JP6897667B2 - 感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、硬化物及びその製造方法、積層体、並びに、電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、硬化物及びその製造方法、積層体、並びに、電子部品 Download PDF

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Description

本開示は、感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、硬化物の製造方法、積層体、及び電子部品に関する。
半導体集積回路(LSI)又は配線板の製造分野において、導体パターンを作製するためのレジストとして、感光性材料が用いられている。例えば、配線板の製造において、感光性樹脂組成物を用いてレジストを形成し、次いで、メッキ処理によって、導体パターン、メタルポスト等を形成している。より具体的には、支持体(基板)上に、感光性樹脂組成物等を用いて感光層を形成し、該感光層を所定のマスクパターンを介して露光し、次いで、導体パターン、メタルポスト等を形成する部分を選択的に除去(剥離)できるように現像処理することで、レジストパターン(レジスト)を形成する。次いで、この除去された部分に、銅等の導体をメッキ処理によって形成した後、レジストパターンを除去することにより、導体パターン、メタルポスト等を備える配線板を製造できる。
従来、レジストパターンを除去した後、金属メッキを成長させることで、厚い導体パターン、メタルポストが作製されていた。このような要求に対応するために、例えば、厚膜用感光性レジストとして、30μm程度、厚くても、感光層の厚みが65μm程度のものが用いられていた(特許文献1及び2参照)。
また、近年、さらなる高性能化のために、金属イオン希薄層のうち、選択的にめっき成長させたい方向に存在する層をめっき液により破壊しながらめっき処理をすることで、導体層を厚み150μm程度まで厚く形成することが試みられている(特許文献3参照)。
特開2015−034926号公報 特開2014−074774号公報 特開2014−080674号公報
しかし、従来の厚膜用感光性レジストでは、例えば、70μm以上という厚い感光層の形成が求められるような場合に、底部まで、光が通りにくく、パターン形状が悪化する場合があった。また、特許文献3に記載の方法では、金属イオン希薄層を部分的に破壊しながらめっきを進めるため、安定して優れたパターンを形成することは困難であった。そのため、70μm、更には従来のものより厚い150μm、又は、それ以上の厚みの感光層を形成した場合であっても、優れたパターン形成性を有する感光性レジストが求められている。
そこで、本開示が解決しようとする課題は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、例えば、70μm以上という厚い感光層を形成する場合であっても優れたパターン形成性を有する感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、硬化物の製造方法、積層体、及び電子部品(以下、「感光性樹脂組成物等」と称することがある。)を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の構成を有する感光性樹脂組成物等により解決できることを見出した。本開示は、下記の感光性樹脂組成物等を提供するものである。
[1](A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である、厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[2]上記[1]に記載の感光性樹脂組成物を用いた感光層を有する、厚膜形成用感光性樹脂フィルム。
[3]基板上に、上記[1]に記載の感光性樹脂組成物、又は、上記[2]に記載の感光性樹脂フィルムを用いて、厚みが70μm以上の感光層を形成する工程、
該感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して、光硬化部を形成する工程、
該感光層の光硬化部以外の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する工程、を順に有する、硬化物の製造方法。
[4](A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である感光性樹脂組成物を備える、積層体。
[5](A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である感光性樹脂組成物の硬化物を備える、積層体。
[6]上記[5]に記載の積層体を備える電子部品。
本開示によれば、例えば、70μm以上という厚い感光層を形成する場合であっても優れたパターン形成性を有する感光性樹脂組成物等を提供することができる。
実施例で用いる解像度評価用マスクの一例を示す模式図である。
以下、本開示について、詳細に説明する。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」の少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレート等の他の類似表現についても同様である。
[厚膜形成用感光性樹脂組成物]
本開示における実施形態に係る(以後、単に本実施形態と称する場合がある。)感光性樹脂組成物は、(A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である、厚膜形成用感光性樹脂組成物である。
本実施形態において、「厚膜形成用」とは、感光性樹脂組成物の厚みが、70μm(更には従来のものより厚い150μm)以上である感光層を形成するための用途を意味する。以下、本実施形態の厚膜形成用感光性樹脂組成物を、単に「本実施形態の感光性樹脂組成物」とも称する。
本明細書において、「固形分」とは、感光性樹脂組成物に含まれる水、溶媒等の揮発する物質を除いた不揮発分のことであり、該樹脂組成物を乾燥させた際に、揮発せずに残る成分を示し、また室温で液状、水飴状、及びワックス状のものも含む。ここで、本明細書において室温とは25℃を示す。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である。本実施形態の感光性樹脂組成物は、吸光度が0.45未満であることにより、優れたパターン形成性が得られる。通常、感光層の厚みが厚くなると、感光層の底部(感光層の基板側の面)に光が適切に通り難くなるため、パターン形成性が著しく悪くなる傾向にある。しかし、本実施形態の感光性樹脂組成物は、前記特定の吸光度を有することにより、感光層の底部まで光が適切に通り易いため、厚い感光層であっても、優れたパターン形成性が得られる。すなわち、本実施形態の感光性樹脂組成物は、特に厚い感光層の形成に適しており、厚い感光層のパターンを形成する場合に、特にその効果を有効に発揮し易い。
同様の観点から、本実施形態の感光性樹脂組成物の吸光度は、0.40以下、0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.15以下、又は0.10以下から適宜選択することができる。吸光度の下限値は、例えば、0.001以上、0.005以上、又は、0.008以上から適宜選択することができる。
なお、感光性樹脂組成物の吸光度は、後述する、光重合性官能基を有する化合物、光重合開始剤、無機フィラ等の種類及び含有量により適宜調整することができる。
吸光度は、例えば、紫外可視分光光度計(製品名:「U−3310 Spectrophotometer」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、リファレンスにポリエチレンテレフタレートフィルム単体を用いる等して、波長365nmの光に対する吸光度を測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、感光性樹脂組成物の厚みが50μmのときの波長365nmの光に対する吸光度は、厚みが50μm以外の感光性樹脂組成物について測定した吸光度を、ランベルトベールの法則に基づいて厚み50μmの吸光度に換算して求めることもできる。
<(A)成分:光重合性官能基を有する化合物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分として、光重合性官能基を有する化合物を含有する。(A)成分に含まれる光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基などのエチレン性不飽和基が挙げられる。これらの中でも、(A)成分は、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有していてもよい。
また、(A)成分は、パターン形成性を向上させる観点から、炭素−窒素結合を有する化合物を含有していてもよく、炭素−窒素結合として、ウレタン結合を有する化合物を含有していてもよい。また、70μm以上の厚い感光層を形成した場合のパターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基及びウレタン結合を有する化合物の含有量の下限値は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、又は、95質量%以上から適宜選択すればよい。得られる樹脂組成物のパターン形成性、塗布性、及び樹脂組成物の硬化物に要求する物性及び特性を考慮すると、上限値に特に制限はないが、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、100質量%以下、99質量%以下、95質量%以下、85質量%以下、又は、80質量%以下から適宜選択することができる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリレートが挙げられ、炭素−窒素結合としてウレタン結合を有するものとしては、例えば、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(以下、「ウレタン(メタ)アクリレート」と称することがある。)が挙げられる。
(A)成分が有する光重合性官能基の数としては、パターン形成性の観点から、1〜24、また得られる硬化物の物性及び特性を安定化させる観点から、2〜15、又は、2〜12から適宜選択すればよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、パターン形成性を向上させる観点から、(A)成分として、(A1)成分:光重合性官能基を有する高分子量体、を含有していてもよく、(A2)成分:光重合性官能基を有する低分子量体、を含有していてもよい。
(A1)成分及び(A2)成分について、以下に順に説明する。
((A1)成分:光重合性官能基を有する高分子量体)
(A1)成分は、光重合性官能基を有する高分子量体である。「高分子量体」とは、重量平均分子量(Mw)が2,500以上である化合物を意味する。なお、本明細書における重量平均分子量の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法によって、テトラヒドロフラン(THF)を用いて測定した値である。
(A1)成分が有する光重合性官能基は、前述の(A)成分に含まれる光重合性官能基として説明されたものであり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
(A1)成分が有する光重合性官能基の数としては、前記と同様の観点から、2〜24、また得られる硬化物の物性及び特性を安定化させる観点から、4〜15、又は、6〜12から適宜選択すればよい。
光重合性官能基数が2以上であれば、パターン形成性とともに、耐熱性、高温における硬化物の剛性を向上させることができる。一方、光重合性官能基数が24以下であれば、硬化物の剛性が向上し、かつ基板等との密着性が向上する。また、適度な粘度を有する樹脂組成物とすることができ、塗布性が向上し、塗布後の樹脂組成物に対して光照射を行った場合に、表面部分だけが急速に光硬化しやすく内部は光硬化が十分に進行しないといった現象を抑制できる。その結果、優れた解像度が得られるので、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性が得られる。更に、光硬化及び熱硬化の少なくとも一方の硬化を行った後、未反応の光重合性官能基の残存をより少なくし、得られる硬化物の物性及び特性の変動をより抑制することができる。
該(A1)成分は、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、及び芳香環骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有する高分子量体を含んでもよく、感光性樹脂組成物の吸光度を低減させる観点から、鎖状炭化水素骨格及び脂環式骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有する高分子量体を含んでもよい。
(A1)成分のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物との反応生成物が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子中に水酸基を少なくとも1つ、及び(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有する化合物が挙げられる。より具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の2官能(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;シクロヘキサンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキノン型エポキシジ(メタ)アクリレート、レゾルシノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、カテコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸モノアリル型エポキシジ(メタ)アクリレート等の2官能エポキシ(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸型エポキシトリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のヒドロキシプロピル化体、などが挙げられる。
これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、(メタ)アクリレートのエトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体、及びヒドロキシプロピル化体は、例えば、上記(メタ)アクリレートの原料となるアルコール化合物(又はフェノール化合物)に、各々1以上のエチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基、並びにヒドロキシプロピル基を付加したものを原料として用いて得られるものである。
また、カプロラクトン変性体は、例えば、上記(メタ)アクリレートの原料となるアルコール化合物(又はフェノール化合物)をε−カプロラクトンで変性したものを原料として用いて得られるものである。
イソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、1分子中にイソシアネート基を少なくとも1つ有する化合物が挙げられ、1分子中にイソシアネート基を1〜3つ有する化合物であってもよい。より具体的には、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノイソシアネート化合物;シクロヘキシルイソシアネート等の脂環式モノイソシアネート化合物;フェニルイソシアネート等の芳香族モノイソシアネート化合物などのモノイソシアネート化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ノルボルネン、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物などのジイソシアネート化合物、またこれらジイソシアネート化合物のウレトジオン型二量体、イソシアヌレート型、ビウレット型三量体等の多量体などが挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができ、また多量体を構成する2つ又は3つのイソシアネート化合物は、同一でも異なっていてもよい。
中でも、パターン形成性を向上させる観点から、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等のジイソシアネート化合物、及びこれらジイソシアネート化合物の多量体から適宜選択すればよく、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びイソシアヌレート型多量体(イソシアヌレート型ポリイソシアネート)から適宜選択すればよい。
上記の水酸基を有する(メタ)アクリレートと、イソシアネート化合物との反応生成物は、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有し、かつ炭素−窒素結合としてウレタン結合を有するものであり、より具体的には、例えば、分子中に水酸基を有する(メタ)アクリレートに由来する有機基(すなわち、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレートから水酸基を除いた残基である1〜5個の(メタ)アクリロイル基を有する有機基、ともいえる)、ウレタン結合、及び上記のイソシアネート化合物に由来する有機基(すなわち、上記のイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基である、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、又は芳香環骨格を有する有機基、ともいえる)を有するものである。これらの有機基は、同一でも異なっていてもよい。
(A1)成分のウレタン(メタ)アクリレートとしては、パターン形成性を向上させる観点から、例えば、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物の末端イソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応生成物を含んでもよい。
ここで用いられる、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物としては、上記イソシアネート化合物として例示した化合物のうち、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等のジイソシアネート化合物、またこれらジイソシアネート化合物のウレトジオン型二量体、イソシアヌレート型、ビウレット型三量体等の多量体などが挙げられる。
以上のイソシアネート化合物は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ジオール化合物としては、例えば、炭素数1〜20のジオール化合物が挙げられ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、イソペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ジメチルドデカンジオール、オクタデカンジオール等の直鎖状又は分岐状の飽和ジオール化合物;ブテンジオール、ペンテンジオール、ヘキセンジオール、メチルペンテンジオール、ジメチルヘキセンジオール等の直鎖状又は分岐状の不飽和ジオール化合物;各種シクロヘキサンジオール、各種シクロヘキサンジメタノール、各種トリシクロデカンジメタノール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF等の脂環式骨格を有するジオール化合物などが挙げられる。ここで、上記飽和ジオール化合物及び不飽和ジオール化合物をまとめて、鎖状炭化水素骨格を有するジオール化合物ともいえる。
以上のジオール化合物は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
鎖状炭化水素骨格を有するジオール化合物としては、パターン形成性を向上させ、また重合後のガラス転移点(Tg)を高くして耐水性を向上させる観点から、炭素数1〜20、2〜16、又は、2〜14の飽和ジオール化合物から適宜選択すればよく、より具体的には、エチレングリコール、オクタデカンジオールから適宜選択すればよい。
また、脂環式骨格を有するジオール化合物としては、パターン形成性を向上させ、また重合後のガラス転移点(Tg)を高くして耐水性を向上させる観点から、炭素数5〜20、5〜18、又は、6〜16の脂環式骨格を有するジオール化合物から適宜選択すればよく、より具体的には、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の各種シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の各種シクロヘキサンジメタノールから適宜選択すればよい。
また、ここで用いられる水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレートと、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物との反応生成物に用いられる(メタ)アクリレートとして例示したものが挙げられる。
1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物の末端イソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応生成物としては、例えば、下記一般式(1)で表される構造単位を有するものが挙げられる。
Figure 0006897667
一般式(1)中、Xは鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、又は芳香環骨格を有する2価の有機基を示し、Yは鎖状炭化水素骨格、又は脂環式骨格を有する2価の有機基を示す。また、(A1)成分が上記構造単位を複数有する場合、複数のX、Yは同じでも異なっていてもよい。すなわち、(A1)成分としては、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、及び芳香環骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有するものが挙げられる。
の2価の有機基としては、上記のイソシアネート基を有する化合物として例示した、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、及び芳香族ジイソシアネート化合物に由来する有機基、すなわち上記のイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基である、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、又は芳香環骨格を有する2価の有機基が挙げられる。また、Xで示される2価の有機基としては、これらの残基そのものであってもよいし、上記イソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物等のイソシアネート化合物誘導体に由来する残基であってもよい。
パターン形成性を向上させ、また樹脂組成物の透明性、耐水性、及び耐湿性をバランスよく向上させる観点から、Xは、脂環式骨格を有する2価の有機基、中でも、下記式(2)で示されるイソホロンジイソシアネートの残基である、脂環式骨格を有する2価の有機基であってもよい。
Figure 0006897667
の鎖状炭化水素骨格、又は脂環式骨格を有する2価の有機基としては、上記のジオール化合物として例示した、鎖状炭化水素骨格を有するジオール化合物、及び脂環式骨格を有するジオール化合物に由来する有機基、すなわち上記のジオール化合物から水酸基を除いた残基である、鎖状炭化水素骨格、又は脂環式骨格を有する2価の有機基が挙げられる。
中でも、パターン形成性を向上させ、また重合後のガラス転移点(Tg)を高くして耐水性を向上させる観点から、鎖状炭化水素骨格を有する2価の有機基としては、炭素数1〜20、2〜16、又は、2〜14の飽和ジオール化合物から水酸基を除いた残基から適宜選択すればよく、より具体的には、エチレングリコール、オクタデカンジオールから水酸基を除いた残基から適宜選択すればよい。また、これと同じ観点から、脂環式骨格を有する2価の有機基としては、炭素数5〜20、5〜18、又は、6〜16の脂環式骨格を有するジオール化合物から水酸基を除いた残基から適宜選択すればよく、より具体的には、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の各種シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の各種シクロヘキサンジメタノールから水酸基を除いた残基から適宜選択すればよい。
1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物の末端イソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応生成物としては、具体的には、例えば、下記一般式(3)及び(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006897667
一般式(3)及び(4)中、n及びnは各々独立に3〜20の整数を示す。
また、イソシアネート化合物として、ジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート型三量体(イソシアヌレート型トリイソシアネート)を用いた場合の反応生成物としては、例えば、下記一般式(5)及び(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006897667
一般式(5)及び(6)中、n及びnは各々独立に2〜20の整数を示す。
上記一般式(1)で表される構造単位を有するウレタンアクリレートを含む市販品としては、例えば、UN−333(官能基数:2、Mw:5,000)、UN−1255(官能基数:2、Mw:8,000)、UN−904(官能基数:10、Mw:4,900)、UN−2600(官能基数:2、Mw:2,500)、UN−6200(官能基数:2、Mw:6,500)、UN−9000PEP(官能基数:2、Mw:5,000)、UN−9200A(官能基数:2、Mw:15,000)、UN−3320HS(官能基数:15、Mw:4,900)、UN−6301(官能基数:2、Mw:33,000)、UN−954:(官能基数:6、重量平均分子量:4,500)、UN−953:(官能基数:20、重量平均分子量:14,000〜40,000)、H−219(官能基数:9、重量平均分子量:25,000〜50,000)(以上はいずれも商品名、根上工業株式会社製)、EBECRYL8405(ウレタンアクリレート/1,6−ヘキサンジオールジアクリレート=80/20の付加反応物、官能基数:4、Mw:2,700)(商品名、ダイセル・オルネクス株式会社製)等が挙げられる。
また、上記一般式(1)で表される構造単位を有するウレタンメタクリレートを含む市販品としては、例えば、UN−6060PTM(官能基数:2、Mw:6,000、商品名、根上工業株式会社製)等が挙げられる。なお、以上の記載において、括弧内の官能基数、及びMwは、各々ウレタン(メタ)アクリレートに含まれる(メタ)アクリロイル基の総数、及び重量平均分子量である。
