JP6899090B2 - 定着ニップ用加圧装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着ニップ用加圧装置、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着ニップ用加圧装置、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、無端状の定着ベルトを介して対向配置される2つのニップ形成部材のうちの少なくとも一方を他方に向けて加圧することで定着ニップを形成する定着装置において、ベルト寄り検知手段の検知結果に基づき、定着ベルトの幅方向両端部間の加圧力の差を変更して定着ベルトの寄りを補正するものが知られている。
例えば、特許文献1には、定着ベルトを張架する2つの支持ローラのうちの一方の支持ローラに定着ベルトを押し付けるように押圧ローラを配置した定着装置が開示されている。この定着装置では、ベルト検知手段により検知した定着ベルトのベルト寄り方向に応じて、押圧ローラ及び支持ローラの少なくとも一方を所定の機構(加圧手段)により傾かせる。これにより、定着ベルトの幅方向両端部間の加圧力の差を変更して、定着ニップの幅(記録材搬送方向長さ)を定着ベルトの両端部間で異ならせ、定着ベルトを前記ベルト寄り方向とは反対側の方向へ移動させることにより、定着ベルトの寄りを補正する。
ところが、前記特許文献1に開示の定着装置は、支持ローラ及び押圧ローラ(2つのニップ形成部材)のうち、硬度の高い方のローラが他方のローラに押し込まれる。これにより、硬度の高い方のローラの外周面に沿って他方のローラが凹み、湾曲した曲面形状の定着ニップが形成される。このように曲面形状の定着ニップをもつ構成に対し、定着ニップ幅をベルト両端部間で異ならせて定着ベルトの寄りを補正する場合、シワが発生しやすいという課題が生じる。
上述した課題を解決するために、本発明は、無端状の定着ベルトを介して対向配置される2つのニップ形成部材のうちの少なくとも一方のニップ形成部材を加圧する加圧手段と、前記定着ベルトの寄りを検知するベルト寄り検知手段と、前記ベルト寄り検知手段の検知結果に基づいて、前記定着ベルトの両端部間における前記加圧手段の加圧力の差を変更する加圧力差変更手段とを備えた定着ニップ用加圧装置において、前記ベルト寄り検知手段は、前記定着ベルトの寄りに連動する被検知部材又は該定着ベルト自身が当該ベルト寄り検知手段の検知領域内を占有する占有比率が該定着ベルトの寄りに応じて変化するように構成され、該占有比率の変化に応じて変動する該検知領域内の色差情報を検知することにより該定着ベルトの寄りを検知するものであり、前記2つのニップ形成部材のうち、ニップ形成面の硬度が高い高硬度ニップ形成部材についてのニップ形成面を、略平面とし、前記色差情報は、L 色空間上の距離によって規定され、前記検知領域内に含まれる前記被検知部材又は定着ベルト自身の色と該検知領域内に含まれる残部の色との色差ΔEが25以上となるように、構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、定着ベルトの寄りを補正する際において、定着ベルトの両端部間における加圧手段の加圧力の差を変更しても、シワの発生が抑制されるという優れた効果が奏される。
実施形態における画像形成装置の概略構成を示す模式図である。 同画像形成装置における定着装置を示す模式図である。 従来の構成において形成される曲面形状の定着ニップを示す説明図である。 実施形態の定着装置における定着ニップ用加圧装置を示す模式図である。 同定着ニップ用加圧装置における加圧脱圧カムの駆動機構を示す模式図である。 同定着ニップ用加圧装置におけるカム回転位置検知手段を構成する第一スリット円盤の構成を示す模式図である。 同定着ニップ用加圧装置におけるカム回転位置検知手段を構成する第二スリット円盤の構成を示す模式図である。 定着ベルトのベルト幅方向への変位を規制するフランジ部材の構成を示す模式図である。 構成例1のベルト寄り検知手段を示す模式図である。 同ベルト寄り検知手段の主要部を示す拡大図である。 3種類の反射部材からの反射光を受光したときの反射型フォトセンサからの出力信号の信号パターンを示す説明図である。 構成例2におけるベルト寄り検知手段を示す説明図である。 同ベルト寄り検知手段に用いられるスリップリングの形状の一例を示す平面図である。 同ベルト寄り検知手段に用いられるスリップリングの形状の他の例を示す平面図である。 (a)〜(c)は、構成例3におけるベルト寄り検知手段を示す説明図であり、(a)は定着ベルトがL側へ寄った状態を示し、(b)は定着ベルトの幅方向位置が適正範囲内である状態を示し、(c)は定着ベルトがR側へ寄った状態を示す。 (a)〜(c)は、構成例4におけるベルト寄り検知手段を示す説明図であり、(a)は定着ベルトがL側へ寄った状態を示し、(b)は定着ベルトの幅方向位置が適正範囲内である状態を示し、(c)は定着ベルトがR側へ寄った状態を示す。 (a)及び(b)は、構成例5におけるベルト寄り検知手段を示す説明図であり、(a)は、定着ベルトの幅方向位置が適正範囲内である状態を示し、(b)は、定着ベルトがL側へ寄った状態を示す。 構成例6の加圧力差変更手段における駆動シャフトの一端を支持する偏心軸受部材を示す模式図である。 構成例6における定着ベルトのベルト寄りの補正動作を制御する制御系を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、構成例6における定着ベルトのベルト寄りの補正動作を示す説明図である。 (a)は、構成例7において、L側の加圧脱圧カムを駆動シャフトの軸方向(駆動ギヤ側)から見たときのカム形状を示す模式図である。(b)は、R側の加圧脱圧カムを駆動シャフトの軸方向(駆動ギヤ側)から見たときのカム形状を示す模式図である。 (a)は、L側の加圧脱圧カムにおける加圧プロファイルを示すグラフである。(b)は、R側の加圧脱圧カムにおける加圧プロファイルを示すグラフである。 図22(a)のグラフと図22(b)のグラフとを重ね合わせたグラフである。 構成例7における定着ベルトのベルト寄りの補正動作を制御する制御系を示すブロック図である。
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置における定着装置に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態の画像形成装置1は、複数の作像部が中間転写体としての中間転写ベルト11の回転方向に沿って並べて配置されたタンデム方式のカラープリンタある。ただし、本発明は、定着装置を備えた画像形成装置であれば、その方式が限定されることはなく、また、プリンタ以外の複写機、ファクシミリ装置などにも適用可能である。
本実施形態の画像形成装置1は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された各色の画像を担持する像担持体としての感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkが並設されたタンデム構造が採用されている。この画像形成装置1では、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに形成された各色画像(トナー像)が、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに対向して図中矢印A1の方向に回転する中間転写ベルト11に対し、互いに重なり合うように一次転写される。その後、中間転写ベルト11上の画像は、記録材としての記録紙Sに対して二次転写される。
各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkの周囲には、画像形成処理のための各種装置が配置されている。ブラック用の感光体ドラム20Bkを例に挙げて説明すると、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って、帯電装置30Bk、現像装置40Bk、一次転写ローラ12Bk、クリーニング装置50Bkが配置されている。帯電装置30Bkによる帯電処理後の感光体ドラムBk表面には、現像装置40Bkの現像処理前に、光書込装置8によって静電潜像が書き込まれる。中間転写ベルト11に対する二次転写処理では、一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkによる二次転写バイアスの印加によって、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bk上の各色画像が中間転写ベルト11上で互いに重なり合うように転写される。
画像形成装置1は、色毎の画像形成処理を行う4つの画像ステーションを備え、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkはそれぞれの画像ステーションに配置されている。4つの画像ステーションの上方には、中間転写ベルト11及び一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkを備えた転写ベルトユニット10が配置されている。また、転写ベルトユニット10の図中右側には、中間転写ベルト11に対して連れ回り回転する二次転写ローラ5が配置されており、転写ベルトユニット10の図中左側には、中間転写ベルト11の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置13が配置されている。
光書込装置8は、4つの画像ステーションの下方に配置されている。光書込装置8には、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラーおよび回転多面鏡などが設けられている。光書込装置8は、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに対して色毎に対応した書き込み光Lbを出射し、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bk上に静電潜像を形成する。なお、図1では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションに対する書き込み光のみに符号が付してある。
