JP6897700B2 - 造形装置、造形物の造形方法 - Google Patents

造形装置、造形物の造形方法 Download PDF

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本発明は、造形装置及び造形物の造形方法に関する。
従来、第1紙シート材と第2紙シート材との間に接着層を形成し、当該接着層を介して第1紙シート材と第2紙シート材とを互いに接着して3次元物体を造形するシート積層造形方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−278214号公報
しかしながら、上記シート積層造形方法では、第1紙シート材と第2紙シート材との間に接着層が介在するため、接着層の厚みのばらつきにより造形物の寸法精度が低下してしまう、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる造形装置は、繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートが載置される載置部と、前記載置部に載置された第1のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断する切断部と、前記切断部により切断された前記第1のシートの前記不要領域の一部を切削して除去する除去部と、前記除去部により前記不要領域が除去された前記第1のシートの上に、第2のシートを積み重ねる積層部と、前記第2のシートを加熱して前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ前記第1のシートと接着させる加熱部と、を有し、前記切断部によるシートの切断と、前記除去部によるシートからの不要領域の除去と、前記積層部によるシートの積み重ねと、前記加熱部によるシートの接着とを繰り返すことにより造形物を造形することを特徴とする。
この構成によれば、第1のシートと第2のシートとが各シートに含まれる熱可塑性樹脂によって互いに接着される。従って、第1のシートと第2のシートとの間に接着層が介在しないため、精度の高い造形物を形成することができる。さらに、除去部により第1のシートの不要領域の一部分、例えば、造形物において凹部や中空部に対応する部分が除去された状態で第2のシートが積層されるので、中空構造の造形物を作成することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる造形装置の前記除去部は、回転する切削刃を有することを特徴とする。
この構成によれば、シートを自在に切削可能となる。従って、あらゆる形状の造形物を形成することができる。
[適用例3]本適用例にかかる造形装置は、繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートを積層して造形物を造形する造形装置であって、造形データに基づいて、造形物を構成しない不要領域の一部を、シートから除去する除去部と、前記不要領域の一部が除去されたシートを、載置部上の最上位に載置する積層部と、前記載置部上の最上位のシートを加熱して前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ下位のシートと接着させる加熱部と、前記最上位のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断する切断部と、を有し、前記除去部によるシートからの不要領域の一部の除去と、前記積層部によるシートの積み重ねと、前記加熱部によるシートの接着と、前記切断部によるシートの切断と、を繰り返すことにより造形物を造形することを特徴とする。
この構成によれば、上位のシートと下位のシートとが各シートに含まれる熱可塑性樹脂によって互いに接着される。従って、シート間に接着層が介在しないため、精度の高い造形物を形成することができる。さらに、不要領域の一部分、例えば、造形物において凹部や中空部に対応する部分が除去されたシートが積層されるので、中空構造の造形物を作成することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる造形装置の前記加熱部は、前記第2のシートに面接触し、加圧するとともに加熱することを特徴とする。
この構成によれば、加圧による成形と加熱による接着とが同時に行われるので、製造効率を高めることができる。
[適用例5]上記適用例にかかる造形装置は、繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊部と、前記解繊部により解繊された解繊物に熱可塑性樹脂を混合させた混合物を堆積させる堆積部と、前記堆積部により堆積した堆積物を加圧加熱してシートを成形する成形部と、を有し、前記成形部により成形されたシートを用いて前記造形物を造形することを特徴とする。
この構成によれば、原料として古紙を用いることにより、古紙から造形物を作成することができる。
[適用例6]上記適用例にかかる造形装置では、前記解繊物と混合される前記熱可塑性樹脂は、粉体または繊維状であることを特徴とする。
この構成によれば、解繊物の繊維同士を確実に結着させることが可能となる。
[適用例7]上記適用例にかかる造形装置では、前記成形部による第1加熱温度と、前記加熱部による第2加熱温度は、前記熱可塑性樹脂の融点≦第1加熱温度≦第2加熱温度、を満たすことを特徴とする。
この構成によれば、第1加熱温度は熱可塑性樹脂の融点以上であるため、シートを構成する繊維同士を確実に結着させることができる。また、第2加熱温度は、第1加熱温度以上であるので、第1のシートと第2のシートとを熱可塑性樹脂により確実に接着させることができる。
[適用例8]上記適用例にかかる造形装置では、前記積層部によりシート(前記第2のシート)を積み重ねる前に、前記載置部上のシート(前記第1のシート)の少なくとも前記有効領域の輪郭部を着色する着色部を有することを特徴とする。
この構成によれば、着色されたシートが積層されるため、色付きの造形物を作成することができる。
[適用例9]上記適用例にかかる造形装置の前記着色部は、熱または光により硬化する着色用液体によりシート(前記第1のシート)を着色することを特徴とする。
この構成によれば、発色性がよく光沢を出すことができる。また耐湿性も向上させることができる。
[適用例10]本適用例にかかる造形物の造形方法は、(a)繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートを載置部に載置し、(b)前記載置部に載置された第1のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断し、(c)前記第1のシートの前記不要領域の一部を切削して除去し、(d)前記不要領域が除去された前記第1のシートの上に、第2のシートを積み重ね、(e)前記第2のシートを加熱して前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ前記第1のシートと接着させ、(f)前記第2のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断し、前記(c)〜(f)を繰り返し行うことで造形物を造形することを特徴とする。
この構成によれば、第1のシートと第2のシートとが各シートに含まれる熱可塑性樹脂によって互いに接着される。従って、第1のシートと第2のシートとの間に接着層が介在しないため、精度の高い造形物を形成することができる。さらに、除去部により第1のシートの不要領域の一部分、例えば、造形物において凹部や中空部に対応する部分が除去された状態で第2のシートが積層されるので、中空構造の造形物を作成することができる。
[適用例11]本適用例にかかる造形物の造形方法は、繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートを積層して造形物を造形する造形物の造形方法であって、(a)造形データに基づいて、造形物を構成しない不要領域の一部を、シートから除去し、(b)前記不要領域の一部が除去されたシートを、載置部上の最上位に載置し、(c)前記最上位のシートを加熱して前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ下位のシートと接着させ、(d)前記最上位のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断し、前記(a)〜(d)を繰り返し行うことで造形物を造形することを特徴とする。なお、1枚目のシートを載置部上に載置したとき、下位のシートは存在しないため、加熱(接着)せずに切断処理を行う。すなわち(b)の処理の後(c)の処理をスキップして(d)の処理を行う。
