JP6789053B2 - 樹脂発泡シート、樹脂発泡シートの製造方法、及び粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂発泡シート、樹脂発泡シートの製造方法、及び樹脂発泡シートを備える粘着テープに関する。
携帯電話、カメラ、ゲーム機器、電子手帳、パーソナルコンピュータ等の電子機器では、発泡シートからなるシール材又は衝撃吸収材、さらには、発泡シートを基材とした粘着テープ等が使用されている。例えば、上記した電子機器で使用される表示装置は、一般的に、LCD等の表示パネルの上に保護パネルを設置した構造を有するが、その保護パネルを、表示パネル外側の額縁部分と貼り合わせるために、発泡シートを基材とした粘着テープが使用される。
従来、電子機器内部に使用される発泡シートとしては、熱分解型発泡剤を含む発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡かつ架橋させて得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開2005/007731号
ところで、昨今、電子機器は小型化が進む一方で、各種部品の高機能化も進み、電気機器内部のスペースの制約が大きくなり、電子機器内部で使用される発泡シートの幅が狭くなる傾向になる。例えば、表示パネル外側の額縁部分は、電子機器の小型化と、表示装置の大型化により幅狭となり、額縁部分に貼付される粘着テープの幅も狭くなる。
しかし、発泡シートは、その幅が狭くなると、単位面積あたりに作用される力が大きくなり材破されやすくなるため、電気機器を落下させたときなどの衝撃で破損されることがある。したがって、発泡シートには、幅を狭くした場合でも、耐衝撃性などの各種耐久性を向上することが求められている。
さらに、近年、電子機器は、ポータブル化され、屋外に持ち運ばれることも多く、より過酷な環境下で使用されるようになってきており、その点からも、発泡シートにはより高い耐久性が求められるようになっている。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、例えば、幅を狭くしたような場合でも、耐衝撃性、層間強度等を高くして耐久性に優れる樹脂発泡シートを提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[12]を提供するものである。
[1]独立気泡を有する樹脂発泡シートであって、気泡の長軸における平均気泡径(DL)が120μm以下であるとともに、長軸における気泡径の標準偏差(σL)が60μm以下である樹脂発泡シート。
[2]前記樹脂発泡シートは、ポリオレフィン樹脂を含む上記[1]に記載の樹脂発泡シート。
[3]前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン樹脂である上記[2]に記載の樹脂発泡シート。
[4]前記ポリオレフィン樹脂が、メタロセン化合物の重合触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンである上記[3]に記載の樹脂発泡シート。
[5]架橋度が30質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
[6]発泡倍率が、1.2〜2.8cm/gである上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
[7]樹脂発泡シートの厚さが、0.02〜0.8mmである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂発泡シート。
[8]樹脂発泡シートの25%圧縮強度が400〜2000kPaであるとともに、層間強度が4.3MPa以上である上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
[9]樹脂と熱分解型発泡剤とを含む発泡性組成物を発泡してなる上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
[10]前記熱分解型発泡剤の粒径が、15μm未満である上記[9]に記載の樹脂発泡シート。
[11]上記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の樹脂発泡シートの製造方法であって、樹脂および熱分解型発泡剤を含む発泡性組成物を加熱し、前記熱分解型発泡剤を発泡させる樹脂発泡シートの製造方法。
[12]上記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の樹脂発泡シートと、前記樹脂発泡シートの少なくともいずれか一方の面に設けた粘着剤層とを備える粘着テープ。
本発明によれば、例えば幅を狭くしたような場合であっても、耐久性に優れる樹脂発泡シートを提供することが可能である。
耐衝撃性試験装置の模式図である。 層間強度測定方法の説明図である。
以下、本発明について実施形態を用いて詳細に説明する。
[樹脂発泡シート]
本発明に係る樹脂発泡シートは、独立気泡を有する樹脂発泡シートであって、気泡の長軸における平均気泡径(DL)が120μm以下であるとともに、長軸における気泡径の標準偏差(σL)が60μm以下であるものである。
