため、針の径とほぼ等しいと推定される表層位置での平均開口径で通気孔7を規定している。また、針の先端の角度は、3度以上10度以下の範囲内である。なお、「平均開口径」とは、無作為に抽出した10個の通気孔7に対して測定された各開口径の平均値である。
こうして形成した通気孔7の形状は、表面保護層5の表面を底面とする円錐形であって、尖りの角度が3度以上10度以下となっている。
通気孔7は、絵柄印刷層4の絵柄と同調するように形成してもよい。通気孔7を絵柄印刷層4の絵柄に同調させることで、通気孔7が目立ちにくくなり、壁紙1の意匠性を維持することができる。
また、通気孔7は、絵柄印刷層4の絵柄部分にのみ形成し、絵柄部分以外には形成しないようにしてもよい。その場合であっても、通気孔7が目立ちにくくなり、壁紙1の意匠性を維持することができる。
また、壁紙1の表面にエンボス(凹凸形状)が形成されている場合には、その凹部のみに通気孔7を形成してもよい。通気孔7を凹部のみに形成することで、通気孔7が目立ちにくくなり、壁紙1の意匠性を維持することができる。さらには、壁紙1に接触することで、通気孔7の開口部が潰れて閉じることで生じる抗ウイルス効果の低下を防止することができる。
また、通気孔7を凹部のみに形成する場合には、通気孔7は、例えば1cm当たり4個から20個の数で設けられてもよく、1cm当たり10個から20個の数で設けられていればより好ましい。上記数値範囲であれば、意匠性及び抗ウイルス性の両方が優れたものとなる。
<実施形態の作用・効果>
実施形態の作用・効果は、次の通りである。
(1)本実施形態によれば、原紙層2と、発泡樹脂層3、絵柄印刷層4と、表面保護層5と、がこの順に積層されている壁紙1において、表面保護層5に抗ウイルス剤6を添加し、表面保護層の厚みDを10μm以上50μm以下とし、抗ウイルス剤の添加量を3質量%以上20質量%以下とし、抗ウイルス剤の平均粒径を0.1×D以上1.0×D以下とした。さらに、表面保護層5を貫通する通気孔7を設けた。
表面保護層5に通気孔7を設けることで表面保護層5の比表面積が増加し、表面保護層5の表面から露出する抗ウイルス剤6の量が増加する。そのため、抗ウイルス性能を向上させることができる。つまり、通気孔7を設けることで、表面保護層5に添加した抗ウイルス剤6の一部が通気孔7の壁面に露出し、その露出した抗ウイルス剤6が抗ウイルス効果を発揮するようになる。さらに、表面保護層5の厚みDが10μm以上であると、表面保護層5の厚みとしては十分に厚く、表面保護層5の塗工時における塗工ムラ等が低減されて、高い耐汚染性を維持することもできる。
(2)また、抗ウイルス剤6として銀系抗ウイルス剤を用いている。銀系抗ウイルス剤は、抗ウイルス効果の点で優れているため、より優れた抗ウイルス効果を有する壁紙1を実現することができる。
[実施例]
本発明に係る壁紙の効果を確認するために行った実施例を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例及び比較例の試験体の作製>
(実施例1)
《原紙層2》
天然パルプのみをパルプ成分とし、合成樹脂を含有しない紙(KJ特殊紙株式会社製「WK665TMN(品番)」を原紙層2として使用した。なお、坪量は65g/m、原紙層2の厚みは12μmである。
《発泡樹脂層3》
原紙層2の上に、アプリケーターを用いて、発泡樹脂層3となる、EVA(Ethylene-vinyl acetate エチレン酢酸ビニル)樹脂を、厚み100μmで塗工し、100度のオーブンで3分乾燥させた。EVA樹脂として、ジャパンコーティングレジン株式会社製のEVA樹脂を用いた。
《絵柄印刷層4》
乾燥させた発泡樹脂層3の上に絵柄印刷層4を形成した。具体的には、アクリル系樹脂を樹脂成分とする印刷インキ(大日精化工業株式会社製「ハイドリックWP(品番)」)を用い、グラビア印刷法により厚み1μmの絵柄印刷層4を形成した。
《表面保護層5》
絵柄印刷層4の上に、表面保護層5を形成した。具体的には、DIC株式会社製のアクリル樹脂「ATC−354(品番)」を厚み10μmとなるように塗工した。このアクリル樹脂には抗ウイルス剤6(ビオサイドTB−B100、銀系抗ウイルス剤)の添加量を3質量%としている。また、表面保護層5の厚み10μmに対する抗ウイルス剤6の平均粒径は、0.1×D(表面保護層5の厚みD:10μm)=1μmとした。
そして、次に180度のオーブンに30秒入れ、発泡樹脂層3を発泡させた。
最後に、表面保護層5を貫通する通気孔7を直径(開口径)5μm、1cm当たり10個の割合で設けた。通気孔7の形成には、直径5μm、先端角度5度の針を用いた。
これにより、発泡した発泡樹脂層3を有する、実施例1における壁紙1を作製した。
(実施例2)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.9×D(表面保護層5の厚みD:10μm)=9μmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例2における壁紙1を作製した。