また、上記一般式(3)で表されるウレタンアクリレートを含む市販品としては、例えば、UN−952(官能基数:10、Mw:6,500〜11,000)が、一般式(4)で表されるウレタンアクリレートを含む市販品としては、例えば、UN−905(官能基数:15、Mw:40,000〜200,000)等が挙げられる(以上はいずれも商品名、根上工業株式会社製)。
これらの中でも、パターン形成性、及び感光性の観点から、UN−952が特に好ましい。
(A1)成分のウレタン(メタ)アクリレートに含まれる(メタ)アクリロイル基の総数(光重合性官能基数)は、パターン形成性、耐熱性向上の観点から、一分子中に、2〜24、また得られる硬化物の物性及び特性を安定化させる観点から、4〜15、又は、6〜12から適宜選択すればよい。
(A1)成分の重量平均分子量は、2,500以上であり、樹脂組成物の塗布性、解像度の向上の観点から、3,000以上であってもよく、更に現像性、相溶性の向上の観点から、3,500以上であってもよい。一方、重量平均分子量の上限値は、樹脂組成物の塗布性、解像性の向上の観点から、40,000以下、又は、30,000以下であってもよく、更に現像性、相溶性の向上の観点から、20,000以下であってもよい。
重量平均分子量が2,500以上であれば、基板上に塗布した際に、塗布した樹脂組成物のだれの発生が抑制できるため、優れたパターン形成性が得られる。また、厚い感光層を形成しやすく、硬化収縮による樹脂の応力が大きくなって信頼性が低下するという問題も抑えることができる。
一方、重量平均分子量が40,000以下であれば、塗布性が向上し、厚い感光層を形成しやすくなり、パターン形成性が向上する。また、現像液に対する溶解性も良好となるため、優れた解像度を発現させることができる。更に、硬化物の透明性が向上し、透明材料として要求される優れた透過率を有する硬化物を得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(A1)成分を含有する場合、(A1)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、10質量%以上、30質量%以上、又は、40質量%以上から適宜選択すればよい。含有量が10質量%以上であれば、塗布性が向上し、厚い感光層を形成した場合であっても、優れたパターン形成性が得られる。
得られる樹脂組成物のパターン形成性、塗布性、及び樹脂組成物の硬化物に要求する物性及び特性を考慮すると、(A1)成分の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、95質量%以下、85質量%以下、又は、75質量%以下から適宜選択すればよい。
また、(A1)成分中のウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、パターン形成性を向上させる観点から、(A1)成分の固形分全量を基準として、70〜100質量%、80〜100質量%、90〜100質量%、95〜100質量%、又は、100質量%(全量)から適宜選択すればよい。
((A2)成分:光重合性官能基を有する低分子量体)
(A2)成分は、光重合性官能基を有する低分子量体である。「低分子量体」とは、重量平均分子量が2,500未満である化合物を意味する。
(A2)成分が有する光重合性官能基は、前述の(A)成分に含まれる光重合性官能基として説明されたものであり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
(A2)成分は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものであり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基の数は、1〜12、2〜10、又は、2〜6から適宜選択すればよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、パターン形成性の観点から、(A2)成分として、(A2−1)成分:光重合性官能基とイソシアヌル環とを有する低分子量体、(A2−2)成分:光重合性官能基とウレタン結合とを有する低分子量体、及び(A2−3)成分:光重合性官能基と脂環式骨格とを有する低分子量体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。本実施形態の感光性樹脂組成物が、これらの少なくとも1種を含有することにより、電子部品の基材等との密着性が向上し、優れたパターン形成性が得られる傾向にある。なお、イソシアヌル環、ウレタン結合、及び脂環式骨格のうちの2つ以上を有する低分子量体の場合は、少なくともイソシアヌル環を有していれば(A2−1)成分に分類され、またウレタン結合と脂環式骨格とを有する場合には、ウレタン結合を有することを優先して(A2−2)成分に分類される。つまり、イソシアヌル環及びウレタン結合を有さずに脂環式骨格を有する低分子量体が(A2−3)成分に分類される。
〔(A2−1)成分:イソシアヌル環を有する低分子量体〕
(A2−1)成分は、光重合性官能基とイソシアヌル環骨格とを有する低分子量体であり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基を2つ以上有していてもよく、光重合性官能基を2〜5つ有していてもよく、光重合性官能基を2つ、又は3つ有していてもよく、3つ有していてもよい。
(A2−1)成分が有する光重合性官能基は、前述の(A)成分に含まれる光重合性官能基として説明されたものであり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
(A2−1)成分としては、例えば、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006897667

(一般式(7)中、R13、R14及びR15は、各々独立に炭素数1〜8のアルキレン基を示し、R16及びR17は、各々独立に水素原子、又はメチル基を示し、R18は水素原子、又は(メタ)アクリロイル基を示す。)
一般式(7)中、R13、R14及びR15が表す炭素数1〜8のアルキレン基は、炭素数1〜4のアルキレン基であってもよく、炭素数1〜3のアルキレン基であってもよい。
炭素数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、t−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられ、これらの中でも、パターン形成性を向上させる観点から、エチレン基であってもよい。
一般式(7)中、R16及びR17は、各々独立に水素原子、又はメチル基を示し、感度を向上させる観点から、水素原子であってもよい。
一般式(7)中、R18は水素原子、又は(メタ)アクリロイル基を示し、パターン形成性を向上させる観点から、(メタ)アクリロイル基であってもよい。
一般式(7)で表される化合物は、下記式(7−1)で表される化合物及び下記式(7−2)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上であってもよく、パターン形成性を向上させる観点からは、下記式(7−1)で表される化合物であってもよい。
Figure 0006897667
(A2−1)成分の重量平均分子量は、2,500未満であり、パターン形成性を向上させる観点からは、200〜1,500、300〜1,000、又は、350〜600から適宜選択してもよい。
(A2−1)成分は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、新中村化学工業株式会社製の「A−9300」(前記式(7−1)で表される化合物)、東亞合成株式会社製の「M−215」(前記式(7−2)で表される化合物)等が挙げられる。
(A2−1)成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔(A2−2)成分:ウレタン結合を有する低分子量体〕
(A2−2)成分は、光重合性官能基とウレタン結合とを有する低分子量体であり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基を2つ以上有していてもよく、光重合性官能基を2〜6つ有していてもよく、光重合性官能基を2つ有していてもよい。
(A2−2)成分が有する光重合性官能基は、前述の(A)成分に含まれる光重合性官能基として説明されたものであり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
(A2−2)成分としては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物との反応生成物が挙げられる。ここで、水酸基を有する(メタ)アクリレート、及びイソシアネート化合物としては、各々(A1)成分の生成に用いられるものとして例示した水酸基を有する(メタ)アクリレート、及びイソシアネート化合物が挙げられる。ここで、パターン形成性の向上等の観点から適宜選択するものとしては、同じ観点から(A1)成分の生成に用いられるものとして適宜選択するものと同じものが例示される。
また、(A2−2)成分としては、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物の末端イソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応生成物が挙げられる。ここで、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物、ジオール化合物、及び水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、各々(A1)成分の生成に用いられるものとして例示した1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物、ジオール化合物、及び水酸基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、パターン形成性の向上等の観点から適宜選択するものとしては、同じ観点から(A1)成分の生成に用いられるものとして適宜選択するものと同じものが例示される。
この反応生成物としては、例えば、下記一般式(8)で表される構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
Figure 0006897667
一般式(8)中、Xは鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、又は芳香環骨格を有する2価の有機基を示し、Yは鎖状炭化水素骨格、又は脂環式骨格を有する2価の有機基を示す。すなわち、(A2−2)成分としては、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、及び芳香環骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有するものが挙げられる。X及びYとしては、各々一般式(1)におけるX及びYと同じものが例示される。
パターン形成性を向上させ、また樹脂組成物の透明性、耐水性、及び耐湿性をバランスよく向上させる観点から、Xは、鎖状炭化水素骨格を有する2価の有機基、枝分かれ状の鎖状炭化水素骨格を有する2価の有機基、枝分かれ状の炭素数2〜12のアルキレン基、例えば、上記脂肪族ジイソシアネート化合物の残基から適宜選択すればよい。また、同じ観点から、Yは脂環式骨格を有する2価の有機基、例えば、上記脂環式骨格を有するジオール化合物の残基から適宜選択すればよい。
(A2−2)成分としては、具体的には、例えば、下記一般式(9)で表されるウレタンアクリレートが挙げられる。
Figure 0006897667
上記一般式(9)において、nは1〜4の整数を示す。R19及びR20は、各々独立に水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、複数のR19及びR20は、各々その少なくとも3つは炭素数1〜4のアルキル基である。
上記一般式(9)で表されるウレタンアクリレートのうち、上記一般式(8)のXが鎖状炭化水素骨格を有する2価の有機基であるトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの残基であり、Yが脂環式骨格を有する2価の有機基のシクロヘキサンジメタノールの残基である構造単位を有する、ウレタンアクリレートを含む市販品としては、例えば、TMCH−5R(商品名、官能基数:2、Mw:950、日立化成株式会社製)等が挙げられる。
また、上記一般式(8)で表される構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレートを含む市販品としては、KRM8452(官能基数:10、Mw:1,200、ダイセル・オルネクス株式会社製)、UN−3320HA(官能基数:6、Mw:1,500、根上工業株式会社製)、UN−3320HC(官能基数:6、Mw:1,500、根上工業株式会社製)等が挙げられる。なお、以上の記載において、括弧内の官能基数、及びMwは、各々ウレタン(メタ)アクリレートに含まれる(メタ)アクリロイル基の総数、及び重量平均分子量である。
(A2−2)成分の重量平均分子量は、2,500未満であり、密着性の向上の観点から1,500以下であってもよく、さらに解像性の向上の観点から1,000以下であってもよい。一方、重量平均分子量の下限値は、所望の目的に応じて適宜用い得るものの、フィルム形成性の観点から、500以上であってもよい。
〔(A2−3)成分:脂環式骨格を有する低分子量体〕
(A2−3)成分は、光重合性官能基と脂環式骨格とを有する低分子量体であり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基を2つ以上有していてもよく、光重合性官能基を2〜4つ有していてもよく、光重合性官能基を2つ有していてもよい。
(A2−3)成分が有する光重合性官能基は、前述の(A)成分に含まれる光重合性官能基として説明されたものであり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