転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11、一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkの他に、中間転写ベルト11が掛け回されている弾性ローラ72及び従動ローラ73を有している。従動ローラ73は、中間転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、このため、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。このような転写ベルトユニット10と、一次転写ローラ12Y,12C,12M,12Bkと、二次転写ローラ5と、クリーニング装置13とで、転写装置71が構成されている。
中間転写ベルトクリーニング装置13は、詳細な図示を省略するが、中間転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有している。中間転写ベルトクリーニング装置13は、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取って除去し、中間転写ベルト11をクリーニングする。また、中間転写ベルトクリーニング装置13には、中間転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出するための排出手段が設けられている。
また、画像形成装置1には、積載された記録紙の束から記録紙Sを一枚ずつ送り出すシート給送装置61、シート給送装置61から給紙された記録紙Sを中間転写ベルト11と二次転写ローラ5との間に向けて所定のタイミングで繰り出すレジストローラ対4、記録紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知するセンサなどが設けられている。
シート給送装置61は、画像形成装置1の本体下部に配設されている。シート給送装置61は、積載された記録紙の束における最上位の記録紙Sの上面に当接する給送ローラ3を有し、給送ローラ3が図中反時計回り方向に回転駆動されることで、最上位の記録紙Sをレジストローラ対4に向けて給送する。
また、画像形成装置1には、中間転写ベルト11からの画像が二次転写された記録紙Sに画像を定着させるための定着装置100、定着装置100による定着処理後の記録紙Sを画像形成装置1の本体外部へ排出する排紙ローラ7、排紙ローラ7により画像形成装置1の本体外部に排出された記録紙Sを積載する排紙トレイ17と、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の補給用トナーが充填されたトナーボトル9Y,9C,9M,9Bkなどが設けられている。
次に、本実施形態の定着装置100について説明する。
図2は、本実施形態の定着装置100を示す模式図である。
本実施形態の定着装置100は、無端状の定着ベルト101と、定着ベルト101を介して対向配置されるニップ形成部材としてのニップ形成プレート102及び加圧ローラ103と、定着ベルト101を加熱する加熱手段としての加熱源104と、分離部材108とを備えている。ニップ形成プレート102は、定着ベルト101の内周面に接するように配置され、加圧ローラ103との間に定着ベルト101を挟持することで、ニップ形成プレート102のニップ形成面に接する定着ベルト部分と加圧ローラとの間に定着ニップNを形成する。分離部材108は、定着ニップNを通過した後の記録紙Sが定着ベルト101の表面に寄って搬送された際に、これを本来の記録紙搬送方向へ是正するためのものである。
定着ベルト101は、ニッケルやSUSなどの金属ベルトや、ポリイミドなどの樹脂材料を用いた樹脂ベルトなどからなるベルト状もしくはフィルム状の無端状部材である。定着ベルト101の表層は、PFAまたはPTFEなどからなる離型層を有し、トナーが付着しにくいように離型性を持たせる。定着ベルト101の基材と表層との間には、シリコーンゴムなどからなる弾性層を設けてもよい。弾性層を設けない場合には、熱容量が小さく、定着性を向上させることができる一方、定着ベルト表面の微小な凹凸が画像上に現れて、画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が発生する不具合が生じ得る。このような不具合を改善するには、例えば100[μm]以上の弾性層を設けるのが好ましい。弾性層の変形によって、定着ベルト表面の微小な凹凸が吸収され、ユズ肌画像が改善されるからである。
加熱源104は、定着ベルト101の内周面側に配置され、輻射熱によって定着ベルト101を加熱する。本実施形態の加熱源104は、2つのハロゲンヒータで構成されるが、ヒータの種類やヒータの数などは任意である。例えば、ハロゲンヒータに代えて、IH(Induction Heating)の構成を採用してもよいし、抵抗発熱体、カーボンヒータなどを採用してもよい。
加圧ローラ103は、芯金103aの周囲を弾性ゴム層103bで覆った弾性ローラであり、ニップ形成プレート102のニップ形成面よりも表面層の硬度が低いものである。加圧ローラ103は、中空のローラであってもよく、内部にハロゲンヒータなどの加熱源を有するものであってもよい。加圧ローラ103の弾性ゴム層103bは、ソリッドゴムでも良いが、内部にヒータが無い構成であればスポンジゴムを用いても良い。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり、定着ベルト101の熱が加圧ローラ103側に奪われにくくなるので、望ましい。
加圧ローラ103は、定着装置100の筐体に軸支され、画像形成装置本体に設けられたモータなどの駆動源からギヤを介して駆動力が伝達されて回転駆動される。定着ベルト101は、定着ニップNにおいて加圧ローラ103から回転駆動力が伝達され、加圧ローラ103の回転に伴って連れ回り回転する。このとき、定着ベルト101は、その内周面をニップ形成プレート102のニップ形成面に摺動させながら回転する。ニップ形成プレート102のニップ形成面と定着ベルト101の内周面との間には、摺動性を向上させるための摺動シート等の摺動性向上部材を介在させてもよい。
ニップ形成プレート102は、ステー部材105上に固定され、支持されている。ステー部材105は、ニップ形成プレート102が加圧ローラ103からの圧力を受けて撓むのを抑制して、定着ベルト101の幅方向に一様な定着ニップNを形成するための機能も備える。ステー部材105は、定着ベルト幅方向における両端部において、フランジ部材106に固定され、支持されている。加熱源104とステー部材105との間には、反射部材が備わっており、加熱源104からの輻射熱などによりステー部材105が加熱されて無駄なエネルギーを消費することが抑制されている。なお、この反射部材を備える代わりに、ステー部材105の表面に断熱処理もしくは鏡面処理を行ってもよい。また、ステー部材105が固定されたフランジ部材106には、定着ベルト両端部の内周面に当接して定着ベルト101を支持するベルト支持部107が固定されている(図8参照。)。
フランジ部材106は、定着装置100の筐体に対し、加圧ローラ103に接離する方向へ変位可能に支持されており、後述する定着ニップ用加圧装置によって加圧ローラ103に向けて付勢される。これにより、フランジ部材106に固定されたステー部材105によりニップ形成プレート102が加圧ローラ103に向けて加圧され、ニップ形成プレート102のニップ形成面に接する定着ベルト部分と加圧ローラとの間に、定着ニップNが形成される。
本実施形態におけるニップ形成プレート102のニップ形成面は実質的に平面で構成されている。ニップ形成プレート102のニップ形成面は、加圧ローラ103の弾性ゴム層103bよりも硬度が高いため、加圧ローラ103の弾性ゴム層103bは、ニップ形成プレート102のニップ形成面に沿って弾性変形する。したがって、本実施形態の定着ニップNは、ニップ形成プレート102のニップ形成面(平面)に沿って、実質的に平坦なものとなる。なお、ニップ形成面は、完全な平面である必要はなく、従来の2つのローラによって形成される曲面形状の定着ニップよりも曲率が十分に小さければ、凸状又は凹状の僅かな曲面形状をもつようにしてもよい。
一般に、例えば、図3に示すように2つのローラ102’,103’を互いに加圧するなどして、曲面形状の定着ニップが形成される従来の構成では、特に封筒などの二枚重ね紙において、シワが発生しやすいという問題がある。これは次の理由による。
曲面形状の定着ニップが形成される従来の構成では、定着ニップN内において、記録紙Sの表面側に接するローラ102’の表面上における定着ニップ入口から出口までの長さNL1が、記録紙Sの裏面側に接するローラ103’の表面上における長さNL2とは異なるものとなる(図3の例ではNL1<NL2となる。)。そのため、記録紙Sの表面側と裏面側との間で、定着ニップ入口に進入してから定着ニップ出口を出るまでの記録紙Sの搬送量に差が生じ、この差によってシワが発生し得る。
本実施形態においては、上述したとおり、定着ニップNが実質的に平坦なものとなるので、記録紙Sの表面側と裏面側との間で記録紙Sの搬送量に差が生じず、シワが発生しにくい。
また、本実施形態のような定着装置のように、熱容量の小さい定着ベルトを用いて定着処理を行う構成であれば、ウォームアップ時間の短い定着装置を実現することができる。
次に、本実施形態の定着装置100における定着ニップ用加圧装置の構成及び動作について説明する。
なお、本実施形態の定着ニップ用加圧装置は、ニップ形成プレート102を加圧ローラ103に向けて加圧するものであるが、加圧ローラ103をニップ形成プレート102に向けて加圧するものであっても、ニップ形成プレート102及び加圧ローラ103をお互いに加圧するものであってもよい。
図4は、本実施形態の定着ニップ用加圧装置200を示す模式図である。
本実施形態の定着ニップ用加圧装置200は、定着ベルト幅方向の両端側それぞれに、第一加圧レバー201、加圧スプリング202、第二加圧レバー203、加圧脱圧カム204を備えた2つの定着ニップ用加圧部200R,200Lを有する。なお、以下の説明において、符号RとLは、適宜、定着ベルト幅方向の端部を区別するために使用する。定着ニップ用加圧装置200は、定着処理時(通紙時)に定着ニップを形成するための加圧状態と、待機時(非通紙時)に加圧ローラ103の永久圧縮歪を防止するための脱圧状態とを切り換えるものである。
図5は、定着ニップ用加圧装置200における加圧脱圧カム204の駆動機構を示す模式図である。
