JP6898109B2 - 樹脂発泡シート及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、樹脂発泡シート及びその製造方法に関する。
ノート型パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット、携帯音楽機器等の携帯機器においては、電気部品が浸水することを防止するために、電気部品周辺に防水シール材が使用されることがある。防水シール材としては、優れた柔軟性とシール性とを兼ね備えることから、樹脂発泡シートが使用される。樹脂発泡シートは、例えば、特許文献1に開示されるように、発泡剤を配合したポリオレフィン系樹脂を発泡させることにより得られることが知られている。
特開2013−53179号公報
ところで、昨今、電子機器は小型化が進む一方で、各種部品の高機能化も進み、電子機器内部のスペースの制約が大きくなり、電子機器内部で使用される樹脂発泡シートの厚さも薄いものが求められる傾向にある。
一方、従来の樹脂発泡シートは、一定の厚さ以上であると柔軟性及び防水性に優れるものの、厚さを薄くした場合には、防水性が十分ではなくなることがあることがわかった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、防水性等の各種シール性が優れる樹脂発泡シート、及び該樹脂発泡シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂発泡シート中の大きな気泡径の気泡を低減することで、防水性等の各種シール性が向上することを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[6]に関する。
[1]厚さが0.05〜1.0mmである樹脂発泡シートであって、気泡径が0.5mmを超える気泡が40個/100m以下である、樹脂発泡シート。
[2]見かけ密度が0.06〜0.80g/cmである、上記[1]に記載の樹脂発泡シート。
[3]粒径40μm以上の粒子が全粒子の10質量%以下である熱分解型発泡剤を含有する発泡性樹脂組成物を発泡させてなる、上記[1]又は[2]に記載の樹脂発泡シート。
[4]樹脂発泡シートを構成する樹脂がポリオレフィン樹脂を含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂発泡シート。
[5]樹脂と、粒径40μm以上の粒子が全粒子の10質量%以下である熱分解型発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を加熱して発泡させる、樹脂発泡シートの製造方法。
[6]前記熱分解型発泡剤が、粒径40μmを超える粒子の割合を低減させる工程を経て調製される、上記[5]に記載の樹脂発泡シートの製造方法。
本発明によれば、防水性等の各種シール性に優れる樹脂発泡シート、及び該樹脂発泡シートの製造方法を提供することができる。
[樹脂発泡シート]
本発明の樹脂発泡シートは、厚さが0.05〜1.0mmで、気泡径が0.5mmを超える気泡が40個/100m以下である樹脂発泡シートである。
本発明の樹脂発泡シートは、気泡径が0.5mmを超える大きな気泡の数を40個/100m以下と少なくすることにより、防水性等の各種シール性が向上する。この理由に関しては、樹脂発泡シートが薄い場合、大きな気泡径の気泡が多数存在すると、それらが、単独であるいは連結し、貫通することにより水の通路が形成され、結果、防水性等の各種シール性が悪くなり、逆に、大きな気泡径が少ない場合は、水の通路が形成されることがないため、防水性等の各種シール性が良くなるものと推察される。
気泡径が0.5mmを超える気泡の数は、防水性等の各種シール性を向上させる観点から、好ましくは0〜20個/100m、より好ましくは0〜10個/100m以下である。なお、気泡径が0.5mmを超える気泡の数は、面積が100mで厚さ0.05〜1mmの樹脂発泡シートを準備し、該樹脂発泡シートの一方の面からバックライトをあてて、他方の面から厚さ方向に沿って、欠点検査装置(株式会社メック製、製品名LSC−6000)を用いて測定することで得られる。
(厚さ)
本発明の樹脂発泡シートの厚さは、0.05〜1.0mmである。0.05mm未満であると防水性等の各種シール性が悪くなりやすく、1.0mmを超えると小型化された電子機器に使用し難くなる。樹脂発泡シートの厚さは好ましくは0.05〜0.5mmであり、より好ましくは0.05〜0.3mmである。
(独立気泡率)
本発明の樹脂発泡シートは、独立気泡を有するものであり、独立気泡率が好ましくは70%以上となるものである。このような場合、樹脂発泡シートの内部に包含された気泡は概ね独立気泡となり、防水性等の各種シール性が良好となる。樹脂発泡シートの独立気泡率は、薄厚の場合でも高い防水シール性等の各種シール性を確保する観点から、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90〜100%である。なお、独立気泡率は、ASTM D2856(1998)に準拠して求めることができる。