本発明の樹脂発泡シートでは、気泡を上記したように微細なものとするとともに、気泡径の標準偏差を小さくすることで、耐衝撃性、層間強度等が高くなり、耐久性が優れたものとなる。具体的には、気泡が微細となることで、気泡間にある気泡壁の数が単位長さ当たりで多くなるとともに、標準偏差が小さく気泡壁の大きさも均一になりやすいため、機械強度の低い気泡壁が少なくなる。そのため、樹脂発泡シートは、幅を狭くしたような場合でも、その幅狭の間に気泡壁が多数存在し、かつ各気泡壁の機械強度も比較的良好であるため、樹脂発泡シートに大きな力が作用されても各気泡壁の破壊が防止され、それにより、耐久性が優れたものになると推定される。
一方で、気泡の長軸における平均気泡径(DL)が120μmを超えたり、標準偏差(σL)が60μmより大きくなったりすると、単位長さあたりの気泡壁の数が少なくなり、また、気泡壁の大きさが不均一になりやすいため、例えばシートの幅を狭くした場合などには、耐衝撃性、層間強度等が不足して耐久性が低下する。
長軸における平均気泡径(DL)は、30μm以上となるが、長軸における平均気泡径(DL)は、製造容易性及び上記した観点から、35〜100μmであることが好ましく、40〜80μmであることがより好ましい。
また、長軸における気泡径の標準偏差(σL)は、耐久性をより良好にする観点から、好ましくは45μm以下、より好ましくは35μm以下である。また、長軸における標準偏差(σL)は、低ければ低いほどよいが、通常、5μm以上、実用的には10μm以上である。
樹脂発泡シートの気泡は、短軸における平均気泡径(DS)が、上記した長軸における平均気泡径(DL)以下となるものであるとともに、中軸における平均気泡径(DM)が、短軸における平均気泡径(DS)以上、長軸における平均気泡径(DL)以下となるものである。
なお、本明細書において気泡の長軸とは気泡を近接直方体に見立てた時の各辺における最大長、中軸とはその第2最大長、短軸とはその第3最大長を意味する。また、以下では、長軸、短軸、中軸における平均気泡径は、それぞれ単に平均気泡径(DL)、平均気泡径(DM)、平均気泡径(DS)ともいう。
また、気泡の短軸の長さに対する長軸の長さの比の平均値(以下、“平均アスペクト比D(L/S)”ともいう)は、好ましくは1.1〜20である。また、気泡の短軸の長さに対する中軸の長さの比の平均値(以下、“平均アスペクト比D(M/S)”ともいう)は、好ましくは1.05〜15である。さらに、平均アスペクト比D(L/S)が1.5〜10であるとともに、平均アスペクト比D(M/S)が1.5〜10であることがより好ましく、平均アスペクト比D(L/S)が2.0〜8.0であるとともに、平均アスペクト比D(M/S)が2.0〜8.0であることがさらに好ましい。
なお、樹脂発泡シートにおいて、短軸は、通常、シートの厚さ方向に平行であるか、又は厚さ方向から小さい角度で傾いて存在する軸である。したがって、各気泡は、平均アスペクト比D(L/S)、平均アスペクト比D(M/S)が上記範囲内となることで、シートの面方向に沿って広がる円盤状を呈することとなる。ここで、円盤状とは、平面視で円形のものに限定されず、楕円形、又は円形ないし楕円形からさらに変形した形状であってもよい。
中軸における気泡径の標準偏差(σM)は、特に限定されないが、長軸における気泡径の標準偏差(σL)よりも小さくなることが好ましい。また、短軸における気泡径の標準偏差(σS)は、特に限定されないが、長軸、中軸それぞれにおける気泡径の標準偏差(σL)及び標準偏差(σM)のいずれよりも小さくなることが好ましい。
なお、平均気泡径(DL)、平均気泡径(DM)、平均気泡径(DS)、標準偏差(σL)、標準偏差(σM)、及び標準偏差(σS)は、後述する実施例に示すように、X線CTにより撮影した3次元画像において測定した気泡径により算出するものである。平均アスペクト比も同様である。
さらに、標準偏差(σL)を平均気泡径(DL)で割った長軸における変動係数(VL)は、1未満であることが好ましい。変動係数(VL)が1未満となることで、長軸における気泡径のばらつきをより低減することが可能になる。変動係数(VL)は、長軸における気泡径のばらつきを低減する観点から、0.7以下であることが好ましく、0.55以下であることがより好ましい。また、標準偏差(σM)を平均気泡径(DM)で割った中軸における変動係数(VM)、及び標準偏差(σS)を平均気泡径(DS)で割った短軸における変動係数(VS)それぞれも、好ましくは1未満、より好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.55以下である。
なお、変動係数(VL)は、低ければ低いほど、気泡径のばらつきが抑えられるが、通常は0.1以上、実用的には0.2以上である。変動係数(VM),(VS)も同様である。
(独立気泡率)
樹脂発泡シートは、上記したように気泡が独立気泡であるものである。気泡が独立気泡であるとは、全気泡に対する独立気泡の割合(独立気泡率という)が70%以上となることを意味する。独立気泡率は、好ましくは75%以上、より好ましくは90%以上である。
独立気泡率は、ASTM D2856(1998)に準拠して求めることができる。市販の測定器では、乾式自動密度計アキュピック1330などが挙げられる。