この構成によれば、上位のシートと下位のシートとが各シートに含まれる熱可塑性樹脂によって互いに接着される。従って、シート間に接着層が介在しないため、精度の高い造形物を形成することができる。さらに、不要領域の一部分、例えば、造形物において凹部や中空部に対応する部分が除去されたシートが積層されるので、中空構造の造形物を作成することができる。
第1実施形態にかかる造形装置の構成を示す概略図。 第1実施形態にかかる造形物の造形方法を示す模式図。 第2実施形態にかかる造形装置の構成を示す概略図。 第2実施形態にかかる造形物の造形方法を示す模式図。
以下、本発明の第1および第2実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(第1実施形態)
まず、造形装置の構成について説明する。造形装置は、繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートが載置される載置部と、載置部に載置された第1のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断する切断部と、切断部により切断された第1のシートの不要領域の一部を切削して除去する除去部と、除去部により不要領域が除去された第1のシートの上に、第2のシートを積み重ねる積層部と、第2のシートを加熱して熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ第1のシートと接着させる加熱部と、を有し、切断部によるシートの切断と、除去部によるシートからの不要領域の除去と、積層部によるシートの積み重ねと、加熱部によるシートの接着とを繰り返すことにより造形物を造形する装置である。また、本実施形態にかかる造形装置は、繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊部と、解繊部により解繊された解繊物に熱可塑性樹脂を混合させた混合物を堆積させる堆積部と、堆積部により堆積した堆積物を加圧加熱してシートを成形する成形部と、を有し、成形部により成形されたシートを用いて造形物を造形するように構成されている。以下、具体的な構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかる造形装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の造形装置1は、シート製造部2と、造形部3と、を備えている。シート製造部2は、供給部10、粗砕部20、解繊部30、分級部40、選別部50、添加物投入部60、堆積部70、成形部120、シートカッター部130等を含み、造形部3は、積層部140、載置部150、切断部160、除去部165、加熱部170等を備えている。そして、造形装置1では、シート製造部2によって成形されたシートが造形部3に供給されるように構成されている。また、造形装置1における上記の各部を制御する制御部8を備えている。
まず、シート製造部2の構成について説明する。
供給部10は、粗砕部20に原料としての古紙Pu等を供給するものである。供給部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造部2に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。
粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートル角の紙片に裁断するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、分断された粗砕紙は、配管201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、繊維を含む原料を大気中で解繊するものである。具体的には、解繊部30は、回転する回転刃(図示せず)を備え、粗砕部20から供給された粗砕紙を繊維状に解きほぐす解繊を行うものである。本願においては、解繊部30で解繊されるものを被解繊物と言い、解繊部30を通過したものを解繊物と言う。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中で乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒(以下、「インク粒」という)となって繊維と分離する。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、回転刃の回転によって気流が発生する機構となっており、解繊された繊維はこの気流に乗って配管202を介して空気中で分級部40に搬送される。なお、解繊された繊維を分級部40に搬送させるための気流を発生させる気流発生装置を解繊部30に別途設けてもよい。
分級部40は、導入された導入物を気流により分級するものである。本実施形態では、導入物としての解繊物をインク粒と繊維とに分級する。分級部40は、例えば、サイクロンを適用することにより、搬送された解繊物をインク粒と繊維とに気流分級することができる。なお、サイクロンに替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロン以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級点を調整することができる。これにより、比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒より大きく密度の高い繊維とに分けられる。
本実施形態の分級部40は接線入力方式のサイクロンであり、解繊部30から導入物が導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた筒部41と、筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さくなる。
分級処理において、分級部40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、筒部41、円錐部42で円周運動に変わり、解繊物は遠心力がかかり分級される。そして、インク粒より大きく密度の高い繊維は下部取出口40bへ移動し、比較的小さく密度の低いインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出される。そして、分級部40の上部排気口40cからインク粒が排出される。そして、排出されたインク粒は、分級部40の上部排気口40cに接続された配管206を介して受け部80に回収される。一方、分級部40の下部取出口40bから配管203を介して分級された繊維を含む分級物が選別部50に向けて空気中で搬送される。分級部40から選別部50へは、分級される際の気流によって搬送されてもよいし、上方にある分級部40から重力で下方にある選別部50に搬送されてもよい。なお、分級部40の上部排気口40cや配管206等に、上部排気口40cから短繊維混合物を効率よく吸引するための吸引部等を配置してもよい。分級は、あるサイズや密度を境にして正確に分けられるものではない。また、繊維とインク粒とに正確に分けられるものでもない。繊維の中でも比較的短い繊維はインク粒と共に上部排気口40cから排出される。インク粒の中でも比較的大きいものは繊維とともに下部取出口40bから排出される。
選別部50は、分級部40により分級された繊維を含む分級物(解繊物)を複数の開口を有するふるい部51から通過させて選別するものである。さらに、具体的には、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、開口を通過する通過物と、開口を通過しない残留物と、に選別するものである。本実施形態の選別部50では、分級物を回転運動により空気中で分散させる機構を備えている。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、通過物搬送部52から配管204を介して堆積部70側に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、配管205を介して再び被解繊物として解繊部30に戻される。これにより、残留物は廃棄されずに再使用(再利用)される。