独立気泡率は、より詳細には下記の要領で測定できる。
まず、樹脂発泡シートから一辺が5cmの平面正方形状の試験片を切り出す。そして、試験片の厚さを測定して試験片の見掛け体積V1を算出すると共に、試験片の重量W1を測定する。
次に、気泡の占める体積V2を下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度はρ(g/cm3)とする。
気泡の占める体積V2=V1−W1/ρ
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。その後、水中で加圧から解放し、1分間静置した後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去して試験片の重量W2を測定し、下記式に基づいて連続気泡率F1及び独立気泡率F2を算出する。
連続気泡率F1(%)=100×(W2−W1)/V2
独立気泡率F2(%)=100−F1
(平均気泡径)
本発明の樹脂発泡シートの平均気泡径は、好ましくはMDにおいて30〜350μm、TDにおいて30〜350μm、ZDにおいて10〜130μmとなるものである。また、樹脂発泡シートにおける気泡の平均気泡径は、より好ましくは、MDにおいて60〜250μm、TDにおいて60〜250μm、ZDにおいて15〜90μmとなるものである。
平均気泡径及び平均気泡径の比を上記範囲内とすると、樹脂発泡シートの柔軟性等が良好となり、防水シール材として好適に使用可能である。
なお、MDは、Machine directionを意味し、押出方向等と一致する方向であるとともに、TDは、Transverse directionを意味し、MDに直交する方向であり、樹脂発泡シートのシート面に平行な方向である。また、ZDは、樹脂発泡シートの厚さ方向であり、MD及びTDのいずれにも垂直な方向である。
(見かけ密度)
また、樹脂発泡シートの見かけ密度は、0.06〜0.80g/cm3であることが好ましく、0.15〜0.75g/cm3であることがより好ましく、0.20〜0.70g/cm3であることが更に好ましい。樹脂発泡シートは、見かけ密度を上記範囲内とすることで、樹脂発泡シートの柔軟性、機械強度等を適切にし、樹脂発泡シートの防水性等のシール性も良好にしやすくなる。樹脂発泡シートの見かけ密度とは、JIS K7222に準拠して測定したものである。なお、本発明では、樹脂発泡シートの見かけ密度の逆数を発泡倍率とする。
(架橋度)
樹脂発泡シートは、通常、架橋されたものである。樹脂発泡シートの架橋度は、好ましくは15〜60質量%である。架橋度を15質量%以上とすることで、樹脂発泡シートを延伸する際に樹脂発泡シートの表面近傍部の気泡が破泡して表面荒れが生じることが防止される。また、架橋度が60質量%以下であると、樹脂材料を、加熱発泡の際に、所望の発泡倍率に調整しやすくなる。このような観点から、架橋度は20〜50質量%がより好ましい。
(樹脂)
本発明の樹脂発泡シートを構成する樹脂は、樹脂発泡シートに従来使用する樹脂が使用でき、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂の他、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)、オレフィン系エラストマー等のエラストマー樹脂を用いることもできる。この中でも、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
<ポリオレフィン樹脂>
ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらの中ではポリエチレン樹脂が好ましい。ポリオレフィン樹脂、特にポリエチレン樹脂を使用することで、各種物性を上記範囲内に調整しやすくなり、樹脂発泡シートを防水シール材として好適に使用することが可能である。
ポリエチレン樹脂としては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン化合物、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が挙げられ、好ましくは、メタロセン化合物の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が用いられる。
また、ポリエチレン樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン化合物の重合触媒を用いて得たものがより好ましい。メタロセン化合物の重合触媒を用いて得た直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、樹脂発泡シートに高い柔軟性、機械強度を付与できるとともに、薄肉化が可能になり、防水シール材として優れたものとなる。