(A2−3)成分が有する脂環式骨格としては、特に制限されるものではないが、例えば、炭素数5〜20の脂環式炭化水素骨格が挙げられる。脂環式炭化水素骨格としては、シクロペンタン骨格、シクロヘキサン骨格、シクロオクタン骨格、シクロデカン骨格、ノルボルナン骨格、ジシクロペンタン骨格、及び、トリシクロデカン骨格からなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。これらの中でも、パターン形成性を向上させる観点から、トリシクロデカン骨格であってもよい。
(A2−3)成分の重量平均分子量は、2,500未満であり、密着性の向上の観点から1,500以下であってもよく、さらに解像性の向上の観点から1,000以下であってもよく、500以下であってもよい。一方、重量平均分子量の下限値は、所望の目的に応じて適宜用い得るものの、フィルム形成性の観点から、150以上であってもよく、200以上であってもよい。
(A2−3)成分としては、フィルム形成性の観点から、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートであってもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(A2)成分を含有する場合、(A2)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、又は、20質量%以上から適宜選択してもよい。(A2)成分の含有量が3質量%以上であれば、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性が得られ、また硬化物の優れた剛性も得られる。これと同様の観点から、(A2)成分の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、70質量%以下、60質量%以下、又は、50質量%以下から適宜選択すればよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(A1)成分と(A2)成分とを含有する場合、(A1)成分の固形分全量100質量部を基準とした(A2)成分の含有量は、パターン形成性、硬化物の剛性を向上させる観点から、20〜120質量部、25〜110質量部、又は、30〜100質量部から適宜選択すればよい。
(A2)成分が(A2−1)成分を含有する場合、(A2)成分の固形分全量中における、(A2−1)成分の含有量は、15質量%以上、40質量%以上、70質量%以上、90質量%以上、又は、95質量%以上から適宜選択してもよい。(A2−1)成分の含有量が15質量%以上であれば、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性が得られ、また硬化物の優れた剛性も得られる。これと同様の観点から、(A2−1)成分の上限値は、100質量%以下であり、100質量%、すなわち(A2)成分の全量が(A2−1)成分であってもよい。
(A2)成分が(A2−2)成分を含有する場合、(A2)成分の固形分全量中における、(A2−2)成分の含有量は、20〜100質量%、40〜95質量%、又は、50〜90質量%から適宜選択すればよい。
(A2)成分が(A2−3)成分を含有する場合、(A2)成分の固形分全量中における、(A2−3)成分の含有量は、10〜50質量%、15〜40質量%、又は、20〜30質量%から適宜選択すればよい。
<(B)成分:光重合開始剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(B)成分として、光重合開始剤を含有していてもよい。
(B)成分としては、感光性樹脂を重合させることができるものであれば、特に制限はなく、通常用いられる光重合開始剤から適宜選択することができる。パターン形成性を向上させる観点から、活性光線により遊離ラジカルを生成するもの、例えば、アシルホスフィンオキサイド系、オキシムエステル系、芳香族ケトン系、キノン系、アルキルフェノン系、イミダゾール系、アクリジン系、フェニルグリシン系、クマリン系等の光重合開始剤が挙げられる。これらの中でも、(B)成分として、アルキルフェノン系光重合開始剤、及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド基(>P(=O)−C(=O)−基)を有するものであり、例えば、(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,6−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(「IRGACURE−TPO」(BASF社製))、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネイト、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(「IRGACURE−819」(BASF社製))、(2,5−ジヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、(p−ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィンオキサイド、トリス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤は、オキシムエステル結合を有する光重合開始剤であり、例えば、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)(商品名:OXE−01、BASF社製)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)(商品名:OXE−02、BASF社製)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[O−(エトキシカルボニル)オキシム](商品名:Quantacure−PDO、日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
芳香族ケトン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「IRGACURE−651」(BASF社製))、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(「IRGACURE−369」(BASF社製))、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(「IRGACURE−907」(BASF社製))等が挙げられる。
キノン系光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾイン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「IRGACURE−651」(BASF社製))、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(「IRGACURE−184」(BASF社製))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(「IRGACURE−1173」(BASF社製))、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(「IRGACURE−2959」(BASF社製))、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(「IRGACURE−127」(BASF社製))などが挙げられる。
イミダゾール系光重合開始剤としては、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2−(2−クロロフェニル)−1−〔2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3−ジアゾール−2−イル〕−4,5−ジフェニルイミダゾール等の2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などが挙げられる。
アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等が挙げられる。
フェニルグリシン系光重合開始剤としては、例えば、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等が挙げられる。
また、クマリン系光重合開始剤としては、例えば、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−メチルアミノ−4−メチルクマリン、7−エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、7−アミノシクロペンタ[c]クマリン、7−ジエチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジメチルアミノクマリン、2,3,6,7,10,11−ヘキサンヒドロ−1H,5H−シクロペンタ[3,4][1]ベンゾピラノ−[6,7,8−ij]キノリジン12(9H)−オン、7−ジエチルアミノ−5’,7’−ジメトキシ−3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス[7−(ジエチルアミノ)クマリン]、7−ジエチルアミノ−3−チエノキシルクマリン等が挙げられる。
これらの中でも、パターン形成性を向上させる観点から、(B)成分は、下記一般式(10)で表される化合物、及び下記一般式(11)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。
Figure 0006897667

(一般式(10)中、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。水素原子以外のR〜Rは、各々置換基を有していてもよい。)
Figure 0006897667

(一般式(11)中、Rは、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又はアミノ基を示し、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。RとRは、互いに結合して、炭素数3〜16の環状構造を形成していてもよい。水酸基及び水素原子以外のR〜Rは、各々置換基を有していてもよく、置換基を有するアミノ基は、置換基同士が互いに結合して、炭素数3〜12の環状構造を形成していてもよい。Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。)
一般式(10)中、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。
、R及びRが表す炭素数1〜8のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であってもよく、炭素数1又は2のアルキル基であってもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘプチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
、R及びRが表す炭素数1〜8のアルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基であってもよく、炭素数1又は2のアルコキシ基であってもよい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ等が挙げられる。
これらの基の中でも、R、R及びRは、解像度を向上させる観点から、メチル基であってもよい。
一般式(10)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。
及びRが表す炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数1〜8のアルコキシ基は、R、R及びRの場合と同様に説明される。
及びRが表す炭素数6〜12のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基であってもよく、炭素数6〜8のアリール基であってもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
〜Rが有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。R〜Rが有していてもよい置換基であるアルキル基、アルコキシ基及びアリール基は、R〜Rとして説明されるアルキル基、アルコキシ基及びアリール基と同様のものが挙げられる。
一般式(11)中、Rは、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又はアミノ基を示す。
が表すアルコキシ基は、一般式(10)におけるR、R及びRの場合と同様に説明される。
これらの基の中でも、Rは、パターン形成性を向上させる観点から、水酸基又はメトキシ基であってもよい。
一般式(11)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。
及びRが表すアルキル基、アルコキシ基及びアリール基は、一般式(10)におけるR〜Rの場合と同様に説明される。
とRは、互いに結合して、炭素数3〜16の環状構造を形成していてもよい。
前記環状構造は、炭素数4〜10の環状構造であってもよく、炭素数5〜8の環状構造であってもよい。
前記環状構造は、パターン形成性を向上させる観点から、脂環式構造であってもよく、脂環式構造としては、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等が挙げられる。また、これらの脂環式構造は、R及びRが共に直接結合する炭素原子を含んでいてもよい。
〜Rが有し得る置換基としては、前記一般式(10)におけるR〜Rが有していてもよい置換基と同様に説明される。