選別部50の選別により開口を通過した通過物は配管204を介して堆積部70に空気中で搬送される。選別部50から堆積部70へは、気流を発生させる図示しないブロワーによって搬送されてもよいし、上方にある選別部50から下方にある堆積部70に重力で搬送されてもよい。配管204における選別部50と堆積部70との間には、搬送される通過物(解繊物)に対して熱可塑性樹脂を添加する添加物投入部60が設けられている。通過物(解繊物)と混合される熱可塑性樹脂は、粉体または繊維状である。これにより、解繊した解繊物の繊維同士を確実に結着させることが可能となる。なお、搬送される通過物に対して熱可塑性樹脂の他、例えば、難燃剤、白色度向上剤、シート力増強剤やサイズ剤、吸収調整剤、芳香剤、脱臭剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によって投入口62から投入される。
堆積部70は、繊維を含む材料を堆積可能にするものであり、解繊部30で解繊された解繊物に熱可塑性樹脂を混合させた混合物を堆積させるものである。具体的には、堆積部70は、配管204から投入された繊維や熱可塑性樹脂を含む混合物を用いて堆積させてウエブWを形成するものであり、繊維を空気中に均一に分散させる機構を備えている。また、堆積部70は、移動しながら混合物を堆積物(ウエブW)として堆積する移動部を有している。なお、本実施形態の移動部は、張架ローラー72と、メッシュが形成されたエンドレスのメッシュベルト73とで構成されている。メッシュベルト73は、張架ローラー72によって張架されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に回転(移動)するようになっている。なお、本実施形態にかかるウエブWとは、繊維と熱可塑性樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブとして示している。
まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、堆積部70には、繊維及び熱可塑性樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより通過物(繊維)中に熱可塑性樹脂(添加物)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させて、通過物(繊維)中に熱可塑性樹脂(添加物)を均一に混ぜるとともに、小孔を通過した繊維や繊維と熱可塑性樹脂の混合物を空気中に均一に分散させることができる。
フォーミングドラム71の下方には、メッシュベルト73が配されている。また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引することができる。
そして、フォーミングドラム71の小孔スクリーンを通過した繊維等は、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と熱可塑性樹脂を含み長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、帯状の連続したウエブWが成形される。なお、メッシュベルト73は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものであってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュに繊維が入り込み、ウエブW(シート)を成形したときの凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の白抜き矢印)に従って搬送される。メッシュベルト73の上側には剥離部としての中間搬送部90が配置される。ウエブWは中間搬送部90によりメッシュベルト73上から剥離されて、加圧部110側に搬送される。つまり、移動部(メッシュベルト73)から堆積物(ウエブW)を剥離する剥離部(中間搬送部90)を有し、剥離した堆積物(ウエブW)を加圧部110に搬送できる。中間搬送部90は、鉛直上方(ウエブWがメッシュベルト73から離間する方向)にウエブWを吸引しながらウエブWを搬送可能に構成されている。中間搬送部90は、メッシュベルト73から鉛直上方(ウエブWの表面に対して垂直な方向)に離間して配置され、且つ、ウエブWの搬送方向においてメッシュベルト73と一部が下流側にずれて配置されている。そして、中間搬送部90の搬送区間は、メッシュベルト73の下流側の張架ローラー72aから加圧部110までの区間となる。
中間搬送部90は、搬送ベルト91と、複数の張架ローラー92と、吸引室93と、を有する。搬送ベルト91は、メッシュが形成されたエンドレスのメッシュベルトであり、張架ローラー92によって張架されている。そして、複数の張架ローラー92のうちの少なくとも1つが自転することで、搬送ベルト91が一方向に回転(移動)するようになっている。
吸引室93は、搬送ベルト91の内側に配置され、上面と当該上面に接する4つの側面とを有する中空の箱型形状をしており、底面(下方に位置する搬送ベルト91と対向する面)が開口している。また、吸引室93は、吸引室93内に気流(吸引力)を発生させる吸引部を備えている。そして、吸引部を駆動させることにより吸引室93の内部空間が吸引されて、吸引室93の底面から空気が流れ込む。これにより吸引室93の上方に向けた気流が発生し、ウエブWをウエブWの上方から吸引して搬送ベルト91に吸着させることができる。そして、搬送ベルト91は、張架ローラー92が自転することによって移動(周回)し、ウエブWを加圧部110に向けて搬送することができる。また、吸引室93は、上方から見て、メッシュベルト73と一部が重なり、また、サクション装置75と重ならない下流側の位置に配置されるため、メッシュベルト73上のウエブWは、吸引室93と対向する位置においてメッシュベルト73から剥離させて搬送ベルト91に吸着させることができる。張架ローラー92は、搬送ベルト91がメッシュベルト73と同速度で移動するように自転する。メッシュベルト73と搬送ベルト91の速度に差があると、ウエブWが引っ張られて破断したり座屈したりすることを、同速度にすることで防止できる。
ウエブWの搬送方向における中間搬送部90の下流側に加圧部110が配置されている。加圧部110は、一対の加圧ローラー111,112で構成され、搬送されるウエブWを加圧する。例えば、加圧部110により、堆積部70で形成されたウエブWの厚みに対しておよそ1/5から1/30の厚みのウエブWとなるように加圧する。これにより、ウエブWの強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加圧部110の下流側に成形部120が配置されている。成形部120は、堆積部70で堆積した堆積物としてのウエブWを第1加熱温度で加熱し、ウエブWに含まれる繊維同士を熱可塑性樹脂を介して結着させるものである。成形部120における第1加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点以上の温度に設定される。これにより、熱可塑性樹脂を溶かし解繊物の繊維同士を確実に結着させることが可能となり、帯状のシートPr’(ウエブW)を成形することができる。なお、本実施形態では、堆積したウエブWを加圧しながら第1加熱温度で加熱するように構成されている。具体的には、成形部120は、一対の加熱ローラー121,122で構成されている。加熱ローラー121,122の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱ローラー121,122間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWに対して加熱加圧することができる。そして、ウエブWは一対の加熱ローラー121,122によって加熱加圧されることで、熱可塑性樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。