直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン(例えば、全モノマー量に対して75質量%以上、好ましくは90質量%以上)と必要に応じて少量のα−オレフィンとを共重合することにより得られる直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。
α−オレフィンとして、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、及び1−オクテン等が挙げられる。なかでも、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
ポリエチレン樹脂、例えば上記した直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.880〜0.925g/cmが好ましく、0.890〜0.920g/cmがより好ましく、0.900〜0.915g/cmが更に好ましい。ポリエチレン樹脂としては、複数のポリエチレン樹脂を用いることもでき、また、上記した密度範囲以外のポリエチレン樹脂を加えてもよい。
(メタロセン化合物)
メタロセン化合物としては、遷移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟んだ構造を有するビス(シクロペンタジエニル)金属錯体等の化合物を挙げることができる。より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、及び白金等の四価の遷移金属に、1又は2以上のシクロペンタジエニル環又はその類縁体がリガンド(配位子)として存在する化合物を挙げることができる。
メタロセン化合物は、活性点の性質が均一であり各活性点が同じ活性度を備えている。メタロセン化合物を用いて合成した重合体は、分子量、分子量分布、組成、組成分布等の均一性が高いため、メタロセン化合物を用いて合成した重合体を含むシートを架橋した場合には、架橋が均一に進行する。そのため、均一に延伸できるため、樹脂発泡シートの厚さを均一にでき、防水性等の各種シール性が良好になる。
リガンドとしては、例えば、シクロペンタジエニル環、インデニル環等を挙げることができる。これらの環式化合物は、炭化水素基、置換炭化水素基又は炭化水素−置換メタロイド基により置換されていてもよい。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種アミル基、各種ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種セチル基、フェニル基等が挙げられる。なお、「各種」とは、n−、sec−、tert−、iso−を含む各種異性体を意味する。
また、環式化合物をオリゴマーとして重合したものをリガンドとして用いてもよい。
更に、π電子系の不飽和化合物以外にも、塩素や臭素等の一価のアニオンリガンド又は二価のアニオンキレートリガンド、炭化水素、アルコキシド、アリールアミド、アリールオキシド、アミド、アリールアミド、ホスフィド、アリールホスフィド等を用いてもよい。
四価の遷移金属やリガンドを含むメタロセン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
メタロセン化合物は、特定の共触媒(助触媒)と組み合わせることにより、各種オレフィンの重合の際に触媒としての作用を発揮する。具体的な共触媒としては、メチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素系化合物等が挙げられる。なお、メタロセン化合物に対する共触媒の使用割合は、10〜100万モル倍が好ましく、50〜5,000モル倍がより好ましい。
ポリオレフィン樹脂として使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、例えば、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
また、ポリプロピレン樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げることができ、これらの中では、炭素数6〜12のα−オレフィンが好ましい。
樹脂発泡シートに含まれるポリオレフィン樹脂は、上記した直鎖状低密度ポリエチレンを使用する場合、上記の直鎖状低密度ポリエチレンを単独で使用してもよいが、他のポリオレフィン樹脂と併用してもよく、例えば、上記した他のポリオレフィン樹脂と併用してもよい。
他のポリオレフィン樹脂を含有する場合、直鎖状低密度ポリエチレンと他のポリオレフィン樹脂との合計量に対する直鎖状低密度ポリエチレンの割合は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