定着ニップ用加圧部200R,200Lの各加圧脱圧カム204R,204Lは、共通の駆動シャフト205上に固定されている。駆動シャフト205は、定着装置100の筐体に軸受部材207R,207Lによって回転可能に支持されている。駆動シャフト205の一端には、駆動ギヤ206が取り付けられており、カム駆動モータの回転駆動力が駆動ギヤ206に伝達されて駆動シャフト205が軸回転し、これにより駆動シャフト205上の各加圧脱圧カム204R,204Lが回転する。
加圧脱圧カム204R,204Lは、それぞれ、図4に示すように、第二加圧レバー203の一端に設けられたカムフォロア203bに当接している。加圧脱圧カム204が回転すると、第二加圧レバー203が回動軸203aを中心に回動し、これにより第二加圧レバー203の他端に接続された加圧スプリング202の一端部が変位する。加圧スプリング202の他端部には、回動軸201aを中心に回動可能な第一加圧レバー201の一端部が接続されている。したがって、加圧脱圧カム204の回転により加圧スプリング202の一端部が変位すると、加圧スプリング202の他端部に接続された第一加圧レバー201の一端部に作用する加圧スプリング202の付勢力が変化し、第一加圧レバー201の加圧部201bがフランジ部材106を加圧する加圧力が変化する。
各加圧脱圧カム204の回転位置が、加圧脱圧カム204と第二加圧レバー203のカムフォロア203bとの当接位置と、加圧脱圧カム204の回転中心(駆動シャフト205の軸中心)との距離を最も近接させる回転位置であるとき、第一加圧レバー201の一端部に作用する加圧スプリング202の付勢力が最も小さくなり、脱圧状態にすることができる。一方、各加圧脱圧カム204の回転位置が前記距離を最も離間させる回転位置であるとき、第一加圧レバー201の一端部に作用する加圧スプリング202の付勢力が最も大きくなり、加圧状態にすることができる。
本実施形態の定着ニップ用加圧装置200によれば、カム駆動モータにより駆動シャフト205を軸回転させて各加圧脱圧カム204の回転位置を変更することにより、フランジ部材106を加圧する加圧力を変化させ、加圧状態と脱圧状態を切り換えることができる。また、加圧状態時における各加圧脱圧カム204の回転位置を調整することで、定着ニップNのニップ圧を調整することも可能である。
各加圧脱圧カム204の回転位置は、図5に示すように、駆動シャフト205に固定された2つのスリット円盤208a,208bと、2つの透過型フォトセンサ209a,209bとから構成されるカム回転位置検知手段によって検知することができる。2つのスリット円盤208a,208bは、駆動シャフト205の軸回転により、加圧脱圧カム204R,204Lと一体となって回転する。
図6は、第一スリット円盤208aの構成を示す模式図である。
第一スリット円盤208aには、検知エッジ部208cが形成されており、加圧脱圧カム204の回転位置が加圧状態であるときの回転位置である場合には、第一スリット円盤208aが第一透過型フォトセンサ209aの光路を塞ぐ。一方、加圧脱圧カム204の回転位置が脱圧状態であるときの回転位置である場合には、第一透過型フォトセンサ209aの光路は第一スリット円盤208aによって塞がれない。したがって、第一透過型フォトセンサ209aの受光量情報から、加圧状態と脱圧状態とを識別できる。第一透過型フォトセンサ209aの受光量情報は、駆動シャフト205に接続されるカム駆動モータを制御する制御部に送られる。
図7は、第二スリット円盤208bの構成を示す模式図である。
第二スリット円盤208bには、その回転方向に沿って複数の検知穴部208dが形成されている。加圧脱圧カム204の回転位置が変わることで、いずれかの検知穴部208dが第二透過型フォトセンサ209bの光路上に位置し、又は、第二透過型フォトセンサ209bの光路が第二スリット円盤208bによって塞がれる。第二透過型フォトセンサ209bの受光量情報から、加圧脱圧カム204のより詳細な回転位置を検知することができる。第二透過型フォトセンサ209bの受光量情報も、駆動シャフト205に接続されるカム駆動モータを制御する制御部に送られる。
次に、定着ニップ用加圧装置200を用いて、定着ベルト101のベルト寄りを補正する構成及び動作について説明する。
図8は、定着ベルト101のベルト幅方向への変位を規制するフランジ部材106の構成を示す模式図である。
定着ベルト101は、上述したように、定着ニップNにおいて加圧ローラ103から回転駆動力が伝達され、加圧ローラ103の回転に伴って連れ回り回転する。定着ベルト101を回転させると、定着ベルト101がベルト幅方向のいずれか一方へ変位するベルト寄りが発生し得る。本実施形態では、定着ベルト101のベルト寄りを規制するために、定着ベルト101の両端にそれぞれ対向するように、フランジ部材106R,106Lが設けられている。
定着ベルト101は、各フランジ部材106R,106Lに設けられるベルト支持部107R,107Lに内周面を摺動させながら回転する。定着ベルト101にベルト寄りが発生していない正常な状態では、定着ベルト101の各端部と各フランジ部材106R,106Lとの間には、それぞれ、クリアランスC(L),C(R)が存在し、定着ベルト101の端部とフランジ部材106R,106Lとが摺動することはない。一方、定着ベルト101にベルト寄りが発生すると、定着ベルト101の幅方向位置が変位し、定着ベルト101の端部がいずれかのフランジ部材106R,106Lに当接する。これにより、定着ベルトの幅方向への変位は妨げられ、定着ベルトのベルト寄りが規制される。
ただし、定着ベルト101が端部をフランジ部材106R,106Lに接触させたまま回転すると、定着ベルト101の端部が破損したり若しくは摩耗したり、又は、フランジ部材106R,106Lが破損したり若しくは摩耗したりするおそれがある。そのため、本実施形態においては、定着ベルト101にベルト寄りが発生したときに、そのベルト寄りを補正して、定着ベルト101の端部がフランジ部材106R,106Lに当接して、破損や摩耗などが生じるのを防止する。
〔ベルト寄り検知手段の構成例1〕
次に、定着ベルト101のベルト寄りを検知するベルト寄り検知手段の一例(以下、本構成例を「構成例1」という。)について説明する。
図9は、本構成例1におけるベルト寄り検知手段の基本構成を示す説明図である。
本構成例1のベルト寄り検知手段は、定着ベルト101の表面上の一端側領域でベルト一周にわたって配設された複数の反射部材(被検知部材)211と、複数の反射部材211が配設される当該一端側領域に対向するように配置された反射型フォトセンサ212とから構成されている。なお、定着ベルト101の回転中、反射型フォトセンサ212からは、高反射率である反射部材211からの反射光を受光したときのH信号と、反射部材211からの反射光を受光しないとき(低反射率である定着ベルト101の表面部分からの反射光を受光するとき)のL信号とが繰り返し出力される。そのため、反射型フォトセンサ212からの出力信号に基づいて、定着ベルト101の回転情報(回転方向位置、回転速度、回転角速度等)を検出することが可能である。
図10は、本構成例1のベルト寄り検知手段の主要部を示す拡大図である。
本構成例1において、定着ベルト101の表面上に配設される反射部材211は、図10に示すように、そのベルト幅方向位置の違いによって形状や寸法が異なる3種類の反射部材211a,211b,211cで構成されている。これにより、いずれの種類の反射部材が反射型フォトセンサ212の検知領域を通過するかによって、反射型フォトセンサ212からの出力信号の信号パターンが異なるものとなる。したがって、反射型フォトセンサ212からの出力信号の信号パターンに基づき、定着ベルト101のベルト幅方向位置(ベルト寄り)を検知することができる。
図11は、3種類の反射部材211a,211b,211cからの反射光を受光したときの反射型フォトセンサ212からの出力信号の信号パターンを示す説明図である。
本構成例1における3種類の反射部材211a,211b,211cは、定着ベルト周方向の長さが互いに異なるものである。このような3種類の反射部材211a,211b,211cを用いる場合、出力信号の立ち上がりと立ち下がりを検出することにより、いずれの種類の反射部材211a,211b,211cが反射型フォトセンサ212の検知領域を通過しているかを判別できる。
本構成例1では、第二反射部材211bが反射型フォトセンサ212の検知領域を通過している場合(パターン2の出力信号)は、定着ベルト101の幅方向位置がベルト寄りの補正を必要としない適正範囲内である。一方、第一反射部材211aが反射型フォトセンサ212の検知領域を通過している場合(パターン1の出力信号)は、定着ベルト101の幅方向位置がL側に寄った状態である。他方、第三反射部材211cが反射型フォトセンサ212の検知領域を通過している場合(パターン3の出力信号)は、定着ベルト101の幅方向位置がR側に寄った状態である。
本構成例1のベルト寄り検知手段によれば、1つの反射型フォトセンサ212の出力信号に基づいて、ベルト寄りの発生を検知できるだけでなく、いずれの方向へのベルト寄りが発生しているかを検知することができる。
〔ベルト寄り検知手段の構成例2〕
次に、定着ベルト101のベルト寄りを検知するベルト寄り検知手段の他の例(以下、本構成例を「構成例2」という。)について説明する。
図12は、本構成例2におけるベルト寄り検知手段を示す説明図である。
図13は、本構成例2におけるスリップリング213の形状の一例を示す平面図である。
本構成例2においては、定着ベルト101の各端部と各フランジ部材106R,106Lとの間に、従動部材としての従動回転部材であるスリップリング213R,213Lが配置されている。スリップリング213R,213Lは、ベルト支持部107の外周面の曲率半径よりもやや大きい半径をもつ円形開口部213aを備えており、ベルト支持部107の外周面の曲率中心と略同じ地点を回転中心にして、その円形開口部213aの内壁がベルト支持部107の外周面に沿って摺動しながら回転可能に設けられている。定着ベルト101のベルト寄りが発生して定着ベルト101の端部のベルト幅方向位置がフランジ部材106に近づき、定着ベルト101の端部がスリップリング213に接触すると、定着ベルト101の端部とスリップリング213との間の摩擦力によって、その定着ベルト101の回転に連動してスリップリング213が従動回転する。