成形部120の搬送方向の下流側には、ウエブWを切断するシートカッター部130として、ウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する第1シートカッター部130aとウエブWの搬送方向と交差する方向にウエブWを切断する第2シートカッター部130bとが配置されている。第1シートカッター部130aは、例えば、スリッターであり、ウエブWの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断する。第2シートカッター部130bは、例えば、ロータリーカッターであり、連続状のウエブWを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状(単票状)に裁断する。これにより、所望するサイズのシートPr(ウエブW)が形成される。
なお、上記実施形態にかかるシートとは、古紙や純パルプなどの繊維を含むものを原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(や凸凹を有する形状)であってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、薄いシート状にした態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
また、上記本実施形態において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形されたものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
次に、造形部3の構成について説明する。
載置部150は、繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートPrを載置面150a上に載置させるものである。載置部150の載置面150aは、シートPrが載置される平坦面を有している。ここで、本実施形態において載置部150にシートPrを載置するとの記載は、シートPrを載置面150aに直接載置することばかりでなく、既に載置面150aに載置されているシートPrの上に他のシートPrを載置(積層)することを含む。載置部150は、モーター等の駆動部を備え、鉛直方向に移動可能に構成されている。また、載置部150(載置面150a)の鉛直方向における位置(高さ)を検出する第1検出部(図示せず)を有し、第1検出部による検出情報に基づいて載置部150の鉛直方向における位置が制御される。そして、載置部150にシートPrが載置(積層)される都度、積層されたシートPrの高さが所定の高さ位置になるよう載置部150が鉛直方向下方に移動可能に構成されている。なお、第1検出部による載置部150の検出は、シート1枚ごとに行なってもよいし、所定枚数(例えば10枚)ごとに行なってもよい。あるいは、第1検出部を設けずに、シートPrの厚みに応じた所定量、載置部150を移動させるように構成してもよい。
切断部160は、載置部150に載置されたシートPrを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断するものである。切断部160は、切断刃160aと、切断刃160aが固定され制御部8から送信された切断駆動信号に基づいて水平に移動するX−Yカッティングプロッター(図示せず。以下、単にX−Yプロッターという。)とから構成されている。そして、切断刃160aは、X−Yプロッターにより、載置部150に載置(積層)されたシートPrを2次元的に切断することが可能である。なお、切断部160の構成は、切断刃160a等のカッター類の他、レーザーカッターや超音波カッター等を適宜適用してもよい。
除去部165は、切断部160により切断されたシートPrの不要領域の一部を切削して除去するものである。除去部165は、例えば、エンドミルであり、回転する切削刃165aと、切削刃165aが固定され制御部8から送信された切断駆動信号に基づいて水平に移動するX−Yプロッター(図示せず)とから構成されている。そして、切削刃165aは、X−Yプロッターにより、載置部150に載置(積層)されたシートPrを2次元的に切断することが可能である。なお、除去部165の構成は、切削刃165a等を有するエンドミルの他、各種カッター、レーザーカッターや超音波カッター等を適宜適用してもよい。
積層部140は、載置部150に載置されたシートPr上に他のシートPrを積み重ねるものである。具体的には、除去部165により不要領域の一部が除去された第1のシートPr1の上に、第2のシートPr2を積み重ねる。本実施形態の積層部140は、シート製造部2の第2シートカッター部130bの搬送方向の下流側に配置され、一対の搬送ローラー141,142で構成されている。また、第2のシートPr2を第1のシートPr1の上に積層するために、載置部150の載置面150aを鉛直方向に移動させるための構成も、積層部140の一部とみなすことができる。これにより、シート製造部2の成形部120により成形され、シートカッター部130によって単票に形成されたシートPrが、積層部140によって搬送されて載置部150に載置される。
加熱部170は、載置部150の上側に配置され、載置部150に載置されたシートPrを加熱するものである。具体的には、載置部150に載置された第1のシートPr1上に積み重ねられた第2のシートPr2を加熱して熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ第1のシートPr1と第2のシートPr2とを接着させる。このとき、少なくとも、加熱部170により直接加熱される第2のシートPr2に含まれる樹脂の一部が溶融し、第1のシートPr1と第2のシートPr2とが接着される。第1のシートPr1に含まれる樹脂の一部が溶融して接着に寄与する場合もある。
本実施形態の加熱部170は、第1のシートPr1上に積み重ねられた第2のシートPr2に接触し、加圧するとともに加熱するように構成されている。加圧による成形と加熱による接着とが同時に行われるので、製造効率を高めることができる。具体的な加熱部170の構成としては、載置部150に載置されたシートPrの表面を部分的に押圧可能なコテ部170aと、当該コテ部170aを所定温度の第2加熱温度に加熱可能なヒーターユニット(図示せず)と、を備えている。すなわち、本実施形態の加熱部170は、コテ部170aの先端面がシートPrの表面よりも小さく、載置部150に載置されたシートPrに対して部分的に接触して加圧加熱するよう構成されている。従って、例えば、シートPrにおいて除去部165で切削する部分(不要領域の一部)を除いた部分(領域)のみを加熱することにより第1のシートPr1と第2のシートPr2とを接着させる。除去部165で切削する部分は、加熱されず、すなわち、第1のシートPr1と第2のシートPr2とは接着されず比較的柔らかいので、除去処理を容易に行うことができる。
加熱部170と載置部150とは鉛直方向に相対的に移動可能に構成され、載置部150に載置されたシートPrを加熱可能に構成されている。なお、本実施形態では、加熱部170は、モーター等の駆動部を備え、鉛直方向に移動可能に構成され、加熱部170が載置部150に対して下降移動し、載置部150に載置されたシートPrを加圧するとともに加熱するように構成されている。また、加熱部170の鉛直方向における位置(高さ)を検出する第2検出部(図示せず)を有し、検出部による検出情報に基づいて加熱部170の鉛直方向における位置が制御され、所定の位置で積層されたシートPrに対して加圧加熱することができる。あるいは、載置部150の載置面150a上に積層された最上位のシートPrの位置(高さ)が常に同じ位置となるように載置部150を制御していれば、第2検出部はなくても、加熱部170(コテ部170aの先端面)を所定の位置に移動させれば加圧加熱することができる。
また、加熱部170の第2加熱温度は、成形部120における第1加熱温度(熱可塑性樹脂の融点以上)以上の温度に設定される。これにより、第1のシートPr1と第2のシートPr2とを確実に接着させることができる。