また、樹脂発泡シートを構成する樹脂としては、ポリオレフィン樹脂を単独で使用してもよいが、本発明の効果を損なわない限り、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含んでもよい。樹脂発泡シートにおいて、ポリオレフィン樹脂の樹脂全量に対する割合は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。
ここで、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂としては、上記したものが挙げられる。
(熱分解型発泡剤)
本発明の樹脂発泡シートは、上記樹脂に加えて、熱分解型発泡剤を含む発泡性樹脂組成物を発泡したものであることが好ましい。熱分解型発泡剤としては、例えば、樹脂の溶融温度より高い分解温度を有するものを使用し、例えば、分解温度が140〜270℃の有機系又は無機系の化学発泡剤を用いる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機系発泡剤としては、酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物、ニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドが更に好ましい。
これらの熱分解型発泡剤は、単独で又は2以上を組み合わせて使用する。
熱分解型発泡剤の添加量は、樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)100質量部に対して1〜15質量部が好ましく、1.5〜10質量部がより好ましく、1.5〜5質量部が更に好ましく、1.5〜2.5質量部が更に好ましい。
熱分解型発泡剤の平均粒子径は、1〜40μmが好ましく、3〜35μmがより好ましく、5〜30μmがより好ましい。熱分解型発泡剤の粒子径分布としては、粒径40μmを超える粒子の割合が全粒子の10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。粒径が40μmを超える粒子の割合は、低ければ低いほうがよく、その下限値は0%であるが、実用的には下限値は1質量%であることが好ましい。粒径40μmを超える粒子の割合を全粒子の10質量%以下にすることにより、樹脂発泡シート中における気泡径が0.5mmを超える気泡の生成を抑制することが可能となる。なお、粒子径分布はレーザー回折法により測定でき、平均粒子径は、レーザー回折法によって得た粒子径分布の累積頻度50%に相当する粒径(D50)を意味する。
熱分解型発泡剤における粒径40μmを超える粒子の割合を低減させる方法としては、特に限定されるものではないが、公知の分級処理を行うことが好ましい。分級処理は、溶媒を用いる沈降法や、フィルター(篩)を用いる方法等が挙げられる。例えば、市販の熱分解型発泡剤について、目開き40μmを超える篩を用いて篩操作を行い、40μmを超える粒子を低減させる方法などが挙げられる。
(その他の添加剤)
発泡性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材、分解温度調整剤等の樹脂発泡シートに一般的に使用する添加剤を配合されてもよい。これらの中では酸化防止剤、分解温度調整剤を使用することが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
また、分解温度調整剤の具体的な化合物としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等が挙げられる。分解温度調整剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。
本発明の樹脂発泡シートは、いかなる用途に使用してもよいが、防水、防塵等をするためのシール材として使用することが好ましく、防水シール材として使用することがより好ましい。シール材は、例えば、少なくとも一方の面を他の部材に押し付けて使用する。また、樹脂発泡シートは、電子機器、具体的には、ノート型パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット、携帯音楽機器等の携帯電子機器に使用することが好ましい。
[粘着テープ]
樹脂発泡シートは、樹脂発泡シートを基材とする粘着テープに使用してもよい。粘着テープは、例えば、樹脂発泡シートと、樹脂発泡シートの少なくともいずれか一方の面に設けた粘着材とを備えるものである。粘着テープは、粘着材を介して他の部材に接着することが可能になる。粘着テープは、樹脂発泡シートの両面に粘着材を設けたものでもよいし、片面に粘着材を設けたものでもよい。粘着テープも衝撃吸収材、シール材として使用可能である。