独立気泡率は、より具体的には下記の要領で測定される。樹脂発泡シートから一辺が5cmの平面正方形状で、且つ一定厚みの試験片を切り出す。試験片の厚みを測定し、試験片の見掛け体積Vを算出するとともに試験片の重量Wを測定する。次に、気泡の占める見掛け体積Vを下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度は、1g/cmとする。
気泡の占める見掛け体積V=V−W
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。水中で圧力を解放後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去し、試験片の重量Wを測定し、下記式に基づいて連続気泡率F及び独立気泡率Fを算出する。
連続気泡率F(%)=100×(W−W)/V
独立気泡率F(%)=100−F
(架橋度)
樹脂発泡シートは、架橋されたものであることが好ましく、その架橋度は、30質量%以上であることが好ましい。架橋度を30質量%以上とすることで発泡樹脂シートの気泡を微細化しやすくなり、また各気泡の大きさのばらつきを少なくして標準偏差を小さくしやすくなる。架橋度は、35〜70質量%がより好ましく、38〜60質量%がさらに好ましい。架橋度をこれら上限値以下とすることで発泡体を適切に発泡させやすくなる。
(樹脂発泡シートの寸法)
樹脂発泡シートの厚さは、0.02〜0.8mmであることが好ましい。厚さを0.02m以上とすると、樹脂発泡シートの機械的強度や柔軟性の確保が容易になる。また、厚さを0.8m以下とすると、薄膜化が可能になり、小型化した電子機器に好適に使用できる。これらの観点から、樹脂発泡シートの厚さは、0.08〜0.50mmであることがより好ましく、0.10〜0.20mmであることがさらに好ましい。
樹脂発泡シートは、特に限定されないが、細線状に加工したものでもよく、例えば樹脂発泡シートの幅を10mm以下にして使用してもよい。また、例えば5mm以下、さらには1mm以下であってもよい。樹脂発泡シートの幅を狭くすると、小型化された電子機器内部において好適に使用することが可能である。また、本発明の樹脂発泡シートは、幅を狭くしても、耐久性が良好に維持される。樹脂発泡シートの幅の下限値は特に限定されないが、例えば0.1mm以上のものであってもよいし、0.2mm以上のものであってもよい。なお、樹脂発泡シートの平面形状は、特に限定されないが、細長矩形状、枠状、L字状、コの字状等とするとよい。ただし、これらの形状以外でも、通常の四角形、円形等の他のいかなる形状であってもよい。
(発泡倍率)
樹脂発泡シートの発泡倍率は、1.2〜2.8cm/gであることが好ましい。発泡倍率を1.2cm/g以上とすることで、圧縮強度、柔軟性が良好となり、樹脂発泡シートの衝撃吸収性、シール性が良好となりやすい。一方で、2.8cm/g以下とすることで、機械強度が高くなり、耐久性をより向上させやすくなる。また、平均気泡径及び気泡径の標準偏差も小さくしやすくなる。
以上の観点から、発泡倍率は、1.3〜2.3cm/gがより好ましく、1.5〜2.0cm/gがさらに好ましい。なお、本発明では、JIS K7222に従い発泡シートの密度を求め、その逆数を発泡倍率とする。
(圧縮強度及び層間強度)
樹脂発泡シートの25%圧縮強度は、400〜2000kPaであることが好ましく、800〜1500kPaがより好ましい。25%圧縮強度を2000kPa以下とすることで、樹脂発泡シートに衝撃吸収性、シール性を持たせ、緩衝吸収材及びシール材として好適に使用可能になる。また、400kPa以上とすることで機械強度を良好にしやすくなる。なお、25%圧縮強度は、樹脂発泡シートをJISK6767に準拠して測定したものをいう。
また、樹脂発泡シートは、層間強度が4.3MPa以上であることが好ましく、4.8MPa以上であることがさらに好ましい。
樹脂発泡シートは、圧縮強度及び層間強度を以上の範囲としつつ、平均気泡径及び標準偏差を小さくすることで、シート幅を狭くしたような場合であっても、十分な耐久性を有する。
[ポリオレフィン樹脂]
樹脂発泡シートに使用される樹脂としては、各種の樹脂を使用すればよいが、中でもポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。ポリオレフィン樹脂を使用することで、樹脂発泡シートの柔軟性を確保しつつ、平均気泡径及び標準偏差を小さくすることが可能である。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらの中ではポリエチレン樹脂が好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン化合物、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が挙げられ、好ましくは、メタロセン化合物の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が用いられる。