そして、上記のように構成された造形装置1において、制御部8は、シート製造部2を構成する各部を駆動制御し、シートPrを成形させる。また、制御部8は、載置部150、切断部160、除去部165、加熱部170の駆動制御を行う。そして、シート製造部2で成形された第1のシートPr1を積層部140によって載置部150に載置させる。制御部8は、造形データ(3次元物体の形状を表す情報)に基づいて、3次元物体の断面形状を表す2次元情報データ(スライスデータ)をラスタデータに変換して切断部160に供給する。ラスタデータは、3次元物体の断面形状を表すデータであり、断面形状の輪郭の一方側が3次元物体(造形物)を構成する有効領域であり、他方側が3次元物体(造形物)を構成しない不要領域である。なお、3次元物体の形状を表す情報は、例えば、3次元CADシステムにより供給される。そして、ラスタデータに基づいて切断部160が第1のシートPr1を切断する。当該ラスタデータは第1のシートPr1に対応するものである。そして、除去部165を駆動して、第1のシートPr1における不要領域の一部を切削し、不要領域の一部を除去する。具体的には、複数枚のシートPrが積層された後では除去するのが困難となる部分(例えば、造形物の凹部や中空部となる部分)を除去する。続いて、除去部165により不要領域が除去された第1のシートPr1上に第2のシートPr2を積み重ねる。そして、加熱部170を載置部150側に降下させ、コテ部170aを第2のシートPr2に接触させて、第2のシートPr2を部分的に加圧加熱して、第1のシートPr1と第2のシートPr2とを接着させる。そして、第2のシートPr2に対応するラスタデータに基づいて第2のシートPr2を切断する。そして、除去部165を駆動して、第2のシートPr2における不要領域の一部を切削し、不要領域の一部を除去する。すなわち、載置部150上の最上位のシート(第1のシートPr1)を切断し、最上位のシート(第1のシートPr1)の不要領域の一部を除去し、最上位のシート(第1のシートPr1)の上に他のシート(第2のシートPr2)を積層し、新たに最上位となった当該他のシート(第2のシートPr2)を加熱して下位のシート(第1のシートPr1)と接着する。以下同様にして、最上位のシートを切断し、最上位のシートから不要領域の一部を除去し、他のシートを積層し、新たに最上位となった当該他のシートを加熱して下位のシートと接着する、これら一連の処理が繰り返し行われる。このようにして、造形装置1では、切断部160によるシートPrの切断と、除去部165による不要領域の一部の除去と、積層部140による載置部150へのシートPrの積み重ねと、加熱部170によるシートPrの接着とを繰り返し行うことにより、造形物を造形することができる。
次に、造形物の造形方法について説明する。なお、本実施形態では造形装置1を用いて造形物を造形する場合について説明する。本実施形態の造形物の製造方法は、(a)繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートを載置部に載置し、(b)載置部に載置された第1のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断し、(c)第1のシートの不要領域の一部を切削して除去し、(d)不要領域が除去された第1のシートの上に、第2のシートを積み重ね、(e)第2のシートを加熱して熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ第1のシートと接着させ、(f)第2のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断し、(c)〜(f)を繰り返し行うことで造形物を造形するものである。なお、本実施形態では、中空部M1を有する筒状の造形物Mを造形する場合について説明する。図2は、本実施形態にかかる造形物の造形方法を示す模式図である。
まず、図2(a)に示すように、繊維を熱可塑性樹脂により結着した第1のシートPr1を載置部150に載置する。具体的には、造形装置1のシート製造部2を駆動させ、繊維を熱可塑性樹脂により結着した第1のシートPr1を成形(製造)する。そして、造形部3の積層部140を介して第1のシートPr1を載置部150の載置面150a上に載置する。
次いで、図2(b)に示すように、載置部150に載置された第1のシートPr1を、造形データに基づいて造形物Mを構成する有効領域V1と、造形物を構成しない不要領域U(U11,U12)とに切断する。具体的には、造形データに基づく第1のシートPr1に対応するラスタデータに基づいて切断部160を駆動して、第1のシートPr1を切断する。本実施形態では、輪郭線C11と輪郭線C12とに沿って切断する。造形物M(図2(h)参照)を構成する輪郭線C11と輪郭線C12とで囲まれた領域が有効領域V1である。また、有効領域V1以外の領域、すなわち、輪郭線C11で囲まれた領域が不要領域U11であり、輪郭線C12から第1のシートPr1の外周縁までの領域が不要領域U12である。また、図2(b)に示すように、不要領域U12を分割するように切断して分割線DL(DL1)を形成する。具体的には、有効領域V1の輪郭線C12から、所定の間隔で、第1のシートPr1の外周縁に向かって第1のシートPr1を切断することにより分割線DL(DL1)を形成する。当該分割線DL(DL1)は、造形処理終了後に、シートPrの積層体(積層物)から不要領域Un2を取り除き有効領域V1(造形物M)を取り出すことを容易にするためのものであり、不要領域Un2(図2(g)参照)を立体的に複数個に分断して排除できるようになっている。なお、分割線DLの数は、造形物Mの形状等に応じて適宜設定することができる。また、分割線DLは、3次元CADシステムからの入力情報を制御部8で変換した分割線データに基づいて設定される。そして、載置部150は第1のシートPr1の厚み分だけ下降し、第2のシートPr2が供給されるまで待機する。
次いで、図2(c)に示すように、第1のシートPr1の不要領域Uの一部を切削して除去する。具体的には、造形データに基づく第1のシートPr1に対応するラスタデータに基づいて除去部165を駆動し、第1のシートPr1の不要領域U11を切削する。すなわち、造形部Mの中空部M1に対応する部分を切削する。なお、必要に応じて除去部165によって切削しながら、切削部分(不要領域U11)に圧縮空気を吹き付けてもよい。このようにすれば、切削屑を容易に取り除くことができる。
次いで、図2(d)に示すように、不要領域U11が除去された第1のシートPr1の上に、第2のシートPr2を積み重ねる。具体的には、シート製造部2で製造された第2のシートPr2を、造形部3の積層部140により、載置部150に載置されている第1のシートPr1の上に第2のシートPr2を積み重ねる。
次いで、第2のシートPr2を第2加熱温度で加熱して熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ第1のシートPr1と接着させる。具体的には、加熱部170を載置部150側に降下させ、コテ部170aの先端面を第2のシートPr2面に接触させ、積み重ねられた第2のシートPr2を加圧するとともに加熱する。本実施形態では、第2のシートPr2を部分的に加圧加熱する。具体的には、造形データに基づく第2のシートPr2に対応するラスタデータに基づいて加熱部170を駆動して、第2のシートPr2のうち、不要領域U21以外の領域に対して加圧加熱する。そして、所定の加圧加熱後、加熱部170を載置部150から上方に移動させる。これにより、第1のシートPr1と第2のシートPr2とが部分的に接着される。
次いで、図2(e)に示すように、第2のシートPr2を、造形データに基づいて、造形物Mを構成する有効領域V2と、造形物を構成しない不要領域U21,U22とに切断する。具体的には、造形データに基づく第2のシートPr2に対応するラスタデータに基づいて切断部160を駆動し、第2のシートPr2を切断する。本実施形態では、輪郭線C21と輪郭線C22とに沿って切断する。造形物M(図2(h)参照)を構成する輪郭線C21と輪郭線C22とで囲まれた領域が有効領域V2であり、有効領域V2以外の領域、すなわち、輪郭線C21で囲まれた領域が不要領域U21であり、輪郭線C22から第2のシートPr2の外周縁までの領域が不要領域U22である。また、図2(e)に示すように、不要領域U22を分割するように切断して分割線DL(DL2)を形成する。具体的には、有効領域V2の輪郭線C22から、所定の間隔で、第2のシートPr2の外周縁に向かって第2のシートPr2を切断することにより分割線DL(DL2)を形成する。