ただし、置換基を有するアミノ基は、置換基同士が互いに結合して、炭素数3〜12の環状構造を形成していてもよい。
アミノ基の置換基が形成する環状構造は、炭素数3〜10の環状構造であってもよく、炭素数3〜5の環状構造であってもよい。
前記環状構造は、アミノ基の窒素原子を含む5〜10員環であってもよく、アミノ基の窒素原子を含む5〜7員環であってもよく、アミノ基の窒素原子を含む6員環であってもよい。さらに、これらの環状構造は、酸素原子等の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。アミノ基の置換基が形成する環状構造の具体例としては、下記式(12)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006897667
一般式(11)中、Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上の原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。
が表す炭素数1〜10の有機基は、炭素数1〜6の有機基であってもよく、炭素数1〜4の有機基であってもよい。
が表す炭素数1〜10の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等の炭化水素基であってもよい。これらのアルキル基、アルケニル基及びアリール基としては、前記一般式(10)におけるR〜Rが表すアルキル基、アルケニル基及びアリール基と同様に説明される。
が表す酸素原子を含む炭素数1〜10の有機基としては、例えば、アルコキシ基等が挙げられる。
が表す窒素原子を含む炭素数1〜10の有機基としては、例えば、前記式(12)で表される基が挙げられる。
が表す硫黄原子を含む炭素数1〜10の有機基としては、例えば、メチルチオ基等のアルキルチオ基などが挙げられる。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、(B)成分として、波長365nmの光に対するモル吸光係数が、5.0×10L/mol・cm未満である光重合開始剤を含有していてもよい。
光重合開始剤のモル吸光係数を前記範囲内とすることにより、感光性樹脂組成物の吸光度を低く抑えることができ、感光層の底部(感光層の基板側の面)まで光が適切に通りやすくなるため、パターン形成性を向上させることができる。また、露光部以外の光重合反応の進行を抑制することができ、これにより優れたパターン形成性が得られる。
以下、単に「モル吸光係数」と記載するときは、「波長365nmの光に対するモル吸光係数」を指し、単に「吸光度」と記載するときは、「感光性樹脂組成物の厚みが50μmのときの、波長365nmの光に対する吸光度」を指すものとする。
(B)成分のモル吸光係数は、パターン形成性を向上させる観点から、4.5×10L/mol・cm以下、4.0×10L/mol・cm以下、3.5×10L/mol・cm以下、又は、3.2×10L/mol・cm以下から適宜選択すればよい。(B)成分のモル吸光係数の下限値は、特に制限はないが、例えば、1L/mol・cm以上、5L/mol・cm以上、又は、10L/mol・cm以上から適宜選択すればよい。
(B)成分のモル吸光係数は、例えば、紫外可視分光光度計を用いて、実施例に記載の方法により測定することができる。
(B)成分の含有量としては、本実施形態の感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満となる量、0.40以下となる量、0.30以下となる量、0.25以下となる量、0.20以下となる量、0.15以下となる量、又は、0.10以下となる量から適宜選択すればよい。(B)成分を上記含有量とすることで、例えば、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて70μm以上という厚い感光層でパターンを形成した場合であっても、感光層の底部(感光層の基板側の面)まで光が通りやすくなるため、パターン形成性を向上させることができる。
(B)成分の含有量は、(B)成分のモル吸光係数及び感光性樹脂組成物の吸光度を考慮して適宜決定すればよく、通常、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.01〜30質量%、0.05〜20質量%、又は、0.08〜15質量%から適宜選択すればよい。上記含有量とすることで、感光性樹脂組成物の感度を向上させ、レジスト形状の悪化を抑制することができ、パターン形成性を向上させることができる。
また、上記の(B)成分に加えて、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの(B’)光重合開始助剤を、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、(B)成分の含有量は、(B)成分のモル吸光係数、分子量等に応じて決定してもよく、光重合開始剤のモル吸光係数、分子量、及び含有量から求められる下記式で表される値Pが、0.1以上、0.2以上、又は、0.3以上となる量から適宜選択すればよく、また、3以下、2以下、又は、1.3以下となる量から適宜選択すればよい。式(i)で表されるPが、前記範囲内であると、優れたパターン形成性が得られる。
P=A×B/C (i)
A:光重合開始剤の波長365nmの光に対するモル吸光係数(L/mol・cm)
B:感光性樹脂組成物の総量(ただし、感光性樹脂組成物がフィラを含有する場合には、フィラの質量は除く)に対する光重合開始剤の含有量(質量%)
C:光重合開始剤の分子量
<(C)成分:シラン化合物>
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、更に(C)シラン化合物を含有することができる。
(C)成分としては、公知のシランカップリング剤を用いることができる。(C)成分は、電子部品の基板との接着性を向上させることができ、特に、該基板がケイ素を含有する基板(例えば、ガラス基板、シリコンウエハ、エポキシ樹脂含浸ガラスクロス基板等)の場合は有効である。シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシラン;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン等のアミン系アルコキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のグリシドキシ基含有アルコキシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の脂環式エポキシ基含有アルコキシシラン;3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基含有アルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン;トリエトキシシリルプロピルエチルカルバメート等のカルバメート基含有アルコキシシラン;3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物等の多塩基酸無水物基含有アルコキシシランなどが挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
より接着性を向上させる観点から、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のグリシドキシ基含有アルコキシシランなどの、分子中にエチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤を用いてもよい。
感光性樹脂組成物が(C)成分を含有する場合、(C)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.05〜15質量%、0.1〜10質量%、0.1〜7質量%、1〜7質量%、又は、1〜5質量%から適宜選択すればよい。上記含有量とすることで、レジスト形状の悪化を抑制することができ、パターン形成性を向上させることができる。
<(D)成分:高Tg高分子量体>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)成分として、ガラス転移温度が70〜150℃であり、炭素−窒素結合を有さない高分子量体を含有してもよい。「高分子量体」は、前記(A1)成分における定義と同じである。(D)成分を含有することによって、感光性樹脂組成物のタックの抑制効果を有する。
(D)成分は、パターン形成性の観点及びタック性の低減の観点から、エチレン性不飽和基を含有しているものであってもよい。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられ、パターン形成性の観点から、(メタ)アクリロイル基であってもよい。
(D)成分は、脂環式骨格及び芳香族環骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有する高分子量体を含有していてもよく、パターン形成性の観点及びタック性の低減の観点から、脂環式骨格を有する高分子量体を含有していてもよい。
脂環式骨格を有する高分子量体は、例えば、炭素−窒素結合を有さない酸基含有アクリル系樹脂(d1)に由来する酸基の一部と、炭素−窒素結合を有さない脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(d2)に由来するエポキシ基とを反応させることによって製造することができる。
炭素−窒素結合を有さない酸基含有アクリル系樹脂(d1)としては、エチレン性不飽和基を有する酸と、(メタ)アクリル酸のエステル、ビニル芳香族化合物、ポリオレフィン系化合物等のモノマーから選ばれる1種又は2種以上とを共重合させて得られた共重合体を用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、(無水)マレイン酸等のエチレン性不飽和基を有する酸を必須成分とし、これに、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン等のビニル芳香族化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のポリオレフィン系化合物のモノマー、及び、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ビニルプロピオネート等のその他のモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーを共重合させた共重合体が挙げられる。
(d1)成分の酸価は、15mgKOH/g以上であってもよく、40〜500mgKOH/gであってもよい。(d1)成分がこのような酸価を有することにより、(d1)成分と後述する(d2)成分とを反応させた後においても、(D)成分に十分な量の酸基が残ることになる。
炭素−窒素結合を有さない脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(d2)としては、一分子中に一つのエチレン性不飽和基と脂環式エポキシ基とを有する化合物が好ましい。具体的には、例えば、下記式(I)〜(X)のいずれかにより表される化合物が挙げられる。
Figure 0006897667
Figure 0006897667
ここで、RD1は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。RD2は、それぞれ独立に、脂肪族飽和炭化水素基である。
D2が表す脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖又は分枝状の炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数3〜8のシクロアルキレン基、炭素数6〜14のアリーレン基、及び、これらの組み合わせからなる2価の有機基等が挙げられる。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。これらの組み合わせからなる2価の有機基としては、例えば、−CH−フェニレン基−CH−、−CH−シクロヘキシレン基−CH−等が挙げられる。
D2としては、パターン形成性の観点及びタック性の低減の観点から、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、シクロへキシレン基、−CH−フェニレン基−CH−であってもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基であってもよく、メチレン基であってもよい。
炭素−窒素結合を有さない脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(d2)としては、パターン形成性の観点から、前記式(III)で表される化合物であってもよい。
(D)成分としては、市販品を用いてもよく、例えば、サイクロマーPシリーズの(ACA)Z250(ダイセル・オルネクス株式会社製、酸価101.7mgKOH/g)等が挙げられる。(ACA)Z250は、酸基含有アクリル系樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により生成した下記式で表される3つの構成単位からなる樹脂である。
Figure 0006897667

(式中、RD1は水素原子又はメチル基を表す。RD3は炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表す。)
(D)成分のガラス転移温度は70〜150℃であるが、100〜150℃であってもよく、115〜150℃であってもよく、125〜150℃であってもよい。ここで、(D)成分のガラス転移温度は、次の方法によって測定した値である。
((D)成分のガラス転移温度の測定方法)
測定の前処理として、(D)成分を120℃、3時間で加熱した後、冷却し、サンプルを準備する。