また、ポリエチレン樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、得られる樹脂発泡シートに高い柔軟性が得られるとともに、樹脂発泡シートの薄肉化が可能になる。この直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン化合物等の重合触媒を用いて得たものがより好ましい。また、直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン(例えば、全モノマー量に対して75質量%以上、好ましくは90質量%以上)と必要に応じて少量のα−オレフィンとを共重合することにより得られる直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。
α−オレフィンとして、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、及び1−オクテン等が挙げられる。なかでも、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
ポリエチレン樹脂、例えば上記した直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.870〜0.910g/cmが好ましく、0.875〜0.907g/cmがより好ましく、0.880〜0.905g/cmが更に好ましい。ポリエチレン樹脂としては、複数のポリエチレン樹脂を用いることもでき、また、上記した密度範囲以外のポリエチレン樹脂を加えてもよい。
(メタロセン化合物)
メタロセン化合物としては、遷移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟んだ構造を有するビス(シクロペンタジエニル)金属錯体等の化合物を挙げることができる。より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、及び白金等の四価の遷移金属に、1又は2以上のシクロペンタジエニル環又はその類縁体がリガンド(配位子)として存在する化合物を挙げることができる。
このようなメタロセン化合物は、活性点の性質が均一であり各活性点が同じ活性度を備えている。メタロセン化合物を用いて合成した重合体は、分子量、分子量分布、組成、組成分布等の均一性が高いため、メタロセン化合物を用いて合成した重合体を含むシートを架橋した場合には、架橋が均一に進行する。均一に架橋されたシートは、均一に発泡されるため、上記したように、標準偏差を小さくしやすい。また、均一に延伸できるため、樹脂発泡シートの厚さを均一にできる。
リガンドとしては、例えば、シクロペンタジエニル環、インデニル環等を挙げることができる。これらの環式化合物は、炭化水素基、置換炭化水素基又は炭化水素−置換メタロイド基により置換されていてもよい。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種アミル基、各種ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種セチル基、フェニル基等が挙げられる。なお、「各種」とは、n−、sec−、tert−、iso−を含む各種異性体を意味する。
また、環式化合物をオリゴマーとして重合したものをリガンドとして用いてもよい。
更に、π電子系の不飽和化合物以外にも、塩素や臭素等の一価のアニオンリガンド又は二価のアニオンキレートリガンド、炭化水素、アルコキシド、アリールアミド、アリールオキシド、アミド、アリールアミド、ホスフィド、アリールホスフィド等を用いてもよい。
四価の遷移金属やリガンドを含むメタロセン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
メタロセン化合物は、特定の共触媒(助触媒)と組み合わせることにより、各種オレフィンの重合の際に触媒としての作用を発揮する。具体的な共触媒としては、メチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素系化合物等が挙げられる。なお、メタロセン化合物に対する共触媒の使用割合は、10〜100万モル倍が好ましく、50〜5,000モル倍がより好ましい。
樹脂発泡シートに含まれるポリオレフィン樹脂は、上記した直鎖状低密度ポリエチレンを使用する場合、上記の直鎖状低密度ポリエチレンを単独で使用してもよいが、他のポリオレフィン樹脂と併用してもよく、例えば、以下に述べる他のポリオレフィン樹脂と併用してもよい。他のポリオレフィン樹脂を含有する場合、直鎖状低密度ポリエチレン(100質量%)に対する他のポリオレフィン樹脂の割合は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
ポリオレフィン樹脂として使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、例えば、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
また、ポリプロピレン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げることができ、これらの中では、炭素数6〜12のα−オレフィンが好ましい。