次いで、図2(f)に示すように、第2のシートPr2の不要領域Uの一部を切削して除去する。具体的には、造形データに基づく第2のシートPr2に対応するラスタデータに基づいて除去部165を駆動し、第2のシートPr2の不要領域U21を切削する。すなわち、造形物Mの中空部M1に対応する部分を切削する。ここで、不要領域U21は、第1のシートPr1と第2のシートPr2とを接着させる過程において加熱部170で加圧加熱されていない領域である。すなわち、不要領域U21は、第1のシートPr1と第2のシートPr2とが接着されていない領域であり、容易に除去することができる。なお、除去部165による切削を行いながら、必要に応じて切削部分(不要領域U21)に圧縮空気を吹き付けてもよい。このようにすれば、切削屑を容易に取り除くことができる。そして、載置部150は第2のシートPr2の厚み分だけ下降し、次のシートPr3(図示せず)が供給されるまで待機する。
次いで、不要領域U21が除去された第2のシートPr2の上に他のシートPr3を積み重ね、シートPr3を上記同様に、加熱部170で部分的に加圧加熱し、切断部160で切断し、次いで、除去部165で不要領域の一部を除去する。以上の工程を繰り返し行う。そして、図2(g)に示すように、造形物Mの造形に必要な所定の枚数のシートPrn(nは自然数で、積層される順番を表す。)を積み重ね、加圧加熱、切断及び除去が終了した時点で造形装置1の駆動を停止する。
所定の枚数のシートPrnが積み重ねられた積層体から分割線DLに倣って不要領域Un2の積層部分を排除することにより、図2(h)に示すように、有効領域Vの積層部分、すなわち中空部M1を有する造形物Mを取り出すことができる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
繊維を熱可塑性樹脂により結着させた第1のシートPr1と、同様にして繊維を熱可塑性樹脂により結着させた第2のシートPr2とを加熱部170で加圧加熱して、第1のシートPr1または第2のシートPr2に含まれる熱可塑性樹脂によって互いに接着させる。従って、第1のシートPr1と第2のシートPr2との間に接着層が介在しないため、接着層厚みのばらつきによる精度の低下がなく、精度の高い造形物Mを形成することができる。また、第1のシートPr1と第2のシートPr2とを接着させるための接着剤塗布工程等が不要なため、造形物Mの造形効率を向上させることができる。また、造形装置1は、シート製造部2を含むため、古紙Puを活用して造形物Mを効率よく造形することができる。さらに、除去部165により造形物Mの中空部M1に対応する部分を除去しながら複数枚のシートPrを積層するため、容易に中空部M1を有する造形物Mを造形することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態にかかる造形装置は、繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートを積層して造形物を造形する造形装置であって、造形データに基づいて、造形物を構成しない不要領域の一部を、シートから除去する除去部と、不要領域の一部が除去されたシートを、載置部上の最上位に載置する積層部と、載置部上の最上位のシートを加熱して熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ下位のシートと接着させる加熱部と、最上位のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断する切断部と、を有し、除去部によるシートからの不要領域の一部の除去と、積層部によるシートの積み重ねと、加熱部によるシートの接着と、切断部によるシートの切断と、を繰り返すことにより造形物を造形する装置である。また、本実施形態にかかる造形装置は、繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊部と、解繊部により解繊された解繊物に熱可塑性樹脂を混合させた混合物を堆積させる堆積部と、堆積部により堆積した堆積物を加圧加熱してシートを成形する成形部と、を有し、成形部により成形されたシートを用いて造形物を造形するように構成されている。以下、具体的な構成について説明する。
図3は、本実施形態にかかる造形装置の構成を示す概略図である。図3に示すように、本実施形態の造形装置1bは、シート製造部2と、造形部3bと、を備えている。なお、シート製造部2の構成は、第1実施形態における構成と同様なので説明を省略し、造形部3bの構成について説明する。
造形部3bは、積層部140、載置部150、切断部160、除去部168、加熱部171等を備えている。
載置部150は、第1実施形態と同様の構成を有し、繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートPrを載置面150a上に載置させるものである。後述するように、除去部168により不要領域の一部が切除されたシートPrを載置する点で、第1実施形態とは異なる。
切断部160は、第1実施形態と同様に、載置部150に載置されたシートPrを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断するものである。
除去部168は、シートPrの不要領域の一部を切断して除去するものである。本実施形態の除去部168は、例えばレーザーカッターであり、シートPrに向けてレーザー光を照射して、シートPrの不要領域の一部を切除する。
積層部140は、載置部150に載置されたシートPrの上に他のシートPrを積み重ねるものである。具体的には、除去部168により不要領域の一部が除去された第2のシートPr2を、切断部160により切断された第1のシートPr1上に積み重ねる。本実施形態の積層部140は、シート製造部2の第2シートカッター部130bの搬送方向の下流側に配置された一対の搬送ローラー141,142と、一対の搬送ローラー141,142の搬送方向の下流側に配置された一対の搬送ローラー146,147と、で構成されている。また、第2のシートPr2を第1のシートPr1の上に積層するために、載置部150の載置面150aを鉛直方向に移動させるための構成も、積層部140の一部とみなすことができる。シート製造部2から供給されたシートPrを載置部150に載置する前に、一対の搬送ローラー141,142と一対の搬送ローラー146,147とにより支持されたシートPrに向けて、除去部168からレーザー光を照射しシートPrの不要領域の一部を除去するように構成されている。
加熱部171は、第1実施形態の加熱部170と同様に、載置部150の上側に配置され、載置部150に載置されたシートPrを加熱するものである。ただし、本実施形態の加熱部171は、第1のシートPr1上に積み重ねられた第2のシートPr2の表面全体に面接触して、加圧するとともに加熱するよう構成されている点で、第1の実施形態の加熱部170とは異なる。具体的には、加熱部171は、載置部150に載置されたシートPrの表面全体を押圧するのに十分な大きさのプレート171aと、当該プレート171aを所定温度の第2加熱温度に加熱可能なヒーターユニット(図示せず)と、を備えている。プレート171aの押圧面は、押圧したシートPrに付着せず、剥離しやすいようにフッ素樹脂やシリコン等による剥離処理が施されている。
加熱部171と載置部150とは、第1実施形態と同様に、鉛直方向に相対的に移動可能に構成され、載置部150に載置されたシートPrを第2加熱温度で加熱可能に構成されている。