(実施例3)
抗ウイルス剤6の添加量を20質量%としたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例3における壁紙1を作製した。
(実施例4)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.9×D(表面保護層5の厚みD:10μm)=9μmとしたこと以外は、実施例3の場合と同様にすることにより、実施例4における壁紙1を作製した。
(実施例5)
表面保護層5の厚みを20μmとし、抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.1×D(表面保護層5の厚みD:20μm)=2μmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例5における壁紙1を作製した。
(実施例6)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.9×D(表面保護層5の厚みD:20μm)=18μmとしたこと以外は、実施例5の場合と同様にすることにより、実施例6における壁紙1を作製した。
(実施例7)
抗ウイルス剤6の添加量を20質量%としたこと以外は、実施例5の場合と同様にすることにより、実施例7における壁紙1を作製した。
(実施例8)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.9×D(表面保護層5の厚みD:20μm)=18μmとしたこと以外は、実施例7の場合と同様にすることにより、実施例8における壁紙1を作製した。
(実施例9)
表面保護層5の厚みを50μmとし、抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.1×D(表面保護層5の厚みD:50μm)=5μmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例9における壁紙1を作製した。
(実施例10)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.9×D(表面保護層5の厚みD:50μm)=45μmとしたこと以外は、実施例9の場合と同様にすることにより、実施例10における壁紙1を作製した。
(実施例11)
抗ウイルス剤6の添加量を20質量%としたこと以外は、実施例9の場合と同様にすることにより、実施例11における壁紙1を作製した。
(実施例12)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.9×D(表面保護層5の厚みD:50μm)=45μmとしたこと以外は、実施例11の場合と同様にすることにより、実施例12における壁紙1を作製した。
(実施例13)
抗ウイルス剤6を、有機系の抗ウイルス剤であるジヨードメチル複合体(商品名;PBM‐H7、MIC社製)としたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例13における壁紙1を作製した。
(実施例14)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.9×D(表面保護層5の厚みD:10μm)=9μmとしたこと以外は、実施例13の場合と同様にすることにより、実施例14における壁紙1を作製した。
(実施例15)
発泡樹脂層3に抗ウイルス剤6(ビオサイドTB−B100)を0.5質量%の割合で添加し、発泡樹脂層3に達する通気孔7を設けた以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例15における壁紙1を作製した。
(実施例16)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.9×D(表面保護層5の厚みD:10μm)=9μmとしたこと以外は、実施例15の場合と同様にすることにより、実施例16における壁紙1を作製した。
(実施例17)
発泡樹脂層3における抗ウイルス剤6の添加量を1質量%としたこと以外は、実施例15の場合と同様にすることにより、実施例17における壁紙1を作製した。
(実施例18)
発泡樹脂層3における抗ウイルス剤6の添加量を30質量%としたこと以外は、実施例15の場合と同様にすることにより、実施例18における壁紙1を作製した。
(実施例19)
通気孔7の直径(開口径)を10μmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例19における壁紙1を作製した。
(実施例20)