また、粘着材は、少なくとも粘着剤層を備えるものであればよく、樹脂発泡シートの表面に積層された粘着剤層単体であってもよいし、樹脂発泡シートの表面に貼付された両面粘着シートであってもよいが、粘着剤層単体であることが好ましい。なお、両面粘着シートは、基材と、基材の両面に設けられた粘着剤層とを備えるものである。両面粘着シートは、一方の粘着剤層を樹脂発泡シートに接着させるとともに、他方の粘着剤層を他の部材に接着させるために使用する。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。また、粘着材の上には、さらに離型紙等の剥離シートが貼り合わされてもよい。
粘着材の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、より好ましくは7〜150μmであり、更に好ましくは10〜100μmである。
[樹脂発泡シートの製造方法]
樹脂発泡シートの製造方法は、特に制限はないが、例えば、樹脂および熱分解型発泡剤を含む発泡性樹脂組成物を加熱し、発泡させることで製造する。その製造方法は、より具体的には、以下の工程(1)〜(4)を含む。
また、工程(1)の前工程として、熱分解型発泡剤における粒径40μmを超える粒子の割合を低減させる工程を経て熱分解型発泡剤を調製する工程、を設けることが好ましい。
工程(1):樹脂、及び熱分解型発泡剤を含む添加剤を混合して、シート状の発泡性樹脂組成物(樹脂シート)に成形する工程
工程(2):シート状の発泡性樹脂組成物に電離性放射線を照射して発泡性樹脂組成物を架橋させる工程
工程(3):架橋させた発泡性樹脂組成物を加熱し、熱分解型発泡剤を発泡させて、微細気泡を形成する工程
工程(4):微細気泡を形成後に、MD方向又はTD方向のいずれか一方又は双方の方向に延伸して、微細気泡を延伸し、樹脂発泡シートを得る工程
工程(1)において、樹脂シートを成形する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂及び熱分解型発泡剤を含む添加剤を押出機に供給して溶融混練し、押出機から発泡性樹脂組成物をシート状に押出すことによって樹脂シートを成形すればよい。熱分解型発泡剤としては、粒径40μm以上の粒子が全粒子の好ましくは10質量%以下、より好ましく5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下の熱分解型発泡剤を用いるとよい。
工程(2)において発泡性樹脂組成物を架橋する方法としては、樹脂シートに電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線を照射する方法を用いる。上記電離放射線の照射量は、得られる樹脂発泡シートの架橋度が上記した所望の範囲となるように調整すればよいが、5〜15Mradであることが好ましく、6〜13Mradであることがより好ましい。
工程(3)において、発泡性樹脂組成物を加熱し熱分解型発泡剤を発泡させるときの加熱温度は、熱分解型発泡剤の発泡温度以上であればよいが、好ましくは200〜300℃、より好ましくは220〜280℃である。
工程(4)における樹脂発泡シートの延伸は、樹脂シートを発泡させて樹脂発泡シートを得た後に行ってもよいし、樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、樹脂シートを発泡させて樹脂発泡シートを得た後、樹脂発泡シートを延伸する場合には、樹脂発泡シートを冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて樹脂発泡シートを延伸してもよく、樹脂発泡シートを冷却した後、再度、樹脂発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で樹脂発泡シートを延伸してもよい。
工程(4)において、樹脂発泡シートのMD方向及びTD方向の一方又は両方への延伸倍率は、1.1〜5.0倍が好ましく、1.5〜4.0倍がより好ましい。
延伸倍率を上記下限値以上とすると、樹脂発泡シートの柔軟性及び引張強度が良好になりやすくなる。一方、上限値以下とすると、発泡シートが延伸中に破断したり、発泡中の発泡シートから発泡ガスが抜けて発泡倍率が著しく低下したりすることが防止され、樹脂発泡シートの柔軟性や引張強度が良好になり、品質も均一なものとしやすくなる。
また、延伸時に樹脂発泡シートは、例えば100〜280℃、好ましくは150〜260℃に加熱すればよい。
ただし、本製造方法は、上記に限定されずに、上記以外の方法に樹脂より、樹脂発泡シートを得てもよい。例えば、電離性放射線を照射する代わりに、発泡性樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、発泡性樹脂組成物を加熱して有機過酸化物を分解させる方法等により架橋を行ってもよい。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で使用した材料は以下のとおりである。