そして、上記のように構成された造形装置1bにおいて、制御部8は、シート製造部2を構成する各部を駆動制御し、シートPrを成形させる。また、制御部8は、載置部150、切断部160、除去部168、加熱部171の駆動制御を行う。そして、シート製造部2で成形された第1のシートPr1を積層部140の一対の搬送ローラー141,142と一対の搬送ローラー146,147とで支持する。そして、3次元物体の断面形状を表す2次元情報データを変換したラスタデータに基づいて、除去部168から第1のシートPr1に向けてレーザー光を照射して、不要領域の一部を切除する。当該ラスタデータは第1のシートPr1に対応するものである。その後、積層部140によって第1のシートPr1を載置部150に載置させる。そして、第1のシートPr1に対応するラスタデータに基づいて、切断部160により第1のシートPr1を切断する。続いて、シート製造部2で成形された第2のシートPr2を積層部140の一対の搬送ローラー141,142と一対の搬送ローラー146,147とで支持する。そして、第2のシートPr2に対応するラスタデータに基づいて除去部168により第2のシートPr2から不要領域の一部を除去し、積層部140により載置部150の第1のシートPr1上に第2のシートPr2を積み重ねる。そして、加熱部171を載置部150側に降下させ、プレート171aを第2のシートPr2に接触させて、第2のシートPr2の全面に対して加圧加熱して、第1のシートPr1と第2のシートPr2とを接着させる。そして、第2のシートPr2に対応するラスタデータに基づいて第2のシートPr2を切断する。すなわち、不要領域の一部をシートPr(第2のシートPr2)から切除し、不要領域の一部が切除されたシートPr(第2のシートPr2)を載置部150上の最上位に載置し、最上位のシートPr(第2のシートPr2)を加熱して下位のシートPr(第1のシートPr1)と接着し、最上位のシートPr(第2のシートPr2)を有効領域と不要領域とに切断する。そして、これら一連の処理が繰り返し行われる。なお、1枚目のシートを載置部上に載置したとき、下位のシートは存在しないため、加熱(接着)処理は行わずに切断処理を行う。このようにして、造形装置1bでは、除去部168によるシートPrの不要領域の一部の除去と、積層部140による載置部150へのシートPrの積み重ねと、加熱部171によるシートPrの接着と、切断部160によるシートPrの切断とを繰り返し行うことにより、造形物を造形することができる。
次に、造形物の造形方法について説明する。なお、本実施形態では造形装置1bを用いて造形物を造形する場合について説明する。本実施形態の造形物の製造方法は、繊維を熱可塑性樹脂により結着したシートを積層して造形物を造形する造形物の造形方法であって、(a)造形データに基づいて、造形物を構成しない不要領域の一部を、シートから除去し、(b)不要領域の一部が除去されたシートを、載置部上の最上位に載置し、(c)最上位のシートを加熱して熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ下位のシートと接着させ、(d)最上位のシートを、造形データに基づいて、造形物を構成する有効領域と、造形物を構成しない不要領域とに切断し、(a)〜(d)を繰り返し行うことで造形物を造形するものである。なお、本実施形態では、中空部M1を有する筒状の造形物Mを造形する場合について説明する。図4は、本実施形態にかかる造形物の造形方法を示す模式図である。
まず、図4(a)に示すように、繊維を熱可塑性樹脂により結着した第1のシートPr1から、造形データに基づいて、造形物Mを構成しない不要領域の一部を切断して除去する。具体的には、シート製造部2を駆動させ、繊維を熱可塑性樹脂により結着した第1のシートPr1を成形(製造)する。そして、積層部140を駆動して、一対の搬送ローラー141,142と一対の搬送ローラー146,147とで第1のシートPr1を支持する。そして、造形データに基づく第1のシートPr1に対応するラスタデータに基づいて除去部168を駆動して、造形物を構成しない不要領域U11を規定する輪郭線C11に沿ってレーザー光を照射し、第1のシートPr1の不要領域U11を切断(切除)する。当該不要領域U11は、造形部Mの中空部M1に対応する部分である。なお、必要に応じて除去部168によって切断した部分(不要領域U11)に向けて圧縮空気を吹き付けてもよい。このようにすれば、切断した部分を容易に取り除くことができる。
次いで、図4(b)に示すように、不要領域U11を除去した第1のシートPr1を載置部150に載置する。具体的には、積層部140を駆動して、第1のシートPr1を載置部150の載置面150a上に載置する。
次いで、図4(c)に示すように、載置部150に載置された第1のシートPr1を、造形データに基づいて造形物Mを構成する有効領域V1と、造形物を構成しない不要領域U(U12)とに切断する。具体的には、造形データに基づく第1のシートPr1に対応するラスタデータに基づいて切断部160を駆動して、第1のシートPr1を切断する。本実施形態では、輪郭線C12に沿って切断する。造形物M(図4(h)参照)を構成する輪郭線C11と輪郭線C12とで囲まれた領域が有効領域V1であり、有効領域V1以外の領域、すなわち、輪郭線C11で囲まれた領域が不要領域U11であり、輪郭線C12から第1のシートPr1の外周縁までの領域が不要領域U12である。なお、本実施形態では、第1のシートPr1が載置部150に載置されたときには不要領域U11は既に除去されている。また、図4(c)に示すように、不要領域U12を分割するように切断して分割線DL(DL1)を形成する。具体的には、有効領域V1の輪郭線C12から、所定の間隔で、第1のシートPr1の外周縁に向かって第1のシートPr1を切断することにより分割線DL(DL1)を形成する。当該分割線DL(DL1)は、造形処理終了後に、シートPrの積層体(積層物)から不要領域Un2を取り除き有効領域V(造形物M)を取り出すことを容易にするためのものであり、不要領域Un2を立体的に複数個に分断して排除できるようになっている。なお、分割線DLの数は、造形物Mの形状等に応じて適宜設定することができる。また、分割線DLは、3次元CADシステムからの入力情報を制御部8で変換した分割線データに基づいて設定される。そして、載置部150は第1のシートPr1の厚み分だけ下降し、第2のシートPr2が供給されるまで待機する。
次いで、図4(d)に示すように、積層部140を駆動して、一対の搬送ローラー141,142と一対の搬送ローラー146,147とでシート製造部2で成形された第2のシートPr2を支持する。そして、造形データに基づく第2のシートPr2に対応するラスタデータに基づいて除去部168を駆動し、第2のシートPr2の造形物を構成しない不要領域U21を規定する輪郭線C21に沿ってレーザー光を照射し、不要領域U21を切断(切除)する。当該不要領域U21は、造形部Mの中空部M1に対応する部分である。なお、必要に応じて除去部168によって切断した部分(不要領域U21)に向けて圧縮空気を吹き付けてもよい。このようにすれば、切断部分を容易に取り除くことができる。
次いで、図4(e)に示すように、不要領域U11が除去され切断された第1のシートPr1の上に、不要領域U21が除去された第2のシートPr2を積み重ねる。具体的には、積層部140を駆動して載置部150に載置された第1のシートPr1の上に第2のシートPr2を積み重ねる。
次いで、第2のシートPr2を加熱して熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶融させ第1のシートPr1と接着させる。具体的には、加熱部171を載置部150側に降下させ、プレート171a面を第2のシートPr2面に接触させ、積み重ねられた第2のシートPr2の全面を一括して加圧するとともに加熱する。そして、所定の加圧加熱後、加熱部171を載置部150から上方に移動させる。これにより、第1のシートPr1と第2のシートPr2とが全面的に接着される。
次いで、図4(f)に示すように、第2のシートPr2を、造形データに基づいて造形物Mを構成する有効領域V2と、造形物を構成しない不要領域U22とに切断する。具体的には、造形データに基づく第2のシートPr2に対応するラスタデータに基づいて切断部160を駆動し、第2のシートPr2を切断する。本実施形態では、輪郭線C22に沿って切断する。造形物M(図4(h)参照)を構成する輪郭線C21と輪郭線C22とで囲まれた領域が有効領域V2であり、有効領域V2以外の領域、すなわち、輪郭線C21で囲まれた領域が不要領域U21であり、輪郭線C22から第2のシートPr2の外周縁までの領域が不要領域U22である。なお、本実施形態では、第2のシートPr2が載置部150に載置されたときには不要領域U21は既に除去されている。また、図4(f)に示すように、第1のシートPr1の分割線DL1と同様に、有効領域V2の輪郭線C22から所定の間隔で第2のシートPr2の外周縁に向かって、第2のシートPr2を分割するように切断して分割線DL(DL2)を形成する。そして、載置部150は第1のシートPr1の厚み分だけ下降し、次のシートPr3(図示せず)が供給されるまで待機する。