また、樹脂発泡シートは、樹脂としてポリオレフィン樹脂を使用する場合、樹脂発泡シートに含有される樹脂は、ポリオレフィン樹脂を単独で使用してもよいが、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂を含んでもよい。発泡シートにおいて、ポリオレフィン樹脂の樹脂全量に対する割合は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
また、樹脂発泡シートに使用するポリオレフィン樹脂以外の樹脂としては、スチレン系熱可塑性エラストマー、EPDMなどのエチレンプロピレン系熱可塑性エラストマー等の各種のエラストマーが挙げられる。
(熱分解型発泡剤)
本発明の樹脂発泡シートは、上記樹脂と熱分解型発泡剤とを含む発泡性組成物を発泡してなることが好ましい。また、熱分解型発泡剤としては、粒径が15μm未満のものを使用することが好ましい。粒径が15μm未満のものを使用することで、上記したように架橋度を高くすることも相俟って、樹脂発泡シートの気泡径及び標準偏差を小さくしやすくなる。また、熱分解型発泡剤の粒径は、2〜14μmが好ましく、5〜13μmがより好ましい。
なお、熱分解型発泡剤の粒径は、レーザー回折法により測定した値であって、累積頻度50%に相当する粒径(D50)を意味する。
熱分解型発泡剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤が使用可能である。有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機系発泡剤としては、酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミドが特に好ましい。これらの熱分解型発泡剤は、単独で又は2以上を組み合わせて使用することができる。
発泡性組成物における熱分解型発泡剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部、さらに好ましくは1.5〜3.5質量部である。
また、発泡性組成物は、上記樹脂と熱分解型発泡剤に加えて、気泡核調整剤を含有することが好ましい。気泡核調整剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の亜鉛化合物、クエン酸、尿素の有機化合物等が挙げられるが、これらの中では、酸化亜鉛がより好ましい。上記した小粒径の発泡剤に加えて気泡核調整剤を使用することで、気泡径及び標準偏差をより小さくしやすくなる。気泡核調整剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.4〜8質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは0.8〜2.5質量部である。
発泡性組成物は、必要に応じて、上記以外にも、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材等の発泡体に一般的に使用する添加剤を含有していてもよい。
[樹脂発泡シートの製造方法]
樹脂発泡シートの製造方法は、特に制限はないが、例えば、樹脂および熱分解型発泡剤を含む発泡性組成物を加熱し、熱分解型発泡剤を発泡させることで製造する。その製造方法は、より具体的には、以下の工程(1)〜(4)を含む。
工程(1):樹脂、及び熱分解型発泡剤を含む添加剤を混合して、シート状の発泡性組成物(樹脂シート)に成形する工程
工程(2):シート状の発泡性組成物に電離性放射線を照射して発泡性組成物を架橋させる工程
工程(3):架橋させた発泡性組成物を加熱し、熱分解型発泡剤を発泡させて、微細気泡を形成する工程
工程(4):微細気泡を形成後に、MD方向又はTD方向のいずれか一方又は双方の方向に延伸して、微細気泡を延伸し、樹脂発泡シートを得る工程
工程(1)において、樹脂シートを成形する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂及び添加剤を押出機に供給して溶融混練し、押出機から発泡性組成物をシート状に押出すことによって樹脂シートを成形すればよい。
工程(2)において発泡性組成物を架橋する方法としては、樹脂シートに電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線を照射する方法を用いる。上記電離放射線の照射量は、得られる発泡シートの架橋度が上記した所望の範囲となるように調整すればよいが、5〜15Mradであることが好ましく、6〜13Mradであることがより好ましい。
工程(3)において、発泡性組成物を加熱し熱分解型発泡剤を発泡させるときの加熱温度は、熱分解型発泡剤の発泡温度以上であればよいが、好ましくは200〜300℃、より好ましくは220〜280℃である。
工程(4)における樹脂発泡シートの延伸は、樹脂シートを発泡させて樹脂発泡シートを得た後に行ってもよいし、樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、樹脂シートを発泡させて樹脂発泡シートを得た後、樹脂発泡シートを延伸する場合には、樹脂発泡シートを冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて樹脂発泡シートを延伸してもよく、樹脂発泡シートを冷却した後、再度、樹脂発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で樹脂発泡シートを延伸してもよい。