(1)ポリオレフィン樹脂
直鎖状低密度ポリエチレン 日本ポリエチレン社製、商品名「カーネル KF271」
密度:0.913g/cm
(2)熱分解型発泡剤(A)
表1に示す平均粒子径及び粒径分布に調製したアゾジカルボンアミドを用いた。
(3)熱分解型発泡剤(B)
表1に示す平均粒子径及び粒径分布に調製したアゾジカルボンアミドを用いた。
(4)分解温度調整剤
酸化亜鉛 堺化学工業株式会社製、商品名「OW−212F」
(5)酸化防止剤
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
Figure 0006898109
各種物性、評価方法は以下のとおりである。
<見かけ密度>
JIS K7222の方法に従って測定した。
<発泡倍率>
見かけ密度の逆数を発泡倍率とした。
<独立気泡率>
樹脂発泡シートの独立気泡率は、明細書記載の方法で測定したものである。
<平均気泡径>
樹脂発泡シートは50mm四方にカットし、液体窒素に1分間浸した後にMD及びTDそれぞれに沿って厚さ方向に切断して、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、製品名VHX−900)を用いて200倍の拡大写真を撮り、MD、TDそれぞれにおける長さ2mm分の切断面に存在する全ての気泡についてMD,ZDの気泡径、及びTD,ZDの気泡径を測定し、その操作を5回繰り返した。そして、全ての気泡のMD、TDそれぞれの気泡径の平均値をMD、TDの平均気泡径とするとともに、以上の操作によって測定された全てのZDの気泡径の平均値をZDの平均気泡径とした。
<0.5mmを超える気泡数/100m
面積が100mの樹脂発泡シートを準備し、該樹脂発泡シートの一方の面からバックライトをあてて、他方の面から厚さ方向に沿って、欠点検査装置(株式会社メック製、製品名LSC−6000)を用いて測定することで得た。
実施例1
メタロセン化合物の重合触媒によって得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、商品名「カーネル KF271」、密度0.913g/cm)100質量部と、熱分解型発泡剤(A)2質量部と、酸化亜鉛1質量部と、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.5質量部とを押出機に供給して135℃で溶融混練し、その後、発泡性樹脂組成物(樹脂シート)として押出した。
次に、樹脂シートを、その両面に加速電圧500kVの電子線を5Mrad照射して架橋した後、熱風及び赤外線ヒーターにより210℃に保持された発泡炉内に、連続的に送り込み、樹脂シートをMDに延伸させながら加熱して発泡させた。その後、発泡した樹脂シートを、MDに送り出しかつ110℃に加熱しながら、TDに延伸させて、樹脂発泡シートを得た。得られた発泡シートの評価結果を表2に示す。
実施例2〜3、比較例1〜3
配合を表2に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂発泡シートを得た。評価結果を表2に示す。
Figure 0006898109
表2の結果から明らかなように、実施例1〜3に示す本発明の樹脂発泡シートは、0.5mmを超える気泡数が40個/100m以下であり、一方比較例1〜3の樹脂発泡シートは、0.5mmを超える気泡数が40個/100mより多かった。実施例1〜3に示す本発明の樹脂発泡シートは、比較例1〜3と比較し防水性が良好であることがわかった。また、防水性は実施例1が最も優れており、次いで実施例2、実施例3の順番に優れていた。これより、0.5mmを超える気泡数が少ないほど、防水性に優れることがわかった。

Claims (4)

  1. 厚さが0.05〜1.0mmである樹脂発泡シートであって、気泡径が0.5mmを超える気泡が40個/100m以下であり、
    前記樹脂発泡シートにおける気泡の平均気泡径が、TDにおいて203〜350μmであり、
    前記樹脂発泡シートを構成する樹脂がポリオレフィン樹脂を含む、樹脂発泡シート。
  2. 見かけ密度が0.06〜0.80g/cmである、請求項1に記載の樹脂発泡シート。
  3. ポリオレフィン樹脂を含む樹脂と、粒径40μm以上の粒子が全粒子の10質量%以下であり、平均粒子径が3〜35μmである熱分解型発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を加熱して発泡させる、樹脂発泡シートの製造方法。
  4. 前記熱分解型発泡剤が、粒径40μmを超える粒子の割合を低減させる工程を経て調製される、請求項に記載の樹脂発泡シートの製造方法。
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