通気孔7の直径(開口径)を1000μmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例20における壁紙1を作製した。
(実施例21)
表面保護層5の厚みを20μmとし、抗ウイルス剤6の添加量を7質量%とし、抗ウイルス剤6の平均粒径を、0.35×D(表面保護層5の厚みD:20μm)=7μmとし、通気孔7の直径(開口径)を500μmとし、発泡樹脂層3における抗ウイルス剤6の添加量を20質量%としたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、実施例21における壁紙1を作製した。
(比較例1)
通気孔7を設けなかった以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、比較例1における壁紙を作製した。
(比較例2)
通気孔7を設けなかった以外は、実施例2の場合と同様にすることにより、比較例2における壁紙を作製した。
(比較例3)
表面保護層5の厚みを9μmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、比較例3における壁紙を作製した。
(比較例4)
抗ウイルス剤6の添加量を2質量%としたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、比較例4における壁紙を作製した。
(比較例5)
抗ウイルス剤6の添加量を22質量%としたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、比較例5における壁紙を作製した。
(比較例6)
抗ウイルス剤6の平均粒径を、1.2×D(表面保護層5の厚みD:10μm)=12μmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にすることにより、比較例6における壁紙を作製した。
<評価判定>
作製した実施例1〜21及び比較例1〜6について、以下の方法で、抗ウイルス性能及び耐汚染性能、並びにコストの評価を行った。
(抗ウイルス性能)
ISO21702に準じた方法で、抗ウイルス試験を実施した。50mm四方の供試試料(サンプル)を滅菌シャーレ内に置き、0.4mLのウイルス液を試料上に接種した。このとき、ウイルス液は、エンペローブウイルス(インフルエンザウイルス)を含むウイルス液を使用した。その後、試料上に40mm四方のポリエチレンフィルムを被せた。シャーレに蓋をした後、温度25℃・湿度90%以上の条件で、試料とウイルスを接種させた。所定時間(24時間)後、10mLのSCDLP培地をシャーレに注ぎ、ウイルスを洗い出した。洗い出し液は、プラーク法にてウイルス感染価を測定した。
[ウイルス感染価の測定(プラーク法)]
宿主細胞を6ウェルプレート上に単層培養し、階段希釈した洗い出し液をウェルに0.1mLずつ接種した。5%CO・温度37℃の条件で1時間培養し、細胞にウイルスを吸着させた後、6ウェルプレートに寒天培地を注いでさらに2〜3日培養した。培養後、細胞を固定・染色し、形成したプラークの数を計測した。
[ウイルス感染価の算出]
以下の式に伴い、試料1cm当たりのウイルス感染価を算出した。
V=(10×C×D×N)/A
V:試料1cm当たりのウイルス感染価(PFU/cm
C:計測したプラーク数
D:プラークを計測したウェルの希釈倍率
N:SCDLP量
A:試料とウイルスの接触面積(ポリエチレンフィルムの面積)
[抗ウイルス活性値の算出]
以下の式に伴い、抗ウイルス活性値を算出した。ここで、抗ウイルス活性値が2log10以上の場合、抗ウイルス効果ありと判定した。
抗ウイルス活性値=log(Vb)−log(Vc)
Log(Vb):24時間後の無加工試料1cm当たりのウイルス感染価の常用対数値
Log(Vc):24時間後の抗ウイルス加工試料1cm当たりのウイルス感染価の常用対数値
算出した抗ウイルス活性値を以下の「◎」、「〇」、「×」の2段階で評価した。
[評価基準]
◎:抗ウイルス活性値3log10以上である場合(抗ウイルス効果あり、従来品に比べて極めて優れた抗ウイルス性能)
○:抗ウイルス活性値2log10以上である場合(抗ウイルス効果あり、従来品に比べて優れた抗ウイルス性能)
×:抗ウイルス活性値2log10未満である場合(抗ウイルス効果は、従来品と同程度の抗ウイルス性能)
なお、本評価が「◎」、「○」であれば優れた抗ウイルス性能を有するため、合格としたが、「×」であっても通常の抗ウイルス性能を有するため、使用上問題はない。
[評価結果]
評価結果を表1に示す。
(耐汚染性能)
サンプルに対して、赤色クレヨンを同一箇所で5往復(10mm×100mm程度)させた。24時間経過後、中性洗剤を使用し、歯ブラシまたはベンコットンで赤色クレヨンを拭き取った。その工程を3サイクル行った。
[評価基準]
◎:3サイクル後であっても汚れはほとんど落ちる。
○:3サイクル後であっても汚れはほとんど落ちる。ただし、赤色クレヨンの痕跡が僅かに残る。