工程(4)において、樹脂発泡シートのMD方向及びTD方向の一方又は両方への延伸倍率は、1.1〜5.0倍が好ましく、1.5〜4.0倍がより好ましい。
延伸倍率を上記下限値以上とすると、樹脂発泡シートの柔軟性及び引張強度が良好になりやすくなる。一方、上限値以下とすると、発泡シートが延伸中に破断したり、発泡中の発泡シートから発泡ガスが抜けて発泡倍率が著しく低下したりすることが防止され、樹脂発泡シートの柔軟性や引張強度が良好になり、品質も均一なものとしやすくなる。
また、延伸時に樹脂発泡シートは、例えば100〜280℃、好ましくは150〜260℃に加熱すればよい。
ただし、本製造方法は、上記に限定されずに、上記以外の方法により、樹脂発泡シートを得てもよい。例えば、電離性放射線を照射する代わりに、発泡性組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、発泡性組成物を加熱して有機過酸化物を分解させる方法等により架橋を行ってもよい。
樹脂発泡シートの用途は、特に限定されないが、例えば電子機器内部で使用することが好ましい。本発明の樹脂発泡シートは、薄くかつ幅を狭くしても高い耐久性を有するので、特に、樹脂発泡シートを配置するスペースが小さい各種の携帯電子機器内部で好適に使用できる。携帯電子機器としては、携帯電話、カメラ、ゲーム機器、電子手帳、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。樹脂発泡シートは、電子機器内部において、衝撃吸収材、シール材として使用可能である。また、樹脂発泡シートを基材とする粘着テープに使用してもよい。
粘着テープは、例えば、樹脂発泡シートと、樹脂発泡シートの少なくともいずれか一方の面に設けた粘着剤層とを備えるものであるが、両面に粘着剤層を設けた両面粘着テープが好ましい。
粘着テープを構成する粘着剤層の厚さは、5〜200μmであることが好ましい。粘着剤層の厚さは、より好ましくは7〜150μmであり、更に好ましくは10〜100μmである。粘着剤層の厚さが5〜200μmの範囲であると、粘着テープを用いて固定した構成体の厚さを薄くできる。
粘着剤層に使用する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。
また、粘着剤層の上には、さらに離型紙等の剥離シートが貼り合わされてもよい。
樹脂発泡シートの少なくとも一面に粘着剤層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂発泡シートの少なくとも一面にコーター等の塗工機を用いて粘着剤を塗布する方法、樹脂発泡シートの少なくとも一面にスプレーを用いて粘着剤を噴霧、塗布する方法、樹脂発泡シートの少なくとも一面に刷毛を用いて粘着剤を塗布する方法、剥離シート上に形成した粘着剤層を樹脂発泡シートの少なくとも一面に転写する方法等が挙げられる。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[測定方法]
各物性の測定方法及び評価方法は、次の通りである。
<平均気泡径及び標準偏差>
平均気泡径及び標準偏差は、以下の方法に従って測定した。
(3次元画像の撮影)
樹脂発泡シートを約5mm角にカットし、X線CT装置(ヤマト科学社製TDM1000H-II(2K))を用いて撮像し(管電圧40kV、管電流0.087mA)、連続断層画像を得た。
(3次元画像の解析)
得られた断層像に対しAvizo9(FEI社製)を使用して画像処理を行った。まず画像の中央部において、約1000個の気泡が内包される大きさの領域を測定領域とし、外側の画像は消去した。なお、領域の大きさは、実施例1では0.4mm×約0.45mm、比較例1では約3mm×約4.5mmであった。厚さ方向についてはサンプル厚さをそのまま測定領域とした。その上でメディアンフィルターによりノイズを除去した上で二値化を実行し、樹脂部と気泡部を区別した。気泡部のみを取り出した画像データに対し、サーフィスレンダリングを行うことで3次元画像を得た。測定領域と外側との境界上にある気泡は削除した。残った測定領域内の気泡に対しラベリングを行い、各気泡の近接直方体各辺における最大長、第2最大長、第3最大長をそれぞれ気泡の長軸、中軸、短軸の長さとして算出した。測定した気泡のうち、長軸の長さが30μm以上の気泡における長軸、中軸、短軸の平均値をそれぞれ平均気泡径(DL)、平均気泡径(DM)、平均気泡径(DS)とした。ただし、各平均気泡径の算出に使用する測定データの数が100個に満たない場合には、測定対象となる気泡が十分にないとして測定データなしとする。
また、平均気泡径(DL)、平均気泡径(DM)、平均気泡径(DS)の算出に用いた個々の測定データから標準偏差(σL、σM、σS)を計算した。標準偏差の計算には、以下の一般計算式を使用した。なお、σは標準偏差、χは測定データ、nは測定数である。

さらに、平均気泡径を測定した個々の気泡における(長軸の長さ/短軸の長さ)の比を算出し、その平均値を平均アスペクト比D(L/S)とした。同様に、(中軸の長さ/短軸の長さ)の比の平均値を平均アスペクト比D(M/S)とした。