該サンプル10mgを用いて、示差走査熱量計(株式会社島津製作所製、商品名:DSC−50)にて窒素気流下で、25〜200℃の温度範囲、昇温速度20℃/分で昇温し、溶媒等の影響を排除する。25℃まで冷却した後、再度同条件下で昇温し、ベースラインの偏起の開始する温度をガラス転移温度とする。
また、(D)成分の重量平均分子量は、3,000〜50,000であってもよく、4,000〜40,000であってもよく、5,000〜30,000であってもよい。3,000以上であれば、タック抑制効果が大きくなる傾向にあり、また、50,000以下であれば、解像性が向上する傾向にある。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、パターン形成性の観点及びタック性の低減の観点から、(A1)成分と(D)成分の合計100質量部に対して5〜60質量部であってもよく、10〜40質量部であってもよく、10〜30質量部であってもよい。
<(E)成分:熱ラジカル重合開始剤>
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、更に(E)熱ラジカル重合開始剤を含有することができる。(E)成分としては、特に制限はなく、例えば、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステルなどの過酸化物系重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤などが挙げられる。
(E)成分としては、パターン形成性を向上させる観点から、過酸化物系重合開始剤、ジアルキルパーオキシド系重合開始剤等が挙げられ、中でもジクミルパーオキシドを選択することができる。また、(E)成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(E)成分を含む場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.1〜10質量%、0.2〜5質量%、又は、0.3〜1.5質量%から適宜選択すればよい。上記含有量とすることで、感光性樹脂組成物の耐熱性を向上させ、永久膜として使用した際の信頼性が向上する。
<(F)成分:無機フィラ>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物と基板との接着性、耐熱性、硬化物の剛性等の諸特性を更に向上させる目的で、(F)無機フィラを含有することができる。
(F)成分としては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、窒化ケイ素(Si)、チタン酸バリウム(BaO・TiO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、チタン酸鉛(PbO・TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga)、スピネル(MgO・Al)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、チタン酸アルミニウム(TiO・Al)、イットリア含有ジルコニア(Y・ZrO)、ケイ酸バリウム(BaO・8SiO)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO)、ハイドロタルサイト、雲母、焼成カオリン、カーボン(C)等を使用することができる。これらの無機フィラは、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(F)成分の平均粒径は、接着性、耐熱性、及び硬化物の剛性を向上させる観点から、0.01〜3μm、0.01〜2μm、又は、0.02〜1μmから適宜選択すればよい。ここで、(F)成分の平均粒径は、感光性樹脂組成物中に分散した状態での無機フィラの平均粒径であり、以下のように測定して得られる値とする。まず、感光性樹脂組成物をメチルエチルケトンで1,000倍に希釈(又は溶解)させた後、サブミクロン粒子アナライザ(ベックマン・コールター株式会社製、商品名:N5)を用いて、国際標準規格ISO13321に準拠して、屈折率1.38で、溶剤中に分散した粒子を測定し、粒度分布における積算値50%(体積基準)での粒子径を平均粒径とする。また、キャリアフィルム上に設けられる感光層又は感光性樹脂組成物の硬化膜に含まれる(F)成分についても、上述のように溶剤を用いて1,000倍(体積比)に希釈(又は溶解)をした後、上記サブミクロン粒子アナライザを用いることにより測定できる。
(F)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、上限は10質量%以下、5質量%以下、又は、1質量%以下から適宜選択すればよく、下限は0質量%超から適宜選択すればよく、また0質量%(含まない)であってもよい。このように、(F)成分を実質的に含有しないことで、感光性樹脂組成物の透過性が向上し、例えば、70μm以上という厚い感光層でパターンを形成した場合であっても、感光層の底部(感光層の基板側の面)まで適切に光が通りやすくなるため、パターン形成性が向上する。
<その他添加剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、更に、増感剤、耐熱性高分子量体、熱架橋剤、前記(C)成分以外の接着助剤等の添加剤を含有することができる。
増感剤としては、例えば、ピラゾリン類、アントラセン類、キサントン類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、スチルベン類、トリアジン類、チオフェン類、ナフタルイミド類等の増感剤が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
耐熱性高分子量体としては、例えば、加工性を向上させる観点から、耐熱性が高く、エンジニアリングプラスチックとして用いられている、ポリオキサゾール及びそれらの前駆体、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック樹脂、ポリアミドイミド、ポリアミドなどが挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱架橋剤としては、硬化物の剛性を向上させる観点から、例えば、エポキシ樹脂、α位がメチロール基、アルコキシメチル基で置換されたフェノール樹脂、N位がメチロール基及びアルコキシメチル基からなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されたメラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの他の添加剤の含有量は、本実施形態の感光性樹脂組成物の効果を阻害しない範囲であれば特に制限はなく、例えば、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.1〜10質量%、0.3〜5質量%、又は、0.5〜5質量%から適宜選択すればよい。
なお、本実施形態の感光性樹脂組成物中における(A)成分、所望に応じて用いられる(B)〜(F)成分、及びその他添加剤の含有量は、本実施形態の感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満となる範囲で適宜決定されるものである。
<希釈剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて希釈剤を使用することができる。希釈剤としては、例えば、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール等の炭素数1〜6のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄原子含有類;γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル等のエステル類;セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類、などの極性溶媒が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
希釈剤の使用量は、感光性樹脂組成物中の固形分全量の含有量が50〜90質量%、60〜80質量%、又は、65〜75質量%となる量から適宜選択すればよい。すなわち、希釈剤を用いる場合の感光性樹脂組成物中の希釈剤の含有量は、10〜50質量%、20〜40質量%、又は、25〜35質量%から適宜選択すればよい。希釈剤の使用量を上記範囲内とすることで、感光性樹脂組成物の塗布性が向上し、より高精細なパターンの形成が可能となる。
また、例えば、70μm以上という厚みの感光層を形成しようとする場合、感光層の形成しやすさを考慮して、感光性樹脂組成物の25℃における粘度が0.5〜20Pa・s、又は、1〜10Pa・sとなる量とすることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記の(A)成分、所望に応じて用いられる(B)〜(F)成分、その他添加剤、及び希釈剤を、ロールミル、ビーズミル等で均一に混練、混合することにより得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、液状として使用してもよいし、フィルム状として使用してもよい。
液状として使用する場合、本実施形態の感光性樹脂組成物の塗布方法は特に制限はないが、例えば、印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、ジェットディスペンス法、インクジェット法、浸漬塗布法等の各種塗布方法が挙げられる。これらの中でも、厚い感光層をより容易に形成する観点から、印刷法、又は、スピンコート法から適宜選択すればよい。
また、フィルム状として用いる場合は、例えば、後述する感光性樹脂フィルムの形態で用いることができ、この場合はラミネータ等を用いて積層することで所望の厚みの感光層を形成することができる。
[厚膜形成用感光性樹脂フィルム]
本実施形態の厚膜形成用感光性樹脂フィルム(以下、単に「本実施形態の感光性樹脂フィルム」と称することがある。)は、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いた感光層を有する。本実施形態の感光性樹脂フィルムは、キャリアフィルムを有していてもよい。
本明細書において、「層」との用語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、例えば、キャリアフィルム上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を、上記の各種塗布方法で塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥して、感光層を形成し、製造することができる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物が希釈剤を含有するときは、乾燥の際に、該希釈剤の少なくとも一部を除去してもよい。
塗膜の乾燥は、熱風乾燥、遠赤外線、又は、近赤外線を用いた乾燥機等を用いることができ、乾燥温度としては、60〜120℃、70〜110℃、又は、90〜110℃から適宜選択すればよい。また、乾燥時間としては、1〜60分、2〜30分、又は、5〜20分から適宜選択すればよい。上記条件で乾燥すれば、本実施形態の感光性樹脂組成物が希釈剤を含有する場合、該希釈剤の少なくとも一部を除去することもできる。
キャリアフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂フィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。感光性樹脂フィルムの機械強度、耐熱性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂フィルムを選択してもよい。
キャリアフィルムの厚みは、取り扱い性等を考慮して、10μm〜3mm、又は、10〜200μmから適宜選択すればよい。
感光層の厚みは、1〜500μm、10〜300μm、又は、30〜100μmから適宜選択すればよい。30μm以上とすることで、例えば、厚みが150μm以上の感光層を形成する場合に、ラミネート等による作業回数をより低減することができ、また100μm以下とすることで、感光性樹脂フィルムを巻き芯に巻いた際に、該巻き芯の内側と外側との応力差による感光層の変形をより低減することができる。本実施形態の感光性樹脂組成物が有する、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性を得られるという効果を考慮すると、70μm以上であってもよく、100μmを超える厚みであってもよい。なお、70μm以上の厚みを有する感光層は、例えば、キャリアフィルム上に感光層を形成したものと、後述する保護層上に感光層を形成したものと、を貼り合わせることで、キャリアフィルムと、厚い感光層と、保護層と、をこの順で備える感光性樹脂フィルムを得ることができる。
また、本実施形態の感光性樹脂フィルムは、感光層のキャリアフィルムと接する面とは反対側の面に保護層を積層することもできる。保護層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムなどを用いてもよい。また、上述するキャリアフィルムと同じ樹脂フィルムを用いてもよく、異なる樹脂フィルムを用いてもよい。
[硬化物の製造方法]