このようなスリップリング213を設けることで、仮に定着ベルト101の寄りが発生したときにベルト寄りを補正しきれなくても、定着ベルト101の端部は、スリップリング213やフランジ部材106に対して摺動することがない。よって、定着ベルト101の端部が破損したり若しくは摩耗したりすることが抑制される。このとき、スリップリング213とフランジ部材106との間で摺動が発生し得るが、スリップリング213を、定着ベルト101の端部よりも摺動性の高いPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の高摺動性材料で形成することで、フランジ部材106R,106Lが破損したり若しくは摩耗したりすることも抑制される。
ただし、本実施形態では、定着ベルト101の寄りが発生したときにベルト寄りを補正する機能があるため、スリップリング213とフランジ部材106とが強く当たったり摺動が長時間継続したりする事態は生じない。したがって、従来のスリップリングほどの高摺動性は必要なく、より安価な材料のスリップリング213で代用できるので、コストを抑制できる。
本構成例2におけるベルト寄り検知手段は、このスリップリング213R,213Lを利用して定着ベルト101の寄りを検知するものである。具体的には、定着ベルト101の端部がスリップリング213R,213Lに接する位置に達したときのスリップリング213R,213Lの回転を検知することによって、定着ベルト101の寄りを検知する。
図13に示すスリップリング213の形状は、スリップリング213の回転中心O4を通る回転軸に直交する断面の外周形状が非円形である。具体的には、外周一周にわたって山形形状が連なっている形状である。このスリップリング213の形状は、スリップリング213の回転中心O4から規定距離(山部213bの頂部までの半径L1と谷部213cの底部までの半径L2との間)だけ離れた周回軌道上の一部に空間部(谷部213c)をもった形状である。この周回軌道に対向する位置には、図12に示すように、透過型フォトセンサ214R,214Lが配置されている。なお、山形形状の連なり数は任意である。
定着ベルト101の幅方向位置がベルト寄りの補正を必要としない適正範囲内である場合、定着ベルト101の各端部はいずれもスリップリング213R,213Lに接しないので、いずれのスリップリング213R,213Lも回転しない。よって、スリップリング213R,213Lの空間部(谷部213c)が透過型フォトセンサ214R,214Lの光路上に位置している場合には一定のH信号が出力し続け、また、スリップリング213R,213Lの本体部(山部213b)が透過型フォトセンサ214R,214Lの光路上に位置している場合には遮光されて一定のL信号が出力し続ける。したがって、いずれの透過型フォトセンサ214R,214Lの出力信号も信号レベルに時間変化がない場合には、定着ベルト101の幅方向位置がベルト寄りの補正を必要としない適正範囲内であることを検知できる。
一方、定着ベルト101の幅方向位置がL側に寄ったベルト寄りが発生した場合、定着ベルト101のL側端部がスリップリング213Lに接し、定着ベルト101の回転に伴ってスリップリング213Lが従動回転する。この場合、透過型フォトセンサ214Lの光路上を、スリップリング213Lの山部213bと谷部213cが交互に通過することにより、透過型フォトセンサ214Lからは、谷部213cが光路上を通過するときのH信号と、山部213bが光路上を通過するときのL信号とが繰り返し出力される。よって、透過型フォトセンサ214Lの出力信号に基づいて、定着ベルト101の幅方向位置がL側に寄ったベルト寄りが発生したことを検知することができる。
他方、定着ベルト101の幅方向位置がR側に寄ったベルト寄りが発生した場合、定着ベルト101のR側端部がスリップリング213Rに接し、定着ベルト101の回転に伴ってスリップリング213Rが従動回転する。この場合、透過型フォトセンサ214Rの光路上を、スリップリング213Rの山部213bと谷部213cが交互に通過することにより、透過型フォトセンサ214Rからは、谷部213cが光路上を通過するときのH信号と、山部213bが光路上を通過するときのL信号とが繰り返し出力される。よって、透過型フォトセンサ214Rの出力信号に基づいて、定着ベルト101の幅方向位置がR側に寄ったベルト寄りが発生したことを検知することができる。
なお、本構成例2のスリップリング213の形状は、外周一周にわたって山形形状が連なっているものであるが、外周形状が非円形のものであれば、例えば、楕円形状のもの、外周が一周にわたって波形形状が連なっているものなどであってもよい。ただし、スリップリング213の回転中心O4から規定距離(センサ検知領域までの距離)だけ離れた周回軌道上の一部に空間部をもつ形状とする。また、例えば、図14に示すように、スリップリング213を、当該周回軌道上に1又は2以上の開口部213dをもつ形状としてもよい。このとき、開口部213dの形状は丸穴でもよいし角穴でもよい。なお、予め片側に定着ベルト101を寄せるように構成されている場合には、スリップリングは片側だけで良い。
〔ベルト寄り検知手段の構成例3〕
次に、定着ベルト101のベルト寄りを検知するベルト寄り検知手段の更に他の例(以下、本構成例を「構成例3」という。)について説明する。
図15(a)〜(c)は、本構成例3におけるベルト寄り検知手段を示す説明図である。
ただし、図15(a)は、定着ベルト101がL側へ寄った状態を示し、図15(b)は、定着ベルト101の幅方向位置が適正範囲内である状態を示し、図15(c)は、定着ベルト101がR側へ寄った状態を示している。
本構成例3のベルト寄り検知手段は、図15(a)〜(c)に示すように、定着ベルト101がベルト寄り検知手段の検知領域S内を占有する占有比率が定着ベルト101の寄りに応じて変化するように構成されている。詳しくは、定着ベルト101の幅方向位置が適正範囲内である場合、図15(b)に示すように、検知領域S内には、定着ベルト101とその定着ベルト101が巻き付けられている被巻付部材としてのベルト支持部107とが存在する。定着ベルト101とベルト支持部107とでは、その表面の色が互いに異なるため、検知領域S内における定着ベルト101の占有比率が変化すると、これに応じて検知領域S内の色情報が変動する。本構成例3のベルト寄り検知手段は、検知領域S内の色情報を検知することにより、定着ベルト101の寄りを検知するものである。
具体的には、本構成例3のベルト寄り検知手段が用いる色情報は、一般的なカラーセンサ(測色器)215で検知領域S内を検知した検知データから得ることができる。本構成例3では、カラーセンサ215からの検知信号から、例えばL表色系の測色値(L値、a値、b値)を取得する。このようにして取得される測色値(L値、a値、b値)は、互いに色が異なる定着ベルト101とベルト支持部107との検知領域S内における割合(占有比率)が変わることで変動するので、この測色値(L値、a値、b値)から、定着ベルト101の幅方向位置(ベルト寄り)を検知することができる。
本構成例3では、例えば検知領域S内に定着ベルト101しか存在しない状態(図15(a)に示す状態)における測色値(L値、a値、b値)や、検知領域S内にベルト支持部107しか存在しない状態(図15(c)に示す状態)における測色値(L値、a値、b値)を、基準値として予め取得しておく。そして、カラーセンサ215からの検知信号から得た測色値(検出値)と基準値との色差ΔEを算出し、その色差ΔEに基づいて定着ベルト101の幅方向位置(ベルト寄り)を検知する。
ここでいう色差ΔEとしては、例えば、L表色系における色空間上での基準値と検出値との距離を用いることができ、この場合の色差ΔEは、下記の式(1)により求めることができる。なお、下記の式(1)において、ΔLは、基準値のL値と検出値のL値との差であり、Δaは、基準値のa値と検出値のa値との差であり、Δbは、基準値のb値と検出値のb値との差である。
ΔE = (ΔL*2+Δa*2+Δb*21/2 ・・・(1)
図15(a)に示す状態(定着ベルト101がL側へ寄った状態)の基準値に対する色差ΔEがゼロ又はその近傍の範囲内であれば、定着ベルト101がL側へ寄ったことを検知することができる。また、図15(c)に示す状態(定着ベルト101がR側へ寄った状態)の基準値に対する色差ΔEがゼロ又はその近傍の範囲内であれば、定着ベルト101がR側へ寄ったことを検知することができる。それ以外であれば、定着ベルト101はベルト寄りが発生していない適正範囲内であることを検知することができる。
本構成例3では、上述したように色差ΔEを利用して定着ベルト101の寄りを検知するため、定着ベルト101の色とベルト支持部107の色との色差ΔEは大きいことが好ましく、具体的にはΔE≧25であるのが好ましい。そのため、本構成例3では、定着ベルト101の色を青色とし、ベルト支持部107の色を黄色としているが、定着ベルト101とベルト支持部107との間の色の組み合わせは任意である。
本構成例3においては、検知領域内に含まれ得る定着ベルト101以外の残部がベルト支持部107となるように構成されているが、ベルト支持部107以外の部材(シール部材など)が残部となるように構成してもよい。
また、本構成例3においては、定着ベルト101自身が検知領域S内に含まれるように構成した例であるが、定着ベルト101自身に代えて、定着ベルト101の寄りに連動して変位する被検知部材が検知領域S内に含まれるように構成しても、同様である。
また、検知領域S内における定着ベルト101の占有比率の変化に応じて変動する検知領域S内の色情報を用いて定着ベルト101の寄りを検知するものであれば、色差ΔEを利用しない他のベルト寄り検知手段であってよい。例えば、特定波長帯(定着ベルト101の色に対応する波長帯)のみを検出するセンサを用い、そのセンサの検出値(特定波長帯の受光量情報)から定着ベルト101の寄りを検知するベルト寄り検知手段であってもよい。
〔ベルト寄り検知手段の構成例4〕
次に、定着ベルト101のベルト寄りを検知するベルト寄り検知手段の更に他の例(以下、本構成例を「構成例4」という。)について説明する。
図16(a)〜(c)は、本構成例4におけるベルト寄り検知手段を示す説明図である。
ただし、図16(a)は、定着ベルト101がL側へ寄った状態を示し、図16(b)は、定着ベルト101の幅方向位置が適正範囲内である状態を示し、図16(c)は、定着ベルト101がR側へ寄った状態を示している。