<見かけ密度及び発泡倍率>
樹脂発泡シートについてJIS K7222に準拠して見かけ密度を測定し、その逆数を発泡倍率とした。
<架橋度>
樹脂発泡シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の重量A(mg)を精秤する。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の重量B(mg)を精秤する。得られた値から、下記式により架橋度(質量%)を算出した。
架橋度(質量%)=100×(B/A)
<独立気泡率>
明細書記載の方法に従って測定した。
<耐衝撃性>
(耐衝撃性評価サンプルの調整)
実施例、比較例で得られた樹脂発泡シートの両面に下記方法により得られた粘着剤層を積層し、樹脂発泡シートを基材とする両面粘着テープを以下の要領で作製した。
(両面粘着テープの作製方法)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート75質量部、2−エチルヘキシルアクリレート22質量部、アクリル酸3質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2質量部、及び酢酸エチル80質量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を添加した。5時間還流させて、アクリル共重合体(z)の溶液を得た。得られたアクリル共重合体(z)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、60万であった。
得られたアクリル共重合体(z)の溶液に含まれるアクリル共重合体(z)の固形分100質量部に対して、軟化点135℃の重合ロジンエステル15質量部、酢酸エチル(不二化学薬品株式会社製)125質量部、イソシアネート系架橋剤(東ソー株式会社製、コロネートL45)2質量部を添加し、攪拌することにより粘着剤(Z)を得た。なお、アクリル系粘着剤の架橋度は33質量%であった。
厚さ150μmの離型紙を用意し、この離型紙の離型処理面に粘着剤(Z)を塗布し、100℃で5分間乾燥させることにより、厚さ50μmのアクリル粘着剤層を形成した。このアクリル粘着剤層を、樹脂発泡シートからなる基材の表面と貼り合わせた。次いで、同様の要領で、基材の反対の表面にも上記と同じアクリル粘着剤層を貼り合わせた。これにより、厚さ150μmの離型紙で覆われた両面粘着テープを得た。
(耐衝撃性試験装置の作製)
図1に、耐衝撃性試験装置の模式図を示す。
耐衝撃性試験装置は、以下の手順で作製した。
まず、上記で得られた両面粘着テープを外径が幅15.0mm、長さ15.0mm、内径が幅13.6mm、長さ13.6mmになるように打ち抜き、各枠辺の幅を0.7mmとした四角枠状の試験片1を作製した。
次いで、図1(a)に示すように、中央に方形の孔2を設けたマグネシウム製被着板3を用意し、離型紙を剥がした試験片1を、マグネシウム製被着板3の上表面で、この孔2の外周側全周に亘って貼り付けた。
次いで、前記の孔2を被覆するサイズのガラス製被着板4を、試験片1の上に重ねて貼り付け、前記の孔2を被覆して耐衝撃性試験装置を組み立てた。
その後、耐衝撃性試験装置を上下反転して、マグネシウム製被着板3を上面にした状態で、マグネシウム製被着板3側から5kgfの圧力を5秒間加えて、上下に位置するマグネシウム製被着板3と試験片とを圧着し、常温で36時間放置した。
(耐衝撃性の判定)
図1(b)に示すように、作製した耐衝撃性試験装置を支持台5に固定し、マグネシウム製被着板3に形成された孔2を通過する大きさの50gの重さの鉄球6を、孔2を通過するように落とした。鉄球を落とす高さを徐々に高くしていき、鉄球の落下により加わった衝撃により試験片と被着板が剥がれた時の鉄球を落した高さを計測し、耐衝撃性を評価した。高さが25cm以上の場合を耐衝撃性が良好であるとして“A”、25cm未満の場合を耐衝撃性が不十分であるとして“B”と評価した。
<層間強度>
(層間強度測定用サンプルの作製)
図2に示すように、樹脂発泡シート7の25mm角範囲にプライマー(セメダイン株式会社製「PPXプライマー」)を塗布した後、塗布部分の中央に直径5mm分の接着剤8(セメダイン株式会社製「PPX」)を滴下した。その後直ちに、接着剤滴下部分に25mm角のアルミ製の治具9を置き、発泡シート7と治具9とを接着剤8により圧着した。その後、治具9の大きさに沿って発泡シートをカットした。カットした発泡シート7の治具9を接着していない面にプライマーを塗布し、塗布部分の中央に直径5mm分の接着剤10を滴下した。その後直ちに、接着剤滴下部分に10mm角のアルミ製の治具11を置き、発泡シート7と治具11とを接着剤10により圧着した。治具11の周辺にはみ出した接着剤をふき取った後、治具11の大きさに沿って発泡シートに切り込み12を入れた。これを室温で30分間放置することで接着剤を養生し、層間強度測定用サンプルとした。
(層間強度の判定)