△:3サイクル後であっても汚れはほとんど落ちる。だたし、赤色クレヨンの痕跡が、使用上問題がない程度には残る。
×:1サイクル目は汚れが落ちるが、2または3サイクル後には汚れが残る。
なお、本評価が「◎」、「○」、「△」であれば、使用上問題がないため、合格とした。
[評価結果]
評価結果を表1に示す。
(コスト)
従来品(現行品)である抗ウイルス性能を有するシート状物の製造コストと、各サンプルの製造コストとを比較した。
[評価基準]
◎現行品と半分程度のコスト
○:現行品よりも低コスト
△:現行品と同等のコスト
×:現行品よりも高コスト
なお、本評価が「◎」、「○」、「△」であれば、使用上問題がないため、合格とした。
[評価結果]
評価結果を表1に示す。
Figure 0006901036
表1中に表されるように、実施例1〜21、比較例1〜6の評価結果から、表面保護層5に通気孔7を形成しない場合(比較例1〜比較例2)には、良好な抗ウイルス性能を得られないことがわかる。また、抗ウイルス剤6の添加量が3質量%以上の条件を満足しない場合(比較例4)も良好な抗ウイルス性能を得られないことがわかる。
また、表面保護層5の厚みが10μm以上の条件を満足しない場合(比較例3)には、耐汚染性能を得られないことがわかる。また、抗ウイルス剤6の平均粒径が、1.0×D以下の条件を満足しない場合(比較例6)にも耐汚染性能を得られないことがわかる。
また、抗ウイルス剤6の添加量が20質量%以下の条件を満足しない場合(比較例5)には、高コスト化することがわかる。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、本発明の壁紙は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。
1 壁紙
2 原紙層
3 発泡樹脂層
4 絵柄印刷層
5 表面保護層
6 抗ウイルス剤
7 通気孔

Claims (10)

  1. 原紙層と、
    発泡樹脂層と、
    絵柄模様を有する絵柄層と、
    抗ウイルス剤を含む表面保護層と、
    がこの順に積層される壁紙であって、
    前記表面保護層の厚みDは10μm以上50μm以下であり、前記表面保護層全体の質量に対して前記抗ウイルス剤の添加量は3質量%以上20質量%以下であり
    前記表面保護層は前記表面保護層を貫通する通気孔を有し、
    前記抗ウイルス剤は、第1の抗ウイルス剤と、第2の抗ウイルス剤とを含み、
    前記第1の抗ウイルス剤の平均粒径は、0.1×D以上1.0×D以下を満足し、
    前記第2の抗ウイルス剤の平均粒径は、1.4×D以上1.6×D以下を満足することを特徴とする壁紙。
  2. 前記発泡樹脂層も前記抗ウイルス剤を含み、
    前記通気孔は前記発泡樹脂層に達していることを特徴とする請求項1に記載の壁紙。
  3. 前記発泡樹脂層における前記抗ウイルス剤の添加量は、前記発泡樹脂層全体の質量に対して1質量%以上30質量%以下であり、
    前記通気孔は前記発泡樹脂層を貫通していることを特徴とする請求項2に記載の壁紙。
  4. 前記抗ウイルス剤は銀成分を有する抗ウイルス剤であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の壁紙。
  5. 前記通気孔の前記表面保護層表面における平均開口径は10μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の壁紙。
  6. 前記第1の抗ウイルス剤の添加量と、前記第2の抗ウイルス剤の添加量との比(第1の抗ウイルス剤の添加量/第2の抗ウイルス剤の添加量)は、1.5以上10以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の壁紙。
  7. 前記通気孔は、前記絵柄層が有する絵柄模様と同調するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の壁紙。
  8. 前記通気孔は、前記絵柄層が有する絵柄部分にのみ形成され、前記絵柄部分以外には形成されていないことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の壁紙。
  9. 前記壁紙の表面には、凹凸形状をしたエンボスが形成されており、
    前記通気孔は、前記エンボスの凹部にのみ形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の壁紙。
  10. 前記通気孔は、1cm 2 当たり10個以上20個以下の範囲内で設けられており、
    前記通気孔は、前記原紙層に達する深さの孔であることを特徴とする請求項9に記載の壁紙。
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