本構成例4のベルト寄り検知手段も、前記構成例3と同様、定着ベルト101自身がベルト寄り検知手段の検知領域S内を占有する占有比率が定着ベルト101の寄りに応じて変化するように構成されている。ただし、本構成例4では、検知領域S内における色情報を検知するのではなく、検知領域S内における温度情報を検知して、定着ベルト101の寄りを検知する。
すなわち、検知領域S内に含まれる定着ベルト101とベルト支持部107との間には、定着ベルト101が高温で、ベルト支持部107がこれによりも低い温度であるという関係がある。そのため、検知領域S内における定着ベルト101の占有比率が変化すると、これに応じて検知領域S内の温度情報が変動する。したがって、本構成例4のベルト寄り検知手段は、検知領域S内の温度情報を検知することにより、定着ベルト101の寄りを検知する。
具体的には、図16(a)に示す状態(定着ベルト101がL側へ寄った状態)の場合、検知領域S内には高温の定着ベルト101のみが存在するため、温度センサ216は、L側ベルト寄りの検知閾値を上回る温度を検知する。これにより、定着ベルト101がL側へ寄ったことを検知することができる。一方、図16(c)に示す状態(定着ベルト101がR側へ寄った状態)の場合、検知領域S内には低温のベルト支持部107のみが存在するため、温度センサ216は、R側ベルト寄りの検知閾値を下回る温度を検知する。これにより、定着ベルト101がR側へ寄ったことを検知することができる。他方、L側ベルト寄りの検知閾値以下であり、かつ、R側ベルト寄りの検知閾値以上の温度(検知領域S内に定着ベルト101のみが存在する場合の温度よりも、およそ30℃〜70℃程度低い温度)が、温度センサ216により検知されれば、定着ベルト101はベルト寄りが発生していない適正範囲内であることを検知することができる。
温度センサ216は、定着ベルト101の端部形状に制限されずに温度検知ができるように、非接触サーミスタなどの非接触式の温度センサであるのが好ましい。
また、本構成例4においては、定着ベルト101自身が検知領域S内に含まれるように構成した例であるが、定着ベルト101自身に代えて、定着ベルトからの熱が伝熱されてベルト支持部107よりも高温になり、かつ、定着ベルト101の寄りに連動する被検知部材が検知領域S内に含まれるように構成しても、同様である。
〔ベルト寄り検知手段の構成例5〕
次に、定着ベルト101のベルト寄りを検知するベルト寄り検知手段の更に他の例(以下、本構成例を「構成例5」という。)について説明する。
図17(a)及び(b)は、本構成例5におけるベルト寄り検知手段を示す説明図である。
ただし、図17(a)は、定着ベルト101の幅方向位置が適正範囲内である状態を示し、図17(b)は、定着ベルト101がL側へ寄った状態を示している。
本構成例5のベルト寄り検知手段は、定着ベルト101の端部に対して接触する接触式変位センサ217の接触子217aの変位に応じて、定着ベルト101の寄りを検知するものであり、接触式変位センサ217は定着ベルト101の各端部に対してそれぞれ設けられている。
定着ベルト101の幅方向位置がベルト寄りの補正を必要としない適正範囲内である場合、定着ベルト101の両端部に設けられる各接触式変位センサ217の接触子217aは、図17(a)に示すように、定着ベルト101が巻き付けられているベルト支持部107の表面に接するように位置する。いずれの接触式変位センサ217の検出信号も、接触子217aがベルト支持部107の表面に接する位置であることを示している場合には、定着ベルト101の幅方向位置がベルト寄りの補正を必要としない適正範囲内であることを検知できる。
一方、定着ベルト101の幅方向位置がL側に寄ったベルト寄りが発生した場合、L側の接触式変位センサ217Lの接触子217aが接していたベルト支持部107の表面上に定着ベルト101のL側端部が移動してくる。これにより、ベルト支持部107の表面上に接していた接触子217aは、図17(b)に示すように、定着ベルト101のL側端部の上に乗り上げた位置に位置することになる。この場合、L側の接触式変位センサ217Lの検出信号は、接触子217aがベルト支持部107の表面に接する位置から変位したことを示すものとなる。すなわち、本構成例であれば、ベルト支持部107の表面に接する位置よりも、定着ベルト101の端部上に乗り上げた位置の方が、接触式変位センサ217からの距離が近く、L側の接触式変位センサ217Lの検出信号は、接触子217aが近づく方向へ変位したことを示すものとなる。よって。このような検出信号をL側の接触式変位センサ217Lから取得した場合には、定着ベルト101の幅方向位置がL側に寄ったベルト寄りが発生したことを検知することができる。
他方、定着ベルト101の幅方向位置がR側に寄ったベルト寄りが発生した場合についても、L側のベルト寄りの場合と同様である。
なお、本実施形態における定着ベルト101の厚みは薄いものであるため、このような定着ベルト101をそのまま用いると、本構成例5では、ベルト支持部107の表面に接する位置と定着ベルト101の端部上に乗り上げた位置との間で接触子217aの変位量の差が小さく、安定したベルト寄りの検知が難しい。
そのため、本構成例5では、図17(a)及び(b)に示すように、定着ベルト101における端部の厚さが、ベルト幅方向中央部の厚さよりも厚くなるように構成している。このような構成であれば、一般に用いられているフィラーセンサ等を使用して安定したベルト寄りの検知が可能である。なお、定着ベルト101の端部の厚さを厚くする方法としては、定着ベルト101の端部材料の厚みを厚くする方法でもよいが、スペーサやリングといったカラー部材218等の付属部材を、定着ベルト101の本体における端部領域上に取り付ける方法でもよい。この付属部材は、定着処理時の熱によって変形しない程度の耐熱性をもつことが好ましく、また、軽量な樹脂等の弾性部材で形成することで、定着ベルト101本体に傷をつけることなく設置することができる。
また、本構成例5では、図17(a)及び(b)に示すように、定着ベルト101の端部が湾曲形状となっている。これにより、接触子217aが定着ベルト101の端部へ乗り上げる際、あるいは、定着ベルト101の端部から降りる際に、接触子217aの移動がスムーズになり、接触子217aの移動が妨げられて適切な検知ができない事態の発生を抑制している。
また、本構成例5においては、接触子217aが定着ベルト101の端部に接触する構成である例だが、定着ベルト101の端部ではなくて、定着ベルト101の寄りに連動して変位する被検知部材に接触する構成にしても、同様である。
〔加圧力差変更手段の構成例6〕
次に、定着ベルト101のベルト寄りを補正するために、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差を変更する加圧力差変更手段の一構成例(以下、本構成例を「構成例6」という。)について説明する。
本構成例6においては、定着ベルト101にベルト寄りが発生したら、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差を変更して、定着ベルト101のベルト寄りを補正する。本構成例6の加圧力差変更手段は、定着ニップ用加圧装置200における加圧脱圧カム204R,204Lが取り付けられた駆動シャフト205の傾斜角度を変更することにより、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差を変更するものである。
本構成例6の加圧力差変更手段は、駆動シャフト205を軸受けする軸受部材207R,207Lのうちの一方(本構成例6ではL側の軸受部材207L)として、図18に示すように、定着装置100の筐体側板220L(支持部材)に対する中心O1に対し、駆動シャフト205の回転中心O2が偏心量εだけ偏心した偏心軸受部材221を採用している。この偏心軸受部材221は、駆動シャフト205を軸回転可能に支持する内側軸受部221aが、筐体側板220Lに支持される外側軸受部221bに対して回転可能に構成されている。内側軸受部221aには、駆動ギヤ222が取り付けられており、偏心軸受駆動モータの回転駆動力が駆動ギヤ222に伝達されることで、内側軸受部221aを外側軸受部221bの中心O1の回りで回転(公転)させることができる。この偏心軸受駆動モータは、定着装置100に具備されていても良いし、定着装置100の外部に配置されていてもよい。
偏心軸受部材221における内側軸受部221aの回転位置は、駆動ギヤ222に固定された第三スリット円盤223と、第三透過型フォトセンサ224とから構成される偏心軸受回転位置検知手段によって検知される。スリット円盤223は、駆動ギヤ222と一体となって回転する。第三スリット円盤223には、その回転方向に沿って複数の検知穴部が形成されており、内側軸受部221aの回転位置が変わることで、いずれかの検知穴部が第三透過型フォトセンサ224の光路上に位置し、又は、第三透過型フォトセンサ224の光路が第三スリット円盤223によって塞がれる。したがって、第三透過型フォトセンサ224の受光量情報から、内側軸受部221aの回転位置を検知することができる。第三透過型フォトセンサ224の受光量情報は、偏心軸受駆動モータを制御する制御部に送られる。
図19は、本構成例6における定着ベルト101のベルト寄りの補正動作を制御する制御系を示すブロック図である。
制御部300は、画像形成装置本体の上位制御部からの制御命令により定着装置100を待機にする場合、カム回転位置検知手段の第一透過型フォトセンサ209a及び第二透過型フォトセンサ209bの検知結果に基づき、カム駆動モータ210を制御する。これにより、駆動シャフト205を回転させて、定着ベルト101の両側に配置された各加圧脱圧カム204の回転位置を、加圧スプリング202の付勢力が最も小さくなる回転位置へ移動させ、脱圧状態にする。
一方、制御部300は、画像形成装置本体の上位制御部からの制御命令により定着装置100を稼働状態にする場合、カム回転位置検知手段の第一透過型フォトセンサ209a及び第二透過型フォトセンサ209bの検知結果に基づき、カム駆動モータ210を制御する。これにより、駆動シャフト205を回転させて、定着ベルト101の両側に配置された各加圧脱圧カム204の回転位置を、加圧スプリング202の付勢力が最も大きくなる回転位置へ移動させ、加圧状態にする。