本実施形態の硬化物の製造方法は、基板上に本実施形態の感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂フィルムを用いて感光層を設ける工程(感光層形成工程)、該感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して、光硬化部を形成する工程(露光工程)、及び、該感光層の光硬化部以外の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する工程(除去工程)を順に有する。また、所望に応じて、更に、前記樹脂パターンを加熱処理する工程(加熱工程)を有する。本実施形態の硬化物の製造方法により、所望のパターン形成が可能となり、また、例えば、70μm以上という厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性を有するという本実施形態の感光性樹脂組成物の特徴をいかし、例えば、70μm以上という厚い硬化物によって所望のパターン形成が可能となる。本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の作用が達成されれば、「工程」に含まれる。
(感光層形成工程)
感光層形成においては、本実施形態の感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂フィルムを、各々基板上に塗布、又は積層することにより、感光層を形成することができる。
基板としては、例えば、ガラス基板、シリコンウエハ、TiO、SiO等の金属酸化物絶縁体、窒化ケイ素、セラミック圧電基板、エポキシ樹脂含浸ガラスクロス基板などが挙げられる。
基板に感光性樹脂組成物を塗布して感光層を形成する場合、上記の希釈剤に溶解して溶液の形態とした感光性樹脂組成物を、基板に塗布すればよく、必要に応じて塗布して得られた塗膜を乾燥してもよい。塗布、及び乾燥は、上記の感光性樹脂フィルムの作製について記載した各種塗布方法、及び塗膜の乾燥の方法により行えばよい。
また、感光性樹脂フィルムを用いる場合は、ラミネータ等を用いた積層方法により感光層を形成することができる。
基板上に設けられる感光層の厚みは、形成方法(塗布方法、又は、積層方法)、感光性樹脂組成物の固形分濃度及び粘度等によって異なるが、乾燥後の感光層の厚みの下限として、70μm以上、100μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよい。また、上限としては、樹脂パターンが形成できていれば特に制限されないが、例えば、500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。感光層の厚みは、用途に応じて上記の範囲から適宜選択すればよく、電子部品等に用いる場合は、下限として70μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよく、上限として500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。
本実施形態の硬化物の製造方法においては、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて感光層を形成するため、厚い感光層を形成することが可能となる。例えば、150μm以上という厚みの感光層を形成する場合、一度の塗布(及び、必要に応じて乾燥)、又は積層によって形成せず、所望の厚みとなるまで複数回にわたって塗布(及び、必要に応じて乾燥)、又は積層を繰り返して行ってもよい。
(露光工程)
露光工程では、感光層形成工程にて基板上に設けた感光層に対して、必要に応じて少なくとも一部に活性光線を照射し、露光部を光硬化させて硬化部を形成する。活性光線を照射する際に、所望のパターンを有するマスクを介して感光層に活性光線を照射してもよく、また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により活性光線を照射してもよい。
また、パターン形成性を向上させる観点で、露光後、ホットプレート、乾燥機等を用いて露光後加熱(PEB:Post exposure bake)を行ってもよい。乾燥条件は特に制限はないが、60〜120℃、又は、70〜110℃の温度で、15秒〜5分、又は、30秒〜3分の時間で行えばよい。
活性光線の露光量は、10〜2,000mJ/cm、100〜1,500mJ/cm、又は、300〜1,000mJ/cmから適宜選択すればよい。使用される活性光線としては紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられる。また、光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ等を使用することができる。
(除去工程)
除去工程では、露光工程で形成した感光層の硬化部以外の部分(未露光部)の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する。未露光部の除去は、例えば、有機溶剤等の現像液を用いて行えばよい。
有機溶剤としては、例えば、エタノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン等が挙げられる。中でも、現像速度の観点から、シクロペンタノンを用いることができる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、現像液として用いられる有機溶剤中には、通常用い得る各種添加剤を添加してもよい。
また、現像液による未露光部の除去の後、必要に応じて、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、n−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート等で洗浄(リンス)してもよい。
(加熱工程)
加熱工程は、必要に応じて採用される工程であり、除去工程で形成した樹脂パターンを加熱処理し、硬化物を形成する工程である。加熱処理は、加熱温度を選択して段階的に昇温しながら、1〜2時間実施することが好ましい。加熱温度は、120〜240℃、140〜230℃、又は、150〜220℃から適宜選択すればよい。また、段階的に昇温する場合は、例えば、120℃前後、160℃前後の少なくとも一方で、10〜50分間、又は、20〜40分間、加熱処理した後、220℃前後で、30〜100分間、又は、50〜70分間、加熱処理を行えばよい。
得られた樹脂パターンの厚みは、上記の乾燥後の感光層の厚みと同じであり、下限として、70μm以上、100μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよく、上限として500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。樹脂パターンの厚みは、用途に応じて上記の範囲から適宜選択すればよく、電子部品等に用いる場合は、下限として70μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよく、上限として500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。
[積層体]
本実施形態の積層体は、次の(1)第一の積層体及び(2)第二の積層体である。
(1)(A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である感光性樹脂組成物を備える、積層体。
(2)(A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である感光性樹脂組成物の硬化物を備える、積層体。
本実施形態の第一及び第二の積層体に用いられる感光性樹脂組成物としては、(A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である感光性樹脂組成物であれば特に制限はないが、例えば、前記本実施形態の厚膜形成用感光性樹脂組成物を用いることができる。
第一の積層体は、例えば、前記硬化物の製造方法に用いられる基板、前記感光性樹脂フィルムに用いられるキャリアフィルム等の各種支持体の上に、感光性樹脂組成物を備えるものが挙げられる。第一の積層体は、前記硬化物の製造方法における感光層形成工程と同様の方法により製造することができる。
第二の積層体は、例えば、前記第一の積層体に対して、前記硬化物の製造方法における露光工程、除去工程、加熱工程等を施すことで製造することができる。
本実施形態の第一の積層体は、例えば、70μm以上という厚い感光層でも優れたパターン形成性が得られる。また、本実施形態の第二の積層体は、例えば、70μm以上という厚い感光層でも精細なパターンを有するものである。そのため、電子機器の小型化及び高性能化の流れに伴い、基板上に厚い硬化物をより精細なパターンで設けることを要する電子回路基板に関する要望に対して、本実施形態の第一及び第二の積層体を用いて、対応することが可能である。
また、例えば、電子回路基板の製造におけるメッキ処理工程において、本実施形態の第一の積層体から得られる硬化物、又は本実施形態の第二の積層体を絶縁膜として用いることで、配線間の短絡による歩留まりの低下を抑制することができる。
よって、本実施形態の第一及び第二の積層体は、例えば、携帯電話等のモバイル端末における電子回路基板などの電子部品として用いられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本実施態様の目的及び利点をより具体的に説明するが、本実施態様は以下の実施例に限定されるものではない。
(重量平均分子量の測定方法)
重量平均分子量は、以下の装置を用い、GPC法標準ポリスチレン換算により求めた値であり、ポリマー0.5mgをテトラヒドロフラン(THF)1mLに溶かした溶液を用いて測定した。
装置名:東ソー株式会社製 HLC−8320GPC
カラム:Gelpack R−420、R−430、及びR−440(3本つなぎ)
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
溶離液:THF
流速:1ml/分
標準物質:ポリスチレン
(モル吸光係数の測定方法)
光重合開始剤の吸光度の測定は、紫外可視分光光度計(商品名:U−3010、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)と、厚さ1cmの石英セルとを使用して測定した。具体的には、光重合開始剤0.001gを0.01Lのメタノールに溶解し、0.1質量%のサンプル溶液を得た。さらに、得られた0.1質量%のサンプル溶液を、10倍、100倍にそれぞれ希釈し、0.01質量%、0.001質量%のサンプル溶液をそれぞれ作製した。各濃度のサンプル溶液の、波長365nmにおける吸光度を測定し、横軸をモル濃度、縦軸を吸光度としたときの傾きから、モル吸光係数を算出した。
(実施例1〜25、比較例1)
表1及び2に示す配合組成(表中の数値の単位は質量部であり、溶液の場合は固形分換算量である。)に従って組成物を配合し、3本ロールミルで混練し感光性樹脂組成物を調製した。固形分濃度が60質量%になるようにN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、感光性樹脂組成物を得た。
次に、上記で得られた感光性樹脂組成物を用いて、下記に示す条件で各評価を行った。
[感光性樹脂フィルムの作製]
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:A−4100、帝人株式会社製)をキャリアフィルムとし、該キャリアフィルム上に、実施例及び比較例の樹脂組成物を、乾燥後の厚みが50μmとなるように均一に塗布した。次いで、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で15分間加熱して乾燥することにより感光層を形成し、キャリアフィルムと感光層とを有する感光性樹脂フィルムを作製した。
[吸光度の測定]
上記の[感光性樹脂フィルムの作製]で得られた感光性樹脂フィルムについて、感光層の厚み(乾燥後の厚み)50μmにおける、波長365nmの光に対する吸光度を測定した。具体的には、紫外可視分光光度計(製品名:「U−3310 Spectrophotometer」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、波長365nmの吸光度(Abs)を測定した。リファレンスには、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム単体を用いた。測定結果を表1及び2に示す。
[パターン形成性の評価]
ガラスエポキシ基板(MCL−E−679F(日立化成株式会社製、商品名)の銅をエッチングして得たもの)上に、感光性樹脂フィルムを、感光層が該ガラスエポキシ基板側に位置する向きにして積層し、キャリアフィルムを除去した。積層は、ラミネータを用いて60℃にて行った。次いで、感光層上に、上記の方法で、感光性樹脂フィルムを再度積層し、キャリアフィルムを除去し、これを3回繰り返すことで、ガラスエポキシ基板上に厚み200μmの感光層とキャリアフィルムとを備える積層体を得た。
積層体のキャリアフィルム上に、露光部として図1に示すパターン形状を有する解像度評価用マスク(6種類のライン幅(5μm、8μm、10μm、15μm、20μm、25μm)と、5種類のラインスペース(50μm、80μm、100μm、150μm、200μm)とを組み合わせた30種類のパターン)を置き、更にi−線フィルタ(朝日分光株式会社製:HB−0365)をのせ、高精度平行露光機(ミカサ株式会社製)を用いて、波長365nm(i線)の光を300mJ/cmの露光量で露光した。露光後のサンプルは、90℃のホットプレート上で、1分間の露光後加熱を行った。
その後、キャリアフィルムを除去し、現像液(シクロペンタノン)に20分間浸漬することで現像した。現像後のパターンを室温にて30分間乾燥させ、金属顕微鏡を用いて観察することで、パターン形成性を評価した。評価は、下記の基準で行った。ここで、形成可能とは、未露光部がきれいに除去され、ライン部分(露光部)に倒れ等の不良がないことを意味する。評価結果を表1及び2に示す。なお、表中に記載の「ライン(μm)/スペース(μm)」は、形成可能であったパターンの中で、最も狭いラインスペースを有し、かつ、そのラインスペースを有するパターンの中で、形成可能であった最も狭いライン幅を有するパターンの、ライン幅の値(μm)/ラインスペースの値(μm)を意味する。
A:15μm以下のライン幅を有するパターン、又は150μm以下のラインスペースを有するパターンを形成可能であった(以下、これらのパターンを「パターンA」と称する。)。