次いで、上記同様に、除去部168によりシートPr3から不要領域の一部U31を切除し、積層部140により当該シートPr3を第2のシートPr2の上に積み重ね、加熱部171により加圧加熱し、切断部160により輪郭線C32と分割線DL3に沿って切断する。以上の工程を繰り返し行う。そして、図4(g)に示すように、造形物Mの造形に必要な所定の枚数のシートPrn(nは自然数で、積層される順番を表す。)に対して、不要領域の一部Un1を切除し、積み重ね、加圧加熱し、輪郭線Cn2と分割線DLnに沿って切断する一連の処理が終了した時点で造形装置1bの駆動を停止する。
所定の枚数のシートPrnが積み重ねられた積層体から分割線DLに倣って不要領域Un2の積層部分を排除することにより、図4(h)に示すように、有効領域Vの積層部分、すなわち中空部M1を有する造形物Mを取り出すことができる。
以上、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
載置部150に載置(積層)する前の段階で、中空部M1に対応する不要領域Un1を除去部168により除去するため、積層した後に不要領域Un1を除去する場合に比べ、より容易に中空部M1を有する造形物Mを造形することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記実施形態では、シート製造部2により解繊された繊維を用いて成形されたシートPrを用いて造形物Mを造形するため、造形された造形物Mは単色であったが、これを解消するため造形装置1に着色部を設けてもよい。具体的には、積層部140により第2のシートPr2を積み重ねる前に、第1のシートPr1の少なくとも有効領域V1の輪郭部を着色する着色部を有する構成であってもよい。この場合の着色部は、熱または光により硬化する着色用液体により第1のシートPr1を着色するように構成する。このようにすれば、着色されたシートPrが積層されるため、色付きの造形物Mを造形することができる。また、発色性がよく光沢を出すことができる。また耐湿性も向上させることができる。
(変形例2)上記実施形態では、古紙Puを原料にして供給して造形物Mを造形したが、これに限定されない。例えば、古紙Pu以外の原料として、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛等、繊維の太さや長さの異なる古紙Pu等を供給してもよい。また、繊維に対して熱可塑性樹脂の他、白色度向上剤等を添加してもよい。このようにすれば、質感等が異なる多種多様の造形物Mを造形することができる。
(変形例3)上記実施形態では、シートカッター部130に第1シートカッター部130a(スリッター)を配置したが、第1シートカッター部130a(スリッター)を省略した構成であってもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができるとともに造形装置1の構成を簡略化することができる。
(変形例4)上記実施形態では、シートカッター部130により単票に形成されたシートPrを用いて造形物Mを造形したが、この構成に限定されない。例えば、連続紙(ロール紙等)からシート状に切り抜いたものを積層して造形物Mを造形する構成であってもよい。このようにしても上記同様の効果を得ることができる。
(変形例5)上記実施形態では、中空部M1を有する造形物Mを造形する方法を例に挙げて説明したが、造形部Mの形態はこれに限られず、各種形態の造形が可能である。例えば、凹部を有する造形部を造形することができる。この場合、凹部に対応する不要領域を除去部165、168で除去しながらシートPrを積み重ねて造形すればよい。このようにすれば、凹部を有する造形部を容易に造形することができる。
(変形例6)上記実施形態では、3次元物体の断面形状を表す2次元情報データ(スライスデータ)をラスタデータに変換したが、ベクターデータに変換してもよい。そして、ベクターデータに基づいて、除去部165による切削または除去部168による切除、また切断部160による切断を行ってもよい。
(変形例7)上記実施形態1では、シートPrの表面に対して部分的に接触して加圧加熱する加熱部170としたが、これに代えて、実施形態2の加熱部171を適用してもよい。すなわち、シートPrの表面全体に接触し全面を一括して加圧加熱するよう構成してもよい。このようにすれば、加圧による成形と加熱による接着とが同時に行われるので、製造効率を高めることができる。
なお、本例の造形装置1、1bは、シート製造部2と造形部3、3bとを有する構成としたが、シート製造部2を有するシート製造装置により製造されたシートPrを用いて、造形部3、3bを有する造形装置により造形物を造形してもよい。すなわち、シート製造部2と造形部3は、一体であっても別体であってもよい。
1,1b…造形装置、2…シート製造部、3,3b…造形部、8…制御部、10…供給部、20…粗砕部、30…解繊部、40…分級部、50…選別部、60…添加物投入部、70…堆積部、90…中間搬送部、110…加圧部、120…成形部、121,122…加熱ローラー、130…シートカッター部、130a…第1シートカッター部、130b…第2シートカッター部、140…積層部、141,142…一対の搬送ローラー、146,147…一対の搬送ローラー、150…載置部、150a…載置面、160…切断部、160a…切断刃、165…除去部、165a…切削刃、168…除去部、170…加熱部、170a…コテ部、171…加熱部、171a…プレート。

Claims (7)

  1. 繊維と熱可塑性樹脂の粉体とを混合して結着したシートを積層して造形物を造形する造
    形装置であって、
    前記シートを、載置部上の最上位に載置する積層部と、
    前記載置部上のシートに混合された前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部を、加熱によっ
    て溶融させ下位のシートと接着させる加熱部と、
    を有する造形装置。
  2. 繊維と熱可塑性樹脂の粉体とを混合して結着したシートを積層して造形物を造形する造
    形装置であって、
    第1のシートの上に第2のシートを積み重ねる積層部と、
    前記第2のシートに混合された前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部を、加熱によって溶
    融させ前記第1のシートと接着させる加熱部と、
    を有する造形装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の造形装置において、
    前記加熱部は、前記シートに面接触し、加圧するとともに加熱することを特徴とする造
    形装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の造形装置において、
    繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊部と、
    前記解繊部により解繊された解繊物に熱可塑性樹脂を混合させた混合物を堆積させる堆
    積部と、
    前記堆積部により堆積した堆積物を加圧加熱してシートを成形する成形部と、を有し、
    前記成形部により成形されたシートを用いて前記造形物を造形することを特徴とする造
    形装置。
  5. 請求項4に記載の造形装置において、
    前記成形部による第1加熱温度と、前記加熱部による第2加熱温度は、前記熱可塑性樹
    脂の融点≦第1加熱温度≦第2加熱温度、を満たすことを特徴とする造形装置。
  6. 繊維と熱可塑性樹脂の粉体とを混合して結着したシートを積層して造形物を造形する造
    形物の造形方法であって、
    前記シートを、載置部上の最上位に載置し、
    前記シートに混合された前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部を、加熱によって溶融させ
    下位のシートと接着させ、造形物を造形することを特徴とする造形物の造形方法。
  7. 繊維と熱可塑性樹脂の粉体とを混合して結着したシートを積層して造形物を造形する造
    形物の造形方法であって、
    第1のシートの上に、第2のシートを積み重ね、
    前記第2のシートに混合された前記熱可塑性樹脂の少なくとも一部を、加熱によって溶
    融させ前記第1のシートと接着させ、造形物を造形することを特徴とする造形物の造形方
    法。
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