定着装置100においては、加圧状態で加圧ローラ103及び定着ベルト101を回転させながら定着処理を行う。定着ベルト101の回転中、制御部300は、ベルト寄り検知手段の反射型フォトセンサ212からの出力信号を受信し、その出力信号の信号パターンに基づいて、定着ベルト101のベルト幅方向位置(ベルト寄り)を検知する。そして、制御部300は、その検知結果に基づき、偏心軸受部材221の内側軸受部221aの回転位置を制御して、定着ベルト101のベルト寄りを補正する制御を実行する。
図20(a)〜(c)は、本構成例6における定着ベルト101のベルト寄りの補正動作を示す説明図である。
制御部300は、ベルト寄り検知手段の反射型フォトセンサ212からの出力信号に基づいて定着ベルト101にベルト寄りが発生していないと判断する場合、図20(a)に示すように、駆動シャフト205が定着装置100の筐体側板220R,220Lに対して垂直になるようにする。具体的には、制御部300は、第三透過型フォトセンサ224の検知結果に基づいて偏心軸受駆動モータ225を制御し、偏心軸受部材221の内側軸受部221aを外側軸受部221bの中心O1の回りで回転(公転)させ、内側軸受部221aが支持している駆動シャフト205の一端側が、軸受部材207Rによって支持されている駆動シャフト205の他端側と同じ高さとなるように調整する。
この場合、駆動シャフト205上の各加圧脱圧カム204R,204Lが定着ベルト101の両側に配置された各第二加圧レバー203を回動させて加圧スプリング202の一端部が変位する量は同じである。したがって、定着ベルト101の両側に配置された各第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力も同じであり、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力に差は生じない。
一方、制御部300は、ベルト寄り検知手段の反射型フォトセンサ212からの出力信号に基づいて定着ベルト101にL側のベルト寄りが発生したと判断する場合、駆動シャフト205を図20(b)に示すように傾けるようにする。定着ベルト101にL側のベルト寄りが発生したか否かの判断は、例えば、定着ベルト101の各端部と各フランジ部材106R,106Lとの間のクリアランスC(L),C(R)の差(C(R)−C(L))が所定の閾値Tを超えたか否かによって判断することができる。
定着ベルト101にL側のベルト寄りが発生したと判断する場合、制御部300は、第三透過型フォトセンサ224の検知結果に基づいて偏心軸受駆動モータ225を制御する。そして、偏心軸受部材221の内側軸受部221aを外側軸受部221bの中心O1の回りで回転(公転)させ、内側軸受部221aが支持している駆動シャフト205の一端側が、軸受部材207Rによって支持されている駆動シャフト205の他端側よりも高い位置となるように調整する。
この場合、駆動シャフト205上のL側の加圧脱圧カム204Lが第二加圧レバー203を回動させてL側の加圧スプリング202の一端部を変位させる変位量が、R側の変位量よりも多くなる。その結果、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差が生じ、L側に配置された第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力は、R側に配置された第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力よりも大きくなる。これにより、定着ベルト101には、この加圧力の差によって、その幅方向位置をL側からR側へ移動させる力が作用し、定着ベルト101に生じたL側のベルト寄りを補正することができる。
他方、制御部300は、ベルト寄り検知手段の反射型フォトセンサ212からの出力信号に基づいて定着ベルト101にR側のベルト寄りが発生したと判断する場合、駆動シャフト205を図20(c)に示すように傾けるようにする。定着ベルト101にR側のベルト寄りが発生したか否かの判断は、例えば、定着ベルト101の各端部と各フランジ部材106R,106Lとの間のクリアランスC(L),C(R)の差(C(L)−C(R))が所定の閾値Tを超えたか否かによって判断することができる。
定着ベルト101にR側のベルト寄りが発生したと判断する場合、制御部300は、第三透過型フォトセンサ224の検知結果に基づいて偏心軸受駆動モータ225を制御する。そして、偏心軸受部材221の内側軸受部221aを外側軸受部221bの中心O1の回りで回転(公転)させ、内側軸受部221aが支持している駆動シャフト205の一端側が、軸受部材207Rによって支持されている駆動シャフト205の他端側よりも低い位置となるように調整する。
この場合、駆動シャフト205上のL側の加圧脱圧カム204Lが第二加圧レバー203を回動させてL側の加圧スプリング202の一端部を変位させる変位量が、R側の変位量よりも少なくなる。その結果、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差が生じ、L側に配置された第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力は、R側に配置された第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力よりも小さくなる。これにより、定着ベルト101には、この加圧力の差によって、その幅方向位置をR側からL側へ移動させる力が作用し、定着ベルト101に生じたR側のベルト寄りを補正することができる。
偏心軸受駆動モータ225によって回転させる内側軸受部221aの回転角度(駆動シャフト205の傾斜角度)は、段階的に大きくするように制御してもよい。例えば、R側のベルト寄りを検知して駆動シャフト205を傾斜させた後、R側のベルト寄りが改善されない場合には、更に駆動シャフト205の傾斜角度を大きくするというように、段階的に制御してもよい。
本構成例6によれば、定着ベルト101にベルト寄りが発生しても、そのベルト寄りを補正して、定着ベルト101の端部がフランジ部材106R,106Lに接触しない又は接触状態が継続しないようにすることができる。よって、定着ベルト101の端部が破損したり若しくは摩耗したり、又は、フランジ部材106R,106Lが破損したり若しくは摩耗したりするのを抑制できる。従来は、定着ベルト101の端部とフランジ部材106R,106Lとの間にスリップリング等の摩耗低減部材を配置するなどして、破損や摩耗を抑制していたが、本構成例6によれば、このような摩耗低減部材を配置しなくても、破損や摩耗の抑制が可能である。
なお、上述した構成例6では、偏心軸受部材221の内側軸受部221aを外側軸受部221bの中心O1の回りで回転(公転)させる機構が、偏心軸受駆動モータ225で駆動させる構成であるが、これに限られない。例えば、ネジ機構などにより、作業者が手動で、偏心軸受部材221の内側軸受部221aを回転(公転)させる機構であってもよい。この場合、定着装置100の稼働中には定着ベルト101のベルト寄りを補正できないが、工場出荷時やメンテナンス時などに作業者がベルト寄りを補正することができる。
〔加圧力差変更手段の構成例7〕
次に、定着ベルト101のベルト寄りを補正するために、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差を変更する加圧力差変更手段の他の構成例(以下、本構成例を「構成例7」という。)について説明する。
本構成例7の加圧力差変更手段は、駆動シャフト205の傾斜角度を変更せず、定着ニップ用加圧装置200における加圧脱圧カム204R,204Lのカム形状(回転位相)の違いによって、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差を変更するものである。なお、本構成例7は、L側の軸受部材207Lが偏心軸受部材221ではなくR側の軸受部材207Rと同じであり、かつ、加圧脱圧カム204R,204Lのカム形状(回転位相)が異なる点を除き、基本構成は前記構成例6と同様である。
図21(a)は、L側の加圧脱圧カム204Lを駆動シャフト205の軸方向(駆動ギヤ206側)から見たときのカム形状を示す模式図であり、図21(b)は、R側の加圧脱圧カム204Rを駆動シャフト205の軸方向(駆動ギヤ206側)から見たときのカム形状を示す模式図である。
本構成例7において、定着ベルト101の両側に配置される加圧脱圧カム204R,204Lは、偏心円形カムであり、いずれも、その円周の一部分に切り欠き部(以下「圧低減形状部」という。)204aを備えている。本構成例7では、駆動シャフト205上に取り付ける際の加圧脱圧カム204R,204Lの回転位相を異ならせ、L側の加圧脱圧カム204Lの圧低減形状部204aが位置する回転角度位置と、R側の加圧脱圧カム204Rの圧低減形状部204aが位置する回転角度位置とが異なるように構成されている。
図22(a)は、L側の加圧脱圧カム204Lにおける加圧プロファイルを示すグラフであり、図22(b)は、R側の加圧脱圧カム204Rにおける加圧プロファイルを示すグラフである。
図23は、図22(a)のグラフと図22(b)のグラフとを重ね合わせたグラフである。
本構成例7においては、駆動シャフト205の回転角度位置の違いにより、ベルト寄り非補正状態(Pc)と、L側ベルト寄り補正状態(P1)と、R側ベルト寄り補正状態(P2)とを切り換えることができる。ベルト寄り非補正状態は、駆動シャフト205の回転角度位置を、L側の加圧脱圧カム204Lの圧低減形状部204aにもR側の加圧脱圧カム204Rの圧低減形状部204aにもカムフォロア203bが当接しない回転角度位置Pcにした状態である。L側ベルト寄り補正状態は、駆動シャフト205の回転角度位置を、L側の加圧脱圧カム204Lの圧低減形状部204aにはカムフォロア203bが当接しないが、R側の加圧脱圧カム204Rの圧低減形状部204aにはカムフォロア203bが当接する回転角度位置P1にした状態である。R側ベルト寄り補正状態は、駆動シャフト205の回転角度位置を、L側の加圧脱圧カム204Lの圧低減形状部204aにはカムフォロア203bが当接するが、R側の加圧脱圧カム204Rの圧低減形状部204aにはカムフォロア203bが当接しない回転角度位置P2にした状態である。なお、図21(a)及び(b)は、駆動シャフト205の回転角度位置がR側ベルト寄り補正状態となる回転角度位置P2であるときの位置関係を示したものである。
図24は、本構成例7における定着ベルト101のベルト寄りの補正動作を制御する制御系を示すブロック図である。