B:パターンAは形成できなかったが、20〜25μmのライン幅を有するパターン、又は200μmのラインスペースを有するパターンを形成可能であった(以下、これらのパターンを「パターンB」と称する。)。
C:すべてのパターンを形成できなかった。
[絶縁信頼性の評価]
絶縁信頼性は、高温高湿バイアス試験で評価した。評価デバイスであるTEG(Test Element Group)(商品名:WALTS−KIT EM0101JY、WALTS社製、L/S=40μm/15μm)の、くし型銅電極上に、実施例1〜25で得られた厚み50μmの感光性樹脂フィルムを、感光層がくし型銅電極側に位置する向きにして、ラミネータを用いて60℃で貼り付けた。次いで、i線で1,000mJ/cmの露光量で露光した後、90℃のホットプレート上で1分間加熱してから、キャリアフィルムを除去した。さらに、200℃のオーブンで1時間加熱した後、室温まで冷却して測定試料を得た。
得られた測定試料のTEG電極部に、ハンダでリード線を取り付け、高温高湿バイアス試験を行った(電圧;5V(直流)、試験時間;100時間、85℃、85%RH(高温高湿機(ESPEC社製)を使用))。その結果、実施例1〜25の感光性樹脂フィルムを用いて得られた測定試料は、いずれも試験時間(100時間)中に抵抗値が1.0×10Ω以上を保っており、充分に絶縁信頼性に優れることが確認できた。
Figure 0006897667
Figure 0006897667
表1及び2中の各材料の詳細は以下の通りである。
[(A1)成分]
・UN−952:ウレタンアクリレート(根上工業株式会社製、商品名、官能基数:10、重量平均分子量:9,000、水酸基を有するアクリレートとジイソシアネート化合物との反応生成物であり、分子内にアクリロイル基(光重合性官能基)、ウレタン結合(炭素−窒素結合)、鎖状炭化水素骨格、及び脂環式炭化水素骨格を有する。)
・UN−954:ウレタンアクリレート(根上工業株式会社製、商品名、官能基数:6、重量平均分子量:4,500)
[(A2)成分]
・TMCH−5R:ウレタンアクリレート(日立化成株式会社製、商品名、官能基数:2、重量平均分子量:950、分子内にアクリロイル基(光重合性官能基)、ウレタン結合(炭素−窒素結合)、鎖状炭化水素骨格、及び脂環式炭化水素骨格を有する化合物であり、(A2−2)成分に該当する。)
・A−9300:イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名、分子量:423、前記式(7−1)で表される化合物であり(A2−1)成分に該当する。)
・UN−3320HA:ウレタン(メタ)アクリレート(根上工業株式会社製、商品名、官能基数:6、重量平均分子量:1,500、上記一般式(8)で表される構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレートであり、(A2−2)成分に該当する。)
・A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名、(A2−3)成分に該当する。)
[(B)成分]
・TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドである「IRGACURE−TPO」(BASF社製、商品名)
・I−651:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンである「IRGACURE−651」(BASF社製、商品名)
・I−184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンである「IRGACURE−184」(BASF社製、商品名)
・OXE−01:1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)である「IRGACURE−OXE−01」(BASF社製、商品名)
・I−819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである「IRGACURE−819」(BASF社製、商品名)
[(C)成分]
・KBM−803:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名)
・KBM−503:メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名)
[(D)成分]
・Z250:サイクロマーP (ACA)Z250(ダイセル・オルネクス株式会社製、商品名、酸基含有アクリル系樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との反応により生成した下記式で表される3つの構成単位からなる樹脂(重量平均分子量:19,000〜25,000))。
Figure 0006897667

(式中、RD1は水素原子又はメチル基を表す。RD3は炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表す。)
表1及び2より、実施例1〜25の本実施態様の感光性樹脂組成物は、優れたパターン形成性を有していることが確認された。これに対して、吸光度が0.45以上である比較例1の樹脂組成物はパターンが埋まり、パターン形成性が悪かった。
本実施形態によれば、下記の発明を提供することができる。
[1](A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である、厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[2]B)成分:光重合開始剤、を更に含有する、[1]に記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[3]前記(B)成分として、波長365nmの光に対するモル吸光係数が5.0×10 L/mol・cm未満である光重合開始剤を含有する、[2]に記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[4]前記(B)成分の含有量が、感光性樹脂組成物中の固形分全量を基準として、0.01〜30質量%である、[2]又は[3]に記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[5]前記(A)成分が、光重合性官能基として、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有する、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[6]前記(A)成分が、炭素−窒素結合を有する化合物を含有する、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[7]前記(A)成分が、炭素−窒素結合として、ウレタン結合を有する化合物を含有する、[6]に記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[8]前記(A)成分として、(A1)成分:光重合性官能基を有する高分子量体、を含有する、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[9]前記(A)成分として、(A2)成分:光重合性官能基を有する低分子量体、を含有する、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[10]前記(A)成分として、(A1)成分:光重合性官能基を有する高分子量体と、(A2)成分:光重合性官能基を有する低分子量体、及び(B)成分:光重合開始剤を含有し、前記(A1)成分、前記(A2)成分、前記(B)成分の含有量が、感光性樹脂組成物中の固形分全量を基準として、各々10〜95質量%、3〜70質量%、0.01〜30質量%である、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物。
[11][1]〜[10]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を用いた感光層を有する、厚膜形成用感光性樹脂フィルム。
[12]基板上に、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、又は、[11]に記載の感光性樹脂フィルムを用いて、厚みが70μm以上の感光層を形成する工程、
該感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して、光硬化部を形成する工程、
該感光層の光硬化部以外の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する工程、を順に有する、硬化物の製造方法。
[13](A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である感光性樹脂組成物を備え、該感光性樹脂組成物の厚みが70μm以上である、積層体。
[14]前記感光性樹脂組成物が、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物である、請求項13に記載の積層体。
[15](A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、該感光性樹脂組成物の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.45未満である感光性樹脂組成物の硬化物を備え、該硬化物の厚みが70μm以上である、積層体。
[16]前記感光性樹脂組成物が、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の厚膜形成用感光性樹脂組成物である、[15]に記載の積層体。
[17][16]に記載の積層体を備える電子部品。

Claims (16)

  1. (A)成分:光重合性官能基を有する化合物、を含有する感光性樹脂組成物であり、
    前記(A)成分として、(A2)成分:光重合性官能基を有する重量平均分子量2,500未満の低分子量体を含有し、
    前記(A2)成分として、(A2−1)成分:光重合性官能基とイソシアヌル環とを有する低分子量体、(A2−2)成分:光重合性官能基とウレタン結合とを有する低分子量体、及び、(A2−3)成分:光重合性官能基と脂環式骨格とを有する低分子量体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、
    前記(A2)成分の含有量が、該感光性樹脂組成物中の固形分全量を基準として3〜60質量%であり、
    該感光性樹脂組成物を用いた感光層の厚みが50μmのとき、波長365nmの光に対する吸光度が0.001以上0.45未満である、感光性樹脂組成物。
  2. (B)成分:光重合開始剤、を更に含有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)成分として、波長365nmの光に対するモル吸光係数が1L/mol・cm以上5.0×10L/mol・cm未満である光重合開始剤を含有する、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)成分の含有量が、該感光性樹脂組成物中の固形分全量を基準として、0.01〜30質量%である、請求項2又は3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(A2)成分の前記光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(A)成分として、(A1)成分:光重合性官能基を有する重量平均分子量2,500以上の高分子量体を更に含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(A)成分として、(A1)成分:光重合性官能基を有する重量平均分子量2,500以上の高分子量体を更に含有すると共に、(B)成分:光重合開始剤を更に含有し、
    前記(A1)成分及び前記(B)成分の含有量が、該感光性樹脂組成物中の固形分全量を基準として、各々10〜95質量%及び0.01〜30質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(A1)成分として、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する、請求項6又は7に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
  10. 厚みが70μm以上である、請求項9に記載の硬化物。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いた感光層を有する、感光性樹脂フィルム。
  12. 基板上に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物、又は、請求項11に記載の感光性樹脂フィルムを用いて感光層を形成する工程、
    前記感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して、光硬化部を形成する工程、
    前記感光層の光硬化部以外の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する工程、を順に有する、硬化物の製造方法。
  13. 前記感光層の厚みが70μm以上である、請求項12に記載の硬化物の製造方法。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いた感光層、又は、請求項9又は10に記載の硬化物を備える、積層体。
  15. 前記感光層の厚みが70μm以上である、請求項14に記載の積層体。
  16. 請求項14又は15に記載の積層体を備える、電子部品。
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