続いて、1kNのロードセルを設置した試験機(株式会社エー・アンド・デイ製「テンシロン万能材料試験機」)に、樹脂発泡シート7のシート面が引張方向に対して垂直になるように層間強度測定用サンプルを取り付けた。治具9を速度100mm/分で垂直上向きに引っ張り、発泡シートの1cm角の範囲のみを層間剥離させた。このときの最大荷重を測定し、1回目の測定結果とした。同様の操作を3回繰り返し、その平均値を層間強度とした。層間強度が4.8MPa以上の場合を層間強度が優れるとして“A”とした。また、層間強度が4.3MPa以上4.8MPa未満の場合を層間強度が良好であるとして“B”とした。また、層間強度が4.3MPa未満の場合を層間強度が不十分であるとして“C”とした。
<25%圧縮強度>
樹脂発泡シートについてJIS K6767に準拠して25%圧縮強度を測定した。
[実施例1]
メタロセン化合物の重合触媒によって得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(ダウケミカル社製、商品名「アフィニティーPL1850」、密度:0.902g/cm)100質量部と、熱分解型発泡剤として粒径13μmのアゾジカルボンアミド2.1質量部と、気泡核調整剤として酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、商品名「OW−212F」)1.0質量部と、酸化防止剤0.5質量部とを押出機に供給して130℃で溶融混練し、厚さが290μmの長尺状の樹脂シートに押出した。
次に、上記長尺状の樹脂シートの両面に加速電圧500kVの電子線を7.4Mrad照射して樹脂シートを架橋した後、架橋した樹脂シートを熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱して発泡させて、厚さ300μmの発泡シートを得た。
次いで、得られた発泡シートを発泡炉から連続的に送り出した後、この発泡シートをその両面の温度が200〜250℃となるように維持した状態で、発泡シートをそのTD方向に2.0倍の延伸倍率で延伸させると共に、樹脂シートの発泡炉への送り込み速度(供給速度)よりも速い巻取速度でもって発泡シートを巻き取ることによって発泡シートをMD方向に延伸させて、発泡シートの気泡をTD方向及びMD方向に延伸して変形させ樹脂発泡シートを得た。なお、上記樹脂発泡シートの巻取速度は、樹脂シート自身の発泡によるMD方向への膨張分を考慮しつつ調整した。得られた樹脂発泡シートを上記評価方法に従って評価し、その結果を表1に示す。
[比較例1]
発泡性組成物におけるアゾジカルボンアミドの配合量を1.3質量部とするとともに、電子線照射量を4.7Mradとして、架橋度を25.7質量%とした点、TD方向への延伸倍率を1.8倍とした点を除いて実施例1と同様に実施した。得られた樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
以上のように、実施例1では、長軸の平均気泡径及び標準偏差を小さくすることで、層間強度及び耐衝撃性が高くなり、耐久性が良好な樹脂発泡シートを得た。それに対して、比較例1では、使用した樹脂を実施例1と同一にし、かつ発泡倍率も殆ど同じにしたが、長軸の平均気泡径及び標準偏差が大きかったため、層間強度及び耐衝撃性が低く、樹脂発泡シートの耐久性が不十分であった。
1 試験片
2 孔
3 マグネシウム製被着板
4 ガラス製被着板
5 支持台
6 鉄球
7 発泡シート
8 接着剤
9 治具
10 接着剤
11 治具
12 切り込み

Claims (9)

  1. 独立気泡を有する樹脂発泡シートであって、前記樹脂発泡シートは、ポリエチレン樹脂を含み、気泡の長軸における平均気泡径(DL)が120μm以下であるとともに、長軸における気泡径の標準偏差(σL)が60μm以下であり、架橋度が30〜41.4質量%である樹脂発泡シート。
  2. 前記ポリエチレン樹脂が、メタロセン化合物の重合触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンである請求項に記載の樹脂発泡シート。
  3. 発泡倍率が、1.2〜2.8cm/gである請求項1又は2に記載の樹脂発泡シート。
  4. 樹脂発泡シートの厚さが、0.02〜0.8mmである、請求項1〜のいずれかに記載の樹脂発泡シート。
  5. 樹脂発泡シートの25%圧縮強度が400〜2000kPaであるとともに、層間強度が4.3MPa以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
  6. 樹脂と熱分解型発泡剤とを含む発泡性組成物を発泡してなる請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂発泡シート。
  7. 前記熱分解型発泡剤の粒径が、15μm未満である請求項に記載の樹脂発泡シート。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂発泡シートの製造方法であって、
    樹脂および熱分解型発泡剤を含む発泡性組成物を加熱し、前記熱分解型発泡剤を発泡させる樹脂発泡シートの製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂発泡シートと、前記樹脂発泡シートの少なくともいずれか一方の面に設けた粘着剤層とを備える粘着テープ。
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