定着ベルト101の回転中、制御部300は、ベルト寄り検知手段の反射型フォトセンサ212からの出力信号を受信し、その出力信号の信号パターンに基づいて、定着ベルト101のベルト幅方向位置(ベルト寄り)を検知する。そして、制御部300は、その検知結果に基づき、カム駆動モータ210の回転位置を制御して、定着ベルト101のベルト寄りを補正する制御を実行する。
制御部300は、ベルト寄り検知手段の反射型フォトセンサ212からの出力信号に基づいて定着ベルト101にベルト寄りが発生していないと判断する場合には、カム駆動モータ210の回転位置を制御して、駆動シャフト205の回転角度位置を、ベルト寄り非補正状態(Pc)にする。すなわち、L側の加圧脱圧カム204Lの圧低減形状部204aにもR側の加圧脱圧カム204Rの圧低減形状部204aにもカムフォロア203bが当接しない状態にする。
この場合、L側の加圧脱圧カム204Lの回転中心O2とカムフォロア203bの回転中心O3との距離L(L)と、R側の加圧脱圧カム204Rの回転中心O2とカムフォロア203bの回転中心O3との距離L(R)との関係は、L(L)=L(R)となる。なお、この関係は、L側の加圧脱圧カム204Lの回転中心O2と、加圧脱圧カム204Lとカムフォロア203bとの当接箇所との距離に置き換えても同様である。このような関係により、駆動シャフト205上の各加圧脱圧カム204R,204Lが定着ベルト101の両側に配置された各第二加圧レバー203を回動させて加圧スプリング202の一端部を変位させる量は同じである。したがって、定着ベルト101の両側に配置された各第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力も同じであり、図23に示すように、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力に差は生じない。
一方、制御部300は、ベルト寄り検知手段の反射型フォトセンサ212からの出力信号に基づいて定着ベルト101にL側のベルト寄りが発生したと判断する場合には、カム駆動モータ210の回転位置を制御して、駆動シャフト205の回転角度位置を、L側ベルト寄り補正状態(P1)にする。すなわち、L側の加圧脱圧カム204Lの圧低減形状部204aにはカムフォロア203bが当接しないが、R側の加圧脱圧カム204Rの圧低減形状部204aにはカムフォロア203bが当接する状態にする。
この場合、L側の加圧脱圧カム204Lの回転中心O2とカムフォロア203bの回転中心O3との距離L(L)と、R側の加圧脱圧カム204Rの回転中心O2とカムフォロア203bの回転中心O3との距離L(R)との関係は、L(L)>L(R)となる。なお、この関係は、L側の加圧脱圧カム204Lの回転中心O2と、加圧脱圧カム204Lとカムフォロア203bとの当接箇所との距離に置き換えても同様である。このような関係により、駆動シャフト205上のL側の加圧脱圧カム204Lが第二加圧レバー203を回動させてL側の加圧スプリング202の一端部を変位させる変位量が、R側の変位量よりも多くなる。その結果、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差が生じ、L側に配置された第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力は、図23に示すように、R側に配置された第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力よりも大きくなる。これにより、定着ベルト101には、この加圧力の差によって、その幅方向位置をL側からR側へ移動させる力が作用し、定着ベルト101に生じたL側のベルト寄りを補正することができる。
他方、制御部300は、ベルト寄り検知手段の反射型フォトセンサ212からの出力信号に基づいて定着ベルト101にR側のベルト寄りが発生したと判断する場合には、カム駆動モータ210の回転位置を制御して、駆動シャフト205の回転角度位置を、R側ベルト寄り補正状態(P2)にする。すなわち、L側の加圧脱圧カム204Lの圧低減形状部204aにはカムフォロア203bが当接するが、R側の加圧脱圧カム204Rの圧低減形状部204aにはカムフォロア203bが当接しない状態にする。
この場合、L側の加圧脱圧カム204Lの回転中心O2とカムフォロア203bの回転中心O3との距離L(L)と、R側の加圧脱圧カム204Rの回転中心O2とカムフォロア203bの回転中心O3との距離L(R)との関係は、L(L)<L(R)となる。なお、この関係は、L側の加圧脱圧カム204Lの回転中心O2と、加圧脱圧カム204Lとカムフォロア203bとの当接箇所との距離に置き換えても同様である。このような関係により、駆動シャフト205上のL側の加圧脱圧カム204Lが第二加圧レバー203を回動させてL側の加圧スプリング202の一端部を変位させる変位量が、R側の変位量よりも少なくなる。その結果、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差が生じ、L側に配置された第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力は、図23に示すように、R側に配置された第一加圧レバー201がフランジ部材106を加圧する加圧力よりも小さくなる。これにより、定着ベルト101には、この加圧力の差によって、その幅方向位置をR側からL側へ移動させる力が作用し、定着ベルト101に生じたR側のベルト寄りを補正することができる。
本構成例7においても、定着ベルト101にベルト寄りが発生しても、そのベルト寄りを補正して、定着ベルト101の端部がフランジ部材106R,106Lに接触しない又は接触状態が継続しないようにすることができる。よって、従来のスリップリング等の摩耗低減部材を配置することなく、破損や摩耗の抑制が可能である。
しかも、本構成例7は、既存の定着装置における加圧脱圧機構の加圧脱圧カム204R,204Lのカム形状を変更し、カム駆動モータ210の駆動制御によって定着ベルト101のベルト寄りの補正を実現できる。したがって、上述した構成例6のように偏心軸受部材などの新たな構成を追加することなく、定着ベルト101のベルト寄りの補正を実現することが可能である。
なお、上述した加圧力差変更手段の構成例6と構成例7を組み合わせた加圧力差変更手段を採用してもよい。この場合、例えば、構成例7によって定着ベルト101のベルト寄りの補正量を粗く調整し、構成例6によって定着ベルト101のベルト寄りの補正量を微調整するということが可能である。
また、ここで説明した加圧力差変更手段は、一例であり、定着ニップ用加圧装置200による定着ベルト101の両端部間の加圧力の差を変更できるものであれば、あらゆる加圧力差変更手段を利用することができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
無端状の定着ベルト101を介して対向配置されるニップ形成プレート102及び加圧ローラ103等の2つのニップ形成部材のうちの少なくとも一方のニップ形成部材(ニップ形成プレート102等)を加圧する加圧手段と、前記定着ベルトの寄りを検知するベルト寄り検知手段と、前記ベルト寄り検知手段の検知結果に基づいて、前記定着ベルトの両端部間における前記加圧手段の加圧力の差を変更する加圧力差変更手段とを備えた定着ニップ用加圧装置において、前記2つのニップ形成部材のうち、ニップ形成面の硬度が高いニップ形成プレート102等の高硬度ニップ形成部材についてのニップ形成面を、略平面としたことを特徴とする。
曲面形状の定着ニップが形成される従来の構成では、定着ニップ内において、記録材の表面側に接するニップ形成部材のニップ形成面上の定着ニップ入口から出口までの長さが、記録材の裏面側に接するニップ形成部材のニップ形成面上の長さとは異なるものとなる。そのため、記録材の表面側と裏面側との間で、定着ニップ入口に進入してから定着ニップ出口を出るまでの記録材の搬送量に差が生じる。この記録材搬送量の差は、定着ニップの幅(記録材搬送方向長さ)に応じて変動するため、定着ベルトの寄りを補正する際に曲面形状の定着ニップの幅をベルト両端部間で異ならせた場合、定着ニップ内における記録材搬送量がベルト両端部間で異なるものとなり、シワが発生しやすい。
定着ニップは、2つのニップ形成部材のうちの高硬度ニップ形成部材が低硬度ニップ形成部材を押し込むようにして形成されるため、定着ニップの形状は高硬度ニップ形成部材のニップ形成面に倣った形状となる。本発明では、高硬度ニップ形成部材のニップ形成面を略平面としたことで、形成される定着ニップの形状は、略平坦なものとなる。略平坦な定着ニップであれば、定着ニップ内における記録材の表面側と裏面側との間の記録材搬送量の差が小さく又は無くなる。よって、定着ベルトの両端部間における加圧手段の加圧力の差を変更して、定着ニップの幅が定着ベルトの両端部間で異なるものとなっても、定着ニップ内における記録材搬送量の定着ベルト両端部間の差を小さく抑えることができ又は無くすことができる。したがって、定着ベルトの寄りを補正する際において、定着ベルトの両端部間における加圧手段の加圧力の差を変更しても、シワの発生が抑制される。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記高硬度ニップ形成部材のニップ形成面における定着ベルト周方向長さは、前記定着ニップの定着ベルト周方向長さよりも長いことを特徴とする。
これによれば、定着ニップの形状を略平坦なものとすることができる。
(態様C)
前記態様A又はBにおいて、前記高硬度ニップ形成部材は、前記2つのニップ形成部材のうち前記定着ベルトの内周面側に配置されるニップ形成プレート102等のニップ形成部材であることを特徴とする。
これによれば、定着ベルトにより安定した定着ニップを形成しやすい。
(態様D)
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記2つのニップ形成部材のうち、ニップ形成面の硬度が低い加圧ローラ103等の低硬度ニップ形成部材のニップ形成面は、前記高硬度ニップ形成部材のニップ形成面に沿って弾性変形する弾性ゴム層103b等の弾性層で形成されていることを特徴とする。
これによれば、高硬度ニップ形成部材のニップ形成面に倣って、略平坦な定着ニップを安定して形状することができる。
(態様E)
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記ベルト寄り検知手段は、前記定着ベルトの少なくとも一方の端部がベルト幅方向の所定位置に達したときに該定着ベルトの回転に連動して従動するスリップリング213等の従動部材を有し、該従動部材の従動によって前記定着ベルトの寄りを検知することを特徴とする。
これによれば、定着ベルトの寄りを簡易な構成で検知することが可能である。
(態様F)
前記態様Eにおいて、前記従動部材は、前記定着ベルトの回転に連動して従動回転するスリップリング213等の従動回転部材であり、前記従動回転部材は、該従動回転部材の回転中心O4から規定距離だけ離れた周回軌道上の一部に谷部213cや開口部213d等の空間部をもつ形状であることを特徴とする。
これによれば、当該周回軌道上の位置で従動回転部材の本体部と前記空間部とを区別して検出できる光学センサ等の検知手段を用いることにより、その検知手段の検出結果から定着ベルトの寄りを検知することができる。
(態様G)
前記態様Fにおいて、前記従動回転部材は、前記従動回転の回転軸に直交する断面の外周形状が非円形であることを特徴とする。
これによれば、上述した従動回転部材を簡易に構成することができる。
(態様H)
前記態様Fにおいて、前記従動回転部材は、前記周回軌道上に1又は2以上の開口部213dをもつ形状であることを特徴とする。
これによれば、上述した従動回転部材を簡易に構成することができる。
(態様I)
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記ベルト寄り検知手段は、前記定着ベルトの寄りに連動する被検知部材又は該定着ベルト自身が当該ベルト寄り検知手段の検知領域S内を占有する占有比率が該定着ベルトの寄りに応じて変化するように構成され、該占有比率の変化に応じて変動する該検知領域内の色情報を検知することにより該定着ベルトの寄りを検知することを特徴とする。
これによれば、色の違いを利用した定着ベルトの寄り検知を実現できる。
(態様J)
前記態様Iにおいて、前記ベルト寄り検知手段は、前記定着ベルトがベルト幅方向一方側へ寄ったときに該定着ベルトの他方側の端部が巻き付けられたベルト支持部107等の被巻付部材が前記検知領域内に含まれるように構成されていることを特徴とする。
これによれば、被検知部材又は定着ベルト自身と被巻付部材との色の違いを利用して、定着ベルトの寄りを検知することができる。
(態様K)
前記態様I又はJにおいて、前記色情報は、色差ΔE等の色差情報であることを特徴とする。
これによれば、色の違いを利用した定着ベルト寄りの検知を、安定して行うことが可能である。
(態様L)
前記態様Kにおいて、前記色差情報は、L色空間上の距離ΔEによって規定され、前記検知領域内に含まれる前記被検知部材又は定着ベルト自身の色と該検知領域内に含まれる残部の色との色差ΔEが25以上となるように、構成されていることを特徴とする。
これによれば、色の違いを利用した定着ベルト寄りの検知を、より安定して行うことが可能である。
(態様M)
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記ベルト寄り検知手段は、前記定着ベルトの寄りに連動する被検知部材又は該定着ベルトの端部に対して接触する接触式変位センサ217の接触子217aの変位に応じて、該定着ベルトの寄りを検知することを特徴とする。
これによれば、定着ベルトの寄りを簡易な構成で検知することが可能である。
(態様N)
前記態様Mにおいて、前記ベルト寄り検知手段は、前記接触式変位センサの接触子が前記定着ベルトの端部に対して接触するように構成されており、前記定着ベルトにおける前記端部の厚さは、ベルト幅方向中央部の厚さよりも厚いことを特徴とする。
これによれば、定着ベルトの厚さ(ベルト幅方向中央部の厚さ)が薄いものであっても、定着ベルトの寄り検知を安定して行うことが可能となる。
(態様O)
前記態様Nにおいて、前記定着ベルトにおける前記端部は、該定着ベルト本体における端部領域上にカラー部材218等の耐熱性をもつ弾性部材を固定してなることを特徴とする。
これによれば、定着ベルトの寄り検知を、より安定して行うことが可能となる。
(態様P)
前記態様M〜Oのいずれかの態様において、前記ベルト寄り検知手段は、前記接触式変位センサの接触子が前記定着ベルトの端部に対して接触するように構成されており、前記定着ベルトにおける前記端部は湾曲形状であることを特徴とする。
これによれば、接触子の移動がスムーズになって、接触子の移動が妨げられて適切な検知ができない事態の発生が抑制される。
(態様Q)
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記ベルト寄り検知手段は、前記定着ベルトからの熱が伝熱されかつ該定着ベルトの寄りに連動する被検知部材又は該定着ベルト自身が当該ベルト寄り検知手段の検知領域内を占有する占有比率が該定着ベルトの寄りに応じて変化するように構成され、該占有比率の変化に応じて変動する該検知領域内の温度情報を検知することにより該定着ベルトの寄りを検知することを特徴とする。
これによれば、温度の違いを利用した定着ベルトの寄り検知を実現できる。
(態様R)
前記態様Qにおいて、前記ベルト寄り検知手段は、非接触サーミスタ216等の非接触式の温度センサであることを特徴とする。
これによれば、被検知部材又は定着ベルト自身の形状に制限されずに、温度検知をすることができる。
(態様S)
無端状の定着ベルト101を介して対向配置されるニップ形成プレート102及び加圧ローラ103等の2つのニップ形成部材のうちの少なくとも一方のニップ形成部材(ニップ形成プレート102等)を定着ニップ用加圧装置により加圧することで定着ニップNを形成し、該定着ニップを通過する記録紙S等の記録材上のトナー等の被定着物を該記録材上に定着させる定着装置100において、前記定着ニップ用加圧装置として、前記態様A〜Rのいずれかの態様に係る定着ニップ用加圧装置を用いたことを特徴とする。
これによれば、定着ベルトの両端部間における加圧手段の加圧力の差を変更しても、シワの発生が抑制される定着装置を実現できる。
(態様T)
前記態様Sに係る定着装置を備えた画像形成装置。
これによれば、定着ベルトの両端部間における加圧手段の加圧力の差を変更しても、シワの発生が抑制される画像形成装置を実現できる。
1 画像形成装置
100 定着装置
101 定着ベルト
102 ニップ形成プレート
103 加圧ローラ
103a 芯金
103b 弾性ゴム層
104 加熱源
105 ステー部材
106 フランジ部材
107 ベルト支持部
108 分離部材
200 定着ニップ用加圧装置
201 第一加圧レバー
201a 回動軸
201b 加圧部
202 加圧スプリング
203 第二加圧レバー
203a 回動軸
203b カムフォロア
204 加圧脱圧カム
204a 圧低減形状部
205 駆動シャフト
206 駆動ギヤ
207 軸受部材
208a,208b スリット円盤
208c 検知エッジ部
208d 検知穴部
209a,209b 透過型フォトセンサ
210 カム駆動モータ
211a,211b,211c 反射部材
212 反射型フォトセンサ
213 スリップリング
213a 円形開口部
213b 山部
213c 谷部
213d 開口部
214 透過型フォトセンサ
215 カラーセンサ
216 温度センサ
217 接触式変位センサ
217a 接触子
218 カラー部材
220 筐体側板
221 偏心軸受部材
221a 内側軸受部
221b 外側軸受部
222 駆動ギヤ
223 スリット円盤
224 透過型フォトセンサ
225 偏心軸受駆動モータ
300 制御部
特開2002−99163号公報

Claims (6)

  1. 無端状の定着ベルトを介して対向配置される2つのニップ形成部材のうちの少なくとも一方のニップ形成部材を加圧する加圧手段と、
    前記定着ベルトの寄りを検知するベルト寄り検知手段と、
    前記ベルト寄り検知手段の検知結果に基づいて、前記定着ベルトの両端部間における前記加圧手段の加圧力の差を変更する加圧力差変更手段とを備えた定着ニップ用加圧装置において、
    前記ベルト寄り検知手段は、前記定着ベルトの寄りに連動する被検知部材又は該定着ベルト自身が当該ベルト寄り検知手段の検知領域内を占有する占有比率が該定着ベルトの寄りに応じて変化するように構成され、該占有比率の変化に応じて変動する該検知領域内の色差情報を検知することにより該定着ベルトの寄りを検知するものであり、
    前記2つのニップ形成部材のうち、ニップ形成面の硬度が高い高硬度ニップ形成部材についてのニップ形成面を、略平面とし
    前記色差情報は、L 色空間上の距離によって規定され、
    前記検知領域内に含まれる前記被検知部材又は定着ベルト自身の色と該検知領域内に含まれる残部の色との色差ΔEが25以上となるように、構成されていることを特徴とする定着ニップ用加圧装置。
  2. 請求項1に記載の定着ニップ用加圧装置において、
    前記ベルト寄り検知手段は、前記定着ベルトがベルト幅方向一方側へ寄ったときに該定着ベルトの他方側の端部が巻き付けられた被巻付部材が前記検知領域内に含まれるように構成されていることを特徴とする定着ニップ用加圧装置
  3. 求項1又は2に記載の定着ニップ用加圧装置において、
    前記高硬度ニップ形成部材は、前記2つのニップ形成部材のうち前記定着ベルトの内周面側に配置されるニップ形成部材であることを特徴とする定着ニップ用加圧装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着ニップ用加圧装置において、
    前記2つのニップ形成部材のうち、ニップ形成面の硬度が低い低硬度ニップ形成部材のニップ形成面は、前記高硬度ニップ形成部材のニップ形成面に沿って弾性変形する弾性層で形成されていることを特徴とする定着ニップ用加圧装置。
  5. 無端状の定着ベルトを介して対向配置される2つのニップ形成部材のうちの少なくとも一方のニップ形成部材を定着ニップ用加圧装置により加圧することで定着ニップを形成し、該定着ニップを通過する記録材上の被定着物を該記録材上に定着させる定着装置において、
    前記定着ニップ用加圧装置として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着ニップ用加圧装置を用いたことを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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